JP2018197822A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)厚さ10μmにおけるL*a*b*表色系のb*値が5以下である
(2)厚さ10μmにおける波長550nmでの厚さ方向の位相差値Rthが200nm以下である
(3)JIS P8115に準拠して測定される、厚さ10μmにおけるMIT耐折性試験での耐折回数が1万回以上である
(4)ガラス転移温度が200℃以上である
(5)厚さが50μm以下である
[2] 前記接合スペーサは、前記一の基板と前記他の基板の両方に接合している、[1]に記載の液晶素子。
[3] 前記接合スペーサは、光硬化性化合物の硬化物である、[1]又は[2]に記載の液晶素子。
[4] 前記一の基板と前記他の基板は、下記(6)をさらに満たす、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の液晶素子。
(6)厚さ10μmにおける波長365±5nmの最大透過率が15%以上である
[5] 平面視したときの、前記接合スペーサの形状は、ライン状、クロス状、又は格子状である、[1]〜[4]のいずれかに記載の液晶素子。
[6] 平面視したときの、前記接合スペーサの形状は、格子状である、[5]に記載の液晶素子。
[7] 前記格子状の接合スペーサで区画される表示領域の長辺の長さAと、前記接合スペーサの幅Bとの比率は、A:B=3:1〜300:1である、[6]に記載の液晶素子。
[8] 隣り合う前記接合スペーサ同士の平均間隔は、50〜300μmである、[1]〜[7]のいずれかに記載の液晶素子。
[9] 前記一の基板と前記他の基板は、ポリイミドを含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の液晶素子。
[10] 前記ポリイミドは、下記一般式(1)で表される構造単位又は下記一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミドである、[9]に記載の液晶素子。
R1は、脂環式炭化水素構造を含む炭素原子数4〜15の2価の基、又は炭素原子数5〜12の2価の直鎖状脂肪族基を表し、
Y1は、芳香環を含む炭素原子数6〜27の4価の基を表す)
R2は、芳香環を含む炭素原子数6〜27の2価の基を表し、
Y2は、脂環式炭化水素構造を含む炭素原子数4〜12の4価の基を表す)
[11] 一の支持体上に塗布形成された下記(1)〜(6)を全て満たす一の基板と、他の支持体上に塗布形成された下記(1)〜(6)を全て満たす他の基板とを得る工程と、
(1)厚さ10μmにおけるL*a*b*表色系のb*値が5以下である
(2)厚さ10μmにおける波長550nmでのRthが150nm以下である
(3)JIS P8115に準拠して測定される、厚さ10μmにおけるMIT耐折性試験での耐折回数が1万回以上である
(4)ガラス転移温度が200℃以上である
(5)厚さが50μm以下である
(6)厚さ10μmにおける波長365±5nmの最大透過率が15%以上である
前記一の支持体上に塗布形成された前記一の基板と、前記他の支持体上に塗布形成された前記他の基板と、前記一の基板と他の基板との間に配置され、液晶材料と、光硬化性化合物と、光重合開始剤とを含む液晶組成物からなる層とを有する積層体を得る工程と、
前記積層体から前記他の支持体を剥がし取る工程と、
前記他の支持体が剥がし取られた前記積層体の少なくとも一方の面から光をパターン状に照射して、前記光硬化性化合物を硬化させて、前記一の基板と前記他の基板の少なくとも一方と接合する接合スペーサを形成する工程と、
前記接合スペーサが形成された前記積層体から前記一の支持体を剥がし取り、液晶素子を得る工程とを含む、液晶素子の製造方法。
本発明の液晶素子は、一の基板と、それと対向する他の基板と、それらの間に配置された複数の接合スペーサと、一の基板と、他の基板と、接合スペーサとで区画される空間に充填された液晶層とを有する。以下、一の基板と他の基板を、それぞれ単に「基板」ともいう。
(1)L*a*b*表色系のb*値について
基板の、厚さ10μmにおけるL*a*b*表色系のb*値は、5以下であり、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。b*値が当該範囲であると、基板が無色となり、可視光の透過性が良好となる。つまり、当該基板を有する液晶素子の光透過率を高くしやすい。
