JP6960836B2 - ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 - Google Patents
ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6960836B2 JP6960836B2 JP2017237255A JP2017237255A JP6960836B2 JP 6960836 B2 JP6960836 B2 JP 6960836B2 JP 2017237255 A JP2017237255 A JP 2017237255A JP 2017237255 A JP2017237255 A JP 2017237255A JP 6960836 B2 JP6960836 B2 JP 6960836B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roller
- pipe
- winding
- dancer
- dancer roller
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000004804 winding Methods 0.000 title claims description 122
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 27
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 77
- 238000001125 extrusion Methods 0.000 claims description 31
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims description 26
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims description 23
- 238000005452 bending Methods 0.000 claims description 18
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 claims description 11
- 239000002184 metal Substances 0.000 claims description 11
- 239000012467 final product Substances 0.000 claims description 5
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 claims description 3
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 12
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 11
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 10
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 10
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 8
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 7
- 239000000463 material Substances 0.000 description 6
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 4
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 4
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 3
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 2
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 2
- 230000007812 deficiency Effects 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 2
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 2
- 229910000881 Cu alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N Zinc Chemical compound [Zn] HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000007667 floating Methods 0.000 description 1
- 238000012805 post-processing Methods 0.000 description 1
- 230000002250 progressing effect Effects 0.000 description 1
- 238000005057 refrigeration Methods 0.000 description 1
- 230000004043 responsiveness Effects 0.000 description 1
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 1
- 238000004381 surface treatment Methods 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
- 239000013585 weight reducing agent Substances 0.000 description 1
- 239000011701 zinc Substances 0.000 description 1
- 229910052725 zinc Inorganic materials 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)
- Extrusion Of Metal (AREA)
Description
従来、伝熱管の構成材料には主に銅合金が使用されてきたが、銅地金価格の高騰を背景に、アルミニウム合金へ材料置換が進みつつあり、低コスト化の他に、軽量化、リサイクル性の向上などの効果が得られる。
上記、伝熱管に関して、扁平管や丸管および直溝管の多くは、押出のままで直接使用されるが、丸管および直溝管の一部、また、それに加え螺旋溝付管等は、予め素管を押出した後に、引抜や転写等の加工が施され最終製品が製造される。
例えば、溝転造によるアルミニウム合金の螺旋溝付管の製造工程は、最終製品より外径の大きい素管を押出した後に、複数回の引抜を繰り返し、最終製品よりも数十パーセント程度にまで大きくなった段階の管を使用し、その内面に溝付プラグを挿入し、外周から転造ボールで管を内面溝付プラグに押付け、管の内面に溝を転写する。これら、工程の中でも、複数回の巻取りが行なわれている。
これらを解決するために、ダンサーローラーによる張力制御があり、より精度の高い張力制御が可能になりつつある。
ダンサーローラーによる張力制御では、一般的なダンサーロールによる張力制御はウエイトの重量により行われる。ダンサーは動滑車であるのでウエイト重量の1/2が張力となる。また、管の搬送路に沿って配置された一対の平行なガイドローラーの間に、これら両ロールを結ぶ平面から一方の側へワークを迂回させて波形の走行路を形成するように弾性的に支持するダンサーローラーを変位可能に配置し、管張力に追随するダンサーローラーの変位によって急激な張力変動を吸収する。更に、ダンサーローラーを初期位置に戻すように巻取りロール等の制動を制御し、ワークの張力を所定値に制御するように構成されている。ダンサーローラー型張力制御装置は、ダンサーローラーの作動範囲を大きくする(動作ストロークを長くする)ことで、急激且つ大きな張力変動を吸収することができる。
例えば、フィンアンドチューブタイプの熱交換器に使用される伝熱管においては、ヘアピン曲げした管を積層したプレートフィンの孔に挿通するが、その際、管が断面楕円状に潰れていると、プレートフィンの孔への挿通がスムーズに行えず、熱交換器の生産性を著しく悪化させるなど問題である。
そこで、本発明は、前記の問題に鑑みなされたもので、潰れや変形の無い寸法精度の高い伝熱管や配管を提供するための、巻取制御装置及び巻取制御方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の巻取制御装置は、金属製の管体を巻き取るための巻取制御装置であって、管体をコイル状に巻き取るコイル状巻取装置と、該コイル状に巻き取られる前記管体の搬送経路に沿って前記コイル状巻取装置の上流側に設けられ、前記コイル状巻取装置に巻き取る前記管体を案内する導入側ローラーおよびガイドローラーと、前記管体の搬送経路に沿って前記導入側ローラーと前記ガイドローラーの間に配置されたダンサーローラーを備えた巻取制御装置であって、前記導入側ローラーから前記ダンサーローラーを介し前記ガイドローラーに至る前記管体の搬送経路が前記ダンサーローラーへの導入側と前記ダンサーローラーからの導出側とで、管体への曲げ方向が常に一方向になるようたすき掛け経路とされたことを特徴とする。
(2)本発明の巻取制御装置では、前記ダンサーローラーが前記導入側ローラーまたは前記ガイドローラーに対し接近離間自在に支持され、前記ダンサーローラーに前記管体への張力調整用の錘体が付設されたことが好ましい。
(4)本発明の巻取制御装置では、前記金属製の管体が押出加工装置から押し出された中空の管体であり、前記搬送経路が前記押出加工装置から出された管体を前記コイル状巻取装置に到達させる間の搬送経路であることが好ましい。
