JP2018202785A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2018202785A
JP2018202785A JP2017112776A JP2017112776A JP2018202785A JP 2018202785 A JP2018202785 A JP 2018202785A JP 2017112776 A JP2017112776 A JP 2017112776A JP 2017112776 A JP2017112776 A JP 2017112776A JP 2018202785 A JP2018202785 A JP 2018202785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
printing
head
ink head
scanning direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017112776A
Other languages
English (en)
Inventor
藤田 泰仁
Yasuhito Fujita
泰仁 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roland DG Corp
Original Assignee
Roland DG Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Roland DG Corp filed Critical Roland DG Corp
Priority to JP2017112776A priority Critical patent/JP2018202785A/ja
Publication of JP2018202785A publication Critical patent/JP2018202785A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】重ね印刷を行う際、印刷のズレを抑制することができるインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】第1印刷制御部は、第1インクヘッド40を主走査方向Yに移動させる際、第1インクヘッド40から第1のインクを吐出させる。第1移動制御部は、第1のインクが吐出された後、記録媒体5を第1方向X1に第1の距離L51、移動させる。第2印刷制御部は、記録媒体5が第1方向X1に移動した後、第2インクヘッド50を主走査方向Yに移動させる際、第2インクヘッド50から第2のインクを吐出させる。第2移動制御部は、第2のインクが吐出された後、記録媒体5を第1方向X1と逆の第2方向X2に第2の距離L52、移動させる。第1の距離L51は、第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22以下であり、第2の距離L52は、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21以下である。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、異なる種類のインクを重ねて記録媒体上に画像を形成する重ね印刷を行うことが可能なインクジェットプリンタなどの印刷装置が知られている。例えば、特許文献1に開示された印刷装置は、プロセスカラーインクなどの有色インクを吐出する有色インク用ヘッドと、クリアインクを吐出するクリアインク用ヘッドとを備えている。
特許文献1に開示された印刷装置では、まず、予め用意された印刷画像に基づいて、有色インク用ヘッドによって有色インクを記録媒体に吐出させる。このようにして、記録媒体上に有色インクの層である第1印刷層が形成される。そして、記録媒体上の有色インクが吐出された第1印刷層を覆うように、クリアインク用ヘッドによってクリアインクを記録媒体に吐出させる。このようにして、有色インクが吐出された第1印刷層を覆う層である第2印刷層を形成することで、重ね印刷を行うことができる。
特開2015−214133号公報
ところで、上記重ね印刷では、記録媒体を所定の印刷開始位置にセットしてから第1印刷層の印刷が行われる。そして、第1印刷層の印刷が完了したとき、記録媒体は、上記印刷開始位置から第1印刷層の大きさ分、所定の方向に移動しており、第2印刷層の印刷を開始するためには、記録媒体を上記印刷開始位置に再びセットしなくてはならなかった。このとき、第1印刷層の印刷によって移動した記録媒体の距離が長い程、第1印刷層の印刷をする際にセットした記録媒体の位置と、第2印刷層の印刷をする際にセットした記録媒体の位置とにズレが生じるおそれがあった。その結果、第1印刷層と第2印刷層との間に印刷のズレが生じるおそれがあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、重ね印刷を行う際、上層と下層との印刷のズレを抑制することが可能なインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、載置部と、第1インクヘッドと、第2インクヘッドと、第1移動機構と、第2移動機構と、制御装置とを備えている。前記載置部には記録媒体が載置される。前記第1インクヘッドは、前記載置部に向かって第1のインクを吐出する複数の第1ノズルを有する。前記第2インクヘッドは、前記載置部に向かって第2のインクを吐出する複数の第2ノズルを有する。前記第1移動機構は、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記載置部に対して相対的に主走査方向に移動させる。前記第2移動機構は、前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に副走査方向に移動させる。前記制御装置は、前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記第1移動機構および前記第2移動機構に通信可能に接続され、前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記第1移動機構および前記第2移動機構を制御する。前記制御装置は、第1印刷制御部と、第1移動制御部と、第2印刷制御部と、第2移動制御部とを備えている。前記第1印刷制御部は、前記第1インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御すると共に、前記第1インクヘッドから前記第1のインクを吐出させる。前記第1移動制御部は、前記第1印刷制御部によって前記第1のインクが吐出された後、前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に、前記副走査方向の一方から他方に向かう方向である第1方向に所定の第1の距離、移動させる。前記第2印刷制御部は、前記第1移動制御部によって前記載置部に載置された前記記録媒体が前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第1方向に移動した後、前記第2インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御すると共に、前記第2インクヘッドから前記第2のインクを吐出させる。前記第2移動制御部は、前記第2印刷制御部によって前記第2のインクが吐出された後、前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に、前記第1方向と反対の方向である第2方向に所定の第2の距離、移動させる。前記第1印刷制御部は、前記第2移動制御部によって前記載置部に載置された前記記録媒体が前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第2方向に移動した後、前記第1インクヘッドから前記第1のインクを吐出させる。前記複数の第1ノズルの列を第1ノズル列とし、前記複数の第2ノズルの列を第2ノズル列としたとき、前記第1の距離は、前記第2ノズル列の前記副走査方向の長さ以下である。前記第2の距離は、前記第1ノズル列の前記副走査方向の長さ以下である。
なお、前記インクジェットプリンタにおいて、「第1ノズル列の副走査方向の長さ」とは、第1ノズル列の複数の第1ノズルにおいて、副走査方向の最も一方側に位置する第1ノズルの一方側の端から、副走査方向の最も他方側に位置する第1ノズルの他方側の端までにおける副走査方向の長さのことである。「第2ノズル列の副走査方向の長さ」とは、第2ノズル列の複数の第2ノズルにおいて、副走査方向の最も一方側に位置する第2ノズルの一方側の端から、副走査方向の最も他方側に位置する第2ノズルの他方側の端までにおける副走査方向の長さのことである。
前記インクジェットプリンタによれば、第1印刷制御部による第1のインクの印刷が行われた後、載置部に載置された記録媒体を第1インクヘッドおよび第2インクヘッドに対して相対的に第1方向に第1の距離、移動させる。その後、第2印刷制御部による第2のインクの印刷が行われる。そして、第2のインクの印刷が行われた後、載置部に載置された記録媒体を第1インクヘッドおよび第2インクヘッドに対して相対的に第2方向に第2の距離、移動させる。その後、第1印刷制御部による第1のインクの印刷が行われる。このように、本発明では、第1のインクによる印刷と、第2のインクによる印刷とは交互に行われる。第1のインクの印刷と第2のインクの印刷との間において、記録媒体は、第1の距離または第2の距離、移動する。この第1の距離は、第2ノズル列の副走査方向の長さ以下であり、第2の距離は、第1ノズル列の副走査方向の長さ以下である。よって、第1のインクの印刷と第2のインクの印刷との間において、記録媒体が移動する距離は、従来技術に比べて短い。したがって、第1のインクの印刷と第2のインクの印刷との間において、記録媒体が移動する距離が長いことによって生じる印刷のズレを抑制することができる。
本発明によれば、重ね印刷を行う際、上層と下層との印刷のズレを抑制することが可能なインクジェットプリンタを提供することができる。
実施形態に係るプリンタを示す正面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 キャリッジの記録媒体と対向する側の面の構成を示す模式図である。 ヘッドと、グリッドローラおよびピンチローラとの位置関係を模式的に示した平面図である。 プリンタのブロック図である。 記録媒体の媒体印刷領域と第1インクヘッド(第2インクヘッド)との関係を示す模式図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。 プリンタによる重ね印刷の手順に関する説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」ともいう。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の正面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。以下の説明では、プリンタ100を正面から見たときに、プリンタ100から遠ざかる方を前方、プリンタ100に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ100を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは、前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。符号Zは、高さ方向、すなわち、上下方向を示している。また、本実施形態において、副走査方向Xのうち前方(例えば一方)から後方(例えば他方)に向かう方向を第1方向X1と称する。副走査方向Xのうち後方(他方)から前方(一方)に向かう方向を第2方向X2と称する。そして、副走査方向Xの後方側を上流側と称し、副走査方向Xの前方側を下流側と称する。また、主走査方向Yのうち左方(例えば一方)から右方(例えば他方)に向かう方向を行き方向Y1と称する。主走査方向Yのうち右方(他方)から左方(一方)に向かう方向を帰り方向Y2と称する。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ100の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
図1に示すように、プリンタ100は、インクジェット式のプリンタである。本実施形態では、プリンタ100は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ100は業務用のプリンタである。プリンタ100は、ロール状の記録媒体5を順次前方(ここでは、副走査方向Xの下流側)に移動させると共に、主走査方向Yに移動するヘッド35からインクを吐出することによって、記録媒体5に画像を印刷する。記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。なお、記録媒体5の種類は特に限定されない。記録媒体5は、例えば普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類であってもよい。また、記録媒体5は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)またはポリエステルなどの樹脂製またはガラス製などの透明なシートであってもよいし、金属製またはゴム製などのシートであってもよい。
図1に示すように、プリンタ100は、本体10と、脚11と、操作パネル12と、を備えている。本体10は、主走査方向Yに延びたケーシングを有する。脚11は、本体10を支持するものであり、本体10の下面に設けられている。操作パネル12は、例えば本体10の右側の前面に設けられている。ただし、操作パネル12の位置は特に限定されない。操作パネル12は、ユーザが印刷に関する操作を行うものである。図示は省略するが、操作パネル12には、例えば、解像度、インクの濃さなどの印刷に関する情報や、印刷中のプリンタ100のステータスなどが表示される表示部、および、印刷に関する情報を入力するための入力部などが備えられている。
プリンタ100は、プラテン16を備えている。プラテン16は、記録媒体5への印刷の際、記録媒体5を支持するものである。プラテン16には、記録媒体5が載置される。記録媒体5への印刷は、プラテン16上で行われる。プラテン16は主走査方向Yに延びている。なお、本実施形態では、プラテン16は、本発明の「載置部」の一例である。
図2に示すように、副走査方向Xにおいて、プラテン16よりも上流側には、上流側ガイド17が配置されている。上流側ガイド17は、記録媒体5をプラテン16に案内するものである。ここでは、上流側ガイド17は、プラテン16よりも後方に配置されている。上流側ガイド17は、例えば横断面円弧状に形成されている。上流側ガイド17は、プラテン16から離れるほど下方に向かうように湾曲している。本実施形態では、プラテン16よりも下流側には、下流側ガイド18が配置されている。下流側ガイド18は、例えば、プラテン16に載置された記録媒体5を巻き取り装置(図示せず)に案内するものである。ここでは、下流側ガイド18は、プラテン16よりも前方に配置されている。下流側ガイド18は、横断面円弧状に形成されている。下流側ガイド18は、プラテン16から離れるほど下方に向かうように湾曲している。
図1に示すように、プリンタ100は、第1移動機構31と、第2移動機構32とを備えいている。第1移動機構31は、プラテン16に載置された記録媒体5に対してヘッド35を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。本実施形態では、第1移動機構31は、ヘッド35を主走査方向Yに移動させることで、プラテン16に載置された記録媒体5に対してヘッド35を相対的に主走査方向Yに移動させている。ここでは、第1移動機構31は、ヘッド35を主走査方向Yの行き方向Y1および帰り方向Y2に移動させることで、ヘッド35を主走査方向Yに往復移動させる。なお、第1移動機構31の構成は特に限定されない。本実施形態では、第1移動機構31は、ガイドレール20と、プーリ21と、プーリ22と、無端状のベルト23と、第1駆動モータ24と、キャリッジ30と、を有している。ガイドレール20は、キャリッジ30の主走査方向Yへの移動をガイドするものである。ガイドレール20は、プラテン16の上方に配置されている。ガイドレール20は、主走査方向Yに延びている。プーリ21は、ガイドレール20の左端部分に設けられている。プーリ22は、ガイドレール20の右端部分に設けられている。ベルト23は、プーリ21とプーリ22とに巻き掛けられている。本実施形態では、右側のプーリ22には、第1駆動モータ24が接続されている。この場合、右側のプーリ22が駆動プーリであり、左側のプーリ21が従動プーリである。ただし、第1駆動モータ24は、左側のプーリ21に接続されていてもよい。本実施形態では、第1駆動モータ24が駆動して、プーリ21が回転することで、プーリ21とプーリ22との間においてベルト23が走行する。
キャリッジ30は、ベルト23に取り付けられている。図2に示すように、キャリッジ30は、ガイドレール20に係合しており、ガイドレール20に摺動自在に設けられている。キャリッジ30には、ヘッド35が搭載されている。本実施形態では、第1移動機構31は、第1駆動モータ24の駆動によってベルト23が走行して、キャリッジ30が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ30に搭載されたヘッド35を主走査方向Yに移動させる。
第2移動機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5をヘッド35に対して相対的に副走査方向Xに移動させるものである。ここでは、第2移動機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第1方向X1および第2方向X2に移動させる。なお、第2移動機構32の構成は特に限定されない。本実施形態では、第2移動機構32は、グリッドローラ25と、ピンチローラ26と、第2駆動モータ27(図5参照)とを有している。グリッドローラ25は、プラテン16に設けられている。ここでは、グリッドローラ25の少なくとも一部はプラテン16に埋設されている。ピンチローラ26は、記録媒体5を上から押さえつけるものである。ピンチローラ26は、プラテン16の上方であって、グリッドローラ25の上方に配置されている。ピンチローラ26は、グリッドローラ25と上下方向Zに対向する位置に設けられている。ピンチローラ26は、上下方向Zに移動可能に構成されている。なお、グリッドローラ25およびピンチローラ26のそれぞれの設置位置および数は特に限定されない。本実施形態では、図1に示すように、グリッドローラ25およびピンチローラ26は、プラテン16の左端部および右端部にそれぞれ配置されている。
本実施形態では、図5に示すように、第2駆動モータ27は、グリッドローラ25に接続されている。グリッドローラ25とピンチローラ26との間に記録媒体5が挟まれた状態で、第2駆動モータ27が駆動してグリッドローラ25が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
図3は、キャリッジ30の記録媒体5と対向する側の面(本実施形態では下面)の構成を示す模式図である。図3に示すように、プリンタ100はヘッド35を備えている。ヘッド35は、キャリッジ30に搭載されており、キャリッジ30の下面に保持されている。図2に示すように、ヘッド35は、プラテン16よりも上方に配置され、キャリッジ30を介してガイドレール20にスライド自在に係合している。ヘッド35は、第1移動機構31(図1参照)によってガイドレール20に沿って主走査方向Yに移動する。図3に示すように、本実施形態では、ヘッド35は、第1インクヘッド40と、第2インクヘッド50とを備えている。第1インクヘッド40は、インクを吐出するための1つのヘッド部40Wを備えている。第2インクヘッド50は、インクを吐出するための複数のヘッド部50C、50M、50Y、50K、50Lk、50Lc、および50Lmを備えている。以下の説明において、ヘッド部50C、50M、50Y、50K、50Lk、50Lc、および50Lmのことを、ヘッド部50C〜50Lmと適宜略して記載する。キャリッジ30において、ヘッド部40Wと、ヘッド部50C〜50Lmとは主走査方向Yに並んで配置されている。
本実施形態では、第1インクヘッド40は、カラー画像の色調や意匠性に変化を与えるための、所謂、特色インクを吐出する。本実施形態において、特色インクは「第1のインク」の一例である。ここでは、第1インクヘッド40を構成するヘッド部40Wは、ホワイトインクを吐出する。ただし、特色インクの色調は、白に限定されない。特色インクは、プロセスカラーインク以外のインク、例えば、シルバーインクやゴールドインクなどのメタリックインク、透明インクなどであってもよい。本実施形態では、第1インクヘッド40を構成するヘッド部の数は1つであるが、これに限定されない。例えば、第1インクヘッド40を構成するヘッド部の数は、例えば2つ以上であってもよい。
図3に示すように、ヘッド部40Wは、副走査方向Xに並んだ複数のノズルである第1ノズル41を有している。本実施形態において、第1インクヘッド40のヘッド部40Wでは、複数の第1ノズル41が副走査方向Xに1列に並んで第1ノズル列42を構成している。ただし、第1ノズル41の配置位置は特に限定されない。例えば、複数の第1ノズル41は、千鳥状に配置されていてもよい。
第2インクヘッド50を構成する各ヘッド部50C〜50Lmは、それぞれカラー画像を形成するための画像形成用インクを吐出する。画像形成用インクとは、例えばプロセスカラーインクである。本実施形態において、画像形成用インクは「第2のインク」の一例である。ここでは、ヘッド部50Cは、シアンインクを吐出する。ヘッド部50Mは、マゼンタインクを吐出する。ヘッド部50Yは、イエローインクを吐出する。ヘッド部50Kは、ブラックインクを吐出する。ヘッド部50Lkは、グレーインクを吐出する。ヘッド部50Lcは、ライトシアンインクを吐出する。ヘッド部50Lmは、ライトマゼンタインクを吐出する。本実施形態では、第2インクヘッド50を構成するヘッド部の数は、7つである。しかしながら、第2インクヘッド50を構成するヘッド部の数は特に限定されない。また、画像形成用インクの色調は何ら限定されない。
図3に示すように、第2インクヘッド50複数のヘッド部50C、50M、50Y、50K、50Lk、50Lcおよび50Lmは、それぞれ副走査方向Xに並んだ複数のノズルである第2ノズル51を有している。本実施形態において、各ヘッド部50C、50M、50Y、50K、50Lk、50Lcおよび50Lmでは、複数の第2ノズル51が副走査方向Xに1列に並んで第2ノズル列52を構成している。ただし、第2ノズル51の配置位置は特に限定されない。例えば、各ヘッド部50C〜50Lmでは、複数の第2ノズル51が千鳥状に配置されていていもよい。
本実施形態では、第1インクヘッド40のヘッド部40Wの第1ノズル41と、第2インクヘッド50の各ヘッド部50C〜50Lmのそれぞれの第2ノズル51は、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。第1インクヘッド40の第1ノズル列42を構成する複数の第1ノズル41のうち前端に位置する第1ノズル41と、第2インクヘッド50の各ヘッド部50C〜50Lmの第2ノズル列52を構成する複数の第2ノズル51のうち前端に位置する第2ノズル51と、における副走査方向Xの位置は同じである。また、第1ノズル列42を構成する複数の第1ノズル41のうち後端に位置する第1ノズル41と、各第2ノズル列52を構成する複数のノズル51のうち後端に位置する第2ノズル51と、における副走査方向Xの位置は同じである。
なお、図3において、ヘッド部40Wおよびヘッド部50C〜50Lmには、それぞれ12個のノズル41、51が図示されているが、実際にはさらに多数(例えば300個)のノズル41、51が形成されている。ただし、ノズル41、51の個数は何ら限定されるわけではない。
図4は、ヘッド35と、グリッドローラ25およびピンチローラ26との位置関係を模式的に示した平面図である。図4に示すように、グリッドローラ25およびピンチローラ26は、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50よりも副走査方向Xの第1方向X1側に配置されている。本実施形態では、グリッドローラ25およびピンチローラ26は、キャリッジ30、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50よりも後方に配置されている。ここでは、グリッドローラ25およびピンチローラ26の第1インクヘッド40側のそれぞれの端(本実施形態では前端)と、第1インクヘッド40の第1ノズル列42のグリッドローラ25側の端(本実施形態では後端)に位置する第1ノズル41との距離L11は、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21よりも長い。本実施形態では、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21と、各第2インクヘッド50の第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22は同じである。よって、上記距離L11は、第2インクヘッド50の各第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22よりも長い。
なお、本実施形態では、「ノズル列の副走査方向の長さ」とは、ノズル列を構成する複数のノズルにおいて、最も前に位置するノズルの前端から、最も後ろに位置するノズルの後端までにおける副走査方向Xの長さのことをいう。例えば、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21とは、第1ノズル列42の複数の第1ノズル41において、最も前に位置する第1ノズル41の前端と、最も後ろに位置する第1ノズル41の後端とにおける副走査方向Xの長さのことである。同様に、第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22とは、1つの第2ノズル列52を構成する複数の第2ノズル51において、最も前に位置する第2ノズル51の前端と、最も後ろに位置する第2ノズル51の後端とにおける副走査方向Xの長さのことである。
なお、本実施形態では、第1インクヘッド40のヘッド部40W、および、第2インクヘッド50の各ヘッド部50C〜50Lmは、それぞれ図示しないインク供給路によって、図示しないインクカートリッジと連通されている。インクカートリッジは、例えば本体10の右端部に着脱可能に配置されている。なお、インクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。上記インクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インクや水性顔料インクであってもよいし、水性染料インク、あるいは、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インクなどであってもよい。
図5は、プリンタ100のブロック図である。図5に示すように、プリンタ100は、制御装置60を備えている。制御装置60は、記録媒体5への印刷を制御する装置である。制御装置60の構成は特に限定されない。制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。制御装置60は、プリンタ100の本体10の内部に設けられている。本実施形態では、図1に示すように、制御装置60は、操作パネル12の内部に設けられている。ただし、制御装置60は必ずしも本体10の内部に設けられている必要はなく、例えば、本体10の外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置60は、有線または無線を介して本体10と通信可能に接続されている。
図5に示すように、本実施形態では、制御装置60は、操作パネル12と、第1移動機構31の第1駆動モータ24と、第2移動機構32の第2駆動モータ27と、第1インクヘッド40と、第2インクヘッド50と通信可能に接続している。制御装置60は、操作パネル12、第1駆動モータ24、第2駆動モータ27、第1インクヘッド40、および、第2インクヘッド50を制御する。制御装置60は、第1移動機構31の第1駆動モータ24の駆動を制御することで、プーリ22の回転、および、ベルト23(図1参照)の走行を制御する。このことで、制御装置60は、ヘッド35(詳しくは、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50)における主走査方向Yへの移動を制御する。制御装置60は、第2移動機構32の第2駆動モータ27の駆動を制御してグリッドローラ25の回転を制御することで、プラテン16に載置された記録媒体5における副走査方向Xへの移動を制御する。制御装置60は、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50がインクを吐出するタイミングなどを制御する。
