JP2018203734A - 歯磨剤組成物及び嫌味の低減剤 - Google Patents

歯磨剤組成物及び嫌味の低減剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明によれば、炭酸水素塩由来の嫌味が低減し、口腔内に十分なサッパリ感及び高い清掃実感を与え、使用感が良い歯磨剤組成物を提供できる。【解決手段】(A)炭酸水素塩(A−1)、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有する歯磨剤組成物、更に(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを含有する上記歯磨剤組成物。上記(E)及び(F)成分からなる、(A)成分又は(A)及び(D)成分を含有する歯磨剤組成物用として好適な(A)成分又は(A)及び(D)成分による嫌味の低減剤。【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸水素塩由来の嫌味が低減し、サッパリ感及び清掃実感を与えると共に使用感が良好な歯磨剤組成物及びその嫌味の低減剤に関する。
近年、口臭予防は重要なエチケットの1つであることから、口臭予防実感に優れた口腔用製剤への期待が高い。特に、若者層は、この傾向が顕著である。
従来、殺菌剤による口臭原因菌の殺菌、酵素やローズマリーエキス等の消臭剤の使用によって口臭の発生を抑制する手段が知られており、一定の口臭予防効果を得ることができる。また、縮合リン酸塩等を使用して口腔内を清掃する手段も口臭予防には有効である。
しかしながら、近年、臭いに敏感なユーザーの中には、実際は他人に対しても問題とならないのに口臭に悩むケースが増加している。これは、自身の口腔内にこもる僅かな臭いの感知や口腔内の不快感に起因する口臭不安感であると考えられる。
従来の口臭予防を目的とした口腔用組成物は、口腔内に使用している間や使用直後にある程度の口臭予防感(口臭が抑制又は予防された感じられる効果実感)を与えるが、その口臭予防感は十分とは言い難い。
特許文献1(特開2003−231621号公報)では、水溶性銅化合物にポリリン酸塩及び炭酸水素塩を併用することで、特許文献2(特開平10−212220号公報)では、殺菌剤に非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤とアルカリ金属の重炭酸塩及び/又は炭酸塩とを併用することで、口腔用組成物による口臭防止効果の持続性が改善しているが、口臭抑制感については不明である。
一方、口腔内がサッパリとし、きれいになった感覚を与えることは、口臭予防感に繋がると考えられる。炭酸水素塩の炭酸水素ナトリウムは、特有の嫌味を有するが、口腔内にサッパリ感を与え、特許文献3(特開平11−49654号公報)では、炭酸水素ナトリウムにラウリル硫酸ナトリウム及び両性界面活性剤を併用することで、粘膜刺激を抑制して口腔内のサッパリ感が保持される口腔用組成物を提案している。更に、炭酸水素ナトリウムを研磨剤として配合した、いわゆる重曹歯磨剤にも、口腔内をサッパリさせる一定の効果があるが、炭酸水素ナトリウムによる口臭抑制感は必ずしも十分とは言えず、しかも、配合量によって刺激感を与えることもあり、近年需要が高まっている低刺激の製剤には適さないケースがあった。
特開2003−231621号公報 特開平10−212220号公報 特開平11−49654号公報 特開2014−125440号公報 特開2015−182983号公報 特開2016−102076号公報 特表2014−507440号公報 特表2012−508741号公報 特表2011−520925号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、炭酸水素塩由来の嫌味が低減し、口腔内に十分なサッパリ感及び高い清掃実感を与えると共に使用感が良い歯磨剤組成物及びその嫌味の低減剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、炭酸水素塩による嫌味、更にはこれに特定のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドを併用したことによって嫌味が増強していても、前記嫌味が、シトラス系香料及びモノメンチルサクシネートを配合することによって低減し、口腔内にサッパリ感及び清掃実感を与える共に使用感がより向上した歯磨剤組成物を得ることができることを見出した。
即ち、本発明では、特に(A)炭酸水素塩(A−1)を配合した歯磨剤組成物、又は(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを配合した歯磨剤組成物に、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを配合することで、(E)及び(F)成分によって、(A)成分又は(A)及び(D)成分由来の嫌味が抑制されて低減し、口腔内に十分なサッパリ感及び高い清掃実感を付与できると共に、香味発現性を保つこともできて使用感が優れることを知見し、本発明をなすに至った。
