JP2008037631A - エレベータ地震連動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 エレベータの地震管制運転と連動させつつ、地震発生時に建物内設備の遮断及び自動復帰を実施し、遮断設備の人為的な復帰作業を省き、コストの低減化を図る。
【解決手段】 地震検出装置2,3の出力信号を受信し、2段階の震度のレベルで判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する地震判別手段11と、この地震信号を受信し、地震震度のレベルに基づいてエレベータの地震管制運転を実行し、かつ、地震震度の低いレベルの地震信号のとき、所定時間経過後にエレベータを自動復帰させる地震管制運転制御手段12と、地震判別手段の地震信号を受信し、遮断用設定手段14,16の遮断に関する条件設定内容に従い、建物内の遮断対象設備を遮断し、かつ、復帰用設定手段15,17,18の復帰に関する条件設定内容に従い、遮断対象設備を自動復帰させる遮断制御手段13とを備えたエレベータ連動遮断システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震発生時に地震を検出し、建物内の設備を遮断するエレベータ地震連動システムに関する。
地震発生時、地震検出器により地震を検出し、電気、ガスなどの設備を自動的に遮断する地震検出システムは既に提案されている。これは、地震発生後の火災を未然に防ぐ為である。
すなわち、従来の地震検出システムは、地震検出器により地震を検出し、地震検出信号をタイマに送出する。タイマには、予め所定時間が設定されており、地震検出信号を受信すると計時する。タイマは、所定時間が経過すると、ブレーカーを作動させ、当該ブレーカーに接続されている屋内の電気系統を遮断する(特許文献1)。
もう1つの地震検出システムは、ガス製造工場などに敷設されるガス導管に複数の緊急遮断弁を設置し、各所から出力される各遮断指示に応じて対応する緊急遮断弁を遮断する。すなわち、ここで言う緊急遮断弁とは、監視室からの緊急遮断指示を受けたときに遮断する遮断弁、地震発生時に地震検出器で地震を検出し、地震検出信号をタイマ回路に入力し、所定時間経過後に自動遮断回路を介して緊急遮断指示を受けたときに遮断する遮断弁等である(特許文献2)。
特開平10−257666号公報(図1参照) 特開2001−108755号公報(図1参照)
しかしながら、以上のような地震検出システムは、何れも地震後安全を確認した後に手動で復帰する。そのため、復帰するまでの間、設備が全く使用できなくなる。
また、上述した地震検出システムでは、地震発生時に電気、ガスといった建物の設備を自動的に遮断することから、地震発生後の火災を防ぐ面から有効な防御手段となり得るが、地震発生時の震度のレベルが考慮されていない。ここで、震度とは、ある場所における地震の揺れの強さであって、加速度(単位はガル(gal))で表し、気象庁によれば震度は10段階で表記されている。従って、震度のレベルは、同じ地震でも場所によって異なもので、地震そのものの大きさを表すマグニチュードとは異なる。
ところで、上述した地震検出システムにおける遮断条件としては、二次災害を最小限に抑えるために、重度の揺れ(低ガル,高ガル)を検出する前の軽度の揺れ(例えばP波,特低ガル等)が生じた際にも建物の設備を遮断することである。
しかし、軽度の揺れで設備を遮断する場合、軽度の地震発生の頻度が多いことから、軽度な地震が発生する度に設備が遮断され、その都度手動によって遮断設備を回復させなければならない。また、前記地震検出システムは、軽度な地震発生を検出することから、専ら建物に設置しなければならず、設備コストが高くなる問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、エレベータの地震管制運転と連動させつつ、地震発生時に建物内設備の遮断及び自動復帰を実施し、遮断設備の人為的な復帰作業を省き、コストの低減化を図るエレベータ地震連動システムを提供することを目的とする。
