JP2018202425A - 内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法 - Google Patents

内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長手方向の溝形状の寸法精度が高く、フィン形状の整った内面螺旋溝付多重捻り管を提供できるとともに、細管に対応でき、生産性に優れる製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、内面に長さ方向に沿う複数の螺旋溝が周方向に間隔をおいて形成され、隣接する前記螺旋溝間に螺旋フィンが形成された金属製の複数の径の異なる内面螺旋溝付管を備え、大径の内面螺旋溝付管の内側に小径の内面螺旋溝付管が挿入されて一体化され、前記大径の内面螺旋溝付管の外周に犠牲陽極層が形成されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器の伝熱管等に用いられる内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法に関する。
従来から、管内において内側流路とその周囲に配置された外側の複数の流路間で、内側と外側を流れる冷媒間で熱交換を行なう管式熱交換器が知られている。
特許文献1には、ヒートポンプ式の熱源機においてコストの増加を抑制しつつ熱交換性能の向上を図った二重管式熱交換器が開示されている。
特開2016−99075号公報
二重管式熱交換器の課題に、高コスト化を抑制し且つ熱交換性能を高めるといった要望を満足することが挙げられる。熱交換性能向上には二重管式熱交換器の長さを長くすることで実現可能であるが、一方で熱交換器が大型化するとともに、材料費の増加でコストが高くなるといった問題がある。
ところで、自動車用コンデンサとエバポレータを接続する伝熱管は二重管で構成され、二重管を冷媒が通過する間において管体を介し隣接する暖かい冷媒と冷たい冷媒との間で熱交換を行うことがなされている。
この伝熱管において暖かい冷媒と冷たい冷媒の間で効率良く熱交換を行うためには、二重管が螺旋構造になっていれば、理想的な構造と考えられる。
しかし、二重管のそれぞれを螺旋構造とするのは容易ではなく、上述の如く熱交換性能を向上させようとすると熱交換器の大型化、材料費の増加が避けられないという問題がある。
また、自動車用コンデンサやエバポレータなどの熱交換器は、雨水に触れることがあり耐食性の面においても優れていることが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、長手方向に溝形状および捻り角の寸法精度が高い内面螺旋溝付管を複数集合した構造が得られ、熱交換効率の優れた生産性と耐食性に優れる内面螺旋溝付多重捻り管を提供し、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管は、内面に長さ方向に沿う複数の螺旋溝が周方向に間隔をおいて形成され、隣接する前記螺旋溝間に螺旋フィンが形成された金属製の複数の径の異なる内面螺旋溝付管を備え、大径の内面螺旋溝付管の内側に小径の内面螺旋溝付管が挿入され、一体化され、前記大径の内面螺旋溝付管の外周に犠牲陽極層が形成されたことを特徴とする。
本発明の内面螺旋溝付多重捻り管において、前記大径の内面螺旋溝付管内面の前記螺旋フィンがその内側の内面螺旋溝付管の外周面に食い込まされ、前記小径の内面螺旋溝付管の内側に第1の流路が形成され、前記小径の内面螺旋溝付管と前記大径の内面螺旋溝付管との間に第2の流路が形成された構成を採用できる。
本発明の内面螺旋溝付多重捻り管において、前記個々の内面螺旋溝付管の螺旋溝が一定の捻り周期を有する構成を採用できる。
本発明の内面螺旋溝付多重捻り管において、前記犠牲陽極層がZnを0.2質量%以上含み、厚さ80μm以上である構成を採用できる。
本発明の内面螺旋溝付多重捻り管において、前記個々の内面螺旋溝付管の内面に形成されている螺旋溝の捻り角が個々の内面螺旋溝付管の中心軸線に対し5〜80゜に設定された構成を採用できる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、内面に長さ方向に沿う複数の溝が周方向に間隔をおいて形成された径の異なる素管を複数本用意し、大径の素管の中に小径の素管を挿入して複合素管を形成し、この複合素管を巻き出し側キャプスタンにその導入側接線方向から巻き付けつつ前記複合素管を導出側接線に沿って巻き出し、前記巻き出し側キャプスタンを前記導出側接線を軸として軸回りに回転させることにより、前記巻き出し側キャプスタンから前記複合素管を前記軸心回りに回転させながら前記接線の延長方向に巻き出す素管巻き出し工程と、巻き出された前記複合素管を引抜きダイスに通して縮径しながら捻りを付与して内面螺旋溝付多重捻り管とする捻り引抜き工程と、前記内面螺旋溝付多重捻り管の表面に犠牲陽極層を設ける工程を備えることを特徴とする。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、長さ方向に沿う溝として内面に直線溝を有する素管を用いることができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、長さ方向に沿う溝として内面螺旋溝を有する素管を用いることができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、前記引抜きダイスによる縮径率を5〜40%とすることができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、Znを0.2質量%以上含み、厚さ80μm以上の犠牲陽極層を形成することができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、前記巻出し側キャプスタンに前記複合素管を巻き始める位置と前記巻出し側キャプスタンから前記引抜きダイス側に前記複合素管を送り始める位置を前記巻出し側キャプスタンの回転軸と平行な方向にずらすことにより、前記巻出し側キャプスタンと前記引抜きダイスとの間を前記複合素管の捻り加工領域とすることができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法は、前記引抜きダイスに前記複合素管を通して前記複合素管を捻りつつ縮径する際、前記複合素管に前方張力と後方張力を付加することができる。
本発明によれば、内面に長さ方向に沿う複数の螺旋溝が周方向に間隔をおいて形成された金属製の内面螺旋溝付管を複数本、複合した構造であって、優れた耐食性を有する従来にない内面螺旋溝付多重捻り管を提供することができる。