基板の、厚さ10μmにおける波長550nmでのRthは、200nm以下であり、好ましくは120nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。Rthの下限値は、例えば0nmとしうる。基板のRthが当該範囲内であると、意図しない複屈折を生じにくいことから、液晶素子の表示特性を高めうる。
Rth(nm)=[(nx+ny)/2−nz]×d
基板の、JIS P8115に準拠して測定される、厚さ10μmにおけるMIT耐折性試験での耐折回数は、1万回以上であり、好ましくは2万回以上であり、より好ましくは3万回以上であり、さらに好ましくは5万回以上である。MIT耐折性試験の耐折回数が1万回以上であると、当該基板を有する液晶素子の屈曲性を高めることができる。
基板のガラス転移温度は、200℃以上であり、好ましくは230〜370℃であり、より好ましくは260〜370℃であり、さらに好ましくは280〜370℃である。基板のガラス転移温度が200℃以上であると、例えば配向膜や透明電極を形成する際の、アニール処理の熱にも耐えることができ、当該基板に変形等を生じにくくすることができる。特に、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明電極は、アニール温度を上げると導電性が向上するため、基板のガラス転移温度は高いほうが好ましい。
基板の厚さは、50μm以下であり、好ましくは0.5〜30μmであり、より好ましくは1〜20μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。基板の厚さが当該範囲であると、液晶素子の厚さを薄くすることができ、フレキシブル性を高めることができる。
基板の、厚さ10μmにおける波長365±5nmの最大透過率は、15%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは65%以上である。基板の最大透過率が当該範囲であると、液晶素子の光透過率を高めうるだけでなく、2枚の基板を液晶組成物からなる層を介して積層した後、液晶組成物に含まれる光硬化性化合物を硬化させて接合スペーサを形成する際に、照射する光を十分に透過させうる。
接合スペーサは、一の基板と他の基板の間に配置され、且つそれらのうち少なくとも一方と接着又は接合したものである。このように、液晶素子が、少なくとも一方の基板と接着又は接合した接合スペーサを有することで、液晶素子を折り曲げた際の液晶材料の流動を少なくし、基板間のギャップ(セルギャップ)にムラが生じるのを抑制できる。接合スペーサは、一の基板と他の基板の両方に接着している接合スペーサと、一の基板と他の基板のうち一方のみに接着している接合スペーサとを組み合わせてもよい。中でも、液晶素子を折り曲げた時のセルギャップムラを高度に抑制しうる点では、接合スペーサは、一の基板と他の基板の両方に接着していることが好ましい。
1)複数の接合スペーサのうち、任意の1つの接合スペーサを選択する。そして、それと隣り合う接合スペーサのうち最も近い位置にある接合スペーサを特定し、当該接合スペーサとの最小距離を測定する。例えば図1Cにおいて、上段中央の接合スペーサを「任意に選択した接合スペーサ」とし、その右隣にある接合スペーサを「最も近い位置にあると特定した接合スペーサ」とした場合、それらの間の最小距離はDで示される距離となる。
2)上記1)の操作を、全ての接合スペーサについて繰り返し、それらの平均値を、接合スペーサの平均間隔として求める。
液晶層は、一の基板と、他の基板と、接合スペーサとで区画される空間に設けられた、液晶材料を含む層である。液晶層は、シール部材によって封止されている。液晶層は、2つの基板の少なくとも一方に設けられた、対をなす透明電極間に電圧を印加することで、電界を生じさせ、液晶材料の配向状態を変化させる。それにより、液晶層の透過率を変化させて、画像表示を行う。
本発明の液晶素子の製造方法は、任意の方法で製造されうる。液晶素子は、例えば一の基板と、他の基板と、それらの間に配置された液晶組成物からなる層とを積層した後、当該液晶組成物に含まれる硬化性化合物を硬化させて接合スペーサを形成する工程を経て得てもよいし;一の基板と他の基板の少なくとも一方に接合スペーサを形成した後、それらの基板を、液晶組成物からなる層を介して積層する工程を経て得てもよい。
