JP2018202800A - 記録物の製造方法、記録物の製造装置 - Google Patents

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Takahiro Tsutsui
喬紘 筒井
裕輔 澄川
Yusuke Sumikawa
裕輔 澄川
雄也 小幡
Yuya Obata
雄也 小幡
平林 弘光
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
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Abstract

【課題】転写材と画像支持体とを熱と圧力によって接着させて記録物を製造する際に、記録物内に気泡が発生するのを抑制する。
【解決手段】本発明に係る記録物の製造方法は、転写材1Aのインク受容層53が形成された側にインクを付与して画像を記録する記録工程と、転写材1Aをインク受容層53が形成されていない側から加熱する予備加熱工程を含む。さらに、予備加熱工程の後に転写材1Aと画像支持体55が接触した状態で熱と圧力を加えて転写材1Aを画像支持体55に接着する接着工程を含む。
【選択図】図15

Description

本発明は、基材上に空隙型インク受容層を備えた転写材を用いた記録物の製造方法、並びに記録物の製造装置に関する。
対象物に対してインクジェット方式で画像を形成する方法として、例えば転写材の受容層にインクジェット方式で画像を印画し、この転写材と被転写材とを重ね合わせて加熱することで、被転写体に対して受容層を転写する技術が開示されている(特許文献1)。
特表2006−517871号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、転写材を被転写材に転写する際に加えられる熱により、インク受容層などに含まれる空気が熱膨張し、転写材と被転写材とが適正に接着されないという課題がある。
すなわち、転写材と被転写材との間に含まれる空気が、加熱圧着によって熱膨張することによって圧力が発生し、この圧力が転写材の被転写材(画像支持体ともいう)に対する接着力を上回ることで、転写材が局所的に画像支持体から剥離するという接着不良が発生する。この場合、気泡によって変形した転写材は、略永久的に変形してしまい、温度が低下して空気が縮小しても気泡の跡が残るため、適正な接着状態が得られないという課題があった。
本発明は、転写材と画像支持体とを熱と圧力によって接着させる場合に、記録物内に気泡が発生するのを抑制することが可能な記録物の製造方法、および記録物の製造装置の提供を目的とする。
本発明の第1の形態は、転写材に記録した画像を画像支持体に転写して記録物を製造する記録物の製造方法であって、前記転写材のインク受容層が形成された側にインクを付与して画像を記録する記録工程と、前記転写材を前記インク受容層が形成されていない側から加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程の後に前記転写材と前記画像支持体が接触した状態で熱と圧力を加えて前記転写材を前記画像支持体に接着する接着工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の第2の形態は、転写材のインク受容層が形成された側にインクを付与して画像を記録する記録手段と、前記転写材を前記インク受容層の設けられていない側から予備的に加熱する予備加熱手段と、前記予備加熱手段によって加熱された前記転写材を画像支持体に接触させ、熱と圧力とを加えて前記転写材と前記画像支持体とを接着する接着手段と、を有することを特徴とする記録物の製造装置である。
本発明によれば、転写材と画像支持体とを熱と圧力によって接着させる場合に、記録物内に気泡が発生するのを抑制することが可能になる。
本実施形態における転写材および記録物の一例を示す断面図である。 本実施形態における転写材および記録物の他の例を示す断面図である。 記録物を製造した際にブリスターが発生する状況を示す図である。 記録物の製造方法の第1例を模式的に示す図である。 記録物の製造方法の第2例を模式的に示す図である。 記録物の製造方法の第3例を模式的に示す図である。 転写材に対してインクを付与した状態と予備加熱した状態を示す断面図である。 記録物における転写材、画像支持体および記録物を示す断面図である。 ヒートローラに転写材が巻き付けられた状態を示す図である。 ヒートローラと加圧ローラとで転写材が加熱圧着された状態を示す図である。 加熱圧着された転写材から基材が剥離された状態を示す図である。 転写材の温度上昇曲線の例を示す図である。 ヒートローラ22の加熱温度と転写速度との関係を示す図である。 ヒートローラの加熱領域および温度分布を示す図である。 第1の記録物の製造装置の全体構成を模式的に示す側面図である。 第1の記録物製造装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 第1の製造装置の制御動作を示すフローチャートである。 第2の記録物の製造装置の全体構成を模式的に示す側面図である。 第3の記録物の製造装置の全体構成を模式的に示す側面図である。 第4の記録物の製造装置の全体構成を模式的に示す側面図である。 第5の記録物の製造装置の全体構成を模式的に示す側面図である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明は下記の実施形態に限定されず、その発明特定事項を有する全ての対象を含むものである。なお、同一構造の部材については図面において同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
[記録物の製造方法]
まず、記録物の製造方法を説明する。
図1および図2は、本実施形態における記録物を製造する際に用いる転写材から記録物が製造されるまでの各段階における断面図を示している。
図1(a)は、基本的な転写材(第1の転写材)1の断面構造を示している。ここに示す転写材1は、基材50の裏面(図1中、上面)に、インク受容層53が積層されている。インク受容層は、後述の製造工程において、インクジェット記録装置の記録ヘッドから吐出されたインクを浸透させて保持する層である。このインク受容層53にインクを付与して画像を形成した後、図1(b)に示すように、所定の画像支持体55の表面(図1中、下面)に、インク受容層53の裏面(図中、上面)に接合させる。この後、基材50をインク受容層50から剥離する。これにより、基本的な記録物10が形成される。
また、図2(a)は、他の転写材(第2の転写材)1Aの断面構造を示している。この転写材1Aは、基材50の裏面(図2中、上面)に、透明保護層52が積層され、さらに透明保護層52の裏面(図2中、上面)に、インク受容層53が積層された層構造を有する。図2(b)は、同図(a)に示した転写材1Aのインク受容層50の裏面(図中、上面)にインクを付与して画像を形成した後、インク受容層50の裏面を画像支持体の表面(図2中、下面)に接合した状態を示している。このようにして画像支持体55に転写材1Aを転写した後、転写材1Aから基材50を剥離させることによって、図2(c)に示す記録物(第2の記録物)10Aが形成される。この記録物10Aでは、インク受容層53に形成された画像が透明支持体52によって覆われるため、優れた耐候性が得られる。
図1(b)および図2(b)に示すように、転写材1、1Aの画像支持体55への転写は、転写材1と画像支持に重ね合わせ、両者を互いに圧接させながら加熱する、加熱圧着処理によって行う。この際、インク受容層に含まれる空気が膨張し、転写材1、1Aと、画像支持体との間に気泡が発生し、ブリスターが発生することがある。図3に、図2に示す転写材1Aを用いて記録物を製造した際にブリスターが発生する状況を示す。図3(a)は、図2(a)に示す転写材1のインク受容層1Aにインクが付与されて画像が形成された状態を示している。ここに示すインク受容層1Aは、水溶性樹脂からなるバインダーに無機微粒子65を含有させて微細な空隙構造を形成した空隙吸収型のインク受容層が用いられている。このインク受容層53に付与されたインクは、無機微粒子65によって形成されている空隙内に浸透する。
図7(b)は、インクによって画像が形成されたインク受容層53を所定の画像支持体55に重ね、回転可能なヒートローラ22によって基材50側から熱を加えながら加圧した状態を示している。ヒートローラ22からの熱により、インク受容層53のバインダーである水溶性樹脂が溶解し、画像支持体55に、画像が形成されたインク受容層53が接着する。このとき、インク受容層内に存在する空気がヒートローラ22からの熱によって急激に膨張する。加熱膨張する空気801の体積は、ボイル・シャルルの法則により、気体の体積は温度に比例し、温度上昇が急激であるほど気体の体積は急激に増大する。加熱膨張した空気は、インク受容層と透明保護層の間でトラップされて、透明保護層50を押し上げ、冷却によっても戻り切れない程度にまで透明保護層50を変形させる。その結果、図3(c)に示すような変形部分(ブリスター)803が発生する。ブリスター803が発生した記録物は、視認性が損なわれると共に、透明保護層50とインク受容層53との密着力が低下し、記録物10Aの品質が大幅に低下する。
なお、図3では、インク受容層53と基材50との間に機能層として透明樹脂層52が存在し、最終的に基材50を全て剥離する例を示した。しかし、基材50の一部または全部を残すことによって記録物を構成することもある。これは基材50が透明材料によって構成される場合、あるいは基材55が透明材料で形成され、透明材料側から画像を視認可能とする記録物を製造する場合、あるいは画像支持体側から画像を視認するような記録物を製造する場合などである。前者の場合には、記録物として残された基材50の全部または一部に生じた変形部分と、インク受容層と透明樹脂層との間に形成された空間とによって画像の視認性が損なわれ、かつ基材とインク受容層との密着性が低下する。従って、この場合にも記録物としての品質低下が生じる。また、後者の場合にも、透明樹脂層とインク受容層との間の空間によって画像の視認性が損なわれるため、記録物としての品質は低下する。