本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管の第1実施形態を示す断面図。 同実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管の一部を切り出した展開図。 同製造装置の全体構成を示す側面図。 同製造装置の全体構成を示す平面図。 同製造装置の巻き出し側キャプスタンに対し素管を巻き付けて巻き出した状態を示す平面図。 同製造装置に供給される素管の一例を示すもので、(a)は断面図、(b)は横断面図。 大径の素管の内側に小径の素管を挿入して複合素管を構成した状態を示す断面図。 径の異なる3種類の内面螺旋溝付管を複合一体化した内面螺旋溝付多重捻り管の第2実施形態を示す断面図。 大径の内面螺旋溝付管の内部に小径の内面螺旋溝付管を3本複合して一体化した構造の内面螺旋溝付多重捻り管の第3実施形態を示す断面図。 同第3実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管において小径の3本の内面螺旋溝付管を抜き出して示す斜視図。 本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管を伝熱管として用いた熱交換器の一例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は部分拡大図。 実施例において製造された内面螺旋溝付多重捻り管の一具体例を示すもので、(a)は断面図、(b)はその部分拡大図。
以下、本発明に係る内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法と製造装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管の製造装置A(図3〜図4参照)は、内面に長さ方向に沿う複数の直線溝が周方向に間隔をおいて複数形成された径の異なる素管(図6、図7参照)を複数本、例えば2本(素管1、8)を複合した複合素管Fが適用される。
この例の製造装置Aは、例えば、素管1に素管8を挿入して複合素管Fを構成し、これに一定の捻りを生じさせ、図1に示す内面に螺旋溝2aを有する小径の内面螺旋溝付管2と内面に螺旋溝3aを有する大径の内面螺旋溝付管3を一体化した内面螺旋溝付多重捻り管4の基本構造を形成する装置である。この製造装置Aで捻り加工後、内面螺旋溝付管3の外周に溶射法、めっき法、塗布法、クラッド法などの適宜の方法によりZn溶射層、Znメッキ層、Znクラッド層などを形成し、必要に応じ熱処理してZnを拡散させることで犠牲陽極層14を備えた内面螺旋溝付多重捻り管4を得ることができる。
内面螺旋溝付多重捻り管4において、小径の内面螺旋溝付管2の内面の螺旋溝間には螺旋フィン2bが形成され、大径の内面螺旋溝付管3の内面の螺旋溝間には螺旋フィン3bが形成されている。
内面螺旋溝付多重捻り管4の外周面、即ち、内面螺旋溝付管3の外周面には犠牲陽極層14が形成されている。この犠牲陽極層14は、一例としてZn溶射層、クラッドによるZn層あるいはZnメッキ層などから、あるいは、これらから熱拡散によりZnが拡散されて形成された防食層である。アルミニウム又はアルミニウム合金から、あるいは、鉄系合金から内面螺旋溝付管3を形成した場合、犠牲陽極層14の領域はZnが拡散されていない領域より電気化学的に卑となって、優先的に腐食することにより、内面螺旋溝付管3の孔食を防止する。犠牲防食層14を構成する材料は、防食対象の内面螺旋溝付管3を構成する金属材料よりも電位が卑な(低電位な)金属の層を設けると良い。
Znの拡散を行わない場合は、内面螺旋溝付層3を構成する材料にZnを多く含ませた材料からなる溶射層、クラッド層などを設けることが好ましい。
この犠牲陽極層14は、例えばZnを0.2質量%以上含むアルミニウム合金層から形成され、80μm以上の厚さに形成される。
Zn含有量が0.2質量%未満の場合は内面螺旋溝付管3の母材(Znを拡散させていない領域)との電位差が少なくなり、腐食防止効果が不充分となり易い。
犠牲陽極層14の厚さが80μm未満であると、犠牲陽極層厚が不足し、孔食に繋がりやすくなる問題を生じ易い。
本実施形態において、図3は製造装置Aの全体構造の側面を示し、図4は製造装置Aの全体構造の平面を示す。
この製造装置Aは、内面に直線溝(図6参照)1aが形成された素管1に図7に示すように同等構造で小径の素管8を挿入して複合した複合素管Fを図3、図4に示すようにコイル状に巻き取った状態に保持する巻き出し側キャプスタン5と、この巻き出し側キャプスタン5から巻き出される複合素管Fを巻き出し側キャプスタン5とともに回転する回転手段6を備えている。また、製造装置Aは、巻き出し側キャプスタン5から送り出された複合素管Fを通す引抜きダイス7と、引抜きダイス7を通って捻り加工と引抜き加工がなされた内面螺旋溝付多重捻り管3を巻き付けながら送り出す引き抜き側キャプスタン9を備えている。
素管1は例えば図6に示すように管本体1Aの内面に長さ方向に沿って直線溝1aが複数形成され、内周方向に隣接する直線溝1a、1aの間にフィン1bが形成されている。素管1はアルミニウムあるいはアルミニウム合金管からなり、例えば外径3〜20mm程度、より具体的には3〜12mm程度の外径に形成されている。
この素管1の内部に素管1の内径より若干小さな外径の素管8が素管1の長さ方向に沿って挿入され、複合素管Fが構成されている。素管8は素管1と同等構造で外径のみ若干小さく形成されたもので、アルミニウムあるいはアルミニウム合金管からなり、例えば外径3〜20mm程度、より具体的には3〜12mm程度の外径であって、素管1の内部に挿入可能な外径に形成されている。素管8において図7に示すように管本体8Aの内面に長さ方向に沿って複数の直線溝8aが形成され、内周方向に隣接する直線溝8a、8a間にフィン8bが形成されている構造についても素管1と同等構造とされている。
なお、この実施形態において素管1、8はアルミニウム又はアルミニウム合金からなるが、素管1、8については銅系合金あるいはステンレス鋼などの鉄系合金から形成されていてもよい。この実施形態ではアルミニウム又はアルミニウム合金からなる素管1、8を例として説明するが、本発明で目的とする内面螺旋溝付多重捻り管は引抜きダイスにより引抜きが可能な材料であれば適用可能であるので、アルミニウム系合金、銅系合金あるいは鉄系合金など、他の金属や合金からなる素管を用いて本発明を実施しても良いのは勿論である。
外側の素管1と内側の素管8は同じ材料である必要は無く、素管1を銅合金製とし、素管8をアルミニウム合金製などとしても良い。また、同じアルミニウム合金であっても、素管1と素管8を組成の異なるアルミニウム合金製で構成することも可能である。また、素管1と素管8はこの例では相似形状の素管として表示されているが、それらの内面に形成されている直線溝1a、8aの幅やフィン1b、8bの幅、高さ、形成ピッチなどは内側の素管8と外側の素管1で異なっていても良い。