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータ地震連動システムは、地震を検出する地震検出装置の出力信号を受信し、地震震度を少なくとも2段階のレベルで判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する地震判別手段と、この地震判別手段から出力される地震信号を受信し、前記地震震度のレベルに基づいてエレベータの地震管制運転を実行し、かつ、少なくとも地震震度の低い段階のレベルの地震信号である場合に所定時間経過後にエレベータを自動復帰動作する地震管制運転制御手段と、前記地震判別手段から出力される地震信号を受信し、建物内の遮断対象設備を遮断し、かつ、前記地震管制運転制御手段の自動復帰動作によって当該遮断対象設備を復帰させる遮断制御手段とを備えた構成である。
(2) また、本発明に係るエレベータ地震連動システムは、地震を検出する地震検出装置の出力信号を受信し、地震震度を少なくとも2段階のレベルで判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する地震判別手段と、この地震判別手段から出力される地震信号を受信し、前記地震震度のレベルに基づいてエレベータの地震管制運転を実行し、かつ、少なくとも地震震度の低い段階のレベルの地震信号であるとき、所定時間経過後にエレベータを自動復帰動作する地震管制運転制御手段と、前記地震判別手段から出力される地震信号を受信し、遮断用設定手段に設定される設備遮断に関する条件設定内容に従って、建物内の遮断対象設備を遮断し、かつ、復帰用設定手段に設定される設備復帰に関する条件設定内容に従って、前記遮断対象設備を自動復帰させる遮断制御手段とを備えた構成である。
なお、前記遮断用設定手段としては、遮断有効または遮断無効とする条件設定データを設定する遮断条件設定手段と、適宜に遮断禁止または遮断禁止無しの信号を設定する遮断禁止手段とを有し、前記遮断制御手段は、前記地震判別手段から出力される地震信号を受信すると、前記遮断条件設定手段に遮断有効とする条件設定内容が設定され、かつ、前記遮断禁止手段に遮断禁止無しの条件設定内容が設定されているとき、遮断指令信号を遮断装置に送出し、前記建物内の遮断対象設備を遮断させる構成である。
また、前記復帰用設定手段としては、外部から手動復帰信号を設定する手動復帰手段と、適宜に復帰禁止または復帰禁止無しの信号を設定する復帰禁止手段とを有し、前記遮断制御手段は、前記建物内の遮断対象設備の遮断後、当該手動復帰手段に手動復帰信号が設定され、かつ、前記復帰禁止手段に復帰禁止無しの信号が設定されているとき、復帰指令信号を遮断装置に送出し、遮断状態にある前記遮断対象設備を自動復帰させ、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止の信号が設定されているとき、復帰させずに前記遮断対象設備の遮断を継続する構成である。
さらに、前記復帰用設定手段としては、外部から手動復帰信号を設定する手動復帰手段と、復帰有効または復帰無効とする条件設定データを設定する復帰条件設定手段と、適宜に復帰禁止または復帰禁止無しの信号を設定する復帰禁止手段とを有し、前記遮断制御手段は、前記手動復帰手段に手動復帰信号が設定されておらず、かつ、前記復帰条件設定手段に復帰有効とする条件設定データが設定され、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止無しの信号が設定されているとき、復帰指令信号を遮断装置に送出し、遮断状態にある前記遮断対象設備を自動復帰させ、前記復帰条件設定手段に復帰無効とする条件設定データが設定され、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止の信号が設定されているとき、復帰させずに前記遮断対象設備の遮断を継続する構成である。
本発明によれば、エレベータの地震管制運転と連動させつつ、地震発生時に建物内の設備を遮断及び自動復帰させることができ、遮断設備の人為的な復帰作業を省き、コストの低減化を図るエレベータ地震連動システムを提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1はエレベータ制御装置に適用した本発明に係るエレベータ地震連動システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
