JP2018200329A - サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 - Google Patents

サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れたサーモクロミック性を示し、かつ、耐久性のあるサーモクロミックフィルムを提供することである。
【解決手段】本発明のサーモクロミックフィルムは、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層、粘着層及びセパレーターをこの順に有するサーモクロミックフィルムであって、粘着層とセパレーターとが隣接し、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離を特定の値にすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体に関する。より詳しくは、本発明は、優れたサーモクロミック性を示し、かつ、耐久性のあるサーモクロミックフィルム等に関する。
近年、車窓から入り込む太陽光の影響によって人肌で感じる暑さを低減するため、高い断熱性又は遮熱性を備えた合わせガラスが市場に流通している。最近では、電気自動車等の普及に伴い、車内の冷房効率を高める観点から、合わせガラスに適用する近赤外光(熱線)遮蔽フィルムの開発が盛んに行われている。
近赤外光遮蔽フィルムは、車体や建物の窓ガラスに適用することにより、車内のエア・コンディショナー等の冷房設備への負荷を低減することができ、省エネルギー対策として有効な手段である。
このような近赤外光遮蔽フィルムとしては、赤外線吸収性物質としてITO(インジウム・スズ酸化物)などの導電体を含む光学フィルムが開示されている。また、特許文献1には、赤外線反射層と赤外線吸収層とを有する機能性プラスチックフィルムを含む近赤外光遮蔽フィルムが開示されている。
このような構成の近赤外光遮蔽フィルムは、太陽光の照度が高い赤道近傍の低緯度地帯では、その高い近赤外光遮蔽効果により、好ましく利用されている。しかしながら、中緯度〜高緯度地帯の冬場においては、逆に、太陽光をできるだけ車内や室内に取り込みたい場合にも、一律に入射光線を遮蔽してしまうという問題がある。
このような問題に対し、近赤外光の遮蔽や透過の光学的性質を温度により制御するサーモクロミック材料を適用する方法の検討がなされている。その代表的な材料として、二酸化バナジウム(以下、「VO」ともいう。)が挙げられる。VOは、50〜60℃前後の温度領域で相転移を起こし、サーモクロミック性を示すことが知られている。
しかし、VOは、大気中の水分と酸素によってVOの酸化や結晶構造の変化が促進するため、耐久性が問題となっている。また、VOは、イオン成分によって、VOの酸化が促進されるという観点からも、耐久性が問題となっている。
特許文献2ではシランカップリング剤及び長鎖アルキル樹脂でVOを保護することが報告されており、特許文献3ではポリカルボン酸で保護することが報告されているが、具体的な安定性など、耐久性に関する報告は一切なされていない。
特開2010−222233号公報 特表2015−513508号公報 特開2012−25629号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、優れたサーモクロミック性を示し、かつ、耐久性のあるサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく検討している中で、VOを含有する光学機能層を粘着剤を介して、ガラスに貼合すれば、大気からの水分による劣化が抑えられると考えられ、検討を進めてきた。
しかしながら、検討を進めるうちに、実はガラスからアルカリ成分が溶出し、当該アルカリ成分がVOの酸化を促進していることが分かり、大気中の水分以上にVOの酸化を促進していることが分かった。そこで本発明ではVOを含有する光学機能層を貼合するガラスから遠ざけることに着目して設計したところ、従来よりも耐久性が向上し、ひいては、長期間屋外でも使用できるサーモクロミックフィルムを作製できるに至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層、粘着層及びセパレーターをこの順に有するサーモクロミックフィルムであって、
前記粘着層と前記セパレーターとが隣接し、
前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、10μm以上であることを特徴とするサーモクロミックフィルム。
2.前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、25μm以上であることを特徴とする第1項に記載のサーモクロミックフィルム。
3.前記光学機能層と前記粘着層との間に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することを特徴とする第1項又は第2項に記載のサーモクロミックフィルム。
4.前記光学機能層の前記粘着層から遠い側の面に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
5.前記光学機能層が、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を含有し、さらに、架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物又はイソシアネート系化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムが、前記粘着層を介してガラスに貼合されたことを特徴とするサーモクロミック複合体。
本発明の上記手段により、優れたサーモクロミック性を示し、かつ、耐久性のあるサーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、以下のように推察している。
長期間屋外暴露条件において、VOは酸素及び水分によって酸化が促進される。この酸化を抑制するため、透明基材に、二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層と、粘着剤からなる粘着層とを積層し、当該粘着層を介して、ガラスに貼りつけることで、透明基材によって酸素や水分の影響を抑えていた。
しかし、我々の解析によって、ガラスに含まれるアルカリ成分は、経時で徐々に光学機能層側に溶出し、VOの酸化を促進することが分かった。
本発明者は、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーター(ガラス)の界面との距離を10μm以上とすることで、光学機能層をガラスから遠ざけることができ、この結果、VOの耐久性を大幅に高められたと考える。
また、光学機能層を架橋させて耐水性を持たせることでさらに耐久性を向上させることができる。さらに光学機能層上に比較的厚い樹脂ベースを形成することで外部からの水分や酸素からの影響を抑えることができるため、耐久性が向上する。
本発明のサーモクロミックフィルムの概略断面図 本発明のサーモクロミックフィルムの他の一例を示す概略断面図 実施例で製造したサーモクロミックフィルムの層構成の一例を示す概略断面図 実施例で製造したサーモクロミックフィルムの層構成の他の例を示す概略断面図 実施例で製造したサーモクロミックフィルムの層構成の他の例を示す概略断面図
本発明のサーモクロミックフィルムは、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層、粘着層及びセパレーターをこの順に有するサーモクロミックフィルムであって、前記粘着層と前記セパレーターとが隣接し、前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、10μm以上であることを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、25μm以上であることが、ガラスからのアルカリ成分の移行によるVOの劣化を、より抑制できることから好ましい。
本発明においては、前記光学機能層と前記粘着層との間に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することが、ガラスからのアルカリ成分の移行によるVOの劣化を、より抑制できることから好ましい。
本発明においては、光学機能層の前記粘着層から遠い側の面に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することが、大気中の水分及び酸素の侵入を防止する観点からことから好ましい。
本発明においては、前記光学機能層が、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を含有し、さらに、架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物又はイソシアネート系化合物のうち少なくとも1種を含有することが、ガラスからのアルカリ成分の移行によるVOの劣化を、より抑制できることから好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムは、前記粘着層を介してガラスに貼合することで、サーモクロミック複合体とすることができる。これにより、サーモクロミック性を示し、かつ、耐久性のあるサーモクロミック複合体を得ることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪サーモクロミック性≫
サーモクロミック性とは、透明状態/反射状態等の光学特性が、温度により可逆的に変化する性質のことである。本発明に係る二酸化バナジウム粒子(以下、単に「VO粒子」ともいう。)が示すサーモクロミック性としては、温度変化によって光透過率や光反射率等の光学特性が可逆的に変化すれば特に限定されるものではない。なお、本発明に係る二酸化バナジウム粒子が示す好ましいサーモクロミック性としては、例えば、25℃ 50%RH及び85℃ 85%RHにおける光透過率の差が30%以上である。
上記光透過率は、例えば、分光光度計V−670(日本分光(株)製)を用いて、波長2000nmにおける光透過率として測定することができる。
≪サーモクロミックフィルムの概要≫
本発明のサーモクロミックフィルムは、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層、粘着層及びセパレーターをこの順に有するサーモクロミックフィルムであって、前記粘着層と前記セパレーターとが隣接し、前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、10μm以上であることを特徴とする。
本発明のサーモクロミックフィルムの代表的な構成例について、図を参照して説明する。
本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の一つは、透明基材上に、光学機能層が形成されている構成である。
図1は、バインダー樹脂と、本発明で規定する二酸化バナジウム粒子と、を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示すサーモクロミックフィルム1は、透明基材2上に、光学機能層3、粘着層5、セパレーター6を積層した構成を有している。この光学機能層3は、光学機能層に含有されるバインダー樹脂B1中に、二酸化バナジウム粒子が分散された状態で存在している。この二酸化バナジウム粒子には、二酸化バナジウム粒子が独立して存在している二酸化バナジウムの一次粒子VOと、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体(凝集体ともいう)を構成している、VOの二次粒子VOが存在している。本発明では、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体を総括して二次粒子と称し、二次粒子凝集体、又は二次凝集粒子ともいう。
本発明においては、光学機能層3中におけるVO粒子の一次粒子VO及び二次粒子VOの全粒子による数平均粒子径が、150nm未満であることが好ましい。
光学機能層中におけるVO粒子の上記数平均粒子径の測定方法は種々の測定法を適用することができるが、動的光散乱法に従って測定することが好ましい。
本発明においては、光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、10μm以上である。
好ましくは、光学機能層の粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、25μm以上である。なお、当該距離については、特に上限はないが、実用上、1mmが上限であることが好ましいと考えられる。
図1及び後述の実施例で作製するサーモクロミックフィルムの構成を示す図3〜図5に示す例であれば、上記距離は、光学機能層3の粘着層5に近い側の面Sと、粘着層5及びセパレーター6の界面Bとの距離dであり、本発明においては、この距離dが10μm以上であり、好ましくは、25μm以上である。
なお、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離の測定方法は接触式膜厚計を用いて測定することができる。たとえば、フィルム全体の厚さを測定し、そこから粘着層のみ又は透明基材+接着剤+粘着剤の厚さを差し引くことで算出することができる。また、セパレーターを剥がし、粘着剤単独を有機溶剤で取り除いた上で、接触式膜厚計(例えば、DIGIMICRO MH−15M(ニコン(株)製))で厚さを測定することができる。
なお、上記厚さは、測定対象の面内において無作為に10点測定し、その平均値を各測定対象の厚さとし、距離の計算に用いる。
また、上記距離は、各層を形成する際に、その厚さを調整することで調節可能である。
図2は、本発明のサーモクロミックフィルム1の基本的な構成の他の一例を示す概略断面図であり、図1で示した透明基材2と光学機能層3が積層され、さらに、透明基材2の光学機能層3が積層された側と反対側に近赤外光遮蔽層4が積層されて構成されている。このように、本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、近赤外光遮蔽層4を有する構成としてもよい。近赤外光遮蔽層4としては、例えば、700〜1000nmの波長範囲内の光の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する層を用いることができる。
本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の他の一つは、光学機能層が透明基材を兼ねたハイブリッド構成である。
具体的には、サーモクロミックフィルム1の構成としては、透明基材2と光学機能層3を同一層で構成されているハイブリッド光学機能層(2+3)とし、透明基材を構成している樹脂として、光学機能層に含有されるバインダー樹脂を用い、当該バインダー樹脂中に、VO粒子が上記VOの一次粒子VOと、二酸化バナジウム粒子の上記二次粒子VOが分散されて、単層で透明基材を兼ね備えた光学機能層を形成してもよい。
なお、本発明のサーモクロミックフィルムの光学特性として、JIS R3106−1998で測定される可視光透過率としては、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
≪サーモクロミックフィルムの各構成材料≫
以下、本発明のサーモクロミックフィルムの構成要素である光学機能層、必要により設ける透明基材、近赤外光遮蔽層の詳細について説明する。
[光学機能層]
本発明で用いられる光学機能層は、少なくともVO粒子を含有している。本発明に係る光学機能層は、更にバインダー樹脂を含有していることが好ましい。
[二酸化バナジウム(VO)]
本発明に係る二酸化バナジウム(VO)は、酸化バナジウムの一態様である。酸化バナジウムは自然界において様々な形態をとり、V、H 、HVO 、HVO 2−、VO 3−、VO2+、VO、V3+、V、V2+、V、V等の構造が挙げられる。それぞれの環境雰囲気によってその形態が変化し、一般的には酸性環境下であればV、還元環境下であればVが形成される。そのため、VOは比較的酸化・還元しやすく、周囲の環境によって結晶構造が変化する。
サーモクロミック性(自動調光性)を示すVOは単斜晶構造で発現するため、本発明で用いるVOは単斜晶である。
[二酸化バナジウム粒子]
本発明の二酸化バナジウム粒子は、サーモクロミック性を示す。
本発明の二酸化バナジウム粒子の結晶形は、サーモクロミック性を効率よく発現させる観点から、ルチル型のVO粒子(以下、単に、VO粒子ともいう。)を用いることが好ましい。
ルチル型のVO粒子は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M型とも呼ばれる。本発明に係る二酸化バナジウム粒子においては、目的を損なわない範囲で、A型、又はB型などの他の結晶型のVO粒子や有機化合物、他の金属酸化物など、その他の化合物を含んでもよい。
本発明に係るVO粒子は、光学機能層中において一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が500nm未満で分散されて存在していることが好ましい。
本発明に係るVO粒子における一次粒子及び二次粒子の好ましい数平均粒子径は、500nm未満であるが、更に好ましくは1〜200nmの範囲内であり、より好ましくは、5〜100nmの範囲内であり、最も好ましくは5〜60nmの範囲内である。
また、VO粒子のアスペクト比としては、1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。
このような特徴をもつVO粒子では、アスペクト比が十分に小さく、形状が等方的であるので、溶液に添加した場合の分散性が良好である。加えて、単結晶の粒子径が十分に小さいので、従来の粒子に比べて、良好なサーモクロミック性を発揮することができる。
本発明に係るVO粒子では、VOの他に、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)及びリン(P)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含んでいても良い。このような元素の添加により、二酸化バナジウム粒子の相転移特性(特に、調光温度)を制御することが可能となる。なお、最終的に得られる二酸化バナジウム粒子に対する、そのような添加物の総量は、バナジウム(V)原子に対して、0.1〜5.0原子%程度で十分である。
(1:二酸化バナジウム粒子水系分散液の製造方法)
一般に、二酸化バナジウム粒子の合成方法は、固相法により合成されたVO焼結体を粉砕する方法と、五酸化バナジウム(V)を原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる水系合成法が挙げられる。
本発明においては、いずれの方法で作製されたVOでも適用することができる。いずれかの方法で作製したVOに分散剤を添加し、水系若しくは溶剤系にて分散液として調製する。
分散剤の添加量は、0.1〜1.0質量%の範囲内であることが好ましい。
水系の場合の分散剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシルエチルセルロース、シランカップリング剤等が挙げられ、特に、ポリビニルピロリドン又はセルロース樹脂であることが好ましく、本発明における金属キレートと併用することも可能である。
有機溶剤系の分散剤としては、アルキルアミン、シランカップリング剤、リン酸系等一般的に使用されている有機系分散剤を用いることができる。
そして、これらの分散剤を用いれば分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、後述のように光学機能層形成用塗布液を調製することができる。
この状態の光学機能層形成用塗布液を用いて、光学機能層を形成することにより、一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が150nm未満である好ましい数平均粒子径のVO粒子を含有する光学機能層を形成することができる。
また、VO粒子の製造方法として、必要に応じて、粒子成長の核となる微小なTiO等の粒子を核粒子として添加し、その核粒子を成長させることによりVO粒子を製造することもできる。
なお、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を使用する場合、上述のVO粒子を含む水系分散液として調製したあと、水系分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、VO粒子が離間している分散状態で水溶性バインダー樹脂溶液と混合して、光学機能層形成用塗布液を調製することが好ましい。
次いで、本発明に好適な水熱法によるVO粒子の製造方法について、その詳細をさらに説明する。
以下に、代表的な水熱法によるVO粒子の製造工程を示す。
(工程1)
バナジウム(V)を含む物質(I)と、ヒドラジン(N)又はその水和物(N・nHO)と、水とを混ぜて溶液(A)を調製する。この溶液(A)は、物質(I)が水中に溶解した水溶液であっても良いし、物質(I)が水中に分散した懸濁液であっても良い。
物質(I)としては、例えば、五酸化二バナジウム(V)、バナジン酸アンモニウム(NHVO)、三塩化酸化バナジウム(VOCl)、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO)等が挙げられる。なお、物質(I)としては、五価のバナジウム(V)を含む化合物であれば、特に限定されない。ヒドラジン(N)及びその水和物(N・nHO)は、物質(I)の還元剤として機能するものであって、水に容易に溶解する性質を有する。
溶液(A)は、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に元素を添加するため、添加する元素を含む物質(II)を更に含有していてもよい。添加する元素としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)又はリン(P)が挙げられる。
これらの元素を、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に添加することにより、二酸化バナジウム粒子のサーモクロミック性、特に、転移温度を制御することができる。
また、この溶液(A)は、酸化性又は還元性を有する物質(III)を更に含有していてもよい。物質(III)としては、例えば、過酸化水素(H)が挙げられる。酸化性又は還元性を有する物質Cを添加することにより、溶液のpHを調整したり、物質(I)であるバナジウム(V)を含む物質を均一に溶解させたりすることができる。
(工程2)
次に、調製した溶液(A)を用いて、水熱反応処理を行う。ここで、「水熱反応」とは、温度と圧力が、水の臨界点(374℃、22MPa)よりも低い熱水(亜臨界水)中において生じる化学反応を意味する。水熱反応処理は、例えば、オートクレーブ装置内で行われる。水熱反応処理により、二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶粒子が得られる。
水熱反応処理の条件(例えば、反応物の量、処理温度、処理圧力、処理時間等。)は、適宜設定されるが、水熱反応処理の温度は、例えば、250〜350℃の範囲内であり、好ましくは250〜300℃の範囲内であり、より好ましくは250〜280℃の範囲内である。温度を低くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径を小さくすることができるが、過度に粒子径が小さいと、結晶性が低くなる。また、水熱反応処理の時間は、例えば1時間〜5日の範囲内であることが好ましい。時間を長くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径等を制御することができるが、過度に長い処理時間では、エネルギー消費量が多くなる。
(工程3)
必要に応じて、得られた二酸化バナジウム粒子の表面に、樹脂によるコーティング処理又は表面改質処理を行っても良い。これにより、二酸化バナジウム粒子の表面が保護され、表面改質された単結晶粒子を得ることができる。本発明では、その中でも、二酸化バナジウム粒子の表面をガラス転移温度が65℃以下である、本発明に係るバインダー樹脂で被覆されていることが好ましい態様である。
なお、本発明でいう「被覆」とは、二酸化バナジウム粒子に対し、当該樹脂により粒子全面が完全に覆われている状態であってもよいし、粒子表面の一部が樹脂により覆われている状態であってもよい。好ましくは、当該粒子表面の全面積の50%以上が被覆されている状態がよく、80%以上被覆されている状態がより好ましい。
以上の工程1〜工程3を経て、サーモクロミック性を有するVO含有の単結晶粒子を含む分散液が得られる。
[VOの粉砕方法]
VOを微粒子化する方法は種々の方法があるが、ビーズミル、超音波破砕、高圧ホモジナイザー等種々の方法があり、いずれの方法を用いてもVO粒子を作製することができる。
ビーズミルでは、種々のビーズを用いることができるが、硬度、価格の観点からジルコニアビーズを利用するのが好ましい。
(二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物の除去処理)
上記水系合成法により調製された二酸化バナジウム粒子の分散液中には、合成過程での生じた残渣などの不純物が含まれており、光学機能層を形成する際に、二次凝集粒子発生のきっかけとなり、光学機能層の長期保存での劣化要因となることがあり、分散液の段階で不純物を除去することが好ましい。
二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物を除去する方法としては、従来公知の異物や不純物を分離する手段を適用することができ、例えば、VO粒子水系分散液に遠心分離を施し、二酸化バナジウム粒子を沈殿させ、上澄み中の不純物を除去し、再び分散媒を添加、分散する方法でも良いし、限外濾過膜などの交換膜を用いて不純物を系外へ除去する方法でも良いが、二酸化バナジウム粒子の凝集を防止する観点からは、限外濾過膜を用いる方法が最も好ましい。
限外ろ過膜の材質としては、セルロース系、ポリエーテルスルホン系、ポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)などを挙げることができ、その中でも、ポリエーテルスルホン系、PTFEを用いることが好ましい。
(窒素含有化合物)
本発明において用いられる窒素含有化合物としては特に制限されず、上記のような二酸化バナジウム粒子の表面に吸着し、耐湿熱性を向上させることができるものであればいかなる窒素含有化合物を用いてもよく、窒素原子が吸着性に寄与することが好ましい。窒素含有化合物としては、例えば、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イソシアネート基、チオイソシアネート基等の置換基を有する化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、イミダゾール系化合物等が例示される。
窒素含有化合物は、上記吸着基として、カチオン性基を少なくとも一つ以上有していると好ましい。カチオン性基は、二酸化バナジウムの表面に吸着しやすく、窒素含有化合物と、二酸化バナジウムとを極めて相互作用させやすくなる。カチオン性基としては、例えば、アミノ基(−NH);メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;イミノ基;グアニジノ基、イミド基等が挙げられる。なお、アミノ基は、プロトンが配位結合した(−NH )であってもよい。また窒素原子含有シランカップリング剤も好適に使用することができ、前記ジアミンシランカップリング剤やジイソシアネート基含有シランカップリング剤を使用することができる。市販品としては、例えばKBE−603やKBE−903(信越化学工業社製)等を用いることができる。
アミノ基を有する化合物(本発明では「アミノ基含有化合物」ともいう。)としては、多価アミン類を用いることが好ましく、例えば、ジアミンとしては、例えばジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミン、ジアミノエタン、1,2−又は1,3−ジアミノプロパン、1,2−又は1,3−又は1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N′−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−及び1,4−ジアミノシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジン等を単独又は2種以上併用して使用できる。また、ポリアミン系化合物として、ポリエチレンイミン等を使用でき、市販品としては、例えば、エポミンSP−012(株式会社日本触媒製)等を用いることができる。
上記の中でも、吸着基はアミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であると好ましい。さらに、窒素含有化合物の入手容易性等を考慮すると、窒素含有化合物は、アミノ基を有するものであるとより好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物が含まれる。カルボジイミド系化合物としては、分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、又はそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2、V−02、V−04(日清紡ケミカル(株)製)などが市販品として入手可能である。
さらに本発明において好ましく用いられるベンゾイミダゾール系化合物としては、例えば、ベンゾイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(メチルチオ)ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−ベンゾイミダゾールカルボン酸、5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。中でも、5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾールなどが好ましい。
上記ベンゾイミダゾール系化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、窒素含有化合物として用いられるイミダゾール系化合物は、イミダゾール骨格を有する化合物である。
本発明において好ましく用いられるイミダゾール系化合物としては、例えば、1−メチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールカルボン酸等が挙げられる。中でも、1−メチルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールカルボン酸などが好ましい。
上記イミダゾール系化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[バインダー樹脂]
次いで、本発明に係る光学機能層の形成に用いることができるバインダー樹脂について説明する。
本発明に適用可能なバインダー樹脂としては、水溶性バインダー樹脂や溶剤系バインダーなどが挙げられ、特に制限はないが、中でも水溶性バインダー樹脂であることが好ましい。
(水溶性バインダー樹脂)
上述のように光学機能層においては、バインダー樹脂として、水溶性バインダー樹脂が用いられることが好ましい。
ここでいう水溶性バインダー樹脂とは、25℃における水100gに対し、1.0g以上溶解する樹脂又は分散する樹脂である。また、熱水に溶解させた後、25℃で同様に溶解している樹脂も、本発明でいう水溶性バインダー樹脂として定義する。
光学機能層の形成に有用な水溶性バインダー樹脂としては、例えば、ゼラチン類、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等のタンパク質、セルロース類、アルギン酸ソーダ、セルロース硫酸エステル、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩等の糖誘導体、増粘多糖類等の天然由来素材や、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリビニルピロリドン、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
中でも、VO粒子との親和性が高く、膜形成の乾燥時にも粒子の凝集を防ぐ効果の高い、ヒドロキシ基を有する繰り返し単位成分を50mol%以上含有するポリマーであることが好ましく、こうしたポリマーとしては、セルロース類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシ基を有するアクリル系樹脂などを挙げることができ、その中でも、ポリビニルアルコール類、セルロース類が最も好ましく利用できる。
水溶性バインダー樹脂を使用する場合、サーモクロミックフィルムの耐水性を得るための使用可能な架橋剤として、イソシアネート系化合物類、メラミン系化合物、グリオキザール系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン、チタンキレート、尿素ホルマリン樹脂、グルタルアルデヒド、タンニン酸、カルボジイミド系化合物等を用いることができる。中でも、光学機能層は、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を含有する場合、架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物又はイソシアネート系化合物のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。なお、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物又はイソシアネート系化合物は、分子量が1000以下であることが好ましい。
添加濃度は樹脂に対して、1〜50質量%の範囲内が好ましい。
また、耐水性を向上させるために水系エマルジョンも添加することもできる。好例としては、アクリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン等が挙げられる。
(溶剤系バインダー)
溶剤系バインダーとしては、溶剤に溶解する種々の樹脂を用いることができるが、熱硬化樹脂や活性エネルギー線硬化樹脂も使用することができる。これらの樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。また、市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。
活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化性樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化性エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化性アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載の、ユニディック17−806(DIC(株)製)100部とコロネートL(東ソー(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステル末端のヒドロキシ基やカルボキシ基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸のようなモノマーを反応させることによって容易に得ることができる(例えば、特開昭59−151112号公報)。
紫外線硬化性エポキシアクリレート系樹脂は、エポキシ樹脂の末端のヒドロキシ基にアクリル酸、アクリル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノマーを反応させて得られる。
紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、ポリシロキサンに代表される無機系材料が挙げられる。
ポリシロキサン系ハードコートは、一般式RSi(OR′)で示されるものが出発原料である。R及びR′は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、m及びnは、「m+n=4」の関係を満たす整数である。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テロラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(N−アミノベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、メチルメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライドを用いることもできる。これらのメトキシ基、エトキシ基などの加水分解性基がヒドロキシ基に置換した状態のものが、一般的にポリオルガノシロキサン系ハードコートといわれている。これを基板上に塗布し、加熱硬化させることで、脱水縮合反応が促進し、硬化・架橋することで、ハードコートが製膜される。これらのポリオルガノシロキサン系ハードコート中でも、加水分解によって脱離しない有機基がメチル基のものが最も耐候性が高い。また、メチル基であれば、ハードコート製膜後の表面にメチル基が均一且密に分布するため、転落角も低い。そのため、本用途では、メチルポリシロキサンを用いることが好ましい。
ポリシロキサン系ハードコートの膜厚として、厚すぎれば、応力によってハードコート層が割れる危険性があり、薄すぎれば硬度が維持できない。そのため、厚さとして、1〜5μmが好ましく、1.5〜3μmであることが好ましい。
ポリオルガノシロキサン系ハードコートとして具体的には、サーコートシリーズ(株式会社動研製)、SR 2441(東レ・ダウコーニング社製)、KF−86(信越化学工業社製)、Perma−New(登録商標)6000(California Hardcoating Company製)などを利用することができる。
硬化樹脂の硬化樹脂層中の配合量は、硬化樹脂層の合計100質量%(固形分換算)に対して、20〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
さらにまた、これらの樹脂の光増感剤(ラジカル重合開始剤)として、ペンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物等を用いることができる。これらは単独でも又は2種以上組み合わせても使用することができる。加えて、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。これらラジカル重合開始剤の使用量は、樹脂の重合性成分100質量部に対して好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部である。
[光学機能層のその他の添加剤]
本発明に用いられる光学機能層に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防カビ剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
[光学機能層の形成方法]
上記光学機能層の形成に用いる湿式塗布方式としては、特に制限されず、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、又は米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
[透明基材]
本発明のサーモクロミックフィルムは、透明基材を有していてもよい。透明基材として、使用可能な材料としては、後に詳述するが、ポリエチレンテレフタレートフィルムなど、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう。)を含有する層であることが、特に好ましい。
透明基材は、光学機能層と粘着層との間に設けられていてもよく、また、光学機能層の粘着層から遠い側の面に設けられていてもよく、その両方に設けられていてもよい。
例えば、図3に示す例では、透明基材2は、光学機能層3の粘着層5から遠い側の面に設けられている。また、図5に示す例では、透明基材2は、光学機能層3と粘着層5との間に設けられている。さらに、図4に示す例では、透明基材2及び透明基材8が、光学機能層3と粘着層5との間及び光学機能層3の粘着層5から遠い側の面に設けられている。
本発明に適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、可撓性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
透明基材の厚さは、30〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは35〜70μmでの範囲内である。透明基材の厚さが30μm以上であれば、取り扱い中にシワ等が発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、例えば合わせガラスを作製する場合、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がよくなる。
透明基材は、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、未延伸又は少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明のサーモクロミックフィルムを具備した合わせガラスを、自動車のフロントガラスとして用いる場合には、延伸フィルムがより好ましい。
透明基材は、サーモクロミックフィルムのシワの生成や赤外線反射層の割れを防止する観点から、温度150℃において、熱収縮率が0.1〜3.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0%の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.7%の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限されることはないが、種々の樹脂フィルムを用いることが好ましく、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムである。
ポリエステルフィルム(以降、単にポリエステルと称す。)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
透明基材として透明樹脂フィルムを用いる場合、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない範囲内で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、二つの方法を併用してもよい。本発明では必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸成膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃の範囲内である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%の範囲内で処理されることである。弛緩処理された基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
透明樹脂フィルムは、成膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、成膜工程中での下引塗布をインライン下引という。
本発明のサーモクロミックフィルムは、透明基材の上に各層を形成するものであってもよいが、光学機能層と前記粘着層との間に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層などの透明基材を設ける場合、例えば、光学機能層上に、接着剤からなる層を設け、当該接着剤により、透明基材が設けられていてもよい。
このような接着剤としては、市販のものなど、公知のものを使用でき、例えば、TBS−730(DIC社製)を好適に使用できる。
[粘着層]
粘着層を構成する粘着剤としては、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルブチラール系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル系粘着剤などを例示することができる。
本発明のサーモクロミックフィルムは、窓ガラス等に貼り合わせる場合、窓に水を吹き付け、濡れた状態のガラス面に本サーモクロミックフィルムの粘着層を合わせる貼り方、いわゆる水貼り法が張り直し、位置直し等の観点で好適に用いられる。そのため、水が存在する湿潤下では粘着力が弱い、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
使用されるアクリル系粘着剤は、溶剤系及びエマルジョン系どちらでもよいが、粘着力等を高め易いことから、溶剤系粘着剤が好ましく、その中でも溶液重合で得られたものが好ましい。このような溶剤系アクリル系粘着剤を溶液重合で製造する場合の原料としては、例えば、骨格となる主モノマーとして、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクリルアクリレート等のアクリル酸エステル、凝集力を向上させるためのコモノマーとして、酢酸ビニル、アクリルニトリル、スチレン、メチルメタクリレート等、さらに架橋を促進し、安定した粘着力を付与させ、また水の存在下でもある程度の粘着力を保持するために官能基含有モノマーとして、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。該積層フィルムの粘着剤層には、主ポリマーとして、特に高タック性を要するため、ブチルアクリレート等のような低いガラス転移温度(Tg)を有するものが特に有用である。
この粘着層には、添加剤として、例えば安定剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、抗酸化剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を含有させることもできる。特に、本発明のように窓貼用として使用する場合は、紫外線によるサーモクロミックフィルムの劣化を抑制するためにも、紫外線吸収剤の添加は有効である。
粘着層の厚さは1〜100μmが好ましく、より好ましくは3〜50μmである。1μm以上であれば粘着性が向上する傾向にあり、十分な粘着力が得られる。逆に100μm以下であればサーモクロミックフィルムの透明性が向上するだけでなく、サーモクロミックフィルムを窓ガラスに貼り付けた後、剥がしたときに粘着層間で凝集破壊が起こらず、ガラス面への粘着剤残りが無くなる傾向にある。
粘着剤には各種添加剤を添加することができ、好適には紫外線吸収剤、酸化防止剤を含有することができる。
[セパレーター]
本発明に係るセパレーターは、粘着層に剥離可能に貼り合わせられることで、粘着層に隣接している。このようなセパレーターは、粘着層に剥離可能に貼り合わせることができるものであれば特に限定されない。
具体的なセパレーターの種類については、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、紙等の基材にシリコンコート、ポリアルキレンコート、フッ素樹脂コートしたものが挙げられるが、寸法安定性、平滑性、剥離安定性の点からポリエステルフィルムにシリコンコートしたものが特に好ましい。
また、セパレーターの厚さは10〜100μmの範囲内が好ましく、さらに好ましくは20〜60μm内である。10μm以上あれば塗布、乾燥時の熱によりフィルムに搬送ジワが生じることがないため好ましい、また、100μm以下であれば経済性の観点から好ましい。
[近赤外光遮蔽層]
本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、光学機能層に加え、700〜1000nmの範囲内の光波長範囲内の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する近赤外光遮蔽層を設ける構成とすることもできる。
本発明に適用可能な近赤外光遮蔽層の詳細については、例えば、特開2012−131130号公報、特開2012−139948号公報、特開2012−185342号公報、特開2013−080178号公報、特開2014−089347号公報等に記載されている構成要素及び形成方法等を参考にすることができる。
≪サーモクロミック複合体≫
本発明のサーモクロミックフィルムの用途としては、サーモクロミックフィルムを構成要素として備えているサーモクロミック複合体として使用することができる。例えば、サーモクロミックフィルムから、セパレーターを剥離し、粘着層を介してガラスに貼合することで、サーモクロミック複合体とすることが挙げられる。本発明のサーモクロミックフィルムは、特に、アルカリを含むようなガラスに貼合されても、耐久性に優れるサーモクロミック複合体とすることができる。
ガラスとしては、無機ガラス及び有機ガラス(樹脂グレージング)が挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、及び、グリーンガラス等の着色ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラス(樹脂グレージング)としては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。本発明においては、外部から衝撃が加わって破損した際の安全性の観点からは、無機ガラスであることが好ましい。
また、ガラス以外にも適用することができ、ガラスを含めたサーモクロミックフィルムの支持体全般とサーモクロミックフィルムから構成されているサーモクロミック複合体とすることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。なお、表中の「フィルム」とはサーモクロミックフィルムを表すものとする。
また、以下において、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離の測定方法は接触式膜厚計(DIGIMICRO MH−15M(ニコン(株)製))を用いて測定した。具体的には、フィルム全体の厚さを測定し、そこから粘着層のみ又は透明基材+接着剤からなる層+粘着剤の厚さを差し引くことで算出した。なお、上記厚さは、接触式膜厚計(DIGIMICRO MH−15M(ニコン(株)製))を用い、測定対象の面内において無作為に10点測定し、その平均値を各測定対象の厚さとし、距離の計算に用いた。
≪サーモクロミックフィルムの作製≫
[サーモクロミックフィルム1の作製]
(VO粒子水系分散液1の調製)
純水425mLに、二酸化バナジウム粒子(VO、新興化学社製)74.9g混合し、ビーズミル用の300μmのジルコニアビーズを200g使用し、Apexミル(寿工業社製)を用い、粉砕を行うことで、二酸化バナジウム粒子水系分散液1を調製した。
(光学機能層形成用塗布液1の調製)
下記の各構成材料を順次添加、混合及び溶解して、水系の光学機能層形成用塗布液1を調製した。
3質量%のVO粒子水系分散液1(溶媒:水) 0.93質量%
5質量%のポリビニルピロリドン/酢酸ビニルの共重合体S−630
(ISP JAPAN社製) 0.24質量%
水 8.40質量%
(光学機能層の形成)
厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製U40、両面易接着層)の透明基材上に、押出コーターを用いて、上記調製した光学機能層形成用塗布液1を、乾燥後の層厚が1.5μmとなる条件で湿式塗布を行い、次いで90℃の温風を1分間吹きつけて乾燥させて、光学機能層を形成した。形成した光学機能層上に粘着樹脂液(BPS1109、トーヨーケム社製)を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布して粘着層を形成し、この粘着層にセパレーターを貼り合わせ、サーモクロミックフィルム1を作製した。図3は、サーモクロミックフィルム1並びに後述のサーモクロミックフィルム2〜6、8、9、11、12、14、15及び17の概略構成図である。
なお、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離(表1では、単に「距離」と記載。)は、10μmである。
[サーモクロミックフィルム2の作製]
サーモクロミックフィルム1の作製において、粘着層の厚さを20μmにすることで、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離を20μmとした以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム2を作製した。
[サーモクロミックフィルム3の作製]
サーモクロミックフィルム2の作製において、粘着層の厚さを25μmにすることで、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離を25μmにした以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム3を作製した。
[サーモクロミックフィルム4の作製]
サーモクロミックフィルム3の作製において、粘着層の厚さを30μmにすることで、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離を30μmにした以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム4を作製した。
[サーモクロミックフィルム5の作製]
サーモクロミックフィルム1の作製において、架橋剤としてEX−614(エポキシ系化合物、ナガセケムテックス社製)の濃度を塗布膜中の全質量に対して10質量%添加した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム5を作製した。
[サーモクロミックフィルム6の作製]
サーモクロミックフィルム3の作製において、架橋剤としてEX−614の濃度を塗布膜中の全質量に対して10質量%添加した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム6を作製した。
[サーモクロミックフィルム7の作製]
サーモクロミックフィルム5の作製において、光学機能層の粘着層に遠い側の面上に接着剤TBS−730(DIC社製)を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布することで接着剤からなる層を形成した。厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製U40、両面易接着層)を接着剤を介して貼り合わせた。次に粘着樹脂液(BPS1109、トーヨーケム社製)を乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、粘着層を形成して、サーモクロミックフィルム7を作製した。
図4は、サーモクロミックフィルム7並びに後述のサーモクロミックフィルム10、13及び16の概略構成図である。図4において、7は接着剤からなる層であり、8はポリエチレンテレフタレートフィルム(ポリエチレンテレフタレートを含有する層)である。