(5)本発明の巻取制御装置では、前記導入側ローラーと前記ガイドローラーが平行に配置されるとともに、前記導入側ローラーと前記ガイドローラーを配置した平行面に対し傾斜する面に沿って前記ダンサーローラーが配置されたことが好ましい。
(7)本発明の巻取制御方法において、前記管体の曲げ方向が常に逆曲げをしない様に一方向とは、前記管体の横断面においてその一側を常に前記導入側ローラーの外周面と前記ダンサーローラーの外周面と前記ガイドローラーの外周面に当接させる方向であることを特徴とする。
(8)本発明の巻取制御方法において、前記管体が押出加工装置から押し出された丸管、直溝管、扁平管又はそれらを加工途中又は最終製品巻取りのための丸管、直溝管、螺旋溝付管、扁平管のいずれかであることが好ましい。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
押出加工装置1は円筒形状のコンテナ5を備え、その内部にビレットと称される円柱状のアルミニウム合金の素材が収容されている。コンテナ5の後部側にはプレス用のシリンダー装置6が設けられ、コンテナ5の前部側にはダイス装置7が設けられている。シリンダー装置6のラム(ステム)8をコンテナ5の内部に圧入することによってダイス装置7を介しアルミニウム合金の素材を押し出すことで目的の形状の管状などの押出材を得ることができる。
本実施形態では押出材として内面直線溝付管2を対象とするので、目的の形状の内面直線溝付管2を製造するために必要な形状のダイス孔を備えたダイス装置7が押出加工装置1に設けられている。
なお、本実施形態において対象とする管は丸管、直溝管、螺旋溝付管、扁平管(偏平多穴管を含む)等の4種類の押出素管又は加工途中、加工後の丸管、直溝管、螺旋溝付管、扁平管(偏平多穴管を含む)等の4種類を想定できる。
内面直線溝付管2は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いることができる。内面直線溝付管2にアルミニウム合金を用いる場合は、そのアルミニウム合金に特に制限はなく、JISで規定される1050、1100、1200等の純アルミニウム系、あるいは、これらにMnを添加した3003に代表される3000系のアルミニウム合金等を適用できる。また、これら以外にJISに規定されている5000系〜7000系のアルミニウム合金のいずれか、あるいはJISに規定されてはいない種々のアルミニウム合金を用いて内面直線溝付管2を構成しても良い。本明細書において「アルミニウム」とは、アルミニウム合金および純アルミニウムからなるものを包含する概念とする。
内面直線溝付管2において、フィン2bは、例えば管本体2Aの内周方向に30個〜60個設けられている。フィン2bの高さ(すなわち半径方向の寸法)は、例えば0.1mm以上0.4mm以下である。また、管本体2Aの底肉厚(すなわち、直線溝2aの底部に対応する管本体2Aの厚さ)は、例えば0.2mm以上0.8mm以下である。フィン2bの頂角(フィン2bの側面同士のなす角)は、例えば10°〜30°である。
この実施形態では押出加工装置1から内面螺旋溝付管2が押し出された後、内面螺旋溝付管2がコイル状巻取装置3に巻き取られる間の領域が内面螺旋溝付管2の搬送経路Rとされている。搬送経路Rは押出加工装置1においてダイス装置7の出口部分から直線状かつ水平方向に延在され、搬送経路Rの途中部分に設けられている搬送ローラー9a、9bによって若干高い位置に移された後、更に水平方向に直線状に延在され、その先方側に巻取制御装置Aが設けられている。
コイル状巻取装置3を設置した位置の床面に凹部13が形成され、その内部に基台15が設置され、この基台15にコイル状巻取装置3が支持されている。
また、基台15の側部に延長基台16が延在され、この延長基台16の上部に支柱部17、17が立設されている。支柱部17はコイル状巻取装置3の最上部より若干高い位置まで上方に延在され、支柱部17の最上部に水平に梁部材18が架設されている。支柱部17を挟んでその幅方向両側に梁部材18が延在されているので、支柱部17と梁部材18が側面視T字型に組まれている。図3に示す梁部材18の長さ方向一端側と他端側に支柱部17の最上部を左右から挟むように導入側ローラー10とガイドローラー12が設置されている。
導入側ローラー10はその回転中心軸10aを水平に向けて図3に示す梁部材18の一端側に軸支され、ガイドローラー12はその回転中心軸12aを水平に向けて梁部材18の他端側に軸支されている。
なお、導入側ローラー10とガイドローラー12の厚さは巻き掛け対象とする内面直線溝付管2の外径より若干厚く形成されている。また、本実施形態の巻取制御装置Aにおいて導入側ローラー10、ダンサーローラー11、ガイローラー12は、上述した扁平管以外の管を巻き取りする場合、その管と同等以上のR溝を外周面に有することが好ましく、点での接触から面での接触とすることで巻き取る管の潰れを更に抑制することができる。
