JP2018202505A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示す表面被覆切削工具を提供する。【解決手段】基材上に形成された被膜は、A層2、B層3、C層4及びD層9がこの順で繰返し積層された積層構造を含み、A層、B層、C層及びD層のそれぞれは、4族元素、5族元素、6族元素、Al、Si、B及びYからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の元素の窒化物であり、A層の格子定数LA、B層の格子定数LB、C層の格子定数LC及びD層の格子定数LDは、LA<LB<LC式(I)、LA<LD<LC式(II)、の関係を満たし、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、格子定数LA、格子定数LB、格子定数LC及び格子定数LDの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であり、A層、B層、C層及びD層のそれぞれは、立方晶型結晶構造を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具に関する。
近年、様々な切削条件下において優れた工具寿命を示す切削工具が求められている。工具材料の要求性能として、工具寿命に直結する耐摩耗性および耐欠損性の向上が一段と重要になっている。そこで、これらの特性を向上させるため、基材の表面に、それぞれ格子定数の異なる材料からなる複数の被膜を積層した被覆切削工具が用いられている。
特開平08−134629号公報(特許文献1)には、工具用複合高硬度材料の表面を、微粒子で構成された2種以上の化合物層を含む積層構造とすることにより、優れた耐摩耗性を示す工具用複合高硬度材料が開示されている。
特開2010−207917号公報(特許文献2)には、表面被覆切削工具の硬質被覆層を、薄層Bと薄層Cを薄層Aを介して交互に積層し、薄層Aを、(Ti,Al)N層あるいは(Ti,Al,Si)N層のいずれか、薄層Bを、(Cr,Al)N層あるいは(Cr,Al,Si)N層のいずれか、また、薄層Cを、(Ti,Si)N層とすることにより、すぐれた耐チッピング性を示す表面被覆切削工具が開示されている。
特開2008−183671号公報(特許文献3)には、表面被覆切削工具の被覆膜を、A層とB層をC層を介して積層し、該A層を、化学式AlaTibc(0.4<a<0.75、0≦b<0.6、0<c<0.3、a+b+c=1、Mは少なくとも1種の特定の元素を示す)で表わされる第1複合金属の窒化物、炭窒化物、窒酸化物または炭窒酸化物とし、該B層を、化学式TidSie(0<e<0.3、d+e=1)で表わされる第2複合金属の炭窒化物とし、該C層を、TiNとすることにより、長寿命を達成可能な表面被覆切削工具が開示されている。
特開平08−134629号公報 特開2010−207917号公報 特開2008−183671号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術では、各層の格子定数差が小さく、熱負荷の高い高速、高能率加工において、耐欠損性が不十分であった。
そこで、本目的は、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示す表面被覆切削工具を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る表面被覆切削工具は、
基材と、前記基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
前記被膜は、A層、B層、C層及びD層がこの順で繰返し積層された積層構造を含み、
前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、周期律表の4族元素(Ti、Zr、Hf等)、5族元素(V、Nb、Ta等)、6族元素(Cr、Mo、W等)、Al、Si、B及びYからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の元素の窒化物であり、
前記A層の格子定数L、前記B層の格子定数L、前記C層の格子定数L及び前記D層の格子定数Lは、以下の式(I)及び式(II)の関係を満たし、
<L<L 式(I)
<L<L 式(II)
前記積層構造において、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、
前記格子定数L、前記格子定数L、前記格子定数L及び前記格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であり、
前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、立方晶型結晶構造を有する、
表面被覆切削工具である。
上記によれば、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示す表面被覆切削工具を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1にかかる表面被覆切削工具の構成例を説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかる表面被覆切削工具の構成例を説明する別の図である。 本発明の実施の形態2にかかる表面被覆切削工具の構成例を説明する図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る表面被覆切削工具は、
(1)基材と、前記基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
前記被膜は、A層、B層、C層及びD層がこの順で繰返し積層された積層構造を含み、
前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、周期律表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、Si、B及びYからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の元素の窒化物であり、
前記A層の格子定数L、前記B層の格子定数L、前記C層の格子定数L及び前記D層の格子定数Lは、以下の式(I)及び式(II)の関係を満たし、
<L<L 式(I)
<L<L 式(II)
前記積層構造において、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、
前記格子定数L、前記格子定数L、前記格子定数L及び前記格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Åであり、
前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、立方晶型結晶構造を有する、
表面被覆切削工具である。
表面被覆切削工具は、その被膜に含まれる積層構造において、隣接する層間の格子定数の差が0.0500Å以上0.1000Å以下であることにより、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示すことが可能となる。この理由は明らかではないが、隣接する層間の格子定数差が0.0500Å以上であると、格子整合時の双方の歪みが十分であるため耐欠損性が向上し、格子定数差が0.1000Å以下であると、界面で結晶格子が連続性を示し、隣接する層間の密着性が向上するためと推定される。
表面被覆切削工具は、前記格子定数L、前記格子定数L、前記格子定数L及び前記格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値が0.1100Å以上0.1500Å以下であることにより、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示すことが可能となる。これは、格子定数差の最大値が0.1100Å以上であると、積層構造内部での格子歪みが十分であるため耐欠損性が向上し、格子定数差が0.1500Å以下であると、各層の界面における立方晶型結晶構造の結晶性が良好なため耐欠損性が向上するとためと推定される。
(2)前記積層構造において、Siを含む層同士は隣接しないことが好ましい。これによると、表面被覆切削工具は、優れた耐欠損性を示すことができる。Siを含む層は、結晶性が低下し、組織が微細化する傾向があるため、Siを含む層同士を隣接させると、格子の連続性が維持できず、耐欠損性が低下するおそれがある。
(3)前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層は、それぞれ1nm以上110nm以下の層厚を有することが好ましい。該層厚が1nm未満であると、各層間の元素の拡散によって積層構造がほとんど消失し、混合層が形成され、耐欠損性が低下するおそれがある。一方、層厚が110nmを超えると、積層構造内に格子歪の小さい領域が形成され、耐欠損性が低下するおそれがある。
(4)前記B層及び前記D層は、同一の組成を有することが好ましい。これによると、耐欠損性が向上する。この理由は明らかではないが、積層構造の全体の歪みのバランスが良くなるためと推定される。
(5)前記積層構造は、合計で0.5μm以上10.0μm以下の厚みを有することが好ましい。該厚みが0.5μm未満であると、耐摩耗性及び耐欠損性が低下するおそれがある。一方、10.0μmを超えると、異常欠損が発生するおそれがある。
(6)前記被膜は、さらに周期律表の4族元素(Ti、Zr、Hf等)、5族元素(V、Nb、Ta等)、6族元素(Cr、Mo、W等)、Al及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、又は、前記少なくとも1種の元素と、C、N、O及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを有する化合物を含む層を1層以上備えることが好ましい。このような化合物層が基材と積層構造との間に存在すると、基材と被膜との密着性が向上する。又、このような化合物層が積層構造の表面側に存在すると、表面被覆切削工具の耐摩耗性、耐凝着性及び耐欠損性が更に向上する。
(7)前記基材は、超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス及びダイヤモンド焼結体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これによると、表面被覆切削工具は、例えばドリル、エンドミル、フライス加工用又は旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、又はクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態にかかる表面被覆切削工具の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施の形態1>
(表面被覆切削工具)
図1及び図2に示されるように、表面被覆切削工具10,11は、基材1と、前記基材1上に形成された被膜5とを備え、前記被膜5は、A層2、B層3、C層4及びD層9がこの順で繰返し積層された積層構造8を含む。
本実施形態の表面被覆切削工具は、例えばドリル、エンドミル、フライス加工用又は旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、又はクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。
(基材)
基材1としては、切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。例えば、超硬合金(例えばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいは更にTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。
なお、基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。なお、本発明で用いる基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。例えば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
(被膜)
被膜5は、基材上の全面を被覆する態様、部分的に被膜が形成されていない態様、及び、部分的に被膜の一部の積層態様が異なっているような態様のいずれも含む。
被膜5は、A層2、B層3、C層4及びD層9がこの順で繰返し積層された積層構造8を含む。A層、B層、C層及びD層は、積層構造中でこの順で繰返し積層されていれば、基材と接する側にA層、B層、C層又はD層のいずれが配置されていても構わない。すなわち、被膜において、基材側からA層、B層、C層及びD層がこの順で繰返し積層されていてもよい。又、被膜において、基板と反対の表面側からA層、B層、C層及びD層がこの順で繰返し積層されていてもよい。
例えば、図1に示されるように、基材1に接してA層2が配置され、該A層2上に、B層3、C層4及びD層9がこの順で配置され、該D層9上に更に、A層2、B層3、C層4及びD層9がこの順で配置されていてもよい(形態(a))。又、図2に示されるように、基材1に接してD層9が配置され、該D層9上に、C層4、B層3及びA層2がこの順で配置され、該A層2上に更に、D層9、C層4、B層3及びA層2がこの順で配置されていてもよい(形態(b))。又、図には示していないが、以下の形態(c)〜(h)のように各層が配置されていてもよい。
形態(c):基材に接してA層が配置され、該A層上に、D層、C層、B層及びA層がこの順で配置される形態。
形態(d):基材に接してB層が配置され、該B層上に、C層、D層、A層、B層、C層、D層がこの順で配置される形態。
形態(e):基材に接してB層が配置され、該B層上に、A層、D層、C層、B層及びA層がこの順で配置される形態。
形態(f):基材1に接してC層が配置され、該C層上に、D層、A層、B層、C層及びD層がこの順で配置される形態。
形態(g):基材1に接してC層が配置され、該C層上に、B層、A層、D層、C層、B層及びA層がこの順で配置される形態。
形態(h):基材1に接してD層が配置され、該D層上に、A層、B層、C層及びD層がこの順で配置される形態。
積層構造は、A層、B層、C層及びD層を各1層ずつ含む単位層を2つ以上含む形態とすることができる。又、前記単位層を1つと、A層、B層、C層及びD層のうち、1層以上との組み合わせとすることもできる。
積層構造の基材と反対側の表面層は、A層、B層、C層、D層のいずれであっても構わない。
A層2、B層3、C層4及びD層9のそれぞれは、周期律表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、Si、B及びYからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の元素の窒化物である。具体的には、AlCrN、AlCrSiN、AlCrHfN、CrSiN、CrAlN、CrTiN、TiAlN、TiSiN、TiTaN、TiWN、TiNbN、TiZrN、TiBN、TiMoN、TiHfN、TiAlYN、AlCrYN等を用いることができる。
なお本明細書において上記のように化合物を化学式で表わす場合、原子比を特に限定しない場合は従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるものではない。たとえば単に「AlCrN」と記す場合、「Al」と「Cr」と「N」の原子比は25:25:50の場合のみに限られず、また「CrN」と記す場合も「Cr」と「N」の原子比は50:50の場合のみに限られず、従来公知のあらゆる原子比が含まれるものとする。
各層を構成する化合物の組成はTEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)によって確認できる。TEM−EDXにおいては、例えば、以下のような条件が好適に使用可能である。
<測定機器>
測定機器:VG社製、HB501
EDX:KEVEX Super8000 定量トータルシステム
エネルギー分散型X線分析計(Si<Li>半導体検出器、UTW型)
EELS:VG社製、ELS−80分光器(エネルギー分解能:0.56eV)
<測定条件>
加速電圧:100kV
試料吸収電流:10-9
計数時間:50〜100秒
分析プローブ径:1nmφ
積層構造8において、Siを含む層同士は隣接しないことが好ましい。これによると、表面被覆切削工具は、優れた耐欠損性を示すことができる。Siを含む層は、結晶性が低下し、組織が微細化する傾向があるため、Siを含む層同士を隣接させると、格子の連続性が維持できず、耐欠損性が低下するおそれがある。
B層及びD層は、同一の組成を有することが好ましい。これによると、耐欠損性が向上する。この理由は明らかではないが、積層構造の全体の歪みのバランスが良くなるためと推定される。
A層2の格子定数L、B層3の格子定数L、C層4の格子定数L及びD層9の格子定数Lは、以下の式(I)及び式(II)の関係を満たす。
<L<L 式(I)
<L<L 式(II)
格子定数L、格子定数L、格子定数L及び格子定数Lが上記式(I)及び(II)の関係を満たし、かつ、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であることにより、積層構造8内で、隣接する層間の格子定数の差を小さくできるため、隣接する層同士が高い密着性を示すことが可能である。
さらに、格子定数L、格子定数L、格子定数L及び格子定数Lが上記式(I)及び(II)の関係を満たし、かつ、格子定数L、格子定数L、格子定数L及び格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であることにより、隣接しない層間の格子定数の差を大きくできるため、積層構造全体としては、優れた耐欠損性を得ることが可能である。
積層構造8において、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下である。隣接する層間の格子定数の差とは、A層2の格子定数LとB層3の格子定数Lとの差、B層3の格子定数LとC層4の格子定数Lとの差、C層4の格子定数LとD層9の格子定数Lとの差、及び、D層9の格子定数LとA層2の格子定数Lとの差を意味する。これにより、表面被覆切削工具は、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示すことが可能となる。この理由は明らかではないが、隣接する層間の格子定数差が0.0500Å以上であると、格子整合時の双方の歪みが十分であるため耐欠損性が向上し、格子定数差が0.1000Å以下であると、隣接する層間の界面で結晶格子が連続性を示し、隣接する層間の密着性が向上するためと推定される。隣接する層間の格子定数の差は0.0550Å以上0.0900Å以下が好ましく、0.0600Å以上0.0700Å以下が更に好ましい。
ここで、隣接する層間の界面で結晶格子が連続性を示していることは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって確認できる。具体的には、層間の界面において、各層の格子がつながっている場合に、結晶格子が連続性を示していると判断できる。このTEM分析においては、例えば、以下のような条件が好適に使用可能である。
<TEM分析条件>
測定機器:日立製、商品名:H−9000UHR
加速電圧:300kV
倍率:20万〜800万倍
積層構造8において、格子定数L、格子定数L、格子定数L及び格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下である。格子定数の差の最大値とは、格子定数L、格子定数L、格子定数L及び格子定数Lのうち、格子定数の最大値と格子定数の最小値との差を意味する。これにより、表面被覆切削工具は、熱負荷の高い高速、高能率加工において、優れた耐欠損性を示すことが可能となる。これは、格子定数差の最大値が0.1100Å以上であると、積層構造内部での格子歪みが十分であるため耐欠損性が向上し、格子定数差が0.1500Å以下であると、各層の界面における立方晶型結晶構造の結晶性が良好なため耐欠損性が向上するとためと推定される。格子定数の差の最大値は、0.1200Å以上0.1350Å以下が好ましい。
ここで、「格子定数」とは、以下のいずれかの値を用いるものとする。
(1)各層の材料が、JCPDSカード(JCPDS:Joint Committee on Powder Diffraction Standards)に記載されている場合は、記載されている格子定数の値。
(2)各層の材料が、JCPDSカードに記載されている材料の複合物の場合は、各材料のJCPDSカードに記載の格子定数と、複合物の組成比とを用いて、格子定数を算出した値。例えば、TiCr1−AN(0<A<1)の格子定数LTiCrNは、JCPDSカードに記載されているTiNの格子定数LTiN(4.239Å)と、JCPDSカードに記載されているCrNの格子定数LCrN(4.136Å)を用いて、下記のようにして求める。
TiCrN=LTiN・A+LCrN(1−A)=(LTiN−LCrN)×A+LCrN=(4.239−4.136)×A+4.136[Å]
(3)格子定数が、上記(2)から算出できない場合は、各層を下記の条件で、基材(K10 超硬合金(JIS))上にアークイオンプレーティング法を用いて成膜し、X線分析法(XRD)のθ/2θ法のピーク角度から、格子定数を算出した値。アークイオンプレーティング法では、チャンバー内の圧力が4.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を600℃、アーク電流150A、バイアス電圧−15Vとし、膜厚が2.0μmとなるまで成膜する。成膜後、高温XRDにて真空中650℃でピーク位置が安定するまで加熱し、ピーク位置が安定後にピーク角度を測定する。
A層、B層、C層及びD層は、それぞれ1nm以上110nm以下の層厚を有することが好ましい。該層厚が1nm未満であると、各層間の元素の拡散によって積層構造がほとんど消失し、混合層が形成され、耐欠損性が低下するおそれがある。一方、層厚が110nmを超えると、積層構造内に格子歪の小さい領域が形成され、耐欠損性が低下するおそれがある。A層、B層、C層及びD層の各層の層厚は、1nm以上50nm以下が好ましく、3nm以上20nm以下がより好ましく、6nm以上12nm以下が更に好ましい。
積層構造は、合計で0.5μm以上10.0μm以下の厚みを有することが好ましい。積層構造の全体の合計厚みが0.5μm未満であると、耐摩耗性及び耐欠損性が低下するおそれがある。一方、10.0μmを超えると、異常欠損が発生するおそれがある。積層構造の全体の合計厚みは1.0μm以上6.0μm以下がより好ましく、1.5μm以上4.0μm以下が更に好ましい。
ここで、「各層の層厚」又は「積層構造の全体の厚み」は、次のようにして求められる。まず、基材の表面の法線方向に平行な断面を含む測定試料を作製する。次に、該断面を走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscopy)で観察し、観察画像に被膜の厚み方向の全域が含まれるように倍率を調整する。そして、その厚みを5点以上測定し、その平均値を厚みとする。STEMにおいては、例えば、以下のような条件が好適に使用可能である。
<STEM分析条件>
測定機器:日立製、商品名:HD−2700
加速電圧:200kV
倍率:20万〜800万倍
積層構造中のA層、B層、C層及びD層のそれぞれの積層数は、積層構造の全体の厚みとこれら各層の厚みとが決定すると自ずと決定されるものであるが、6層以上が好ましく、10層以上がより好ましい。
A層、B層、C層及びD層のそれぞれは、立方晶型結晶構造を有する。結晶構造はTEM(透過型電子顕微鏡)回折パターンにより分析することができる。各層の材料が立方晶型結晶構造を有すると、硬度、耐熱性、耐酸化性、化学的安定性に優れた表面被覆切削工具を得ることができる。
(製造方法)
積層構造を基材表面に形成(成膜)するためには、立方晶型結晶構造を有する化合物を形成することができる成膜プロセスであることが好ましい。具体的には、物理的蒸着法を用いることが好適である。
物理的蒸着法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが知られており、このような従来公知のいずれの物理的蒸着法も採用し得る。中でも、原料元素のイオン率が高いカソードアークイオンプレーティング法を採用することが好ましい。カソードアークイオンプレーティング法を採用すると、被膜を形成する前に基材表面に対して金属又はガスイオンボンバードメント処理を行なうことが可能となるため、これにより被膜の密着性を飛躍的に高めることができる。
カソードアークイオンプレーティング法の諸条件は、従来公知の諸条件を特に限定なく採用することができる。
<実施の形態2>
(表面被覆切削工具)
図3に示されるように、表面被覆切削工具12は、基材1と積層構造8との間に中間層6を有していてもよい。又、図3に示されるように、表面被覆切削工具12は、積層構造8の基板と反対側の表面に表面層7を有していてもよい。又、図には示されていないが、表面被覆切削工具は、積層構造と表面層との間に、中間層を有していてもよい。このように被膜5は、中間層6、表面層7及び積層構造8を含むことができる。
中間層6及び表面層7は、周期律表の4族元素、5族元素、6族元素、Al及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、又は、前記少なくとも1種の元素と、C、N、O及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを有する化合物を含むことが好ましい。中間層が前記化合物を含むと、基材と積層構造、又は、積層構造と表面層との密着強度が向上し、両者の剥離を抑制することができる。表面層が前記化合物を含むと、表面被覆切削工具の耐摩耗性が向上する。中間層及び表面層は、それぞれ1層で構成されていてもよいし、それぞれ2層以上で構成されていてもよい。
前記化合物としては、例えば、TiWCN、TiNbN、CrWCN、TiCN、AlN、TiAlSiN、TiWCNO、TiAlBN等を用いることができる。
中間層及び表面層は、単層で構成することもできるし、異なる化合物を積層した多層構造を有することもできる。
中間層の層厚は、密着性及び生産性の観点から、1nm以上500nm以下が好ましい。表面層の層厚は、耐摩耗性及び接着性の観点から、0.1μm以上5μm以下が好ましい。
本実施の形態を実施例により更に具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本実施の形態が限定されるものではない。なお、実施例中の各層の層厚又は積層構造全体の厚みは、各層又は積層構造全体の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)を用いて観察することにより測定し、各層を構成する化合物の組成はTEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)によって確認した。又、結晶構造及び格子連続性はTEM(透過型電子顕微鏡)回折パターン及び格子像により分析した。各層の格子定数は、上述のとおり、(1)JCPDSカードに記載されている格子定数の値、(2)JCPDSカードに記載されている格子定数から算出した値、又は(3)所望の材料からなる層を所定の条件で成膜して、X線分析法(XRD)のθ/2θ法のピーク角度から、格子定数を算出した値、のいずれかとした。格子定数差は有効数字を4桁(小数点以下4桁)とした。
<表面被覆切削工具の作製>
本実施例では、以下の通り表面被覆切削工具を作製し、旋削試験及びフライス切削試験を行い、性能を評価した。
(試料1〜38,43〜46)
表面被覆切削工具の基材として、旋削試験用には、材質がK20超硬合金(JIS)であり、形状がCNMG120408(JIS)である旋削加工用刃先交換型切削チップを準備した。フライス切削試験用には、材質がP20超硬合金(JIS)であり、形状がSEET13T3AGSN(JIS)であるフライス加工用刃先交換型切削チップを準備した。
次に、基材上に被膜を形成した。具体的な形成条件を表1に記載した試料1を例にとり以下に示す。
ターゲット材料として、Alが80原子%であり、Crが20原子%である合金(A層形成用ターゲット)と、Tiが45原子%であり、Alが55原子%である合金(B層形成用ターゲット)と、Tiが95原子%であり、Siが5原子%である合金(C層形成用ターゲット)と、Tiが50原子%であり、Alが50原子%である合金(D層形成用ターゲット)を準備した。なお、いずれのターゲット材料も微量の不可避不純物を含むが、それを除外した表記としている。
基材をカソードアークイオンプレーティング・スパッタ装置に装着した。チャンバー内にArガスを導入してチャンバー内の圧力を3.0Paに保持しバイアス電圧を徐々に上げながら−1000Vとして、基材表面のクリーニングを15分間行なった。その後、Arガスを排気した。これにより、Arイオンが基材表面をクリーニングし強固な汚れや酸化膜が除去された。
次に、基材上にA層を形成する。すなわち、チャンバー内の圧力が5.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を500℃、基材バイアス電圧を65Vとした。A層形成用ターゲットをアーク放電によりイオン化し、N2ガスと反応させることにより、基材と接するように、立方晶型Al0.8Cr0.2Nによって構成される、層厚24nmのA層を形成した。
続いて、上記A層上にB層を形成する。すなわち、チャンバー内の圧力が5.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を500℃、基材バイアス電圧を65Vとした。B層形成用ターゲットをアーク放電によりイオン化し、N2ガスと反応させることにより、上記A層上に立方晶型Ti0.45Al0.55Nによって構成される、層厚20nmのB層を積層した。
続いて、上記B層上にC層を形成する。すなわち、チャンバー内の圧力が5.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を500℃、基材バイアス電圧を65Vとした。C層形成用ターゲットをアーク放電によりイオン化し、N2ガスと反応させることにより、上記B層上に立方晶型Ti0.95Si0.05Nによって構成される、層厚22nmのC層を積層した。
続いて、上記C層上にD層を形成する。すなわち、チャンバー内の圧力が5.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を500℃、基材バイアス電圧を65Vとした。D層形成用ターゲットをアーク放電によりイオン化し、N2ガスと反応させることにより、上記C層上に立方晶型Ti0.50Al0.50Nによって構成される、層厚21nmのD層を積層した。
次に、前記D層上に、更にA層、B層、C層及びD層を、この順で、上記と同様の方法で繰返し積層した。これにより、基材上に、全体層厚3.0μmの積層構造からなる被膜が形成された表面被覆切削工具を得た。
試料2〜38,43〜46は、A層、B層及びC層が、それぞれ表1に示す組成及び層厚となるように、ターゲット材料及びスパッタリング条件を適宜変更した他は、試料1と同様の方法で作製した。すなわち、基材をカソードアークイオンプレーティング・スパッタ装置に装着し、チャンバー内の圧力が1.6Pa〜5.0PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を430℃〜620℃、基材バイアス電圧を15V〜150Vとした。目的とする組成のターゲットをアーク放電によりイオン化し、N2ガスと反応させることにより、A層、B層、C層及びD層を、それぞれ所望の厚みで作製した。なお、A層、B層、C層及びD層の基材上の積層順序は、表1の「基材上積層順序」の欄に記載した。例えば、試料2では、基材上にD層を形成し、該D層上に、C層、B層、A層をこの順で積層し、該A層上に、更にD層、C層、B層及びA層を、この順で繰返し積層した。
(試料39〜42)
試料1と同様の基材を準備した。次に、基材上に、中間層、積層構造及び表面層をこの順で積層して、被膜を形成した。中間層、積層構造及び表面層の形成方法は、中間層、積層構造及び表面層が、それぞれ表1に示す組成及び層厚となるように、ターゲット材料及びスパッタリング条件を適宜変更した他は、試料1と同様の方法で作製した。
試料42の表面層は超多層構造を有するものであるが、これについては従来公知の条件で作製した。すなわち、目的とする組成(表1記載の組成)のターゲットを用い、チャンバー内の圧力が2.6PaになるようにN2ガスを導入し、基材温度を550℃、基材バイアス電圧を40VとしてTiAlSiN層を15nm成膜するという操作と、基材温度を550℃、基材バイアス電圧を40VとしてTiNbN層を10nm成膜するという操作とを繰り返すことにより、全体厚み1.0μmの超多層構造を作製した。
Figure 2018202505
<性能評価>
上記で作製した試料1〜46の表面被覆切削工具のそれぞれについて、旋削試験及びフライス切削試験を熱負荷の高い高速、高能率加工の条件下で行なうことにより耐欠損性の評価を行なった。旋削試験及びフライス切削試験の具体的な条件は以下の通りである。
(旋削試験)
被削材:インコネル718丸棒
切削速度:75m/分
切り込み:2.0mm
送り:0.25mm/rev
DRY/WET:WET
評価は、表面被覆切削工具に欠損が生じるまでの時間を切削時間として測定することにより行なった。結果を表2に示す。切削時間が長いと、耐欠損性が優れていることを示す。
Figure 2018202505
試料1〜42は、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、かつ、格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であり、優れた耐欠損性を示した。試料43は、隣接する層間の格子定数の差が0.0500Å以上0.1000Å以下の範囲外であり、耐欠損性が劣っていた。試料44〜46は、隣接する層間の格子定数の差は、少なくとも1つが0.0500Å以上0.1000Å以下の範囲外であり、かつ、格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下の範囲外であり、耐欠損性が劣っていた。
(フライス切削試験)
被削材:SCM435
切削速度:270m/分
切り込み:1.5mm
送り:0.2mm/rev
DRY/WET:DRY
評価は、表面被覆切削工具の逃げ面の摩耗量が0.2mmになるまで、又は、欠損が生じるまでの時間を切削時間として測定することにより行なった。結果を表3に示す。切削時間が長いと、耐欠損性が優れていることを示す。
Figure 2018202505
試料1〜42は、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、かつ、格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であり、優れた耐欠損性を示した。試料43は、隣接する層間の格子定数の差が0.0500Å以上0.1000Å以下の範囲外であり、耐欠損性が劣っていた。試料44〜46は、隣接する層間の格子定数の差は、少なくとも1つが0.0500Å以上0.1000Å以下の範囲外であり、かつ、格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下の範囲外であり、耐欠損性が劣っていた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基材、2 A層、3 B層、4 C層、5 被膜、6 中間層、7 表面層、8 積層構造、9 D層、10,11,12 表面被覆切削工具

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具であって、
    前記被膜は、A層、B層、C層及びD層がこの順で繰返し積層された積層構造を含み、
    前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、周期律表の4族元素、5族元素、6族元素、Al、Si、B及びYからなる群より選ばれる少なくとも2種以上の元素の窒化物であり、
    前記A層の格子定数L、前記B層の格子定数L、前記C層の格子定数L及び前記D層の格子定数Lは、以下の式(I)及び式(II)の関係を満たし、
    <L<L 式(I)
    <L<L 式(II)
    前記積層構造において、隣接する層間の格子定数の差は0.0500Å以上0.1000Å以下であり、
    前記格子定数L、前記格子定数L、前記格子定数L及び前記格子定数Lの中から選ばれる2つの格子定数の差の最大値は0.1100Å以上0.1500Å以下であり、
    前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層のそれぞれは、立方晶型結晶構造を有する、
    表面被覆切削工具。
  2. 前記積層構造において、Siを含む層同士は隣接しない、請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記A層、前記B層、前記C層及び前記D層は、それぞれ1nm以上110nm以下の層厚を有する、請求項1又は請求項2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記B層及び前記D層は、同一の組成を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記積層構造は、合計で0.5μm以上10.0μm以下の厚みを有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記被膜は、さらに周期律表の4族元素、5族元素、6族元素、Al及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、又は、前記少なくとも1種の元素と、C、N、O及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを有する化合物を含む層を1層以上備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記基材は、超硬合金、サーメット、立方晶型窒化硼素焼結体、高速度鋼、セラミックス及びダイヤモンド焼結体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の表面被覆切削工具。
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