JP7167659B2 - 歯磨剤組成物 - Google Patents
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このような本発明の作用効果は、(A)、(B)及び(C)成分のうちのいずれかを欠くと劣り、これら三成分の組み合わせに特異な作用効果であった。
後述の比較例に示すように、(A)、(B)及び(C)成分の中のいずれかの成分を含まない比較例1~5は、いずれも口腔内のネバつき感のなさが×であり悪かった。(A)成分を含まない比較例2、4、5では、清涼感付与剤であるメントールを含んでいても口腔内のネバつき感のなさ及び口腔内のすっきり感(60分間経過後)が両方共×であり、また、(C)成分を含まない比較例3では、水溶性高分子物質のポリアクリル酸ナトリウムを含んでいても口腔内のネバつき感のなさが×であった。これに対して、実施例に示すように、本発明の(A)、(B)及び(C)成分を含有する歯磨剤組成物は、口腔内のすっきり感(60分間経過後)及び口腔内のネバつき感のなさがいずれも○又は◎で優れ、更には口腔内刺激のなさも良かった。
〔1〕
(A)N-(4-シアノメチルフェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド、
(B)イソプロピルメチルフェノール及びトリクロサンから選ばれる1種以上
及び
(C)キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性高分子物質
を含有することを特徴とする歯磨剤組成物。
〔2〕
(A)成分と(C)成分との量比を示す(A)/(C)が、質量比として0.000005~0.007である〔1〕に記載の歯磨剤組成物。
〔3〕
(A)成分を0.00001~0.01質量%、(B)成分を0.01~0.5質量%、(C)成分を1.4~2.5質量%含有する〔1〕又は〔2〕に記載の歯磨剤組成物。
〔4〕
更に、界面活性剤、湿潤剤、粘結剤及び研磨剤から選ばれる1種以上を含有する〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
〔5〕
練歯磨である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
N-(4-シアノメチルフェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドは、市販品である商品名:エバクールG-180(ジボダンジャパン(株)製)を使用できる。
なお、(B)成分に代えて、(B)成分以外の殺菌剤を使用すると、上記作用効果が劣る。
(B)成分としては、イソプロピルメチルフェノール(4-イソプロピル-3-メチルフェノール)又はトリクロサンを用いればよいが、効果発現の点でイソプロピルメチルフェノール及びトリクロサンを使用することもできる。特に、口腔内のネバつき感改善の点で、イソプロピルメチルフェノールが好ましい。イソプロピルメチルフェノール、トリクロサンは、それぞれ市販品を用いることができ、例えばイソプロピルメチルフェノールは商品名:ビオゾール(大阪化成(株)製)を使用できる。
(C)成分としては、特に口腔内のネバつき感改善に優れる点から、キサンタンガムを使用することが好ましい。また、効果発現の点で、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いることもできる。
キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウムは、それぞれ市販品を用いることができる。
沈降性シリカは、例えば、粒径が1~40μm、BET比表面積が1gあたり80~250平方メートルのものが好ましい。
これら研磨剤の配合量は、組成物全体の8~70%が好ましい。
水不溶性粉体としては、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、水不溶性メタリン酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸塩、炭酸マグネシウム、ジルコノシリケート、硫酸カルシウム等の無機粉体やこれらの混合物が挙げられ、特にシリカ顆粒、ゼオライト顆粒が好適である。
顆粒剤の体積平均粒径(メジアン径d50)は、50~500μmであることが好ましい。前記体積平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)による測定値である。
顆粒剤の平均崩壊強度は、10~200g/個であることが好ましい。前記平均崩壊強度は、レオメーター(サンレオメーターCR-200D、サン科学社製)による、顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に本顆粒が崩壊する時の荷重を測定した値)の平均値である。
シリカ顆粒剤としては、湿式法のゲル法シリカ、沈降法シリカが好適に用いられ、一次粒子径は3~15nm程度、好ましくは4~10nmが良好である。例えば、ゲル法で4~10nm程度に一次粒子径を成長させたシリカゲルの塊を洗浄、乾燥させた後に粉砕して平均粒径が50~500μmであるシリカ顆粒に分級する方法、シリカヒドロゾルを空気中に噴霧させゲル化させることで顆粒を調製する方法、また、沈降法で一次粒子の成長を抑えながら凝集させた後に一次粒子径を4~10nm程度に成長させることで調製する方法などが知られており、これらの方法でシリカ顆粒剤を調製できる。また、顆粒は着色したものを使用することもできる。