なお、特許文献1、2に記載のように口臭の予防又は抑制のために殺菌剤や水溶性銅化合物を使用しなくても、本発明では優れた口腔内清掃実感や口臭予防実感を付与できる。また、特許文献4〜9(特開2014−125440号、同2015−182983号、同2016−102076号公報;特表2014−507440号、同2012−508741号、同2011−520925号公報)は、N−置換−p−メンタン−カルボキサミド配合の口腔用組成物を開示するが、これらは冷涼化又は清涼化剤のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドによる清涼感やサッパリ感の改善である。これらに対して、本発明は、(E)及び(F)成分の併用系による、(A−1)成分による嫌味の低減、及びサッパリ感と口腔内清掃実感の向上である。
従って、本発明は、下記の歯磨剤組成物及び嫌味の低減剤を提供する。
〔1〕
(A)炭酸水素塩(A−1)、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有する歯磨剤組成物。
〔2〕
(A)炭酸水素塩(A−1)、(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有する歯磨剤組成物。
〔3〕
(D)成分を0.00001〜0.01質量%含有する〔2〕に記載の歯磨剤組成物。
〔4〕
(A)成分を0.01〜10質量%、(E)成分を0.0001〜0.5質量%、(F)成分を0.001〜1質量%含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
〔5〕
(E)シトラス系香料が、グレープフルーツ香料である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
〔6〕
更に、界面活性剤を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
〔7〕
(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートからなる、(A)炭酸水素塩(A−1)による嫌味の低減剤。
〔8〕
(A)成分を含有する歯磨剤組成物用である〔7〕に記載の(A)炭酸水素塩(A−1)による嫌味の低減剤。
〔9〕
(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートからなる、(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドによる嫌味の低減剤。
〔10〕
(A)及び(D)成分を含有する歯磨剤組成物用である〔9〕に記載の(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドによる嫌味の低減剤。
本発明によれば、炭酸水素塩由来の嫌味が低減し、口腔内に十分なサッパリ感及び高い清掃実感を与え、使用感が良い歯磨剤組成物を提供できる。この歯磨剤組成物は、口臭予防実感を与えることも可能であり、近年増加している臭いに敏感なユーザーの口臭不安感をも解消するための口臭予防用製剤として使用することもできる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の歯磨剤組成物は、(A)炭酸水素塩(A−1)、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有し、更に、(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを含有することもできる。
(A)成分は、炭酸水素塩(A−1)である。
炭酸水素塩(A−1)としては、炭酸水素ナトリウムを使用し得る。
炭酸水素塩(A−1)の配合量は、組成物全体の0.01〜10%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは0.1〜10%、更に好ましくは0.3〜5%である。配合量が0.01%以上であると、十分なサッパリ感が得られ、10%以下であると、嫌味が十分に抑制される。
なお、本発明の歯磨剤組成物には、界面活性剤を配合できる。界面活性剤は、特に口腔内清掃実感の点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩等のアルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩、N−メチル−N−アシルタウリン塩等のN−アシルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。中でも、アルキル硫酸塩のラウリル硫酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸塩のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アシルサルコシン塩のラウロイルサルコシンナトリウム、特にラウリル硫酸ナトリウムが、刺激感抑制の点で、好ましい。
アニオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の1〜3%が好ましく、より好ましくは1.4〜2.5%、更に好ましくは1.4〜2.0%である。配合量が1%以上であると、十分な口腔内清掃実感が得られる。3%以下であると、それ自身による刺激感を抑え使用感を良好に維持できる。
ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、刺激感抑制の点で好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、E.O.と略記)は、好ましくは10〜60モルである。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルのE.O.は、好ましくは2〜25モルであり、アルキル基の炭素数は12〜18が好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.1〜1%が好ましく、より好ましくは0.3〜1%である。0.1%以上であると、十分な口腔内清掃実感が得られ、1%以下であると、口腔内清掃実感が十分に保持される。
なお、本発明では、更に上記以外のノニオン性界面活性剤を、本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。具体的には、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル;アルキロールアマイド;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤を配合する場合はその配合量が組成物全体の3%以下、特に1%以下が好ましく、また、配合せず0%であってもよい。
本発明において、(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドを配合する場合、その配合量は、組成物全体の0.00001〜0.01%が好ましく、より好ましくは0.00005〜0.005%である。0.00001%以上であると、十分なサッパリ感が得られる。0.01%以下であると、十分な香味発現性が得られ、また、それ自身による刺激感を抑え、使用感を良好に維持できる。
なお、(D)成分に代えて、(D)成分以外のN−置換−p−メンタン−カルボキサミドを使用した場合は、本発明の作用効果が劣る場合がある。
本発明では、更に、(E)シトラス系香料を配合する。
本発明で使用する(A)炭酸水素塩(A−1)は、口腔内にサッパリ感を与えるが、特有の嫌味を有し、特に(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドと併用すると、炭酸水素塩(A−1)由来の嫌味が増す傾向にある。しかし、(E)成分を使用することで、(D)成分の併用によって嫌味が増強していても、炭酸水素塩(A−1)由来の嫌味が低減され、好ましい。
シトラス系香料としては、グレープフルーツ、レモン、オレンジ等の香料系が好ましい。例えば、レモンオイル、精製レモンオイル、オレンジオイル、精製オレンジオイル、グレープフルーツオイル、精製グレープフルーツオイル、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバー等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用できる。中でも、好ましいシトラス系香料は、グレープフルーツ香料である。前記グレープフルーツ香料は、ヌートカトンを含有することが特に好ましい。
(E)シトラス系香料の配合量は、組成物全体の0.0001〜0.5%が好ましく、0.001〜0.2%が特に好ましい。この範囲内であると、嫌味を十分に低減できる。配合量が0.001%以上であると、嫌味を十分に抑制し、また、十分な香味発現性が得られる。0.5%以下であると、香味発現性を十分に保持できる。
本発明では、(E)シトラス系香料に加えて、(F)モノメンチルサクシネートを配合する。
本発明においては、(F)モノメンチルサクシネートを含有すると、炭酸水素塩(A−1)由来の嫌味の抑制効果が得られる他、口腔内清掃実感も向上するため、より好ましい。特に(E)シトラス系香料と共に(F)モノメンチルサクシネートを併用すると、(E)成分による嫌味低減効果がより向上し、また、香味発現性がよく、口腔内清掃実感も更に高まる。
(F)モノメンチルサクシネートの配合量は、組成物全体の0.001〜1%が好ましく、0.001〜1.0%がより好ましく、0.01〜0.1%が特に好ましい。この範囲内であると、嫌味を十分に抑制し、また、口腔内清掃実感を十分に向上できる。配合量が0.001%以上であると、十分な口腔内清掃実感が得られる。1%以下であると、十分に嫌味を抑制できる。
なお、本発明では、(E)及び(F)成分に加えて、これら以外の香料を使用することも可能である。他の香料としては、公知の香料、例えばメントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。これら香料の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量である。
本発明の歯磨剤組成物は、ペースト状、液体等の液状などの形態にして、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の様々な剤型にすることが可能であり、通常の方法で調製できる。また、上記成分に加えて、通常、歯磨剤組成物に使用されているその他の公知成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合できる。配合できる任意成分としては、研磨剤、粘結剤、湿潤剤や、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤、甘味剤、防腐剤、pH調整剤、薬効成分等が挙げられる。