なお、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離は、70μmである。
[サーモクロミックフィルム8の作製]
サーモクロミックフィルム5の作製において、架橋剤としてV−02−L2(カルボジイミド:カルボジライト V−02−L2、日清紡ケミカル(株)製)使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム8を作製した。
[サーモクロミックフィルム9の作製]
サーモクロミックフィルム6の作製において、架橋剤として上記V−02−L2使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム9を作製した。
[サーモクロミックフィルム10の作製]
サーモクロミックフィルム7の作製において、架橋剤として上記V−02−L2使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム10を作製した。
[サーモクロミックフィルム11の作製]
サーモクロミックフィルム5の作製において、架橋剤としてS−126(メラミン系化合物、DIC社製)を使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム11を作製した。
[サーモクロミックフィルム12の作製]
サーモクロミックフィルム6の作製において、架橋剤として上記S−176を使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム12を作製した。
[サーモクロミックフィルム13の作製]
サーモクロミックフィルム7の作製において、架橋剤として上記S−176を使用した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム13を作製した。
[サーモクロミックフィルム14の作製]
サーモクロミックフィルム5の作製において、架橋剤としてデュラネート WL70−100(イソシアネート系化合物、旭化成ケミカルズ社製)の濃度を塗布膜中の全質量に対して10質量%添加した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム14を作製した。
[サーモクロミックフィルム15の作製]
サーモクロミックフィルム6の作製において、架橋剤として上記デュラネート WL70−100の濃度を塗布膜中の全質量に対して10質量%添加した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム15を作製した。
[サーモクロミックフィルム16の作製]
サーモクロミックフィルム7の作製において、架橋剤として上記デュラネート WL70−100の濃度を塗布膜中の全質量に対して10質量%添加した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム16を作製した。
[サーモクロミックフィルム17の作製]
サーモクロミックフィルム1の作製において、粘着層の乾燥後の厚さが60μmにした以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム17を作製した。
[サーモクロミックフィルム18の作製]
サーモクロミックフィルム1の作製において、透明基材の光学機能層を有する面の反対面に粘着層を形成した以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム18を作製した。
図5に、サーモクロミックフィルム18の概略構成図を示す。なお、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離は、60μmである。
[サーモクロミックフィルム19の作製]
サーモクロミックフィルム1の作製において、粘着層の厚さを5μmにすることで、光学機能層の粘着層に近い側の面と、粘着層及びセパレーターの界面との距離を5μmとした以外は同様にして作製し、サーモクロミックフィルム19を作製した。
以上により作製したサーモクロミックフィルム1〜19の構成を、表1に示す。
Figure 2018200329
[評価]
(サーモクロミック複合体の作製)
上記作製した各サーモクロミックフィルムのサーモクロミック性及び耐久性を評価するために、厚さ1.3mmのガラス板(松浪硝子工業社製、「スライドガラス白縁磨」)のサイズ15cm×20cmに粘着層を介して貼り合わせてサーモクロミック複合体を作製した。
(サーモクロミック性の分光透過率評価)
分光光度計V−670(日本分光社製)を用いて、作製した各サーモクロミック複合体を25℃(室温)における波長1500nmでの透過率を測定した。また、加温測定装置を用い、75℃(高温)における波長1500nmでの透過率を測定し、その差(表2に示す「Δ室温−高温」)を求めた。
(湿熱試験)
次に、上記作製した各サーモクロミック複合体を、85℃ 85%RHの恒温槽に投入し、10日経過後の、25℃(室温)における波長1500nmでの透過率及び75℃(高温)における波長1500nmでの透過率を上記のようにして測定し、その差(表2に示す「Δ室温−高温」)を求めた。
Figure 2018200329
[評価結果]
表2の結果から分かるように、サーモクロミックフィルムを波長1500nmでの透過率で評価すると、初期から85℃ 85%RH 10日後において、実施例の室温と高温の差の変化幅が小さく、比較例においては変化幅が大きいことが分かる(表2の「初期−85℃ 85%RH 10日後」参照。)。特にガラス面からサーモクロミック層との距離が離れれば離れるほど湿熱耐性が向上することが分かり、明らかに本発明のサーモクロミックフィルムが湿熱試験に優れており、耐久性に優れることが分かる。
以上の結果より、本発明に記載された方法を用いることにより、水中で安定なVO粒子を形成することができ、サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体において優れたサーモクロミック性及び耐久性を示すことが示された。
1 サーモクロミックフィルム
2 透明基材
3 光学機能層
4 近赤外光遮蔽層
5 粘着層
6 セパレーター
7 接着剤からなる層
8 透明基材

Claims (6)

  1. 少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層、粘着層及びセパレーターをこの順に有するサーモクロミックフィルムであって、
    前記粘着層と前記セパレーターとが隣接し、
    前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、10μm以上であることを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  2. 前記光学機能層の前記粘着層に近い側の面と、前記粘着層及び前記セパレーターの界面との距離が、25μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のサーモクロミックフィルム。
  3. 前記光学機能層と前記粘着層との間に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーモクロミックフィルム。
  4. 前記光学機能層の前記粘着層から遠い側の面に、ポリエチレンテレフタレートを含有する層を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
  5. 前記光学機能層が、バインダー樹脂として水溶性バインダー樹脂を含有し、さらに、架橋剤として、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物又はイソシアネート系化合物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムが、前記粘着層を介してガラスに貼合されたことを特徴とするサーモクロミック複合体。
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