エレベータ地震連動システムは、エレベータ制御装置1、P波感知器2、地震感知器3、外部条件設定入力部4、遮断禁止スイッチ5、復帰禁止スイッチ6、手動復帰スイッチ7、建物内のガス設備を遮断するガス遮断装置8、建物内の電気設備を遮断する電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10によって構成される。なお、地震検出装置としては、P波感知器2と地震感知器3とで構成されるが、地震感知器3だけを指す場合もある。
エレベータ制御装置1は、CPUで構成されるコンピュータからなり、予め定めるプログラムに従ってエレベータの運転制御を実施する他、遮断及び復帰に関する条件設定内容に基づいて、建物内の設備を遮断または自動復帰する制御を実施する。
P波感知器2は専らP波を高感度に検出する加速度計である。P波は縦波または粗密波と呼ばれ、地盤崩壊等による震源から岩盤等を伝わって最初に建物に到達する小さな衝撃波である。
地震感知器3は、地震発生時に広範囲の加速度を計測する加速度計が用いられ、特低ガル、低ガル、高ガルまたは長周期地震を検出する。特低ガルとは、例えば震度1〜2のレベルに相当し、屋内の人の多くが揺れを感じ、また電灯などのつり物が僅かに揺れる程度のレベルである。低ガル、高ガルは、少なくとも特低ガルよりも大きい震度のレベルである。長周期地震とは、P波やS波に比べて周期が長く、振幅も大きく,いわゆるレイリー波、ラブ波,これら両波を組み合わされた地表にうねりを伴った波であって、高層建物ほど大きな揺れが生じる。
外部条件設定入力部4は、外部スイッチやパソコンを含む携帯端末等が使用され、エレベータ保守員が外部スイッチまたは携帯端末を用いて、地震震度のレベル毎に設備を遮断するか、或いは自動復帰するかの遮断・復帰条件データをエレベータ制御装置1に設定する機能を有する。
遮断禁止スイッチ5、復帰禁止スイッチ6及び手動復帰スイッチ7は、必要に応じて適宜に外部から遮断禁止信号、復帰禁止信号、手動復帰信号を入力設定する機能を持っている。
前記エレベータ制御装置1は、前述したようにエレベータの運転制御の他、ガス,電気等の設備の遮断、自動復帰制御を実施する。エレベータの通常運転に関する制御については従来既に公知であるので、ここではその説明を省略し、以下、特に地震発生時の制御処理について説明する。
エレベータ制御装置1は、機能的には、地震判別手段11、地震管制運転制御手段12、遮断制御手段13、遮断条件設定手段14、復帰条件設定手段15、遮断禁止手段16、復帰禁止手段17及び手動復帰手段18を備える。なお、遮断条件設定手段14及び遮断禁止手段16は遮断用設定手段を構成し、また、復帰条件設定手段15、復帰禁止手段17及び手動復帰手段18は遮断用設定手段を構成する。
地震判別手段11は、初期微動を検出するP波感知器2及び特低ガル、低ガル、高ガルを検出する地震感知器3によって検出された地震震度のレベル(P波または特低ガル、低ガル、高ガル等)を判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する。
地震管制運転制御手段12は、地震判別手段11から地震信号を受信すると、エレベータの地震管制運転を実施するが、地震発号に含む震度のレベル情報に応じて異なる地震管制運転制御を実施する。
すなわち、地震管制運転制御手段12は、軽度な揺れとなるP波,特低ガル等に相当する震度のレベルを受けたとき、エレベータを最寄階まで運転して停止し、ドアを開放して乗客を降ろした後、ドアを閉じて運転休止する一連の制御を実施した後、地震判別手段11を経由または直接にP波感知器2及び地震感知器3を自動リセットする。地震管制運転制御手段12は、自動リセットした後、地震判別手段11から一定時間の間地震信号を受信しないとき、エレベータを通常運転に復帰させる。
また、地震管制運転制御手段12は、強い揺れとなる低ガル,高ガルに相当する地震震度のレベルを受けたとき、エレベータを最寄階またはその運転場所に非常停止させ、運転休止とするが、P波感知器2及び地震感知器3を自動リセットしない。しかし、地震管制運転制御手段12は、運転休止後、遮断制御手段13を経由し、または直接に手動復帰手段18から手動復帰信号を受けたとき、エレベータを通常運転に復帰させることも可能である。
