JP2024070036A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内での滞留感と分散性が両立して使用感が良く、製剤の保存安定性にも優れる口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)無極性油及び極性油から選ばれる1種以上と、(B)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる1種以上と、(C)ノニオン性界面活性剤とを含有する口腔用組成物。更に、(D)無水ケイ酸を含有する上記口腔用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内での滞留感と分散性が両立して使用感が良く、製剤の保存安定性にも優れる口腔用組成物に関する。
口腔用組成物には、歯周病等を抑制又は抑制する有効成分が配合され、その効果発現には、唾液の存在する口腔内でも歯茎等の治療部位に滞留して吸収されることが、その効果を発揮させるのに重要である。更に、口腔内での効果実感として滞留感を与えることが効果向上に有効である。
ところで、日常ケアとしての使いやすさから、口腔用組成物としてブラッシングタイプの歯磨剤組成物が一般的に好まれる傾向にあるが、高級アルコール等の油性成分を配合して口腔内での密着感や滞留感を高めると、製剤の分散性が悪くなって使用感が低下することが知られている。そのため、リン酸水素カルシウム等の分散剤を配合することで安定性と使用感(滞留感、分散性)を向上させてきたが、リン酸水素カルシウムは研磨剤としても用いられており、歯周病等で口腔状態が悪い使用者においては、特にブラッシングすると、刺激が強く生じることがあり、使用感に懸念があった。
特許文献1(特許第5521979号公報)には、特定粒径以下のリン酸水素カルシウムを配合することで、水難溶性有効成分と油性基剤を含有する口腔用組成物のべたつき、分散性等の使用感低下を抑制して製剤の外観安定性を向上できることが提案されている。
特許第5521979号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内での滞留感と分散性が両立して使用感が良く、製剤の保存安定性にも優れる口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、油性成分の無極性油及び/又は極性油と、ヒドロキシエチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースと、ノニオン性界面活性剤とを組み合わせて口腔用組成物に配合することで、リン酸水素カルシウムを配合しなくても、口腔内での滞留感と分散性が両立し、良い使用感を確保しつつ、製剤の保存安定性を向上させることができることを知見した。即ち、本発明によれば、(A)無極性油及び極性油から選ばれる1種以上と、(B)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる1種以上と、(C)ノニオン性界面活性剤とを含有する口腔用組成物が、口腔内での滞留感と分散性が両立して使用感が良く、かつ製剤の保存安定性に優れることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物を提供する。
〔1〕
(A)無極性油及び極性油から選ばれる1種以上と、
(B)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる1種以上と、
(C)ノニオン性界面活性剤と
を含有することを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
無極性油が25℃で液状の炭化水素油であり、極性油が25℃で固体の高級アルコールである〔1〕記載の口腔用組成物。
〔3〕
(A)成分が、無極性油と極性油とを組み合わせたものであり、無極性油が25℃で液状の炭化水素油、極性油が25℃で固体の高級アルコールである〔1〕又は〔2〕記載の口腔用組成物。
〔4〕
(C)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔5〕
(B)成分が、ヒドロキシエチルセルロース(b1)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(b2)とを組み合わせたものであり、(b1)/(b2)が質量比として0.5~5である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕
更に、(D)無水ケイ酸を含有する〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔7〕
練歯磨又はジェル状歯磨である〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、リン酸水素カルシウムを配合しなくても、口腔内での滞留感と分散性が両立し、使用感が良く、かつ製剤の保存安定性に優れる口腔用組成物を提供できる。この口腔用組成物は、有効成分を配合し、その薬効を効果的に発揮させることができ、歯周病等の口腔疾患の予防又は抑制に有効である。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の口腔用組成物は、(A)無極性油及び極性油から選ばれる1種以上と、(B)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる1種以上と、(C)ノニオン性界面活性剤とを含有する。
