JP2018203600A - 石英ガラスルツボの製造方法 - Google Patents
石英ガラスルツボの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018203600A JP2018203600A JP2017114126A JP2017114126A JP2018203600A JP 2018203600 A JP2018203600 A JP 2018203600A JP 2017114126 A JP2017114126 A JP 2017114126A JP 2017114126 A JP2017114126 A JP 2017114126A JP 2018203600 A JP2018203600 A JP 2018203600A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- quartz glass
- raw material
- material powder
- layer
- crucible
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Glass Melting And Manufacturing (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
Description
この石英ガラスガラスルツボは、その中に多結晶シリコンを充填し、シリコンの融点(約1400℃)以上の温度に加熱されると、通常、該ルツボ内表面に、褐色のリング状のクリストバライト、いわゆるブラウンリング(ブラウンモールドともいう。)が生成される。
このブラウンリングは、加熱により徐々に拡大し、該内表面の荒れや剥離が生じ、その結果、シリコン原料融液中に前記剥離片が混入し、シリコン単結晶に転位が発生し、シリコン単結晶の歩留まりの低下を招いていた。
この長時間化に伴い、特許文献1,2に示すようなルツボであっても、ルツボの内面にはより多くのクリストバライトが形成され、使用中に剥離することで、シリコンインゴットに転位が生じ易いという課題があった。そのため、リチャージ(引上げ)本数が増加していくにつれ、シリコンインゴットの転位が生じ易くなるため、シリコンインゴットの引き上げ本数が制限されている。
したがって、クリストバライトの形成を抑制し、より多くの本数を引き上げられる石英ガラスルツボを製造することは、使用者にとって、製造コスト、製造効率の面から大きなメリットがある。
その結果、ブラウンマーク特有の現象を知見し、その現象を抑制できる石英ガラスルツボの製造方法を想到するに至り、本発明を完成した。
したがって、本発明の製造方法にあっては、天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させているため、天然石英ガラス粉末の飛散が抑制される。
その結果、前記天然石英ガラス粉末に起因する凹部の発生が抑制され、ブラウンマークの発生が抑制される。
前記不透明石英ガラス層の上端部を覆っている透明石英ガラス層が残存すると、粘性低下による変形の虞れがあるため、好ましくない。
前記上端部における合成シリカ原料粉末の厚さが80mm未満である場合には、ルツボ形状体の内面に前記凹部が生成されることがあり、好ましくない。
このように、本発明にかかる石英ガラスルツボの製造方法は、天然石英ガラス粉末層と合成シリカ原料粉末層から製造される2層タイプの石英ガラスルツボに限定されるものではなく、天然石英ガラス粉末層と合成シリカ原料粉末層の間に、石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層が形成された、3層以上の石英ガラスルツボにも適用することができる。
まず、図4乃至図6に基づいて、本発明者が知見したブラウンマークの特有の現象について説明する。
その結果を図5、図6に示す。図5は、ブラウンマーク近傍のガラス面Bにおける各元素分析結果を示し、図6はブラウンマークBMにおける各元素分析を示し、図5及び図6の(a)はNa,(b)はMg,(c)はAl,(d)はK,(e)はCu,(f)はTiの分析結果を示している。図5及び図6の(a)〜(f)の縦軸はベーパライズした石英をICP−MSで含有元素をカウントし、例えばAlであれば、Alのカウント数をSiのカウント数で割ったものである。また、図5及び図6の(a)〜(f)の横軸は、測定時間を表している。
一方、図5及び図6の(c)(f)から分かるように、Al,Tiは、ブラウンマークの方がブラウンマーク近傍のガラス面よりも多く検出され、その傾向が異なっている。即ち、ブラウンマークでは、Al,Tiの元素を多く含むという特有の現象が知見された。
即ち、ブラウンマークの発生を抑制するには、天然石英ガラス粉末の飛散を抑制し、合成シリカ原料粉末層の内面への付着を抑制することが重要であり、このブラウンマークの低減を図ることができれば、クリスバライトの低減を図ることができる。
本発明に係わる石英ガラスルツボの製造方法は、例えば、図1に示すような石英ガラスルツボ製造装置10を用いて行われる。石英ガラスルツボ製造装置10のルツボ成形用型11は、例えば複数の貫通孔を穿設した金型、もしくは高純化処理した多孔質カーボン型などのガス透過性部材で構成されている内側部材12と、その外周に通気部13を設けて、内側部材12を保持する保持体14とから構成されている。
前記内側部材12に対向する上部にはアーク放電用のアーク電極19と、原料供給ノズル21と、窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、ルツボの所定部位に前記ガスを吹付けるノズル22とが設けられている。
この原料供給ノズル21は、回転されたルツボ成形用型11内に石英ガラス原料粉末を装填する際には、初めに例えば粗粒の天然石英ガラス原料粉末を装填し、その後、その内表面に例えば微粒の合成シリカ原料粉末を装填するように構成されている。尚、原料供給ノズルを二つ設けて、夫々別々に原料粉末を供給しても良い。
ツボ成形用型11の内側部材12に押圧され、一つの層(天然石英ガラス原料粉末層1b)が形成される。
そして、この天然石英ガラス原料粉末に続いて合成シリカ原料粉末がルツボ成形用型11内に供給される。この合成シリカ原料粉末は、遠心力によって天然石英ガラス原料粉末層1bに押圧され、一つの層(合成シリカ原料粉末層1a)が形成され、全体としてルツボ形状の2層の原料粉末積層体1が形成される。
即ち、天然石英ガラス原料粉末層1bが露出しないように、合成シリカ原料粉末層1aが天然石英ガラス粉末層1bの内面及び上端部1cを覆うように形成される。
合成シリカ原料粉末の前記厚さtが80mm未満である場合には、天然石英ガラス粉末が飛散し、石英ガラスルツボの内面にブラウンマークが発生する虞があり(石英ガラスルツボの内面に凹部(ピット)が生成される虞があり)、好ましくない。