なお、地震管制運転制御手段12は、エレベータを通常運転に復帰させたとき、遮断制御手段13を介して復帰指令信号をガス遮断装置8及び電気遮断装置9に送出し、遮断状態にあるガス設備及び電気設備を自動復帰させてもよい。
しかし、本発明に係るエレベータ地震連動システムは、遮断制御手段13が遮断及び復帰に関する条件設定内容に従って建物内の設備を遮断または自動復帰することに特徴を有する。
この遮断制御手段13は、地震判別手段11から地震信号を受けたとき、その地震震度のレベルと遮断条件設定手段14に設定される遮断条件データとを比較し、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に遮断指令信号を送出する。つまり、遮断条件設定手段14には外部条件設定入力部4から地震震度のレベル毎に遮断有効、遮断無効とする条件設定データが記憶される。よって、遮断制御手段13は、地震判別手段11から地震震度のレベル情報を受けると、遮断条件設定手段14の条件設定データを参照し、当該震度のレベルが遮断有効とする条件設定データであれば、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に遮断指令信号を送出する。
ガス遮断装置8は、遮断制御手段13から送られてくる遮断指令信号に基づき、建物内のガス設備を遮断する。電気遮断装置9においても、遮断制御手段13から送られてくる遮断指令信号に基づき、建物内の電気設備を遮断する。一方、遮断情報報知装置10は、遮断制御手段13から遮断指令信号を受けると、ガス設備及び電気設備等が遮断状況にあることのメッセージを音声や表示により建物内の人に報知する。
なお、地震判別手段11は、地震管制運転の際に前述したようにP波感知器2及び地震感知器3が自動リセットされたとき、地震未検出と判別し、地震震度のレベル無しの地震信号を遮断制御手段13に送出する。
遮断制御手段13は、震度のレベル無しの地震信号を受信したとき、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に復帰指令信号を送出する。しかし、P波感知器2及び地震感知器3が自動リセットされていない時、つまり、強い揺れとなる低ガル,高ガルに相当する震度のレベルを受けたとき、復帰条件設定手段15の条件設定データを参照し、復帰指令信号を出力するか否かを決定する。
復帰条件設定手段15には外部条件設定入力部4から地震震度のレベル毎に復帰有効または復帰無効とする条件設定データが記憶されている。よって、遮断制御手段13は、地震判別手段11から地震震度のレベル情報を受信すると、復帰条件設定手段15に設定される条件設定データを参照し、当該地震震度のレベルが復帰有効とする条件設定データであれば、復帰指令信号の出力を決定し、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に復帰指令信号を送出する。
さらに、遮断制御手段13は、遮断条件設定手段14及び復帰条件設定手段15に設定される遮断に関する条件設定データ及び復帰に関する条件設定データにも拘らず、遮断禁止スイッチ5,復帰禁止スイッチ6から遮断禁止手段16及び復帰禁止手段17に遮断禁止(遮断無効)及び復帰禁止(復帰無効)と設定されている場合、これら遮断禁止や復帰禁止の設定内容を優先し、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に遮断指令信号または復帰指令信号を送出する。
すなわち、遮断制御手段13は、地震判別手段11から送られてくる地震震度のレベル情報と遮断条件設定手段14に設定されるレベル毎の条件設定データとから遮断と判断した場合でも、遮断禁止手段16に遮断無効とする遮断禁止信号が設定されている場合には遮断指令信号を出力しない。
また、遮断制御手段13は、地震判別手段11から送られてくる地震震度のレベル情報と復帰条件設定手段15に設定されるレベル毎の条件設定データとから復帰と判断した場合でも、復帰禁止手段17に復帰無効とする復帰禁止信号が設定されている場合には復帰指令信号を出力しない。
