JP2018204334A - 円筒形建物用吊り足場パネル及びその施工方法 - Google Patents

円筒形建物用吊り足場パネル及びその施工方法 Download PDF

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純二 稲森
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Abstract

【課題】円筒形建物の全周・全面に渡る補修や点検作業などを短期間で行う仮設足場を構築することができる吊り足場パネルとその施工方法の提供。
【解決手段】円筒形建物の回りに円周方向に連結して水平に構築していく矩形の吊り足場パネルであって、吊り足場パネルの一方の連結部に棒状又は管状の預け金具を設け、かつ、他方の連結部の両端部に、抜け止め金具を備えた爪形状の受け金具を連結部とは直角に設け、さらに連結部とは直角をなす側部の受け金具側の端部にチェーン取り付け用の吊り部材を設けてなることを特徴とする吊り足場パネルとその施工方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、石油タンクなどの円筒形建物の外壁面の補修や点検作業などのための仮設足場を構築する吊り足場パネル及びその施工方法に関する。
一般に、石油タンクなどの円筒形建物の補修や点検作業では、地上から仮設足場を組み上げるのではなく、円筒形建物の最上部外周から吊り足場を仮設することが多い。これは、石油タンクの周りには石油移送用の配管が張りめぐらされており、仮設足場を組み上げることが困難なためである。
この種の円筒形建物の吊り足場としては、図1及び図2に示すように、円筒形建物の外周に沿って垂直に吊り下げられて円周方向に移動できるものが従来から知られている。
この吊り足場1は、円筒形の石油タンク31の天蓋31aから吊り下げた2本のロープの間に、1枚の足場板を架け渡すことで(図1)又は複数枚の足場板を縄梯子状に架け渡すことで(図2)形成されており、石油タンクの天蓋上に載荷された走行台車(図示せず)によって、石油タンクの側面を円周方向に移動可能にしている。
特許文献1及び特許文献2には、2本のロープに複数本の連結桿を縄梯子状に取り付けたものを2本平行に配置して、それぞれの連結桿に足場板を架け渡し、この連結桿をロープと平行なパイプにクランプ金具により連結して揺れ止めしたものを、円筒タンクの天蓋上に載荷され円周方向に移動可能な走行台車に上記2本のロープでもって懸架させてなる吊り足場が開示されている。
特許文献3には、円筒タンクの天蓋上の中心にアームの先端が軸支され、かつ、このアームの下部に走行台車を設けることによって天蓋上を円周方向に移動可能なアームの他端に箱形の作業足場をロープでもって昇降自在に懸架させてなる吊り足場が開示されている。
特開昭56−93969号公報 特開昭57−125184号公報 特開昭59−103679号公報
石油タンクは、タンク内面に固定された天蓋を有するコーンルーフタンクと、タンク内面には固定されず石油の上面に直接浮かぶ浮き屋根を有するフローティングルーフタンクに大別される。したがって、特許文献1〜3に記載された吊り足場は、いずれもコーンルーフタンクのように固定された天蓋を有する円筒形建物には適用できるが、フローティングルーフタンクのように固定した天蓋を有さない円筒形建物には適用できない。
特許文献1及び特許文献2に記載の吊り足場では、円筒形建物の外壁面のスポット的な補修や点検作業などには有効である。しかし、円筒形建物の外周の縦一列に設置されるだけであるから、円筒形建物の全周に渡る補修や点検作業などの場合には、吊り足場を吊り下げる場所を水平方向に移動させる必要がある。しかしながら、吊り足場を吊り下げる場所を水平方向に移動させようとすると、作業者全員を一旦吊り足場から退去させた後、吊り足場を移動させ、固定した後、作業者を再度吊り足場に入れるという手間がかかることになる。したがって、補修や点検作業に長期間を要するという問題点がある。
特許文献3に記載の吊り足場でも、円筒形外壁面のスポット的な補修や点検作業などには有効である。そして、円筒形建物の外周の水平方向への移動は手間が掛からないが、箱形の作業足場に搭乗できる作業員数は限られているので、円筒形建物の全周に渡る補修や点検作業などの場合には、吊り足場を吊り下げる場所を頻繁に水平方向に移動させる必要が出てくる。したがって、補修や点検作業に長期間を要するという問題点がある。
本発明は、円筒形建物の全周・全面に渡る補修や点検作業などを短期間で行うことができる仮設足場を構築する吊り足場パネルとその施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく、検討を重ねた。その結果、次の(i)〜(x)に示す知見を得た。
(i)円筒形建物の全周・全面に渡る補修や点検作業などであっても短期間で行う仮設足場を構築するためには、概略矩形に形成された骨組に床材を張り付けてなるパネルを、円筒形建物の外周壁から吊り下げたチェーンで吊りながら、外周の全周に渡って円周方向に連結して水平に構築していく「パネル方式」を採用するのがよい。この方式であれば、固定した天蓋を有さない円筒形建物にも適用できる。円筒形建物の外周壁には、配管受け金具若しくは補強材又は点検用通路が備わっているので、ここからパネルをチェーンにより吊り下げることができる。
円筒形建物の周りに、吊り足場パネルを円周方向に連結して水平に構築する仮設足場の段数が複数の場合には、配管受け金具若しくは補強材又は点検用通路からチェーンを複数段分吊り下げて吊り足場パネルからなる仮設足場の格段を構築してもよいし、吊り足場パネルの吊り部材の下部にチェーン取り付け孔を追加しておき、構築済みの上段の仮設足場から下段の吊り足場パネルをチェーンにより吊り下げてもよい。複数段の補強材を外周壁に備える円筒形建物の場合には、それぞれの段の補強材から吊り足場パネルをチェーンにより吊り下げることにより、仮設足場を複数段構築することもできる。
(ii) 円筒形建物の外周の全周に渡って吊り足場パネルを水平に構築するには、矩形の吊り足場パネルの複数枚を円筒形建物の外周方向に連結して設置すればよい。吊り足場パネルは、吊り足場パネル同士を連結する部位となる2つの連結部とこれとは直角をなす2つの側部からなる矩形の枠組を形成すればよい。そして、吊り足場パネルの一方の連結部に管状又は棒状の預け金具を設け、かつ、他方の連結部に、抜け止め金具を備えた爪形状の受け金具を連結部とは直角に設けるのがよい。さらに、吊り足場パネルの2つの側部の受け金具側の端部に、チェーン取り付け用の吊り部材をそれぞれ設けるのがよい。この吊り部材はプレート形状を有するのが好ましい。このチェーン取り付け孔は、吊り足場パネルを円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具若しくは補強材又は点検用通路から吊り下げておくための吊りチェーンと、吊り足場パネルからなる仮設足場の構築時に設置済みの吊り足場パネルの隣に新たな吊り足場用パネルを設置するために使用する設置チェーンを取り付けるために複数個備えるのが好ましい。したがって、吊り部材には、チェーン取り付け孔として、吊りチェーン用の孔と設置チェーン用の孔の2個を設けるのが好ましい。2個の孔は別個に設けてもよいし、2個の孔の間に切り欠きを設けてもよい。また、吊り足場パネルからなる仮設足場を、構築済みの仮設足場の下段に構築する場合があることを考慮して、吊り足場パネルを下方に吊り下げておくためのチェーンを取り付ける吊りチェーン用の孔45a’を吊り部材の下部に追加して設けてもよい。
(iii) 吊り足場パネルの上面には、作業又は歩行するための床材8を張るが、床材8は滑りにくいように、チェッカープレートやエキスパンド等を使用するのが好ましい。そして、吊り足場パネルは矩形であればよく、連結部と側部のサイズの大小は問わない。連結部が0.6〜1.3m程度、側部が0.9〜1.5m程度のものが好ましい。移動性と操作性からは、連結部が0.9m程度、側部が1.2m程度のものがより好ましい。
(iv) 吊り足場パネルの預け金具は、吊り足場パネルの一方の連結部に設けられる。円管状又は丸棒状の金属材料を用いるのが好ましい。預け金具は、設置済みの隣接する吊り足場パネルの受け金具に受容されることができ、かつ、受容後にこの預け金具の軸周りに吊り足場パネルを回転させることができるように、預け金具は吊り足場パネルに対して動かないように固定する。吊り足場パネルの預け金具と受け金具の間の長さの調節のために、預け金具を吊り足場パネルの長さ方向にスライドできる構造としてもよい。
