JP2018199141A - 接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属部材同士の内隅を摩擦攪拌接合する場合に、内隅の金属不足を防ぐことができるとともにバリを容易に除去することができる接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】第一金属部材1の裏面1cと第二金属部材2の第一側面2bとで形成された内隅に補助部材10を配置する補助部材配置工程と、内隅から回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入し、回転ツールFを相対移動させて、第二突合せ部J2を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、第一金属部材1の表面1b側から回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入し、回転ツールFを段差部に沿って相対移動させて、第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、バリが形成された補助部材10を第一金属部材1又は第二金属部材2から除去する除去工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】第一金属部材1の裏面1cと第二金属部材2の第一側面2bとで形成された内隅に補助部材10を配置する補助部材配置工程と、内隅から回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入し、回転ツールFを相対移動させて、第二突合せ部J2を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、第一金属部材1の表面1b側から回転ツールFの攪拌ピンF2を挿入し、回転ツールFを段差部に沿って相対移動させて、第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、バリが形成された補助部材10を第一金属部材1又は第二金属部材2から除去する除去工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
本発明は、金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合せ部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合せ部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。
例えば、特許文献1には、垂直に突き合わされた金属部材同士の内隅に回転ツールの攪拌ピンのみを挿入して突合せ部の摩擦攪拌接合を行う技術が開示されている。内隅に補助部材を配置した状態で摩擦攪拌接合を行うことで、接合部の金属不足を防ぐことができる。
しかし、従来の摩擦攪拌接合方法であると、内隅にバリが多く残存するため、バリ除去工程が煩雑になるという問題がある。
このような観点から、本発明は、金属部材同士の内隅を摩擦攪拌接合する場合に、内隅の金属不足を防ぐことができるとともにバリを容易に除去することができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、端部の裏面に段差部が形成された板状の第一金属部材を用意するとともに、板状の第二金属部材を用意する準備工程と、前記第一金属部材の前記段差部の段差底面と、前記第二金属部材の端面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差部の段差側面と、前記第二金属部材の第一側面とを突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の第一側面とで形成された内隅に補助部材を配置する補助部材配置工程と、前記内隅から回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記内隅に沿って相対移動させて、前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、前記第一金属部材の表面側から前記回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記段差部に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、前記内隅摩擦攪拌工程では、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合し、前記第一突合せ部摩擦攪拌工程では、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材のみ、又は、前記第一金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする。
かかる接合方法によれば、内隅に補助部材を配置し、補助部材を介して内隅の摩擦攪拌接合を行うため、内隅の金属不足を防ぐことができる。また、第一金属部材に段差部を設けることにより、突合せ工程において、第一金属部材と第二金属部材の位置決めを容易に行うことができる。また、内隅に発生したバリを補助部材ごと容易に除去することができる。また、内隅摩擦攪拌工程では、攪拌ピンのみを内隅に挿入するため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
また、本発明は、端部の裏面に段差部が形成された板状の第一金属部材を用意するとともに、板状の第二金属部材を用意する準備工程と、前記第一金属部材の前記段差部の段差底面と、前記第二金属部材の端面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差部の段差側面と、前記第二金属部材の第一側面とを突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の第一側面とで形成された内隅に補助部材を配置する補助部材配置工程と、前記内隅から第一回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記第一回転ツールを前記内隅に沿って相対移動させて、前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、前記第一金属部材の表面側からショルダ部と攪拌ピンとを備えた第二回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記ショルダ部を前記第一金属部材の表面に接触させた状態で前記段差部に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、前記内隅摩擦攪拌工程では、前記第一回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合し、前記第一突合せ部摩擦攪拌工程では、前記第二回転ツールの攪拌ピンを前記第一金属部材のみ、又は、前記第一金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする。
かかる接合方法によれば、内隅に補助部材を配置し、補助部材を介して内隅の摩擦攪拌接合を行うため、内隅の金属不足を防ぐことができる。また、第一金属部材に段差部を設けることにより、突合せ工程において、第一金属部材と第二金属部材の位置決めを容易に行うことができる。また、内隅に発生したバリを補助部材ごと容易に除去することができる。また、内隅摩擦攪拌工程では、攪拌ピンのみを内隅に挿入するため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。また、第一突合せ部摩擦攪拌工程では、ショルダ部で塑性流動材を抑えることができるためバリの発生を低減することができる。
また、前記内隅摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することが好ましい。
かかる接合方法によれば、バリをより容易に除去することができる。
本発明に係る接合方法によれば、金属部材同士の内隅を摩擦攪拌接合する場合に、内隅の金属不足を防ぐことができるとともにバリを容易に除去することができる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、第一実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1と第二金属部材2とをL字状に突き合わせて接合する。第一実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、タブ材配置工程と、第一突合せ部摩擦攪拌工程と、補助部材配置工程と、内隅摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。なお、説明における「表面」とは、「裏面」に対する反対側の面という意味である。
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、第一実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1と第二金属部材2とをL字状に突き合わせて接合する。第一実施形態に係る接合方法は、準備工程と、突合せ工程と、タブ材配置工程と、第一突合せ部摩擦攪拌工程と、補助部材配置工程と、内隅摩擦攪拌工程と、除去工程とを行う。なお、説明における「表面」とは、「裏面」に対する反対側の面という意味である。
準備工程は、図1に示すように、第一金属部材1及び第二金属部材2を用意する工程である。第一金属部材1及び第二金属部材2は、板状の金属部材である。第一金属部材1及び第二金属部材2のの材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。第一金属部材1のの端部の裏面1cには、段差部11が形成されている。段差部11は、段差底面11aと、段差底面11aから垂直に立ち上がる段差側面11bとで構成されている。段差底面11aの幅寸法は、第二金属部材2の板厚寸法と同一になっている。
突合せ工程は、図1に示すように、第一金属部材1と第二金属部材2とをL字状に突き合わせる工程である。突合せ工程では、第一金属部材1の段差底面11aに第二金属部材2の端面2aを突き合わせて第一突合せ部J1を形成するとともに、段差側面11bに第二金属部材2の第一側面2bを突き合わせて第二突合せ部J2を形成する。第一金属部材1の端面1aと第二金属部材2の第二側面2cとは面一になる。
タブ材配置工程は、図2に示すように、内隅の両端にタブ材T,Tを配置する工程である(図2では一つのみ描画)。タブ材Tは、第一金属部材1と同じ材料からなる板状の金属部材である。タブ材Tの板厚寸法は、第一金属部材1の板厚寸法と同じである。タブ材配置工程では、タブ材Tの側面を第一金属部材1の側面1dに突き合わせて当該突合せ部を溶接で接合する。タブ材Tの表面Taと、第一金属部材1の表面1bとを面一にするとともに、タブ材Tの裏面Tbと第一金属部材1の裏面1cとを面一にする。
第一突合せ部摩擦攪拌工程は、図2に示すように、回転ツールFを第一金属部材1の表面1bから挿入し、第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されており、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、図示しない摩擦攪拌装置に取り付けられる部位であって、円柱状を呈する。攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(第一金属部材1、第二金属部材2及び補助部材10)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
第一突合せ部摩擦攪拌工程では、図2に示すように、タブ材Tの表面Taに設定された開始位置Spに右回転させた回転ツールFを挿入し、段差部11(第二金属部材2)に沿って回転ツールFを相対移動させる。図3に示すように、回転ツールFの挿入深さは、本実施形態では、攪拌ピンF2が第一金属部材1及び第二金属部材2に接触するように設定している。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W1が形成されている。なお、攪拌ピンF2は、第一金属部材1のみと接触するように挿入深さを設定してもよい。この場合は、攪拌ピンF2と第一金属部材1との摩擦熱によって第一突合せ部J1周りが塑性流動化して接合される。
なお、回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の駆動手段を備えたロボットアームに取り付けることが好ましい。これにより、後記する内隅摩擦攪拌工程を行う際に、回転ツールFの回転中心軸を容易に傾斜させることができる。
補助部材配置工程は、図4に示すように、内隅に補助部材10を配置する工程である。補助部材10は板状の金属部材であって、本実施形態では、第一金属部材1及び第二金属部材2と同じ材料で形成されている。補助部材配置工程では、補助部材10の裏面10cを第二金属部材2の第一側面2bに面接触させるとともに、端面10dを第一金属部材1の裏面1cに当接させる。補助部材10の板厚寸法は、後記する内隅摩擦攪拌工程後に、接合部に金属不足が発生しないように適宜設定する。
内隅摩擦攪拌工程は、図5に示すように、内隅から攪拌ピンF2を挿入して第二突合せ部J2を摩擦攪拌接合する工程である。内隅摩擦攪拌工程では、タブ材Tの表面Taに設定された開始位置Spに右回転させた回転ツールFを挿入し、図5の手前側から奥側に向けて第二突合せ部J2に沿って回転ツールFを相対移動させる。本実施形態では、回転ツールFの回転速度を低速に設置している。回転ツールFの挿入深さや挿入角度は適宜設定すればよい。回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域W2が形成される。
内隅摩擦攪拌工程では、補助部材10側にバリVが発生するように接合条件を設定するのが好ましい。バリVが発生する位置は、接合条件によって異なる。当該接合条件とは、回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、進行方向、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、被接合金属部材(第一金属部材1、第二金属部材2及び補助部材10)の材質、被接合金属部材の厚さ等の各要素とこれらの要素の組合せで決定される。
例えば、回転ツールFの回転速度が遅い場合では、フロー側(retreating side(Re側):回転ツールFの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側(advancing side(Ad側):回転ツールFの外周における接線速度に回転ツールFの移動速度が加算される側)の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域外のシアー側にバリが多く発生する傾向にある。一方、例えば、回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
本実施形態では、回転ツールFの回転速度を遅く設定しつつ、進行方向左側に補助部材10が位置するように設定しているため、図6に示すように、塑性化領域W2外のシアー側である補助部材10にバリVが多く発生する傾向にある。なお、回転ツールFの接合条件及び補助部材10の配置位置は、ここで説明したものに限定されるものではなく適宜設定すればよい。
このようにして、バリVが発生する側又はバリVが多く発生する側が補助部材10側となるように接合条件を設定すれば、図6に示すように、補助部材10の表面10bにバリVを集約することができる。そのため、後記する除去工程を容易に行うことができるため好ましい。
除去工程は、図6に示すように、補助部材10を第二金属部材2から除去する工程である。具体的な図示は省略するが、本実施形態では、補助部材10の先端を折り曲げるようにして第二金属部材2から除去する。また、タブ材T,Tを第一金属部材1から除去する。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、内隅に補助部材10を配置し、補助部材10を介して内隅の摩擦攪拌接合を行うため、内隅に形成される塑性化領域W2の金属不足を防ぐことができる。これにより、内隅の水密性及び気密性を高めることができる。
また、第一金属部材1に段差部11を設けることにより、突合せ工程において、第一金属部材1と第二金属部材2の位置決めを容易に行うことができる。また、段差部11を設けることで、第一金属部材1の表面1bから第一突合せ部J1までの距離を短くすることができるため、攪拌ピンF2を第一突合せ部J1まで容易に挿入することができる。また、本実施形態によれば、内隅に発生したバリVを補助部材10ごと容易に除去することができる。また、内隅摩擦攪拌工程では、攪拌ピンF2のみを内隅に挿入するため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、第一突合せ部攪拌工程においても、攪拌ピンF2のみを挿入して摩擦攪拌を行うため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、タブ材配置工程と、補助部材配置工程と、内隅摩擦攪拌工程と、除去工程と、第一突合せ部摩擦攪拌工程と、を行う。第二実施形態は、内隅摩擦攪拌工程を行ってから第一突合せ部摩擦攪拌工程を行う点で第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。本実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、タブ材配置工程と、補助部材配置工程と、内隅摩擦攪拌工程と、除去工程と、第一突合せ部摩擦攪拌工程と、を行う。第二実施形態は、内隅摩擦攪拌工程を行ってから第一突合せ部摩擦攪拌工程を行う点で第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
準備工程、突合せ工程及びタブ材配置工程は、第一実施形態と共通である。補助部材配置工程では、図7に示すように、補助部材10の裏面10cを第一金属部材1の裏面1cに面接触させる。
内隅摩擦攪拌工程では、図7に示すように、タブ材Tの裏面Tbに設定した開始位置Spに低速で右回転させた回転ツールFを挿入し、図7の手前側から奥側に向けて第二突合せ部J2に沿って回転ツールFを相対移動させる。これにより、第二突合せ部J2が摩擦攪拌接合される。内隅摩擦攪拌工程によって、補助部材10の表面10bにバリV(図示省略)が形成される。
除去工程では、図7に示すように、第一金属部材1から補助部材10を除去する。除去工程では、補助部材10の端部を折り曲げるようにして第一金属部材1から切除する。
第一突合せ部摩擦攪拌工程では、図8に示すように、第一実施形態と同じ要領で、回転ツールFを第一金属部材1の表面1bから挿入し、第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する。
以上説明した第二実施形態によっても第一実施形態と同等の効果を奏することができる。ここで、図9は、第二実施形態の変形例に係る第一突合せ部摩擦攪拌工程を示す断面図である。第一実施形態及び第二実施形態とも、図9に示すように、第一突合せ部摩擦攪拌工程において、回転ツール(第一回転ツール)Fに代えて、第二回転ツールGを用いてもよい。第二回転ツールGは、ショルダ部G1と、ショルダ部G1の下端面G1aから垂下する攪拌ピンG2とを有する。当該変形例の第一突合せ部摩擦攪拌工程では、ショルダ部G1の下端面G1aを第一金属部材1の表面1bに接触させるか又は数ミリ程度押し込みながら第一突合せ部J1に沿って摩擦攪拌接合を行う。当該変形例によれば、ショルダ部G1で塑性流動材を抑えることができるため、バリの発生を少なくすることができる。第一突合せ部摩擦攪拌工程では、第二回転ツールGの攪拌ピンG2を第一金属部材1のみ、又は、第一金属部材1及び第二金属部材2に接触させた状態で第一突合せ部J1を摩擦攪拌接合する。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、第一突合せ部摩擦攪拌工程を行う前に、第一突合せ部J1に対して仮接合を行ってもよい。また、内隅摩擦攪拌工程を行う前に、第二突合せ部J2に対して仮接合を行ってもよい。仮接合は、摩擦攪拌で行ってもよいし、溶接で行ってもよい。仮接合は、スポットで行ってもよいし、連続的に行ってもよい。
また、補助部材を断面L字状とし、内隅を覆うように配置してもよい。除去工程においては、第一金属部材1及び第二金属部材2から当該補助部材を除去する。
1 第一金属部材
1b 表面
1c 裏面
2 第二金属部材
2b 第一側面
2c 第二側面
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
F 回転ツール(第一回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
G 第二回転ツール
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
W1 塑性化領域
W2 塑性化領域
1b 表面
1c 裏面
2 第二金属部材
2b 第一側面
2c 第二側面
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
F 回転ツール(第一回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
G 第二回転ツール
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
W1 塑性化領域
W2 塑性化領域
Claims (3)
- 端部の裏面に段差部が形成された板状の第一金属部材を用意するとともに、板状の第二金属部材を用意する準備工程と、
前記第一金属部材の前記段差部の段差底面と、前記第二金属部材の端面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差部の段差側面と、前記第二金属部材の第一側面とを突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、
前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の第一側面とで形成された内隅に補助部材を配置する補助部材配置工程と、
前記内隅から回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記内隅に沿って相対移動させて、前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、
前記第一金属部材の表面側から前記回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記段差部に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、
バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、
前記内隅摩擦攪拌工程では、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合し、
前記第一突合せ部摩擦攪拌工程では、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材のみ、又は、前記第一金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする接合方法。 - 端部の裏面に段差部が形成された板状の第一金属部材を用意するとともに、板状の第二金属部材を用意する準備工程と、
前記第一金属部材の前記段差部の段差底面と、前記第二金属部材の端面とを突き合わせて第一突合せ部を形成するとともに、前記段差部の段差側面と、前記第二金属部材の第一側面とを突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、
前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の第一側面とで形成された内隅に補助部材を配置する補助部材配置工程と、
前記内隅から第一回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記第一回転ツールを前記内隅に沿って相対移動させて、前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する内隅摩擦攪拌工程と、
前記第一金属部材の表面側からショルダ部と攪拌ピンとを備えた第二回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記ショルダ部を前記第一金属部材の表面に接触させた状態で前記段差部に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合する第一突合せ部摩擦攪拌工程と、
バリが形成された前記補助部材を前記第一金属部材又は前記第二金属部材から除去する除去工程と、を含み、
前記内隅摩擦攪拌工程では、前記第一回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材、前記第二金属部材及び前記補助部材に接触させた状態で前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合し、
前記第一突合せ部摩擦攪拌工程では、前記第二回転ツールの攪拌ピンを前記第一金属部材のみ、又は、前記第一金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で前記第一突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする接合方法。 - 前記内隅摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌接合で発生するバリが前記補助部材に形成されるように接合条件を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
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US11241756B2 (en) * | 2017-07-25 | 2022-02-08 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | Joining method |
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