巻き出し側キャプスタン5は、図3に示すように離間して前後に立設された鋼材からなる支柱部材10、11の上端部に取り付けられた軸受け部12に軸回りに回転自在に水平に支持された中空軸部13に支持されている。なお、この中空軸部13の長さ方向の延長線に沿って巻き出し側キャプスタン5とダイス7と引き抜き側キャプスタン9が順次配置され、複合素管Fが中空軸部13、巻き出し側キャプスタン5、引抜きダイス7、引き抜き側キャプスタン9の順に移動されて加工される。このため、以下の説明において複合素管Fの移動方向に沿って上流側を前段側、下流側を後段側と適宜呼称しつつ説明する。
中空軸部13は支柱部材10の上端部と支柱部材11の上端部にそれぞれ設けられている軸受け部材10a、11aに支持されて水平に設けられ、その一端13aを支柱部材10の上端部から上流側外部に突出させ、その他端13bを支柱部材11の上端部から下流側外部に突出させて水平に、かつ、軸回りに回転自在に支持されている。中空軸部13の他端側に中空軸部13に対し斜め方向に隣接して延在する一対の第1支持フレーム15が設けられ、その先端部15aによって巻き出し側キャプスタン5が支持されている。
中空軸部13の他端側には中空軸部13に対し斜め方向に延在するように第2支持フレーム16が設けられ、第2支持フレーム16の先端側に延設された延長フレーム17に錘体18が取り付けられている。第1支持フレーム15と第2支持フレーム16は中空軸部13の他端13bに対しV字型に配置されるように接続され、中空軸部13の軸回りの回転によって第1支持フレーム15と第2支持フレーム16はV字型に支持されたまま回転される。
巻き出し側キャプスタン5の円盤部5aはその中心部を第1支持フレーム15とその先端部15aによって回転自在に支持されている。また、中空軸部13の中心軸の延長線を巻き出し側キャプスタン5の外周縁の接線と近似するように巻き出し側キャプスタン5が第1支持フレーム15によって支持されている。このため、中空軸部13の回転に伴い巻き出し側キャプスタン5が旋回すると、中空軸部13の中心軸の延長線の周囲を周回するように巻き出し側キャプスタン5が回転する。また、同様に中空軸部13の回転に伴い錘体18も中空軸部13の中心軸の延長線の周囲を周回するように回転する。
巻き出し側キャプスタン5において、円盤部5aの外周縁に沿って複合素管Fを巻き付けることができるように構成されている。
例えば、図3に示すように巻き出し側キャプスタン5が最も下方位置になるように中空軸部13を回転させた場合、巻き出し側キャプスタン5の最上部の若干上方を中空軸部13の中心軸の延長線が通過する。あるいは、巻き出し側キャプスタン5が最も上方位置になるように中空軸部13を回転させた場合、巻き出し側キャプスタン5の最下部の若干下方を中心軸部13の中心軸部の延長線が通過する。
中空軸部13の一端13a側の開口部には複合素管Fを挿入可能な大きさの入口部13cが形成され、中空軸部13の他端13b側の開口部には先の複合素管Fを引き出し可能な出口部13dが形成されている。
このため、中空軸部13の内部を通過させた複合素管Fを巻き出し側キャプスタン5の外周の接線に沿うように導入して巻き出し側キャプスタン5の外周に巻き掛けることができるとともに、巻き出し側キャプスタン5の外周に例えば1周分巻き付けた複合素管Fを巻き出し側キャプスタン5の外周から巻き出して引抜きダイス7側に導出することができる。
この巻き出し側キャプスタン5に対する複合素管Fの巻き付け状態と巻き出し状態の一例を図5に簡略的に示しておく。図5においてCは巻き出し側キャプスタン5に巻き付けられる前段側の複合素管Fの軸心を示し、C1は巻き出し側キャプスタン5から巻き出された複合素管Fの軸心を示している。
中空軸部13の他端側にはV字型に第1支持フレーム15と第2支持フレーム16が延出され、それらの先端側に巻き出し側キャプスタン5と錘体18が取り付けられているが、錘体18と巻き出し側キャプスタン5の重量および取付位置は、それらが回転した場合に、重量バランスの均衡がとれる位置とされている。即ち、中空軸部13の回転により錘体18と巻き出し側キャプスタン5が旋回した場合、両者の回転モーメントのバランスが均衡し、両者の回転に伴う振動が可能な限り小さくなるように巻き出し側キャプスタン5と錘体18のそれぞれの重量と取付位置が調整されている。
支柱部材10の上部と支柱部材11の上部の間に支持板20が架設され、支持板20に駆動モーター21が取り付けられ、駆動モーター21の出力軸21aに無端ベルトなどの動力伝達装置22が接続されている。この動力伝達装置22はその上方に位置する中空軸部13の一端側に接続されていて、駆動モーター21の出力軸21aの回転により中空軸部13を回転駆動することができる。
この駆動モーター21と動力伝達装置22と中空軸部13により巻き出し側キャプスタン5と錘体18を一体に回転させる構成であり、駆動モーター21と動力伝達装置22と中空軸部13により、巻き出し側キャプスタン5を回転駆動する回転手段6が構成されている。
中空軸部13の出口部13dに対し下流側に巻き出し側キャプスタン5が設けられているが、その更に下流側に引抜きダイス7が支柱部材23に支持されて設けられている。引抜きダイス7の設置位置は、図3に示すように中空軸部13の出口部13dと同等高さにダイス孔が配置され、中空軸部13の出口部13dと引抜きダイス7との中間に位置する巻き出し側キャプスタン5の外周縁がパスラインに一致するように配置されている。引抜きダイス7はこの例では支柱部材23の上端部に中空の支持架台24を介し取り付けられている。また、支持架台24の上方には引抜きダイス7のダイス孔に潤滑油を供給するためのタンク26とフレキシブル供給管27が設置されている。
引抜きダイス7は、複合素管Fを挿通させるダイス孔を有しており、複合素管Fの外径を減少させる空引きを行う。引抜きダイス7における縮径率はアルミニウム又はアルミニウム合金からなる素管1、8の場合、5〜40%程度に設定される。縮径率が小さ過ぎる場合は引抜きによる効果が乏しく、大きな捻り角を得ることが難しいので、5%以上とするのが好ましい。一方、縮径率が大きくなり過ぎると加工限界で複合素管Fに破断を生じ易くなるので、40%以下とするのが好ましい。
また、複合素管Fがダイス孔を通過する際、巻き出し側キャプスタン5が回転されるので、複合素管Fは引抜きダイス7のダイス孔によって縮径されると同時に捻りが付与される。このため、複合素管Fを構成する素管1、8は捻りが付加されて図1に示す内面螺旋溝付多重捻り管4に加工される。
引抜きダイス7の下流側に支柱部材23に支持されて引き抜き側キャプスタン9が設けられ、引き抜き側キャプスタン9は支柱部材23に支持された水平軸28を介し鉛直向きに設置され、回転自在に支持されている。引き抜き側キャプスタン9の最上部は引抜きダイス7のダイス孔の位置と同等高さに設置され、その外周面に沿って引抜きダイス7で加工された内面螺旋溝付多重捻り管4が巻き付けられるようになっている。
支柱部材23において引き抜き側キャプスタン9を取り付けた側と反対側に回転駆動用の駆動モーター25の出力軸25aが水平軸28に直接連結するように設置され、駆動モーター25によって引き抜き側キャプスタン9を回転駆動できる。
「製造方法」
次に、以上説明のように構成された製造装置Aを用いて、内面螺旋溝付多重捻り管4の基本構造を製造する方法の一例について説明する。
予め、押出により、図6、図7に示すように、内面に長さ方向に沿う複数の直線溝1aが周方向に間隔をおいて形成された大径の素管1と、内面に長さ方向に沿う複数の直線溝8aが周方向に間隔をおいて形成された小径の素管8を作製する(素管押出工程)。
次に、外径の大きな素管1の内部に外径の小さな素管8を図7に示すように挿通して複合素管Fを構成する(複合素管作製工程)。
図3〜図5に示す製造装置Aに対し複合素管Fを供給するには、複合素管Fの先端側を中空軸部13の入口部13cから中空軸部13に挿通し、中空軸部13の出口部13dから複合素管Fを引き出し、巻き出し側キャプスタン5の外周に沿って図5に示すように1周分巻き付ける。この複合素管Fを巻き出し側キャプスタン5から接線方向に水平に巻き出して引抜きダイス7のダイス孔に挿通し、引抜きダイス7のダイス孔を通過させた複合素管Fを引き抜き側キャプスタン9に1周分以上巻き付け、引き抜き側キャプスタン9の下流側まで複合素管Fを引き出す。これらの操作は内面螺旋溝付多重捻り管の製造開始前の準備段階の作業となる。
この準備作業の後、複合素管Fの先端側と後端側に図4に示すようにそれぞれ筒型の拘束具31を被せ、拘束具31の周壁に複数形成されているねじ孔に蝶ネジ31aを螺合して複合素管Fの先端側と後端側を拘束する。次に、図4に示すように複合素管Fの先端側の拘束具31に張力調整用のコイルバネを備えたバネばかり型の張力調整具32を接続し、複合素管Fの後端側の拘束具31に張力調整用のコイルバネを備えたバネばかり型の張力調整具33を接続する。
この状態から複合素管Fの加工を開始する。加工開始とともに順次、複合素管Fを一定の速度で移動させて中空軸部13を通過させ、巻き出し側キャプスタン5に巻き付ける(巻き出し工程)。複合素管Fを引抜きダイス7に通すための引抜き力は駆動モーター25により回転させる引き抜き側キャプスタン9の回転力により与えられる。
巻き出し側キャプスタン5から巻き出した複合素管Fに引抜きダイス7を通過させて引き抜き側キャプスタン9に巻き付け、引き抜き側キャプスタン9から一定の速度で巻き出す。これらの動作を開始すると同時に中空軸部13を駆動モーター21により所定速度で回転させ、巻き出し側キャプスタン5と錘体18を回転駆動する(捻り引抜き工程)。
また、張力調整具32、33の張力を監視しながら、複合素管Fが巻き出し側キャプスタン5に巻き付けられる場合の後方張力を一定になるように調整する。
更に、引き抜き側キャプスタン9から複合素管Fが引き出される場合の前方張力を一定になるように調整する。
前方張力の安定的な付加のためには、張力調整具32の下流側に巻き取りローラーやウインチ装置などの引張り装置を配置し、一定の速度で張力調整具32を牽引できるように調整することが好ましい。また、後方張力の安定的な付加のためには、張力調整具33の上流側に巻き出しローラーなどの巻き出し装置を配置し、一定の速度で張力調整具33を繰り出しできるように調整することが好ましい。
あるいは、張力調整具32、33を略してこれらの位置に巻き出し用のローラーと巻取用のローラーを配置し、これらのローラーにブレーキ機構や速度調整機構を内蔵し、引抜きダイス7より下流側の複合素管Fの先端側に所望の前方張力を付加し、引抜きダイス7より上流側の複合素管Fの後端側に所望の後方張力を付加できるように構成することが大量生産を行う上では好ましい。
引抜きダイス7を中心として下流側の複合素管Fに適切な後方張力を付加しつつ上流側の複合素管Fに適切な後方張力を付加しながら巻き出し側キャプスタン5から引抜きダイス7のダイス孔に複合素管Fを通過させると同時に、巻き出し側キャプスタン5を回転させることで引抜きダイスのダイス孔を通過する複合素管Fに引抜きと捻りを同時に作用させる。
通常、3〜20mm程度、あるいは3〜12mm程度などの外径のアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる薄肉の素管1、8に対し、捻り力のみを作用させると容易に座屈するか破断する。この製造装置Aでは捻り力の作用と同時に引抜き力を作用させて捻りによる破断を抑制しながら引き抜くので、上述のサイズの細径のアルミニウム又はアルミニウム合金製の素管1と素管8からなる複合素管Fであっても、破断させることなく捻りを付加できる。
なお、この実施形態においてアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなる素管1、8を用いるが、素管1、8については銅系合金あるいはステンレス鋼などの鉄系合金から形成されていてもよく、素管1、8が別種の金属から構成されていても良い。
この場合、捻りにより複合素管Fには円周接線方向にせん断応力が作用し、捻り角(リード角)が付与されるが、せん断力が座屈応力を超えた場合に座屈が生じる。しかし、引抜き加工による素管束長手方向への引張り応力により、せん断応力を低減できるため、複合素管Fの座屈の発生を抑制できる。このため上述のサイズの複合素管Fに対し5゜〜80゜程度の大きな捻り角を付与しても複合素管Fを座屈あるいは破断させることなく捻り加工することができる。
図3に示すように巻き出し側キャプスタン5の頂上位置と引抜きダイス7の出口部分との間の長さLの領域が複合素管Fの捻り加工領域とされる。製造装置Aにあってはこの捻り加工領域の長さLを極力短くしているので、大きな捻り角を複合素管Fに与えても、素管1、8に破断を生じることなく5゜〜80゜程度まで捻りを付与することができる。
複合素管Fは巻き出し側キャプスタン5に1周分巻き付けられることにより、図5に示すように巻き始め側の軸心Cから巻き出し側キャプスタン5の外周に沿って若干ずれた軸心C1に沿って送り出される。
引抜きダイス7のダイス孔を複合素管Fが通過する場合、複合素管Fの中心とダイス孔の中心の位置合わせを行い、複合素管Fに余計な応力が作用しないようにするためには、巻き出し側キャプスタン5から巻き出された側の軸心C1を回転中心として軸心C1の周回りに巻き出し側キャプスタン5が回転するように、中空軸部13の位置関係と第1支持フレーム15の位置関係と巻き出し側キャプスタン5の位置関係を合わせることが好ましい。
複合素管Fの中心とダイス孔の中心の位置合わせを行っていることにより、ダイス孔7を通過する複合素管Fに大きな捻りを付加し、捻り角の大きな加工を施しても複合素管Fを破断させることなく捻り加工できる。
なお、巻き出し側キャプスタン5を回転させるための回転中心は中空軸部13の軸心と一致するが、この軸心は引抜きダイス7のダイス孔の中心と位置合わせされ、この軸心に沿って複合素管Fの中心が移動する必要がある。このため、巻き出し側キャプスタン5に巻き掛けられる前の複合素管Fは前記軸心から若干ずれた位置にあって回転する。このため、巻き出し側キャプスタン5に巻き付けられる前の複合素管Fは中空軸部13の内部において偏心回転することとなるが、中空軸部13の内径はこの偏心回転を吸収するだけの値に設定されているので、複合素管Fの回転に支障はない。
以上説明した捻り引抜き加工を行うことで引抜きダイス7を通過する複合素管Fに大きな捻りを付与することができる結果、素管1、8をそれぞれ螺旋状に捻り、内面に螺旋溝2aを有する内面螺旋溝付管2と内面に螺旋溝3aを有する内面螺旋溝付管3を一体化した図1に示す構造の内面螺旋溝付多重捻り管4を製造することができる。
この内面螺旋溝付多重捻り管4において、所定の捻り周期(捻りピッチ)で内面螺旋溝付管2と内面螺旋溝付管3が螺旋状に加工されている。このため、内面螺旋溝付管2の内面に形成された内面螺旋溝2aと内面螺旋溝付管3の内面に形成された内面螺旋溝3aの捻り周期はほぼ同一に形成されている。
図2に内面螺旋溝3aが形成されている内面螺旋溝付管3の内部構造の一例を示す。内面螺旋溝付管3の内周部において内周方向に隣接する内面螺旋溝3aが形成され、それらの間に螺旋フィン3bが形成されている。
この例の内面螺旋溝3aと螺旋フィン3bの捻り角θは巻き出し側キャプスタン5の回転速度に応じて例えば5゜〜80゜程度まで製造可能となる。
図2に示す構造の内面螺旋溝付管3においてその周壁を切り開いて平面状に展開した場合、管の内周長さaに対し、内面螺旋溝3aあるいは螺旋フィン3bの1周期分の長さbとした場合、a、bを2辺とする直角三角形の1つの頂角が示すように捻り角θとして規定される。
一例として、外径8.5mmのアルミニウム合金製の内面螺旋溝付管3の場合、図1に示す底肉厚W1:0.58mm、フィン高さ:0.28mm、条数:50個、リード角:20゜に形成することができ、外径6.5mmのアルミニウム合金製の内面螺旋溝付管2の場合、底肉厚W2:0.35mm、フィン高さ:0.16mm、条数:50個、リード角:17゜に形成できる。
図1に示す構造の内面螺旋溝付多重捻り管4において、内面螺旋溝付管3の内面側の螺旋フィン3bはそれらの先端部を径の小さな内面螺旋溝付管2の外周面に食い込ませた状態とされ、内面螺旋溝付管2と内面螺旋溝付管3が一体化されている。これは、図7に示すように径の大きな素管1の内部に径の小さい素管8を挿入し、全体を引抜きダイス7に通して引き抜きつつ縮径しながら回転させて捻るため、径の大きな素管1が縮径される際に素管内面側の直線状のフィン1bが螺旋状に加工されながら径の小さな素管8の外周面に食い込みつつ塑性変形される結果である。
このため、内面螺旋溝付管2と内面螺旋溝付管3との間に内面螺旋溝付管2の外周面と内面螺旋溝付管3の螺旋溝3aと螺旋フィン3bによって囲まれた複数の流路が形成される。このため、内面螺旋溝付多重捻り管4においては、内面螺旋溝付管2の内部側に第1の流路R1が形成され、内面螺旋溝付管2と内面螺旋溝付管3との間に第2の流路R2が複数形成される。なお、図1に示す断面のように第2の流路R2は複数の小さな流路の集合体となるが、この第2の流路R2の断面積を大きくするためには内面螺旋溝付管3の螺旋フィン3bの高さを図1の構造より大きく設定し、螺旋フィン3bの条数を少なくすることにより対応できる。
内面螺旋溝付多重捻り管4において、内面螺旋溝付管2の外側に内面螺旋溝付管3が配置されているので、内面螺旋溝付管2の螺旋溝2aのリード角より、内面螺旋溝付管3の螺旋溝3aのリード角が若干大きく形成される。換言すると、内面螺旋溝付管2の螺旋フィン2bのリード角より、内面螺旋溝付管3の螺旋フィン3bのリード角が若干大きく形成される。
内面螺旋溝付管2の螺旋溝2aのリード角と内面螺旋溝付管3の螺旋溝3aのリード角の大小関係は、一例として後述する実施例において示す。
また、上述の製造方法によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金製の内面螺旋溝付管2の螺旋溝2aの捻り角と内面螺旋溝付管3の螺旋溝3aの捻り角は、5゜〜40゜程度まで製造可能となる。内面螺旋溝付管2、3のピッチについては、複合素管Fが引抜きダイス7を通過する際の引抜き速度と巻き出し側キャプスタン5の回転数との相対により決定される。従って、複合素管Fの引抜き速度と巻き出し側キャプスタン5の回転数を一定にしておけば、長さ方向に沿って一定の捻り角で一定のピッチを有する内面螺旋溝付多重捻り管4を得ることができる。
また、複合素管Fの引抜き速度と回転数の関係を周期的に変更するならば、長さ方向にピッチと捻り角が周期的に変化する内面螺旋溝付多重捻り管4を得ることができる。
以上説明の如く製造された図1に示す構成の内面螺旋溝付多重捻り管4であるならば、内面螺旋溝付管2の内部の第1の流路R1に加え、内面螺旋溝付管2と内面螺旋溝付管3の間の第2の流路R2に異なる温度の冷媒あるいは熱媒を流した場合、異なる温度の冷媒どうしあるいは熱媒どうし、または、冷媒と熱媒との間で熱交換ができる。
この場合、冷媒や熱媒は内面螺旋溝2a、3aの存在により冷媒や熱媒と内面螺旋溝付管2、3との間で効率の良い熱交換がなされる。
このため、例えば、本実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管4を自動車用コンデンサとエバポレータを接続する伝熱管に適用するならば、効率の良い熱交換機能を備えた伝熱管構造を実現できる。自動車用コンデンサとエバポレータを接続する伝熱管は通常の場合2本必要であるが、図1の内面螺旋溝付多重捻り管4であれば、第1の流路R1と第2の流路R2を備えているので、1本の内面螺旋溝付多重捻り管4で両者を接続することができる。
この場合、コンデンサとエバポレータの間で行き来する冷媒または熱媒の流量を等しくするには第1の流路R1と第2の流路R2の流路断面積を同等にすれば良く、それには大径側の内面螺旋溝付管3の螺旋フィン3bの高さと幅を大きくして条数を少なくすればよい。
本実施形態の製造装置Aにおいて、中空軸部13の前段側に複合素管Fの真円度を向上させるための整形を行う予備整形用のダイスを設けても良い。
また、本実施形態の製造装置Aにおいて、複合素管Fを構成する素管1、8を予め内面螺旋溝付管としておき、これらの内面螺旋溝付管を複合して引抜きダイス7に通過させて縮径と捻りを同時に付与し、内面螺旋溝付多重捻り管を構成しても良い。
本実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管4の外周面には犠牲陽極層14が形成されているので、内面螺旋溝付多重捻り管4を腐食環境に設置した場合、犠牲陽極層14が優先的に面食される結果、内面螺旋溝付管2、3に孔食が発生し難い。このため、耐食性に優れ、孔食の発生し難い内面螺旋溝付多重捻り管4を提供できる。
本実施形態の製造装置Aは、複合素管Fを加工することができるが、1本の素管1あるいは1本の素管8を捻り加工することもできる。例えば、製造装置Aを用いて1本の素管1に対し縮径加工と捻り加工を同時に付与することで、内面螺旋溝2aを備えた内面螺旋溝付管2を単独で得ることができる。
製造装置Aは1本の内面螺旋溝付管を製造することができるので、径の異なる内面螺旋溝付管を2本複合して複合素管を構成し、更に上述のように引抜きダイス7を通過させて捻り引抜き加工を施し、内面螺旋溝付多重捻り管を製造しても良い。
引抜きダイス7のダイス孔を通過する場合に引抜きと捻りを精密に加えつつ加工することで5゜〜40゜程度の捻り角の内面螺旋溝付多重捻り管を製造できるが、素管1、8を構成するアルミニウム合金の組成によっては伸びが低く、破断する恐れが高い材料であることも考えられる。このような場合は、目的の大きな捻り角に1回の捻り引抜き加工で加工するのではなく、2回や3回に分けて徐々に加工することもできる。このように複数回の加工に分けることで破断のおそれを低くしながら、大きな捻り角の内面螺旋溝付多重捻り管4を加工することができる。
また、1本の大径の素管にある程度の捻り引抜き加工を施して内面螺旋溝付管に加工した後、直線溝を有する小径の素管と複合して2回目の捻り引抜き加工しても良い。
この場合、最初の捻り引抜き加工で10゜のリード角を付与したとして、2回目の捻り引抜き加工で更に10゜のリード角を付与するような捻り引抜き加工を施した場合、大径側の内面螺旋溝付管に形成される螺旋フィン(螺旋溝)のリード角を20゜、小径側の内面螺旋溝付管に形成される螺旋フィン(螺旋溝)のリード角を10゜とした内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができる。
また、1本の小径の素管にある程度の捻り引抜き加工を施して内面螺旋溝付管に加工した後、直線溝を有する大径の素管と複合して2回目の捻り引抜き加工を行えば、小径側の内面螺旋溝付管に形成される螺旋フィン(螺旋溝)のリード角を20゜、大径側の内面螺旋溝付管に形成される螺旋フィン(螺旋溝)のリード角を10゜とした内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができる。
このように上述の製造装置Aを用いて素管の溝の状態を調整しつつ内面螺旋溝付多重捻り管を製造するならば、大径側の螺旋フィン(螺旋溝)のリード角と小径側の螺旋フィン(螺旋溝)のリード角の大小関係を自由に調節した構造の内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができる。
また、引き抜き側キャプスタン9の下流側に更に整形用の引抜きダイスを設けて内面螺旋溝付多重捻り管4の真円度を高めるための仕上げ引抜きを行っても良い。
仕上げ引抜き用の引抜きダイスを設けるには、図3に示す支柱部材23と同等形状の支柱部材を支柱部材23の下流側に設け、その支柱部材上部に支持架台24と同等形状の支持架台を別途設けてその支持架台に仕上げ成形用の引抜きダイスを設けると良い。
引き抜き側キャプスタン9を通過した後の内面螺旋溝付多重捻り管を仕上げ成形用の引抜きダイスに通すことで最終的に得られる内面螺旋溝付多重捻り管の真円度を向上し、形状の整った内面螺旋溝付多重捻り管を提供できる。
「第2実施形態」
先の実施形態においては素管1、8を複合して一体化し、捻り加工と引抜き加工を施して内面螺旋溝付多重捻り管4を得たが、素管を一体化する場合の適用本数は任意の数を選択できる。
例えば、径の異なる3本の素管を挿通して3重管を構成し、この3重管を製造装置Aにより捻りを付加しながら引抜き加工することで図8に示す3重管構造の内面螺旋溝付多重捻り管34を製造することができる。
図8に示す第2実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管34は、図1に示す構造の内面螺旋溝付多重捻り管4の外側に更に径の大きな素管を1本複合して捻り加工と引抜き加工を施して製造された構造である。
図8に示す構造において最も径の大きな内面螺旋溝付管35は内面螺旋溝35aと螺旋フィン35bを有し、螺旋フィン35bは内面螺旋溝付管3の外周面に食い込まされている。内面螺旋溝付管3と内面螺旋溝付管35の間には、内面螺旋溝付管3の外周面と隣接する螺旋フィン35bに囲まれる形状の第3の流路R3が複数形成されている。
なお、大径の内面螺旋溝付管35の外周面には犠牲陽極層14が形成されている。犠牲陽極層14は、先の実施形態と同等の層である。
図8に示す構造では第1の流路R1と第2の流路R2に加え、第3の流路R3を設けているので、3種類の冷媒または熱媒に対応する構造を提供できる。
なお、3重管構造の内面螺旋溝付多重捻り管34を製造する場合、図7に示す素管1、8の複合素管Fに対し素管1より小径の素管を複合してから製造装置Aを用いて捻り加工と引抜き加工を施しても良い。
内面螺旋溝付多重捻り管34において犠牲陽極層14の領域はZnが拡散されていない領域より卑となって優先的に腐食することにより内面螺旋溝付管35の孔食を防止する。このため、耐食性に優れた内面螺旋溝付多重捻り管34を提供できる。
また、先に説明した如く用いる素管として直線溝を有する素管と内面螺旋溝を有する素管のどちらを用いても良いので、例えば、螺旋フィン2bのリード角と螺旋フィン3bのリード角と螺旋フィン35bのリード角を順次異なる角度に制御することもできる。
例えば、最も径の小さな素管として直線溝を有する素管を用い、2番目に大きな素管としてリード角度10゜の内面螺旋溝付管を用い、1番大きな素管としてリード角20゜の内面螺旋溝付管を用い、製造装置Aを用いて10゜のリード角を付与する条件で捻り加工と引抜き加工を施す。
このように製造することにより、最も小さな内面螺旋溝付管のリード角を10゜、2番目に大きな内面螺旋溝付管のリード角を20゜、1番大きな内面螺旋溝付管のリード角を30゜とした3重管構造の耐食性に優れた内面螺旋溝付多重捻り管を得ることができる。
「第3実施形態」
先の実施形態においては、素管1の内部に1本の素管8を挿通して引抜き加工と捻り加工を付加したが、素管1の内部に複数の素管8を挿通した複合素管を用いて製造装置Aにより内面螺旋溝付多重捻り管を製造することも可能である。
例えば、1本の素管1の内部にそれより小径の複数本(例えば3本)の素管を挿入して複合素管を作製し、この複合素管の全体に引抜き加工と捻り加工を施して内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができる。
図9は径の大きな1本の内面溝付素管の内部に径の小さな3本の内面溝付素管を挿入し、先の製造装置Aを用いて全体に引抜き加工と捻り加工を施して得られた内面螺旋溝付多重捻り管の本実施形態を示す。
この実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管40は、最外層に大径の内面螺旋溝付管41が設けられ、その内側に3本の撚線化された小径の内面螺旋溝付管42が設けられている。
大径の内面螺旋溝付管41の内面には長さ方向に所定のピッチで複数の螺旋溝41aと螺旋フィン41bが設けられている。3本の小径の内面螺旋溝付管42の内面にはそれぞれ長さ方向に所定のピッチで複数の螺旋溝42aと螺旋フィン42bが設けられ、小径の内面螺旋溝付管42はそれぞれ横断面略三角楕円形状に形成されている。
なお、外側の内面螺旋溝付管41の外周面には犠牲陽極層14が形成されている。犠牲陽極層14は、先の実施形態と同等の層である。
図10は最外層の内面螺旋溝付管41を除去し、その内部に収容されている撚線化された構造の3本の内面螺旋溝付管42を取り出した状態を示す斜視図である。3本の内面螺旋溝付管42は図10に示すように所定の周期で撚線化されている。
この実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管40において、最外層の内面螺旋溝付管41の内面に形成されている螺旋溝42aの周期(撚線ピッチ)とその内側で撚線化されている3本の内面螺旋溝付管42の周期(撚線ピッチ)が略同一周期とされている。
これは、径の大きな1本の内面溝付素管の内部に径の小さな3本の内面溝付素管を挿入し、製造装置Aを用いて全体に引抜き加工と捻り加工を施して得られたためである。小径の内面螺旋溝付管42の内側には第1の流路R1が形成され、大径の内面螺旋溝付管41の内側であって小径の内面螺旋溝付管42の外側には第2の流路R2が形成されている。
本実施形態の内面螺旋溝付多重捻り管40における捻り角θは、製造装置Aを用いて巻き出し側キャプスタン5の回転速度に応じて例えば5゜〜80゜程度まで製造可能となる。
図9、図10に示す構造の内面螺旋溝付多重捻り管40を自動車用コンデンサとエバポレータを接続する伝熱管に適用することができる。3つの第1の流路R1と第2の流路R2を個別に用いて、効率の良い熱交換機能を備えた伝熱管を備えた構造を実現できる。 自動車用コンデンサとエバポレータを接続する伝熱管は通常の場合2本必要であるが、図9、図10に示す内面螺旋溝付多重捻り管40であれば、第1の流路R1と第2の流路R2をそれぞれ使い分けて、1本の内面螺旋溝付多重捻り管40で両者を接続することができる。
その場合に第1の流路R1を流れる冷媒又は熱媒は第2の流路R2を流れる冷媒または熱媒と効率良く熱交換できるので、伝熱管として熱交換性能の高い接続ができる。
また、内面螺旋溝付多重捻り管40において犠牲陽極層14の領域はZnが拡散されていない領域より卑となって優先的に腐食することにより内面螺旋溝付管41の孔食を防止する。このため、耐食性に優れた内面螺旋溝付多重捻り管40を提供できる。
また、図9、図10に示す内面螺旋溝付管42の内部に形成されている螺旋溝42aの周期と内面螺旋溝付管42の撚線ピッチは同等で無くとも良い。
先に説明したように内面に直線溝を有する素管と内面に螺旋溝を有する素管を組み合わせて製造装置Aに適用できるので、異なる内面螺旋溝を形成した3本の素管を大径素管に挿入し、製造装置Aを用いて引抜き加工と捻り加工を加えることで、撚線ピッチと異なる周期の螺旋溝を有する内面螺旋溝付管を3本備えた内面螺旋溝付多重捻り管を得ることができる。
図11は先に説明した内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40のいずれかを伝熱管50として用いた熱交換器の一例を示すもので、この例の熱交換器51は、放熱板としてのフィン52を所定の間隔で複数並列配置し、各フィン52に形成されている挿通孔52aにU字状に折曲した伝熱管50を挿通することで構成されている。
伝熱管50は例えば直管部50Aで複数のフィン52の挿通孔52aを通過するように配置され、図11(A)に示す直管部50Aの開口端どうしを更に図示略のエルボ管で接合することで蛇行状の伝熱管を構成することができる。
フィン52は一例としてアルミニウムまたはアルミニウム合金板からなり、その一部にバーリング加工などを施して挿通孔52aが形成されており、挿通孔52aの開口内周縁部分にフランジ部52bが形成されている。
図11に示す構造の熱交換器51において内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40のいずれかを適用することで熱交換効率の高い熱交換器51を提供できる。
また、内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40の外周面には犠牲陽極層14が形成されているため、熱交換器51が腐食環境に設置された場合、電位の卑な犠牲陽極層14が優先的に腐食される。この結果、腐食生成物が内面螺旋溝付多重捻り管4、34,40の表面に生成し、この腐食生成物は内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40がフランジ部52bを通過する部分にも生成する。
この結果、内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40がフランジ部52bを通過した部分の隙間を前記腐食生成物で埋めることができ、これによって熱交換器51の外部からフィン52の内側に前記隙間を介し侵入しようとする雨水などの侵入を防止できる。
並列されたフィン52の間に雨水などが浸入して水滴を構成し、フィン間の隙間を水滴が閉塞すると、フィン52に送風した場合の送風抵抗が増大し、熱交換器51の熱交換効率が低下する。このため、内面螺旋溝付多重捻り管4、34、40の外周面に形成した犠牲陽極層14は熱交換器51の耐食性を高めるとともに、熱交換器51の効率低下も抑制する。
外径10.0mm、内径9.0mmの内面にフィン高さ0.25mm、溝数50個の直線溝が形成されたA3003合金を外管に、外径8.5mm、内径7.8mmの内面にフィン高さ0.2mm、溝数55個の直線溝が形成されたA3003を内管に使用して、図7に示す構成の複合素管Fを作製した。この複合素管Fに対し、図3〜図5に示す製造装置Aを用いて、引抜きダイス孔径φ8.5mm、引抜き速度1.0m/minの条件で捻り引抜き加工を行ない、内面螺旋溝付多重捻り管を製造した。