(v) 吊り足場パネルの受け金具は爪形状を有しており、吊り足場パネルの他方の連結部の両端部に設けられ、抜け止め金具を備えている。受け金具は、上方に開口を備える受け入れ部及び上方に庇を備える留め置き部を有し、開口から受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させた後に抜け止め金具を掛けることができることが好ましい。そのためには、抜け止め金具は突起部を有していて、留め置き部の庇の先端近傍に設置されており、庇の先端近傍を回転軸として突起部を垂直方向に回動させることができ、かつ突起部が下方にあるときに突起部を固定することができ、もって抜け止め金具を掛けることができるのがより好ましい。受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させることによって抜け止め金具を垂直方向に回動させ、そして、抜け止め金具の突起部が下方に来たときに突起部を手動で固定するか、バネを仕込み、その付勢力を用いて固定することによって、抜け止め金具を掛けることができるのが、さらに好ましい。抜け止め金具を外すためには、突起部を手動で上方に回動させればよい。吊り足場パネルは、円筒形建物の外周の全周に渡って水平方向に連続して設置することになるので、個々の吊り足場パネルの設置角度を調節できるのが好ましい。そのために、受け金具のそれぞれを別個に吊り足場パネルの連結方向にスライドできる構造とすることで受け金具の位置調整するのがよい。たとえば、受け金具の取り付け管を吊り足場パネルの連結部に対して直角に設け、この取り付け管をスライド可能な二重管とすればよい。取り付け管のスライドは吊り足場パネルを設置する前に行うことができるが、吊り足場パネルを設置後にも行うことができるのが好ましい。そのためには、吊り足場パネルの上から取り付け管のスライドができるように、吊り足場パネルの床材に開口部を設けて、この開口部を通して受け金具位置調整ボルトを操作すればよい。
(vi) 吊り足場パネルは円筒形建物の側面に固定できるのが好ましい。吊り足場パネルが風などで揺れるのを防止することができるからである。上述の通り、個々の吊り足場パネルの設置角度を調節できるのが好ましい。そのために、吊り足場パネルの側方向にスライド可能な側方向固定材を側部の一方又は両方に設けることで、側方向固定材の位置調整するのがよい。たとえば、側方向固定材の取り付け管を吊り足場パネルの側部に対して直角に設け、この取り付け管をスライド可能な二重管とすればよい。側方向固定材としては、吊り足場パネルの側面を円筒形建物に固定できるものであればよい。たとえば、吸盤や磁石を挙げることができる。
(vii) 吊り足場パネルは、手摺を形成するために、支柱を吊り足場パネルの側部に立設できるのが好ましい。このためには、吊り足場パネルの側部の端部近傍に、管形状の支柱を上方から垂直方向に外挿または内挿できる鋼管又は丸棒からなり、上部に支柱を固定できる取り付け孔を有するホゾ材を設ければよい。ホゾ材は吊り足場パネルに固定してもよいし、取り外し可能にしてもよい。また、ホゾ材の設置位置は、吊り足場パネル1枚に対して2か所以上設ければよいが、それぞれの側部の両端部近傍の合計4か所に設けるのが好ましい。この場合、受け金具側の端部近傍に設置されるホゾ材は吊り足場パネルに固定し、預け金具側の端部近傍に設置されるホゾ材は吊り足場パネルから取り外し可能とするのがよい。後述するように、円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てて、その足場に吊り足場パネルを水平方向に連続して設置することによって吊り足場パネルからなる仮設足場を構築するとき、昇降用の仮設足場に隣接して設置される1枚目の吊り足場パネル又はスターターパネルには預け金具側の端部近傍に支柱が必要であるが、それ以外の場所に設置される吊り足場パネルには預け金具側の端部近傍に支柱は必要なく、よって支柱を立設するためのホゾ材も必要ないため、吊り足場パネルの軽量化を目的として、取り外し可能とするのがよいからである。
設置済みの吊り足場パネルの側部にホゾ材を介して立設された2本の支柱の間に、手摺材を1〜3本水平に取り付けることによって、設置済みの吊り足場パネルの側部の上に手摺を設置することができる。手摺は設置済みの吊り足場パネルの両方の側部の上に設置されるのが好ましい。一番上の手摺材の高さは吊り足場パネルの床面から1m程度とするのが好ましい。吊り足場パネルは円筒形建物の側面に水平に曲線状に連続して配置されることになるから、手摺材は途中で折り曲げることができるのが好ましく、このためには、途中に間接部を設ければよい。また、手摺材は長さ可変であることが好ましく、このためには、手摺材の一部を二重管にして長さ方向にスライドできるようにするのが好ましい。
(viii) 吊り足場パネルを円筒形建物の外壁面に水平に曲線状に連続して設置して仮設足場を構築した場合には、設置済みの吊り足場パネルが対峙する連結部の間には、隙間が形成される場合がある。隙間が大きいと吊り足場パネルからなる仮設足場上で使用される部材がその隙間から落下する危険性がある。また、場合によっては、作業員の脚がその隙間にはまり、バランスを崩すことで、足場外に転落する危険性もある。したがって、隙間塞ぎ材を設置して隙間を塞ぐことが好ましい。設置済みの吊り足場パネルの上に隙間塞ぎ材を載置し固定することができる。あるいは、吊り足場パネルの連結部に、蝶番を介して回動可能に、又は、水平方向に引き出し可能に、端部隙間塞ぎ材をパネル床面と面一になるように設けておけば、吊り足場パネルの設置作業をしながら、隙間塞ぎ材を設置することができる。
(ix) このような吊り足場パネルを用いて、円筒形建物の回りに水平方向に吊り足場パネルからなる仮設足場を構築していくには、次の(a)〜(k)の工程により施工すればよい。
(a) 円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てる。
(b) 吊り足場パネルを構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる2個の爪形状の受けブラケットを円筒形建物の円周方向に水平に取り付ける。
(c) 上記昇降用の仮設足場の支柱には吊り足場パネル設置チェーンの一端が取り付けられ、そして、仮設足場の床面の上に預け金具の側を下にして垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔には、吊り足場パネル設置チェーンの他端が取り付けられる。この作業は、1枚目の吊り足場パネルの2つの側部のそれぞれでなされる。その後、預け金具の側を下にしたまま、1枚目の吊り足場パネルを上記2個の受けブラケット上に受容し、預け金具の抜け止めをする。
(d) 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔のそれぞれに取り付けた2個の設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記受けブラケット上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させる。そして、2個の設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで、1枚目の吊り足場パネルが設置される。
(e) 1枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材に取り付けた取付け金具67に吊り下げ、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。その後、1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(f) 水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(g) 上記水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの爪形状の受け金具に、2枚目の吊り足場パネルを垂直に載置するとともに、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記支柱材に取り付け、そして他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
(h) 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記縦に載置した2枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させる。そして、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンを張って、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで2枚目の吊り足場パネルを設置する。
(i) 2枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の最上部回りに備わる通路又は配管ブラケットに取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(j) 水平レベルで固定されている、設置済みの2枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(k) 以後、上記(g)〜(j)を繰り返す。
(x) 吊り足場パネルを用いて、円筒形建物の回りに水平方向に吊り足場パネルからなる仮設足場を構築していく別法として、爪形状の受けブラケットを取り付けてこれに1枚目の吊り足場パネルを連結していく代わりに、支持ブラケットを介して爪形状の受け金具を有するスターターパネルを設置してこのスターターパネルに1枚目の吊り足場パネルを連結していってもよい。すなわち、上記(viii)における(b)と(c)の工程を、次の(b’)と(c’)の工程に置き換えてもよい。
