JP2018197772A - 像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、像ブレ補正装置の制御方法、プログラム、および、記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】より正確なオフセット成分を素早く算出して高精度な像ブレ補正を行うことが可能な像ブレ補正装置を提供する。【解決手段】像ブレ補正装置は、ブレ検出手段(107)に関する第一のオフセット(OFST1)を記憶する記憶手段(108)と、ブレ検出手段からの信号(W1)と第一のオフセットとに基づいてブレ検出手段に関する第二のオフセット(OFST2)を算出する算出手段(106b)と、像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて第一のオフセットまたは第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、ブレ検出手段からの信号を補正し、補正後の信号に基づいて像ブレ補正を行う補正手段(106c)とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、光学機器に用いられる像ブレ補正装置に関する。
従来から、カメラなどの光学機器に搭載された像ブレ補正装置において、振動検出には角速度を検出するジャイロセンサが一般的に使用されている。ジャイロセンサは、温度変化や経年変化などにより生じるオフセット成分(DCオフセット成分)を有する。オフセット成分は、像ブレ補正への影響が大きいため、検出信号から除去する必要がある。オフセット成分の除去方法として、例えば、工場出荷時に測定したオフセット成分をメモリに記憶しておき、像ブレ補正時にジャイロセンサ信号からオフセット成分を差し引く方法がある。しかし、このような方法では、ジャイロセンサの温度変化や経年変化に対応できない。
特許文献1には、静止状態を検出したタイミングでジャイロセンサのオフセット補償演算を行い、補償値をメモリに保存する方法が開示されている。特許文献2には、静止状態を検出して温度とセンサ出力を保存し、その値から温度補正式を算出してオフセットキャリブレーションを行う方法が開示されている。
特許文献1および特許文献2の方法を用いて正確なオフセット(オフセット成分)を求めるには、ある程度の時間だけ静止状態を維持しながら演算を行う必要がある。しかし、一般的に、撮影者はカメラを持ち運び、撮影直前にカメラの電源を入れて撮影を行うケースが多い。すなわち、カメラの電源がオンされてから実際に写真を撮るまでに静止状態になるケースは比較的稀であり、現実的にはほとんどの場合において静止状態でオフセットを算出することは困難である。
一方、前述のように、オフセット成分を除去または低減することは、像ブレ補正の性能を向上させるために重要な処理である。このため、静止状態でない場合でも、より正確なオフセット値を素早く算出することが必要である。
そこで本発明は、より正確なオフセット成分を素早く算出して高精度な像ブレ補正を行うことが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、像ブレ補正装置の制御方法、プログラム、および、記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての像ブレ補正装置は、ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段と、前記ブレ検出手段からの信号と前記第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出する算出手段と、像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの信号を補正し、補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行う補正手段とを有する。
本発明の他の側面としてのレンズ装置は、補正レンズを含む撮像光学系と、前記像ブレ補正装置とを有する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記レンズ装置と、撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子とを有する。
本発明の他の側面としての像ブレ補正装置の制御方法は、ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段から該第一のオフセットを取得するステップと、前記ブレ検出手段からの信号と前記第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出するステップと、像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの信号を補正するステップと、補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行うステップとを有する。
本発明の他の側面としての像ブレ補正装置のプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させる。