本実施形態では、制御装置60は、記憶部61と、第1印刷制御部62と、第1移動制御部63と、第2印刷制御部64と、第2移動制御部65と、第1単層印刷制御部66aと、第2単層印刷制御部66bと、単層移動制御部67と、を備えている。上記各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。例えば、上記各部は、プロセッサによって行われるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。なお、各部の詳しい制御については後述する。
ところで、本実施形態に係るプリンタ100では、所謂、重ね印刷をすることが可能である。ここで、「重ね印刷」とは、例えば、記録媒体5上に下層の画像を形成し、下層の画像の上に上層の画像を形成するような印刷のことをいう。本実施形態では、下層の印刷の層ことを第1印刷層と称し、上層の印刷の層のことを第2印刷層と称する。なお、本実施形態に係るプリンタ100は、記録媒体5上に一層の画像を形成する、所謂、単層印刷をすることも可能である。
図6は、記録媒体5の媒体印刷領域70と、インクヘッド40、50との関係を示す模式図である。本実施形態では、制御装置60の記憶部61には、印刷の対象となる印刷画像が予め記憶されている。ここでは、印刷画像には、インクが吐出される印刷領域である画像側印刷領域が設定されている。そして、図6に示すように、この画像側印刷領域に対応した記録媒体5の領域のことを媒体印刷領域70という。ここでは、媒体印刷領域70にインクを吐出させることで、印刷画像を記録媒体5に印刷することができる。
本実施形態では、媒体印刷領域70は、副走査方向Xに複数の単走査印刷領域71〜78に分割される。単走査印刷領域71〜78毎に印刷が行われる。この単走査印刷領域71〜78は、主走査方向Yに延びた領域である。この単走査印刷領域71〜78において、1層の画像の印刷は、複数の単走査印刷によって完成される。ここで、「単走査印刷」とは、ヘッド35が行き方向Y1および帰り方向Y2の何れかの方向に1回移動する間に行われる印刷のことをいう。言い換えると、「単走査印刷」とは、ヘッド35が主走査方向Yに1走査する間に行われる印刷のことである。1回の単走査印刷では、ヘッド35が主走査方向Yの行き方向Y1および帰り方向Y2の何れかの方向に1回移動する間に、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50のうちの何れかのインクヘッドからインクが吐出される。本実施形態では、各単走査印刷領域71〜78において、1層(第1印刷層および第2印刷層の何れかの層)の画像の印刷を完成させるためには、複数の単走査印刷が行われる。各単走査印刷領域71〜78において、1層の画像の印刷を完成させるために行われる単走査印刷の回数は特に限定されない。本実施形態では、4回の単走査印刷によって、単走査印刷領域71〜78の1層の画像の印刷が完成するものとする。
また、本実施形態では、複数の隣り合う単走査印刷領域71〜78に対して同時に単走査印刷を行うことが可能である。同時に単走査印刷を行うことが可能な単走査印刷領域71〜78の数は、各単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31と、第1インクヘッド40の第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21(図4参照)、および、第2インクヘッド50の第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22(図4参照)との関係によって適宜決定されるものである。本実施形態では、図3に示すように、第1インクヘッド40の第1ノズル列42は、等間隔に4つの第1分割ノズル列42a〜42dに分割されるものとする。同様に、第2インクヘッド50の各第2ノズル列52は、等間隔に4つの第2分割ノズル列52a〜52dに分割されるものとする。本実施形態では、第1分割ノズル列42a〜42dにおけるそれぞれの第1ノズル41の数は、3個であり、第2分割ノズル列52a〜52dにおけるそれぞれの第2ノズル51の数は、3個である。図6に示すように、第1分割ノズル列42a〜42dおよび第2分割ノズル列52a〜52dのそれぞれによって、単走査印刷領域71〜78に対する印刷が行われる。本実施形態では、第1分割ノズル列42a〜42dおよび第2分割ノズル列52a〜52dのそれぞれの副走査方向Xの長さL41は、各ノズル列42、52の副走査方向Xの長さL21、L22(図4参照)の1/4である。ここで、1つの単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31は、第1分割ノズル列42a〜42dおよび第2分割ノズル列52a〜52dのそれぞれの副走査方向Xの長さL41と同じである。そのため、本実施形態では、単走査印刷領域71〜78のうち連続して隣り合う4つの単走査印刷領域に対して同時に単走査印刷を行うことが可能である。なお、本実施形態では、単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31は、本発明の「所定の長さ」に対応している。また、本発明の「所定の数」は、本実施形態では、第1分割ノズル列42a〜42dの数である4である。
なお、本実施形態では、第1ノズル列42を4つの第1分割ノズル列42a〜42dに分割した場合、例えば、第1ノズル41が、隣り合う第1分割ノズル列42a〜42dの境界線上に位置することがあり得る。例えば、第1ノズル41が第1分割ノズル列42aと第1分割ノズル列42bとの境界線上に位置することがあり得る。このように、境界線上に位置する第1ノズル41は、その境界線上を境に隣り合う第1分割ノズル列42a、42bの何れか一方の第1分割ノズル列42a、42bに属するように構成されていてもよいし、両方の第1分割ノズル列42a、42bに属するように構成されていてもよい。なお、境界線上に位置する第1ノズル41を、何れか一方の第1分割ノズル列42a、42bに属するようにする場合、例えば、各第1分割ノズル列42a、42bに対応した領域における第1ノズル41の表面積をそれぞれ算出し、その表面積が大きい方の第1分割ノズル列42a、42bに、境界線上の第1ノズル41が属するようにしてもよい。また、第2ノズル列52に関しても同様に、隣り合う第2分割ノズル列52a〜52dの境界線上に第2ノズル52が位置している場合があり得る。この場合、その境界線上に位置する第2ノズル52は、その境界線上を境に隣り合う第2分割ノズル列52a〜52dの何れか一方に属するように構成されていてもよいし、両方の第2分割ノズル列52a〜52dに属するように構成されていてもよい。
本実施形態では、重ね印刷を行う際、下層である第1印刷層の画像の印刷と、上層である第2印刷層の画像の印刷とが交互に行われる。図7〜図15は、プリンタ100による重ね印刷の手順に関する説明図である。図7〜図15は、記録媒体5およびヘッド35を左側面から見た模式図である。なお、図7〜図15において、第1印刷層81および第2印刷層82内に記載されている数字は、各単走査印刷領域71〜78の単走査印刷の回数を示している。次に、本実施形態に係るプリンタ100が重ね印刷を行う手順について図7〜図15を用いて説明する。以下の説明では、図6に示すように、媒体印刷領域70が8つの単走査印刷領域71〜78に分割されているものとする。ここでは、第1印刷層の印刷では、特色インクであるホワイトインクが吐出される。第2印刷層の印刷では、画像形成用インクであるプロセスカラーインクが吐出される。すなわち、記録媒体5の上に、ホワイトインクによる第1印刷層が形成され、第1印刷層の上に、プロセスカラーインクによる第2印刷層が形成される。
本実施形態では、第1単走査印刷領域71〜第8単走査印刷領域78の順に第1印刷層の印刷、および、第2印刷層の印刷が行われる。ここでは、第1単走査印刷領域71の第1印刷層の印刷が完了するまでは、第1印刷層の印刷のみが行われ、第2印刷層の印刷は行われない。そして、第1単走査印刷領域71の第1印刷層の印刷が完了した後、第1印刷層の印刷と、第2印刷層の印刷が交互に行われる。全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層の印刷が完了した後は、第2印刷層の印刷のみが行われる。
本実施形態では、第1単層印刷制御部66aおよび単層移動制御部67によって、第1印刷層のみの印刷が行われる。なお、ここでは、印刷開始前において、ヘッド35は、ガイドレール20の右端部に設けられたホームポジション(図示せず)で待機しているものとする。このホームポジションは、印刷待機中に、ヘッド35が待機する位置のことである。ここでは、まず、第1単層印刷制御部66aは、図7に示すように、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷を行う。ここでは、第1単層印刷制御部66aは、ヘッド35を主走査方向Yの行き方向Y1(図1参照)に移動させるように第1移動機構31を制御する。そして、記録媒体5の第1単走査印刷領域71上を第1インクヘッド40が通過する際、第1単層印刷制御部66aは、第1ノズル列42の第1の1分割ノズル列42aからホワイトインクを第1単走査印刷領域71に向かって吐出させる。このことで、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の1回目の単走査印刷が行われる。なお、この単走査印刷が行われた後、ヘッド35は、プラテン16に載置された記録媒体5よりも左方に位置している。
このように、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の1回目の単走査印刷が行われた後、単層移動制御部67は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2へ、すなわち、前方へ単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31(図6参照)分、移動させるように第2移動機構32を制御する。このことによって、ヘッド35と、記録媒体5の媒体印刷領域70との位置関係は、図8のようになる。
そして、次に、第1単層印刷制御部66aは、図8に示すように、第1単走査印刷領域71および第2単走査印刷領域72のそれぞれの第1印刷層81の単走査印刷が行われる。ここでは、第1単層印刷制御部66aは、ヘッド35を主走査方向Yの帰り方向Y2(図1参照)に移動させるように第1移動機構31を制御する。そして、記録媒体5上をヘッド35が通過する際、第1単層印刷制御部66aは、第1の2分割ノズル列42bの第1ノズル41からホワイトインクを第1単走査印刷領域71に向かって吐出させると共に、第1の1分割ノズル列42aの第1ノズル41からホワイトインクを第2単走査印刷領域72に向かって吐出させる。このようにして、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の2回目の単走査印刷、および、第2単走査印刷領域72の第1印刷層の1回目の単走査印刷が同時に行われる。
次に、単層移動制御部67は、図示は省略するが、プラテン16に載置された記録媒体5を第2方向X2へ、単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31(図6参照)分、移動させる。その後、ヘッド35が行き方向Y1に移動している間に、第1〜第3単走査印刷領域71〜73の第1印刷層81の印刷が行われ、プラテン16に載置された記録媒体5が第2方向X2に長さL41分移動した後、図9に示すように、第1〜第4単走査印刷領域71〜74の第1印刷層81の印刷が行われる。このとき、第1単走査印刷領域71では、4回目の単走査印刷が行われたため、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了する。このように、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了するまでは、ヘッド35が行き方向Y1および帰り方向Y2の両方向に移動している際にインクが吐出される印刷、所謂、双方向印刷が行われる。しかしながら、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了するまでは、ヘッド35が行き方向Y1および帰り方向Y2のうちの一方向に移動しているときのみにインクが吐出される印刷、所謂、単方向印刷が行われてもよい。
このように、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了した後、第1印刷層81の印刷と、第2印刷層82の印刷とが交互に行われる。第1印刷層81と第2印刷層82との交互の印刷は、第1印刷制御部62、第1移動制御部63、第2印刷制御部64、および、第2移動制御部65によって行われる。
本実施形態では、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了した後では、第1単走査印刷領域71の右方かつ上方に第1の4分割ノズル列42dが位置するように、ヘッド35は配置されている。このような状態において、第1移動制御部63は、ヘッド35が主走査方向Yに移動しているとき、第2インクヘッド50の第2の1分割ノズル列52aの第2ノズル51が第1単走査印刷領域71の上方を通過するような位置に、記録媒体5が配置されるように、第2移動機構32を制御する。ここでは、第1移動制御部63は、プラテン16に載置された記録媒体5を第1方向X1、すなわち、後方に所定の第1の距離L51(図6参照)移動させるように第2移動機構32を制御する。図6に示すように、この第1の距離L51は、第1インクヘッド40の第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21以下である。また、第1の距離L51は、第2インクヘッド50の第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22以下である。本実施形態では、第1の距離L51は、第1インクヘッド40の第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21と、分割ノズル列42a〜42dの副走査方向Xの長さL41との差の距離である。換言すると、第1の距離L51は、第2インクヘッド50の第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22と、分割ノズル列52a〜52dの副走査方向Xの長さL41との差の距離である。第1の距離L51は、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21の3/4の距離であり、第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22の3/4の距離である。本実施形態では、第1の距離L51は、グリッドローラ25の第1インクヘッド40側の端(ここでは前端)と、第1ノズル列42のグリッドローラ25側の端(ここでは後端)との間の副走査方向Xの距離L11(図4参照)よりも短い。また、第1の距離L51は、ピンチローラ26の前端と、第1ノズル列42の後端との間の副走査方向Xの距離L11よりも短い。なお、この第1の距離L51は、記憶部61に予め記憶されている。このように、プラテン16に載置された記録媒体5を第1方向X1に第1の距離L51移動させることで、ヘッド35と記録媒体5の媒体印刷領域70との位置関係は、図10のようになる。
図10に示すように、記録媒体5を第1方向X1に第1の距離L51移動させた後、第2印刷制御部64は、第1単走査印刷領域71の第2印刷層82の印刷を行う。ここでは、第2印刷制御部64は、ヘッド35をプラテン16に対して主走査方向Yの行き方向X1(図1参照)に移動させるように、第1移動機構31を制御する。そして、記録媒体5の第1単走査印刷領域71上を第2インクヘッド50が通過する際、第2印刷制御部64は、第2インクヘッド50の第2ノズル列52の第2の1分割ノズル列52aからプロセスカラーインクを第1単走査印刷領域71に向かって吐出させる。このようにして、第1単走査印刷領域71の第2印刷層82の1回目の単走査印刷が行われる。
このように、第1単走査印刷領域71の第2印刷層82の1回目の単走査印刷が行われた後、ヘッド35は、プラテン16に載置された記録媒体5の左方に位置している。その後、第2移動制御部65は、ヘッド35が主走査方向Yに移動しているとき、第1の4分割ノズル列42dの第1ノズル41が第2単走査印刷領域72の上方を通過するような位置に記録媒体5が配置されるように、第2移動機構32を制御する。ここでは、第2移動制御部65は、プラテン16に載置されている記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2、すなわち、前方に所定の第2の距離L52(図6参照)移動させるように第2移動機構32を制御する。図6に示すように、この第2の距離L52は、第1インクヘッド40の第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21以下である。また、第2の距離L52は、第2インクヘッド50の第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22以下である。本実施形態では、第2の距離L52は、第1インクヘッド40の第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21と同じであり、かつ、第2インクヘッド50の各第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22と同じである。そのため、第2の距離L52は、第1の距離L51よりも長い。第2の距離L52は、グリッドローラ25の第1インクヘッド40側の端(ここでは前端)と、第1ノズル列42のグリッドローラ25側の端(ここでは後端)との間の副走査方向Xの距離L11(図4参照)よりも短い。また、第2の距離L52は、ピンチローラ26の前端と、第1ノズル列42の後端との間の副走査方向Xの距離L11よりも短い。なお、この第2の距離L52は、記憶部61に予め記憶されている。このように、プラテン16に載置された記録媒体5を第2方向X2に第2の距離L52移動させることで、ヘッド35と記録媒体5の媒体印刷領域70との位置関係は、図11のようになる。
記録媒体5を第2方向X2に第2の距離L52移動させた後、図11に示すように、第1印刷制御部62は、第2〜第5単走査印刷領域72〜75における第1印刷層81の印刷が行われる。ここでは、第1印刷制御部62は、ヘッド35をプラテン16に対して主走査方向Yの帰り方向Y2(図1参照)に移動させるように、第1移動機構31を制御する。そして、第2〜5単走査印刷領域72〜75上を第1インクヘッド40が通過する際、第1印刷制御部62は、第1ノズル列42の第1の4分割ノズル列42dの第1ノズル41からホワイトインクを第2単走査印刷領域72に向かって吐出させ、第1ノズル列42の第1の3分割ノズル列42cの第1ノズル41からホワイトインクを第3単走査印刷領域73に向かって吐出させる。同時に、第1印刷制御部62は、第1ノズル列42の第1の2分割ノズル列42bの第1ノズル41からホワイトインクを第4単走査印刷領域74に向かって吐出させ、第1ノズル列42の第1の1分割ノズル列42aの第1ノズル41からホワイトインクを第5単走査印刷領域75に向かって吐出させる。この単走査印刷によって、第2単走査印刷領域72の第1印刷層81の印刷が完了する。
その後、第1移動制御部63によって、プラテン16に載置された記録媒体5が第1方向X1に第1の距離L51(図6参照)移動された後、第2印刷制御部64は、図12に示すように、第1および第2単走査印刷領域71、72における第2印刷層82の印刷を行う。ここでは、第1単走査印刷領域71の第2印刷層82の2回目の単走査印刷、および、第2単走査印刷領域72の第2印刷層82の1回目の単走査印刷が行われる。その後、第2移動制御部65によって、プラテン16に載置された記録媒体5が第2方向X2に第2の距離L52(図6参照)移動された後、第1印刷制御部62は、第3〜第6単走査印刷領域73〜76における第1印刷層81の印刷が行われる。このように、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了した後では、第1印刷層81の印刷は、ヘッド35が主走査方向Yの帰り方向Y2に移動している際に行われ、第2印刷層82の印刷は、ヘッド35が主走査方向Yの行き方向Y1に移動している際に行われる。
なお、本実施形態では、図13に示すように、第8単走査印刷領域78の第1印刷層81の印刷が完了、すなわち、全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層81の印刷が完了した後、第2印刷層82の印刷のみが行われる。例えば、第1印刷制御部62によって、ヘッド35が帰り方向Y2に移動している際に、第8単走査印刷領域78の第1印刷層81の4回目の単走査印刷が行われ、全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層81の印刷が完了したとする。このとき、第1移動制御部63は、図14に示すように、ヘッド35が主走査方向Yに移動しているとき、第2インクヘッド50の第2の1分割ノズル列52aの第2ノズル51が第8単走査印刷領域78の上方を通過するような位置に記録媒体5が配置されるように、第2移動機構32を制御する。すなわち、第1移動制御部63は、プラテン16に載置された記録媒体5を第1方向X1に第1の距離L51(図6参照)、移動させる。このように、プラテン16に載置された記録媒体5を第1方向X1に第1の距離L51移動させることで、ヘッド35と記録媒体5の媒体印刷領域70との位置関係は、図14のようになる。
その後の第2印刷層82の印刷は、第2単層印刷制御部66bおよび単層移動制御部67によって行われる。ここでは、まず、第2単層印刷制御部66bは、第5〜第8単走査印刷領域75〜78の第2印刷層82の印刷を行う。具体的には、第2単層印刷制御部66bは、ヘッド35を行き方向Y1に移動させる。そして、第5〜第8単走査印刷領域75〜78上を第2インクヘッド50が通過する際、第2単層印刷制御部66bは、第2ノズル列52の第2の4分割ノズル列52dの第2ノズル51からプロセスカラーインクを第5単走査印刷領域75に向かって吐出させ、第2ノズル列52の第2の3分割ノズル列52cの第2ノズル51からプロセスカラーインクを第6単走査印刷領域76に向かって吐出させる。同時に、第2単層印刷制御部66bは、第2ノズル列52の第2の2分割ノズル列52bの第2ノズル51からプロセスカラーインクを第7単走査印刷領域77に向かって吐出させ、第2ノズル列52の第2の1分割ノズル列52aの第2ノズル51からプロセスカラーインクを第8単走査印刷領域78に向かって吐出させる。
第2単層印刷制御部66bによる第5〜第8単走査印刷領域75〜78の第2印刷層82の単走査印刷が行われた後、単層移動制御部67は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2へ、単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31(図6参照)分、移動させるように第2移動機構32を制御する。このことで、ヘッド35と記録媒体5の媒体印刷領域70との位置関係は、図15のようになる。そして、次に、図15に示すように、第2単層印刷制御部66bは、ヘッド35を帰り方向Y2に移動させながら、第6〜第8単走査印刷領域76〜78のそれぞれの第2印刷層82の単走査印刷を行う。その後、単層移動制御部67によって、記録媒体5が第2方向X2へ長さL31分、移動された後、ヘッド35が行き方向Y1に移動しながら、第7および第8単走査印刷領域77、78の第2印刷層82の単走査印刷が行われる。次いで、記録媒体5が第2方向X2へ長さL31分、さらに移動された後、ヘッド35が帰り方向Y2に移動しながら、第8単走査印刷領域78の第2印刷層82の4回目の単走査印刷が行われることで、第2印刷層82の印刷が完了する。このように、第1印刷層81の印刷が完了した後の第2印刷層82の印刷は、ヘッド35が行き方向Y1へ移動しているとき、および、ヘッド35が帰り方向Y2に移動しているときに行われる。すなわち、第1印刷層81の印刷が完了した後の第2印刷層82の印刷は、双方向印刷で行われる。
以上、本実施形態では、第1印刷制御部62による第1印刷層81の単走査印刷が行われた後、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第1方向X1に第1の距離L51(図6参照)、移動させる。その後、第2印刷制御部64による第2印刷層82の単走査印刷が行われる。そして、第2印刷層82の単走査印刷が行われた後、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2に第2の距離L52(図6参照)、移動させる。その後、第1印刷制御部62による第1印刷層81の単走査印刷が行われる。このように、本実施形態では、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷は、交互に行われる。第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷との間において、記録媒体5は、図6に示すように、第1の距離L51または第2の距離L52、移動する。この第1の距離L51は、第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22以下であり、第2の距離L52は、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21以下である。よって、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷との間において、記録媒体5が移動する距離は、従来技術に比べて短い。したがって、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷との間において、記録媒体5が移動する距離が長いことによって生じる印刷のズレを抑制することができる。
本実施形態では、第1の距離L51は、第2ノズル列52の副走査方向Xの長さL22と第2分割ノズル列52a〜52dの副走査方向Xの長さL41との差である。第2の距離L52は、第1ノズル列42の副走査方向Xの長さL21と同じである。本実施形態では、第1の距離L51は、第2の距離L52よりも短い。このことによって、第1印刷層81の単走査印刷を、記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2に長さL41(言い換えると、単走査印刷領域71〜78の副走査方向Xの長さL31)分、ずらしながら順に行うことができる。同様に、第2印刷層82の単走査印刷を、記録媒体5を副走査方向Xの第2方向X2に長さL41(言い換えると、長さL31)分、ずらしながら順に行うことができる。
本実施形態では、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷とが交互に行われる場合、第1印刷制御部62は、ヘッド35(詳しくは、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50)を主走査方向Yの帰り方向Y2に移動させると共に、第1インクヘッド40から特色インクの一例であるホワイトインクを吐出させている。そして、第2印刷制御部64は、ヘッド35を主走査方向Yの行き方向Y1に移動させると共に、第2インクヘッド50から画像形成用インクの一例であるプロセスカラーインクを吐出させている。このように、本実施形態では、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷とが交互に行われる際、第1印刷層81の単走査印刷は、ヘッド35が同じ方向に移動する際に行われ、第2印刷層82の単走査印刷は、ヘッド35が同じ方向に移動する際に行われる。よって、記録媒体5におけるインクの着弾位置が主走査方向Yにズレ難くすることができる。したがって、第1印刷層81において印刷がズレることを抑制することができる。また、第2印刷層82において印刷がズレることを抑制することができる。
本実施形態では、記録媒体5は、図6に示すように、印刷対象である印刷画像の画像側印刷領域に対応した領域である媒体印刷領域70を有している。媒体印刷領域70は、複数の単走査印刷領域71〜78を有している。単走査印刷領域71〜78では、第1印刷制御部62によるホワイトインクの吐出が複数回(本実施形態では4回)行われることで、第1印刷層81の印刷が完了する。第2印刷制御部64は、第1印刷層81の印刷が完了した単走査印刷領域71〜78に対して、第2インクヘッド50から画像形成用インクを吐出させる。このように、第2印刷層82の単走査印刷は、第1印刷層81の印刷が完了した単走査印刷領域71〜78に対して行われるため、第2印刷層82の上に、第1印刷層81の少なくとも一部が形成されることを防止することができる。
本実施形態では、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了するまでは、第1印刷層81の印刷は、第1単層印刷制御部66aによって双方向印刷で行われる。また、全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層81の印刷が完了した後、第2印刷層82の印刷は、第2単層印刷制御部66bによって双方向印刷で行われる。このことによって、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了するまでの第1印刷層81の印刷が単方向印刷で行われる場合と比較して、印刷時間を短くすることができる。同様に、全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層81の印刷が完了した後の第2印刷層82の印刷が単方向印刷で行われる場合と比較して、印刷時間を短くすることができる。
本実施形態では、図4に示すように、平面視において、グリッドローラ25およびピンチローラ26は、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50よりも第1方向X1側(本実施形態では後方側)に配置されている。そして、グリッドローラ25の第1インクヘッド40側の端(本実施形態では前端)と、第1ノズル列42のグリッドローラ25側の端(ここでは後端)に位置する第1ノズル41との間の副走査方向Xの距離L11は、第1の距離L51(図6参照)よりも長い。また、ピンチローラ26の第1インクヘッド40側の端と、第1ノズル列42のピンチローラ26側の端(ここでは後端)に位置する第1ノズル41との間の副走査方向Xの距離L11は、第2の距離L52(図6参照)よりも長い。このことによって、第2印刷層82の単走査印刷が行われる直前に行われた第1印刷層81の単走査印刷でインクが吐出された単走査印刷領域71〜78は、記録媒体5が第1方向X1に第1の距離L51、移動した際、グリッドローラ25およびピンチローラ26に接触しない。したがって、第2印刷層82の単走査印刷が行われる直前に行われた第1印刷層81の単走査印刷でインクが吐出された単走査印刷領域71〜78に、ピンチローラ26の跡が付くことを抑制することができる。
本実施形態では、第1移動機構31は、図1に示すように、ガイドレール20と、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50が搭載されたキャリッジ30と、第1駆動モータ24とを備えている。第1インクヘッド40および第2インクヘッド50は、主走査方向Yに並んで配置されている。このことによって、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50は、1つのキャリッジ30に搭載されているため、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とが別々のキャリッジに搭載された場合と比較して、部品点数を削減することができる。また、本実施形態では、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とは、主走査方向Yに並んで配置されているため、ヘッド35が副走査方向Xに大型化することを抑制することができる。
本実施形態では、第1印刷層81を形成する第1のインクは特色インクであり、第2印刷層82を形成する第2のインクは画像形成用インクである。このことによって、記録媒体5の上に、特色インクによって形成された第1印刷層81、画像形成用インクによって形成された第2印刷層82が下方から順に積層されるような印刷物を作製する場合であっても、記録媒体5が移動する距離が長いことによって生じる印刷のズレを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、特色インクが第1のインクであり、画像形成用インクが第2のインクであった。しかしながら、他の実施形態として、画像形成用インクが第1のインクであり、特色インクが第2のインクであってもよい。この場合、特色インクは、例えば透明インクである。他の実施形態では、記録媒体5の上に、画像形成用インクによって形成された第1印刷層81が形成され、第1印刷層81の上に、特色インクによって形成された第2印刷層82が形成される。他の実施形態の場合、上記実施形態における第1インクヘッド40が第2インクヘッドとなり、第2インクヘッド50が第1インクヘッドとなる。
なお、他の実施形態に係るプリンタの重ね印刷の手順は、上記実施形態の重ね印刷の手順において、第1インクヘッド40に関する記載を第2インクヘッド50に読み替え、第2インクヘッド50に関する記載を第1インクヘッド40に読み替えれた手順となる。すなわち、第1単走査印刷領域71の第1印刷層81の印刷が完了するまでは、第1単層印刷制御部66aおよび単層移動制御部67によって画像形成用インクが吐出されることで、第1印刷層81の印刷のみが行われる。その後、第1印刷制御部62、第1移動制御部63、第2印刷制御部64、および、第2移動制御部65によって、画像形成用インクで形成される第1印刷層81の印刷と、特色インクで形成される第2印刷層82の印刷とが交互に行われる。そして、全ての単走査印刷領域71〜78の第1印刷層81の印刷が完了した後、第2単層印刷制御部66bおよび単層移動制御部67によって特色インクが吐出されることで、第2印刷層82の印刷のみが行われる。
上記実施形態では、第1印刷層81の単走査印刷と第2印刷層82の単走査印刷とが交互に行われる場合、第1印刷制御部62は、ヘッド35(詳しくは、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50)を主走査方向Yの帰り方向Y2に移動させると共に、第1インクヘッド40から特色インクの一例であるホワイトインクを吐出させていた。そして、第2印刷制御部64は、ヘッド35を主走査方向Yの行き方向Y1に移動させると共に、第2インクヘッド50から画像形成用インクの一例であるプロセスカラーインクを吐出させていた。しかしながら、第1印刷制御部62は、ヘッド35を主走査方向Yの行き方向Y1に移動させると共に、第1インクヘッド40からホワイトインクを吐出させてもよい。この場合、第2印刷制御部64は、ヘッド35を主走査方向Yの帰り方向Y2に移動させると共に、第2インクヘッド50からプロセスカラーインクを吐出させてもよい。
上記実施形態では、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とは、同じキャリッジ30に搭載されていた。しかしながら、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とは、それぞれ別々のキャリッジに搭載され、別々のモータによって主走査方向Yに移動可能なように構成されていてもよい。
上記実施形態では、キャリッジ30が主走査方向Yに移動し、プラテン16に載置された記録媒体5が副走査方向Xに移動するように構成されていたが、これには限定されない。キャリッジ30と記録媒体5との移動は相対的なものであり、そのどちらかが主走査方向Yまたは副走査方向Xに移動してもよい。例えば、記録媒体5は移動不能に配置され、キャリッジ30が主走査方向Yおよび副走査方向Xの両方向に移動可能なように構成されていてもよい。また、キャリッジ30および記録媒体5のいずれもが両方向に移動可能なように構成されていてもよい。
さらに、ここに開示される技術は様々なタイプのインクジェットプリンタに適用することができる。上記実施形態で示したロール状の記録媒体5を搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタ100の他、例えばフラットベッドタイプのインクジェットプリンタにも同様に適用することができる。また、プリンタ100は独立したプリンタとして単独で使用されるものに限定されず、他の装置と組み合わせたものであってもよい。例えば、プリンタ100は、他の装置に内蔵されていてもよい。
5 記録媒体
16 プラテン(載置部)
31 第1移動機構
32 第2移動機構
40 第1インクヘッド
41 第1ノズル
42 第1ノズル列
50 第2インクヘッド
51 第2ノズル
52 第2ノズル列
60 制御装置
61 記憶部
62 第1印刷制御部
63 第1移動制御部
64 第2印刷制御部
65 第2移動制御部
100 プリンタ(インクジェットプリンタ)

Claims (11)

  1. 記録媒体が載置される載置部と、
    前記載置部に向かって第1のインクを吐出する複数の第1ノズルを有する第1インクヘッドと、
    前記載置部に向かって第2のインクを吐出する複数の第2ノズルを有する第2インクヘッドと、
    前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを前記載置部に対して相対的に主走査方向に移動させる第1移動機構と、
    前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に副走査方向に移動させる第2移動機構と、
    前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記第1移動機構および前記第2移動機構に通信可能に接続され、前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記第1移動機構および前記第2移動機構を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御すると共に、前記第1インクヘッドから前記第1のインクを吐出させる第1印刷制御部と、
    前記第1印刷制御部によって前記第1のインクが吐出された後、前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に、前記副走査方向の一方から他方に向かう方向である第1方向に所定の第1の距離、移動させる第1移動制御部と、
    前記第1移動制御部によって前記載置部に載置された前記記録媒体が前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第1方向に移動した後、前記第2インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記主走査方向に移動させるように前記第1移動機構を制御すると共に、前記第2インクヘッドから前記第2のインクを吐出させる第2印刷制御部と、
    前記第2印刷制御部によって前記第2のインクが吐出された後、前記載置部に載置された前記記録媒体を前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に、前記第1方向と反対の方向である第2方向に所定の第2の距離、移動させる第2移動制御部と、
    を備え、
    前記第1印刷制御部は、前記第2移動制御部によって前記載置部に載置された前記記録媒体が前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドに対して相対的に前記第2方向に移動した後、前記第1インクヘッドから前記第1のインクを吐出させ、
    前記複数の第1ノズルの列を第1ノズル列とし、前記複数の第2ノズルの列を第2ノズル列としたとき、
    前記第1の距離は、前記第2ノズル列の前記副走査方向の長さ以下であり、
    前記第2の距離は、前記第1ノズル列の前記副走査方向の長さ以下である、インクジェットプリンタ。
  2. 前記主走査方向のうち、一方から他方に向かう方向を行き方向とし、他方から一方に向かう方向を帰り方向としたとき、
    前記第1印刷制御部は、前記第1インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記行き方向および前記帰り方向のうち一方の方向に移動させると共に、前記第1インクヘッドから前記第1のインクを吐出させ、
    前記第2印刷制御部は、前記第2インクヘッドを前記載置部に対して相対的に前記行き方向および前記帰り方向のうち他方の方向に移動させると共に、前記第2インクヘッドから前記第2のインクを吐出させる、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
  3. 前記制御装置は、印刷の対象の画像である印刷画像が記憶された記憶部を備え、
    前記印刷画像は、インクが吐出される領域である画像側印刷領域を有し、
    前記記録媒体は、前記画像側印刷領域に対応した領域である媒体印刷領域を有し、
    前記媒体印刷領域は、前記副走査方向の長さが所定の長さである領域に分割された単走査印刷領域を有し、
    前記第1ノズル列を前記所定の長さごとに所定の数に分割した際の1つのノズル列を第1分割ノズル列としたとき、
    前記単走査印刷領域には、前記第1インクヘッドによる前記第1のインクの吐出が前記所定の数行われ、
    前記第2印刷制御部は、前記第1インクヘッドによる前記第1のインクの吐出が前記所定の数行われた後の前記単走査印刷領域に対して、前記第2インクヘッドから前記第2のインクを吐出させる、請求項1または2に記載されたインクジェットプリンタ。
  4. 前記第2ノズル列を前記所定の長さごとに前記所定の数に分割した際の1つのノズル列を第2分割ノズル列としたとき、
    前記第1の距離は、前記第2ノズル列の前記副走査方向の長さと前記第2分割ノズル列の前記副走査方向の長さとの差であり、
    前記第2の距離は、前記第1ノズル列の前記副走査方向の長さである、請求項3に記載されたインクジェットプリンタ。
  5. 前記載置部は、前記記録媒体が載置されるプラテンであり、
    前記第2移動機構は、
    前記プラテンに一部が埋設されたグリッドローラと、
    前記グリッドローラの上方に配置され、前記グリッドローラと共に前記記録媒体を挟み込むピンチローラと、
    前記グリッドローラに接続され、前記グリッドローラを回転させる第2駆動モータと、
    を備えた、請求項1から4までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  6. 前記グリッドローラは、前記第1インクヘッドよりも前記第1方向側に配置され、
    前記グリッドローラの前記第1インクヘッド側の端と、前記第1ノズル列の前記グリッドローラ側の端との間の前記副走査方向の距離は、前記第1の距離よりも長い、請求項5に記載されたインクジェットプリンタ。
  7. 前記ピンチローラは、前記第1インクヘッドよりも前記第1方向側に配置され、
    前記ピンチローラの前記第1インクヘッド側の端と、前記第1ノズル列の前記ピンチローラ側の端との間の前記副走査方向の距離は、前記第1の距離よりも長い、請求項5または6に記載されたインクジェットプリンタ。
  8. 前記第1移動機構は、
    前記主走査方向に延びたガイドレールと、
    前記ガイドレールに摺動自在に設けられ、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが搭載されたキャリッジと、
    前記キャリッジに接続され、前記キャリッジを前記ガイドレールに沿って前記主走査方向に移動させる第1駆動モータと、
    を備えた、請求項1から7までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  9. 前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドは、前記主走査方向に並んで配置されて前記キャリッジに搭載されている、請求項8に記載されたインクジェットプリンタ。
  10. 前記第1のインクは特色インクであり、
    前記第2のインクは画像形成用インクである、請求項1から9までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
  11. 前記第1のインクは画像形成用インクであり、
    前記第2のインクは特色インクである、請求項1から9までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。

JP2017112776A 2017-06-07 2017-06-07 インクジェットプリンタ Pending JP2018202785A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017112776A JP2018202785A (ja) 2017-06-07 2017-06-07 インクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017112776A JP2018202785A (ja) 2017-06-07 2017-06-07 インクジェットプリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018202785A true JP2018202785A (ja) 2018-12-27

Family

ID=64954839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017112776A Pending JP2018202785A (ja) 2017-06-07 2017-06-07 インクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018202785A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4413802B2 (ja) インク・ジェット・プリンタ
US8070256B2 (en) Ink jet head
US7775614B2 (en) Ink jet recording apparatus and method of controlling the same for complementary recording
JP2018001674A (ja) 印刷装置
US8562108B2 (en) Two pass print mode method and apparatus for limiting wind-related print defects
JP6421511B2 (ja) 画像形成装置、および画像形成方法
JP6514261B2 (ja) インクジェットプリンタ及び印刷方法
JP6488803B2 (ja) 液滴吐出装置、マスクパターン及び液滴吐出方法
JP2018202785A (ja) インクジェットプリンタ
JP2018187820A (ja) インクジェットプリンタ
JP2001232783A (ja) 画像記録装置とその記録方法
JP6185204B1 (ja) インクジェットプリンタ
JP2007260934A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP6693197B2 (ja) 記録装置、記録方法
JP6126762B1 (ja) インクジェットプリンタ
JP6186489B1 (ja) インクジェットプリンタ
JP6315627B1 (ja) インクジェットプリンタ
JP2018065336A (ja) インクジェットプリンタ
JP2018089941A (ja) インクジェットプリンタ
JP5464923B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4958997B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2018144410A (ja) インクジェットプリンタ
JP2005088417A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2017104996A (ja) 液体吐出ユニット、液体吐出装置および液体吐出方法
JP2018089928A (ja) インクジェットプリンタ