(b’)吊り足場パネルからなる仮設足場を構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場の一段に、支持ブラケットを円筒形建物の円周方向に迫り出して取り付け、その上に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる爪形状の受け金具を有するスターターパネルを、上記支持ブラケット上に水平レベルに設置し、その後、水平レベルで固定されているスターターパネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(c’)1枚目の吊り足場パネルの預け金具を、上記の設置済みのスターターパネルの爪形状の受け金具上に受容した後に抜け止めすることによって、1枚目の吊り足場パネルを上記の設置済みのスターターパネルの爪形状の受け金具上に垂直に載置するとともに、1枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記スターターパネルの支柱材に取り付け、そして他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
本発明は、上記の知見に基づきなされたもので、その要旨は下記(1)〜(8)の吊り足場パネル並びに下記(9)及び(10)にある。以下、総称して、本発明という。
(1) 円筒形建物の回りに円周方向に連結して水平に構築していく矩形の吊り足場パネルであって、吊り足場パネルの一方の連結部に棒状又は管状の預け金具を設け、かつ、他方の連結部の両端部に、抜け止め金具を備えた爪形状の受け金具を連結部とは直角に設け、さらに連結部とは直角をなす側部の受け金具側の端部にチェーン取り付け用の吊り部材を設けてなることを特徴とする吊り足場パネル。
(2) 受け金具は上記預け金具を受容することができるものであって、上方に開口を備える受け入れ部及び上方に庇を備える留め置き部を有し、開口から受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させた後に抜け止め金具を掛けることができることを特徴とする、上記(1)の吊り足場パネル。
(3) 抜け止め金具は突起部を有していて、留め置き部の庇の先端近傍に設置されており、庇の先端近傍を回転軸として突起部を垂直方向に回動させることができ、かつ突起部が下方にあることによって突起部を固定することができることを特徴とする、上記(2)の吊り足場パネル。
(4) 受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させることによって抜け止め金具を垂直方向に回動させ、そして、抜け止め金具の突起部が下方に来たときに突起部を固定することができることを特徴とする、上記(3)の吊り足場パネル。
(5) 受け金具が連結方向にスライド可能であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかの吊り足場パネル。
(6) 円筒形建物の側面に固定するために吊り足場パネルの側方向にスライド可能な側方向固定材を連結部とは直角をなす側部の一方又は両方に有することを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかの吊り足場パネル。
(7) 支柱を立設するためのホゾ材を連結部とは直角をなす側部の両端部に有することを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかの吊り足場パネル。
(8) ホゾ材の一部又は全部が取り外し可能であることを特徴とする、上記(7)の吊り足場パネル。
(9) 次の(a)〜(k)の工程を有することを特徴とする、円筒形建物の回りに水平方向に構築していく、上記(1)〜(8)のいずれかの吊り足場パネルの施工方法。
(a) 円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てる。
(b) 吊り足場パネルを構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場の一段に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる爪形状の受けブラケットを円筒形建物の円周方向に水平に取り付ける。
(c) 1枚目の吊り足場パネルの預け金具を上記受けブラケット上に受容した後に抜け止めすることによって、1枚目の吊り足場パネルを上記の受けブラケット上に垂直に載置するとともに、1枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記仮設足場に取り付け、そして他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
(d) 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記受けブラケット上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで、1枚目の吊り足場パネルを設置する。
(e) 1枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材に取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(f) 水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(g) 上記水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの爪形状の受け金具に、2枚目の吊り足場パネルを垂直に載置するとともに、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記支柱材に取り付け、そして他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
(h) 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記縦に載置した2枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンを張って、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで、2枚目の吊り足場パネルを設置する。
(i) 2枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の最上部回りに備わる通路又は配管ブラケットに取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(j) 水平レベルで固定されている、設置済みの2枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(k) 以後、上記(g)〜(j)を繰り返す。
(10) 次の(a)〜(k)の工程を有することを特徴とする、円筒形建物の回りに水平方向に構築していく、上記(1)〜(8)のいずれかの吊り足場パネルの施工方法。
(a) 円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てる。
(b) 吊り足場パネルを構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場の一段に、支持ブラケットを円筒形建物の円周方向に迫り出して取り付け、その上に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる爪形状の受け金具を有するスターターパネルを上記支持ブラケット上に水平レベルに設置し、その後、水平レベルで固定されている、設置済みのスターターパネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(c) 1枚目の吊り足場パネルの預け金具を上記の設置済みのスターターパネルの爪形状の受け金具上に受容した後に抜け止めすることによって、1枚目の吊り足場パネルを上記のスターターパネルの爪形状の受け金具上に垂直に載置するとともに、1枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記の設置済みのスターターパネルの支柱材に取り付け、そして他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
(d) 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記の受けブラケット上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで、1枚目の吊り足場パネルを設置する。
(e) 1枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材に取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(f) 水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(g) 上記水平レベルで固定されている、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの爪形状の受け金具に、2枚目の吊り足場パネルを垂直に載置するとともに、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記支柱材に取り付け、そして他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