コイル状巻取装置3の厚さは十分な長さの内面直線溝付管2を巻取収容できるようにこれらローラー10、12の厚さよりも厚く、大きな外径に形成されていることが好ましい。また、コイル状巻取装置3に対する巻取時の自由度を向上させるため、導入側ローラー10とガイドローラー12はコイル状巻取装置3の厚さ方向中央部を含む面に沿って配置されていることが好ましい。導入側ローラー10とガイドローラー12が同一鉛直面に沿って配置されている状態を図4に示す。換言すると導入側ローラー10とガイドローラー12はそれらの回転軸を水平にして設置されている。
これら左右2本の支持軸21には、それらに軸支されて支持軸21、21に沿って上下にスライド移動自在に案内駒23が設けられている。図3に示す案内駒23の左端部側と右端部側に前記支持軸21を挿通自在とする図示略の案内孔が上下向きに形成され、これら案内孔に対し前記支持軸21を挿通することによって案内駒23は支持軸21に沿って上下にスライド移動自在に支持されている。
ダンサーローラー11は、図4に示す平面視状態において若干導入側ローラー10に向くように傾斜されている。より詳細には、図4に示す平面視状態において導入側ローラー10に近いダンサーローラー11の周縁部分11aを導入側ローラー10の裏面側よりの位置に配置し、平面視ガイドローラー12に近いダンサーローラー11の周縁部分11bをガイドローラー12の正面側よりの位置に配置するように傾斜されている。このように各ローラーの厚み分程度、周縁部分11a、11bの位置をずらすことで、後述するように内面直線溝付管2をダンサーローラー11に対してたすき掛けする場合に交差部分での内面直線溝付管2の接触を防止できる。
なお、巻取制御装置Aが設置された工場の床には押出加工装置1から離れる側に複数の巻取制御装置Aが必要数整列配置されており、整列配置された複数の巻取制御装置Aのいずれかにおいて押出加工装置1から押し出された内面直線溝付管2を巻き取ることができるように構成されている。
押出加工装置1のコンテナ5に収容したビレットをステム8によりダイス装置側に押圧し、ダイス装置7を通過させてアルミニウム素材を押し出すことにより図2に示す目的の形状の内面直線溝付管2を製造することができる。
押出加工装置1から押出成形した内面直線溝付管2に必要に応じて表面処理、水冷処理、乾燥処理などを施し、搬送ローラー9a、9bなどを介して高さ調節を行った後、内面直線溝付管2を巻取制御装置Aのコイル状巻取装置3に巻き取ることができる。
その後、内面直線溝付管2をダンサーローラー11の外周面から離してガイドローラー12の外周面の上部側に到達させ、ガイドローラー12の外周面上部側に3/8周程度巻き掛けた後、ガイドローラー12から引き離して案内ローラー27側に導出する。案内ローラー27側に導出させた内面直線溝付管2は案内ローラー27を介してコイル状巻取装置3に巻き付けて収容する。
なお、内面直線溝付管2をたすき掛け状態とする場合、ダンサーローラー11を図4に示すように平面視傾斜させて設置しているので、たすき掛けとした部分において交差する内面直線溝付管2を互いに接触させることなく延出させてガイドローラー12側に円滑に導くことができる。
このような場合、上述の巻取制御装置Aでは、ダンサーローラー11を下方に所定重量の錘体Gで付勢し、導入側ローラー10とガイドローラー12の間において内面直線溝付管2に適正な張力を付加している。そして、内面直線溝付管2の搬送速度が巻取速度より向上した場合はダンサーローラー11が下降し速度差を吸収する。逆に搬送速度(導入側ローラー10の位置での速度)が巻取速度(ガイドローラー12の位置での速度)より低下した場合はダンサーローラー11が上昇して速度差を吸収する。このように、ダンサーローラー11の上下動の際、錐体Gの重量を利用して内面直線溝付管2に一定の張力を付加することができる。
このことによって導入側ローラー10とガイドローラー12の間の内面直線溝付管2の緩みを補う。このようなダンサーローラー11の上下移動により、搬送経路内で内面直線溝付管2の張力制御を行なう。
図3に示す内面直線溝付管2の搬送経路Rでは、最初に導入側ローラー10の外周面10bに対し内面直線溝付管2が水平向きに導入されて周回りに掛け渡されるが、その場合に導入側ローラー10の外周面10bに対し内面直線溝付管2の内周側(図3の底面側)が押し付けられる。内面直線溝付管2において、この押し付けられた内周側はそのまま次のダンサーローラー11の外周面に巻き掛けられ、ダンサーローラー11の外周面に沿って周回される。次に、ダンサーローラー11の外周面に押し付けられた内面直線溝付管2の内周側は次のガイドローラー12側に搬送され、ガイドローラー12の外周面に対しそのまま周回されて押し付けられる。
この結果、内面直線溝付管2の巻取り時の管の変形、潰れ、肌アレを防止できる。図5にコイル状巻取装置3に巻き付けた内面直線溝付管2が横断面楕円形状に変形した状態の一例を示す。図5に示すようにコイル状巻取装置3の外周面上において内面直線溝付管2の横幅Xと縦幅(高さ)Yが同一の値であれば真円形状となるが、図5ではX(長径)>Y(短径)の関係となっている。
なお、図5では楕円形状を誇張して描いているが、実際に巻取制御装置Aにおいてコイル状巻取装置3に巻き取る場合は真円により近い楕円形状となる。
例えば、図5に示すX(長径)>Y(短径)の関係において、X(長径)/Y(短径)の値が1.2以下程度であれば、外径9〜12mm程度の内面直線溝付管2に対し引抜き加工と捻り加工を同時に施す場合に破断や断線などの問題を引き起こすことなく内面螺旋溝付管を製造できる。しかし、外径9〜12mm程度の内面直線溝付管2においてX/Yの値が1.2を超えるようであると、引抜き加工と捻り加工を同時に施す場合に問題を生じるおそれが高くなるので、コイル状巻取装置3に巻き取った内面直線溝付管2に対し別途矯正ダイスなどを用いて真円度を回復させる工程を施す必要がある。この矯正工程を施すようでは工数が増加するので内面螺旋溝付管の製造コストが上昇する問題がある。
なお、アルミニウム製の内面直線溝付管2を用いた実際の巻き取りの場合、上述の値(X/Y)が1.2を超えると潰れた面が管の内周にもぐり込み、その後の矯正や引抜で真円に回復せず、スジ状の欠陥が発生する。
金属製の薄肉の管体であって変形し易い管体をコイル状巻取装置3に巻き付ける場合に断面楕円状に変形しないように巻き取ることは、管体の品質向上の面で重要であるので、本実施形態の巻取制御装置Aは内面直線溝付管2に限らず、金属製の管体一般に適用できるのは勿論である。
また、導入側ローラー10とダンサーローラー11とガイドローラー12のそれぞれの外周面に、案内する丸管や偏平管の横断面輪郭に合わせた内面を有する凹溝を設けて丸管や偏平管の外周面の半分ほどを凹溝に収納可能に形成しておくことが好ましい。これらの凹溝に沿って丸管や偏平管をローラー10、11、12に巻き掛けるならば、巻取対象とする丸管や偏平管の変形をより良く抑制することができる。また、これらの凹溝は案内ローラー27にも形成しておくことが好ましい。
図6、図7に示す比較例の巻取制御装置Bにおいて図3、図4に示す第1実施形態の巻取制御装置Aと同等の構成要素には同一の符号を付して同一部分の説明は省略する。
この比較例の巻取制御装置Bは、導入側ローラー10とガイドローラー12の間に上下に移動自在に設けられているダンサーローラー14を図7に示すように導入側ローラー10およびガイドローラー12と同一面に沿って配置した構成である。また、巻取制御装置Bにおいて内面螺旋溝付管2の各ローラーに対する巻き掛け方が先の第1実施形態の巻取制御装置Aと異なる。
巻取制御装置Bにおいては、ダンサーローラー14が上下するのでジャムリの防止には効果がある。しかし、巻取制御装置Bでは、図6に示すように導入側ローラー10の外周面に対し内面直線溝付管2の内周側を押し付けた後、内面直線溝付管2の内周側と外周側が反転されてダンサーローラー14に巻き付けられ、導入側ローラー10では内面直線溝付管2の外側(上面側)に位置されていた部分がダンサーローラー14の外周面に内周側として巻き掛けられる。
このように導入側ローラー10とダンサーローラー14とガイドローラー12に対し、内面直線溝付管2の横断面において内側と外側が繰り返し交互に押し付けられるようであると、後述する実施例と比較例の対比からも明らかなように内面直線溝付管2を横断面楕円形に変形させてしまう割合が大きくなるので望ましくない。
図8に示す巻取制御装置Cにおいて図7に示す比較例と同等の構成要素には同一の符号を付して同一部分の説明は省略する。
この巻取制御装置Cにおいては、導入側ローラー10とガイドローラー12の間に上下方向には移動しない張力制御ローラー30を回転自在に設け、導入側ローラー10の上部側に巻き掛けた内面直線溝付管2を張力制御ローラー30の下部側に掛け渡し、更に内面直線溝付管2をガイドローラー12の上部側に掛け渡した後、案内ローラー27を介してコイル状巻取装置3に巻き取る構造とした例である。
また、巻取制御装置Cの構造では、押出加工装置1のビレット交換時などに内面直線溝付管2の搬送速度の変化が発生すると、内面直線溝付管2のたるみを吸収できず、ジャムリが発生するおそれが高くなる構造である。
本発明の実施例として、AA3003F合金からなるビレットを用いて押出加工装置により直溝の溝付管を製造した。
押出加工装置のダイス加熱温度540℃、ビレット加熱温度540℃、押出速度40m/minに設定した。なお、以下の例において押出加工装置のダイス加熱温度、ビレット加熱温度、押出速度は同等条件としている。
管の形状は、外径9.0mm、底肉厚0.4mm、フィン高さ0.22mm、条数55の直溝管を押出で作製し、本発明のたすき掛けダンサー方式(図3の巻取制御装置使用)と、従来のダンサー方式(図6の巻取制御装置使用)を使い分けて巻取りを行なった。
そして、それぞれ400mの押出素管を作製し、100m、200m、300mの位置の巻取り後の管の径を測定した。管の径はノギスを使用して円周方向に最大値aと最小値bを計測し、a/bより偏平度を算出した。
上述のサイズの直溝管に後加工を施す場合に一般的に要求される基準から、偏平度が1.2未満を〇、偏平度が1.2を超えるものを×として評価した。
表1において実施例は図3に示す構成の巻取制御装置Aを用いて巻き取りした場合の測定結果を示し、比較例は図6に示す従来の巻取制御装置Bを用いて巻き取りした場合の測定結果を示す。
本発明の実施例2として、外径9.7mm、底肉厚0.5mm、フィン高さ0.24mm、条数47の直溝管を押出で作製し、本発明のたすき掛けダンサー方式(図3に示す巻き取り制御装置を使用)と、従来のダンサー方式(図6に示す巻取制御装置を使用)とで巻取りを行なった。
そして、それぞれ400mの押出素管を作製し、100m、200m、300mの位置の巻取り後の管の径を測定した。その測定結果を以下の表2に示す。
本発明の実施例3として、外径12.0mm、底肉厚0.45mm、フィン高さ0.24mm、条数65の直溝管を押出で作製し、本発明の図3に示す巻取制御装置を用いたたすき掛けダンサー方式と、従来の図6に示す巻取装置を用いたダンサー方式とで巻取りを行なった。
そして、それぞれ400mの押出素管を作製し、100m、200m、300mの位置の巻取り後の管の径を測定した。その結果を以下の表3に示す。
Claims (8)
- 金属製の管体を巻き取るための巻取制御装置であり、管体をコイル状に巻き取るコイル状巻取装置と、該コイル状に巻き取られる前記管体の搬送経路に沿って前記コイル状巻取装置の上流側に設けられ、前記コイル状巻取装置に巻き取る前記管体を案内する導入側ローラーおよびガイドローラーと、前記管体の搬送経路に沿って前記導入側ローラーと前記ガイドローラーの間に配置されたダンサーローラーを備えた巻取制御装置であって、
前記導入側ローラーから前記ダンサーローラーを介し前記ガイドローラーに至る前記管体の搬送経路が前記ダンサーローラーへの導入側と前記ダンサーローラーからの導出側とで、管体への曲げ方向が常に一方向になるようたすき掛け経路とされたことを特徴とするダンサーローラーを備えた巻取制御装置。 - 前記ダンサーローラーが前記導入側ローラーまたは前記ガイドローラーに対し接近離間自在に支持され、前記ダンサーローラーに前記管体への張力調整用の錘体が付設されたことを特徴とする請求項1に記載のダンサーローラーを備えた巻取制御装置。
- 前記導入側ローラーの外周側において前記導入側ローラーの外周に前記管体の内周側が押圧され、前記ダンサーローラーの外周側において前記ダンサーローラーの外周に前記管体の内周側が押圧され、前記ガイドローラーの外周側において前記ガイドローラーの外周に前記管体の内周側が押圧され、前記導入側ローラーと前記ダンサーローラーと前記ガイドローラーにおいてそれらの外周に接する前記管体の内周側がいずれも前記管体を横断面視した場合の同じ側であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダンサーローラーを備えた巻取制御装置。
- 前記金属製の管体が押出加工装置から押し出された中空の管体であり、前記搬送経路が前記押出加工装置から出された管体を前記コイル状巻取装置に到達させる間の搬送経路であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のダンサーローラーを備えた巻取制御装置。
- 前記導入側ローラーと前記ガイドローラーが平行に配置されるとともに、前記導入側ローラーと前記ガイドローラーを配置した平行面に対し傾斜する面に沿って前記ダンサーローラーが配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のダンサーローラーを備えた巻取制御装置。
- 金属製の管体を巻き取るための巻取制御方法であって、
管体の搬送経路に沿って導入側ローラーとダンサーローラーとガイドローラーとコイル状巻取装置を配置し、
前記管体を前記導入側ローラーと前記ダンサーローラーと前記ガイドローラーの順に搬送して前記コイル状巻取装置に巻き取る際、
前記導入側ローラーから前記ダンサーローラーを介し前記ガイドローラーに至る前記管体の搬送経路を前記ダンサーローラーへの導入側と前記ダンサーローラーからの導出側とで、管体への曲げ方向が常に逆曲げをしない様に一方向になるようたすき掛け経路とすることを特徴とする巻取制御方法。 - 前記管体の曲げ方向が常に逆曲げをしない様に一方向とは、前記管体の横断面においてその一側を常に前記導入側ローラーの外周面と前記ダンサーローラーの外周面と前記ガイドローラーの外周面に当接させる方向であることを特徴とする請求項6に記載の巻取制御方法。
- 前記管体が押出加工装置から押し出された丸管、直溝管、扁平管又はそれらを加工途中又は最終製品巻取りのための丸管、直溝管、螺旋溝付管、扁平管のいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の巻取制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017237255A JP6960836B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017237255A JP6960836B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019104022A JP2019104022A (ja) | 2019-06-27 |