一の支持体101(又は他の支持体201)に、基板用組成物を塗布した後、乾燥及び必要に応じて硬化させて、前述の(1)〜(5)を全て満たす一の基板103(又は他の基板203)を形成する(図3A〜B)。それにより、厚さが薄いにも係わらず、後述する配向膜や透明電極を形成する際の熱による変形が少ない基板を得ることができる。
まず、所定の構造を有するジアミンと、特定の構造を有するテトラカルボン酸二無水物とを、溶媒中で重合反応させてアミド酸含有ワニスを得る。
得られたポリアミド酸ワニスを、前述の一の支持体101(又は他の支持体201)上に塗布した後、加熱し、ワニスに含まれるポリアミド酸をイミド化させる。
一の支持体101上に塗布形成された一の基板103と、他の支持体201上に塗布形成された他の基板203と、それらの間に配置された液晶組成物からなる層301とを有する積層体400を得る(図3D〜E)。液晶組成物からなる層301は、枠状のシール部材303(後述するシールパターンの硬化物)によって封止されている。
積層体400から他の支持体201を剥がし取る(図3E)。具体的には、積層体400から他の支持体201を剥がし取ってもよいし、他の支持体201からそれ以外の積層体部分を剥がし取ってもよい。剥がし取る方法は、特に制限されないが、剥離後に得られる積層体を傷付けずに剥離しやすい点から、レーザー・リフト・オフ法を好ましく採用することができる。レーザー・リフト・オフ法では、パルスレーザーを照射することで、例えばポリイミドを含む基板と、ガラス板等の支持体との間の化学結合を切断し、剥離が可能となる。
他の支持体201を剥がし取って得られる積層体400の少なくとも一方の面から光をパターン状に照射して、液晶組成物に含まれる光硬化性化合物を硬化させて、接合スペーサ305を形成する(図3F〜G)。
得られた積層体400から一の支持体101を剥がし取り、液晶素子500を得る(図3G〜H)。積層体400から一の支持体101を剥がし取るとき、積層体の残部は大きく湾曲しやすい(折り曲がりやすい)。しかしながら、本発明では、接合スペーサ305が少なくとも一方の基板に接着又は接合しているため、湾曲した積層体の残部において、隣り合う接合スペーサ305同士の間の基板103及び203の変形が少なく、液晶材料の流動も抑制されうる。それにより、一の基板103と他の基板203との間隔が一定に保たれやすく、セルギャップムラを抑制できる。尚、図3Hにおいて、一の基板103と他の基板203とが対向していない端部は、不要部分であり、最終的には切り落とされる。
(基板の作製)
温度計、攪拌機、窒素導入管、滴下ロートを備えた300mLの5つ口セパラブルフラスコに、1,4−ジアミノシクロヘキサン(CHDA)5.71g(0.05モル)、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(14BAC)7.11g(0.05モル)、及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)229.7gを加えて撹拌した。
ここに、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(ODPA)30.9g(0.1モル)を装入し、反応容器を120℃に保持したオイルバス中に5分間浴し、速やかに再溶解していく様子を確認した。オイルバスを外してから、さらに18時間室温で攪拌し、ポリアミド酸を含むポリアミド酸ワニスを得た。
当該ポリアミド酸ワニスを、洗浄した、厚さ0.7mmのガラス板(支持体)の上に滴下し、スピンコートした。スピンコートの条件は、2500rpm、30秒間とした。その後、当該ポリアミド酸ワニスを塗布したガラス板をイナートオーブンにて、昇温速度2℃/分で270℃まで昇温させ、270℃で2時間焼成した。これにより、ガラス板上に、厚さ10μmのポリイミド基板を形成した。
(1)L*a*b*表色系におけるb*値
得られたポリイミド基板のL*a*b*表色系におけるb*値を、スガ試験機製Color Cute i型を用いて、透過モード、測光方式8°diにて白色標準板による校正を行った後、測定した。
得られたポリイミド基板の面内のX軸方向の屈折率nx、それと直交するY軸方向の屈折率ny、及びZ軸方向(厚さ方向)の屈折率nzを、大塚電子社製 光学材料検査装置(型式RETS−100)にて、室温(20〜25℃)、波長550nmの光で測定した。そして、屈折率nx、ny、nzとポリイミド基板の厚さ(d)から、以下の式に基づき、厚さ方向の位相差(Rth)を算出した。
Rth(nm)=[(nx+ny)/2−nz]×d
得られたポリイミド基板を、長さ約120mm×幅15mmの形状にカットし、試験片とした。この試験片を下記条件で折り曲げたときの、破断するまでの回数を測定した。
具体的には、MIT耐折度試験機(安田精機製作所製、307型)を用い、上記試験片の一端を固定した上で、他端を把持して試験片を往復折り曲げし、試験片が破断するまでの折り曲げ回数を測定した。測定条件は以下の通りとした。
(測定条件)
曲げ半径:R=0.38mm
荷重:0.5kgf
折り曲げ角度:270°(左右135°)
折り曲げ速度:175回/分
試験回数:n=3
尚、試験時には、試験片の一方側への折り曲げを1回と数えた。試験は3回行い、3回の試験結果の算術平均値について有効数値2ケタで四捨五入した値を耐折性の測定結果とした。また、耐折性の測定結果の上限値は、100万回とした。
得られたポリイミド基板を、幅4mm、長さ20mmに切り出して、試験片とした。この試験片のガラス転移温度を、島津製作所社製 熱分析装置(TMA−50)を用いて、
25〜350℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分、荷重14g/mm2、引張りモードの測定条件で、TMA測定し、得られた温度−試験片伸び曲線の変曲点から、ガラス転移温度(Tg)を求めた。
得られたポリイミド基板の波長365±5nmの光線透過率を、島津製作所社製 分光光度計(MultiSpec−1500)で測定した。そして、厚さ10μmにおける波長365±5nmにおける最大透過率を算出した。
[実施例1]
(ポリイミド基板の形成)
厚さ0.7mmのガラス板(支持板)を2枚準備した。これらのガラス板上に、前述の(基板の作製)と同様にして、厚さ10μmのポリイミド基板をそれぞれ形成した(前述の1)の工程)。
ポリイミド基板と配向膜が積層された2枚のガラス板のうち、一方のガラス板の配向膜上に、光硬化型シール剤3035B(スリーボンド社製)を枠状(枠状内の領域のサイズは2.5cm×2.5cm)に塗布した後、乾燥させた。次いで、枠状に形成されたシール剤の内側に、液晶材料としてTD1016L(JNC社製)、光硬化性化合物としてUCL−011(DIC社製、紫外線硬化型液晶性モノマー)、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DIC社製)を含む液晶組成物を滴下した後、液晶組成物からなる層を形成した。液晶組成物における紫外線硬化型液晶性モノマーの含有量は30質量%であった。
そして、ポリイミド基板と配向膜とが積層された一方のガラス板と、ポリイミド基板と配向膜とが積層された他方のガラス板とを、当該一方のガラス板の配向膜と他方のガラス板の配向膜とが液晶組成物からなる層を介して対向するように貼り合わせた後、紫外線を100mW、300秒間照射してシール剤を硬化させて、積層体(一方のガラス板/一方のポリイミド基板/配向膜/液晶組成物からなる層/配向膜/他方のポリイミド基板/他方のガラス板の積層構造を有する積層体)を得た(前述の2)の工程)。積層体における液晶組成物からなる層の厚さは、5μmであった。
その後、露出した他方のポリイミド基板の表面に、フォトマスクを介して紫外光を格子状に照射し、光硬化性化合物であるUCL−011(DIC社製)を光硬化させた。紫外光の照射は、照射強度1mW/cm2、照射時間3600秒とした。それにより、格子状で、且つ一方の基板上の配向膜と他方の基板の配向膜の両方に接着(接合)した接合スペーサを形成した(前述の4)の工程)。格子状の接合スペーサは、表示領域の長辺Aは100μm、短辺Cは100μm、接合スペーサの幅Bは10μm(表示領域の長辺A:接合スペーサの幅B=10:1)であった。
接合スペーサが形成された積層体から、一方のガラス板をレーザー・リフト・オフ法により剥がし取り、液晶素子1を得た(前述の5)の工程)。
(ポリイミド基板の形成)
実施例1と同様にして、ポリイミド基板と配向膜がこの順に積層された2枚のガラス板を準備した。
ポリイミド基板と配向膜とがこの順に積層された2枚のガラス板のうち、一方のガラス板上に形成された一方のポリイミド基板の配向膜上に、熱硬化性化合物としてPR200(大阪有機化学社製)からなるスペーサ用組成物を塗布し、フォトマスクを介して紫外線を60mW、1分間照射した後、アルカリ水溶液で現像した。その後、150℃で30分焼成して、格子状で、且つ一方のポリイミド基板と接合した接合スペーサを形成した。格子状の接合スペーサは、表示領域の長辺Aは100μm、短辺Cは100μm、接合スペーサの幅Bは10μm(表示領域の長辺A:接合スペーサの幅B=10:1)であった。
スペーサ用組成物を付与した配向膜の周縁部に、光硬化型シール剤3035B(スリーボンド社製)を枠状に塗布した後、乾燥させた。そして、枠状に形成されたシール剤(枠状内の領域のサイズは2.5cm×2.5cm)の内側に、液晶材料としてTD1016L(JNC社製)を含む液晶組成物を滴下した後、液晶組成物からなる層を形成した。
そして、ポリイミド基板と配向膜と液晶組成物からなる層とが積層された一方のガラス板と、ポリイミド基板と配向膜とが積層された他方のガラス板とを、当該一方のガラス板の配向膜と他方のガラス板の配向膜とが液晶組成物からなる層を介して対向するように貼り合わせた後、紫外線を100mW、300秒間照射してシール剤を硬化させて、積層体を得た。積層体における液晶層の厚さは、5μmであった。
得られた積層体から、一方のガラス板と他方のガラス板を、それぞれレーザー・リフト・オフ法により剥がし取り、液晶素子2を得た。
(ポリイミド基板の形成)
実施例1と同様にして、ポリイミド基板と配向膜がこの順に積層された2枚のガラス板を準備した。
ポリイミド基板と配向膜とがこの順に積層された2枚のガラス板のうち、一方のガラス板の配向膜上に、球状微粒子(積水化学工業社製ミクロパール、直径5μm)を、エアガンで直接、吹き付けてスペーサを形成した。吹き付け量は、0.3〜0.4mgとした。
スペーサを形成した配向膜の周縁部に、光硬化型シール剤3035B(スリーボンド社製)を枠状に塗布した後、乾燥させた。そして、枠状に形成されたシール剤(枠状内の領域のサイズは2.5cm×2.5cm)の内側に、液晶材料としてTD1016L(JNC社製)を含む液晶組成物を滴下した後、液晶組成物からなる層を形成した。
次いで、ポリイミド基板と配向膜と液晶組成物からなる層とが積層された一方のガラス板と、ポリイミド基板と配向膜とが積層された他方のガラス板とを、当該一方のガラス板の配向膜と他方のガラス板の配向膜とが液晶組成物からなる層を介して対向するように貼り合わせた後、紫外線を100mW、300秒間照射してシール剤を硬化させて、積層体を得た。積層体における液晶層の厚さは、5μmであった。
得られた積層体から、一方のガラス板と他方のガラス板を、それぞれレーザー・リフト・オフ法により剥がし取り、液晶素子3を得た。
得られた液晶素子を、フラットな状態から曲率半径Rが20mmとなる湾曲状態まで湾曲させる過程での表示ムラ、及び湾曲状態で固定したときの表示ムラ(明るさのムラ)を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:湾曲の過程(湾曲させていないフラットな状態から、液晶デバイスに力を加え、規定の湾曲半径Rになるまで押し続けている状態)でも、液晶の配向に乱れが生じず、明るさが変化せず、表示ムラは発生しなかった。
○:湾曲の過程で、液晶の配向に乱れが生じて明るさが変化し、表示ムラが発生した。その後、規定の湾曲半径Rの状態で固定すると、数秒間で液晶の乱れが落ち着き、表示ムラは確認されなかった。
×:湾曲の過程で、液晶の配向に乱れが生じて明るさが変化し、表示ムラが発生した。その後、規定の湾曲半径Rの状態で固定しても、液晶の配向に乱れが生じて明るさが変化し、表示ムラが発生した状態から変化しなかった。
実施例1の(接合スペーサの形成)において、格子状の接合スペーサの表示領域の長辺A、短辺C、接合スペーサの幅Bを、それぞれ表3に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして液晶素子4〜7を得た。
接合スペーサの形状を柱状(ドット状)に変更し、且つ表示領域の長辺A、短辺C、接合スペーサの幅Bを、それぞれ表4に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして液晶素子8〜11を得た。
得られた液晶素子を、吸収軸が直交するように配置した二枚の偏光板の間に配置した。そして、液晶素子に1kHzの交流電圧(矩形波)を印加し、透過光強度の変化を測定した。二枚の偏光板に挟まれた液晶素子は、印加電圧が0Vの時、透過率が最大となり、印加電圧の増加に伴い、透過率が減少する。透過率が最小となる電圧を駆動電圧と定義した。
○:駆動電圧が10V以下
△:駆動電圧が10V超20V以下
×:駆動電圧が20V以上
一方で、駆動電圧については、A:Bの比率を6:1と50:1の間、例えば8:1〜20:1とすることで、駆動電圧の上昇を特に抑制できることがわかる。これは、以下の理由によると考えられる。即ち、Aの比率が一定以上であると、接合スペーサによる束縛が大きすぎないので、電圧切り替え時に液晶分子が動きやすく、駆動電圧の上昇が高度に抑制されやすい。また、Aの比率が一定以下であると、表示領域中に残存する未硬化の光硬化性化合物の量が多すぎないので、表示領域に紫外線が当たった際に、光硬化性化合物の硬化に伴う高分子ネットワークの形成を高度に抑制でき、駆動電圧の上昇が高度に抑制されやすい。
103 一の基板
105 配向膜
201 他の支持体
203 他の基板
205 配向膜
301 液晶組成物からなる層
303 シール部材
305 接合スペーサ
400 積層体
500 液晶素子
Claims (11)
- 一の基板と、それと対向する他の基板と、前記一の基板と前記他の基板との間に配置され、且つ一の基板と他の基板の少なくとも一方と接合した接合スペーサと、前記一の基板と、前記他の基板と、前記接合スペーサとで区画される空間に充填された液晶層とを有し、
前記一の基板と前記他の基板は、下記(1)〜(5)を全て満たす、液晶素子。
(1)厚さ10μmにおけるL*a*b*表色系のb*値が5以下である
(2)厚さ10μmにおける波長550nmでの厚さ方向の位相差値Rthが200nm以下である
(3)JIS P8115に準拠して測定される、厚さ10μmにおけるMIT耐折性試験での耐折回数が1万回以上である
(4)ガラス転移温度が200℃以上である
(5)厚さが50μm以下である - 前記接合スペーサは、前記一の基板と前記他の基板の両方に接合している、請求項1に記載の液晶素子。
- 前記接合スペーサは、光硬化性化合物の硬化物である、請求項1又は2に記載の液晶素子。
- 前記一の基板と前記他の基板は、下記(6)をさらに満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶素子。
(6)厚さ10μmにおける波長365±5nmの最大透過率が15%以上である - 平面視したときの前記接合スペーサの形状は、ライン状、クロス状、又は格子状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶素子。
- 平面視したときの前記接合スペーサの形状は、格子状である、請求項5に記載の液晶素子。
- 前記格子状の接合スペーサで区画される表示領域の長辺の長さAと、前記接合スペーサの幅Bとの比率は、A:B=3:1〜300:1である、請求項6に記載の液晶素子。
- 隣り合う前記接合スペーサ同士の平均間隔は、50〜300μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶素子。
- 前記一の基板と前記他の基板は、ポリイミドを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶素子。
- 一の支持体上に塗布形成された下記(1)〜(6)を全て満たす一の基板と、他の支持体上に塗布形成された下記(1)〜(6)を全て満たす他の基板とを得る工程と、
(1)厚さ10μmにおけるL*a*b*表色系のb*値が5以下である
(2)厚さ10μmにおける波長550nmでのRthが150nm以下である
(3)JIS P8115に準拠して測定される、厚さ10μmにおけるMIT耐折性試験での耐折回数が1万回以上である
(4)ガラス転移温度が200℃以上である
(5)厚さが50μm以下である
(6)厚さ10μmにおける波長365±5nmの最大透過率が15%以上である
前記一の支持体上に塗布形成された前記一の基板と、前記他の支持体上に塗布形成された前記他の基板と、前記一の基板と他の基板との間に配置され、液晶材料と、光硬化性化合物と、光重合開始剤とを含む液晶組成物からなる層とを有する積層体を得る工程と、
前記積層体から前記他の支持体を剥がし取る工程と、
前記他の支持体が剥がし取られた前記積層体の少なくとも一方の面から光をパターン状に照射して、前記光硬化性化合物を硬化させて、前記一の基板と前記他の基板の少なくとも一方と接合する接合スペーサを形成する工程と、
前記接合スペーサが形成された前記積層体から前記一の支持体を剥がし取り、液晶素子を得る工程と
を含む、液晶素子の製造方法。
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