研磨剤としては、第2リン酸カルシウム・2水和塩又は無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物;沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ等のシリカ系研磨剤;炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム系研磨剤;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベントナイト、ハイドロキシアパタイトが挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合できる。これらの中では、特に沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、チタン結合性シリカ等のケイ酸塩を主成分とするシリカ系研磨剤や炭酸カルシウム系研磨剤、とりわけ沈降性シリカ等のシリカ系研磨剤が好ましい。
研磨剤、特に沈降性シリカは、粒径が1〜40μm、BET比表面積が1gあたり80〜250平方メートルの研磨粒子であることが好ましい。前記粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)による測定値である。
このようなシリカ系研磨剤としては、市販品を使用でき、例えば、HUBER社製のZeodent124、Zeodent113、Rhodia社製のTIXOSIL 73、TIXOSIL 63、Degussa社製のSident 3、Sident 20、多木化学(株)製のジルコノシリケート、アルミノシリケート等が挙げられる。
研磨剤の配合量は、組成物全体の8〜70%、特に10〜50%が好ましい。
また、研磨剤は顆粒状であってもよく、研磨性を有する成分として、顆粒を配合できる。顆粒としては、水不溶性粉体を顆粒状に形成させた粒子であり、粒状化には結合剤を用いた造粒物でもよい。
粘結剤としては、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、カーボポール、ビーガム、アルギン酸プロピレングリコール等の有機粘結剤、増粘性シリカ、ケイ酸アルミニウム等の無機粘結剤が配合できる。これらは1種又は2種以上で使用できる。これら粘結剤の配合量は、有機粘結剤の場合、組成物全体の0.8〜5%、特に1〜3%が好ましく、無機粘結剤の場合、組成物全体の0.5〜10%、特に1〜8%が好ましい。
湿潤剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。配合量は通常、組成物全体の5〜50%、特に20〜45%である。
界面活性剤としては、両性界面活性剤を配合し得る。具体的には、コカミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン;ヤシ油脂肪酸イミダゾリウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸等の有機酸やその塩類;塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
薬効成分としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ等の酵素;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸塩等の抗炎症剤;塩化ナトリウム、ビタミン類、アラントイン類等の細胞賦活剤;イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤;銅クロロフィル、グルコン酸銅等の水溶性銅化合物;ゼオライト等の歯石予防剤;ビタミンE等の血行促進剤;アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類が挙げられる。薬効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
更に、任意成分として、雲母チタン、酸化チタン、ベントナイト等の無機化合物;結晶性セルロース等のセルロース系の有機粉末;寒天、ゼラチン、デンプン、グルコマンナン等の天然高分子化合物;ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン末、ポリエチレン末等の合成高分子化合物又はそれらの共重合体;カルナバワックス、ロジン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、パラフィンワックス等のワックス類;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ポリイソブチレン、ポリブタジエン、シリコーン、天然ゴムを、本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
また、本発明では、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートからなる、(A)炭酸水素塩(A−1)による嫌味の低減剤、及び上記(E)及び(F)成分からなる、(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドによる嫌味の低減剤を提供する。前記嫌味の低減剤は、それぞれ(A)((A−1))成分を含有する歯磨剤組成物用、(A)((A−1))及び(D)成分を含有する歯磨剤組成物用として好適である。
これらの場合、(E)及び(F)成分が、嫌味の低減剤の有効成分であり、前記有効成分のみからなる嫌味の低減剤として使用できるが、これら成分以外の上記に示すような成分を更に配合し、(E)及び(F)成分を嫌味低減の有効成分として含有する歯磨剤組成物として調製することもできる。なお、各成分についての配合量等の詳細は、上記歯磨剤組成物に関する記載と同様である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の歯磨剤組成物を常法によって調製した。得られた歯磨剤組成物をサンプルとして用い、下記方法で評価した。結果を表1〜3に併記した。