このとき、高温に成り易い部位、例えば原料粉末積層体1の底部に窒素ガスあるいはヘリウムガスを噴射し、該部位における合成シリカガラス層の高温化を抑止し、ベーパライズによるアルミ及び金属系元素の濃縮を抑制しても良い。
前記不透明石英ガラス層の上端部を覆っている透明石英ガラス層が残存すると、粘性低下による変形の虞れがあるため、好ましくない。
その結果、石英ガラスルツボとして使用した際、クリスバライトの低減を図ることができる。
しかしながら、天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)2bと前記合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)2aとの間に、天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)あるいは合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)の中間層を形成した3層以上のタイプの石英ガラスルツボにも適用することができる。
ブラウンマークの比較検討を行う場合、実際にシリコンインゴットの引上げを行わなければならず、実験費用が嵩むため、ピット数で比較、検討することとした。
合成シリカ原料粉末層の内面に、天然石英ガラス原料粉末が付着すると、図7に示すように、内面にピットと呼ばれる凹部Pが生成される。この凹部Pがブラウンマークの生成の原因となる。また、ブラウンマークの生成状態を図8に示す。尚、図7中、符号Pがピットと呼ばれる凹部であり、図8中、符号BMがブラウンマークである。
したがって、少なくとも、ピット数を比較、検討することにより、ブラウンマークの比較検討を行うことができるため、以下の実験ではピット数で比較、検討することとした。
また、ルツボの成形は、回転モールド法により、内層の厚さが3mm、外層の厚さが、13mmであり、外径815mm、高さ550mmの原料粉末積層体が得えられるようにした。その後、ルツボ成形体を、アーク溶融法により、アーク溶融約2400℃、0.5時間行い、石英ガラスルツボを製造した。
次に、内側部材12の上端部から天然石英ガラス粉末層上端部までの合成シリカ原料粉末層の厚さtを、80mm、また比較例として、0mm、40mmとし,実験1の条件と同様な条件で、32インチの石英ガラスルツボを製造した。
そして、それぞれの条件で5個(試料1〜5)の石英ガラスルツボを製造し、その石英ガラスルツボを用いて、CZ法によりシリコンインゴットの引上げを行った。この引上げ条件(使用条件)は、350kgの融液を溶解し、φ320mmのインゴットを1本引き上げることとした。
1a 合成シリカ原料粉末層
1b 天然石英ガラス原料粉末層
1c 天然石英ガラス粉末層の上端部
2 ルツボ形状体
2a 合成シリカガラス層(透明石英ガラス層)
2b 天然石英ガラス層(不透明石英ガラス層)
t 天然石英ガラス粉末層上端部における合成シリカ原料粉末層の厚さ
P 凹部(ピット)
BM ブラウンマーク
Claims (4)
- 回転するルツボ成形用型内でアーク放電によって石英ガラス原料粉末を溶融し、ルツボを成型する石英ガラスルツボの製造方法において、
前記ルツボ成形用型の内面に沿って天然石英ガラス原料粉末を堆積させ、天然石英ガラス粉末層を形成し、続いて前記天然石英ガラス粉末層の内面に沿って合成シリカ原料粉末を堆積させ、更に前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆うように、合成シリカ原料粉末を堆積させ、合成シリカ原料粉末層を形成し、原料粉末積層体を形成する工程と、
アーク放電によって、原料粉末積層体の内側に透明石英ガラス層が形成されると共に、原料粉末積層体の外側に不透明石英ガラス層が形成される、ルツボ形状体を形成する工程と、を含むことを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法。 - 前記ルツボ形状体を形成した後、前記ルツボ形状体の上端部における透明石英ガラス層と不透明石英ガラス層との2層部分を切断する切断工程、を含むことを特徴とする請求項1記載の石英ガラスルツボ製造方法。
- 前記原料粉末積層体を形成する工程において、天然石英ガラス粉末層の上端部に積層される合成シリカ原料粉末の厚さが、少なくとも80mmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の石英ガラスルツボ製造方法。
- 前記天然石英ガラス粉末層と前記合成シリカ原料粉末層との間に、天然石英ガラス原料粉末層あるいは合成シリカ原料粉末層からなる中間層が形成され、
前記天然石英ガラス粉末層の上端部を覆う合成シリカ原料粉末は、前記中間層の上端部も覆うように堆積させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の石英ガラスルツボ製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017114126A JP6795461B2 (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | 石英ガラスルツボの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017114126A JP6795461B2 (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | 石英ガラスルツボの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018203600A true JP2018203600A (ja) | 2018-12-27 |
JP6795461B2 JP6795461B2 (ja) | 2020-12-02 |
Family
ID=64956310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017114126A Active JP6795461B2 (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | 石英ガラスルツボの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6795461B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110541192A (zh) * | 2019-10-10 | 2019-12-06 | 晶科能源有限公司 | 一种石英坩埚及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010275151A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Covalent Materials Corp | シリカガラスルツボ |
