JP2018197696A - 温度センサー - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献2に記載された温度センサーは、測定温度範囲が10℃以下と非常に狭い。さらに、樹脂の融点付近での使用になるため耐久性に問題がある。
〔2〕n型熱電変換材料薄膜とp型熱電変換材料薄膜の接合部を金属電極により接合してあることを特徴とする前記〔1〕に記載の温度センサーの基本ユニット。
〔3〕 前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の温度センサーの基本ユニットを複数個高熱伝導性シート上に配置したことを特徴とする温度センサー。
〔4〕 前記高熱伝導性シートの表面に基準温度測定用基準温度センサーを設置することを特徴とする前記〔3〕に記載の温度センサー。
〔5〕 前記高熱伝導性シート上に複数個のn型電極及び複数個のp型電極を配置し、前記基本ユニットのn型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端をn型電極及びp型電極の組み合わせが異なるようにそれぞれいずれかのn型電極及びいずれかのp型電極に電気的に接続したことを特徴とする前記〔3〕又は前記〔4〕に記載の温度センサー。
〔6〕 前記高熱伝導性シート上に複数個のn型電極と複数個のp型電極が絶縁状態で交差するように配置し、その各交差するn型電極とp型電極に前記基本ユニットのn型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端を電気的に接続したことを特徴とする前記〔5〕に記載の温度センサー。
図1は、基本ユニットを構成するリボン状熱電素子の断面図であり、リボン状熱電素子10は、リボン状の電気絶縁シート4にn型熱電変換材料薄膜1とp型熱電変換材料薄膜2を電気的に接合すよう接触させて設けてある。さらに、n型熱電変換材料薄膜1とp型熱電変換材料薄膜2を接触させて接合し、その接合部を金属電極3により接合してあることがより好ましい。
そして、リボン状の電気絶縁シート4は、可撓性のあるシートであることが好ましい。
そのため、n型及びp型熱電変換材料薄膜の境界は、測定対象物との接触点となる。
前記膜接合部に金属電極3を設けることにより、電気的接合を確実にし、接触抵抗を低減することができ、熱伝導性も良いので温度計測にも好ましい。
高熱伝導性シート25とn型電極22及びp型電極23の間には、電気絶縁性をより確実にするために絶縁層23を設けることが好ましいが、高熱伝導性シート25が電気絶縁が良好なものであれば、絶縁層23はなくても良い。
成膜プロセスとしては、真空蒸着法やCVD法、スパッタリング法といった乾式法と、キャスト法、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法といった塗布法、インクジェット法やスクリーン印刷法といった印刷法、さらにメッキ法、電解析出法といった製膜プロセスを用いることができる。
V=S×ΔT (S=|Sn|+|Sp|) (1)
T=V÷S+T0 (2)
従って、VをSで割ればΔTが得られる。これに基準温度T0を加えると、接触点の温度が得られる(式(2))。T0については、n型電極とp型電極の温度がどちらも高熱伝導シートに固定されているため、高熱伝導シート表面の温度とほぼ等しい。高熱伝導シート表面の温度は気温で代用しても良いが、市販の熱電対やサーミスタ等の温度センサーで直接高熱伝導シート表面の温度を測定し、基準温度T0として用いてもよい。
本発明の温度センサーは、前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の温度センサーの基本ユニットを複数個高熱伝導性シート上に配置したことを特徴とする。
前記高熱伝導性シートは、前記基本ユニットで記載した高熱伝導性シートと同種のものであり、前記で例示したものを使用することができる。前記高熱伝導性シートにすることにより、設置した複数個の温度センサーの相対値が測定可能になる。
基準温度センサーとしては、市販のサーミスターや熱電対、測温抵抗体、IC温度センサー等が使用できる。
基準温度センサー設置の一例としては、基準温度測定用の温度センサを高熱伝導性シート表面に接着すれば良い。そうすることにより、高熱伝導性シート25表面の温度を基準温度とすることができる。
基準温度センサーがなくても、本発明の温度センサーは、複数の測定点の相対温度を計測することができ、また、室内温度等の温度センサーを測定した際の周囲の温度を基準温度とすることにより、複数の温度を測定することが可能である。しかし、より精度の高い複数の温度を測定するためには、前記高熱伝導性シートの表面に基準温度測定用基準温度センサーを設置することが好ましい。