(A)成分は、油性成分であり、無極性油及び/又は極性油である。これらは、口腔内での滞留感を改善する作用を奏する。
無極性油(a1)としては、炭化水素、シリコーン、金属石鹸等が挙げられ、特に炭化水素が好ましく、中でも25℃で液状の炭化水素油が好ましい。
具体的には、流動パラフィン(粘度37mm2/s以上(37.8℃))、軽質流動パラフィン(粘度37mm2/s未満(37.8℃))、スクワラン等が挙げられ、特に軽質流動パラフィンが好ましい。
極性油(a2)としては、高級アルコール、高級脂肪酸、植物油、動物油等が挙げられ、特に高級アルコール、中でも25℃で固体の高級アルコールが好ましい。
具体的には、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、特にセタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコールが好ましく、セタノールがより好ましい。
(A)成分は、無極性油(a1)と極性油(a2)とを組み合わせて用いることが好ましく、特に口腔内での滞留感及び製剤の保存安定性との点から、25℃で液状の炭化水素油と25℃で固体の高級アルコールとの組み合わせがより好ましく、更に好ましくは軽質流動パラフィンとセタノールとの組み合わせである。
無極性油(a1)と極性油(a2)とを組み合わせて用いる場合、両者の量比を示す(a1)/(a2)は、口腔内での滞留感と製剤の保存安定性との点から、質量比として0.1~10が好ましく、より好ましくは0.2~8である。
(A)成分の配合量は、組成物全体の1~20%(質量%、以下同様)が好ましく、より好ましくは2~20%、更に好ましくは2~10%である。配合量が上記範囲内であると、口腔内での滞留感が十分に優れ、製剤の保存安定性を十分に確保することもできる。
更に、(A)成分の配合量が上記範囲内において、無極性油(a1)の配合量は、組成物全体の0.5~20%が好ましく、より好ましくは0.5~10%であり、極性油(a2)の配合量は0.5~20%が好ましく、より好ましくは0.5~10%である。
(B)成分は、ヒドロキシエチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、口腔内での分散性と製剤の保存安定性を改善する作用を奏する。
ヒドロキシエチルセルロース(b1)は、粘度(25℃)が1,500~2,800mPa・sのものが好ましい。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(b2)は、粘度(20℃)が3,000~4,370mPa・sのものが好ましく、また、メトキシ基:19~24%、ヒドロキシプロポキシ基:4~12%のものが好ましい。
(B)成分は、ヒドロキシエチルセルロース(b1)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(b2)とを組み合わせて用いることが好ましい。この場合、両者の量比を示す(b1)/(b2)は、特に口腔内での分散性の点から、質量比として0.5~5が好ましい。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.1~10%が好ましく、より好ましくは0.5~5%、更に好ましくは1~3%である。配合量が上記範囲内であると、口腔内での分散性と製剤の保存安定性が十分に優れる。
(C)ノニオン性界面活性剤は、製剤の保存安定性を改善する作用を奏する。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、特にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、より好ましくはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルである。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイドの平均付加モル数(E.O.)は20~100が好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのE.O.は10~30が好ましい。
(C)成分の配合量は、組成物全体の0.5~12%が好ましく、より好ましくは1~7%、更に好ましくは2~6%である。配合量が上記範囲内であると、製剤の保存安定性が十分に得られ、口腔内での滞留感を十分に確保することもできる。
本発明の口腔用組成物には、製剤の保存安定性向上の点から、更に、(D)無水ケイ酸を配合することが好ましい。
無水ケイ酸としては、増粘性シリカ、増粘性アルミニウムシリカ等の増粘性の無水ケイ酸や、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等の研磨性の無水ケイ酸が挙げられ、特に増粘性の無水ケイ酸が好ましい。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせてもよい。なお、研磨性の無水ケイ酸は無配合でもよい。
増粘性の無水ケイ酸は、好ましくは吸液量(45%グリセリン水溶液)が1.5~6ml/g、特に2~5ml/gのものである。
無水ケイ酸として具体的には、市販品である日本アエロジル(株)製、AEROSIL 200(吸液量4.3ml/g)等を使用できる。