本発明の他の側面としての記憶媒体は、前記制御プログラムを記憶している。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、より正確なオフセット成分を素早く算出して高精度な像ブレ補正を行うことが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、像ブレ補正装置の制御方法、制御プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における像ブレ補正装置を有するカメラシステムの構成を説明する。図1は、本実施例におけるカメラシステム10(撮像装置)のブロック図である。カメラシステム10は、カメラ本体100(撮像装置本体)と、カメラ本体100に着脱可能な交換レンズ101(レンズ装置)とを備えて構成される。なおカメラシステムは、撮像装置本体とレンズ装置とが一体的に構成されていてもよい。
カメラ本体100は、カメラMPU102、操作部103、バッテリ104、および、撮像素子124を有する。カメラMPU102は、カメラ本体100の制御全般を行う制御装置であり、カメラ本体100に具備された各種操作スイッチである操作部103からの入力信号に応じて、測光や露光などの種々の処理を行う。またカメラMPU102は、バッテリ104を制御し、カメラ本体100のカメラ側インターフェース回路105を介して、交換レンズ101に電源の供給や、操作部103からの入力情報などの各種情報の送受信を行う。撮像素子124は、CMOSセンサやCCDセンサを備え、交換レンズ101(撮像光学系)を介して形成された光学像を光電変換する。なおカメラ本体100は、シャッタ制御部や測距センサなどの種々の制御装置を備えているが、本実施例とは直接関係しないため、それらの制御装置の図示および説明は割愛する。
交換レンズ101は、各種制御を行うレンズMPU106、および、角速度を検出するジャイロセンサ107(角速度センサ、ブレ検出手段)を有する。また交換レンズ101は、各種情報や測定したジャイロセンサ107のオフセット成分(第一のオフセットOFST1)を記憶する不揮発性のメモリ108(記憶手段)を有する。レンズMPU106は、取得手段106a、算出手段106b、および、補正手段106cを有する。取得手段106cは、メモリ108から第一のオフセットOFST1を取得する。算出手段106bは、ジャイロセンサ107からの信号(ブレ検出信号W1)と第一のオフセットOFST1とに基づいて、ジャイロセンサ107に関する第二のオフセットOFST2を算出する。補正手段106cは、カメラ本体100(または交換レンズ101、すなわちレンズMPU106)の電源オンからの経過時間に応じて第一のオフセットOFST1または第二のオフセットOFST2の少なくとも一方を用いて、ジャイロセンサ107からの信号(ブレ検出信号W1)を補正する。そして補正手段106cは、補正後の信号(ブレ信号)に基づいて像ブレ補正を行う。本実施形態において、レンズMPU106およびメモリ108により像ブレ補正装置が構成される。
また交換レンズ101は、サーミスタなどの温度センサ109、および、カメラ本体100との情報のやり取りや電源供給を受けるためのレンズ側インターフェース回路110を有する。また交換レンズ101は、撮像光学系の一部として設けられた、フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、像ブレ補正用レンズ113(補正レンズ、光軸偏心手段)、および、絞り114を有する。
フォーカスレンズ111は、レンズMPU106からの制御信号に基づいて、フォーカス制御回路115およびフォーカスレンズ駆動用モータ116を介して駆動される。フォーカス制御回路115は、フォーカスレンズ駆動回路に加えて、フォーカスレンズ111の移動に応じたゾーンパターン信号やパルス信号を出力するフォーカスエンコーダなども含む。ズームレンズ112は、撮影者が不図示のズーム操作環を操作することにより移動する。ズームエンコーダ117は、ズームレンズの移動に応じたゾーンパターン信号を出力する。像ブレ補正用レンズ113は、像ブレ補正制御回路118およびリニアモータ119を介して、光軸OAと直交する方向(光軸直交方向)に駆動される。本実施例の像ブレ補正は、以下のようにして行われる。
まず、回転ブレを検出するジャイロセンサ107のブレ信号(角速度信号)がADC120(A/Dコンバータ)によりデジタル信号に変換され、ブレ検出信号としてレンズMPU106に入力される。レンズMPU106は各種の信号処理を行って補正レンズ駆動目標信号を算出し、補正レンズ駆動目標信号と補正レンズエンコーダ121から出力される補正レンズ位置信号との差に応じた駆動信号を像ブレ補正制御回路118に出力する。像ブレ補正は、このように補正レンズエンコーダ121から出力される補正レンズ位置信号を像ブレ補正制御回路118にフィードバックすることにより行われる。
本実施例において、像ブレ補正制御は、カメラ本体100を中心として、上下方向の傾きを検出するためのピッチ軸と左右方向の傾きを検出するためのヨー軸との2軸のそれぞれに関して行われる。絞り114は、レンズMPU106からの制御信号に基づいて、絞り制御回路122およびステッピングモータ123を介して駆動される。
次に、図2を参照して、本実施例における像ブレ補正装置の動作(像ブレ補正処理)を説明する。図2は、本実施例における像ブレ補正処理のフローチャートである。図2の各ステップは、主に、レンズMPU106により実行される。
交換レンズ101に電源が供給されると、交換レンズ101内のレンズMPU106は、像ブレ補正用レンズ113を制御するため、図2の像ブレ補正処理を開始する。この処理は一定時間間隔の割り込み処理により実行される。像ブレ補正のための割り込み処理が開始すると、まずステップS201において、レンズMPU106は、メモリ108からジャイロセンサ107に関する第一のオフセットOFST1を読み出す(取得する)。続いてステップS202において、レンズMPU106は、ジャイロセンサ107からの出力信号に相当するブレ検出信号W1(ADC120から出力されるデジタル信号)を読み出す。続いてステップS203において、レンズMPU106は、電源供給を開始してから所定の時間T1が経過したか否かを判定する。ここで所定の時間T1が経過していない場合、ステップS204に進む。一方、所定の時間T1が経過している場合、ステップS206に進む。
ステップS204において、レンズMPU106は、ブレ検出信号W1から第一のオフセットOFST1を減算して、オフセットを除去または低減したブレ信号(角速度信号)を算出する。続いてステップS205において、レンズMPU106は、ステップS204にて算出したブレ信号を積算して積算値(Σ(W1−OFST1))を算出する。
ステップS206において、レンズMPU106は、ステップS205にて算出された積算値が所定の値AGLよりも大きいか否かを判定する。積算値が所定の値AGLよりも大きくない場合、ステップS207に進む。このとき、第一のオフセットOFST1が実際のオフセットに近い(第一のオフセットOFST1と実際のオフセットとの差異が小さい)と判定することができる。このためステップS207において、レンズMPU106は、ブレ検出信号W1から第一のオフセットOFST1を減算して、オフセットを除去または低減したブレ信号を算出する。
一方、ステップS206にて積算値が所定の値AGLよりも大きい場合、ステップS208に進む。このとき、第一のオフセットOFST1と実際のオフセットとの差異が大きいと判定することができる。このためステップS208において、レンズMPU106は、積算値を所定の時間T1で除算し、第二のオフセットOFST2を算出する。
ここで、図3を参照して、第二のオフセットの算出について説明する。図3は、第二のオフセットの説明図である。図3(a)は図2のステップS205にて算出された積算値の変化を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は積算値(角度)をそれぞれ示している。図3(b)は撮影者の手振れ成分の変化を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は手振れ成分(角度)をそれぞれ示している。図3(c)はオフセット成分の積算値の変化を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸はオフセット成分の積算値(角度)をそれぞれ示している。
ジャイロ信号(ジャイロセンサ107の出力信号)は、基本的に手振れ成分とオフセット成分とに分けられる。手振れ成分は、撮影者の純粋な手振れの大きさであり、図3(b)に示されるように、手振れが無い状態をゼロ点とし、プラスマイナス方向に様々な周波数で発生する。一方、オフセット成分は、ジャイロセンサ107のDC成分(DC出力信号)である。このため、オフセット誤差が大きい場合、所定の時間T1経過後の積算値も大きくなる。
そこで本実施例において、レンズMPU106は、所定の時間T1経過後の積算値が所定の値AGLよりも大きいか否かを判定し、その判定結果に応じてオフセットを更新する。そして、オフセット成分を積算していくと、図3(c)の斜線で示されるように、所定の傾きを持った積算値となる。ジャイロセンサ107は角速度センサであるため、ジャイロセンサ107自体のオフセット成分は角速度データ(角速度信号)である。このため、オフセット成分とサンプリング時間とを乗算した積算値を積算時間で除算すると、ジャイロセンサ107のオフセット成分を角速度として求めることができる。すなわち、図3(c)の斜線で示される積算値の傾きがオフセット成分となる。しかしながら、前述のように、ジャイロ信号はオフセット成分の他に撮影者の手振れ成分も併せ持つ。このため撮影者がカメラ本体100(カメラシステム10)を手で持っている場合、ジャイロ信号とサンプリング時間との乗算の積算値は直線の傾きを持った積算値とはならないが、ある程度時間をかければ精度のよいオフセット成分を算出することができる。
続いて、図2のステップS209において、レンズMPU106は、ブレ検出信号W1から第一のオフセットOFST1と第二のオフセットOFST2とを差し引いて、オフセットを更新(オフセットを除去または低減)したブレ信号を算出する。
続いてステップS210において、レンズMPU106は、オフセット成分を除去または低減したジャイロ信号を入力信号として、積分演算を行う。この積分演算は、例えばローパスフィルタを用いて行うことができる。オフセット誤差が小さい場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低く設定することができ、低周波ブレの検出性能が向上し、像ブレ補正精度が向上する。積分処理により角速度信号が角度信号に変換される。
続いてステップS211において、レンズMPU106は、ズーム位置やフォーカス位置に応じた防振敏感度を読み出し、像ブレ補正用レンズ113の補正目標信号(像ブレ補正目標信号)を算出する。続いてステップS212において、レンズMPU106は、補正レンズエンコーダ121の出力信号(レンズ変位信号に相当するA/D変換後のデジタル信号)を読み出す。
続いてステップS213において、レンズMPU106は、ステップS211にて算出した補正目標信号と、補正レンズエンコーダ121の出力信号(A/D変換後のデジタル信号)とに基づいて、フィードバック演算を行う。続いてステップS214において、レンズMPU106は、安定な制御系にするための位相補償演算を行う。続いてステップS215において、ステップS214の位相補償演算の結果(駆動信号)をPWMとしてレンズMPU106のポートに出力し、本フローを終了する。このPWM出力(駆動信号出力)は、像ブレ補正制御回路118内のドライバ回路に入力され、リニアモータ119により像ブレ補正用レンズ113が駆動され、像ブレ補正が行われる。
このように本実施例において、好ましくは、補正手段106cは、電源オンからの経過時間が所定の時間T1よりも短い場合、第一のオフセットOFST1を用いてジャイロセンサ107からの信号(ブレ検出信号)を補正する(S203、S204)。一方、補正手段106cは、電源オンからの経過時間が所定の時間T1よりも長い場合、第一のオフセットOFST1と第二のオフセットOFST2とを用いてジャイロセンサ107からの信号を補正する(S203、S209)。より好ましくは、算出手段106bは、ジャイロセンサ107の信号から第一のオフセットOFST1を減算して得られた信号の積算値Σ(W1−OFST1)と、所定の時間T1とに基づいて第二のオフセットOFST2を算出する(S208)。より好ましくは、算出手段106cは、積算値を所定の時間T1で除算することにより第二のオフセットOFST2を算出する(S208)。また好ましくは、補正手段106cは、積算値が所定の値AGLよりも小さい場合、ジャイロセンサ107の信号から第一のオフセットOFST1を減算して得られた第一の信号(ブレ信号(W1−OFST1))に基づいて像ブレ補正を行う。一方、積算値が所定の値AGLよりも大きい場合、ジャイロセンサ107の信号から第一のオフセットOFST1と第二のオフセットOFST2とを減算して得られた第二の信号(ブレ信号(W1−OFST1−OFST2))に基づいて像ブレ補正を行う。
このように本実施例において、電源供給から所定の時間経過後のブレ信号の積算値が所定の値よりも大きい場合、レンズMPUは、積算値に基づいて第二のオフセットを算出し、ブレ検出信号のオフセット成分を更新する。これにより、精度の高いオフセットをブレ検出信号から素早く除去または低減することでき、像ブレ補正性能を向上させることが可能となる。
次に、図4を参照して、本発明の実施例2における像ブレ補正装置の動作(像ブレ補正処理)を説明する。図4は、本実施例における像ブレ補正処理のフローチャートである。本実施例の像ブレ補正処理は、図4のステップS403が挿入されている点で、図2を参照して説明した実施例1とは異なる。図4のステップS401、S402、S404〜S416は、図2のステップS201〜S215とそれぞれ同様であるため、それらの説明を省略する。
ステップS403において、レンズMPU106は、交換レンズ101の焦点距離に関する情報、および、カメラ本体100にて設定されるシャッタ速度に関する情報に応じて、所定の時間T1および所定の値AGLを変更する。具体的には、交換レンズ101の焦点距離がfの場合においてシャッタ速度が1/f以上であれば、手振れによる像ブレの影響は小さいと考えられる。一方、シャッタ速度が1/fよりも低速である場合(例えば、4段や5段も低速である場合)、オフセット誤差の影響が大きくなる。
そこで本実施例では、シャッタ速度が1/fよりも低速(例えば、数段分低速)に設定されている場合、オフセット算出精度を向上させるため、所定の時間T1を長く、かつ所定の値AGLを小さく設定する。これにより、オフセット誤差を低減することができる。すなわち、オフセット算出制度を向上させるため、シャッタ速度が低速になるにしたがって、所定の時間T1を長く、かつ所定の値AGLを小さく設定する。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、レンズMPU106(補正手段106c)は、焦点距離fおよびシャッタ速度の少なくとも一方に応じて、所定の時間T1および所定の値AGLの少なくとも一方を変更すればよい。好ましくは、補正手段106cは、焦点距離をfとしてシャッタ速度が1/fよりも高速である場合、所定の時間T1を第一の時間に設定し、かつ所定の値AGLを第一の値に設定する。一方、シャッタ速度が1/fよりも低速である場合、所定の時間T1を第一の時間よりも長い第二の時間に設定し、かつ所定の値AGLを第一の値よりも小さい第二の値に設定する。
このように本実施例において、レンズMPUは、焦点距離およびシャッタ速度に応じて、オフセット誤差判定の基準となる所定の時間T1および所定の値AGLの少なくとも一方を変更する。これにより、精度が要求される撮影条件において、より高精度にオフセットをブレ検出信号から除去または低減することができ、像ブレ補正性能を向上させることが可能となる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施例によれば、より正確なオフセット値を素早く算出して高精度な像ブレ補正を行うことが可能な像ブレ補正装置、レンズ装置、撮像装置、像ブレ補正装置の制御方法、プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
106b 算出手段
106c 補正手段
108 メモリ(記憶手段)
106c 補正手段
108 メモリ(記憶手段)
Claims (14)
- ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段と、
前記ブレ検出手段からの信号と前記第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出する算出手段と、
像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの前記信号を補正し、補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行う補正手段と、を有することを特徴とする像ブレ補正装置。 - 前記補正手段は、
前記電源オンからの前記経過時間が所定の時間よりも短い場合、前記第一のオフセットを用いて前記ブレ検出手段からの前記信号を補正し、
前記電源オンからの前記経過時間が前記所定の時間よりも長い場合、前記第一のオフセットと前記第二のオフセットとを用いて前記ブレ検出手段からの前記信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の像ブレ補正装置。 - 前記算出手段は、前記ブレ検出手段の前記信号から前記第一のオフセットを減算して得られた信号の積算値と、前記所定の時間とに基づいて前記第二のオフセットを算出することを特徴とする請求項2に記載の像ブレ補正装置。
- 前記算出手段は、前記積算値を前記所定の時間で除算することにより前記第二のオフセットを算出することを特徴とする請求項3に記載の像ブレ補正装置。
- 前記補正手段は、
前記積算値が所定の値よりも小さい場合、前記ブレ検出手段の前記信号から前記第一のオフセットを減算して得られた第一の信号に基づいて前記像ブレ補正を行い、
前記積算値が前記所定の値よりも大きい場合、前記ブレ検出手段の前記信号から前記第一のオフセットと前記第二のオフセットとを減算して得られた第二の信号に基づいて前記像ブレ補正を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の像ブレ補正装置。 - 前記補正手段は、撮像光学系の焦点距離に応じて前記所定の時間または前記所定の値の少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
- 前記補正手段は、シャッタ速度に応じて前記所定の時間または前記所定の値の少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の像ブレ補正装置。
- 前記補正手段は、
撮像光学系の焦点距離をfとして前記シャッタ速度が1/fよりも高速である場合、前記所定の時間を第一の時間に設定し、かつ前記所定の値を第一の値に設定し、
前記シャッタ速度が1/fよりも低速である場合、前記所定の時間を前記第一の時間よりも長い第二の時間に設定し、かつ前記所定の値を前記第一の値よりも小さい第二の値に設定することを特徴とする請求項7に記載の像ブレ補正装置。 - 補正レンズを含む撮像光学系と、
ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段と、
前記ブレ検出手段からの信号と前記第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出する算出手段と、
レンズ装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの信号を補正し、補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行う補正手段と、を有することを特徴とするレンズ装置。 - 前記補正手段は、補正後の前記信号に基づいて、前記補正レンズを光軸と直交する方向に駆動することを特徴とする請求項9に記載のレンズ装置。
- 請求項9または10に記載のレンズ装置と、
前記撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。 - ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段から該第一のオフセットを取得するステップと、
前記ブレ検出手段からの信号と第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出するステップと、
像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの信号を補正するステップと、
補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行うステップと、を有することを特徴とする像ブレ補正装置の制御方法。 - ブレ検出手段に関する第一のオフセットを記憶する記憶手段から該第一のオフセットを取得するステップと、
前記ブレ検出手段からの信号と前記第一のオフセットとに基づいて前記ブレ検出手段に関する第二のオフセットを算出するステップと、
像ブレ補正装置の電源オンからの経過時間に応じて前記第一のオフセットまたは前記第二のオフセットの少なくとも一方を用いて、前記ブレ検出手段からの信号を補正するステップと、
補正後の前記信号に基づいて像ブレ補正を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項13に記載のプログラムを記憶していることを特徴とする記憶媒体。
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US11877061B2 (en) | 2020-04-28 | 2024-01-16 | Fujifilm Corporation | Signal processing device, signal processing method, signal processing program, imaging apparatus and lens apparatus |
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