このようにn型電極とp型電極を配置することにより、より装置を簡略化することができる。
図3は、図2の温度センサーの基本ユニットを3×3個同一高熱伝導性シート上に配置した温度センサーを示す図である。
高熱伝導性シート25上には、それぞれ3本のn型電極22(縦方向)とp型電極23(横方向)が交差して設置されいる。n型電極22とp型電極23の交差部は、電気的に絶縁されている。電気絶縁の方法は、通常の電気絶縁方法をによればよいが、各電極の下部に絶縁層23を設けることで絶縁することができる。そして、各交差部近傍に前記基本ユニットを配置し(図では9個)、基本ユニットのリボン状熱電素子10の両端(n型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端)は、導電接着剤21により近傍のn型電極22とp型電極23に電気的に接続されている。
高熱伝導性シート25の温度センサーの基本ユニットの設置されている面の反対側の面には基準温度センサー26が設置されている。
この発明の実施の形態を図3、5の実施例を参照して説明する。図5(a)は電気絶縁シート4(10mm×18mm)の表面に、n型熱電変換材料の薄膜1と、p型熱電変換材料の薄膜2をともに5mm幅のストライプ状に製膜したものである。電気絶縁シート4はポリイミドフィルム(厚さ50μm)を用いた。熱電変換材料としては、n型にビスマスアンチモン(BiSb)を真空蒸着により、p型に導電性ポリマーであるPEDOT:PSSをスリットコート法により製膜した。熱電変換材料の薄膜の製膜方法としては、他にインクジェットやスクリーン印刷などの湿式プロセス、スパッタリング、CVDなどのドライプロセスを採用することができる。熱電変換材料薄膜1と2の境界には、電気的接合を確実にし、接触抵抗を低減するため金属電極3を形成した。金属電極は銀ペースト(藤倉化成ドータイトD−550)をスリットコートで製膜した。
これを3mm幅のリボン状にカットすると、図5(c)に示したリボン状熱電素子が得られる。
2 p型熱電変換材料薄膜
3 金属電極
4 電気絶縁シート
10 リボン状熱電素子
20 高熱伝導性シート25上に温度センサーの基本ユニットを3×3個配置した温度センサー
21 導電性接着剤
22 n型電極
23 p型電極
24 絶縁層
25 高熱伝導性シート
26 基準温度センサー
28 熱電対(高温部温度測定用)
29 熱電対(低温部温度測定用)
31 電圧計
32 n型電極切り替えスイッチ
33 p型電極切り替えスイッチ
Claims (6)
- 複数の測定点の温度を計測する温度センサーの基本ユニットであって、リボン状の電気絶縁シートにn型熱電変換材料薄膜とp型熱電変換材料薄膜を電気的に接合して設けたリボン状熱電素子のn型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端を高熱伝導性シート上に配置したn型電極及びp型電極とそれぞれ電気的に接続し、n型電極とp型電極の両電極間の電位差によりにn型熱電変換材料薄膜とp型熱電変換材料薄膜の接合部の温度を計測することを特徴とする温度センサーの基本ユニット。
- n型熱電変換材料薄膜とp型熱電変換材料薄膜の接合部を金属電極により接合してあることを特徴とする請求項1に記載の温度センサーの基本ユニット。
- 請求項1又は請求項2に記載の温度センサーの基本ユニットを複数個高熱伝導性シート上に配置したことを特徴とする温度センサー。
- 前記高熱伝導性シートの表面に基準温度測定用基準温度センサーを設置することを特徴とする請求項3に記載の温度センサー。
- 前記高熱伝導性シート上に複数個のn型電極及び複数個のp型電極を配置し、前記基本ユニットのn型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端をn型電極及びp型電極の組み合わせが異なるようにそれぞれいずれかのn型電極及びいずれかのp型電極に電気的に接続したことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の温度センサー。
- 前記高熱伝導性シート上に複数個のn型電極と複数個のp型電極が絶縁状態で交差するように配置し、その各交差するn型電極とp型電極に前記基本ユニットのn型熱電変換材料薄膜末端及びp型熱電変換材料薄膜末端を電気的に接続したことを特徴とする請求項5に記載の温度センサー。
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