手動復帰手段18は、手動復帰スイッチ7から手動復帰信号が設定されると、遮断制御手段13に手動復帰信号を送出する。遮断制御手段13は、手動復帰手段18から入力される手動復帰信号に基づき、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に復帰指令信号を送出する。
次に、以上のように構成されたエレベータ地震連動システムの動作について、図2に示すフローチャートに従って説明する。
エレベータ地震連動システムが動作を開始すると、地震判別手段11は、P波感知器2、地震感知器3が動作したか否か、つまりP波感知器2、地震感知器3から出力された加速度信号に基づいて震度のレベル(P波,特低ガル,低ガル,高ガル)を判別し(S1)、この判別された震度のレベル情報を持った地震信号を地震管制運転制御手段12及び遮断制御手段13に送出する。
地震管制運転制御手段12は、地震判別手段11から地震信号を受信しないとき、エレベータの通常運転を継続するが(S2)、震度のレベル情報を持った地震信号を受信したとき、地震管制運転を実施する(S3)。
すなわち、地震管制運転制御手段12は、前述したようにP波,特低ガル等に相当する震度のレベル情報を持った地震信号を受けたとき、エレベータを最寄階まで運転して停止し、ドアを開放して乗客を降ろした後、ドアを閉じて運転休止とした後、地震判別手段11を経由し、または直接にP波感知器2及び地震感知器3を自動リセットする。そして、自動リセットした後、地震判別手段11から一定時間の間地震発生信号を受信しないとき、エレベータを通常運転に復帰させる。
また、地震管制運転制御手段12は、低ガル,高ガルに相当する震度のレベル情報を受けたとき、エレベータを最寄階またはそのエレベータ走行場所で非常停止させ、運転休止とし、P波感知器2及び地震感知器3を自動リセットしない。
遮断制御手段13は、地震判別手段11から震度のレベル情報を伴った地震信号を受信すると、震度のレベルに基づき、遮断条件設定手段14内に記憶される条件設定データを参照し、当該震度のレベルが遮断有効とする条件設定データか否かを判断する(S4)。遮断無効とする条件設定データである場合、継続処理を条件とし(S12)、ステップS1に移行し、前述する一連の処理を繰り返し実行する。
一方、遮断制御手段13は、震度のレベル,例えばP波の震度のレベルが遮断有効とする条件設定データとなっている場合、ステップS5に移行し、遮断禁止スイッチ5がオン(遮断禁止)となっているか否かを判断する(S5)。
遮断制御手段13は、遮断条件設定手段14に遮断有効の条件設定データが設定されているにも拘らず、遮断禁止スイッチ5がオンである遮断禁止となっている場合、遮断禁止と判断し、遮断指令信号を出力せず、継続処理を条件とし(S12)、ステップS1に移行し、同様の処理を繰り返し実行する。
遮断制御手段13は、遮断禁止スイッチ5がオフ(遮断禁止無し)となっている場合、遮断有効とする条件設定データに従い、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に遮断指令信号を送出する(S6)。ここで、ガス遮断装置8及び電気遮断装置9は建物内の遮断対象となっているガス設備及び電気設備を遮断する。遮断情報報知装置10は、遮断状況のメッセージを音声出力や表示出力によって建物内の人に報知する。
さらに、遮断制御手段13は、遮断指令信号を出力した後、手動復帰手段18内に手動復帰スイッチ7から手動復帰手段18を介して手動復帰信号が入力されているか、つまり手動復帰スイッチ7がオンとなっているか判断する(S7)。
ここで、遮断制御手段13は、手動復帰スイッチ7がオフとなっている場合、前述したP波感知器2及び地震感知器3の自動リセットした際に地震判別手段11から出力される震度のレベル情報無しの地震信号の有無に基づき、P波感知器2及び地震感知器3が自動リセットされたか否かを判断する(S8)。
また、遮断制御手段13は、手動復帰スイッチ7がオンとなっている場合、ステップS10に移行し、復帰禁止スイッチ6がオンとなっているか判断する。復帰禁止スイッチ6がオンとなっている場合、復帰拒否と判断し、ステップS6に移行し、ガス設備及び電気設備の遮断状態を続ける。復帰禁止スイッチ6がオフとなっている場合、ステップS11に移行し、ガス遮断装置8、電気遮断装置9及び遮断情報報知装置10に復帰指令信号を送出する。ガス遮断装置8及び電気遮断装置9はガス設備及び電気設備を自動復帰させる。また、遮断情報報知装置10は、必要に応じてガス設備及び電気設備が自動復帰したことを報知する。
遮断制御手段13は、ステップS8において、地震判別手段11から出力される地震信号からP波感知器2及び地震感知器3が自動リセットされたか否かを判断するが、ここで、自動リセットされていないと判断したとき、低ガル,高ガルに相当する震度のレベルであるので、ステップS6に戻ってガス設備及び電気設備の遮断状態を継続する。
また、遮断制御手段13は、地震判別手段11からの地震信号からリセットされていると判断したとき、リセット前の地震信号である震度のレベルに基づき、復帰条件設定手段15の条件設定データを参照し、該当する震度のレベルが復帰有効とする条件設定データであるか判断する(S9)。例えばP波のレベルが復帰無効であれば、自動復帰せずにステップS6に移行し、手動復帰スイッチ7がオンとなるまで設備の遮断を継続する。
しかし、P波のレベル情報が復帰有効とする条件設定データとなっている場合、復帰禁止スイッチ6がオンである復帰禁止となっているか確認する(S10)。復帰禁止スイッチ6がオフである復帰禁止無しとなっている場合、ガス遮断装置8、電気遮断装置9に復帰指令信号を送出する(S11)。ここで、ガス遮断装置8及び電気遮断装置9はガス設備及び電気設備を自動復帰させる。また、復帰禁止スイッチ6がオンである復帰禁止となっている場合、ガス設備及び電気設備を復帰させることなく、ステップS6に移行し、遮断状態を継続する。
従って、以上のような実施の携帯によれば、P波感知器2や地震感知器3が地震を検出すると、地震判別手段11は、P波感知器2や地震感知器3の出力から地震震度のレベルを判別し、この判別された震度のレベルを持った地震信号を地震管制運転制御手段12及び遮断制御手段13に送出する。ここで、地震管制運転制御手段12はエレベータを地震管制運転とし、また遮断制御手段13は遮断対象設備を遮断する。しかし、地震管制運転制御手段12は、地震管制運転後、P波感知器2や地震感知器3を自動リセットし、所定時間経過しても、地震判別手段11から震度のレベルを持った地震信号を受信しないとき、エレベータを通常運転に復旧されると共に、遮断制御手段13を介して遮断状態にある遮断対象設備を自動復帰させる。従って、エレベータ制御装置1によるエレベータの地震管制運転及び通常運転に連動させて遮断対象設備を遮断及び自動復帰させることができる。
また、遮断対象設備を遮断するに際し、予め遮断用設定手段としての遮断条件設定手段14及び遮断禁止手段16に遮断に関する条件設定内容を設定し、遮断条件設定手段14で震度のレベル毎に遮断有効と設定されている場合でも、遮断禁止手段16が遮断禁止となっている場合には遮断対象設備を遮断しないので、必要に応じて適宜に遮断条件設定手段14の遮断に関する条件設定データを生かしながら、遮断対象設備を遮断したり、遮断せずにエレベータの通常運転を継続できる。
また、手動復帰スイッチ7および復帰禁止スイッチ5を設け、当該手動復帰スイッチ7がオンとなっている場合でも、復帰禁止スイッチ5から復帰禁止信号が設定されている場合、復帰を禁止することができる。つまり、低ガルや高ガルのレベルの場合、手動復帰スイッチ7がオンとなっても、復帰禁止スイッチ5がオンしない限り復帰しないので、震度のレベルを考慮しつつ遮断対象設備の復帰制御を実現できる。
さらに、復帰条件設定手段15、復帰禁止スイッチ6及び復帰禁止手段17を設け、復帰条件設定手段15が復帰有効とする条件設定内容のとき、復帰禁止スイッチ6から復帰禁止手段17に対して復帰禁止なしが設定されている場合に遮断中の遮断対象設備を自動復帰させ、復帰禁止手段17に復帰禁止が設定されている場合に遮断対象設備の遮断を継続するので、震度のレベルを考慮しつつ遮断対象設備の復帰制御を実現でき、地震発生による設備の遮後、人為的操作を実施することなく、種々の状況を考慮しつつ自動復帰させることができる。
さらに、建物に設置されるエレベータ制御装置1を地震検出システムとして利用し、エレベータの運転動作と連動させつつ、遮断対象設備の遮断及び自動復帰を実現するので、建物の設備コストを削減でき、地震震度のレベルに応じて遮断対象設備の遮断後の自動復帰を行うことができ、地震発生後の復帰作業の手間を省くことができる。
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、地震判別手段11は、例えばP波,特低ガル、低ガル,高ガル等の4つのレベルとして判別するが、少なくともP波,特低ガルに関するレベルと、低ガル,高ガル等に関するレベルとする2段階レベルを判別し、当該震度のレベルを持った地震信号を出力すれば、地震管制運転制御手段12は、当該震度のレベルに応じてエレベータ及び遮断中の設備に対して異なった自動復帰処理を実現できる。
(2) また、地震発生後、地震管制運転制御手段12が地震管制運転後にP波感知器2及び地震感知器3を自動リセットしたが、例えば、再び地震判別手段11が震度のレベルを持った地震信号を地震管制運転制御手段12に送出した後、判別した震度のレベルに応じて再びP波感知器2及び地震感知器3を自動リセットしても構わない。
(3) さらに、外部条件設定入力部4は、遮断条件設定手段14及び復帰条件設定手段15に遮断有効・遮断無効及び復帰有効・復帰無効の条件設定データを設定したが、例えば外部条件設定入力部4から遮断禁止スイッチ5及び復帰禁止スイッ6で設定する内容を遮断禁手段16、復帰禁止手段17に設定してもよい。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
本発明に係るエレベータ地震連動システムの一実施の形態を示す全体構成図。 図1に示すエレベータ制御装置の動作を説明するフローチャート。
符号の説明
1…エレベータ制御装置、2…P波感知器、3…地震感知器、4…外部条件設定入力部、5…遮断禁止スイッチ、6…復帰禁止スイッチ、7…手動復帰スイッチ、8…ガス遮断装置、9…電気遮断装置、10…遮断情報報知装置、11…地震判別手段、12…地震管制運転制御手段、13…遮断制御手段、14…遮断条件設定手段、15…復帰条件設定手段、16…遮断禁止手段、17…復帰禁止手段、18…手動復帰手段。

Claims (10)

  1. 地震を検出する地震検出装置の出力信号を受信し、地震震度を少なくとも2段階のレベルで判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する地震判別手段と、
    この地震判別手段から出力される地震信号を受信し、前記地震震度のレベルに基づいてエレベータの地震管制運転を実行し、かつ、少なくとも地震震度の低い段階のレベルの地震信号である場合に所定時間経過後にエレベータを自動復帰動作する地震管制運転制御手段と、
    前記地震判別手段から出力される地震信号を受信し、建物内の遮断対象設備を遮断し、かつ、前記地震管制運転制御手段の自動復帰動作によって当該遮断対象設備を復帰させる遮断制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータ連動遮断システム。
  2. 地震を検出する地震検出装置の出力信号を受信し、地震震度を少なくとも2段階のレベルで判別し、この判別された地震震度のレベルを持った地震信号を出力する地震判別手段と、
    この地震判別手段から出力される地震信号を受信し、前記地震震度のレベルに基づいてエレベータの地震管制運転を実行し、かつ、少なくとも地震震度の低い段階のレベルの地震信号であるとき、所定時間経過後にエレベータを自動復帰動作する地震管制運転制御手段と、
    前記地震判別手段から出力される地震信号を受信し、遮断用設定手段に設定される設備遮断に関する条件設定内容に従って、建物内の遮断対象設備を遮断し、かつ、復帰用設定手段に設定される設備復帰に関する条件設定内容に従って、前記遮断対象設備を自動復帰させる遮断制御手段とを備えたことを特徴とするエレベータ連動遮断システム。
  3. 前記地震管制運転制御手段または前記地震判別手段は、地震震度の低い段階のレベルを持った地震信号である場合に前記地震検出装置を自動リセットするとともに、前記地震管制運転制御手段が当該自動リセット後、前記所定時間内に地震震度のレベルを持った地震信号を受信しないとき、エレベータを自動復帰動作させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ連動遮断システム。
  4. 前記遮断用設定手段は、遮断有効または遮断無効とする条件設定データを設定する遮断条件設定手段と、適宜に遮断禁止または遮断禁止無しの信号を設定する遮断禁止手段とを有し、
    前記遮断制御手段は、前記地震判別手段から出力される地震信号を受信すると、前記遮断条件設定手段に遮断有効とする条件設定内容が設定され、かつ、前記遮断禁止手段に遮断禁止無しの条件設定内容が設定されているとき、遮断指令信号を遮断装置に送出し、前記建物内の遮断対象設備を遮断させることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ連動遮断システム。
  5. 前記遮断条件設定手段には、地震震度の各レベル毎に遮断有効または遮断無効とする条件設定データを設定することを特徴とする請求項4に記載のエレベータ連動遮断システム。
  6. 前記復帰用設定手段は、外部から手動復帰信号を設定する手動復帰手段と、適宜に復帰禁止または復帰禁止無しの信号を設定する復帰禁止手段とを有し、
    前記遮断制御手段は、前記建物内の遮断対象設備の遮断後、当該手動復帰手段に手動復帰信号が設定され、かつ、前記復帰禁止手段に復帰禁止無しの信号が設定されているとき、復帰指令信号を遮断装置に送出し、遮断状態にある前記遮断対象設備を自動復帰させ、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止の信号が設定されているとき、復帰させずに前記遮断対象設備の遮断を継続することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ連動遮断システム。
  7. 前記復帰用設定手段は、外部から手動復帰信号を設定する手動復帰手段と、復帰有効または復帰無効とする条件設定データを設定する復帰条件設定手段と、適宜に復帰禁止または復帰禁止無しの信号を設定する復帰禁止手段とを有し、
    前記遮断制御手段は、前記手動復帰手段に手動復帰信号が設定されておらず、かつ、前記復帰条件設定手段に復帰有効とする条件設定データが設定され、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止無しの信号が設定されているとき、復帰指令信号を遮断装置に送出し、遮断状態にある前記遮断対象設備を自動復帰させ、前記復帰条件設定手段に復帰無効とする条件設定データが設定され、また、前記復帰禁止手段に復帰禁止の信号が設定されているとき、復帰させずに前記遮断対象設備の遮断を継続することを特徴とする請求項2に記載のエレベータ連動遮断システム。
  8. 前記復帰条件設定手段には、地震震度の各レベル毎に復帰有効または復帰無効とする条件設定データを設定することを特徴とする請求項7に記載のエレベータ連動遮断システム。
  9. 前記遮断装置としては、建物内のガス設備を遮断または自動復帰させるガス遮断装置と、建物内の電気設備を遮断または自動復帰させる電気遮断装置とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れか一項に記載のエレベータ連動遮断システム。
  10. 請求項1ないし請求項9の何れか一項に記載のエレベータ連動遮断システムにおいて、
    前記遮断制御手段の出力側に遮断情報報知装置が接続され、当該遮断情報報知装置は、当該遮断制御手段からの遮断指令に基づいて遮断状況を表すメッセ-ジを音声,表示にて報知することを特徴とするエレベータ連動遮断システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010063308A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Toshiba Industrial Products Manufacturing Corp 負荷制御装置及び負荷制御方法
JP2012012133A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Daifuku Co Ltd 物品搬送設備

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