これら顆粒剤の配合量は、組成物全体の0.1~20%が好ましい。なお、研磨剤の総配合量は、組成物全体の8~70%がよい。
アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩等のN-アシルタウレート、アシルサルコシン塩、N-アシル-L-グルタミン酸塩等のアシルアミノ酸塩が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用できる。中でも、泡立ち、泡質の良さの点で、スルホン酸基を含有するアニオン性界面活性剤が好ましく、より好ましくはアルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩である。前記塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられ、特にナトリウム塩が好ましい。
アルキル硫酸塩は、アルキル基の炭素数が好ましくは12~14であり、具体的には、アルキル硫酸塩としてラウリル硫酸ナトリウム、ミリストイル硫酸ナトリウムが挙げられる。
α-オレフィンスルホン酸塩は、炭素数が14~16のα-オレフィンスルホン酸のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩を用いることができ、中でも炭素数14のα-オレフィンスルホン酸塩、特にナトリウム塩(一般名;テトラデセンスルホン酸ナトリウム)が好ましい。これらは口腔用製剤に使用可能な市販品を入手することができ、例えばライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の商品名「KリポランPJ-400CJ」を使用し得る。
界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.6~2.5%、特に1~2.5%が好ましい。
防腐剤は、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
表1~5に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨)を常法によって調製し、これらをサンプルとして使用し、下記方法で使用感(口腔内のネバつき感のなさ及びすっきり感)を評価し、更に、表1~4の歯磨剤組成物については口腔内刺激のなさも評価した。結果を表1~5に併記した。
被験者9名による使用感評価を下記方法によって行った。
歯ブラシ(クリニカアドバンテージ歯ブラシ、4列コンパクトふつう、ライオン(株)製)にサンプルの歯磨剤組成物を1gのせ、3分間歯みがきを行った後、10mLの水で1回洗口した。
使用直後の口腔内のネバつき感のなさ(ネバつきがなくなった感じ)、使用して60分間経過後の口腔内のすっきり感、使用直後の口腔内刺激のなさ(刺激感のなさ)について、それぞれ下記の評点基準によって判定した。9名の平均点を求め、それぞれ下記の評価基準で評価した。
評点基準
5:ネバつきを全く感じなかった
4:ネバつきをほとんど感じなかった
3:ネバつきをあまり感じなかった
2:ネバつきを感じた
1:ネバつきを強く感じた
評価基準
◎:平均点が4点以上
○:平均点が3点以上4点未満
×:平均点が3点未満
評点基準
5:すっきり感を非常に感じた
4:すっきり感を感じた
3:すっきり感をやや感じた
2:すっきり感をあまり感じなかった
1:すっきり感を全く感じなかった
評価基準
◎:平均点が4点以上
〇:平均点が3点以上4点未満
×:平均点が3点未満
評点基準
5:刺激を全く感じなかった
4:刺激をほとんど感じなかった
3:刺激をあまり感じなかった
2:刺激をやや感じた
1:刺激を感じた
評価基準
◎:平均点が4点以上
○:平均点が3点以上4点未満
×:平均点が3点未満
(A)N-(4-シアノメチルフェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミド 商品名:エバクールG-180、ジボダンジャパン(株)製
(B)イソプロピルメチルフェノール 商品名:ビオゾール、大阪化成(株)製
(B)トリクロサン 商品名:IRGASAN DP300、BASF社製
(C)キサンタンガム 商品名:モナートガムDA、CPケミカル社製
(C)カルボキシメチルセルロースナトリウム 商品名:CMC1260、ダイセルファインケム(株)製
下記の実施例及び比較例では、香料として、表6~14に示す香料組成物Aを使用したが、香料組成物Aに代えて香料組成物B~Pを各々使用しても同様の結果であった。
Claims (4)
- (A)N-(4-シアノメチルフェニル)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサンカルボキサミドを0.00001~0.01質量%、
(B)イソプロピルメチルフェノールを0.01~0.5質量%
及び
(C)キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる1種以上の水溶性高分子物質を1.6~2.5質量%
含有することを特徴とする歯磨剤組成物。 - (A)成分と(C)成分との量比を示す(A)/(C)が、質量比として0.000005~0.00625である請求項1記載の歯磨剤組成物。
- 更に、界面活性剤、湿潤剤、粘結剤及び研磨剤から選ばれる1種以上を含有する請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
- 練歯磨である請求項1~3のいずれか1項記載の歯磨剤組成物。
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