(D)成分の配合量は、製剤の保存安定性の点から、組成物全体の1~10%が好ましく、より好ましくは2~7%、更に好ましくは2~5%である。
本発明の口腔用組成物は、特に練歯磨、ジェル状歯磨等の歯磨剤組成物として好適である。また、上記成分に加えて、その他の公知成分を本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて配合できる。練歯磨は、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更に必要により着色剤、甘味剤、防腐剤、香料、有効成分等を配合できる。ジェル状歯磨は、通常、研磨剤を含有しないが、それ以外の配合可能な成分は練歯磨と同様である。下記に示す配合量は組成物全体に対する配合量である。
研磨剤は、二酸化ケイ素、第2リン酸カルシウム・2水和物又は無水和物等のリン酸カルシウム系化合物、炭酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。これら研磨剤の配合量は、0~50%、配合する場合は2~50%、特に2~30%がよい。
本発明の口腔用組成物は、研磨剤が無配合でもよく、このように研磨剤が無配合であっても、製剤の保存安定性が優れ、口腔内での滞留感と分散性にも優れる。
粘稠剤は、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。粘稠剤の配合量は、通常、5~50%、特に10~30%である。
粘結剤は、有機粘結剤を配合できる。例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸誘導体や、キサンタンガム等のガム類、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。これら粘結剤の配合量は、通常、0.1~10%、特に0.1~5%である。
任意の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合できる。
アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシルタウリン塩、アシルアミノ酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、アルキルアンモニウム型や、アルキルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤は、アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等の脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
これら任意の界面活性剤の配合量は、0~10%がよく、配合する場合は0.001~10%、特に0.001~5%とすることができる。
着色剤は、青色1号、黄色4号、二酸化チタン等が挙げられる。
甘味剤は、サッカリンナトリウム等が挙げられる。
防腐剤は、メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル)等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸又はその塩が挙げられる。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、更には、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-エチル-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料といった口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
香料の配合量は特に限定されないが、上記の香料素材の配合量は、0.000001~1%が好ましい。上記香料素材を使用した賦香用香料の配合量は、0.1~2%が好ましく、0.2~1%がより好ましい。
なお、溶剤としては精製水を使用でき、また、エタノール等の炭素数2又は3の低級一価アルコールを添加することもできる。
有効成分は、口腔用製剤に許容される有効成分を使用できる。例えば、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤;塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤;トラネキサム酸、アラントイン、グリチルレチン酸等の抗炎症剤;デキストラナーゼ等の酵素;フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ素含有化合物;水溶性リン酸化合物、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム等の無機塩類;パントテン酸、パントテン酸のアルカリ金属塩、パンテノール等のビタミンB5又はその誘導体;アスコルビン酸、トコフェロール酢酸エステル等のビタミンE又はその誘導体、植物抽出物、歯石防止剤、歯垢防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。これら有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1~7に示す組成の歯磨剤組成物を常法によって調製した。表1に示す歯磨剤組成物を下記方法で評価し、その結果を表に併記した。
<使用感(滞留感、分散性)の評価方法>
製剤の使用感は、無作為に抽出した10名のパネラーを対象として、歯磨剤組成物を適量(1g(2cm))、歯ブラシにつけて歯茎や歯肉を通常の方法でブラッシングしてマッサージし、そのマッサージ中の使用感として、口腔内での滞留感(密着感)と分散性(分散しやすさ)について、下記の7段階の評点基準で判定した。それぞれの10名の平均点を算出し、下記の評価基準で評価した。4.1点以上を良好なレベルと判断した。
滞留感(密着感)の評点基準
7:非常に滞留感(密着感)を感じる
6:かなり滞留感(密着感)を感じる
5:やや滞留感(密着感)を感じる
4:どちらともいえない
3:あまり滞留感(密着感)を感じない
2:ほとんど滞留感(密着感)を感じない
1:全く滞留感(密着感)を感じない
分散性(分散しやすさ)の評点基準
7:非常によい
6:かなりよい
5:ややよい
4:どちらともいえない
3:あまりよくない
2:かなりよくない
1:非常によくない
滞留感(密着感)、分散性(分散しやすさ)の評価基準(〇以上を合格とした)
☆:10人の平均点が6点以上
◎:10人の平均点が5点以上6点未満
〇:10人の平均点が4.1点以上5点未満
×:10人の平均点が4.1点未満
<製剤の保存安定性(液分離のなさ)の評価方法>
調製後の歯磨剤組成物90gをアルミニウムラミネートチューブ容器に充填し、60℃で1ヶ月間保存した後、上記チューブ容器の中央を指で持って歯磨剤組成物を紙の上に押し出し、下記の基準で製剤の保存安定性(液分離のなさ)を評価した。
評価基準
☆:液分離は全くない
◎:チューブの口元にわずかに液分離が認められるだけでほとんどない
○:チューブの口元から内部にかけてやや液分離が認められるが問題ない
×:著しく液分離が認められる
下記に使用原料の詳細を示す。
(A)成分
無極性油(a1)
軽質流動パラフィン;三光化学工業(株)製、流動パラフィンNo.70-S
流動パラフィン;三光化学工業(株)製、流動パラフィンNo.350S
極性油(a2)
セタノール;花王(株)製、ニチキョク セタノール、「日本薬局方 セタノール」
(融点47~53℃)
ステアリルアルコール;高級アルコール工業(株)製、ステアリルアルコールNX
ステアリン酸;花王(株)製、日本薬局方 ステアリン酸70
(B)成分
(b1)ヒドロキシエチルセルロース;ダイセルミライズ(株)製、HECダイセルEE
820
(b2)ヒドロキシプロピルメチルセルロース;信越化学工業(株)製、METOLOS
E 90SH-4000SR
(C)成分
モノステアリン酸ソルビタン;日本サーファクタント工業(株)製、SS-10MV
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート;日本サーファクタント工業
(株)製、TS-10MV
ショ糖脂肪酸エステル;三菱ケミカルフーズ(株)製、サーフホープSE PHARM
A J-1816
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;日光ケミカルズ(株)製、HCO-60
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(比較品);デグサ社製、TEGO BETAIN
CK-OK
(D)成分
無水ケイ酸;日本エアロジル(株)製、AEROSIL 200
Figure 2024070036000001
表2~7に示す各実施例は、上記と同じ方法で評価したところ、表1に示した実施例1と同様に、使用感(滞留感、分散性)、製剤の保存安定性(液分離のなさ)が良好であった。
Figure 2024070036000002
Figure 2024070036000003
Figure 2024070036000004
Figure 2024070036000005
Figure 2024070036000006
Figure 2024070036000007

Claims (7)

  1. (A)無極性油及び極性油から選ばれる1種以上と、
    (B)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれる1種以上と、
    (C)ノニオン性界面活性剤と
    を含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. 無極性油が25℃で液状の炭化水素油であり、極性油が25℃で固体の高級アルコールである請求項1記載の口腔用組成物。
  3. (A)成分が、無極性油と極性油とを組み合わせたものであり、無極性油が25℃で液状の炭化水素油、極性油が25℃で固体の高級アルコールである請求項1記載の口腔用組成物。
  4. (C)ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上である請求項1記載の口腔用組成物。
  5. (B)成分が、ヒドロキシエチルセルロース(b1)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(b2)とを組み合わせたものであり、(b1)/(b2)が質量比として0.5~5である請求項1記載の口腔用組成物。
  6. 更に、(D)無水ケイ酸を含有する請求項1記載の口腔用組成物。
  7. 練歯磨又はジェル状歯磨である請求項1~6のいずれか1項記載の口腔用組成物。
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