また、透明樹脂層を含まない転写材1(図1参照)を用いて記録物を製造する場合にも、加熱圧着工程によって熱膨張した空気によりブリスターが発生することがある。すなわち、記録物として残された基材とインク受容層との間あるいは、インク受容層と画像支持体との間に存在する気泡の熱膨張によってブリスターが発生し、記録物としての品質を低下させることがある。
さらにまた、転写材に用いるインク受容層としては、上記のような空隙型のインク受容層の他に、水溶性高分子の網目構造中に色材(例えばインク等)を受容する膨潤吸収型のインク受容層も用いられている。この膨潤吸収型のインク受容層では、空隙型インク受容層ほどではないが、ブリスターが発生することがある。すなわち、ヒートローラによって加熱、圧着させる際に、インク受容層と接している基材、あるいは透明支持体などの間に存在する気泡が急激に膨張してブリスターを発生させることもある。
このような現象を除去するため、本発明者らは前記課題について鋭意検討を行った。その結果、本発明では、転写時にインク受容層を基材の外面(インク受容層との接合面と反対側の面)から予備的に加熱(予備加熱)を行う。そして、予備加熱により上昇したインク受容層の表面(転写材との接合面と反対側の面)の温度が冷却されない状態で、そのインク受容層の表面を画像支持体に転写することで上述した課題が解決できることを見出した。
図4は、本実施形態において実施する記録物の製造方法の第1例を模式的に示す図である。この第1例では、図1に示すように、基材50の上にインク受容層52を積層した転写材1を用いて記録物10の製造を行う。工程1では、転写材1のインク受容層52に、インクジェット記録装置の記録ヘッド607により顔料インクを付与して反転画像72を記録する。次に、工程2では、基材50の外面((インク受容層53と接触していない面(図4中、下面))から予備加熱装置955で予備加熱を行う。さらに工程3では、転写材1のインク受容層53における表面(反転画像が形成されている面(図4中、上面))を画像支持体55に重ね、ヒートローラ22等を用いて基材50の外面から転写材1に対して加圧、加熱を行う。これにより、インク受容層53を構成する水溶性樹脂(バインダー)が溶解して画像支持体55に接着し、転写材1は画像支持体55に転写される。
この後、工程4では、剥離ローラ88を用いて、画像支持体55に転写された転写材1(基材50およびインク受容層53)から、基材50を剥離させる。その結果、画像支持体55には、反転画像72が形成されたインク受容層53のみが残された状態となり、インク受容層53の内面(反転画像72が形成されている表面とは反対側の面(図4中、上面))53bが外部に露出することとなる。この内面は空隙が外部に露出した記録可能な面となる。従って、工程5に示すように、画像支持体55に転写されたインク受容層53の内面53bに、インクジェット記録装置の記録ヘッド607によって画像を形成することもできる。
また、図5は本実施形態において実施する記録物の製造方法の第2例を示す図である。この第2例では、図2に示すように、基材50とインク受容層53との間に透明樹脂層52を備えた転写材1Aを用いて記録物10Aの製造を行う。第1例と同様に、工程1ではインク受容層53の表面53aに対して反転画像72の記録を行い、工程2では基材50の外面から予備加熱を行う。この後、インク受容層53の表面(図5中、上面)を画像支持体55に接触させて重ね、ヒートローラ22で基材50に対する加圧、加熱を行い、転写材1Aを画像支持体55に転写する。さらに、工程4で剥離ローラ88により透明樹脂層52から基材50の全てを剥離させる。これにより、画像支持体55には、反転画像72が記録されたインク受容層53と透明樹脂層52とが画像支持体55に残る。以上により記録物10Aが完成する。この記録物10Aでは、インク受容層53が透明樹脂層52によって覆われるため、画像の耐候性を高めることができる。
上述した第1例、第2例では、転写材1または1Aから基材50の一部または全てを剥離する工程(工程5)を設けた例を示した。しかし、図6に示す第3例のように、基材1を全く剥離させない状態のもの、すなわち転写材1を画像支持体50に転写した状態のものを完成した記録物10Bとすることも可能である。この場合、画像支持体55または転写材50が透明材であれば、画像支持体55側からまたは転写材50側から画像を視認することが可能になる。
以上のように、本実施形態では、転写材1または1Aを画像支持体55に転写する前の段階で、基材50の外面から予備加熱を行う。転写材1Aを使用する場合には、基材50を通して透明保護層52およびインク受容層53の内部にまで熱が伝達され、インク受容層53の水溶性樹脂成分をガラス転移温度(Tg)を超える温度まで効率よく上昇させることができる。透明保護層52の構成材料は基材50から剥離しやすく構成されているため、容易に剥離することができる。また、基材50の外面からの予備加熱はインク受容層53の画像に接触することなく加熱できるため、画像品質が損なわれることもない。
また、基材50の外面からの予備加熱は、インク中の溶媒成分をインク受容層の内部まで浸透させることができ、インク中の水分蒸発も促進できる。図7(a)は、転写材1に対してインクを付与した状態を示している。また、図7(b)は基材50の外面から予備加熱を行った場合を、図7(c)は、インクが付与されたインク受容層53の表面(インクが付与された面)53a側から予備加熱を行った場合を、それぞれ示している。図7(c)に示すように、インク受容層53の表面53a側から予備加熱を行った場合には、インク中の水や溶媒成分68はインク受容層53の表面53aで急速に乾燥する。この水や溶媒成分68の乾燥によりインクの粘度が急激に上昇し、溶媒成分のうち、不揮発性溶媒68はインク受容層53の内部にまで浸透せずに表面にとどまってしまう場合もある。また、加熱圧着時の急激な温度上昇によって、付与されたインクの水分が蒸発し、逃げ場のない水蒸気は気泡805となり、気泡部分で転写不良を発生させる可能性もある。
これに対して、図7(b)に示すように、基材50の外面から予備加熱を行った場合には、インク受容層53の温度が上昇することでインクの粘度がインク受容層53の表面(外面)53aで低下する。その結果、インクの不揮発性溶媒68の吸収速度が促進されてインクの溶媒成分はインク受容層53の内部に浸透するようになり、インク受容層53の表面53aに残留する水分などの揮発性溶媒成分を低減することができる。これにより、画像支持体55に対してインク受容層53を加熱圧着した際に、インク受容層53の表面53aに残留するインクの揮発性溶媒成分の急激な蒸発によって発生する密着性不足やインク受容層53における部分的な気泡残り(ブリスター)なども防止できる。
さらに、基材50の外面からの予備加熱によって、インク受容層53は内面53b側から加熱される。この加熱よって、インク受容層53の空隙内の残存空気は膨張し、外部へ排出され、空隙内の残存空気量(一定温度における空気の体積(残存空気の質量))は減少する。インク受容層53の空隙内の残存空気および揮発性溶媒成分を減少させた状態で、インク受容層53と画像支持体55との加熱圧着を行うことにより、インク受容層53と透明樹脂層52との間にブリスターが発生するのを抑制することができる。
図8は、予備加熱された転写材1Aを画像支持体55に加熱圧着して記録物10Aを形成したときの、転写材1、画像支持体55、および記録物10Aの断面を示す図である。図8(a)に示すように予備加熱で基材50の外面から空隙型インク受容層53を加熱することによって、予めインク受容層53内の空隙に存在する空気800を加熱膨張させて、空隙に内に残存する空気量を減少させる。また、これと同時に、インクに含まれる水分などの揮発性溶媒成分も予備加熱によって蒸発し、熱を行う前に比べて減少する。この後、予備加熱によってインク受容層53の温度を上昇させるとともに、予備加熱によって上昇した転写材1Aのインク受容層53の温度が低下しない状態で、ヒートローラ22による画像支持体55への転写(加熱圧着)を行う。つまり、予備加熱によって、インク受容層53の温度を加熱圧着時の温度よりも高める。これにより、インク受容層53内に残存する空気量が減少した状態のまま、転写材1を画像支持体55転写させることができ、上述した気泡残り(ブリスター)を抑制することができる。なお、予備加熱により上昇したインク受容層53の温度が、加熱圧着前に低下して加熱圧着時に再度上昇した場合には空隙内の空気量は加熱圧着前に再度増加してしまうため、加熱圧着時にはインク受容層53の空隙内の空気が急激に体積膨張しブリスターが発生する。従って、本実施形態では、予備加熱後の温度を保つことで気泡残りの発生を効果的に防止することができる。
また、本実施形態においては、図9および図10に示すように、転写材53をヒートローラ22に巻付けることにより、1つのヒートローラ22を用いて転写材1の予備加熱と、画像支持体55への加熱圧着とを行うように構成している。このような構成を採ることにより、インク受容層53を予備加熱する工程と、転写材1を画像支持体55に加熱圧着する工程とを、1つのヒートローラ22の周面上で略連続的に行うことができる。図9のC〜Dの領域(角度θの領域)は、予備加熱工程を行う領域を指し、図10の952に示す領域は、転写材1を画像支持体55に加熱圧着する領域を示している。このように、予備加熱工程と加熱圧着工程とを略連続的に行うことにより、予備加熱されてから加熱圧着されるまでの間に転写材1のインク受容層53の表面温度が低下することはなくなる。すなわち、予備加熱で上昇させた温度を維持しつつ転写材1を画像支持体55に加熱圧着することが可能になる。このため、インク受容層53の空隙に存在する空気を膨張させることなく加熱圧着を行うことが可能になる。従って、本実施形態によれば、ブリスターの発生をより確実に抑制することができる。
転写材をヒートローラ22に巻付ける構成の場合、図9に示すように、転写材1をヒートローラ22に供給する方向と転写材1を巻取る方向とが所定の角度θをなすように構成し、転写材1はヒートローラ22に巻き付けながら搬送する。このとき、ヒートローラに巻き付く領域Lはヒートローラ22の半径rと巻付け角θとに基づき下式で決定することができる。
L=rθ (式1)
ヒートローラ22は、誘導加熱を行うためのIHコイルと鉄製のローラを備えたものであり、誘導加熱によって局所的な加熱を瞬時に行うことができる。ヒートローラ22の加熱箇所はIHコイルの大きさや形状によって決まり、本実施形態では、加熱圧着領域W(952)+予備加熱領域rθ(951)の範囲を加熱するものとなっている。ヒートローラ22の表面を加熱すると、このヒートローラ22に巻き付けられた転写材1は、加熱圧着前までに、時間t=rθ/v(vはシートの搬送速度)だけ予備加熱される。つまり、加熱圧着直前の転写材の温度は、巻き付け角度θに応じて高まる。そこで、本実施形態においては、加熱圧着直前までに転写材の表面温度が目標温度となるように、巻付け角θを適宜設定している。これによって空隙に残存する空気量を効果的に加熱膨張させることができる。
図13は、ヒートローラ22の加熱温度と転写速度との関係を示す。ここで、図13に示す曲線L1は、上記のように転写材1Aをヒートローラ22に巻付けて加熱処理を行った場合を示し、曲線L2は転写材1Aをヒートローラ22に巻き付けずに加熱処理を行った場合を示している。図13に示すように、転写材1Aをヒートローラ22に巻き付ける加熱方式では、転写材1Aをヒートローラ22に巻き付けない加熱方式に比べ、ヒートローラ22をより高速に回転させながら転写材1Aの温度を高めることができる。すなわち、転写材1Aの温度をより高速に高めることが可能になる。このため、転写材1Aをヒートローラ22に巻き付ける加熱方式を採ることにより、転写材1Aの搬送速度を、転写時と記録時とで同速度にすることが可能になる。従って、搬送中にインクジェット印刷速度と転写部の速度差を緩和するたるみ部を搬送機構中に設ける必要もなくなる。また、転写材1Aの搬送速度制御を単純化することが可能になると共に、加熱処理に要する装置構成を小型化することも可能になる。
本実施形態では、予備加熱を行う構成のさらに好ましい形態として、ヒートローラ22の上部に、熱を反射させる反射リフレクター16および950を設けている。この反射リフレクター16および950を設けることにより、領域951で予備加熱された転写材1の温度が熱の放射によって低下するのを抑制することが可能になる。これによれば、予備加熱によって上昇させた温度の低下を維持することが可能になる。
以上のように、ヒートローラ22に対して転写材1を巻付けて予備加熱を行うことにより、加熱圧着を行う直前まで予備加熱された転写材1の温度を維持することが可能になるため、その後の加熱圧着を効率的に行うことが可能になる。加熱圧着工程では、透明保護層52の構成材料およびインク受容層の水溶性樹脂を、それぞれガラス転移温度以上まで上昇させる必要がある。しかし、予備加熱にてガラス転移温度以上に上昇させた温度を加熱圧着工程まで維持しているので、加熱圧着工程における時間も短縮でき、高速に転写を行うことが可能になる。加熱圧着時における転写材の表面温度を検出するための方法としては、赤外線センサなどによって非接触で検出することが可能である。但し、センサなどを用いずに、転写材の各層の表面温度を、各種パラメータに基づいて推定することも可能である。例えば、基材、透明保護層、インク受容層の熱伝導率、熱容量、厚み、物質間の熱伝達率、熱源であるヒートローラ22と転写材1とが接する伝熱断面積、および加熱時間などのパラメータに基づき、転写材1の各層の温度を演算し、推定することも可能である。
ここで、本実施形態に使用する転写材1の構成をより具体的に説明する。
(基材)
基材50は、第1のインクジェット記録画像を形成する画像記録時において、インクジェット転写材1のカールを抑制し、搬送性を良好にする搬送層としての機能を有する。また、基材1に良好な搬送性を得るため、公知の搬送補助層などを裏面側に設けて滑り性の改善することも有効である。また、基材1は、透明材料、不透明材料、あるいは有色材料などを、画像を視認する方向および用途に応じて適宜選択することが可能である。基材を構成する樹脂は、転写材の用途に応じて適宜選択すればよく、特に制限されないが、機械的特性および熱的特性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材が好ましい。さらに、基材50は、画像の記録面の耐候性、耐摩擦性、および耐薬品性などの耐久性を向上させるために、透明保護層を含んでいても良い。透明保護層の種類は特に限定されない。透明保護層としては、耐候性、耐摩擦性、および耐薬品性などの耐久性に優れ、インク受容層との相溶性が高い材質からなるシートおよびフィルムが好ましい。
(剥離層)
透明シートおよびインク受容層を画像支持体側に転写させる際に、層間に剥離層を設けることで安定した層間剥離を行うようにすることも可能である。また、本実施形態の転写材1において、基材層50、透明保護層52、インク受容層53の間に剥離層を適宜設けてもよい。剥離層に用いる離型剤の種類は特に限定されない。好ましくは、離型性に優れ、ヒートローラの熱が発生する熱によって容易に溶融しない材料を用いる。このような離型剤の材料としては、例えば、シリコーンワックスなどのワックス類に代表されるシリコーンワックス、シリコーン樹脂などのシリコーン系材料、フッ素樹脂などのフッ素系材料、ポリエチレン樹脂等、が挙げられる。離型層の厚さとしては、乾燥状態において0.1μm以上10μm以下、より好ましく0.1μm以上、好ましくは1μm以下とする。
(インク受容層)
インク受容層は、例えば、インクジェット記録方式などによって付与されるインクを受容する層としての機能を有する。インク受容層の形態としては、水溶性高分子の網目構造中に色材(例えばインク等)を受容する膨潤吸収型と、無機微粒子により形成される空隙中に色材を受容する空隙吸収型とが存在する。本実施形態においては空隙型の受容層が好ましく用いられる。インク受容層として膨潤吸収型を用いた場合には、膨潤吸収型のインク受容層53がインクを吸収することにより、その部分のインク受容層53が膨らむおそれがある。このような場合には、表面に凹凸が生じて、接着性が低下する場合がある。以上から、膨潤吸収型のインク受容層は限られた条件の下での使用に限定されるため、このような観点から、空隙吸収型のインク受容層を用いることが好ましい。なお、膨潤吸収型のインク受容層を用いた転写材にあっても、前述の予備加熱を行うことにより、加熱圧着工程に先立ってインクの溶剤成分を蒸発させることが可能になるため、インクを吸収することによって生じた凹凸を低減させることが可能になる。従って、インク受容層を用いた転写材1にも予備加熱を行うことによって、インク受容層と画像支持体55との間に生じるブリスターを低減することが可能になる。
空隙吸収型のインク受容層としては、水溶性樹脂に少なくとも無機微粒子を含有させることによって空隙を形成し、その空隙の中に色材を受容するように構成したものが特に好ましい。このようなインク受容層によれば、内部に微細な空隙構造を構成することが可能になるため、優れたインク吸収性を持たせることができ、高速のインクジェット記録にも適用可能となる。
空隙吸収型のインク受容層53を備えた転写材では、図7(b)に示すように、基材50の外面からヒートローラ22などで予備加熱を行うと、インク受容層53の温度が上昇してインクの粘度が下がる。その結果、インク中の溶剤68はインク受容層53の内部まで浸透し、転写材のインクの吸収速度はさらに促進されることとなる。従って、インク受容層の表面に残存する溶剤量が少なくなり、加熱圧着時のブリスターの発生は低減される。また、画像の形成においても、空隙吸収型のインク受容層53は、ドット径が変化しにくいため、良好な画像品質が得られる。なお、図7(c)に示すようにインク受容層53の表面53aから予備加熱を行った場合には、インクの溶剤成分が多量に蒸発してインクの粘度が高まるため、図7(b)に示すように基材50の外面から予備加熱を行った場合に比べて、インクの吸収速度は低下する。
さらに、空隙型のインク受容層の空隙内に存在する空気を予備加熱によって膨張させて空隙外に排出させれば、加熱圧着時の急激な温度上昇が生じたとしても、転写材1と画像支持体55との間に気泡が残留する現象(ブリスター)を低減させることができる。また、インク受容層53に無機微粒子を含有させることで、画像支持体55に転写された転写材1から基材50を剥離させる際に、無機微粒子の隙間にクラックが入り易くなる。このため、スムーズに基材50を剥離させることが可能になり、インク受容層53から基材1を剥離させる際に生じるバリを低減させることができる。以上のように、空隙吸収型のインク受容層を用いた転写材1にあっては、予備加熱を行うことで、画像品質を損なうことなく、高速で画像記録を行うことが可能になり、記録物の製造に好ましく用いることができる。
(無機微粒子)
無機微粒子は、無機材料からなる微粒子であり、インク受容層に色材を受容する空隙を形成する機能を有する。
(水溶性樹脂)
水溶性樹脂は、25℃において、水と十分に混和する樹脂、あるいは水に対する溶解度が1(g/100g)以上の樹脂である。また、空隙吸収型のインク受容層53を構成する場合、水溶性樹脂は、無機微粒子を結着するバインダーとして機能する。また、転写材1と画像支持体55との接着の際には、水溶性樹脂が接着時にガラス転移温度以上に溶解することにより画像支持体55と接着する。
本実施形態において水溶性樹脂として好ましく使用されるポリビニルアルコールのTg温度は、90℃程度であるため、接着性を発現させるためには、加熱圧着工程で90℃以上にする必要がある。さらに、ブリスターの発生を抑制するために、予備加熱時のインク受容層の表面温度Tpを、加熱圧着工程での加熱温度以上とする。
上述の温度範囲にすることで、インク受容層53の内部に残存する空気の量は最適量に制御され、加熱圧着後のブリスターは抑制される。このため、良好な転写性を得ることができる。一方、予備加熱温度が50℃以下の場合には、予備加熱が不十分になるため、加熱圧着時の温度変化が大きくなる可能性がある。すなわち、加熱圧着時の急激な温度上昇により空隙内に残存する空気の膨張量(体積変化)が大きくなり、ブリスターが発生するおそれがある。また、画像形成後のインクの乾燥が困難になったり、インクの粘度が高くなったりすることにより、インクがインク受容層53の表面に残留し、転写時の加熱により残留したインクの急激な蒸発によりブリスターが発生することから好ましくない。
本発明者らの検討によれば、前述のようにヒートローラ22に転写材1Aを巻き付けて予備過熱を実施した場合の熱の伝達効率は2%〜5%程度である。このため、予備加熱でインク受容層53の表面53aの温度をできる限り高める(特に水溶性樹脂のTg以上に予備加熱する)には長い予備加熱の時間が必要となる。転写においては、予備加熱時の温度と加熱圧着時の温度差を小さくすることが有効である。特に90℃以上にインク受容層53の表面53aを加熱した場合には、水溶性樹脂として使用するポリビニルアルコールがそのガラス転移温度(Tg)以上となるため、インク受容層の水溶性樹脂を画像支持体55に転写可能な温度以上にできる。但し、熱により基材1やインク受容層53が黄変するのを防ぐ上では、予備加熱における転写材の表面温度は130℃以下に制御することが好ましい。
水溶性樹脂の量は、無機微粒子の100質量部に対して、3.3〜20質量部とすることが好ましい。水溶性樹脂の量をこの範囲にすることで、空隙が圧力や熱によっても崩れることがない適度な強度を有する空隙型のインク受容層53を形成することができる。またインクの吸収性を良好にし、水溶性樹脂によって結着された無機微粒子間の空隙をインク受容層53内の全域にほぼ均一に配置することによって、インクをほぼ等方的に浸透させることができる。
<インク受容層の空隙容量>
本発明者らの検討によれば、無機微粒子および水溶性樹脂によって構成される空隙吸収型のインク受容層53の空隙容量は0.1cm3/g〜約3.0cm3/g程度であった。本実施形態において予備加熱を行うと、空隙に残存する空気が予備加熱によって膨張して空隙から外に排出され、空隙に残存する空気量(空気の質量)は減少する。細孔容積が0.1cm3/g未満の場合には、十分なインク吸収性能が得られず、インクが溢れて、インク受容層に未吸収のインクが残存するおそれがある。また、細孔容積が3.0cm3/gを超える場合には、インク受容層の強度が弱くなり、インク受容層内にクラックや粉落ちが生じ易くなる。要は、着弾したインクがインク受容層の表面に接触した後、インク受容層53内に毛細管力によって引きずり込むように吸収し、かつ吸収したインクをインク受容層53の内部に保持し得るだけの空隙容量があればよい。空隙容量は、加熱圧着による転写によっても、転写前の状態がほぼ維持されればよい。
(記録方法)
次に、転写材に画像を記録する記録方法について説明する。
転写材1は、前述したように、基材50上に空隙吸収型のインク受容層53を積層した構成を有する。また、転写材1Aは基材50の上に透明保護層52を介してインク受容層53を積層した構成を有する。このような転写材1および1Aのインク受容層53の表面(記録面)53aに対して、インクジェット記録方式により画像を記録する。
インクジェット記録方式は、記録ヘッドに形成された複数のノズルから、転写材1のインクジェット記録面に対して滴状のインク(インク滴)を吐出して画像を記録する方式である。インクジェット記録方式の種類は特に限定されず、電気熱変換素子(ヒータ)を用いたサーマルインクジェット方式や、電気機械変換素子(ピエゾ)を用いたインクジェット記録方式のいずれも使用可能である。
インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置により実施することができる。インクジェット記録装置は、画像記録時に、記録ヘッドとインク受容層とが接触しないため、極めて安定した画像を記録することができる。インクジェット記録装置の種類は特に限定されず、その記録方式は、シリアルスキャン方式およびフルライン方式などであってもよい。
転写材1の記録面に着弾したインクジェット記録用のインクは、表面張力および粘度が適切に制御されているため、順次インク受容層53に引き込まれていく。これにより、インク受容層53に適切なインクドットを形成して、記録画像を得る。このようなインクとしては、染料インクまたは顔料インクのいずれも使用できる。但し、顔料インクを用いた場合は、インク受容層の表面で、顔料成分と水分及び溶媒成分が分離(固液分離)定着する。すなわち、顔料インク中の顔料成分は粒子径が大きいため、空隙吸収型のインク受容層中の無機微粒子で構成される細孔の内部まで浸透せず、インク受容層の表面で定着する。一方、顔料インク中の水分及び溶媒成分はインク受容層の内部に浸透する。従って、顔料インクで画像を形成すると、インク受容層の表面にインク中の水分や溶媒が残存しにくくなることから、乾燥が容易になり、画像支持体への接着が容易になる。以上から、顔料インクが好ましく用いられる。
(予備加熱工程)
本実施形態においては、転写材1Aの基材50の外面から予備加熱を行うことを特徴としている。基材50の外面から予備加熱を行うことにより、以下の効果が期待できる。
(i)インク受容層53の水溶性樹脂を画像支持体55に転写可能なガラス転移温度を超えて上昇させることで、転写効率が高まる。
(ii)インク受容層53のインクの吸収を促進させ、不揮発性溶媒をインク受容層の内部に浸透させると共に、インク受容層53の表面のインクを乾燥させる。これにより、転写時の加熱によりインク受容層表面層に残るインク成分やインクの急激な蒸発による密着性不足や受容層の部分的な気泡残りなどの不具合を抑制することができる。
(iii)インク受容層の空隙内の残存空気を予め加熱膨張させて空隙外に排出し、加熱圧着時の空隙内の残存する空気の量を少なくすることによって、空気の膨張量を少なくして気泡残りの発生を抑制することができる。
図12は、転写材1Aの温度上昇曲線の例を示す図である。図中、Laは予備加熱および加熱圧着を行った場合の転写材1Aの温度上昇曲線を、Lbは予備加熱を行わずに加熱圧着を行った場合の転写材1Aの温度上昇曲線をそれぞれ示している。
転写材1Aを画像支持体55に転写する加熱圧着工程では、画像支持体55に接するインク受容層53の表面53aの温度を、水溶性樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱する必要がある。このため、インク受容層53と画像支持体55の境界部における温度が水溶性樹脂のガラス転移温度Tg以上に達するようにインク受容層53を予備加熱すれば、加熱圧着工程までその温度を維持することでインク受容層53を画像支持体55に転写することができる。
また、予備加熱から加熱圧着工程にかけて、インク受容層53内部の温度上昇による空隙内の空気の膨張を抑えることが可能になり、ブリスターの発生を抑制することができる。
(予備加熱の温度)
予備加熱後のインク受容層53の表面温度と予備加熱前のインク受容層53の表面温度との差△TPは、25℃以上100℃以下、より好ましくは25℃以上50℃以下)であることが好ましい。この範囲にあれば予備加熱により、インク受容層53の水溶性樹脂を画像支持体55に転写可能なガラス転移温度を超えて上昇させることができ、加熱圧着時の負荷を低減させることができる。転写材を画像支持体に高速転写する場合には加熱圧着時間が短くなるため、予備加熱を行わずに加熱圧着を行うためには、ヒートローラ22の加熱温度を高く設定する必要がある。しかし、ヒートローラ22の温度を高くするとインク受容層53が熱により黄変するという問題があり、加熱圧着工程の加熱のみで高速化を行うことは困難であった。
本実施形態においては、インク受容層53に含まれる空気が膨張しないように、予備加熱で上昇した表面温度を維持したままの状態(冷却や放射/放熱により表面温度低下が起こらない状態)で加熱圧着することが好ましい。例えば、転写材1Aを図18に示す加熱定着ベルト965に接触させる、あるいは図9に示すヒートローラ22に巻き付ける、といった構成を用いて予備加熱を行うと、予備加熱で上昇した温度が低下しない状態で転写材1Aを画像支持体55に加熱圧着させることができる。また、予備加熱と加熱圧着とを1つのヒートローラ22で行うことができるため、装置を小型化する上で好ましい。
なお、図9に示すように、ヒートローラ22の上部に、保温部(例えば反射板16、950等)を設ければ、予備加熱で上昇した転写材1Aが、加熱圧着される前に、放熱によって温度低下するのを避けることができる。
また、上記のようにヒートローラ22に転写材1を巻付ける構成の場合、基材50の外面から予備加熱を行うため、画像形成後のインクの乾燥も同時に行うことができるが、インク受容層53からの水分蒸発により結露が発生するおそれもある。そこで、ファン等の排気装置等をヒートローラ22の近傍に設け、排気装置にて発生させた気流によって水蒸気を除去して結露の発生を防止することもできる。
また、予備加熱は、図19に示すようにハロゲンヒータ等の熱源と、ファン等の排気装置を用いた加熱装置966によって行うことも可能である。但し、ハロゲンヒータ等はヒートローラや加熱定着ベルトなどのように、転写材に熱源を直接的に接触させるものではなく、転写材1Aと熱源との間に空気が存在するため、ヒートローラや加熱定着ベルトを用いた場合に比して熱伝達効率は低下する。