<評価方法>
被験者パネラー4名によって歯磨剤組成物の使用感を評価した。歯ブラシ(クリニカアドバンテージハブラシ、4列コンパクトふつうタイプ、ライオン(株)製)にサンプルの歯磨剤組成物1gを載せ、3分間歯みがきを行った。
すすぎ後(歯みがき後に水で口腔内をすすいだ後)の口腔内清掃実感について、下記に示す評点基準によって判定した。4名の評点の平均を求め、下記の評価基準によって評価した。
なお、ここで、口腔内清掃実感とは、口腔内が清掃されてきれいになったと感じられる感覚である。
口腔内清掃実感
評点基準
1:感じなかった
2:どちらとも言えない
3:やや感じた
4:感じた
5:非常に感じた
評価基準
◎:4人の平均点が4点以上
○:4人の平均点が3点以上4点未満
△:4人の平均点が2点以上3点未満
×:4人の平均点が2点未満
また、10名の被験者が、歯磨剤組成物1gを上記と同様の歯ブラシに載せ、3分間歯磨きを行った。すすぎ後のサッパリ感、歯磨き中の嫌味(炭酸水素塩由来の嫌味)のなさ及び香味発現性について、それぞれ下記の評点基準により判定した。10名の評点の平均を求め、下記の評価基準によって評価した。
サッパリ感
評点基準
4:非常に感じた
3:感じた
2:やや感じた
1:感じなかった
評価基準
◎:平均点3.5点以上
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
嫌味のなさ
評点基準
4:嫌味がなかった
3:嫌味がほとんどなかった
2:嫌味がややあった
1:嫌味があった
評価基準
◎:平均点3.5点以上
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
香味発現性
評点基準
4:非常に良い
3:良い
2:やや良くない
1:良くない
評価基準
◎:平均点3.5点以上
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)((A−1))
炭酸水素ナトリウム:重炭酸ナトリウム(旭硝子(株)製)
(D)
N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカ
ルボキサミド:エバクール180(ジボダンジャパン(株)製)
(E)
グレープフルーツ香料:グレープフルーツオイル(大洋香料(株)製)
(F)
モノメンチルサクシネート:モノメンチルサクシネート(ヴェ・マン・フィス・香料(
株)製)
ラウリル硫酸ナトリウム:Texapon(BASF社製)
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油:
NIKKOL HCO−20(日光ケミカルズ(株)製、エチレンオキサイドの平
均付加モル数20)
Figure 2018203734
Figure 2018203734
実施例の歯磨剤組成物を使用した結果、口腔内清掃実感及びサッパリ感が優れ、炭酸水素塩由来の嫌味が十分に抑制され、また、香味発現性も高く、サッパリとした非常に良好な使用感であるとの評価を得た。
Figure 2018203734

Claims (10)

  1. (A)炭酸水素塩(A−1)、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有する歯磨剤組成物。
  2. (A)炭酸水素塩(A−1)、(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、(E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートを含有する歯磨剤組成物。
  3. (D)成分を0.00001〜0.01質量%含有する請求項2記載の歯磨剤組成物。
  4. (A)成分を0.01〜10質量%、(E)成分を0.0001〜0.5質量%、(F)成分を0.001〜1質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
  5. (E)シトラス系香料が、グレープフルーツ香料である請求項1〜4のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
  6. 更に、界面活性剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
  7. (E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートからなる、(A)炭酸水素塩(A−1)による嫌味の低減剤。
  8. (A)成分を含有する歯磨剤組成物用である請求項7記載の(A)炭酸水素塩(A−1)による嫌味の低減剤。
  9. (E)シトラス系香料及び(F)モノメンチルサクシネートからなる、(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドによる嫌味の低減剤。
  10. (A)及び(D)成分を含有する歯磨剤組成物用である請求項9記載の(A)炭酸水素塩(A−1)及び(D)N−(4−シアノメチルフェニル)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミドによる嫌味の低減剤。
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