JPH0623973A

JPH0623973A - インクジェット記録方法及び装置

Info

Publication number: JPH0623973A
Application number: JP4178121A
Authority: JP
Inventors: Akira Nakazawa; 明中澤; Osamu Taniguchi; 修谷口; Hideyuki Kikuchi; 英幸菊地
Original assignee: Fujitsu Ltd
Current assignee: Fujitsu Ltd
Priority date: 1992-07-06
Filing date: 1992-07-06
Publication date: 1994-02-01

Abstract

(57)【要約】【目的】インク滴をノズルから噴射して記録を行うよう
にしたインクジェット記録方法及び装置に関し、記録後
のインクが紫外線や空気等によって褪色せず、しかも凹
凸の粗い記録紙からインクを吸収しないフィルムまで種
々の記録媒体に対してインクジェット記録を行うことが
できるようにすることを目的とする。【構成】透明プラスチックフィルム１ａにその透明プラ
スチックフィルム１ａより低温で溶融する熱可塑性樹脂
１ｂを塗布してインク受容体１を形成し、インクジェッ
トノズル４から上記インク受容体１の上記熱可塑性樹脂
１ｂ塗布面側にインク滴を噴射してインクジェット記録
を行い、上記インク受容体１の上記熱可塑性樹脂１ｂ塗
布面側に記録媒体１０を密着するように重ね合わせ、加
熱により上記熱可塑性樹脂１ｂを溶融して、上記インク
受容体１と上記記録媒体１０とを接着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、インク滴をノズルか
ら噴射して記録を行うようにしたインクジェット記録方
法及び装置に関する。

【０００２】インクジェット記録装置は、構造が簡単で
しかも音が静かである等の長所があり、小型プリンタ等
に急速に普及してきている。

【０００３】

【従来の技術】インクジェット記録は、インク滴を噴射
して記録紙に付着させ、インクを記録紙に浸透させなが
ら乾燥させて定着させる方式である。

【０００４】したがって、インク定着後は染料だけが記
録紙の表面に残ることになり、染料が紫外線や空気など
に直接触れて褪色し、記録濃度が低下してしまうという
弱点がある。

【０００５】そこで従来は、例えば特開昭６２−１０５
６９１号公報に示されるように、インクジェット記録が
行われた記録紙の表面に紫外線硬化性樹脂を塗布し、紫
外線を照射してその表面の樹脂を硬化させて透明保護層
を形成していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来のインクジェット記録方法では、旧来のものと同じ
ようにまず記録紙にインク滴を噴射して付着させるの
で、表面の凹凸の粗い記録紙などを使用する場合にはイ
ンクが記録紙に浸透しすぎて記録品位が低下する場合が
ある。

【０００７】また、インクを吸収しない透明フィルム等
を記録紙として用いようとすると、インクが滲んでうま
く記録することができないので、オーバーヘッドプロジ
ェクタ用のスライドシートなどを作成することができな
い場合が多い。

【０００８】そこで本発明は、記録後のインクが紫外線
や空気等によって褪色せず、しかも凹凸の粗い記録紙か
らインクを吸収しないフィルムまで種々の記録媒体に対
してインクジェット記録を行うことができるインクジェ
ット記録方法及び装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録方法は、透明プラスチ
ックフィルム１ａにその透明プラスチックフィルム１ａ
より低温で溶融する熱可塑性樹脂１ｂを塗布してインク
受容体１を形成し、インクジェットノズル４から上記イ
ンク受容体１の上記熱可塑性樹脂１ｂ塗布面側にインク
滴を噴射してインクジェット記録を行い、上記インク受
容体１の上記熱可塑性樹脂１ｂ塗布面側に記録媒体１０
を密着するように重ね合わせ、加熱により上記熱可塑性
樹脂１ｂを溶融して、上記インク受容体１と上記記録媒
体１０とを接着するようにしたことを特徴とする。な
お、上記インク受容体１を上記記録媒体１０に接着する
前に、上記インク受容体１上のインクを乾燥するように
してもよい。

【００１０】また、本発明のインクジェット記録装置
は、透明プラスチックフィルム１ａに熱可塑性樹脂１ｂ
を塗布して形成されたインク受容体１を搬送するための
インク受容体搬送手段３と、上記インク受容体１の上記
熱可塑性樹脂１ｂ塗布面側にインク滴を噴射して記録を
行うためのインクジェットノズル４と、記録済の上記イ
ンク受容体１の上記熱可塑性樹脂１ｂ塗布面側に記録媒
体１０を密着するように重ね合わせるための記録媒体密
着手段７，８と、上記熱可塑性樹脂１ｂを加熱溶融して
上記インク受容体１と上記記録媒体１０とを接着するた
めの加熱手段８とを設けたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】インクジェットノズル４から噴射されたインク
滴は、インク受容体１である透明プラスチックフィルム
１ａに塗布された熱可塑性樹脂１ｂ面に付着し、その上
に記録媒体１０が密着するように重ね合わされる。

【００１２】そして、加熱により熱可塑性樹脂１ｂを溶
融することによって、インク受容体１と記録媒体１０と
が接着される。また、その加熱によって、インク受容体
１が記録媒体１０に接する際にはインクは乾燥して粘度
が大きくなっているので、記録媒体１０でのインクの滲
みが小さい。

【００１３】

【実施例】図面を参照して実施例を説明する。図１は、
インクジェット記録装置を示しており、図中１は、例え
ばポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明プ
ラスチックフィルム１ａに、その透明プラスチックフィ
ルム１ａより低温で溶融する例えばポリアミド樹脂から
なる透明な熱可塑性樹脂１ｂを塗布して形成されたイン
ク受容体であり、ロールシート２状に形成されて、軸中
心に回転自在に装置内に配置されている。

【００１４】ロールシート２から引き出されたインク受
容体１は、透明プラスチックフィルム１ａを内側にして
プラテンロール３に約半周巻き付けられ、プラテンロー
ル３の回転によって搬送される。

【００１５】そして、プラテンロール３に沿って走査さ
れるインクジェットノズル４からインク受容体１の熱可
塑性樹脂１ｂ塗布面側にインク滴が噴射されて、図２に
示されるように、熱可塑性樹脂１ｂ塗布面にインクジェ
ット記録が行われる。５はインク滴である。ただし、こ
こで記録される像は左右を反転させた裏像である。

【００１６】インク滴５による記録が行われたインク受
容体１は、図１に示されるように、一方が回転駆動され
他方は回転自在に設けられた一対のローラ７，８間に挟
み付けられて搬送される。

【００１７】ただし、インク受容体１の熱可塑性樹脂１
ｂ塗布面側に密着するように記録紙１０がローラ７，８
の直前で供給され、インク受容体１と記録紙１０とが重
ね合わされて、ローラ７，８間に圧接されながら搬送さ
れる。

【００１８】その結果、図３に示されるように、熱可塑
性樹脂１ｂの表面に付着したインク滴５上に記録紙１０
が密着して被覆されていくことになる。なお、一対のロ
ーラのうち、記録紙１０と接する側のローラ７はゴムロ
ーラであり、インク受容体１と接する側のローラ８は、
ヒータ８ａを内蔵したヒートローラである。

【００１９】このヒートローラ８によってインク受容体
１が加熱され、その熱によって熱可塑性樹脂１ｂが溶融
する。ただし、ヒートローラ８の温度は、透明プラスチ
ックフィルム１ａが溶融する温度よりは低温に設定され
ている。

【００２０】その結果、溶融した熱可塑性樹脂１ｂによ
ってインク受容体１と記録紙１０とが接着され、その接
着部に記録インクが封入されることになる。このような
熱圧着を行う際の温度と圧力は例えば８０℃で１Kg／cm
²程度が望ましい。

【００２１】なお、記録インクは接着前に熱せられて乾
燥し、記録紙１０に触れる際には粘度が大きくなってい
るので、記録紙１０が粗い材質のものであっても滲みが
ない。なお、熱可塑性樹脂１ｂを溶融するための加熱は
熱風などによって行ってもよい。

【００２２】図１に戻って、一対のローラ７，８とプラ
テンロール３との間には、インク受容体１の搬送をガイ
ドするためのガイドローラ１１と、インク受容体１を記
録紙１０の長さに合わせて切断するためのカッタ１２等
が配置されている。

【００２３】記録媒体として、記録紙１０に代えて透明
フィルムを用いれば、オーバーヘッドプロジェクタのス
ライドシート等も容易に製作することができる。その場
合には、インク受容体１の熱可塑性樹脂１ｂ面に数μｍ
ないし十数μｍの大きさの微細な凹凸を形成しておくこ
とによって、インクの滲みを小さくすることができる。

【００２４】熱可塑性樹脂１ｂに凹凸を形成するのは、
熱可塑性樹脂１ｂを透明プラスチックシート１ａに塗布
する際に形成してもよく、塗布後に熱圧着等により形成
してもよい。

【００２５】図４は、透明プラスチックシート１ａへの
塗布の際に熱可塑性樹脂１ｂに凹凸を形成する装置を示
しており、有機溶剤に溶解した熱可塑性樹脂１ｂ（ポリ
アミド樹脂）を一次ローラ２２を介して塗布ローラ２３
に付着させる。この塗布ローラ２３には表面に微細な凹
凸を形成しておき、塗布ローラ２３上の熱可塑性樹脂１
ｂはブレード２４によって表面を平滑にする。

【００２６】そして、この塗布ローラ２３と送りローラ
２５との間に透明プラスチックフィルム１ａを挟んで搬
送することにより、透明プラスチックフィルム１ａ面上
に熱可塑性樹脂１ｂが凹凸に塗布され、乾燥することに
よってその形状が固定化される。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、記録紙のインクと空気
との接触及びインクへの紫外線照射等が透明プラスチッ
クシートによって遮られるので、記録インクの褪色を防
止することができ、記録物が水に濡れても染料が流れ出
さないので記録の定着性が良い。また、特にカラー記録
を行った時は、表面に光沢があるので美しい記録にな
る。

【００２８】しかも、インクジェット記録はまず透明プ
ラスチックシートに塗布された熱可塑性樹脂面側に行わ
れ、加熱された状態でその上に記録媒体が接着されるの
で、どのような記録媒体を用いてもインクの滲みを小さ
くすることができ、オーバーヘッドプロジェクタ用のス
ライドシート等も容易に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のインクジェット記録装置の略示図であ
る。

【図２】実施例のインクジェット記録装置の部分断面図
である。

【図３】実施例のインクジェット記録装置の部分断面図
である。

【図４】実施例のインク受容体を製造する装置の略示図
である。

【符号の説明】１インク受容体１ａ透明プラスチックフィルム１ｂ熱可塑性樹脂３プラテンロール４インクジェットノズル５インク滴８ヒートローラ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明プラスチックフィルム（１ａ）にその
透明プラスチックフィルム（１ａ）より低温で溶融する
熱可塑性樹脂（１ｂ）を塗布してインク受容体（１）を
形成し、インクジェットノズル（４）から上記インク受
容体（１）の上記熱可塑性樹脂（１ｂ）塗布面側にイン
ク滴を噴射してインクジェット記録を行い、上記インク受容体（１）の上記熱可塑性樹脂（１ｂ）塗
布面側に記録媒体（１０）を密着するように重ね合わ
せ、加熱により上記熱可塑性樹脂（１ｂ）を溶融して、上記
インク受容体（１）と上記記録媒体（１０）とを接着す
るようにしたことを特徴とするインクジェット記録方
法。
【請求項２】上記インク受容体（１）を上記記録媒体
（１０）に接着する前に、上記インク受容体（１）上の
インクを乾燥する請求項１記載のインクジェット記録方
法。
【請求項３】透明プラスチックフィルム（１ａ）に熱可
塑性樹脂（１ｂ）を塗布して形成されたインク受容体
（１）を搬送するためのインク受容体搬送手段（３）
と、上記インク受容体（１）の上記熱可塑性樹脂（１ｂ）塗
布面側にインク滴を噴射して記録を行うためのインクジ
ェットノズル（４）と、記録済の上記インク受容体（１）の上記熱可塑性樹脂
（１ｂ）塗布面側に記録媒体（１０）を密着するように
重ね合わせるための記録媒体密着手段（７，８）と、上記熱可塑性樹脂（１ｂ）を加熱溶融して上記インク受
容体（１）と上記記録媒体（１０）とを接着するための
加熱手段（８）とを設けたことを特徴とするインクジェ
ット記録装置。