まず、加工域長さと巻き出し側キャプスタンの公転速度を上げて限界捻り角(座屈を生じないで捻れる最大捻り角)の関係を把握し、加工域長さを160mm、後方張力を5〜20kgとして上記の条件で作製したところ、図1に示すような断面の内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができた。また、外管の外周面にZn溶射により厚さ15μmのZn溶射層を形成した。
図11に、上述の条件で製造した試料の断面図(図11(A)参照)と部分拡大図(図11(B)参照)を示す。
得られた内面螺旋溝付多重捻り管は、外径8.45mm肉厚0.55mm、フィン高さ0.2mm、溝数50個の内側に、外径6.95mm、肉厚0.40mm、フィン高さ0.2mm、溝数55個の内面螺旋溝付管を一体化した構造であり、外周面にZn溶射層を有する内面螺旋溝付多重捻り管であった。
次に、先の例と同等のアルミニウム合金からなる複合素管を構成する場合に、小径の素管と大径の素管の外径、底肉厚、フィン高さ、リード角をそれぞれ変更して内面螺旋溝付多重捻り管を複数作製した。得られた内面螺旋溝付多重捻り管の外径、底肉厚、フィン高さ、リード角の測定結果を以下の表1に示す。
表1の実施例1〜12に示すようにアルミニウム合金製の2重管構造であり、大径側の内面螺旋溝付管の外径5〜12mmであって、小径側の内面螺旋溝付管の外径3.6〜10.6mmであり、リード角10〜20゜の内面螺旋溝付多重捻り管を製造することができた。
これら実施例1〜12に示すように外径3.6〜12mmのように極めて細径であって座屈し易いアルミニウム合金製の内面螺旋溝付管を備えた内面螺旋溝付多重捻り管を図3〜図5に示す構成の製造装置Aによって製造することができた。
A…製造装置、F…複合素管、L…捻り加工領域の長さ、R1…第1の流路、R2…第2の流路、1…素管、1a…直線溝、2…内面螺旋溝付管、2a…螺旋溝、2b…螺旋フィン、3…内面螺旋溝付管、3a…螺旋溝、3b…螺旋フィン、4…内面螺旋溝付多重捻り管、5…巻き出し側キャプスタン、6…回転手段、7…引抜きダイス、8…素管、8a…直線溝、9…引き抜き側キャプスタン、10a、11a…軸受け部、12…軸受け部、13…中空軸部、13a…一端、13b…他端、14…犠牲陽極層、15…第1支持部材、16…第2支持部材、18…錘体、21…駆動モーター、22…動力伝達装置、28…水平軸、31…筒部材、31a…蝶ネジ、32…張力調整具(前方張力付加手段)、33…張力調整具(後方張力付加手段)、34…内面螺旋溝付多重捻り管、35…内面螺旋溝付管、35a…螺旋溝、35b…螺旋フィン、40…内面螺旋溝付多重捻り管、41…内面螺旋溝付管、41a…螺旋溝、41b…螺旋フィン、42…内面螺旋溝付管、42a…螺旋溝、42b…螺旋フィン。

Claims (12)

  1. 内面に長さ方向に沿う複数の螺旋溝が周方向に間隔をおいて形成され、隣接する前記螺旋溝間に螺旋フィンが形成された金属製の複数の径の異なる内面螺旋溝付管を備え、大径の内面螺旋溝付管の内側に小径の内面螺旋溝付管が挿入されて一体化され、前記大径の内面螺旋溝付管の外周に犠牲陽極層が形成されたことを特徴とする内面螺旋溝付多重捻り管。
  2. 前記大径の内面螺旋溝付管内面の前記螺旋フィンがその内側の内面螺旋溝付管の外周面に食い込まされ、前記小径の内面螺旋溝付管の内側に第1の流路が形成され、前記小径の内面螺旋溝付管と前記大径の内面螺旋溝付管との間に第2の流路が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内面螺旋溝付多重捻り管。
  3. 前記個々の内面螺旋溝付管の螺旋溝が一定の捻り周期を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内面螺旋溝付多重捻り管。
  4. 前記犠牲陽極層がZnを0.2質量%以上含み、厚さ80μm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管。
  5. 前記個々の内面螺旋溝付管の内面に形成されている螺旋溝の捻り角が個々の内面螺旋溝付管の中心軸線に対し5〜80゜に設定されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管。
  6. 内面に長さ方向に沿う複数の溝が周方向に間隔をおいて形成された径の異なる素管を複数本用意し、大径の素管の中に小径の素管を挿入して複合素管を形成し、この複合素管を巻き出し側キャプスタンにその導入側接線方向から巻き付けつつ前記複合素管を導出側接線に沿って巻き出し、前記巻き出し側キャプスタンを前記導出側接線を軸として軸回りに回転させることにより、前記巻き出し側キャプスタンから前記複合素管を前記軸心回りに回転させながら前記接線の延長方向に巻き出す素管巻き出し工程と、巻き出された前記複合素管を引抜きダイスに通して縮径しながら捻りを付与して内面螺旋溝付多重捻り管とする捻り引抜き工程と、前記内面螺旋溝付多重捻り管の表面に犠牲陽極層を設ける工程を具備することを特徴とする内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  7. 長さ方向に沿う溝として内面に直線溝を有する素管を用いることを特徴とする請求項6に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  8. 長さ方向に沿う溝として内面螺旋溝を有する素管を用いることを特徴とする請求項6に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  9. 前記引抜きダイスによる縮径率を5〜40%とすることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  10. Znを0.2質量%以上含み、厚さ80μm以上の犠牲陽極層を形成することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  11. 前記巻出し側キャプスタンに前記複合素管を巻き始める位置と前記巻出し側キャプスタンから前記引抜きダイス側に前記複合素管を送り始める位置を前記巻出し側キャプスタンの回転軸と平行な方向にずらすことにより、前記巻出し側キャプスタンと前記引抜きダイスとの間を前記複合素管の捻り加工領域とすることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
  12. 前記引抜きダイスに前記複合素管を通して前記複合素管を捻りつつ縮径する際、前記複合素管に前方張力と後方張力を付加することを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれか一項に記載の内面螺旋溝付多重捻り管の製造方法。
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