(転写材と画像支持体との加熱圧着)
記録物を作製する際には、まず、その転写材1Aにおけるインク受容層53の表面53aに、インクジェット記録装置によって画像を形成する。この際、画像を視認する方向に応じて正像画像あるいは反転画像を記録する。次に、転写材1Aを画像支持体55に転写させることによって記録物を得る。
(画像支持体)
画像支持体の材質は、特に制限されない。例えば、樹脂を構成材料とする画像支持体(樹脂ベース支持体)、紙を構成材料とする画像支持体(紙ベース支持体)等を挙げることができる。
(加熱圧着時のインク受容層表面の温度)
加熱圧着工程では、図12に示すように加熱圧着時におけるインク受容層53の表面53aの温度Tcがインク受容層53の水溶性樹脂のガラス転移温度Tg以上となるように加熱することで、インク受容層53を画像支持体に転写することができる。
(加熱圧着温度)
加熱圧着を行うための温度は、インク受容層53の水溶性樹脂がガラス転移温度Tg以上となるようにすることが好ましい。具体的には、例えば、ヒートローラ22の温度を90〜160℃に制御する。加熱圧着の温度(ヒートローラ22の温度)を90℃以上とすることにより、インク受容層53中水溶性樹脂を接着に十分な程度に溶融させることができる。インク受容層53の水溶性樹脂を溶融させることで、画像支持体55と転写材1Aとを圧着させることができる。一方、加熱圧着の温度を、好ましくは160℃以下とすることにより、画像支持体55と転写材1Aとを加熱圧着させる際のインク成分の急激な蒸発が抑制される。これにより、画像支持体55と転写材1Aとの密着強度の低下、インク受容層53における気泡残り(ブリスター)の発生を抑制することができる。
加熱圧着の圧力は、0.5kg/cm2以上かつ7.0kg/cm2以下とすることが好ましい。加熱圧着の圧力を0.5kg/cm2以上とすることにより、画像を記録したインク受容層53の表面53aを画像支持体に密着させて、画像支持体55と転写材1Aとを圧着させることができる。
一方、加熱圧着の圧力を7.0kg/cm2以下とすることにより、画像支持体55と転写材1Aとを加熱圧着した際に、インク受容層53の空隙構造が必要以上に潰れることはなくなり、転写材1Aの空隙を維持することができる。このため、インクの液体成分である不揮発性溶剤が表面に染み出すことを防止することが可能になり、良好な接着性を得ることができる。なお、加熱圧着の方法としては特に制限はなく、ヒートローラ22以外の発熱体を用いることも可能である。
ヒートローラに22に転写材1Aを巻き付ける構成にした場合、図14(a)に示すように、画像支持体55とインク受容層53とを接着させている部分963と、接着させていない部分964とではヒートローラ22による加熱温度が異なる場合がある。すなわち、連続印刷時には、画像支持体55とインク受容層53とを接着させている部分963から画像支持体55または転写材1Aへと熱伝達(放熱)が生じる。ヒートローラ22の表面には常に熱源から熱が供給されているため、ヒートローラ22の表面は放熱によって一定温度に保たれる。これに対し、画像支持体55とインク受容層53とが密着していない部分964の表面には、上記のような熱伝達が起こらず放熱量が少ないため、画像支持体55とインク受容層53とが接着している部分963より表面温度が高くなる。この状態で、基材55の剥離を行うと、インク受容層全体温度が高い状態(水溶性樹脂のTg温度以上)で、基材55が剥離されることとなるため、基材55が転写材1Aの透明樹脂層52から剥離しにくい、いわゆる箔切れの悪い状態が発生する。このような場合には、図14(b)に示すように、画像支持体とインク受容層が接着していない部分964に相当するヒートローラを冷却するヒートローラ冷却機構969を設けてもよい。この冷却機構を用いることにより、ヒートローラの表面温度を常に均一に保つことができ、良好な箔切れを実現することができる。
(基材及び離型層の剥離)
画像が記録された転写材1は、加熱圧着工程において画像支持体に転写(接着)された後、剥離工程によって、搬送層を含む基材50の全部または一部が剥離される。これにより、画像の記録されたインク受容層53が画像支持体55に積層された記録物10(図1(c)参照)を得ることができる。また、基材50が透明保護層を備えている転写材の場合は、画像支持体55と接着した後、剥離工程により、基材50の搬送層(基材一部)を剥離する。これにより、透明保護層52、インク受容層53を画像支持体55に積層してなる記録物(10A)を得ることもできる。
(剥離方法)
基材1が熱時剥離タイプである場合には、加熱圧着後、温度が下がらないうちに、直ちに基材1を剥離することが好ましい。熱時剥離タイプの場合は、分離爪を備えた剥離機構、または剥離ロールを用いて、基材を剥離することが好ましい。このような剥離方法は、転写材をロール・ツー・ロール(roll to roll)によって供給する場合、つまりロール状の転写材を繰り出して供給し、その転写材から剥離した基材をロール状に巻き取る場合に、生産性を高めることができるため有効である。
基材が冷時剥離タイプの場合は、温度が下がっても基材を剥離することができる。そのため、ロールやピール機構による剥離だけでなく、手動による剥離も可能になるため、特に、基材がカットシート状に加工されている場合に好適である。
[記録物の製造装置]
以下、本発明の記録物の製造装置について説明する。
(第1の記録物の製造装置)
図15は上述した記録物の製造方法により記録物を製造する製造装置の第1の構成例である第1の記録物の製造装置(以下、第1の製造装置ともいう。)を模式的に示す側面図である。この第1の製造装置1000は巻付け構成により予備加熱を行うものであって、装置の小型化、または転写材および記録物の高速搬送に適した構成を備える。
<主要な構成>
図15は第1の装置1000の構成を示す概略図である。第1の装置1000は、ロール状に巻かれた転写材1Aを搬送経路Rへと送り出す供給部4と、色材、水、不揮発性の有機溶媒等を含有する水系インクを転写材1Aに直接吐出して反転画像を記録する記録部6と、を備える。記録部6には、滴状のインクを吐出する記録ヘッド607が設けられている。本装置1000では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどの異なる色のインクそれぞれに対応して記録ヘッド607(607C、607M、607Y、607Bk)が設けられており、これらの記録ヘッドによってカラー画像を形成することが可能である。
さらに、第1の製造装置1000は、転写材1Aを画像支持体55に転写する転写部29と、転写材1Aを画像支持体55に接着させた積層構造体10Bから基材50を剥離する剥離処理部151と、を備える。また、第1の製造装置1000は、積層構造体10Bから剥離した基材50を巻取る巻取部24と、積層構造体10Bから基材50を剥離させた記録物10Aを排出して集積する排出部26とを備える。さらに第1の製造装置1000には、図15に示すように、転写材1Aの搬送を行う転写材搬送部115と、画像支持体50の給送を行う画像支持体供給部12と、画像支持体供給部12によって給送された画像支持体55を搬送する画像支持体搬送部13とが設けられている。
第1の製造装置1000に設けられた前述の転写部29は、転写材1Aに予備加熱を行う予備加熱部23と、転写材1Aを画像支持体55に加熱圧着させる加熱圧着部28とからなる。但し、第1の装置1000における予備加熱部23と付着処理部29は、いずれも1つのヒートローラ22を共用する構成となっている。すなわち、ヒートローラ22の外周面には、画像が記録されたインク転写材1Aが所定の巻付け角度θ(図10参照)だけ巻き付けられ、このヒートローラ22の熱によって転写材1Aがその基材50側から予備加熱される。
また、加熱圧着部29は、ヒートローラ22と、これに対向して配置された加圧ローラ21とにより構成される。この加熱圧着部29において、画像支持体55とこれに重なる転写材1Aは、ヒートローラ22と加圧ローラ21との間を通過する際に、両ローラ21、22から印加される圧力と、ヒートローラ22から加えられる熱とで、加熱圧着される。
このように、第1の製造装置1000における転写部は、1つのヒートローラ22の外周面に転写材1Aを巻き付ける構成を採るため、転写部29を小型化することができる。さらに、空隙型のインク受容層を有する転写材1Aに対して予備加熱処理と加熱圧着処理をほぼ連続的に行うことができることから、予備加熱による熱が転写材1Aから放熱される前に加熱圧着処理を行うことが可能となるためブリスターを抑制する上で有効である。しかも、転写部29には、ヒートローラ22に対向して保温部(ヒートリフレクター16、950)が設けられており、これによってインク受容層53の乾燥後の放熱を防ぐようになっているため、転写材1Aの温度低下をさらに抑制することができる。なお、転写部29には、転写材1Aのインク受容層53に含有されるインクの水分蒸発による結露を防ぐためのファンなどを必要に応じて設けてもよい。
また、剥離処理部151の近傍には、積層構造体10Bの端部を冷却する端部冷却機構961が設けられ、剥離処理部151の下流側には積層構造体10Bから剥離された基材を冷却する冷却装置962が設けられている。
なお、本実施形態では、図2(a)に示すような、基材50に透明樹脂層52を介してインク受容層53が積層された構成を有する転写材1Aを用いる場合を例に採り説明する。しかし図1(a)に示すように、基材50上にインク受容層53を積層した転写材1を設けたものを使用することも可能である。
<第1の記録物製造装置の動作の概略>
ここで、上記第1の記録物製造装置(第1の製造装置)の一連の動作の概略を説明する。
供給部4は、インク受容層53を外表にしてロール状に巻いた転写材1Aを、図中の矢印に示す方向に回転させ、転写材1Aを記録部6へ送り出す。その際、転写材1はその裏面側に位置する基材50が不図示のガイド板で支持案内されると共に、グリップローラ3とニップローラ2で挟持され、平坦な状態で記録部6へと搬送される。
供給部4から転写材1Aの搬送が開始されると、センサ部31により記録部6は転写材1Aのインク受容層53に反転画像を記録する。このとき、マーキング印刷も合わせて行う。記録が行われた転写材1Aは、搬送経路R1に沿ってヒートローラ22に向けて搬送されていく。なお、搬送経路R1は、供給部4から送り出された転写材1がヒートローラ22と加圧ローラ21の間に挿入されるまでの経路を指す。
ヒートローラ22に達した転写材1Aは、予備加熱部23を構成するヒートローラ22の外周面に巻き付けられており、ヒートローラ22の熱によって予備加熱される。この予備加熱によって、インク受容層53の空隙に残存する空気は膨張し、その一部が空隙外に排出されるため、これによって転写材1Aの空隙内の空気量(空気の質量)は減少する。
一方、画像支持体供給部12からは、記録部6における記録動作に応じて、搬送経路R2へと1枚ずつ画像支持体55が送り出される。搬送経路R2に送り出された画像支持体55は付着処理部29を構成するヒートローラ22と加圧ローラ21の間に侵入する直前で、予備加熱された直後の転写材1Aのインク受容層53の表面53aに重なり、ヒートローラ22と加圧ローラ21の間に侵入する。転写材1Aと画像支持体55とからなる積層構造体は、ヒートローラ22と加圧ローラ21との間で加熱圧着される。
なお、この第1の製造装置1000では、ヒートローラ22の外周面に対向してヒートリフレクタ16、950が設けられている。このため、予備加熱により上昇した転写材1Aの温度は、転写材1Aが付着処理部29へと送り込まれるまで維持される。また、ヒートローラ22の上部にファンを設け、このファンによって予備加熱によって蒸発したインクの水分を排気し、結露の発生を抑制するようにしてもよい。
画像支持体11と転写材1とが加熱圧着された積層構造体は、剥離処理部151で転写材1Aを構成している基材50および不図示の離型層が剥離され、それらは巻取りロール24に巻き取られる。剥離処理部151には、インク受容層53が画像支持体55と接していない部分を冷却する冷却機構961が設けられているため、基材55を転写材1Aから容易に剥離させることが可能になる。基材55を積層構造体から剥離させることによって、記録物10Aが形成され、記録物10Aは搬送経路R2に沿って排出部26へと排出される。なお、剥離処理部151の下流側には、冷却機構962が設けられており、これによって転写材1Aから剥離された基材50を冷却する。
<制御系>
図16は、第1の記録物製造装置1000の動作を制御する制御系の概略構成を示すブロック図である。図16に示すように、第1の記録物製造装置1000には、制御部100が設けられている。制御部100には、プログラムROM104に格納されている制御プログラムに従って、演算、判断、および制御などの処理を実行するCPU101が設けられている。
また、制御部100には、ホスト装置120とCPU101との間の信号の授受を制御するインターフェースコントローラ102、イメージメモリ106、およびRAM108などが設けられている。イメージメモリ106には、ホスト装置120などから送信された記録データがビットマップデータとして格納される。RAM108は、種々のデータが読み出し可能に格納されると共に、CPU101の処理を実行する際のワークエリアとして使用される。
CPU100には、データの入力操作を行う操作パネル110、インクジェット記録方式による記録動作を行う記録部6、転写材1Aを画像支持体55に転写させる転写部29、画像支持体55の給送、搬送を行う支持体移送部119等が接続されている。転写部29は、前述のように、予備加熱部23と加熱処理部28を含み、これらはヒートローラ22を共用する構成となっている。この他、CPU100には、ヒートローラ22の温度を検出する温度センサ122をはじめとする種々のセンサや、冷却装置961、962(図15参照)なども接続されている。
なお、記録部6には、複数色のインクに対応して複数の記録ヘッド607が設けられると共に、各記録ヘッドの各ノズル内に設けられた電気熱変換素子を駆動する駆動回路などが設けられている。
以上のように構成された制御系において、ホスト装置120から送信された記録データやコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、記録部6の記録データの受信、記録動作、転写材搬送部115の駆動、転写部29におけるヒートローラ22の加熱、画像支持体供給部12による支持体の給送、画像支持体搬送部13による画像支持体の搬送等の、全般的な制御を行う。
すなわち、CPU100は、受信したコマンドを解析した後、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開する。その後、CPU100は、転写材1Aの搬送を行うと共に、その搬送動作に同期してイメージメモリ106から対応する色の記録データを順次読み出し、読み出したデータに基づいて各記録ヘッド607の各ノズルに設けられた吐出エネルギー発生素子を駆動する。吐出エネルギー発生素子の駆動により、各ノズルからは滴状のインクが吐出される。吐出されたインクは、記録ヘッドに対向する位置にある転写材のインク受容層(インク受容部)に着弾し、ドットを形成する。このドットの集合によって転写材1Aのインク受容層53に所望の画像が形成される。
<第1の製造装置の制御フロー>
次に、前述の制御部100によって実行される第1の製造装置25の制御動作を、図17のフローチャートに従って説明する。
CPU101は、ホスト装置120から送信された記録データを受信したか否かを判定する(ステップS101)。記録データを受信するとCPU101は記録データをイメージメモリ106に格納した後(ステップS102)、転写部29に設けられたヒートローラ22の加熱を開始する(ステップS103)。この後、ヒートローラ22の温度が所定温度に達すると(ステップS104)、転写材搬送部115を駆動して給送部4から転写材1の搬送を開始させる(ステップS105)。また、CPU101は、転写材1Aの搬送動作に応じた所定のタイミングで画像支持体供給部12および画像支持体搬送部13を駆動し、画像支持体の給送、および搬送を開始させる(ステップS106)。
転写材1Aの記録位置が記録部106に到達すると、CPU101はイメージメモリ106から読み出した記録データに基づいて記録ヘッド607の駆動回路を制御し、記録ヘッド607からインクを吐出させる。これにより転写材1Aのインク受容層503に画像が記録される(ステップS107)。画像が記録された転写材1Aは、予備加熱部23に達するとヒートローラ22によって予備加熱処理された後(S108)、レジストガイド14によって画像支持体55と転写材との位置合わせが行わる(S109)。この位置合わせによって、転写材1Aのインク受容層53は画像支持体55上に重なり、ヒートローラ222と加圧ローラ21との間に送り込まれる。ヒートローラ22と加圧ローラ21との間を通過する間に、画像支持体55と転写材1Aは加熱圧着されて積層構造体となる。この後、積層構造体は剥離部151へと搬送され、ここで基材50が剥離されて記録物(最終記録物)となり、排出部に積載される(S110)。CPU101は、以上のようにして製造された記録物が所定枚数に達したか否かを判断し(ステップS111)、所定枚数に達していない場合には、ステップS107からS111までの動作を繰り返す。また、製造された記録物が所定枚数に達すると、CPU101はヒートローラ22の加熱を停止させると共に(S112)、転写材搬送部115、画像支持体供給部12、および画像支持体搬送部13の駆動を停止させる(ステップS113)。以上により記録物の製造は終了する。
<第1の製造装置により実行される処理>
ここで、第1の製造装置1000によって実行される処理を、より具体的に説明する。
<転写材の位置検出>
図15の転写材センサ31は、転写部29の動作との同期をとるために転写材1Aの位置を検出し、CPU101は、その検出結果に基づいて各部の制御を行う。転写材1Aに記録されたマーキングの検出には、反射型又は透過型の光センサを用いる。
<記録処理>
前述したように、インクジェット方式の記録装置によれば、記録ヘッドと転写材とが非接触であるため画像を安定的に記録することができる。
図15に示す第1の製造装置1000において、転写材1Aは、グリップローラ3とニップローラ2とに挟持されつつ、不図示のガイド板上を通過して記録部6に達する。CPU101は、画像データに基づいて記録ヘッド6の駆動回路を制御し、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させることにより、転写材1のインク受容層53に反転画像を記録する。
<加熱圧着工程>
図15に示すように、転写材1A上のインク受容層53には記録部6にて画像が形成される。画像が形成された転写材1は、ガイド板27に支持案内されて圧着ローラ21とヒートローラ22から構成される加熱圧着部28に移動する。一方、画像支持体供給部12には、枚葉状のシートからなる複数枚の画像支持体55が積載されており、それらの画像支持体の中から一枚ずつ搬送経路R2に給送される。搬送経路R2に給送された画像支持体55は、圧着加熱部28に到達する直前でレジストガイド14により位置補正され、転写材1の搬送位置に合わせて加熱圧着部28へと搬送される。これにより、転写材1Aは画像支持体55に重なった状態で加熱圧着部28へと送られ、ヒートローラ22と圧着ローラ21とによって加熱圧着される。なお、画像支持体供給部12は、画像支持体11の転写面へのゴミの付着やピックアップ時によるゴムロールからの汚染を防止するため、画像支持体供給部12に積載されている複数枚の画像支持体55の下方から給送される。
インク受容層に画像が記録された転写材1Aは、ヒートローラ22に巻き付けられることで予備加熱された後、画像支持体55上に積層された状態でヒートローラ21と圧着ローラ21と間に送り込み、ここで画像支持体55に加熱圧着される。その後、画像支持体11と転写材1Aとを加熱圧着してなる積層構造体は、剥離処理部151へと搬送され、転写材53から基材55が剥離される。これにより、記録物10Aが製造される。この記録物10Aは、画像支持体55上にインク受容層53が積層され、インク受容層53の上に透明保護層53が積層された3層の記録物となる。つまり、製造された記録物10Aでは、インク受容層53に形成された画像が、透明樹脂層52と画像支持体55とに覆われるため、画像には良好な耐候性、耐擦過性が得られる。
加熱圧着処理から剥離処理までの状態を図9ないし図11に示す。図9に示すように、転写材1Aは加熱されたヒートローラ22に巻付けられ、ヒートローラ22の熱によって、インク受容層53は基材50側から予備加熱される。
インク受容層53を基材50側から間接的に加熱することによって、透明保護層52の構成材料やインク受容層の水溶性樹脂をガラス転移温度の近傍まで上昇させることができる。これは、転写材1Aを加熱したヒートローラ22に巻き付けることによって、長時間インク受容層53を予備加熱することができることによる。また、ヒートローラ22に転写材1Aを巻き付けることにより、ヒートローラ22に接触した状態を維持しつつ転写材1Aを加熱圧着部28へと送り込むことができる。このため、予備加熱したインク受容層の表面温度を低下させることなく加熱圧着工程へと移行することができる。
図10は、転写材1Aと画像支持体55をヒートローラ22と加圧ローラ21とで加熱圧着している状態を示している。加熱圧着されている領域952でヒートローラ22から加熱することにより、インク受容層53を十分に溶融させて画像支持体55に接着させることができる。予備加熱により予め転写材53の温度をガラス転移温度Tg以上まで上昇させているため、予備加熱により上昇させた温度を維持することで加熱圧着が可能となる。さらに画像支持体55に転写材1Aを加熱圧着するための時間を短縮することができるため、転写速度を向上させることが可能になる。
予備加熱は、インク受容層53の空隙内に存在する空気を予め加熱膨張させることで空隙外に空気を排出し、インク受容層52内に残存する空気の量を減少させることができるため、加熱圧着による転写性を向上させることができる。さらに、予備加熱によって転写材1Aの温度を上昇させることにより、加熱圧着時に転写材1Aの温度が上昇しないため、空気が膨張せず、気泡残り(ブリスター)の発生を効率よく防止することが可能になる。
ヒートローラ22による予備加熱は、図10に示す巻付け領域951によって行われる。このとき、巻付け角θは90°以上、より好ましくは120°以上、さらに好ましくは180°以上とする。巻付ける距離を長くすることで、ヒートローラ22の熱により、インク受容層53を、長時間、予備加熱することができる。
なお、予備加熱領域の外側にヒートリフレクター16、950を設けることで、転写材53の保温を行い、温度低下を低減することができる。ここでヒートリフレクター950は、熱の反射だけでなく、熱を発する加熱手段で構成することも可能である。加熱手段で構成する場合、外部から直接インク受容層を補助的に加熱することができるため、効率よく予備加熱を行うことができる。
また、加圧ローラ21は加熱圧着を行わない状況では、図9の矢印Xで示す方向に退避させることができる。そのため、転写材1Aにシワを発生させずにバックフィードを行うことが可能になり、転写材1Aのロスを抑えることができる。
<加熱圧着時(転写時)における温度>
画像支持体55に対して転写材1Aを適切に転写させるためには、インク受容層53の表面53aの温度を、水溶性樹脂の溶解するガラス転移温度(Tg)以上とする必要がある。また、加熱圧着時にはインク受容層中に残存する空隙内の空気の膨張によってブリスターが発生するおそれがある。このため、加熱圧着工程の前後の温度差△Thは、40℃以内に抑えることが必要である。さらに、インク中の水の急激な蒸発が発生すると密着不良や受容層の部分的な気泡残りが発生するため、加熱圧着時(転写時)の温度をインクの蒸発温度以下の範囲に制御することも必要である。転写時におけるインク受容層53への加熱は、プラスチックカード等の厚めの画像支持体55側からではなく、転写材53の基材50側、すなわちヒートローラ22からの熱によって行なわれる。ヒートローラ22の表面加熱温度は、加熱圧着工程によってインク受容層53が最高温度に到達した際の空隙内の空気膨張、およびインクの水分蒸発などを考慮して設定することが必要である。すなわち、転写材1Aと画像支持体55とを接着させる際のヒートローラ22の表面温度は、インク受容層53の空隙内の空気の膨張や、インクの水分が蒸発して転写材1Aと画像支持体55との間に気泡ができない温度に設定する。
具体的には、ヒートローラ22の温度は140℃以上180℃以下に制御することが好ましい。ヒートローラ22の温度を140℃以上とすることにより、ヒートローラ22に転写材1Aを巻付けた際に、インク受容層53を十分に予備加熱することができる。このため、搬送速度を速めてもインク受容層53における水溶性樹脂を接着に十分な程度に溶融させることができ、画像支持体と転写材とを適正に圧着させることができる。
一方、ヒートローラ22の温度を180℃以下にすることにより、転写材が黄変するのを防ぎ、記録物の画像品位低下を防止することができる。従って、ヒートローラ22の温度は140℃以上160℃以下に制御することが好ましい。ヒートローラ22の温度を160℃以下にすることにより、ヒートローラ22を加熱するために必要な電力を低減することができる。接着された積層構造体は剥離処理部へと搬送される。
<剥離処理>
図15に示すように、付着部29を通過した転写材1のうち、基材50の部分は画像形成領域以外の領域が剥離されて、巻取りローラ24側に巻き取られ、また画像形成された画像支持体11は排出部26に搬送されて一枚ずつ集積されていく。
図11は積層構造体から基材を剥離している状態を示している。巻取りローラ24によって搬送される転写材1Aは、剥離部151に設けられる剥離ローラ151によって基材50だけが積層構造体から剥離され、記録物10Aが完成する。そして、記録物10Aは排出部へ集積される。記録物10Aは、画像支持体55と透明樹脂層52とによってインク受容層を挟み込んだ状態となるため、優れた画像品質が得られるとともに、耐候性、耐擦過性などに優れた堅牢性の高い記録物となる。
<冷却機構>
本実施形態においては、図14(b)に示すように、転写工程から剥離工程の間に画像支持体と接触していない部分964(画像形成領域以外の予備加熱あるいは加熱圧着されている部分)を冷却する冷却機構961を設けても良い。
図15に示すように転写部29を通過した転写材1Aのうち、基材50の部分は、画像形成領域以外の領域が剥がされて、巻取りロール24側に巻き取られる。このとき画像形成領域以外の領域は、予備加熱や加熱圧着により温度が高い状態にある。このため、この領域を冷却機構961で冷却し、画像形成領域との間に温度差を設けることで、剥離の際に画像支持体の端部を起点にしてクラックが入り易くなり、箔切れ性が良好になる。また、巻取りローラ24において基材50と画像領域以外の転写材1Aの表面部分とが接着する場合がある。そこで、画像領域以外の部分をインク受容層のガラス転移温度(Tg)以下まで冷却するための端部冷却機構961を設けても良い。また、端部冷却機構961を設けることは、転写材1Aをバックフィードさせる際にも有効である。すなわち、転写材1Aをバックフィードさせた際に、加熱された基材50および転写材1Aが供給部4において接着する不具合の発生を、端部冷却機構961の冷却によって防止することができる。
(第2の記録物の製造装置)
次に、本実施形態における第2の記録物の製造装置(以下、第2の製造装置ともいう。)を説明する。図18は、第2の製造装置2000の全体構成を示す模式図である。なお、図18において、上記第1の製造装置1000と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、その説明の詳細は省く。
第2の製造装置2000では、ヒートローラ22と、ベルトローラ965aとの間に予備加熱ベルト965が架け渡されており、これらによって予備加熱部23Bが構成されている。この予備加熱部23Bの構成が上記第1の製造装置1000と異なり、その他の点は、上記第1の製造装置1000と同様である。
予備加熱装置23Bにおける予備加熱ベルト965は、ヒートローラ22の回転に従って周回移動し、ヒートローラ22と接触することによって全体的に均等な温度まで加熱される。記録部6で画像の形成された転写材1Aは、加熱された予備加熱ベルト965に接触しつつ転写部29の加熱圧着部28へ向けて搬送される。このとき、予備加熱ベルト865の熱によって、転写材1Aは加熱圧着部28に到達する前に予備加熱される。
この予備加熱ベルト965による転写材1Aの予備加熱は、第1の装置のようにヒートローラ22に直接接触させて予備加熱を行う場合と略同等の温度まで転写材1Aを加熱することができる。従って、この第2の製造装置2000においても、第1の製造装置1000と略同様の予備加熱による効果を期待できる。さらに、予備加熱ベルト965を用いることにより、予備加熱時間をより長い予備加熱時間をとることが可能になるため、転写材1Aの高速搬送にも対応可能となり、記録部6による記録速度の高速化にも対応でき、良好なスループットを実現することができる。但し、1つのヒートローラ22を用いて予備加熱を行う第1の製造装置1000に比べて、装置構成が大型化することが懸念される。
予備加熱ベルト965によって加熱された転写材1Aは、加熱圧着部28においてヒートローラ22に架け渡された搬送ベルト965aと加圧ローラ21との間で加熱圧着された後、剥離処理部で基材50が剥離され、記録物10Aが製造される。
また、第2の製造装置1000では、予備加熱により上昇した温度が低下しないようにヒートリフレクター950が設けられている。また、蒸発した水分を空隙外に放出し機内の結露を防止するように、予備加熱部23Bの近傍にファンを設けてもよい。
なお、以上説明した第2の製造装置では、ヒートローラ22の熱によって加熱ベルトを加熱するものとしたが、ベルトローラ965aにも熱源を設け、両ローラ22、965aによって加熱ベルト965を加熱するようにしてもよい。さらに、ヒートローラ22の回転およびベルトローラ965aの回転をモータなどによって駆動してもよい。
(第3の記録物の製造装置)
次に、本実施形態における第3の記録物の製造装置(以下、第3の製造装置ともいう。)を説明する。図19は、第3の製造装置3000の全体構成を示す模式図である。なお、図19において、上記第1の製造装置1000と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、その説明の詳細は省く。
上記第1および第2の装置では、転写材1Aをヒートローラ22あるいは加熱ベルト965に転写材1Aを接触させて予備加熱を行うようになっている。これに対して第3の製造装置3000では、加熱圧着部28より上流側に設けた熱源に転写材1Aを直接接触させず、熱源からの放射熱を利用して転写材1Aの予備加熱を行う。本装置3000では、転写材1Aの搬送経路R1から離間した位置に、熱源としてハロゲンランプ966を配置し、その放射熱によって転写材1Aの基材50側から予備加熱を行う。なお、放射熱をより効果的に転写材1Aに伝達するための気流発生手段(送風機)やヒートリフレクターなどを設けてもよい。
また、図19に示す装置3000では、予備加熱されたインク受容層の放熱を防ぎ、保温するためのヒートリフレクター950が設けられている。さらに、必要に応じて、予備加熱によってインクから蒸発した水分を空隙外に放出し機内の結露を防止するためのファンを設けてもよい。
以上のように、第3の製造装置3000によれば、非接触で予備加熱を行う構成であるため、転写材1Aに対してなんら損傷を与えることなく予備加熱を行うことが可能になる。但し、熱伝達性は第1の製造装置および第2の製造装置に比べてやや劣る可能性がある。
(第4の製造装置)
次に、本実施形態における第4の記録物の製造装置(以下、第4の製造装置ともいう。)を説明する。図20は、第4の製造装置2000の全体構成を示す模式図である。なお、図20において、上記第1の製造装置1000と同一もしくは相当部分には同一符号を付し、その説明の詳細は省く。
第4の製造装置4000は、供給部4から供給された未記録の転写材1Aに対して記録を行なう記録部6の他に、剥離処理部151から排出部26に至る搬送経路R2の間に、記録部6と同様の構成を有する第2の記録部6Aを設けたものである。なお、その他の点は、第1の製造装置1000と同様である。
第4の製造装置1000では、図1(a)に示すように、基材50にインク受容層53が積層された2層構造を有する転写材1を用いる場合に、特に有効なものとなっている。すなわち、転写材1と画像支持体55とを加熱圧着部28にて加熱圧着した後、剥離処理部151で基材50の全てを剥離させると、2層構造の転写材1では、インク受容層53の基材との接合面が外部に露出した状態の記録物1が製造される。本製造装置4000では、インク受容層53が外部に露出した記録物1に対し、第2の記録部6Aによってさらに、画像を記録することができ、インク受容層の両面に異なる画像を形成することができる。
このように、インク受容層の両面に画像を記録する場合、画像支持体55を転写する前に記録部6で形成した画像は、画像支持体55を転写することによってインク受容層の内面側に位置することとなる。このため、記録部6で記録した画像はインク受容層によって保護され、耐擦過性に優れた画像となる。従ってセキュリティー性を持たせたい画像は、記録部6によって記録することが好ましい。
また、画像を記録したインク受容層に画像支持体を転写した後、基材を剥離させた場合には、インク受容層の外面は、先に記録した面とは反対側の面が露出することとなる。このインク受容層の面にも画像を形成することが可能であり、必要な情報を後から追記する場合、あるいはサインや捺印などいった加筆を行う場合に有効である。
(第5の製造装置)
次に、本実施形態における第5の記録物の製造装置(以下、第5の製造装置ともいう。)を説明する。図21は、第5の製造装置5000の全体構成を示す模式図である。
この第5の製造装置5000は、第4の製造装置4000の転写部29を構成するヒートローラ22、加圧ローラ21に代えて、熱転写プリンタや感熱式プリンタなどに使用するサーマルヘッドを使用したものである。サーマルヘッドは、複数の微小な発熱体を配列した構成を有し、データに応じて発熱体を加熱しつつ記録媒体に加圧力を加えるものであり、これを加熱圧着部に用いることで、重ねられた転写材1と画像支持体55に対して熱および圧力を加えることができる。これによれば使用する転写材のサイズに応じて加熱圧着を行う範囲を調整することが可能になり、不必要な領域に対する加熱、加圧を行わずに済むため、省電力化を図ることができる。
以上説明したように、上記第1〜第5の製造装置によれば、転写材が、基材上に少なくともインク受容層を有している場合、もしくは基材上に透明保護層と少なくともインク受容層を有している場合に、基材面側から転写材に対して予備加熱を行う。これにより、転写材と画像支持体との接着に際し、ブリスターの発生を抑制することが可能となり、良好に転写状態の記録物を得ることが可能になる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、加熱圧着工程において画像支持体と転写体との間で空気が膨張することによって生じるブリスターを、予備加熱を行うことにより防止する例を示した。しかし本発明は、これに限定されない。本発明は、転写材と画像支持体との間で熱によって膨張した空気の圧力が転写材と画像支持体との間の接着力を上回らないような工程または手段をとるようにすればよい。例えば、加熱圧着工程において、転写材の温度変化量が所定の範囲に抑えられるようにすることによって本発明の所期の目的を達成することができる。さらに、加熱圧着工程において、転写材の温度変化に伴う空気の膨張率が所定の範囲内に抑えられるような工程、手段をとることによっても、本発明の所期の目的を達成することができる。
1、1A 転写材
6 記録手段(記録部)
23 予備加熱部
28 加熱圧着部
29 転写部
52 透明保護層
53 インク受容層
55 画像支持体
151 剥離処理部

Claims (10)

  1. 転写材に記録した画像を画像支持体に転写して記録物を製造する記録物の製造方法であって、
    前記転写材のインク受容層が形成された側にインクを付与して画像を記録する記録工程と、
    前記転写材を前記インク受容層が形成されていない側から加熱する予備加熱工程と
    前記予備加熱工程の後に前記転写材と前記画像支持体が接触した状態で熱と圧力を加えて前記転写材を前記画像支持体に接着する接着工程と、
    を含むことを特徴とする記録物の製造方法。
  2. 前記予備加熱工程において、前記接着工程における温度以上に前記転写材を加熱し、前記予備加熱工程後の前記転写材の温度が前記接着工程における温度未満とならずに、前記接着工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載の記録物の製造方法。
  3. 回転可能なローラに前記転写材を巻き付け、前記ローラが発生する熱によって前記予備加熱工程および前記接着工程における加熱を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の記録物の製造方法。
  4. 前記予備加熱工程は、所定の熱源によって加熱されたベルトに前記転写材を接触させることによって行うことを特徴とする請求項1または2に記載の記録物の製造方法。
  5. 前記接着工程における前記インク受容層の温度を、前記インク受容層に含まれる水溶性樹脂のガラス転移温度以上とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の記録物の製造方法。
  6. 前記転写材はインク受容層を支持する基材を有し、前記接着工程により前記画像支持体に接着した前記転写材から前記基材を剥離させる剥離工程を、さらに備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の記録物の製造方法。
  7. 前記インク受容層は、少なくとも無機微粒子と水溶性樹脂とを含有する空隙構造を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の記録物の製造方法。
  8. 前記転写材は、基材と、前記基材に積層された透明保護層と、前記透明保護層に積層されたインク受容層と、を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の記録物の製造方法。
  9. 転写材のインク受容層が形成された側にインクを付与して画像を記録する記録手段と、
    前記転写材を前記インク受容層の設けられていない側から予備的に加熱する予備加熱手段と、
    前記予備加熱手段によって加熱された前記転写材を画像支持体に接触させ、熱と圧力とを加えて前記転写材と前記画像支持体とを接着する接着手段と、
    を有することを特徴とする記録物の製造装置。
  10. 前記転写材は前記インク受容層を支持する基材を有し、前記接着手段によって前記画像支持体に接着した前記転写材から前記基材を剥離させる剥離手段を、さらに備えることを特徴とする請求項9に記載の記録物の製造装置。
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