(h) 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記縦に載置した2枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンを張って、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させることで、2枚目の吊り足場パネルを設置する。
(i) 2枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の最上部回りに備わる通路又は配管ブラケットに取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
(j) 水平レベルで固定されている、設置済みの2枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
(k) 以後、上記(g)〜(j)を繰り返す。
本発明は、円筒形建物の全周・全面に渡る補修や点検作業などを短期間で行う仮設足場を構築することができる吊り足場パネルとその施工方法を提供することができる。
円筒形の石油タンクの吊り足場の従来例である。 円筒形の石油タンクの吊り足場の従来例である。 本発明に係る吊り足場パネルの一例(本発明)である。 本発明に係る吊り足場パネルの預け金具及び受け金具の一例である。 受け金具への預け金具の受容の手順(a)〜(e)を示す。 本発明に係る吊り足場パネルの側方向固定材に関して、(a)に側方向固定材取り付け管のスライドの動きを示し、(b)と(c)に側方向固定材の2例を示す。 本発明に係る吊り足場パネルのホゾ材の一例を示す。(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左図が(b)のA部拡大図であり、右図が(b)のB部拡大図である。 本発明に係る吊り足場パネルの吊り部材の一例である。 本発明に係る吊り足場パネルの吊り部材の他の例(正面図)である。 本発明に係る吊り足場パネルに設置する手摺材の一例である 石油タンクの側壁に昇降用の複数段の仮設足場を構築する。 仮設足場の最上段の直ぐ下の段に受けブラケットを石油タンクの円周方向に水平に取り付ける。 仮設足場の支柱に吊り足場パネル設置チェーンの一端を取り付ける。 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に吊り足場パネル設置チェーン64の他端を取り付ける。 1枚目の吊り足場パネルを受けブラケットの上に受容し預け金具の抜け止めをする。 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた吊り足場パネル設置チェーンを徐々に伸ばす。 1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ吊り足場パネル設置チェーンを張って水平レベルで固定させる。 点検用通路にチェーン取り付け金具を設置する。 チェーン取り付け金具に吊りチェーンの一端を取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。 1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま設置チェーンを外す。 支柱を立設する。 立設した支柱の間に手摺材を取り付けて手摺を形成する。 1枚目の吊り足場パネルの支柱に吊り足場パネル設置チェーンの一端を取り付ける。 1枚目の吊り足場パネルの上の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に吊り足場パネル設置チェーン64の他端を取り付ける。 預け金具の側を下にしたまま、2枚目の吊り足場パネルを1枚目の吊り足場パネルの受け金具の上に受容し預け金具の抜け止めをする。 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた吊り足場パネル設置チェーンを徐々に伸ばして2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させる。 点検用通路にチェーン取り付け金具を設置する。 チェーン取り付け金具に吊りチェーンの一端を取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。 2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーン64を外す。 2枚目の吊り足場パネル6のホゾ材(固定タイプ)に支柱を立設する。 2枚目の吊り足場パネルの支柱と、既に設置済みの1枚目の吊り足場パネルの支柱との間に手摺材を取り付けて、2枚目の吊り足場パネルの上に手摺を設置する。 吊り足場パネルの設置角度の調節の手順(a)〜(c)を示す平面図である。 石油タンクの全周に渡って第1段目の連続吊り足場パネルが設置される。 点検用通路から第2段目の吊り足場パネル用の吊りチェーンを吊り下げる。 第1段目の連続吊り足場パネルの構築と同様の手順で、第2段目の連続吊り足場パネルを構築していく。 5段の連続吊り足場パネルが石油タンクの外周の全周に渡って設置される。 三角形状の支持ブラケットを石油タンクの円周方向に迫り出して取り付ける。 爪形状の受け金具を有するスターターパネルを支持ブラケットの上に水平に架け渡して設置する。 スターターパネルにホゾ材を介して支柱を立設する。 立設した支柱の間に手摺材を水平に取り付けてスターターパネルの手摺を形成する。 スターターパネルの支柱には吊り足場パネル設置チェーンの一端が取り付けられる。 スターターパネルの上に載置した1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に吊り足場パネル設置チェーンの他端が取り付けられる。 預け金具の側を下にしたまま、1枚目の吊り足場パネルをスターターパネルの受け金具の上に受容し預け金具の抜け止めをする。 1枚目の吊り足場パネルの吊り部材のチェーン取り付け孔に取り付けた吊り足場パネル設置チェーンを徐々に伸ばして、1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として回転させる。 1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、吊り足場パネル設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させる。 点検用通路に設置されたチェーン取り付け金具に吊りチェーンの一端を取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネル6のチェーン取り付け孔に取り付ける。 1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。 1枚目の吊り足場パネルの支柱と、既に立設済みのスターターパネルの支柱 との間に手摺材を水平に取り付けて、1枚目の吊り足場パネルの手摺を形成する。
以下、図面を用いて、本発明に係る吊り足場パネル及びその施工方法を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1−吊り足場パネルの一例)
図3に、本発明に係る吊り足場パネルの一例を示す。(a)が平面図、(b)が正面図である。
この吊り足場パネル6は、連結部6b、6b’と側部6a、6a’からなる矩形の枠組の上に、チェッカープレートからなる床材8を張ったものである。吊り足場パネル6の一方(左側)の連結部6bに管状の預け金具41を設け、かつ、他方(右側)の連結部6b’には、抜け止め金具43を備えた爪形状の受け金具42が連結部6b’とは直角に2個設けられている。さらに、吊り足場パネルの側部6a、6a’の右側端部には、それぞれ、チェーン取り付け孔45を2個備えた、プレート形状の吊り部材44が設けられている。このチェーン取り付け孔45は、後述するように、吊り足場パネルからなる仮設足場の構築時に円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具若しくは補強材又は点検用通路から吊り足場パネル6を吊り下げるための吊りチェーンと、設置済みの吊り足場パネルの隣に新たな吊り足場用パネルを連続して設置するための設置チェーンを取り付けるためである。したがって、吊り部材44には、吊りチェーン用の孔45aと設置チェーン用の孔45bの2個が設けられている。ここでは、2個の孔の間には切り欠きがあるが、2個の孔は別個に設けてもよい。吊り足場パネルの床材8は、受け金具42の近傍に開口部8aが穿たれており、この開口部8aから受け金具位置調整ボルト50を操作することができる。
図4は、本発明に係る吊り足場パネルの預け金具及び受け金具の一例である。(a)は預け金具(左図)及び受け金具(右図)の一部拡大平面図である。(b)及び(b’)は、(a)のA−A矢視断面図(正面図)を示す。(c)は(b)のB部拡大図を示す。
吊り足場パネルの受け金具42は、吊り足場パネルの右側の連結部6b’の両端近傍に受け金具取り付け管51を介して連結部6b’に対して直角に取り付けられている。受け金具取り付け管51は二重管であって、連結方向にスライドすることができる。ここでは、二重管を適宜長さにスライドさせたのち、受け金具位置調整ボルト50を締めることでその長さを固定することができる。したがって、受け金具位置調整ボルト50を操作することで、吊り足場パネルの連結方向に受け金具42の位置をそれぞれ別個に調整することができる。ここでは、設置済みの吊り足場パネルの床面の上からでも取り付け管のスライドができるように、吊り足場パネルの床材に開口部8aが設けられているので、この開口部8aを通して受け金具位置調整ボルト50を操作することができる。
受け金具42は平板の爪形状であり、上方に開口42cを備える受け入れ部42a及び上方に庇42dを備える留め置き部42bを有し、連結すべき吊り足場パネルの預け金具41を、設置済みの吊り足場パネルの受け金具42に受容することができる。留め置き部42bの庇42dの先端近傍には、抜け止め金具43が設置されており、突起部43aを有している。抜け止め金具43は庇42dの先端近傍を回転軸として突起部43aを垂直方向に回動させることができ、抜け止め金具43を庇42dの上に固定することができる。抜け止め金具43は垂直方向に回動させた状態では、留め置き部42bに突出しない形状となっており、受容の際には、この預け金具41を開口42cから受け入れ部42aに受け入れ、庇42dの下の留め置き部42bに水平移動させた後に、抜け止め金具43を掛ける。ここでは、預け金具41を水平移動させると抜け止め金具43の突起部43aに預け金具41が接触するので、預け金具41の動きに伴って抜け止め金具43が垂直方向に回動する。預け金具41を留め置き部42bまで移動させた後、抜け止め金具43を逆回転させて、抜け止め金具43を庇42dの上に固定すると抜け止め金具43が掛かる。このとき、抜け止め金具43の突起部43aが預け金具41の右側に存在するので、預け金具41は留め置き部42bに留め置かれることとなる。
図5に、受け金具への預け金具の受容の手順(a)〜(e)を示す。
設置済みの吊り足場パネルの受け金具42に、連結すべき吊り足場パネルの預け金具41を受容する際の手順は、次の(a)〜(e)に示すとおりである。
(a) 連結すべき足場パネルの預け金具41を、設置済みの足場パネルの受け金具42の開口42cから受け入れ部42aに受け入れる。
(b) 受け金具42の受け入れ部42aに受け入れた預け金具41を左方に水平移動させる。
(c) さらに預け金具41を左方に水平移動させると、預け金具41が抜け止め金具43の突起部43aに触れる。このとき、抜け止め金具43が庇42dの先端近傍を回転軸として垂直方向に回転させ、抜け止め金具43が留め置き部42bに突出させないようにする。
(d) さらに、預け金具41を左方に水平移動させて、預け金具41を庇42dの下の留め置き部42bで留め置く。
(e) 抜け止め金具43を手動で逆回転させて、抜け止め金具43を庇42dの上に固定させる。抜け止め金具43の突起部43aが預け金具41の右側に存在するので、預け金具41は留め置き部42bに留め置かれる。
図6に、本発明に係る吊り足場パネルの側方向固定材に関して、(a)に側方向固定材取り付け管のスライドの動きを示し、(b)と(c)に側方向固定材の2例を示す。
側方向固定材46は、吊り足場パネルを円筒形建物の側面に固定するためのものであり、吊り足場パネルを円筒形建物(図示せず)の側面に吸着もしくは固定させることができる。側方向固定材46は、吊り足場パネルの側方向にスライド可能な側方向固定材取り付け管53の先端に設けられている。側方向固定材取り付け管53は、吊り足場パネルの側部6a’の端部近傍に直角に設けられている。側方向固定材取り付け管53は二重管でできていて、図5(a)に示すように、この二重管を適宜長さにスライドさせることができる。この二重管には、側方向固定材位置調整ボルト54が設けられているので、二重管をスライドさせたのち、側方向固定材位置調整ボルト54を締めることでその長さを固定することができる。側方向固定材46としては、円筒形建物の側面に吸着もしくは固定することができるものであればよく、例えば、磁石46a(図5(b))、吸盤46b(図5(c))を挙げることができる。
図7は、本発明に係る吊り足場パネルのホゾ材の一例を示す。(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左図が(b)のA部拡大図であり、右図が(b)のB部拡大図である。
吊り足場パネルのホゾ材47は、手摺柱などの支柱(図示せず)を吊り足場パネルの側部に立設するためのものであり、吊り足場パネルの側部6a、6a’の両端部近傍の合計4か所に設けられている。ここでは、受け金具42の側の端部近傍には吊り足場パネルの側部6a、6a’に固定されるホゾ材(固定タイプ)47a、47aが設置されており、預け金具41の側の端部近傍には吊り足場パネルの側部6a、6a’から着脱できるホゾ材(着脱可能タイプ)47b、47bが設置されている。いずれのホゾ材も、管形状の支柱を上方から垂直方向に外挿できる鋼管からなり、上部に支柱を固定するための支柱固定用孔47を有する。なお、ここでは、固定タイプのホゾ材47aは溶接により吊り足場パネルの側部6a、6a’に固定されており、着脱タイプの保材47bはボルトナット47cにより吊り足場パネルの側部6a、6a’に固定されている。
図8は、本発明に係る吊り足場パネルの吊り部材の一例である。(a)は吊り足場パネルの平面図、(b)は正面図をそれぞれ示す。
吊り足場パネルの吊り部材44は、吊り足場パネルの側部6a、6a’の受け金具42の側の端部近傍に溶接により接合されている。プレート形状を有しており、チェーン取り付け孔が2個穿たれている。それぞれ、吊り足場パネルを円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材から吊り下げておくための吊りチェーン用の孔45aと、吊り足場構築時に設置済みの吊り足場パネルの隣に、新たな吊り足場用パネルを連結して設置するために使用する設置チェーン用の孔45bである。設置チェーンは吊り足場パネルの設置完了後は、設置チェーン用孔から外され、回収される。なお、ここでは、独立して2個の孔が穿たれているが2個の孔の間に切り欠きを設けてもよいし、2個の孔を合わせて1個の長孔又は大きな孔としてもよい。あるいは、さらに、1個以上の孔を追加してもよい。
図9は、本発明に係る吊り足場パネルの吊り部材の他の例(正面図)である。
吊り足場パネルの吊り部材は、その孔の数や穿つ位置によって種々ある。図7に示す吊り部材に代えることができる。(a)と(b)は、吊りチェーン用孔45aと設置チェーン用孔45bの間に切り欠きを設けたものであり、(c)は吊りチェーン用と設置チェーン用を兼ねるチェーン取り付け孔45として1個の長孔としたものである。(d)は、吊り足場パネルからなる仮設足場を、構築済みの吊り足場からなる仮設足場の下段に構築する場合に、吊り足場パネルを下方に吊り下げておくためのチェーンを取り付けるための吊りチェーン用の孔45a’を吊り部材の下部に追加したものである。
図10は、本発明に係る吊り足場パネルに設置する手摺材の一例である。(a)が平面図、(b)が正面図である。(c)は手摺材を伸ばし、かつ、途中で折り曲げたときの状態を示す平面図である。
この手摺材72は途中に間接部72aを有していて、間接部72aを回転軸として回転させることによって折り曲げることできる。また、この手摺材72の途中は二重管で構成されていて、長さ調整ボルト72bを操作することによって長さ方向にスライドすることで手摺材72を伸縮することができる。
(実施例2−吊り足場パネルの施工方法の一例)
本発明に係る吊り足場パネルを石油タンクの回りに構築する施工方法の一例を、順を追って説明する。図面はいずれも石油タンクを正面から見た図である。
図11に示すように、まずは、石油タンク31の下回りの配管31cが少ない場所を選んで、階段60aを備える昇降用の複数段の仮設足場60を構築する。最上段には点検用通路31dが設けられていて、作業員がこの通路上を移動することができる。
次に、図12(a)に示すように、仮設足場60の最上段の直ぐ下の段に、爪形状の受けブラケット62を2個、石油タンクの円周方向に水平に取り付ける。図12(b)に示すとおり、この受けブラケット62は吊り足場パネルの受け金具42と同じ形状(受け入れ部62a、留め置き部62b、開口62c、庇62d)と機能を有しており、突起部63aのある抜け止め金具63も備えている。したがって、吊り足場パネルの受け金具と同様に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容して、留め置き部に留め置いて抜け止めすることができる。
図13に示すように、上記昇降用の仮設足場の支柱60bには吊り足場パネル設置チェーン64の一端が取り付けられ、次いで、図14に示すように、上記昇降用の仮設足場の床面の上に預け金具の側を下にして垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔には、吊り足場パネル設置チェーン64の他端が取り付けられる。この作業は、1枚目の吊り足場パネルの2つの側部のそれぞれでなされる。その後、図15に示すように、預け金具の側を下にしたまま、1枚目の吊り足場パネル6を上記2個の受けブラケット62の上に受容し、預け金具の抜け止めをする。
そして、図16に示すように、1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔のそれぞれに取り付けた2個の吊り足場パネル設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記2個の受けブラケット62の上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネル6の預け金具を回転軸として回転させる。
次いで、図17に示すように、1枚目の吊り足場パネル6を水平レベルまで回転させ、2個の吊り足場パネル設置チェーン64を張って、1枚目の吊り足場パネル6を水平レベルで固定させることで、1枚目の吊り足場パネル6を設置する。この結果、受けブラケット62に抜け止めされた2か所の預け金具41と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の設置チェーン用孔45bの4つの支持点によって、1枚目の吊り足場パネルが支えられて設置されるので、作業員が安定して載れる状態となる。
次に、図18に示すように、作業員21が水平レベルで固定した、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の上に立ち、点検用通路31dの別の作業員21’とともに、点検用通路31dにチェーン取り付け金具67を設置する。
その後、図19(a)と、図19(a)のA部の拡大図の図19(b)に示すように、このチェーン取り付け金具67に吊りチェーン68の一端を取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネル6のチェーン取り付け孔45aに取り付ける。この作業は、1枚目の吊り足場パネル6の2つのチェーン取り付け孔45aのそれぞれでなされる。この結果、1枚目の吊り足場パネル6は、受けブラケット62に抜け止めされた2か所の預け金具と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の設置チェーン用孔45bに加えて、チェーン取り付け金具67から吊り下げられた吊りチェーン68に取り付けられた1枚目の吊り足場パネル6の2か所のチェーン取り付け孔45aの6つの支持点によって、1枚目の吊り足場パネルが支えられることになる。
次いで、図20に示すように、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーン64を外す。これは、吊り足場パネル設置チェーン64を外しても、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6は残る4か所で支えられているので、作業員21が安定して載れる状態のまま水平レベルで固定されているからである。
そして、図21に示すように、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の預け金具の側の端部近傍に設置されたホゾ材(着脱可能タイプ)47bの上と、1枚目の吊り足場パネル6の受け金具42の側の端部近傍に設置されたホゾ材(固定タイプ)47aの上に、それぞれ、支柱70を立設する。
次いで、図22に示すように、立設した支柱70の間に手摺材72を取り付けることによって、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの手摺を形成する。
図23は、2枚目の吊り足場パネルを設置するための準備であり、まず設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の支柱70に吊り足場パネル設置チェーン64の一端が取り付けられる。次いで、図24に示すように、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の上に預け金具の側を下にして垂直に載置した2枚目の吊り足場パネル6’のチェーン取り付け孔に、吊り足場パネル設置チェーン64の他端が取り付けられる。この作業は、2枚目の吊り足場パネル6’の2つの側部のそれぞれでなされる。その後、図25に示すように、預け金具の側を下にしたまま、2枚目の吊り足場パネル6’を1枚目の吊り足場パネル6の2個の受け金具42の上に受容し、預け金具の抜け止めをする。
そして、図26に示すように、2枚目の吊り足場パネル6’のチェーン取り付け孔のそれぞれに取り付けた2個の吊り足場パネル設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記1枚目の吊り足場パネル6の2個の受け金具の上に垂直に載置した2枚目の吊り足場パネル6’の預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネル6’を水平レベルまで回転させる。
次いで、2個の吊り足場パネル設置チェーン64を張って、2枚目の吊り足場パネル6’を水平レベルで固定させることで、2枚目の吊り足場パネル6’を設置する。この結果、1枚目の吊り足場パネル6の2個の受け金具に抜け止めされた、2枚目の吊り足場パネル6’の2か所の預け金具と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の設置チェーン用孔の4つの支持点によって、2枚目の吊り足場パネル6’が支えられて設置されるので、作業員が安定して載れる状態となる。
次に、図27に示すように、作業員21が水平レベルで固定した、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6’の上に立ち、点検用通路31dの別の作業員21’とともに、点検用通路31dにチェーン取り付け金具67を設置する。
その後、図28(a)と、図28(a)のA部の拡大図の図28(b)に示すように、このチェーン取り付け金具67に吊りチェーン68の一端を取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネル6’のチェーン取り付け孔45aに取り付ける。この作業は、2枚目の吊り足場パネル6の2つのチェーン取り付け孔45aのそれぞれでなされる。この結果、2枚目の吊り足場パネル6’は、1枚目の吊り足場パネル6の受け金具42に抜け止めされた2か所の預け金具と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の設置チェーン用孔45bに加えて、チェーン取り付け金具67から吊り下げられた吊りチェーン68に取り付けられた2枚目の吊り足場パネル6’の2か所のチェーン取り付け孔45aの6つの支持点によって、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6’が支えられることになる。
次いで、図29に示すように、設置済みの2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーン64を外す。これは、吊り足場パネル設置チェーン64を外しても、2枚目の吊り足場パネル6’は残る4か所で支えられているので、作業員が安定して載れる状態のまま水平レベルで固定されているからである。
そして、図30に示すように、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6の受け金具42の側の端部近傍に設置されたホゾ材(固定タイプ)47aの上に支柱70’を立設する。
次いで、図31に示すように、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6に立設した支柱70’と、既に設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の支柱70との間に手摺材72を取り付けることによって、設置済みの2枚目の吊り足場パネルの両方の側部の上に手摺を設置する。
図32は、吊り足場パネルの設置角度の調節の手順(a)〜(c)を示す平面図である。
設置時の2枚目の吊り足場パネル6’の預け金具は、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の2つの受け金具に受容されている。図3に示したとおり、受け金具は、それぞれ、連結方向にスライド可能な受け金具取り付け管51を介して取り付けられており、それぞれ、受け金具位置調整ボルト50、50’によって長さを調整することができるが、当初はいずれの受け金具取り付け管51も最短の長さに固定されている。
(a) 石油タンク31の側にある受け金具位置調整ボルト50は締め付けたままにするが、反対側にある受け金具位置調整ボルト50’は緩める。
(b) 次いで、この受け金具位置調整ボルト50を操作することで、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6の手前側だけを右方向に迫り出すことができる。設置済みの2枚目の吊り足場パネル6’の石油タンク側の側方向固定材46’が石油タンクに接触するまで迫り出したときに、この受け金具位置調整ボルト50’を締めることで、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6’を側方向に固定することができる。このように、設置済みの2枚目の吊り足場パネル6’の設置角度は、1枚目の吊り足場パネル6の受け金具位置調整ボルト50により調整することができる。
(c) そして、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6と2枚目の吊り足場パネル6’の間に発生した隙間の上に隙間塞ぎ材23を載置し固定する。
以上の作業を繰り返すことによって、図33に示すように、石油タンク31の最上部の点検用通路31dの下に、全周に渡って、第1段目の仮設足場81を設置することができる。
設置済みの第1段目の仮設足場の下に第2段目の仮設足場を構築するためには、石油タンクの外周壁に備わる配管受け金具若しくは補強材又は点検用通路から、第2段目の仮設足場として設置する吊り足場パネル用の吊りチェーンを吊り下げるか、又は、設置済みの第1段目の仮設足場の各吊り足場パネルの吊り部材の下部に追加されたチェーン取り付け孔から下段の仮設足場として設置する吊り足場パネル用の吊りチェーンを吊り下げればよい。
すなわち、図34に示すように、石油タンク31の最上部の全周に渡って、点検用通路31dから、第2段目の仮設足場として設置する吊り足場パネル用の吊りチェーン68を吊り下げる。
そして、図35に示すように、第1段目の仮設足場の構築と同様の手順で、第2段目の仮設足場を構築していく。
すなわち、図35(a)に示すように、仮設足場60の最上段から2つ目の段に、2個の爪形状の受けブラケット62を石油タンクの円周方向に水平に取り付ける。次に、図35(b)に示すように、第2段目用の吊りチェーン68を手かき棒69でたぐり寄せておき、そして、図35(c)に示すように、1枚目の吊り足場パネル6にこの吊りチェーン68を取り付けるとともに吊り足場パネル設置チェーン64を取り付ける。次いで、図35(d)に示すように、1枚目の吊り足場パネル6の預け金具を上記2個の受けブラケット62の上に受容し、預け金具の抜け止めをする。そして、図35(e)に示すように、2個の吊り足場パネル設置チェーン64を徐々に伸ばすことによって、上記2個の受けブラケット62の上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネル6の預け金具を回転軸として回転させ、1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保つことで、1枚目の吊り足場パネルを設置する。そして、設置チェーン64を外す。その後は、第1段目の仮設足場の構築と同様にして、2枚目以降の吊り足場パネルを連続して順次水平に設置していくことで、第2段目の仮設足場81を設置することができる。
同じ手順を第3段目以降も繰り返すことによって、図36に示すように、5段の仮設足場81〜85を石油タンク31の外周の全周に渡って構築することができる。
(実施例3−吊り足場パネルの施工方法の他の例)
本発明に係る吊り足場パネルを石油タンクの回りに構築する施工方法の他の例を、順を追って説明する。図面はいずれも石油タンクを正面から見た図である。
この例では、昇降用の仮設足場の所定の段に支持ブラケットを介して爪形状の受け金具を有するスターターパネルを設置して、このスターターパネルに1枚目の吊り足場パネルを連結していく方法である。
先ずは、実施例2の図11に示すのと同様に、石油タンク31の下回りの配管31cが少ない場所を選んで、階段60aを備える昇降用の複数段の仮設足場60を構築する。最上段には点検用通路31dが設けられていて、作業員がこの通路上を移動することができる。
次に、図37に示すように、仮設足場60の最上段の直ぐ下の段に、2個の三角形状の支持ブラケット56を石油タンクの円周方向に垂直に迫り出して取り付け、次いで、図38に示すように、それらの上に、爪形状の受け金具57aを2個(手前側と奥側)に有するスターターパネル57を上記2個の支持ブラケット56の上に水平に架け渡して設置する。この受け金具57aは吊り足場パネルの受け金具42と同じ形状(受け入れ部、留め置き部、開口)と機能を有しており、突起部のある抜け止め金具も備えている。したがって、吊り足場パネルの受け金具と同様に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容して、留め置き部に留め置いて抜け止めすることができる。
そして、図39に示すように、設置済みのスターターパネル57の両サイド(手前側と奥側)に、ホゾ材を介して、それぞれ、支柱70’’を立設する。
次いで、図40に示すように、立設した支柱70’’の間に、それぞれ2本の手摺材72を水平に取り付けることによって、設置済みのスターターパネル57の手摺を形成する。
図41に示すように、上記の設置済みのスターターパネル57の支柱70’’には吊り足場パネル設置チェーン64の一端が取り付けられ、次いで、図42に示すように、設置済みのスターターパネル57の上に、預け金具の側を下にして垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔には、吊り足場パネル設置チェーン64の他端が取り付けられる。この作業は、1枚目の吊り足場パネルの2つの側部のそれぞれでなされる。その後、図43に示すように、預け金具の側を下にしたまま、1枚目の吊り足場パネル6を設置済みのスターターパネル57の2個の受け金具57aの上に受容し、預け金具の抜け止めをする。
そして、図44に示すように、1枚目の吊り足場パネルの吊り部材44のチェーン取り付け孔のそれぞれに取り付けた2個の吊り足場パネル設置チェーン64を徐々に伸ばすことによって、設置済みのスターターパネル57の2個の受け金具57aの上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネル6の預け金具を回転軸として回転させる。
次いで、図45に示すように、1枚目の吊り足場パネル6を水平レベルまで回転させ、2個の吊り足場パネル設置チェーン64を張って、1枚目の吊り足場パネル6を水平レベルで固定させことで、1枚目の吊り足場パネル6を設置する。この結果、設置済みのスターターパネル57の受け金具57aに抜け止めされた2か所の預け金具41と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の吊り部材44のチェーン取り付け孔の4つの支持点によって、1枚目の吊り足場パネルが支えられて設置されるので、作業員が安定して載れる状態となる。
次に、図46(a)と、図46(a)のA部の拡大図の図46(b)に示すように、点検用通路31dに設置されたチェーン取り付け金具67に吊りチェーン68の一端を取り付け、そして、他端を設置済みの1枚目の吊り足場パネル6のチェーン取り付け孔45aに取り付ける。この作業は、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の2つのチェーン取り付け孔45aのそれぞれでなされる。この結果、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6は、スターターパネル57の受け金具57aに抜け止めされた2か所の預け金具と、吊り足場パネル設置チェーン64に取り付けられた2か所の設置チェーン用孔45bに加えて、チェーン取り付け金具67から吊り下げられた吊りチェーン68に取り付けられた1枚目の吊り足場パネル6の2か所のチェーン取り付け孔45aの6つの支持点によって、設置済みの1枚目の吊り足場パネルが支えられることになる。
次いで、図47に示すように、設置済みの1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーン64を外す。これは、吊り足場パネル設置チェーン64を外しても、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6は残る4か所で支えられているので、作業員21が安定して載れる状態のまま水平レベルで固定されているからである。
そして、図48に示すように、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の両サイド(手前側と奥側)にホゾ材を介して立設された支柱70と、設置済みのスターターパネル57の両サイド(手前側と奥側)の既に立設済みの支柱70’’ との間に、それぞれ2本の手摺材72を水平に取り付けることによって、設置済みの1枚目の吊り足場パネル6の手摺を形成する。
その後、2枚目以降の吊り足場パネルを、実施例2と同様に、連続して順次水平に設置していくことで、第1段目の仮設足場を設置することができる。同じ手順を第2段目以降も繰り返すことによって、複数段の仮設足場を石油タンクの外周の全周に渡って設置することができる。
本発明に係る吊り足場パネルとその施工方法は、円筒形建物の全周・全面に渡る補修や点検作業などを短期間で行う仮設足場を構築することができる。
1 吊り足場
6、6’ 吊り足場パネル
6a、6a’ 側部
6b、6b’ 連結部
8 床材
8a 床材の開口部
21 作業員
23 隙間塞ぎ材
31 石油タンク
31a 天蓋
31b 補強材
31c 配管
31d 点検用通路
41 預け金具
42 受け金具
42a 受け入れ部
42b 留め置き部
42c 開口
42d 庇
43 抜け止め金具
43a 突起部
44 吊り部材
45 チェーン取り付け孔
45a 吊りチェーン用孔
45a’ 吊りチェーン用孔
45b 設置チェーン用孔
46、46’ 側方向固定材
46a 磁石
46b 吸盤
47 ホゾ材
47a ホゾ材(固定タイプ)
47b ホゾ材(着脱可能タイプ)
47c ホゾ材着脱用ボルトナット
47d 支柱固定用孔
50、50’ 受け金具位置調整ボルト
51 受け金具取り付け管(二重管)
53 側方向固定材取り付け管
54 側方向固定材位置調整ボルト
56 支持ブラケット
57 スターターパネル
57a 受け金具
60 昇降用の仮設足場
60a 階段
60b 支柱
62 受けブラケット
62a 受け入れ部
62b 留め置き部
62c 開口
62d 庇
63 抜け止め金具
63a 突起部
64 吊り足場パネル設置チェーン
67 チェーン取り付け金具
68 吊りチェーン
69 手かき棒
70、70’、70’’ 支柱
72 手摺材
72a 間接部
72b 長さ調整ボルト
81 第1段目の仮設足場
82 第2段目の仮設足場
83 第3段目の仮設足場
84 第4段目の仮設足場
85 第5段目の仮設足場

Claims (10)

  1. 円筒形建物の回りに円周方向に連結して水平に構築していく矩形の吊り足場パネルであって、吊り足場パネルの一方の連結部に棒状又は管状の預け金具を設け、かつ、他方の連結部の両端部に、抜け止め金具を備えた爪形状の受け金具を連結部とは直角に設け、さらに連結部とは直角をなす側部の受け金具側の端部にチェーン取り付け用の吊り部材を設けてなることを特徴とする吊り足場パネル。
  2. 受け金具は上記預け金具を受容することができるものであって、上方に開口を備える受け入れ部及び上方に庇を備える留め置き部を有し、開口から受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させた後に抜け止め金具を掛けることができることを特徴とする、請求項1に記載の吊り足場パネル。
  3. 抜け止め金具は突起部を有していて、留め置き部の庇の先端近傍に設置されており、庇の先端近傍を回転軸として突起部を垂直方向に回動させることができ、かつ突起部が下方にあることによって突起部を固定することができることを特徴とする、請求項2に記載の吊り足場パネル。
  4. 受け入れ部に受け入れた預け金具を留め置き部の庇の下に水平移動させることによって抜け止め金具を垂直方向に回動させ、そして、抜け止め金具の突起部が下方に来たときに突起部を固定することができることを特徴とする、請求項3に記載の吊り足場パネル。
  5. 受け金具が連結方向にスライド可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の吊り足場パネル。
  6. 円筒形建物の側面に固定するために吊り足場パネルの側方向にスライド可能な側方向固定材を側部の一方又は両方に有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載の吊り足場パネル。
  7. 支柱を立設するためのホゾ材を側部の両端部に有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれかに記載の吊り足場パネル。
  8. ホゾ材の一部又は全部が取り外し可能であることを特徴とする、請求項7に記載の吊り足場パネル。
  9. 次の(a)〜(k)の工程を有することを特徴とする、円筒形建物の回りに水平方向に構築していく、請求項1から8までのいずれかに記載の吊り足場パネルの施工方法。
    (a) 円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てる。
    (b) 吊り足場パネルを構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場のうちの一段に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる爪形状の受けブラケットを円筒形建物の円周方向に水平に取り付ける。
    (c) 1枚目の吊り足場パネルの預け金具を上記受けブラケット上に受容した後に抜け止めすることによって、1枚目の吊り足場パネルを上記の受けブラケット上に垂直に載置するとともに、1枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記仮設足場に取り付け、そして他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
    (d) 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記受けブラケット上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させる。
    (e) 1枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材に取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
    (f) 水平レベルで固定されている1枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
    (g) 上記水平レベルで固定されている1枚目の吊り足場パネルの爪形状の受け金具に、2枚目の吊り足場パネルを垂直に載置するとともに、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記支柱材に取り付け、そして他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
    (h) 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記縦に載置した2枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンを張って、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させる。
    (i) 2枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の最上部回りに備わる通路又は配管ブラケットに取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
    (j) 水平レベルで固定されている2枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
    (k) 以後、上記(g)〜(j)を繰り返す。
  10. 次の(a)〜(k)の工程を有することを特徴とする、円筒形建物の回りに水平方向に構築していく、請求項1から8までのいずれかに記載の吊り足場パネルの施工方法。
    (a) 円筒形建物の側面に複数段からなる昇降用の仮設足場を立てる。
    (b) 吊り足場パネルを構築しようとするのと同じレベルの上記昇降用の仮設足場のうちの一段に、支持ブラケットを円筒形建物の円周方向に迫り出して取り付け、その上に、吊り足場パネルの連結部に設けられた預け金具を受容することができる爪形状の受け金具を有するスターターパネルを上記支持ブラケット上に水平レベルに設置し、その後、水平レベルで固定されているスターターパネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
    (c) 1枚目の吊り足場パネルの預け金具を上記スターターパネルの爪形状の受け金具上に受容した後に抜け止めすることによって、1枚目の吊り足場パネルを上記のスターターパネルの爪形状の受け金具上に垂直に載置するとともに、1枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記スターターパネルの支柱材に取り付け、そして他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
    (d) 1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記受けブラケット上に垂直に載置した1枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、設置チェーンを張って、1枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させる。
    (e) 1枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の外周壁に備わる配管受け金具又は補強材に取り付け、そして、他端を1枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、1枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
    (f) 水平レベルで固定されている1枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
    (g) 上記水平レベルで固定されている1枚目の吊り足場パネルの爪形状の受け金具に、2枚目の吊り足場パネルを垂直に載置するとともに、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンの一端を上記支柱材に取り付け、そして他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付ける。
    (h) 2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けた設置チェーンを徐々に伸ばすことによって、上記縦に載置した2枚目の吊り足場パネルの預け金具を回転軸として、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルまで回転させ、2枚目の吊り足場パネル設置チェーンを張って、2枚目の吊り足場パネルを水平レベルで固定させる。
    (i) 2枚目の吊り足場パネル吊りチェーンの一端を円筒形建物の最上部回りに備わる通路又は配管ブラケットに取り付け、そして、他端を2枚目の吊り足場パネルのチェーン取り付け孔に取り付けたのち、2枚目の吊り足場パネルの水平レベルを保ったまま、設置チェーンを外す。
    (j) 水平レベルで固定されている2枚目の吊り足場パネルに支柱材を立設したのち、手摺を形成する。
    (k) 以後、上記(g)〜(j)を繰り返す。
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