JP6960836B2 true JP6960836B2 (ja) | 2021-11-05 |
Family
ID=67061665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017237255A Active JP6960836B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6960836B2 (ja) |
-
2017
- 2017-12-11 JP JP2017237255A patent/JP6960836B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019104022A (ja) | 2019-06-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6834523B2 (en) | Method for producing seamless tube with grooved inner surface | |
JP6169538B2 (ja) | 内面螺旋溝付管の製造方法および製造装置 | |
WO2014104371A1 (ja) | 内面螺旋溝付管およびその製造方法と熱交換器 | |
JP5064749B2 (ja) | 内面溝付管の製造方法,製造装置及び内面溝付管 | |
CN109604367B (zh) | 变厚度折叠式微通道扁管的辊弯成形装置及成形方法 | |
JP2014140896A (ja) | 内面螺旋溝付管およびその製造方法と熱交換器 | |
JP6960836B2 (ja) | ダンサーローラーを備えた巻取制御装置及び巻取制御方法 | |
US3683656A (en) | Heat exchanger apparatus and method of making the same | |
JP2018091526A (ja) | 伝熱管、熱交換器および伝熱管の製造方法 | |
JP2018134683A (ja) | 内面螺旋溝付捻り加工管と熱交換器 | |
US20220412669A1 (en) | Inner spiral grooved tube with excellent heat transfer property and heat exchanger | |
JP6391140B2 (ja) | 内面螺旋溝付管の製造方法 | |
JP6316698B2 (ja) | 内面螺旋溝付管およびその製造方法と熱交換器 | |
JP6355039B2 (ja) | 内面螺旋溝付管の製造装置 | |
JP5132845B2 (ja) | 継目無管、コイル、レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの製造方法、クロスフィンチューブ型熱交換器及びクロスフィンチューブ型熱交換器の製造方法 | |
JP6358720B2 (ja) | 内面螺旋溝付管の製造方法および製造装置 | |
CN104797020A (zh) | 用于空调及送风型电加热领域的螺旋翅片管 | |
JP6316696B2 (ja) | 内面螺旋溝付管およびその製造方法と熱交換器 | |
Tangsri et al. | Influences of total reduction of area on drawing stress and tube dimension in inner spiral ribbed copper tube sinking | |
JP6902930B2 (ja) | 内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法 | |
JP6846182B2 (ja) | 伝熱管、熱交換器および伝熱管の製造方法 | |
JP6391138B2 (ja) | 内面螺旋溝付管の製造方法 | |
JP6316697B2 (ja) | 内面螺旋溝付管およびその製造方法 | |
RU2095170C1 (ru) | Линия для производства биметаллической проволоки | |
JP6902932B2 (ja) | 内面螺旋溝付多重捻り管とその製造方法および製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201015 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210706 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210914 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211012 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6960836 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |