JP2018202671A - 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法 - Google Patents

樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018202671A
JP2018202671A JP2017108315A JP2017108315A JP2018202671A JP 2018202671 A JP2018202671 A JP 2018202671A JP 2017108315 A JP2017108315 A JP 2017108315A JP 2017108315 A JP2017108315 A JP 2017108315A JP 2018202671 A JP2018202671 A JP 2018202671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
insert member
magnetic part
mold
resin foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017108315A
Other languages
English (en)
Inventor
琢也 市川
Takuya Ichikawa
琢也 市川
和政 亀田
Kazumasa Kameda
和政 亀田
暁央 三浦
Akio Miura
暁央 三浦
真吾 大谷
Shingo Otani
真吾 大谷
寛太朗 江崎
Kantaro Ezaki
寛太朗 江崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurabo Industries Ltd, Kurashiki Spinning Co Ltd filed Critical Kurabo Industries Ltd
Priority to JP2017108315A priority Critical patent/JP2018202671A/ja
Publication of JP2018202671A publication Critical patent/JP2018202671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

【課題】インサート部材が多孔性部材か非多孔性部材のいずれであるかにかかわらず、また、インサート部材の形状にかかわらず、部材表面の所定の複数箇所に簡単に磁性部を形成することができる、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法の提供。
【解決手段】成形型の内面に設置された永久磁石に吸着される磁性部2を有し、該成形型内にセットされて、該成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材1Bを製造する方法であって、室温下で、インサート部材1Bの所定箇所に磁性材料を霧状にして吹付けて自然乾燥させ、該磁性材料の付着固化物からなる磁性部2を形成する、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法。磁性材料が磁性塗料であり、磁性部2が磁性塗料の付着固化物からなる、インサート部材の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法に関し、特に、成形型の内面に設置された永久磁石に吸着させる磁性部を簡単かつ短時間に形成できる樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法に関する。
従来から、車両用シート等のクッション材として用いられるポリウレタン発泡成形体には、金属バネとの接触による異音防止、ウレタン樹脂の浸出防止、あるいは発泡成形体の破損保護(補強)等を図るために、成形型内に織布や不織布等の布帛をセット後、液状ウレタン樹脂を注入して発泡成形して、布帛とポリウレタン発泡成形体とを一体に成形する(すなわち、布帛からなるインサート部材が一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を得る)ことが行われている。このようなインサート部材を一体成形した樹脂発泡成形体の製造では、成形型内に配置したインサート部材が樹脂の発泡成形の過程で移動することなく型の内面に固定されている必要がある。このため、一般に、成形型の内面に永久磁石を設置する一方、インサート部材には磁性部を設けておき、成形型内にインサート部材を配置したときに、永久磁石の磁気効果によってインサート部材の磁性部を吸着して、インサート部材が固定されるようにする方法が採られている。インサート部材に磁性部を設ける方法としては、例えば、インサート部材である繊維系素材に板状の磁性体片を両面粘着テープで貼付する方法(特許文献1)、インサート部材である不織布に熱可塑性樹脂及び磁性体粉末を含む熱可塑性樹脂磁性物の溶融物を浸み込ませてから冷却固化する方法(特許文献2)、硬化性バインダに磁性体粉末を分散させた磁性材料を布帛に浸透させてから布帛を加熱空気中に通過させて磁性材料を硬化させる方法(特許文献3)等が知られている。
特開2001−252930号公報 特開2015−48544号公報 米国特許出願公開第2009/0277566号明細書
インサート部材の磁性部と成形型の内面に設置された永久磁石との間に働く吸着力が小さいと、樹脂の発泡成形過程でのインサート部材の移動を確実に防止できない。このため、インサート部材に設ける磁性部の数を増やして、成形型の内面に設置された永久磁石との間に働く吸着力を高めることが行われるが、特許文献1に記載の磁性体片を両面粘着テープでインサート部材(繊維系素材(布帛))に貼付して磁性部を形成する方法では、磁性部の数を増やすと、作業に手間がかかり、作業期間が長くなってしまう。また、特許文献2、3の方法は、布帛に磁性材料を浸み込ませる作業及び浸み込ませた磁性材料の加熱が必要なために工程数が多くなり、磁性部の形成に要する所要時間も長くなってしまう。
また、近時、インサート部材として、繊維系素材(布帛)ではなく、プラスチックフィルム、ウッドストック材料やウッドプラスチック材料の成形品等の非多孔性部材を使用する場合が増えているが、特許文献2、3に記載の方法では、磁性材料を非多孔性部材に浸み込ませることができないため、非多孔性部材に対して磁性部を形成することができない。なお、不織布等の布帛と非多孔性部材の両方をインサート部材として使用する場合には、磁性部を形成した布帛に非多孔性部材を縫い付けたり、磁性部を形成した布帛に非多孔性部材を接着剤で固定して使用されている。また、インサート部材として、例えば、PP(ポリプロピレン)ビーズ発泡成形品のような複雑な立体形状の部材を使用する場合があるが、特許文献2、3に記載の方法では、複雑な立体形状をしたインサート部材に対して磁性部を形成することは困難である。また、成形型の内面に設置された永久磁石と磁性部との間に働く吸着力だけではインサート部材の移動を防止できない場合、吸着力不足を補うために、成形型の内面にピンを立設させ、インサート部材に該ピンが挿入されて係止される穴部を形成して、かかる係止構造を利用してインサート部材を成形型内に固定する手法が取られることがある。しかし、インサート部材に形成された穴にピンを挿入する作業は作業者が手作業で行うため、ピンの数が増えると非常に煩雑な作業になるという問題がある。
また、インサート部材における磁性部が大きい(平面面積が大きい)と成形型の内面に設置されている永久磁石の磁気効果を受けやすくなり、永久磁石との間に働く吸着力も高くなる。しかし、特許文献2、3の方法では、磁性部を大きくするには、布帛に多量の磁性材料を浸み込ませ、浸み込ませた多量の磁性材料を加熱することが必要となるため、磁性部の形成に要する時間が極めて長くなってしまう。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、インサート部材が多孔性部材か非多孔性部材のいずれであるかにかかわらず、磁性部を簡単かつ短時間に形成できる、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法を提供することにある。また、インサート部材が複雑な立体形状の部材であっても、磁性部を簡単かつ短時間に形成できる、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法を提供することにある。また、成形型の内面に設置された永久磁石との間で大きな吸着力が得られやすい、平面面積が大きな磁性部(例えば、線パターンの磁性部等)を簡単かつ短時間に形成できる、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、磁性塗料等の磁性材料を霧状にしてインサート部材に吹き付けて、自然乾燥して形成される、部材表面の磁性塗料等の磁性材料の付着固化物で被覆された領域は、成形型の内面に設置された永久磁石の磁気効果によって吸着される磁性部として機能し得ることを見出した。また、特に磁性塗料を霧状にして、塗料の付着領域が線パターンになるように吹き付けることで、少量の磁性塗料の吹き付けによる速乾性の効果を維持したまま永久磁石の磁気効果による吸着力がより高められる面積の大きい磁性部を形成できることを見出した。かかる知見に基づく本発明は以下のとおりである。
[1] 成形型の内面に設置された永久磁石に吸着される磁性部を有し、該成形型内にセットされて、該成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材を製造する方法であって、
室温下で、インサート部材の所定箇所に磁性材料を霧状にして吹付けて自然乾燥させ、該磁性材料の付着固化物からなる磁性部を形成することを特徴とする、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法。
[2] 磁性材料が磁性塗料であり、磁性部が磁性塗料の付着固化物からなる、上記[1]記載の方法。
[3] インサート部材の所定の複数箇所に対して一箇所当たり0.1〜5秒間磁性塗料を吹き付けて、複数の磁性部を形成する、上記[2]記載の方法。
[4] 一つの磁性部の平面面積が38〜314mmである、上記[3]記載の方法。
[5] 磁性材料が磁性塗料であり、磁性部が磁性塗料の付着固化物からなり、インサート部材に磁性塗料を霧状にして吹付ける手段における吹付けノズルを、インサート部材に対して相対的に移動させながらインサート部材に磁性塗料を吹き付けて、磁性塗料の付着固化物からなる平面形状が線パターンの磁性部を形成する、上記[1]記載の方法。
[6] 線パターンの磁性部は、線幅が7〜40mmの線パターンである、上記[5]記載の方法。
[7] 磁性塗料が水性磁性塗料である、上記[2]〜[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8] インサート部材が、布帛、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ、プラスチックフィルム、ウッドストック材料の成形体、及びウッドプラスチック材料の成形体からなる群から選択されるいずれか1種か、或いは、2種以上の複合体である、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9] 樹脂発泡成形体が車両用シートのクッション材用ポリウレタン発泡成形体である、上記[8]記載の方法。
[10] 成形型の内面に設置された永久磁石に吸着される磁性部を有し、該成形型内にセットされて、該成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材であって、
前記磁性部は、部材表面に霧状にして吹付けられた磁性塗料の付着固化物からなる磁性部を含む、樹脂発泡成形用インサート部材。
[11] 前記磁性塗料の付着固化物からなる磁性部が、平面形状が線パターンの磁性部を含む、上記[10]記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
[12] 線パターンが、線幅が7〜40mmの線パターンである、上記[11]記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
[13] 磁性部における単位面積当たりの磁性塗料の付着固化物の量が0.1〜1.5mg/mmである、上記[10]〜[12]のいずれか1つに記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
[14] 磁性塗料が水性磁性塗料である、上記[10]〜[13]のいずれか1つに記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
