JP2018203600A - 石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents

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【課題】ブラウンマークを抑制できる石英ガラスルツボの製造方法を提供する。【解決手段】天然石英ガラス粉末層1bの内面に沿って合成シリカ原料粉末を堆積させ、更に前記天然石英ガラス粉末層の上端部1cを覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させ、合成シリカ原料粉末層1aを形成し、原料粉末積層体1を形成する工程と、アーク放電によって、原料粉末積層体の内側に透明石英ガラス層が形成されると共に、原料粉末積層体の外側に不透明石英ガラス層が形成される、ルツボ形状体を形成する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は石英ガラスルツボの製造方法に関し、特に、シリコン等の半導体単結晶引上げにおいて、多結晶シリコン等の原料を溶融するために好適に用いられる石英ガラスルツボの製造方法に関する。
シリコン等の半導体単結晶は、主に、チョクラルスキー(CZ)法により製造されている。このCZ法によるシリコン単結晶の製造は、多結晶シリコンを溶融したシリコン原料融液に、シリコン単結晶の種結晶を着液させて、回転させながら徐々に引上げていき、シリコン単結晶インゴット(以下、シリコンインゴットという)を成長させることにより行われる。
上記のようなCZ法によるシリコン単結晶の引上げにおいて、原料を加熱溶融するための容器には、一般に、外層が水晶等の天然質原料を溶融ガラス化した天然石英ガラス、内層が合成シリカガラスからなる石英ガラスルツボが用いられる。
この石英ガラスガラスルツボは、その中に多結晶シリコンを充填し、シリコンの融点(約1400℃)以上の温度に加熱されると、通常、該ルツボ内表面に、褐色のリング状のクリストバライト、いわゆるブラウンリング(ブラウンモールドともいう。)が生成される。
このブラウンリングは、加熱により徐々に拡大し、該内表面の荒れや剥離が生じ、その結果、シリコン原料融液中に前記剥離片が混入し、シリコン単結晶に転位が発生し、シリコン単結晶の歩留まりの低下を招いていた。
この問題を解決するものとして、特許文献1には、純化処理したNa濃度が0.2ppm以下の天然シリカ質原料粉をルツボ形状に成型し、さらに、前記ルツボ形状の成型体の内表面を覆うように、Na,K,Li,Ca,Al,Ti,Fe,Cuのいずれの濃度も0.1ppm以下であり、平均粒径が150μm、かつ、最大粒径が210μmの合成シリカ原料粉を導入した後、高清浄度環境下で減圧アーク溶融によりガラス化する、シリカガラスルツボの製造方法が示されている。
また、特許文献2には、気泡を含有する不透明石英ガラスからなる外層と、実質的に気泡を含有しない透明石英ガラスからなる内層とを有する石英ガラスるつぼを作製する工程と、前記作製した石英ガラスるつぼの内表面のうち、シリコン融液を保持した際に該シリコン融液に接触する領域を粗面化する工程と、前記内表面が粗面化された石英ガラスるつぼを熱処理することにより、前記粗面化された領域の表面を結晶化する工程とを含む、単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼの製造方法が示されている。
特開2010−280567号公報 特開2016−33093号公報
特許文献1記載の発明にあっては、ルツボ形状の成型体の内層を高純度、特定粒径の合成シリカ原料粉で形成することで、ブラウンリングを抑制している。また、特許文献2記載の発明にあっては、石英ガラスるつぼの内表面のうち、シリコン融液を保持した際にシリコン融液に接触する領域を粗面化することで、ブラウンリングを抑制している。
ところで、近年、リチャージプロセス(一つのルツボで多結晶シリコンの原料を追加し、複数回のシリコンインゴットの引上げを行う)の増加等により、ルツボの使用環境は、高温、長時間化が進んでいる。
この長時間化に伴い、特許文献1,2に示すようなルツボであっても、ルツボの内面にはより多くのクリストバライトが形成され、使用中に剥離することで、シリコンインゴットに転位が生じ易いという課題があった。そのため、リチャージ(引上げ)本数が増加していくにつれ、シリコンインゴットの転位が生じ易くなるため、シリコンインゴットの引き上げ本数が制限されている。
したがって、クリストバライトの形成を抑制し、より多くの本数を引き上げられる石英ガラスルツボを製造することは、使用者にとって、製造コスト、製造効率の面から大きなメリットがある。
本発明者らは、前記クリストバライトの初期段階のブラウンマークに着目した。このブラウンマークを中心にクリストバライト(いわゆるブラウンリング)が形成されることから、クリストバライトの初期段階のブラウンマークの低減をできれば、クリスバライト(いわゆるブラウンリング)の低減につながると考え、ブラウンマークの低減について鋭意研究を重ねた。
その結果、ブラウンマーク特有の現象を知見し、その現象を抑制できる石英ガラスルツボの製造方法を想到するに至り、本発明を完成した。
本発明の目的は、ブラウンマークを抑制できる石英ガラスルツボの製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するためになされた、本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法は、回転するルツボ成形用型内でアーク放電によって石英ガラス原料粉末を溶融し、ルツボを成型する石英ガラスルツボの製造方法において、前記ルツボ成形用型の内面に沿って天然石英ガラス原料粉末を堆積させ、天然石英ガラス粉末層を形成し、続いて前記天然石英ガラス粉末層の内面に沿って合成シリカ原料粉末を堆積させ、更に前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させ、合成シリカ原料粉末層を形成し、原料粉末積層体を形成する工程と、アーク放電によって、原料粉末積層体の内側に透明石英ガラス層が形成されると共に、原料粉末積層体の外側に不透明石英ガラス層が形成される、ルツボ形状体を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
このように、原料粉末積層体を形成する工程において、天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末が堆積するため、アーク放電によってルツボ形状体を形成する際、天然石英ガラス粉末の飛散が抑制され、合成シリカ原料粉末層の内面への付着が抑制される。
天然石英ガラス粉末が合成シリカ原料粉末層の内面に付着すると、ルツボ形状体の内面には、ピットと呼ばれる凹部が生成される。この凹部がブラウンマークの原因となる。
したがって、本発明の製造方法にあっては、天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させているため、天然石英ガラス粉末の飛散が抑制される。
その結果、前記天然石英ガラス粉末に起因する凹部の発生が抑制され、ブラウンマークの発生が抑制される。
尚、前記ルツボ形状体を形成した後、前記ルツボ形状体の上端部における透明石英ガラス層と不透明石英ガラス層との2層部分を切断する切断工程、を含むことが望ましい。
前記不透明石英ガラス層の上端部を覆っている透明石英ガラス層が残存すると、粘性低下による変形の虞れがあるため、好ましくない。
ここで、前記原料粉末積層体を形成する工程において、天然石英ガラス粉末層の上端部の積層される合成シリカ原料粉末の厚さが、少なくとも80mmであることが望ましい。
前記上端部における合成シリカ原料粉末の厚さが80mm未満である場合には、ルツボ形状体の内面に前記凹部が生成されることがあり、好ましくない。
また、前記天然石英ガラス粉末層と前記合成シリカ原料粉末層との間に、天然石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層が形成され、前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆う合成シリカ原料粉末は、前記中間層の上端部も覆うように堆積させても良い。
このように、本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法は、天然石英ガラス粉末層と合成シリカ原料粉末層から製造される2層タイプの石英ガラスルツボに限定されるものではなく、天然石英ガラス粉末層と合成シリカ原料粉末層の間に、石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層が形成された、3層以上の石英ガラスルツボにも適用することができる。
本発明によれば、ブラウンマークを抑制できる石英ガラスルツボの製造方法を得ることができる。
図1は本発明を実施するための製造装置を示す概略構成図である。 図2(a)は、本発明にかかる原料粉末積層体の要部拡大図,(b)は、従来の原料粉末積層体の要部拡大図である。 図3は、本発明にかかるルツボ形状体を示す断面図である。 図4は、ブラウンマーク及びブラウンマーク近傍のガラス面における元素分析の分析領域を示す図である。 図5は、ブラウンマーク近傍のガラス面Bにおける、レーザーアブレーション法で元素分析を行った結果を示す図である。 図6は、ブラウンマークにおける、レーザーアブレーション法で元素分析を行った結果を示す図である。 図6は、石英ガラスルツボ内面に形成された凹部(ピット)を示す図である。 図8は、石英ガラスルツボ内面に形成されたブラウンマークを示す図である。
本発明は、ブラウンマークの特有の現象を知見したことによりなされた、ブラウンマークの発生を抑制した石英ガラスルツボの製造方法である。
まず、図4乃至図6に基づいて、本発明者が知見したブラウンマークの特有の現象について説明する。
本発明者は、図4に示すようにブラウンマークA、ブラウンマーク近傍のガラス面Bにおける元素分析をレーザーアブレーション法で行った。尚、図中の矢印は分析方向を示している。
その結果を図5、図6に示す。図5は、ブラウンマーク近傍のガラス面Bにおける各元素分析結果を示し、図6はブラウンマークBMにおける各元素分析を示し、図5及び図6の(a)はNa,(b)はMg,(c)はAl,(d)はK,(e)はCu,(f)はTiの分析結果を示している。図5及び図6の(a)〜(f)の縦軸はベーパライズした石英をICP−MSで含有元素をカウントし、例えばAlであれば、Alのカウント数をSiのカウント数で割ったものである。また、図5及び図6の(a)〜(f)の横軸は、測定時間を表している。
図5及び図6の(a)(b)に示されるように、Na,MgがブラウンマークBM及びブラウンマーク近傍のガラス面の双方で検出される。
一方、図5及び図6の(c)(f)から分かるように、Al,Tiは、ブラウンマークの方がブラウンマーク近傍のガラス面よりも多く検出され、その傾向が異なっている。即ち、ブラウンマークでは、Al,Tiの元素を多く含むという特有の現象が知見された。
このAl,Tiは、天然石英ガラス原料粉末に多く含まれる元素であり、外層の天然石英ガラス粉末原料に起因するものであると考えられる。
即ち、ブラウンマークの発生を抑制するには、天然石英ガラス粉末の飛散を抑制し、合成シリカ原料粉末層の内面への付着を抑制することが重要であり、このブラウンマークの低減を図ることができれば、クリスバライトの低減を図ることができる。
このように、本発明は、ブラウンマークではAl,Tiの元素を多く含むという特有の現象から、天然石英ガラス粉末の飛散を抑制することに着目したものであり、合成シリカ原料粉末層の内面への付着を抑制することで、ブラウンマークの低減を図るものである。
次に、本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法について図1乃至図3に基づいて説明する。
本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法は、例えば、図1に示すような石英ガラスルツボ製造装置10を用いて行われる。石英ガラスルツボ製造装置10のルツボ成形用型11は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材12と、その外周に通気部13を設けて、内側部材12を保持する保持体14とから構成されている。
また、保持体14の下部には、図示しない回転手段と連結されている回転軸15が固着されていて、ルツボ成形用型11を回転可能にして支持している。通気部13は、保持体15の下部に設けられた開口部17を介して、回転軸15の中央に設けられた排気口16と連結されており、この通気部13は、減圧機構18と連結されている。
前記内側部材12に対向する上部にはアーク放電用のアーク電極19と、原料供給ノズル21と、窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、ルツボの所定部位に前記ガスを吹付けるノズル22とが設けられている。
この石英ガラスルツボ製造装置10を用いてルツボの製造を行うには、回転駆動源(図示せず)を稼働させて回転軸15を矢印の方向に回転させることによってルツボ成形用型11を所定の速度で回転させる。そして、ルツボ成形用型11内に、ルツボ成形用型11内の上部の原料供給ノズル21から石英ガラス原料粉末を供給する。
この原料供給ノズル21は、回転されたルツボ成形用型11内に石英ガラス原料粉末を装填する際には、初めに例えば粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、その後、その内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填するように構成されている。尚、原料供給ノズルを二つ設けて、夫々別々に原料粉末を供給しても良い。
このルツボ成形用型11内に供給された天然石英ガラス原料粉末は、遠心力によってル
ツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層(天然石英ガラス原料粉末層1b)が形成される。
そして、この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給される。この合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末層1bに押圧され、一つの層(合成シリカ原料粉末層1a)が形成され、全体としてルツボ形状の2層の原料粉末積層体1が形成される。
ここで、図2(a)に示すように、合成シリカ原料粉末は、前記天然石英ガラス粉末層1bの内面に沿って堆積させると共に、前記天然石英ガラス粉末層1bの上端部1cを覆うように堆積させる。
即ち、天然石英ガラス原料粉末層1bが露出しないように、合成シリカ原料粉末層1aが天然石英ガラス粉末層1bの内面及び上端部1cを覆うように形成される。
因みに、従来の原料粉末積層体1は、図2(b)に示すように、合成シリカ原料粉末は、前記天然石英ガラス粉末層1bの内面に沿って堆積させるが、前記天然石英ガラス粉末層の上端部まで堆積させていない。これは、合成シリカ原料粉末が高価であり、製造コストを低減するためである。
また、天然石英ガラス粉末層1bの上端部1cにおける合成シリカ原料粉末の厚さtが、天然石英ガラス粉末層の上端部から少なくとも80mmとなるように、合成シリカ原料粉末が堆積していることが望ましい。
合成シリカ原料粉末の前記厚さtが80mm未満である場合には、天然石英ガラス粉末が飛散し、石英ガラスルツボの内面にブラウンマークが発生する虞があり(石英ガラスルツボの内面に凹部(ピット)が生成される虞があり)、好ましくない。
前記原料粉末積層体1を形成した後、大気雰囲気で、減圧機構18の作動による減圧を行い、所定時間経過後にカーボン電極19に通電して原料粉末積層体の内側から加熱し、原料粉末積層体1を内側から順次溶融し、図3に示すルツボ形状体2を形成する。
このとき、高温に成り易い部位、例えば原料粉末積層体1の底部に窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、該部位における合成シリカガラス層の高温化を抑止し、ベーパライズによるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制しても良い。
そして、冷却後、前記ルツボ形状体2の上端部における、合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)2aと天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)2bとの2層部分Cを切断することによって、石英ガラスルツボを製造する。
前記不透明石英ガラス層の上端部を覆っている透明石英ガラス層が残存すると、粘性低下による変形の虞れがあるため、好ましくない。
このように、本発明にあっては、原料粉末積層体を形成する工程において、天然石英ガラス粉末層1bの上端部1cを覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させるため、アーク放電によってルツボ形状体2を形成する際、天然石英ガラス粉末の飛散が抑制され、合成シリカ原料粉末層1aの内面への付着が抑制され、ブラウンマークの発生が抑制される。
その結果、石英ガラスルツボとして使用した際、クリスバライトの低減を図ることができる。
また、上記実施形態にあっては、天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)2bと前記合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)2aの2層タイプの石英ガラスルツボを例にとって説明した。
しかしながら、天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)2bと前記合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)2aとの間に、天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)あるいは合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)の中間層を形成した3層以上のタイプの石英ガラスルツボにも適用することができる。
具体的には、天然石英ガラス粉末層1bと合成シリカ原料粉末層1aとの間に、天然石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層を形成し、前記天然石英ガラス粉末層1bの上端部1cを覆う合成シリカ原料粉末は、外層の天然石英ガラス粉末層のみならず、前記中間層の上端部を覆うように堆積させることが望ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例により限定解釈されるものではない。
(実験1)
ブラウンマークの比較検討を行う場合、実際にシリコンインゴットの引上げを行わなければならず、実験費用が嵩むため、ピット数で比較、検討することとした。
合成シリカ原料粉末層の内面に、天然石英ガラス原料粉末が付着すると、図7に示すように、内面にピットと呼ばれる凹部Pが生成される。この凹部Pがブラウンマークの生成の原因となる。また、ブラウンマークの生成状態を図8に示す。尚、図7中、符号Pがピットと呼ばれる凹部であり、図8中、符号BMがブラウンマークである。
このピットPの数とブラウンマークBMの数はピット数のほうが遥かに多いが、これは石英ガラスルツボ製作後(シリコンインゴット引上げ前)に行われる、ルツボのフッ化水素洗浄によって、ピットにおける汚染物質の大部分が除去され、一部のビットがブラウンマークの起点になるためである。
したがって、少なくとも、ピット数を比較、検討することにより、ブラウンマークの比較検討を行うことができるため、以下の実験ではピット数で比較、検討することとした。
実験1では、図2に示すように、内側部材12の上端部から天然石英ガラス粉末層上端部1cまでの合成シリカ原料粉末層の厚さtを種々変化させ、ピットの低減効果を確認した。即ち、厚さtが0の場合は,外層の天然石英ガラス粉末層の上端が露出している状態(合成シリカ原料粉末層で覆われていない状態)を意味し、厚さtを厚くするにつれ、上端部分が、合成シリカ原料粉末層で厚く覆われることを意味している。
また、ルツボの成形は、回転モールド法により、内層の厚さが3mm、外層の厚さが、13mmであり、外径815mm、高さ550mmの原料粉末積層体が得えられるようにした。その後、ルツボ成形体を、アーク溶融法により、アーク溶融約2400℃、0.5時間行い、石英ガラスルツボを製造した。
そして、フッ酸洗浄後、ルツボの内表面をマイクロスコープを用いて観察し、1mmあたりのピット数(pcs)をカウントした。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、合成シリカ原料粉末層の厚さが80mmを超えると、ピットの低減効果があることが確認された。
(実験2)
次に、内側部材12の上端部から天然石英ガラス粉末層上端部までの合成シリカ原料粉末層の厚さtを、80mm、また比較例として、0mm、40mmとし,実験1の条件と同様な条件で、32インチの石英ガラスルツボを製造した。
そして、それぞれの条件で5個(試料1〜5)の石英ガラスルツボを製造し、その石英ガラスルツボを用いて、CZ法によりシリコンインゴットの引上げを行った。この引上げ条件(使用条件)は、350kgの融液を溶解し、φ320mmのインゴットを1本引き上げることとした。
そして、ブラウンマークの密度を比較した。その結果を表2に示す。その結果、厚さtが80mmの場合は、厚さtが0mm、40mmの場合に比べて、ブラウンマークの密度が1/2〜1/3程度まで低減できることを確認できた。
1 原料粉末積層体
1a 合成シリカ原料粉末層
1b 天然石英ガラス原料粉末層
1c 天然石英ガラス粉末層の上端部
2 ルツボ形状体
2a 合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)
2b 天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)
t 天然石英ガラス粉末層上端部における合成シリカ原料粉末層の厚さ
P 凹部(ピット)
BM ブラウンマーク

Claims (4)

  1. 回転するルツボ成形用型内でアーク放電によって石英ガラス原料粉末を溶融し、ルツボを成型する石英ガラスルツボの製造方法において、
    前記ルツボ成形用型の内面に沿って天然石英ガラス原料粉末を堆積させ、天然石英ガラス粉末層を形成し、続いて前記天然石英ガラス粉末層の内面に沿って合成シリカ原料粉末を堆積させ、更に前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させ、合成シリカ原料粉末層を形成し、原料粉末積層体を形成する工程と、
    アーク放電によって、原料粉末積層体の内側に透明石英ガラス層が形成されると共に、原料粉末積層体の外側に不透明石英ガラス層が形成される、ルツボ形状体を形成する工程と、を含むことを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法。
  2. 前記ルツボ形状体を形成した後、前記ルツボ形状体の上端部における透明石英ガラス層と不透明石英ガラス層との2層部分を切断する切断工程、を含むことを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ製造方法。
  3. 前記原料粉末積層体を形成する工程において、天然石英ガラス粉末層の上端部に積層される合成シリカ原料粉末の厚さが、少なくとも80mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の石英ガラスルツボ製造方法。
  4. 前記天然石英ガラス粉末層と前記合成シリカ原料粉末層との間に、天然石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層が形成され、
    前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆う合成シリカ原料粉末は、前記中間層の上端部も覆うように堆積させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の石英ガラスルツボ製造方法。
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