JP2010280567A (ja) * | 2010-09-17 | 2010-12-16 | Covalent Materials Corp | シリカガラスルツボの製造方法 |
JP2014065621A (ja) * | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Covalent Materials Corp | シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボの製造方法およびその製造装置 |
-
2017
- 2017-06-09 JP JP2017114126A patent/JP6795461B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010275151A (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-09 | Covalent Materials Corp | シリカガラスルツボ |
JP2010280567A (ja) * | 2010-09-17 | 2010-12-16 | Covalent Materials Corp | シリカガラスルツボの製造方法 |
JP2014065621A (ja) * | 2012-09-25 | 2014-04-17 | Covalent Materials Corp | シリコン単結晶引上げ用シリカガラスルツボの製造方法およびその製造装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110541192A (zh) * | 2019-10-10 | 2019-12-06 | 晶科能源有限公司 | 一种石英坩埚及其制备方法 |
CN110541192B (zh) * | 2019-10-10 | 2023-10-27 | 晶科能源股份有限公司 | 一种石英坩埚制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6795461B2 (ja) | 2020-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI275669B (en) | Quartz glass crucible for pulling up silicon single crystal and method for manufacture thereof | |
KR101104674B1 (ko) | 대경의 실리콘 단결정 잉곳 중의 핀홀 결함의 저감을 가능하게 하는 대경 실리콘 단결정 잉곳 인상용 고순도 석영 유리 도가니 | |
JP4918473B2 (ja) | 高強度を有する大径シリコン単結晶インゴット引上げ用高純度石英ガラスルツボ | |
JP5462423B1 (ja) | 単結晶シリコン引き上げ用シリカ容器及びその製造方法 | |
WO2011074568A1 (ja) | シリカガラスルツボおよびその製造方法 | |
JP4702898B2 (ja) | シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法 | |
KR101165703B1 (ko) | 실리콘 단결정 인상용 석영 유리 도가니 및 그 제조 방법 | |
JP5482643B2 (ja) | 炭化珪素単結晶インゴットの製造装置 | |
US8951346B2 (en) | Silica glass crucible for pulling up silicon single crystal and method for manufacturing thereof | |
JP4803784B2 (ja) | シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボの製造方法 | |
JP4678667B2 (ja) | シリコン単結晶引上げ用石英ガラスルツボ及びその製造方法 | |
JP4161296B2 (ja) | 石英ガラスルツボの製造方法 | |
TWI412633B (zh) | Single - crystal silicon - pulling quartz glass crucible and its manufacturing method | |
JP2018203600A (ja) | 石英ガラスルツボの製造方法 | |
JP2010280567A (ja) | シリカガラスルツボの製造方法 | |
KR20100042506A (ko) | 정제 기능을 가지는 실리콘 잉곳 제조장치 | |
JP6324837B2 (ja) | 単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼの製造方法 | |
JP2018043897A (ja) | 石英ガラスルツボ及びその製造方法 | |
JP5685894B2 (ja) | 石英ガラスルツボ及びその製造方法、並びにシリコン単結晶の製造方法 | |
JP4140868B2 (ja) | シリコン単結晶引き上げ用石英ガラスるつぼ及び その製造方法 | |
JP2020097512A (ja) | シリカガラスルツボ | |
JP2000072594A5 (ja) | ||
JP2018043902A (ja) | 石英ガラスルツボの気泡消滅方法及び石英ガラスルツボ | |
CN117295851A (zh) | 石英玻璃坩埚及其制造方法以及单晶硅的制造方法 | |
JP2012017244A (ja) | 石英ガラスルツボの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191224 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201021 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201029 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201112 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6795461 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |