JP2018198253A - コイル構造体、及び回路構成体 - Google Patents

コイル構造体、及び回路構成体 Download PDF

Info

Publication number
JP2018198253A
JP2018198253A JP2017102100A JP2017102100A JP2018198253A JP 2018198253 A JP2018198253 A JP 2018198253A JP 2017102100 A JP2017102100 A JP 2017102100A JP 2017102100 A JP2017102100 A JP 2017102100A JP 2018198253 A JP2018198253 A JP 2018198253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
surface side
circuit board
coil portion
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017102100A
Other languages
English (en)
Inventor
幸伯 山田
Kohaku Yamada
幸伯 山田
有吉 剛
Takeshi Ariyoshi
剛 有吉
暁光 鄭
Xiaoguang Zheng
暁光 鄭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2017102100A priority Critical patent/JP2018198253A/ja
Publication of JP2018198253A publication Critical patent/JP2018198253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】回路構成体の生産性を高められるコイル構造体を提供する。
【解決手段】回路基板11の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される上面側パターンコイル部31と、回路基板の下面に配置される導体板の一部を渦巻状に形成してなる板状コイル部34とを有する積層コイル部30を備える。積層コイル部30は、上面側パターンコイル部31の一端部の上面に接続される上端部及び板状コイル部31の一端部の上面に接続される下端部を有する段差吸収部材37を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイル構造体、及び回路構成体に関する。
車載電装品の通電や遮断などを実行する回路構成体を備える装置として、特許文献1のDC−DCコンバータ装置が知られている。この装置は、ケースに、チョークコイルや変圧器、この変圧器などに接続される第1回路基板などが収容されている。第1回路基板の表面には、プリント配線技術により導電路が形成され、FET(Field effect transistor)などの電子部品が実装されている。
特開2013−099062号公報
上述のチョークコイルや変圧器(トランス)などのコイル構造体は、通常、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルとコイルの内外に配置される磁性コアとを備える。このコイル構造体は、コイルの軸方向が回路基板の平面に対して直交するようにケース内に配置されている。コイル構造体は、コイルと磁性コアとをそれぞれ用意して組み合わせた後、回路基板などと接続する必要がある。そのため、製造作業が煩雑になり易く、生産性に劣る。
そこで、回路構成体の生産性を高められるコイル構造体を提供することを目的の一つとする。
また、生産性に優れる回路構成体を提供することを目的の一つとする。
本開示に係るコイル構造体は、
回路基板の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される上面側パターンコイル部と、前記回路基板の下面に配置される導体板の一部を渦巻状に形成してなる板状コイル部とを有する積層コイル部を備え、
前記積層コイル部は、前記上面側パターンコイル部の一端部の上面に接続される上端部、及び前記板状コイル部の一端部の上面に接続される下端部を有する段差吸収部材を有する。
本開示に係る回路構成体は、
本開示に係るコイル構造体と、
前記回路基板と、
前記導体板と、
前記導体板に実装される電子部品とを備える。
上記コイル構造体は、回路構成体の生産性を高められる。
上記回路構成体は、生産性に優れる。
実施形態1に係るコイル構造体の概略を示す斜視図である。 実施形態1に係るコイル構造体の概略を示す分解斜視図である。 実施形態1に係るコイル構造体の概略を示す分解斜視図である。 実施形態1に係るコイル構造体の概略を示す断面図である。
《本発明の実施形態の説明》
本発明者らは、回路構成体の生産性を向上するべく、コイル構造体のコイルを回路構成体の一部、即ち、回路基板の回路パターンの一部で構成されるパターンコイル部や、回路基板の下面に配置される電力線路部の一部で構成されるコイル部で構成することを検討した。コイル構造体の中でもコイルのターン数がある程度多く必要な場合には、上記パターンコイル部と上記コイル部とを半田などで接続することが考えられる。その場合、両コイル部同士を半田接続し易いように、上記パターンコイルを回路基板の下面側の回路パターンの一部で構成する。しかし、両コイル部の接続箇所同士が位置ずれする虞がある上に、接続の良否を目視で検査し難い。両コイル部の接続は、パターンコイルの下面(裏面)とコイル部の上面(表面)とでの接続になり、接続箇所が回路基板で隠れて上方視し難く、両コイル部の接続箇所同士を位置合わせし難いからである。そのため、両コイル部の上面同士を接続するために、上記パターンコイルを回路基板の上面側の回路パターンの一部で構成すること考えた。しかし、回路基板の絶縁基板の厚み分の段差が生じるため、その厚み分の半田で両コイル部同士を接続すると半田に過剰な負荷が掛かり易く、接続強度が不十分となる虞がある。本発明者らは、更に検討を重ねた結果、上面同士を繋ぐ部材を別途用いることで、両コイル部の上面同士を接続しつつ接続強度を確保できるとの知見を得た。最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一形態に係るコイル構造体は、
回路基板の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される上面側パターンコイル部と、前記回路基板の下面に配置される導体板の一部を渦巻状に形成してなる板状コイル部とを有する積層コイル部を備え、
前記積層コイル部は、前記上面側パターンコイル部の一端部の上面に接続される上端部、及び前記板状コイル部の一端部の上面に接続される下端部を有する段差吸収部材を有する。
上記の構成によれば、回路構成体の生産性を高められる。積層コイル部が回路基板の回路パターンの一部と導体板の一部とを接続して構成されていることで、回路基板と導体板の作製と同時に上面側パターンコイル部及び板状コイル部を作製でき、積層コイル部を回路基板及び導体板と個々に準備する必要がない。また、この両コイル部の上面同士を段差吸収部材で接続することで、回路基板の厚みが厚くても、半田を用いる場合に比較して接続箇所に過剰な負荷が掛かり難いため、接続強度を確保し易い。更に、両コイル部の上面同士を接続するため、その接続箇所を露出させ易くて接続の良否を目視により検査し易い。従って、積層コイル部の作製から接続箇所の検査に亘る作業を簡略化できる。
(2)上記コイル構造体の一形態として、前記段差吸収部材は、前記上端部と前記下端部との間で、前記回路基板の上下に開口する開口部に挿通される中間部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、両コイル部と段差吸収部材との接続箇所を回路基板及び導体板の縁部以外の箇所にも形成できるため、段差吸収部材を接続する両コイル部の一端部の配置位置の制約が少ない。
(3)上記コイル構造体の一形態として、前記板状コイル部の前記一端部を上面視した面積は、前記段差吸収部材の前記下端部を上面視した面積よりも大きいことが挙げられる。
上記の構成によれば、下側にある板状コイル部の一端部の面積がその上側にある段差吸収部材の下端部よりも大きいことで、コイル構造体の上方から段差吸収部材を接続し易い。その上、段差吸収部材と上面側パターンコイル部とを半田で接続する場合、半田が板状コイル部の下方に漏れ難くすることができる。
(4)上記コイル構造体の一形態として、前記板状コイル部の前記一端部は、その外周側に張り出す張出部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、板状コイル部のターンの幅やターン間を過度に大きくすることなく、段差吸収部材を接続させ易くすることができる。
(5)上記コイル構造体の一形態として、
前記積層コイル部は、
前記回路基板の下面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される下面側パターンコイル部と、
前記上面側パターンコイル部の他端部と前記下面側パターンコイル部の一端部とを接続するビアホールとを有することが挙げられる。
上記の構成によれば、回路基板の回路パターンの一部で構成されるパターンコイル部のターン数を多くできるため、積層コイル部のターン数を多くできる。
(6)上記コイル構造体の一形態として、前記段差吸収部材の断面積は、前記上面側パターンコイル部、及び前記板状コイル部の少なくとも一方の断面積以上であることが挙げられる。
上記の構成によれば、段差吸収部材で高抵抗になり難いため、局所的に高抵抗な箇所が形成され難い。
(7)上記コイル構造体の一形態として、前記積層コイル部が配置される磁性コアを備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、磁性コアを積層コイルに組み付けるだけで磁気部品を備える回路構成体を構築できる。
(8)本発明の一形態に係る回路構成体は、
上記(1)から(7)のいずれか1つのコイル構造体と、
前記回路基板と、
前記導体板と、
前記導体板に実装される電子部品とを備える。
上記の構成によれば、生産性に優れる。コイル構造体の積層コイル部が、回路構成体に備わる回路基板の一部と導体板の一部とで構成されるため、コイルを別途用意する必要がなく、コイルと磁性コアとをそれぞれ用意して組み合わせた後、導体板や回路基板などに実装する必要がないからである。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明は、コイル構造体、回路構成体の順に行う。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔コイル構造体〕
図1〜図4を参照して、実施形態1に係るコイル構造体1Aを説明する。コイル構造体1Aは、複数のコイル部を軸方向に積層してコイル部同士を接続した積層コイル部30(図2、図3)を備える。このコイル構造体1Aは、代表的には、回路構成体10に備わる。回路構成体10は、例えば、図1に示すように、信号回路などを構成する箔状の回路パターン(図示略)が形成される回路基板11と、回路基板11の下面に配置される導体板からなり、電力回路を構成する電力線路部12と、電子部品13とを備える。この電子部品13の一つに実施形態に係るコイル構造体1Aがある。コイル構造体1Aの積層コイル部30は、回路基板11の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される上面側パターンコイル部31と、導体板の一部を渦巻状に形成してなる板状コイル部(一次側板状コイル部34)とを有する(図2)。このコイル構造体1Aの特徴の一つは、積層コイル部30が、上面側パターンコイル部31と板状コイル部34の上面同士を接続する段差吸収部材35(図2〜図4)を有する点にある。以下、詳細を説明する。
本例では、コイル構造体1Aが一次コイル部3及び二次コイル部4を有するコイル2と磁性コア6とを備えるトランスであり、一次コイル部3が積層コイル部30を備える形態を例に説明する。以下の説明では、回路基板11側(図1〜図4紙面上側)を「上」、電力線路部12側を「下」としている。説明の便宜上、図2は、二次コイル部を省略して、磁性コア6を含めた一次コイル部3側の分解斜視図を示し、図3は、磁性コアを省略して、一次コイル部3及び二次コイル部4の分解斜視図を示している。
[コイル]
コイル2は、一次コイル部3と二次コイル部4とを備える(図3)。この一次コイル部3及び二次コイル部4は、回路構成体10の一部で構成される。本例の一次コイル部3は、積層コイル部30を有し、二次コイル部4は、二次側板状コイル部41を有する。
(一次コイル部)
〈積層コイル部〉
積層コイル部30は、上下方向に積層される上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34と、両コイル部31,34同士を接続(直列接続)する段差吸収部材35とを備える(図2〜図4)。本例の積層コイル部30は、更に上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34との間に介在される下面側パターンコイル部32と、これらパターンコイル部同士を接続するビアホール33とを備える。
・上面側パターンコイル部
上面側パターンコイル部31は、回路基板11のうち一次側回路基板111の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される(図2)。即ち、上面側パターンコイル部31の材質は、一次側回路基板111の回路パターンの材質と同じ銅などが挙げられる。
上面側パターンコイル部31の形状は、本例では円環状としているが(図3)、矩形状としてもよい。上面側パターンコイル部31のターンの幅とターン数とは、適宜選択でき、ターンの幅を大きくしてターン数を少なくしてもよいし、ターンの幅を小さくしてターン数を多くしてもよい。本例では、ターンの幅は、一次側板状コイル部34の各ターンの幅よりも大きく、一次側板状コイル部34における最内周のターンの内周面と最外周のターンの外周面との間の長さと同等程度とし、ターン数は、1ターンとしている。上面側パターンコイル部31の厚みは、一次側回路基板111(図1,図2)におけるその他の箔状の回路パターンの厚みと同じで、例えば、20μm以上200μm以下が挙げられる。その他の箔状の回路パターンとは、例えば、下面側パターンコイル部32、後述する上面側パターン片部36の他、後述するFET13fのゲート端子G(図1、図2)が接続される回路パターン(図示略)などが挙げられる。この厚みは、更に150μm以下、120μm以下、特に100μm以下であると、より薄型の一次側回路基板111とすることができる。この厚みは、更に、50μm以上とすることができる。
上面側パターンコイル部31の一端部は、図2,図4に示すように、一次側回路基板111の絶縁膜116から露出され、上面側パターンコイル部31の他端部及びターンは、一次側回路基板111の絶縁膜116に覆われている。上面側パターンコイル部31の一端部は、一次側板状コイル部34の内周端部341と重ならないように周方向にずれて配置され、段差吸収部材35により内周端部341に電気的に接続されている(図2,図4)。上面側パターンコイル部31の他端部は、その一端部よりも径方向外側にずれて下面側パターンコイル部32の一端部と重なるように配置され、ビアホール33により下面側パターンコイル部32の一端部に電気的に接続されている(図3)。即ち、上面側パターンコイル部31の他端部は、内周端部341の上方に重ならない。そうして、下面側パターンコイル部32と干渉することなく、段差吸収部材35の配置スペースを確保している。
・下面側パターンコイル部
下面側パターンコイル部32は、一次側回路基板111の下面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される(図2)。下面側パターンコイル部32を備えることで、一次コイル部3のターン数を多くできる。下面側パターンコイル部32の材質は、上面側パターンコイル部31と同様、銅などが挙げられる。
下面側パターンコイル部32の形状は、上面側パターンコイル部31と同様、本例では円環状としているが(図3)、矩形状としてもよい。下面側パターンコイル部32の幅とターン数とは、上面側パターンコイル部31と同様適宜選択でき、本例では、幅は上面側パターンコイル部31の幅と同等とし、ターン数は、上面側パターンコイル部31と同じ1ターンとしている。下面側パターンコイル部32の厚みは、本例では上面側パターンコイル部31の厚みと同等としているが、異ならせてもよい。
下面側パターンコイル部32の両端部及びターンは、一次側回路基板111の絶縁膜116に覆われている(図2)。下面側パターンコイル部32の一端部は、上述の通り、上面側パターンコイル部31の他端部に電気的に接続される。下面側パターンコイル部32の他端部は、後述する上面側パターン片部36に電気的に接続され、一次コイル部3の出力(入力)端部を構成する。これらの電気的接続は、それぞれビアホール33により行える。下面側パターンコイル部32の他端部は、下面側パターンコイル部32のターンから径方向外側に突出して形成されている(図2,図3)。それにより、上面側パターン片部36が上面側パターンコイル部31と干渉しないようにしている。
・ビアホール
ビアホール33は、上面側パターンコイル部31と下面側パターンコイル部32とを電気的に接続する(図3)。このビアホール33により、パターンコイル部のターン数を多くすることができる。ビアホール33の形成箇所は、上面側パターンコイル部31の他端部と下面側パターンコイル部32の一端部としている。ビアホール33の数は、適宜選択でき、ここでは複数としている。
なお、一次側回路基板111を多層基板で構成すれば、上面側パターンコイル部31と下面側パターンコイル部32との間に1つ以上のパターンコイル部を介在させられる。そうすれば、積層コイル部30は、パターンコイル部のターン数を増やせる。
・一次側板状コイル部
一次側板状コイル部34は、電力線路部12(図1)のうち一次側回路基板111の下面に配置される一次側電力線路部121の一部を渦巻状に形成して構成される(図2、図3)。即ち、一次側板状コイル部34の材質は、一次側電力線路部121の材質と同じ銅や銅合金などが挙げられる。本例では、一次側電力線路部121における一つの一次側導体片121a(一次コイル部3の入力側)の一部を渦巻状に形成している。このように一次側板状コイル部34が一次側電力線路部121の一部で構成されているため、コイル2を別途用意する必要がなく、コイル2と磁性コア6とをそれぞれ用意して組み合わせた後、コイル2を一次側電力線路部121などに実装する必要がない。一次側板状コイル部34は、各ターンが一次側電力線路部121の他部と同一平面上に位置する平面コイルである。一次側電力線路部121の他部とは、電力線路部12のうち一次側電力線路部121における他の一次側導体片121b(一次コイル部3の出力側)、121cなどが挙げられる。これら一次側導体片121a〜121cは、後述の二次側導体片122a〜122c(図1)と同一平面上に位置する。
一次側板状コイル部34(渦巻)の形状(外形)は、上面側パターンコイル部31と同様、本例では円形状としているが、矩形状としてもよい。一次側板状コイル部34のターン数は、所望のインダクタンスに応じて適宜選択でき、4ターンを例示している(図2、図3)。各ターン間の間隔は、略等間隔である。
一次側板状コイル部34の厚みは、一次側電力線路部121を構成する導体板の厚さと同じで、例えば、0.3mm以上3.0mm以下が挙げられる。この厚みが0.3mm以上であれば、一次側板状コイル部34の断面積を大きく確保し易い。その上、この厚さを有する素材板から所定の形状、寸法の一次側板状コイル部34を精度よく打ち抜き易くて製造性に優れるからである。この厚みが3.0mm以下であれば、積層コイル部30を小型化し易い。それは、一次側板状コイル部34の厚みが過度に厚すぎないからである。また、ターン間の間隔を過度に大きくする必要がないからである。導体板を打ち抜く場合、打ち抜きに利用する金型の劣化を抑制するために導体板の厚みが厚いほど形成するターン間の間隔を大きくする必要がある。この厚みは、0.4mm以上、更に0.5mm以上とすることができる。また、この厚みは、2.0mm以下、1.9mm以下、更に1.8mm以下、1.5mm以下、1.2mm以下、1.0mm以下であると、一次側板状コイル部34をより小型にできる。
一次側板状コイル部34の断面積は、上面側パターンコイル部31の断面積に対して、過度に小さ過ぎたり大き過ぎたりしない大きさが好ましい。そうすれば、一次側板状コイル部34と上面側パターンコイル部31の一方が他方に対して高抵抗になり難い。例えば、「(一次側板状コイル部34の断面積):(上面側パターンコイル部31の断面積)=1:(0.8以上1.2以下)」を満たすことが好ましい。上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34の断面積とは、それぞれの端部を除くターンの断面積とする。
一次側板状コイル部34は、渦巻の最内周に配置される内周端部341と、渦巻の最外周に配置される外周端部342とを有する(図2,図3)。内周端部341は、上面視したとき、上面側パターンコイル部31の一端部から露出する位置にずれて配置されて、段差吸収部材35で上面側パターンコイル部31に電気的に接続される。そのため、段差吸収部材35を接続し易い上に、接続の良否を上方から目視により検査し易い。内周端部341を上面視した面積は、段差吸収部材35の下端部352(後述)を上面視した面積よりも大きいことが好ましい。そうすれば、コイル構造体1Aの上方から段差吸収部材35を接続し易い。その上、段差吸収部材35と上面側パターンコイル部31とを半田で接続する場合、半田の一次側板状コイル部34の下方への漏れを抑制し易い。この内周端部341は、その外側に張り出す張出部341aを有することが好ましい。即ち、内周端部341を構成する導体の幅は、ターンを構成する導体の幅よりも広い。そうすれば、各ターンを構成する導体の幅やターン間を過度に大きくすることなく、段差吸収部材35を接続させ易い。この張出部341aの形状は、適宜選択でき、本例では台形状としている。外周端部342は、一次側導体片121aに連続しており、一次コイル部3の入力(出力)端部を構成する。
一次側板状コイル部34の製造は、代表的には、一枚の平板導体を所望の配線パターンに打抜加工することで行える。その際、平板導体の一部を所望の渦巻形状に打ち抜くことで一次側板状コイル部34を製造できる。加工条件は、ターン数や1ターンの幅などが所定の値となるように調整するとよい。1ターンの幅を狭くすればターン数を増大し易く、導体板の厚さにもよるが、1ターンの幅をある程度広くすると、高精度に打ち抜き易く、形状精度、寸法精度に優れる一次側板状コイル部34を得易い。1ターンの幅は、例えば、導体板の厚さの1.3倍以上、更に1.5倍以上であると精度よく打ち抜き易い。
一次側板状コイル部34の下面は、絶縁層16を介して下方側の連結部63(図4)及び放熱部材15(図4)の上に配置されている(共に後述する)。そのため、一次側板状コイル部34の熱を放熱部材15に放熱できる。
・段差吸収部材
段差吸収部材35は、上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34とを電気的に接続する(図2〜図4)。この段差吸収部材35は、図4に示すように、上面側パターンコイル部31の一端部の上面に接続される上端部351と、一次側板状コイル部34の一端部(ここでは内周端部341)の上面に接続される下端部352とを備える。この段差吸収部材35の上端部351と下端部352との間の中間部353は、一次側回路基板111の接続用開口部117(ここでは貫通孔)に挿通される。段差吸収部材35は、上端部351と下端部352とで一次側回路基板111の厚み分の段差が形成されるようにS字状にその途中が屈曲する板片で構成されている。この板片は、短尺の平角線で構成できる。この段差吸収部材35により、一次側回路基板111の厚みがあっても、上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34とを接続できて積層コイル部30を形成できる。また、上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34の上面同士を接続するため、接続し易い上に、接続の良否を目視で検査し易い。
段差吸収部材35の断面積(横断面積)は、上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34の少なくとも一方の断面積以上であることが好ましい。そうすれば、段差吸収部材35が高抵抗部になり難い。
段差吸収部材35の材質は、上面側パターンコイル部31や一次側板状コイル部34と同様、銅や銅合金などの導電材料が挙げられる。
段差吸収部材35の上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34に対する電気的接続は、接続金属材料、代表的には半田(図示略)を用いることができる。この半田による接続は、リフロー方式で行うことができる。即ち、段差吸収部材35を上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34に載置する前に、予め所定の位置にハンダペーストを例えば塗布しておく。そして、段差吸収部材35をハンダペーストに載せてから加熱することで段差吸収部材35を上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34に接続する。このように段差吸収部材35と上面側パターンコイル部31及び一次側板状コイル部34との接続を半田のリフロー方式で行えることで、その接続作業性に優れる。
(上面側パターン片部)
上面側パターン片部36は、一次コイル部3の出力(入力)端部に接続される(図2,図3)。本例では、上面側パターン片部36は、下面側パターンコイル部32の他端部と電気的に接続される。上面側パターン片部36は、上面側パターンコイル部31と同一平面上で、上面側パターンコイル部31と同様、一次側回路基板111の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される。即ち、上面側パターン片部36の材質は、銅などが挙げられる。上面側パターン片部36の一端側には、上面側パターン片部36と下面側パターンコイル部32の他端部(出力(入力)端部)とを電気的に接続するビアホール33が形成され、他端側には、貫通孔362が形成されている(図3)。貫通孔362は、一次側回路基板111の接続用開口部117(図2)により形成され、上面側パターン片部36と、一次側電力線路部121における他の一次側導体片121b(一次コイル部3の出力(入力)側)と電気的に接続する段差吸収部材37が挿通される。この段差吸収部材37は、上述の段差吸収部材35と同様である。
(二次コイル部)
二次コイル部4は、一次側板状コイル部34と同様、電力線路部12のうち二次側回路基板112の下面に配置される二次側電力線路部122の導体板の一部で構成される二次側板状コイル部41を備える(図3)。即ち、二次側板状コイル部41の材質は、二次側電力線路部122の材質と同じ銅や銅合金などが挙げられる。本例では、二次側電力線路部122における二次側導体片122a、122bの一部で二次コイル部4を構成している(図3)。
二次側板状コイル部41の形状は、一次側板状コイル部34と同様、本例では円環状としているが(図3)、矩形状としてもよい。二次側板状コイル部41は、一次コイル部3の上方で放熱シート5(後述)を介して一次コイル部3と同軸上に配置されている。二次側板状コイル部41の両端部42は、二次コイル部4の入力端部、出力端部を構成する。この両端部42は、二次側回路基板112に下方に配置される二次側導体片122a、122bに連続している。この両端部42と二次側導体片122a、122bとの連続箇所は、放熱シート5と二次側回路基板112と接着層14(後述)の合計厚み分の段差が形成されるように適宜屈曲させている。
二次側板状コイル部41のターン数は、適宜変更でき、本例では1ターンとしている。即ち、二次コイル部4のターン数は、一次コイル部3のターン数よりも少ないが、多くてもよい。二次側板状コイル部41のターンの幅は、一次側板状コイル部34の各ターンの幅よりも大きく、一次側板状コイル部34における最内周のターンの内周面と最外周のターンの外周面との間の長さと同等程度としている。二次側板状コイル部41の厚みは、本例では一次側板状コイル部34の厚みと同等としているが、異ならせてもよい。
二次側板状コイル部41の製造は、一次側板状コイル部34と同様、平板導体を打抜加工することで行える。本例では、上述したように二次側板状コイル部41のターンの幅が大きいため、高精度に打ち抜き易く、形状精度、寸法精度に優れる。
なお、二次側板状コイル部41は、二次側電力線路部122とは独立して形成することも可能である。その場合、二次側板状コイル部41の両端部42は、二次側電力線路部122の二次側導体片122a、122bの所定の位置に電気的に接合すればよい。この電気的接続は、半田の他、溶接を用いることができる。二次側板状コイル部41を二次側電力線路部122とは独立して形成する場合、上述のように、二次コイル部4から二次側導体片122a,122bに接続する箇所が段差形状であっても、精度よく成形できる。
[磁性コア]
磁性コア6は、本例では一次コイル部3と二次コイル部4とを磁気結合する部材である(図1、図2、図4)。この磁性コア6は、中脚部61と、一対の側脚部62と、一対の連結部63とを備える。中脚部61の外周には、一次コイル部3及び二次コイル部4が同軸状に積層配置される。一対の側脚部62は、中脚部61の軸方向に沿って配置され、中脚部61を挟むように対向配置される。一対の連結部63は、並列されるこれら三つの脚部61,62,62を挟むように対向配置される。これら各部材の形状は、適宜選択でき、本例では、中脚部61の形状は円柱状、両側脚部62の形状は角柱状、連結部63の形状は平面視リボン型の平板状としている。両側脚部62におけるコイル2側の面は、コイル2の外周面に沿って湾曲する湾曲面で構成されている。
磁性コア6の分割形態は、適宜選択でき、分割された複数のコア片を組み合わせて閉磁路を形成するEI型としている。本例では、上方のコア片は、一つの連結部63とその内面に立設される上記三つの脚部61,62,62とを備えるE型コアであり、下方のコア片は、一つの連結部63からなるI型コアである。一方のコア片をI型コアとすると、中脚部61が無く、放熱部材15における載置面が平坦な状態で、トランスのコイル2を構成する電力線路部12や回路基板11などを積層配置できるため、組立作業性に優れる。I型コアとE型コアとは、接着剤などで固定したり、板バネなどを用いて互いに押圧させることで接触状態を保持したりすることができる。その他の分割形態は、例えば、EE型などが挙げられる。
磁性コア6(コア片)の構成材料には、例えばフェライトコアなどの焼結体、軟磁性材料の粉末を圧縮成形してなる圧粉成形体、軟磁性材料の粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体、電磁鋼板などの軟磁性材料の板材を積層した積層体などが挙げられる。上記構成材料には公知の材料を利用できる。その他、磁性コア6は、必要に応じて磁気ギャップ(図示せず)を備えることができる。
磁性コア6は、その一部(ここでは、下方の連結部63)が後述の放熱部材15の収納凹部151(図4)に収納されている。それにより、磁性コア6の高さが高くなることなく磁性コア6の熱を効果的に放熱することができる。
[その他]
コイル構造体1Aは、更に、放熱シート5(図3,図4)を備えることができる。
(放熱シート)
放熱シート5は、二次コイル部4の熱を一次コイル部3を介して放熱部材15に伝達する。放熱シート5は、一次コイル部3と二次コイル部4との間に介在される。放熱シート5の形状は、一次コイル部3及び二次コイル部4と同様の形状、ここでは円環状としている。放熱シート5の幅は、上面側パターンコイル部31及び二次側板状コイル部41の幅よりも少し大きくしている。放熱シート5の構成材料には、放熱性に優れるもの、例えばフィラーを含む樹脂からなるものなどが利用できる。また、放熱シート5は、比較的低硬度で柔軟性に優れるものであると、一次コイル部3及び二次コイル部4に密着し易く好ましい。
〔コイル構造体の製造〕
コイル構造体1Aの製造は、コイル2と磁性コア6とを準備する準備工程と、コイル2と磁性コア6とを組み合わせて、コイル2に磁性コア6が配置されたコイル構造体1Aを作成する組立工程とを備えるコイル構造体の製造方法により行える。
[準備工程]
コイル2の準備は、一次コイル部3と二次コイル部4とをそれぞれ準備することで行う。一次コイル部3の準備は、上面側パターンコイル部31が形成された一次側回路基板111と、一次側板状コイル部34を有する一次側電力線路部121と、段差吸収部材35とを準備し、上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34とを段差吸収部材35で接続することで行える。一次側板状コイル部34は、一枚の平板導体を所望の配線パターンに打ち抜く打抜加工により一次側電力線路部121を作製する際に、平板導体の一部を所望の渦巻形状に打ち抜くことで作製する。段差吸収部材35の接続は、上述したように半田のリフロー方式により行える。二次コイル部4の準備は、二次側板状コイル部41を有する二次側電力線路部122を準備することで行う。二次側板状コイル部41の作製は、一次側板状コイル部34と同様である。
[組立工程]
組立工程は、コイル2と磁性コア6とを組み合わせる。まず、磁性コア6の下方の連結部63(I型コア)を所定の位置に配置する。ここでは、放熱部材15の収納凹部151に収納する。I型コアの上面に、一次コイル部3、二次コイル部4をその順に積層する。その際、一次コイル部3と二次コイル部4とを同軸上に配置すると共に、両コイル部3,4の軸がI型コアの上面に対して直交するように配置する。放熱シート5を両コイル部3,4の間に介在させる場合には、放熱シート5と両コイル部3,4とを同軸上に配置する。次に、磁性コア6のE型コアの中脚部61をコイルの内周に挿通させ、E型コアの両側脚部62をその端面がI型コアの上面に対向配置されるように、E型コアをコイルの上から配置する。
なお、上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34とを段差吸収部材35で接続する前に、一次側回路基板111、一次側電力線路部121、及び二次側板状コイル部41を磁性コア6と組み付けてもよい。その後、段差吸収部材35を所定の位置に配置して上面側パターンコイル部31と一次側板状コイル部34とを接続してもよい。
[用途]
コイル構造体1Aは、自動車用電気接続箱に備わる回路構成体の構成部材に好適に利用可能である。また、コイル構造体1Aは、直流電圧変換装置、AC/DC変換装置、DC/ACインバータなどの大電流パワー回路用基板の構成部材に好適に利用可能である。これらの構成部材は、例えば、チョークコイル、トランス、ノイズフィルタなどが挙げられる。
〔回路構成体〕
回路構成体10は、実施形態1の冒頭で説明したように、信号回路の他、パワー回路の一部、電流や電圧の検知回路などを構成する箔状の回路パターンが形成される上面を有する回路基板11と、回路基板11の下面に配置されて電力回路を構成する電力線路部12と、電子部品13とを備える(図1)。
[回路基板]
回路基板11は、本例では少なくとも一次側回路基板111と二次側回路基板112とを備える。一次側回路基板111及び二次側回路基板112は、主たる構成要素は共通しており、それぞれ絶縁基板115(図4)と、その上下面にそれぞれ形成される二層の回路パターン(図4では一次側のみ示す)と、各パターンを覆って保護する絶縁膜116(図4では一次側のみ示す)とを備える。
一次側回路基板111における回路パターンは、上述の上面側パターンコイル部31、下面側パターンコイル部32、及び上面側パターン片部36に加えて、その他の電子部品13(FET13fのゲート端子G)が接続される回路パターン(図示略)を有する(図2)。二次側回路基板112の回路パターンは、その他の電子部品13(FET13fのゲート端子G)が接続されるパターン(図示略)を有する。
一次側回路基板111には、磁性コア6の中脚部61を挿通させる挿通孔、段差吸収部材35を挿通させる接続用開口部117(ここでは貫通孔)、その他の電子部品13(ここではFET13f)の一部を電力線路部12に実装させるための配置用開口部118(ここでは貫通孔)などが形成されている。接続用開口部117は、周囲が囲まれた貫通孔で構成しているが、周囲の一部が開口する切欠で構成してもよい。二次側回路基板112には、図示は省略しているが、一次側回路基板111と同様の配置用開口部(貫通孔)が形成されている。
回路基板11の厚みは、例えば0.3mm以上3.0mm以下が挙げられる。回路パターンは、銅箔で形成されている。この回路基板11は、プリント基板(PCB)を用いることができる。
[電力線路部]
電力線路部12は、本例では少なくとも一次側電力線路部121と二次側電力線路部122と備える(図1)。即ち、本例の電力線路部12は、複数の導体板を備える。一次側電力線路部121及び二次側電力線路部122はそれぞれ、互いに間隔をあけて配置される複数の一次側導体片121a〜121c及び二次側導体片122a〜122cを有する(図1、図3)。一次側導体片121a〜121c及び二次側導体片122a〜122cは同一平面上に位置する。複数の一次側導体片121a〜121cのうち一つの一次側導体片121aは、一次側板状コイル部34を有し、複数の二次側導体片122a〜122cのうち、一連の二次側導体片122a、122bは、二次側板状コイル部41を有する。一次側電力線路部121と二次側電力線路部122は、銅や銅合金などの導体板からなり、その厚みは、上述した一次側板状コイル部34及び二次側板状コイル部41の厚みと同じ0.3mm以上3.0mm以下が挙げられる。
[電子部品]
電子部品13は、コイル構造体1Aの他に、例えば、半導体素子、コンデンサ(C)、変流器(CT)などが挙げられる。半導体素子は、例えば、リレーやFET(Field effect transistor)、トランジスタといったスイッチング素子が挙げられる。これらのコイル構造体1A以外の電子部品13として、図1では、回路基板11の上面のパターンと電力線路部12との両方に実装されるFET13fを例示している。図1に示すFET13fは、ゲート端子Gと、ソース端子Sと、ドレイン端子Dとを備える。このFET13fは、例えば、図1左下に示すように、ゲート端子Gが一次側回路基板111のパターン(図示略)に接続され、ソース端子Sとドレイン端子Dとが一次側電力線路部121において互いに独立する一次側導体片121a,121cに接続される。これらの接続は、段差吸収部材35の接続と同様、半田を用いることができる。半田による接続は、リフロー方式で行える。
[その他]
回路構成体10は、更に、接着層14、放熱部材15、及び絶縁層16の少なくとも一つを備えることができる(図4)。
(接着層)
接着層14は、回路基板11と電力線路部12とを接着する。この接着層14は、回路基板11と電力線路部12との間に介在される。即ち、接着層14は、一次側回路基板111(下面側パターンコイル部32を覆う絶縁膜116)の下面と一次側板状コイル部34との間にそれぞれ介在されて両部材同士を接着する(図4)。接着層14は、例えば、高耐熱性アクリル系粘着剤、エポキシ樹脂などの絶縁性接着剤が挙げられる。
(放熱部材)
放熱部材15は、電力線路部12の熱を放出する。この放熱部材15は、電力線路部12及び磁性コア6の下方に配置される。即ち、一次側板状コイル部34及び二次側板状コイル部41の熱を放熱する。放熱部材15の構成材料は、熱伝導性に優れる金属材料が挙げられる。その金属材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などが挙げられる。放熱部材15は、電力線路部12を載置する載置面と、磁性コア6の一部を収納する収納凹部151とを備える。
載置面は、本例では一次側電力線路部121と二次側電力線路部122とをそれぞれ載置する平坦な平面で構成されている。
収納凹部151は、ここでは下方側の連結部63を収納する。この収納凹部151は、上記載置面に開口し、載置面から下側に向かって設けられている。収納凹部151の形状は、磁性コア6における収納対象(下方側の連結部63)の形状に対応した形状、上記収納対象の形状に沿った形状とすることが挙げられ、ここではリボン型である。収納凹部151の内寸は、上記収納対象の大きさに応じて適宜調整するとよい。この内寸は上記収納対象の外寸よりも若干大きく、上記収納対象を挿入し易い。収納凹部151の形状を上記収納対象の形状に沿った形状とすれば、収納凹部151と上記収納対象との隙間を小さくし易い。それにより、コイル2の熱を磁性コア6を介して放熱部材15に伝え易いため、コイル2の熱を放出し易い。収納凹部151の深さは、本例では下方側の連結部63の高さ(図4では上下方向の長さ)と同等程度としている。そのため、下方側の連結部63の上面は、上記載置面に実質的に面一である。それにより、一次側板状コイル部34と、一次側導体片121a〜121cと、二次側導体片122a〜122cとを実質的にフラットにできる。収納凹部151は、切削加工、パンチなどを用いた塑性加工、鋳造など適宜な方法によって形成することができる。
(絶縁層)
絶縁層16は、電力線路部12と放熱部材15との間を絶縁する。絶縁層16は、電力線路部12と放熱部材15との間に介在されている。即ち、放熱部材15及び下方側の連結部63と一次側板状コイル部34との間に介在されて、それらの部材同士の間の電気的絶縁性を高める。絶縁層16の構成材料が一次側板状コイル部34のターン間に介在される場合には、ターン間の絶縁性を高めたり、一次側板状コイル部34の放熱性を高めたりすることができる。
絶縁層16の構成材料は、絶縁性樹脂やセラミックスなどが挙げられる。絶縁層16の構成材料は、特に、熱伝導性に優れる絶縁性樹脂であることが好ましい。具体的な樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。この樹脂には、放熱シート5と同様、無機フィラーが含有されていることが好ましい。そうすれば、絶縁層16を介して電力線路部12の熱を放熱部材15に伝達し易い。絶縁層16は、上記絶縁性樹脂の接着剤で構成されていてもよい。
〔作用効果〕
実施形態1に係るコイル構造体1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
積層コイル部30を回路基板11及び電力線路部12と個々に準備する必要がない。積層コイル部30の上面側パターンコイル部31が、回路基板11に備わる一次側回路基板111の回路パターンの一部で構成され、積層コイル部30の一次側板状コイル部34が、電力線路部12に備わる一次側電力線路部121の一部で構成されているからである。即ち、回路基板11と電力線路部12の作製と同時に各コイル部31,34を作製できる。
両コイル部31,34の接続強度を確保できる。両コイル部31,34の上面同士を段差吸収部材35により接続することで、絶縁基板115(一次側回路基板111)の厚みが厚くても、段差吸収部材35を用いずに半田で接続する場合に比較して、両コイル部31,34同士を無理なく接続できるからである。
両コイル部31,34の接続の良否を目視により検査し易い。段差吸収部材35で接続される上面側パターンコイル部31の一端部と一次側板状コイル部34の内周端部341とが、上面視したとき互いにずれて位置することで、接続箇所を露出させられるからである。
従って、積層コイル部30の作製から接続箇所の検査に亘る作業を簡略化できるため、回路構成体10の生産性を高められる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1A コイル構造体
2 コイル
3 一次コイル部
30 積層コイル部
31 上面側パターンコイル部
32 下面側パターンコイル部
33 ビアホール
34 一次側板状コイル部
341 内周端部
341a 張出部
342 外周端部
35 段差吸収部材
351 上端部
352 下端部
353 中間部
36 上面側パターン片部
362 貫通孔
37 段差吸収部材
4 二次コイル部
41 二次側板状コイル部
42 端部
5 放熱シート
6 磁性コア
61 中脚部
62 側脚部
63 連結部
10 回路構成体
11 回路基板
111 一次側回路基板
112 二次側回路基板
115 絶縁基板
116 絶縁膜
117 接続用開口部
118 配置用開口部
12 電力線路部
121 一次側電力線路部
121a,121b,121c 一次側導体片
122 二次側電力線路部
122a,122b,122c 二次側導体片
13 電子部品
13f FET
D ドレイン端子
S ソース端子
G ゲート端子
14 接着層
15 放熱部材
151 収納凹部
16 絶縁層

Claims (8)

  1. 回路基板の上面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される上面側パターンコイル部と、前記回路基板の下面に配置される導体板の一部を渦巻状に形成してなる板状コイル部とを有する積層コイル部を備え、
    前記積層コイル部は、前記上面側パターンコイル部の一端部の上面に接続される上端部、及び前記板状コイル部の一端部の上面に接続される下端部を有する段差吸収部材を有するコイル構造体。
  2. 前記段差吸収部材は、前記上端部と前記下端部との間で、前記回路基板の上下に開口する開口部に挿通される中間部を有する請求項1に記載のコイル構造体。
  3. 前記板状コイル部の前記一端部を上面視した面積は、前記段差吸収部材の前記下端部を上面視した面積よりも大きい請求項1又は請求項2に記載のコイル構造体。
  4. 前記板状コイル部の前記一端部は、その外周側に張り出す張出部を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  5. 前記積層コイル部は、
    前記回路基板の下面側に形成される箔状の回路パターンの一部で構成される下面側パターンコイル部と、
    前記上面側パターンコイル部の他端部と前記下面側パターンコイル部の一端部とを接続するビアホールとを有する請求項1から請求項4のいずれか1項にコイル構造体。
  6. 前記段差吸収部材の断面積は、前記上面側パターンコイル部、及び前記板状コイル部の少なくとも一方の断面積以上である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  7. 前記積層コイル部が配置される磁性コアを備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコイル構造体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコイル構造体と、
    前記回路基板と、
    前記導体板と、
    前記導体板に実装される電子部品とを備える回路構成体。
JP2017102100A 2017-05-23 2017-05-23 コイル構造体、及び回路構成体 Pending JP2018198253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017102100A JP2018198253A (ja) 2017-05-23 2017-05-23 コイル構造体、及び回路構成体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017102100A JP2018198253A (ja) 2017-05-23 2017-05-23 コイル構造体、及び回路構成体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018198253A true JP2018198253A (ja) 2018-12-13

Family

ID=64663365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017102100A Pending JP2018198253A (ja) 2017-05-23 2017-05-23 コイル構造体、及び回路構成体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018198253A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109698058A (zh) * 2019-01-11 2019-04-30 深圳顺络电子股份有限公司 一种平面变压器及其制作方法
EP3799085A1 (en) 2019-09-24 2021-03-31 TDK Corporation Coil structure

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109698058A (zh) * 2019-01-11 2019-04-30 深圳顺络电子股份有限公司 一种平面变压器及其制作方法
EP3799085A1 (en) 2019-09-24 2021-03-31 TDK Corporation Coil structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8686823B2 (en) Electronic unit
JP5328797B2 (ja) Dc/dcコンバータ用シートトランス
JP4802615B2 (ja) Lc複合部品
JP6525360B1 (ja) 電力変換装置
JP5939274B2 (ja) 電源装置
JP2018074127A (ja) コイル構造体
JP2018198253A (ja) コイル構造体、及び回路構成体
JP5998611B2 (ja) コイルユニット、基板ユニット、及び電源装置
JP2009212265A (ja) トランス
JP5013322B2 (ja) コイル部品及びコイル部品の製造方法
JPH11176660A (ja) コイルを含む電気回路装置
JP2018074128A (ja) コイル構造体
JP6823842B1 (ja) 磁気部品、及び回路構成体
JP6823843B1 (ja) 磁気部品、及び回路構成体
JP4021746B2 (ja) 電源装置用コイル部品の基板実装構造
JP2018198252A (ja) トランス、及び回路構成体
WO2021075085A1 (ja) 磁気部品、及び回路構成体
WO2021075086A1 (ja) 磁気部品、及び回路構成体
US20220301762A1 (en) Electronic device
JP2018190893A (ja) コイル部品
JP6914384B1 (ja) 変圧器、変圧器ユニットおよび変圧器の製造方法
KR20190014727A (ko) 듀얼 코어 평면 트랜스포머
JP2006032560A (ja) コイル部品
JP5544180B2 (ja) トランスモジュール及び電子装置
JP2022142696A (ja) 電子装置