[15] インサート部材が、布帛、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ、プラスチックフィルム、ウッドストック材料の成形体、及びウッドプラスチック材料の成形体からなる群から選択されるいずれか1種か、或いは、2種以上の複合体である、上記[10]〜[14]のいずれか1つに記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
[16] 永久磁石が内面に設置された成形型内に、上記[10]〜[15]のいずれか1つに記載のインサート部材をセットして、永久磁石の磁気効果により該インサート部材が成形型内に仮固定される工程、
前記成形型内にウレタン発泡樹脂を注入して発泡させ、前記インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を得る工程、及び
前記インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を前記成形型から脱型する工程、を含むことを特徴とする、車両用シートパッドの製造方法。
本発明の樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法(以下、「本発明の製造方法」又は「本発明方法」とも略称する。)によれば、実質的に、インサート部材の所定箇所に磁性塗料等の磁性材料を霧状にして吹き付けるだけで磁性部を形成することができる。従って、インサート部材が多孔性部材か非多孔性部材のいずれであるかにかかわらず、部材表面の所定箇所に磁性部が形成されたインサート部材を簡単かつ短時間に製造することができる。また、インサート部材が、布帛等のシート状の部材ではなく、外形が直方体や立方体等の多面体である、プラスチック、ウッドストック材料又はウッドプラスチック材料からなる成形体であっても、また、チップウレタンやPP(ポリプロピレン)ビーズ発泡成形品のような複雑な立体形状の部材であっても、部材表面の所定箇所に磁性部が形成されたインサート部材を簡単かつ短時間に製造することができる。
また、本発明方法によれば、インサート部材に磁性塗料を霧状にして吹付ける手段のノズルを、インサート部材に対して相対的に移動させながらインサート部材に磁性材料を吹き付けることにより、成形型の内面に設置された永久磁石の磁気効果によって大きな吸着力が得られやすい面積が大きな磁性部(例えば、線パターンの磁性部等)を簡単かつ短時間に製造することができる。従って、例えば、インサート部材が、チップウレタン、ウッドストック材料又はウッドプラスチック材料の成形体等の比較的重量が大きい部材であっても、面積が大きな磁性部(例えば、線パターンの磁性部等)を形成することにより、磁性部の成形型の内面に設置された永久磁石との間に働く吸着力を大きくできるので、樹脂発泡成形過程での成形型内の所定の配置位置からの位置ずれを生じにくいインサート部材を製造することができる。
また、本発明方法によれば、インサート部材に形成される磁性部は、磁性塗料等の磁性材料の吹付けによる付着固化物からなるので、インサート部材が繊維系素材(布帛)である場合に、磁性部の形成に伴う繊維系素材(布帛)の柔軟性の低下が小さい。
一般的な、車両用シートのクッション材であるポリウレタン発泡成形体とインサート部材(不織布)とが一体に成形されたシートパッドの概略断面図である。 図1に示す、パッド本体となるポリウレタン発泡成形体を得るための一対の型からなる成形型のインサート部材がセットされる側の型の内底面を示す平面図である。 図1に示すインサート部材(不織布)の磁性部が形成されている側の表面を示す平面図である。 本発明の製造方法で製造されたインサート部材の第1例の模式平面図である。 本発明の製造方法で製造されたインサート部材の第2例の模式平面図である。 本発明の製造方法で製造されたインサート部材の第3例の模式平面図である。 本発明の製造方法で製造されたインサート部材の第4例の模式平面図である。 実施例の不織布又はウレタンスラブシートにスポット状の磁性部が形成されたインサート部材の模式平面図である。 実施例のウレタンチップに線パターンの磁性部が形成されたインサート部材の模式斜視図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即してより詳しく説明する。
本発明の樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法は、室温下で、インサート部材の所定箇所に磁性材料を霧状にして吹付けて自然乾燥させ、該磁性材料の付着固化物からなる磁性部を形成することが特徴である。すなわち、磁性塗料を霧状にして吹付けた後は、自然乾燥によって磁性部が形成されるので、実質的にインサート部材の表面の磁性部を形成すべき所定箇所に磁性塗料を霧状にして吹付けるという作業のみで磁性部を形成することができ、磁性部を有する樹脂発泡成形用インサート部材を簡単かつ短時間に製造することができる。本発明において、「室温」とは、JIS Z 870に規定の20℃±15℃の範囲である。なお、「室温」は加熱手段によって加熱された環境温度ではない。
本発明方法における樹脂発泡成形用インサート部材(以下、単に「インサート部材」とも略称する。)とは、成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材のことであり、具体例としては、例えば、車両用シートのクッション材であるポリウレタン発泡成形体と一体に成形されて、ポリウレタン発泡成形体の裏面に接合される、不織布、織布等の布帛(繊維系素材)や、該ポリウレタン発泡成形体の非意匠面に接合される、プラスチックの中実成形体(例えば、ポリウレタン、ポリプロピレ(PP)、ポリエチレン(PE)等からなる直方体、立方体等の多面体等の立体形状に成形された中実成形体、チップウレタン等)、ウッドストック材料やウッドプラスチック材料からなる、直方体、立方体等の多面体等の立体形状に成形された中実成形体、および多孔性または非多孔性のプラスチックフィルム(例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルム、ウレタンスラブシート等)等が挙げられる。なお、「チップウレタン」とはポリウレタン発泡体(発泡ポリウレタン)の廃材を押し固めたものを指し、「ウレタンスラブシート」とは、ポリウレタン発泡体(発泡ポリウレタン)をスライスしたものを指す。
インサート部材が不織布の場合、不織布としては、例えば、合成繊維、レーヨン等の化学繊維、木綿、麻、ジュート、羊毛等の天然繊維、あるいはこれらの反毛(回収再生繊維)等の繊維から選ばれる1種または2種以上から形成された種々の不織布を使用することができる。かかる合成繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等の熱可塑性繊維、および、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズチアゾール繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリエーテルケトン繊維、ポリエーテルケトンケトン繊維、ポリアミドイミド繊維、耐炎化繊維等を挙げることができる。これらの合成繊維は、従来公知のものや、公知の方法またはそれに準ずる方法に従って製造したものを使用することができる。
不織布の目付は特に限定はされないが、一般的には80〜2500g/m程度である。不織布の厚さも特に限定はされないが、一般的には0.1〜2.0mm程度である。
上記の熱可塑性繊維の中では、耐久性、耐摩耗性に優れる点から、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維が好ましく、これらの繊維は単独で、または任意の割合で混合して使用することができる。特に、廃不織布の熱溶融により原料ポリエステルを容易にリサイクル使用することが可能で、経済性に優れ、不織布の風合いも良く、成形性に優れる点より、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、生分解性ポリエステル繊維などのポリエステル繊維が最も好ましい。これらの熱可塑性繊維には難燃処理が施されていてもよい。
不織布を構成する繊維の形態は、特に限定されず、フィラメントでもステープルでもよい。ステープルの場合は、繊維長10〜100mmが好ましく、特に20〜80mmが好ましい。ステープルの繊維長は、10mm以上あれば、交絡させたステープルが不織布から脱落しにくくなる。一方、ステープルの繊維長が長いと、カード通過性が劣る傾向にあることから、100mm以下が好ましい。繊維の繊度は、単繊維の太さが、0.5〜30dtexのものが好ましく、1.0〜10dtexのものがより好ましい。ステープルは、それぞれ1種または2種以上を混合して用いることができ、同種または異種の繊維で繊度や繊維長の異なるものを混合して用いることもできる。
不織布としては、メルトブローン不織布やスパンボンド不織布等の長繊維不織布、および、高温熱風によって、ウエブ中の低融点繊維を溶融して、周囲の繊維に溶着させたエァーレイド不織布、その他、ニードルパンチ不織布、ウオータージェットパンチ不織布等を用いることができ、雑フェルトも不織布として用いることができる。
本発明方法で使用する磁性材料は、霧状にしてインサート部材に吹付けることができ、室温下で乾燥固化する磁性材料であれば、特に限定はされないが、取扱性に優れ、安定した磁性を有する磁性部が得られやすいという観点から、通常、液状媒体に磁性体粉末が分散した磁性塗料が使用される。磁性塗料等の磁性材料をインサート部材の表面に霧状にして吹き付けることで、部材表面の磁性塗料等の磁性材料の付着固化物で被覆された領域は、成形型の内面に設置された永久磁石の磁気効果によって吸着される磁性部となる。
磁性塗料は、水系液状媒体に磁性体粉末が分散した水性磁性塗料が好ましい。水系液状媒体とは、水系溶媒に結合剤樹脂が溶解した液状物、または、水系溶媒に結合剤樹脂が分散した液状物のことである。水系溶媒に溶解する結合剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。水系溶媒に分散する結合剤樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。水系溶媒としては、水、又は、水と水溶性有機溶媒との混合液が使用される。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール1−プロパノール、2−プロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類;酢酸などの低級カルボン酸類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;アセトアルデヒド等のアルデヒド類等が挙げられる。なお、水系溶媒は、水と水溶性有機溶媒との混合液よりも、水のみであることが好ましい。また、水と水溶性有機溶媒との混合液の場合、水溶性有機溶剤の含有量は、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは、1〜30質量%である。
磁性塗料における磁性体粉末としては、特に限定はされないが、鉄、ニッケル、コバルトあるいはこれらの合金、フェライト、ガドリニウムなどの希土類金属、ホイスラー合金CuMnAlなどのマンガン合金、CrO、CrBr、ZrZnの化合物などの強磁性を示す磁性体の粉末が好ましい。
磁性塗料には、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、分散剤等の塗料業界で慣用されている種々の塗料用添加剤を慣用量で添加することができる。
磁性塗料は市販品を使用することができる。例えば、水性磁性塗料として、「Magneet Vefr」(株式会社 ニシムラ製)、「マグネットペイント」(ターナー色彩株式会社製)、「Paint+MAGNET」(株式会社 カラーワークス製)等が挙げられる。
磁性塗料等の磁性材料を霧状にしてインサート部材に吹付ける手段としては、種々の吹付け方式のものを使用できる。エアスプレー方式、エアレススプレー方式、静電スプレー方式のいずれの方式の吹付け手段であってもよいが、吹付け作業の効率性、吹付け位置(領域)の制御性、設備費抑制、設備構造の簡素化等の観点から、エアスプレー方式の吹付け手段が好ましく、エアー式スプレーガンが作業効率の観点からより好ましい。
エアー式スプレーガンによる吹付けを行場合、エアー式スプレーガンに供給するエアー圧力(ノズルの吐出圧)は、特に限定はされないが、霧状の液滴の均一な分散と飛散の防止の観点から0.1〜0.5MP程度が好ましい。また、ノズルからの単位時間当たりの磁性塗料の吐出量は、特に限定はされないが、吹き付けた磁性材料(磁性塗料)の乾燥性等の観点から、2.5〜75.0ml/分程度が好ましい。また、磁性材料(磁性塗料)の塗布均一性(塗布量及び塗布面積(範囲))の観点から、ノズルの先端から部材表面までの距離は10〜20mm程度とするのが好ましい。
本発明方法によってインサート部材の表面に形成される磁性部は、好ましくは、上記の吹付け条件にて霧状にして吹き付けた磁性塗料の付着固化物からなり、磁性部における単位面積当たりの磁性塗料の付着固化物の量は、一般に0.1〜1.5mg/mmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.6mg/mmである。0.1mg/mmより少ないと、磁性部の成形型内の磁石への吸着性が低下する傾向となり、1.5mg/mmより多いと、乾燥性が低下する傾向となり、また、材料費が上昇する傾向となる。
図1は一般的な車両用シートのクッション材であるポリウレタン発泡成形体(パッド本体)1Aとインサート部材である不織布1Bが一体に成形されたシートパッド1の概略断面図を示し、図2はパッド本体1Aとなるポリウレタン発泡成形体を得るための一対の型からなる成形型のインサート部材がセットされる側の型3の内底面を示し、図3は不織布1Bの磁性部2が形成されている側の表面を示す平面図である。
図2に示されるように、成形型におけるインサート部材がセットされる側の型3の内底面3Aの所定の複数箇所には永久磁石4が埋め込まれており、インサート部材(不織布)1Bを成形型の型3の内底面3Aにセットしたときに、インサート部材(不織布)1Bに形成された複数の磁性部2のそれぞれが、型3の内底面3Aの相対する位置にある磁石4の磁力によって吸着され、インサート部材(不織布)1Bが成形型内に仮止め固定され、その後、成形型内で発泡成形されるポリウレタン発泡成形体(パッド本体)1Aと一体に成形され、脱型すると、シートパッド1が得られる。なお、成形型の内面(型3の内底面3A)に埋め込まれる永久磁石4には、一般的には、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石等が使用され、通常、角柱や円柱等の柱状物の形態で成形型の内面に埋め込まれている。
本発明方法で製造する樹脂発泡成形用インサート部材の典型例の一つとして、かかる図1〜3に示されるように、成形型の内面の複数の所定箇所に設置された永久磁石の夫々と相対する位置にスポット状の磁性部2が形成された複数の磁性部を有するインサート部材が挙げられる。
本発明方法によれば、このような所定の複数箇所にスポット状の磁性部が形成されたインサート部材を簡単かつ短時間で製造することができる。特に、エアー式スプレーガンを使用し、磁性材料に磁性塗料を使用し、エアー式スプレーガンのエアー圧力(ノズルの吐出圧)及びノズルからの単位時間当たりの磁性材料(磁性塗料)の吐出量を上述の好適範囲に設定し、インサート部材表面の所定の複数箇所に、一箇所当たり0.1〜0.5秒間磁性塗料を吹き付けることにより、複数箇所の夫々において、付着した磁性塗料が速やかに固化(乾燥)して、磁性塗料の付着固化物からなる複数のスポット状の磁性部が形成されたインサート部材を簡単かつ短時間に製造することができる。
上記の複数のスポット状の磁性部の夫々の平面面積は一般的には38〜314mm程度であり、かかる範囲内であれば、成形型の内面に設置された永久磁石の磁気効果により十分に高い吸着力が得られる。なお、複数のスポット状の磁性部を形成する場合の磁性部の個数は、インサート部材の種類、大きさ、形状等に応じて決められ、特に限定はされない。成形型の内面にインサート部材を確実に固定される必要数の磁性部を形成する。
前述したように、特許文献1、2に記載の従来方法で不織布等の布帛に磁性部を形成すると、布帛の内部に磁性材料(熱可塑性樹脂磁性物、硬化性バインダに磁性体粉末が分散した材料等)を染み込ませるため、その作業および染み込ませた材料の固化(硬化)に長時間を要し、複数の磁性部を形成する場合には、その数の分、さらに時間を要することになる。また、形成される磁性部は熱可塑性樹脂磁性物の固化物や硬化性バインダの硬化物を含み、複数の磁性部を形成すると、布帛の柔軟性が損なわれてしまう。これに対し、本発明方法では、実質的に磁性塗料を霧状にしてインサート部材の表面の磁性部を形成すべき箇所(領域)に吹付けるだけであり、複数の磁性部を形成する場合も短時間で磁性部を形成することができ、しかも、形成される磁性部における磁性塗料の付着固化物の存在量は、上記の0.1〜1.5mg/mmという少量であるため、インサート部材である布帛の柔軟性が損なわれず、布帛の風合いが維持される。
また、特許文献1、2に記載の従来方法では、前述したように、インサート部材(不織布)へ磁性材料を浸み込ませることで磁性部を形成しており、インサート部材が磁性材料を浸み込ませることができない非多孔性部材である場合は磁性部を形成することができないが、本発明方法であれば、インサート部材の表面に霧状にした磁性塗料を吹き付けるだけなので、インサート部材が非多孔性部材であっても磁性部を簡単に形成することができる。また、布帛等のシート状のインサート部材だけでなく、外形が、直方体、立方体、多面体等の立体形状のインサート部材の表面にも磁性部を簡単に形成することができる。
以上は、インサート部材の所定の複数箇所にスポット状の磁性部が形成されたインサート部材を製造する場合を具体的に示して、本発明方法を説明したが、本発明方法では、磁性塗料等の磁性材料を霧状に噴射するノズルを、インサート部材に対して相対的に移動させながらインサート部材に磁性材料を吹き付けることにより、成形型の内面に設置された永久磁石の磁気効果によって大きな吸着力が得られやすい、線パターンの磁性部を簡単かつ短時間に製造することができる。
なお、「磁性塗料を霧状に噴射するノズルをインサート部材に対して相対的に移動させる」とは、静止状態のインサート部材に対してノズルが移動する態様、静止状態のノズルに対してインサート部材が移動する態様、或いは、インサート部材とノズルの両方が移動する態様のいずれであってもよいことを意味する。なかでも、作業性、得られる磁性部の性状均一性等の観点から、静止状態のインサート部材に対してノズルが移動する態様が好ましい。
インサート部材の表面に形成する線パターンの磁性部は、成形型の内面に設置されている永久磁石の大きさ、設置位置、設置数に応じて、線幅(線の短手方向の幅)、線の全長(線の長手方向の幅)、線の種類(直線状か、曲線状か、両方の組み合わせか)、線の向き(線の長手方向の向き)等が適宜決定される。
図4〜7は本発明方法で製造された樹脂発泡成形用インサート部材の具体例の模式平面図である。図4のインサート部材10では、インサート部材(部材本体)11の表面に、線の全長が比較的長い2つの直線パターンの磁性部2aが平行に形成されている。図5のインサート部材20では、インサート部材(部材本体)11の表面に、線の全長が比較的短い6つ直線パターンの磁性部2bが平行に形成されている。図6のインサート部材30では、インサート部材(部材本体)11の表面に、線の全長が比較的長い2つの直線パターンの磁性部2aが互いに平行に形成され、これら2つの直線パターンの磁性部2aの間に、これら2つの直線パターンの磁性部2aとは線の向きが直行する方向の、線の全長が比較的短い4つの直線パターン2bが形成されている。図7のインサート部材40では、インサート部材(部材本体)11の表面に、比較的なだらかなカーブを呈する一つの線パターン2cと4つのスポット状の磁性部2dが形成されている。スポット状の磁性部2dは、磁性塗料を霧状にして噴射するノズルとインサート部材とを相対的に移動させることなくインサート部材の表面に磁性塗料を吹き付けることによって形成されている。
特許文献1〜3で形成される磁性部はスポット状である(例えば、特許文献2の図1、特許文献3の図2参照)。スポット状の磁性部の場合、インサート部材が成形型内に配置されたときに、一つの磁性部が成形型の内面の所定の一箇所に設置された永久磁石と相対する位置となるように、複数の磁性部を設けておき、成形型内にインサート部材が配置された状態で、個々の磁性部に磁気効果による吸着力が発現する。すなわち、スポット状の磁性部は、成形型の内面の所定の一箇所に設置された永久磁石とは通常一対一の関係で設けられる。
これに対し、本発明方法で形成される線パターンの磁性部は、成形型内にインサート部材が配置された状態で、一つの磁性部が、成形型の内面に設置された複数箇所の永久磁石との間で磁気効果による吸着力が発現するように、インサート部材に形成する。このため、線パターンの磁性部の大きは特に限定はされないが、線パターンの線幅が7〜40mm程度であることが好ましい。また、線パターンの全長は特に限定はされないが、複数箇所の永久磁石の磁気効果による吸着力が作用する磁性部とするために概ね14mm以上が好ましい。また、実用面とコストの兼ね合いから概ね300mm以下が好ましい。
なお、特許文献2、3に記載の従来方法で、例えば、布帛に対して、線パターンの磁性部を形成すると、布帛の内部に熱可塑性樹脂磁性物の固化物、或いは、硬化性バインダの硬化物による線状領域(線状部)が形成されることになるため、インサート部材である布帛の柔軟性が著しく低下してしまう。また、前述したように、特許文献2、3に記載の従来方法は、インサート部材が磁性材料を浸み込ませることができない非多孔性部材である場合は磁性部を形成することができない。しかし、本発明方法では、インサート部材が、チップウレタンや、ウッドストック材料又はウッドプラスチック材料からなる中実成形体等の比較的重量が大きい非多孔性部材に対して、線パターンの磁性部を形成することができる。このため、比較的重量が大きい非多孔性部材に対して線パターンの磁性部を形成することで、成形型の内面にピンを立設し、インサート部材に該ピンが挿入されて係止される穴部を形成するといった、磁気(磁力)以外のインサート部材を固定するための技術手段を用いることなく、成形型内にセットするだけで、成形型内の永久磁石への磁性部の吸着力によって強固に固定されて、樹脂の発泡成形過程でのインサート部材の移動が確実に防止されるインサート部材を実現することができきる。
本発明方法で製造されるインサート部材は、特に、車両用シートパッドの製造に好適に使用することができる。
すなわち、本発明は、本発明方法で製造されたインサート部材を、内面に永久磁石が設置された成形型内にセットして、永久磁石の磁気効果により該インサート部材が成形型内に仮り固定される工程、
該成形型内にウレタン発泡樹脂を注入して発泡させ、該インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を得る工程、及び
該インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を該成形型から脱型する工程、を含む、車両用シートパッドの製造方法も提供する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
インサート部材用の試料として、下記表1に示す物性の、不織布、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ1、ウレタンチップ2を用意した。
市販の水性磁性塗料(「マグネットペイント」(ターナー色彩株式会社製)を使用し、エアー式スプレーガンを用いて、エアー圧力(ノズルの吐出圧):0.1MPa、吐出量:0.33ml/分の吹付け条件で、不織布、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ1、2に対して、磁性塗料の吹付けを行い、それぞれの磁性部付き試料を作製した。
不織布及びウレタンスラブシートについては、図8に示すように、表面の9つの箇所に、磁性塗料を吹付けて、9つの円形のスポット状の磁性部2bを形成した(磁性部付き試料1、2)。ウレタンチップ1、2については、図9に示すように、ウレタンチップ50の主面に対してエアー式スプレーガンを移動させながら磁性塗料を吹き付けて線パターンの磁性部51を形成した。なお、ウレタンチップ1、2については、夫々、塗料の吹付け時間を変更して、磁性部の塗料付着量が異なる2つの磁性部付き試料を作製した(磁性部付き試料3A、3Bと磁性部付き試料4A、4B)。下記表2はかかる磁性部付き試料の作製における、磁性塗料の吹付け時間(吐出時間(秒))、吹付け領域の形状(塗布形状)、吹付け回数(塗布数)、吹付け領域の面積(1塗布当たりの塗布面積、総塗布面積)、吹付け量(1塗布当たりの塗料付着量、単位面積当たりの塗料付着量)等を示す。なお、吹付け量(1塗布当たりの塗料付着量、単位面積当たりの塗料付着量)は塗料の乾燥後固化物の量である。


成形型のモデルとして、永久磁石を配置したプラスチック製の板材を使用し、磁性部付き試料1、2、3A、3B、4A、4Bのそれぞれについて、成形型の永久磁石への磁性部の吸着性の確認と、インサート部材が吸着した状態で上型を閉じる動作を行って吸着安定性を下記の評価基準で評価した。結果を表2の右端欄に示した。
○:試料の磁性部と成形型の磁石が吸着し、成形型を閉じる動作をしても試料の位置ずれや脱落を生じない。
△:試料の磁性部と成形型の磁石が吸着した。しかし、成形型を閉じる動作をすると試料の若干の位置ずれが生じた。
×:試料の磁性部と成形型の磁石の吸着性が不安定であり、成形型を閉じる動作をすると試料が脱落した。
表2の結果から、インサート部材とする部材が、多孔性部材であっても非多孔性部材であっても、部材表面に磁性塗料を霧状に吹き付け、自然乾燥させた磁性塗料の付着固化物は、少量の付着量でありながら、成形型内の永久磁石に吸着して部材を固定するための磁性部となり、その形成に要する時間は極めて短時間であることがわかる。また、磁性塗料の吹き付け範囲を広範囲にし、磁性材料の付着固化物からなる磁性部を線パターンに形成して面積を大きくする(磁性塗料の付着固化物の付着量を多めにする)ことで、インサート部材とする部材が比較的重量が大きい部材に対しても、少ない磁性塗料の使用量で、成形型内の永久磁石に吸着して部材を固定し得る磁性部を形成できることが分かる。
1 シートパッド
1A ポリウレタン発泡成形体(パッド本体)
1B 不織布
2 磁性部
2a、2b 直線パターンの磁性部
2c 比較的なだらかなカーブを呈する線パターンの磁性部
2d スポット状の磁性部
3 型
3A 型の内底面
4 永久磁石
10、20、30、40 樹脂発泡成形用インサート部材
11 インサート部材(部材本体)
50 ウレタンチップ
51 線パターンの磁性部

Claims (16)

  1. 成形型の内面に設置された永久磁石に吸着される磁性部を有し、該成形型内にセットされて、該成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材を製造する方法であって、
    室温下で、インサート部材の所定箇所に磁性材料を霧状にして吹付けて自然乾燥させ、該磁性材料の付着固化物からなる磁性部を形成することを特徴とする、樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法。
  2. 磁性材料が磁性塗料であり、磁性部が磁性塗料の付着固化物からなる、請求項1記載の方法。
  3. インサート部材の所定の複数箇所に対して一箇所当たり0.1〜5秒間磁性塗料を吹き付けて、複数の磁性部を形成する、請求項2記載の方法。
  4. 一つの磁性部の平面面積が38〜314mmである、請求項3記載の方法。
  5. 磁性材料が磁性塗料であり、磁性部が磁性塗料の付着固化物からなり、インサート部材に磁性塗料を霧状にして吹付ける手段における吹付けノズルを、インサート部材に対して相対的に移動させながらインサート部材に磁性塗料を吹き付けて、磁性塗料の付着固化物からなる平面形状が線パターンの磁性部を形成する、請求項1記載の方法。
  6. 線パターンの磁性部は、線幅が7〜40mmの線パターンである、請求項5記載の方法。
  7. 磁性塗料が水性磁性塗料である、請求項2〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. インサート部材が、布帛、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ、プラスチックフィルム、ウッドストック材料の成形体、及びウッドプラスチック材料の成形体からなる群から選択されるいずれか1種か、或いは、2種以上の複合体である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 樹脂発泡成形体が車両用シートのクッション材用ポリウレタン発泡成形体である、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 成形型の内面に設置された永久磁石に吸着される磁性部を有し、該成形型内にセットされて、該成形型内で発泡成形される樹脂発泡成形体と一体に成形されるインサート部材であって、
    前記磁性部は、部材表面に霧状にして吹付けられた磁性塗料の付着固化物からなる磁性部を含む、樹脂発泡成形用インサート部材。
  11. 前記磁性塗料の付着固化物からなる磁性部が、平面形状が線パターンの磁性部を含む、請求項10記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
  12. 線パターンが、線幅が7〜40mmの線パターンである、請求項11記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
  13. 磁性部における単位面積当たりの磁性塗料の付着固化物の量が0.1〜1.5mg/mmである、請求項10〜12のいずれか1項記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
  14. 磁性塗料が水性磁性塗料である、請求項10〜13のいずれか1項記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
  15. インサート部材が、布帛、ウレタンスラブシート、ウレタンチップ、プラスチックフィルム、ウッドストック材料の成形体、及びウッドプラスチック材料の成形体からなる群から選択されるいずれか1種か、或いは、2種以上の複合体である、請求項10〜14のいずれか1項記載の樹脂発泡成形用インサート部材。
  16. 永久磁石が内面に設置された成形型内に、請求項10〜15のいずれか1項に記載のインサート部材をセットして、永久磁石の磁気効果により該インサート部材が成形型内に仮固定される工程、
    前記成形型内にウレタン発泡樹脂を注入して発泡させ、前記インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を得る工程、及び
    前記インサート部材と一体に成形されたポリウレタン発泡成形体を前記成形型から脱型する工程、を含むことを特徴とする、車両用シートパッドの製造方法。
JP2017108315A 2017-05-31 2017-05-31 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法 Pending JP2018202671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017108315A JP2018202671A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017108315A JP2018202671A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018202671A true JP2018202671A (ja) 2018-12-27

Family

ID=64956086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017108315A Pending JP2018202671A (ja) 2017-05-31 2017-05-31 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018202671A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110978711A (zh) * 2019-12-19 2020-04-10 邱婷 一种热塑性弹性体增韧薄膜复合面料及其制造方法
CN114434719A (zh) * 2022-02-17 2022-05-06 北京铁科首钢轨道技术股份有限公司 一种聚氨酯弹性垫板及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0699443A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Toyota Motor Corp 面ファスナ一体発泡成形品の製造方法
JP2001252930A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Bridgestone Corp 発泡樹脂成形品の製造方法
JP2001260150A (ja) * 2000-01-12 2001-09-25 Kuraray Co Ltd モールドイン成形用係止部材およびそれを用いた樹脂成形体の製造方法
JP2015048544A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 トヨタ紡織株式会社 ウレタン発泡成形用補強用布状物およびそれを用いたウレタン発泡成形体の製造方法
JP2016036463A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 東洋ゴム工業株式会社 シートパッド及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0699443A (ja) * 1992-09-18 1994-04-12 Toyota Motor Corp 面ファスナ一体発泡成形品の製造方法
JP2001260150A (ja) * 2000-01-12 2001-09-25 Kuraray Co Ltd モールドイン成形用係止部材およびそれを用いた樹脂成形体の製造方法
JP2001252930A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Bridgestone Corp 発泡樹脂成形品の製造方法
JP2015048544A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 トヨタ紡織株式会社 ウレタン発泡成形用補強用布状物およびそれを用いたウレタン発泡成形体の製造方法
JP2016036463A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 東洋ゴム工業株式会社 シートパッド及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110978711A (zh) * 2019-12-19 2020-04-10 邱婷 一种热塑性弹性体增韧薄膜复合面料及其制造方法
CN110978711B (zh) * 2019-12-19 2021-09-10 法良时装(上海)有限公司 一种热塑性弹性体增韧薄膜复合面料及其制造方法
CN114434719A (zh) * 2022-02-17 2022-05-06 北京铁科首钢轨道技术股份有限公司 一种聚氨酯弹性垫板及其制备方法
CN114434719B (zh) * 2022-02-17 2023-07-14 北京铁科首钢轨道技术股份有限公司 一种聚氨酯弹性垫板及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI316576B (en) Sheet of flame retardant porous material, molded article thereof and flame retardant sound-insulating material for car
KR102619932B1 (ko) 향상된 성형성을 제공하는 표면층을 포함하는 복합 물품
CN104417001B (zh) 聚氨酯发泡成型用布状增强材料和使用所述布状增强材料制造聚氨酯发泡成型体的方法
KR20180005235A (ko) 향상된 박리 강도를 제공하는 하부 차폐재 조성물 및 물품 및 이들의 사용 방법
CN110447066B (zh) 吸音性表皮材、吸音材
JP2018202671A (ja) 樹脂発泡成形用インサート部材の製造方法、樹脂発泡成形用インサート部材、及び車両用シートパッドの製造方法
US20070267771A1 (en) Method and system for making molded foam parts
CA2637189A1 (en) Cleaning implement
US20090277566A1 (en) Securing a Fabric Mold Liner
US11993027B2 (en) Self-rising board molding
JP2013132783A (ja) 加飾成形用シート、加飾成形体、及び、加飾成形体の製造方法
JPS63542B2 (ja)
JP5350044B2 (ja) 加飾成形用シート、加飾成形体、加飾成形用シート構成体、及び、加飾成形体の製造方法
US11771971B2 (en) Systems and methods for mobile molding and bonding
JP2005212204A (ja) 発泡成形品用補強材
JP5086017B2 (ja) 液体保持材及びその製造方法
JP2009185396A (ja) エアーフィルター用補強材
JP6984611B2 (ja) 積層体およびその製造方法
EP3941705B1 (en) Self rising board molding
US20230144496A1 (en) Materials, including nonwoven materials, and methods thereof
JP2009007713A (ja) シート状物
JP2018200338A (ja) 吸音性材料、吸音性成形物、吸音性成形物の製造方法
WO2011122561A1 (ja) 不織繊維成形体及びその製造方法
JP2018202672A (ja) 樹脂発泡成形用成形型および該成形型を使用する車両用シートパッドの製造方法
JP5772126B2 (ja) 車両用天井材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210608