JP2018196858A - 不飽和炭化水素と飽和炭化水素との低温浄化を両立させる排出ガス浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】主として予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)において排出される排出ガスの浄化触媒において、互いにトレードオフの関係である、飽和炭化水素の低温浄化性能と飽和炭化水素の低温浄化性能とを両立させること。【解決手段】排出ガスの流方向に連続に配置された2つの触媒層を有し、いずれの触媒層も触媒として白金(Pt)を含み、前段の触媒層においては白金(Pt)がランタン‐アルミナ基材に担持され、かつバリウム(Ba)が基材1Lあたり4.0〜10.0g含まれ、後段の触媒層においては白金(Pt)がシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持されていることを特徴とする、排出ガス浄化触媒。【選択図】図1
Description
本発明は、主として予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)における排出ガス浄化用触媒、具体的には、HCCI燃焼における排出ガスに多く含まれる飽和炭化水素、およびHCCI燃焼において切り替えを必須とする火花点火燃焼(SI燃焼)で発生する不飽和炭化水素の量を低減するための触媒に関する。
燃費を向上させ、かつクリーンな排気ガスの両立を目指す次世代エンジンの燃焼技術として、予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)がある。HCCI燃焼は、具体的には、予め空気とガソリンとを均等に混じり合わせた(予混合)混合気を吸入し、圧縮による温度上昇で自己着火・燃焼するものである。
このようなHCCI燃焼は、予め混ぜ合わせた混一な混合気が燃焼されるため、ススなどのPM(粒子状物質)がほとんど発生せず、また、薄い混合気を燃焼する(リーンバーン)ため、熱効率が良く、さらに、燃焼温度が低いため、NOxの発生もほとんどないという利点を有する。
一方で、HCCI燃焼は、燃焼温度が低いため、排気ガス中に飽和炭化水素が多く含まれる。また、HCCI燃焼は、高負荷運転では安定燃焼が困難であり、火花点火燃焼(SI燃焼)と切り替えながらの運転が考えられるが、SI燃焼では不飽和炭化水素が多く発生する。したがって、不飽和炭化水素と飽和炭化水素との両方を効率良く浄化できる触媒が望まれている。
飽和炭化水素を浄化する先行技術として、特許文献1や特許文献2などがあるが、不飽和炭化水素の浄化性能に未だ改善の余地があった。
本発明者は、鋭意検討の結果、排気ガスの流れ方向に配置された、いずれもPtを含む2つの触媒層において、前段の触媒はPtをアルミナに担持し、同じ触媒層内にBaを添加し、後段触媒のPtをシリカ‐アルミナに担持することで、不飽和炭化水素の浄化性能を改善させながら、飽和炭化水素の浄化性能を維持させることができることに至った。
すなわち本発明は、排出ガスの流方向に連続に配置された2つの触媒層を有し、いずれの触媒もPtを含み、前段の触媒はPtがランタン‐アルミナ基材に担持され、かつBaが担体1Lあたり4.0〜10.0g含まれ、後段の触媒はPtがシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持されていることを特徴とする、排出ガス浄化触媒に関する。
また、本発明は、後段の触媒は、Baを含有しないことを特徴とする、上記排出ガス浄化触媒に関する。
さらに、本発明は、予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)における排出ガス中の飽和炭化水素および不飽和炭化水素の量を低減するための触媒であることを特徴とする、上記排出ガス浄化触媒に関する。
本発明により、特に予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)および前記HCCI燃焼において切り替えを必須とする火花点火燃焼(SI燃焼)において発生する飽和炭化水素および不飽和炭化水素の低温浄化を両立させることに成功した。
以下、本発明の形態について説明するが、本願発明の範囲は、実施例を含めた当該記載に限定されるものではない。なお、本願において、「%」は、特別な記載のない限り、「重量%」とする。
(基材)
基材は、吸着や触媒活性を示し、他の物質を固定する土台となるものである。本願発明にかかる触媒における基材としては、アルミナ(Al2O3)、ランタン(La)、シリカ(SiO2)が用いられる。具体的には、後述するように、前段の触媒層については白金(Pt)はランタン‐アルミナ基材に担持されることが、後段の触媒層については白金(Pt)はシリカ‐アルミナ基材に担持されることが必要である。
基材は、吸着や触媒活性を示し、他の物質を固定する土台となるものである。本願発明にかかる触媒における基材としては、アルミナ(Al2O3)、ランタン(La)、シリカ(SiO2)が用いられる。具体的には、後述するように、前段の触媒層については白金(Pt)はランタン‐アルミナ基材に担持されることが、後段の触媒層については白金(Pt)はシリカ‐アルミナ基材に担持されることが必要である。
その他、白金(Pt)を担持させないものとして用いられ得る基材としては、酸化ランタン(La2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO2)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(基材に担持される金属)
本願発明にかかる触媒における金属としては、白金(Pt)は酸素過剰雰囲気での飽和炭化水素の浄化の点から必須である。
本願発明にかかる触媒における金属としては、白金(Pt)は酸素過剰雰囲気での飽和炭化水素の浄化の点から必須である。
(バリウム)
本発明においてバリウム(Ba)は、前段の触媒層に添加することにより、不飽和炭化水素の浄化性能を向上させる効果を有する。ここで、バリウム(Ba)の添加量としては、基材1Lあたり4.0〜10.0gであることが好ましい。4.0gを下回ると、上記不飽和炭素の浄化性能を十分に発揮させることができず、10.0gを上回ると、不飽和炭化水素の浄化性能が頭打ちとなる一方で飽和炭化水素の浄化性能が大きく低下する。
本発明においてバリウム(Ba)は、前段の触媒層に添加することにより、不飽和炭化水素の浄化性能を向上させる効果を有する。ここで、バリウム(Ba)の添加量としては、基材1Lあたり4.0〜10.0gであることが好ましい。4.0gを下回ると、上記不飽和炭素の浄化性能を十分に発揮させることができず、10.0gを上回ると、不飽和炭化水素の浄化性能が頭打ちとなる一方で飽和炭化水素の浄化性能が大きく低下する。
一方で、前記バリウム(Ba)は、後段の触媒層には添加しないことが好ましい。後段触媒層にバリウム(Ba)を添加しても、不飽和炭化水素の性能改善はなく、飽和炭化水素の浄化性能が大きく低下するのみである。
(層構成について)
本願発明の触媒においては、前述した通り、排出ガスの流方向に連続に配置された2つのいずれも白金(Pt)を含む触媒層を有し、前段の触媒層は白金(Pt)がランタン‐アルミナ基材に担持され、後段の触媒層は白金(Pt)がシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持される構成を取る。簡略図を図1に示す。
本願発明の触媒においては、前述した通り、排出ガスの流方向に連続に配置された2つのいずれも白金(Pt)を含む触媒層を有し、前段の触媒層は白金(Pt)がランタン‐アルミナ基材に担持され、後段の触媒層は白金(Pt)がシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持される構成を取る。簡略図を図1に示す。
ランタン添加アルミナ基材は、不飽和炭化水素の浄化性能に優れる。これは部分酸化された炭化水素がランタン添加アルミナに吸着しやすいためと考えられる。
また、表面積が大きく、耐熱安定性が高い上に、高温での表面積低下が少ないため、バリウムや貴金属の分散性が高温で維持されるという点からも好ましい。
また、表面積が大きく、耐熱安定性が高い上に、高温での表面積低下が少ないため、バリウムや貴金属の分散性が高温で維持されるという点からも好ましい。
シリカ‐アルミナ基材は、白金(Pt)を高分散に保つのに適している。白金(Pt)を高分散に保つと飽和炭化水素の浄化性能が向上するが、その理由としては、飽和炭化水素は部分酸化されにくく基材表面に物理吸着する過程が重要となるため、白金(Pt)が高分散に担持されている方が反応確率が高くなるからだと考えられる。また、シリカ‐アルミナ基材で白金(Pt)が高分散となる理由は、シリカ‐アルミナの比表面積が特に大きいことと、表面電荷がランタン添加アルミナよりも中性側であることから、白金(Pt)化合物溶液を表面に含浸担持する過程で、電荷中和反応に由来する表面析出による偏在が起こりにくいことなどがあるからだと考えられる。
(混合気について)
エンジンの燃焼においては、空気/燃料混合物(混合気)の状態で燃料供給される。ここで、混合気中に含まれる空気と燃料との比率、いわゆる「空燃比」が重要な要素となりうる。
エンジンの燃焼においては、空気/燃料混合物(混合気)の状態で燃料供給される。ここで、混合気中に含まれる空気と燃料との比率、いわゆる「空燃比」が重要な要素となりうる。
重量比で、空気14.7に対して燃料1の割合が、「理論空燃比(ストイキオメトリー)」として知られている。これより燃料の割合が大きい状態での燃焼を、「濃厚混合気による燃焼(リッチバーン)」、逆に燃料の割合が小さい状態での燃焼を、「希薄混合気による燃焼(リーンバーン)」と呼ぶ。
ここで、背景技術の項でも述べた通り、本願発明が対象とするHCCI燃焼は、リーンバーン燃焼と、これと切り替えて行うことが必要な、ストイキ燃焼であるSI燃焼とを交互に繰り返すものである。このような排気ガス中には、リーンバーン燃焼中においてはイソペンタンのような飽和炭化水素が、ストイキ燃焼中においてはプロピレンのような不飽和炭化水素が、それぞれ多く存在する。
次に、実施例により本願発明を説明するが、本願発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<触媒層の調整>
(実施例1)
1.ランタン‐γアルミナ基材(ランタン4%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g、バリウム(Ba)を4.0gの割合でそれぞれ添加した、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の前段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
2.シリカ‐γアルミナ素材(シリカ10%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g添加し、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の後段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
3.このようにして得られた前段触媒層、後段触媒層を組み合わせ、実施例1の触媒構成を得た。
(実施例1)
1.ランタン‐γアルミナ基材(ランタン4%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g、バリウム(Ba)を4.0gの割合でそれぞれ添加した、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の前段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
2.シリカ‐γアルミナ素材(シリカ10%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g添加し、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の後段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
3.このようにして得られた前段触媒層、後段触媒層を組み合わせ、実施例1の触媒構成を得た。
なお、基材は、以下に示す方法で作製した。
ランタン‐アルミナ:ベーマイトに酢酸ランタン溶液を蒸発乾固法で担持後、600〜900℃で焼成した。
シリカ‐アルミナ:アルミニウムアルコキシドと、アンモニア水溶液と、ケイ酸エチルとを、50℃のエタノール中で1.5〜2.5時間反応させ、乾燥させた後、500℃で0.5〜1.0時間焼成した。なお、アルコキシドの加水分解などのような他の方法を利用して製造することもできる。
ランタン‐アルミナ:ベーマイトに酢酸ランタン溶液を蒸発乾固法で担持後、600〜900℃で焼成した。
シリカ‐アルミナ:アルミニウムアルコキシドと、アンモニア水溶液と、ケイ酸エチルとを、50℃のエタノール中で1.5〜2.5時間反応させ、乾燥させた後、500℃で0.5〜1.0時間焼成した。なお、アルコキシドの加水分解などのような他の方法を利用して製造することもできる。
(実施例2−3)
実施例1と同様に、表1に示す基材、白金(Pt)、バリウム(Ba)の組成にて、前段触媒層、後段触媒層を作製し、実施例2−3の触媒構成を得た。
実施例1と同様に、表1に示す基材、白金(Pt)、バリウム(Ba)の組成にて、前段触媒層、後段触媒層を作製し、実施例2−3の触媒構成を得た。
(比較例1)
1.ランタン‐γアルミナ基材(ランタン4%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の前段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
2.シリカ‐γアルミナ素材(シリカ10%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g添加し、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の後段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
3.このようにして得られた前段触媒層、後段触媒層を組み合わせ、比較例1の触媒構成を得た。
1.ランタン‐γアルミナ基材(ランタン4%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の前段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
2.シリカ‐γアルミナ素材(シリカ10%)1Lに対して、白金(Pt)を3.0g添加し、25mm×25mm、基材壁厚さ3.5mm、セル数600の後段触媒層を作製した。なお、ハニカムへの担持量は、120g/Lである。
3.このようにして得られた前段触媒層、後段触媒層を組み合わせ、比較例1の触媒構成を得た。
(比較例2−6)
比較例1と同様に、表1に示す基材、白金(Pt)、バリウム(Ba)の組成にて、前段触媒層、後段触媒層を作製し、比較例2−6の触媒構成を得た。
比較例1と同様に、表1に示す基材、白金(Pt)、バリウム(Ba)の組成にて、前段触媒層、後段触媒層を作製し、比較例2−6の触媒構成を得た。
<浄化性能評価>
次に示す組成の模擬ガスを用いることにより、浄化性能の評価を行った。
次に示す組成の模擬ガスを用いることにより、浄化性能の評価を行った。
(火花点火燃焼(SI)評価用ストイキガス)
ストイキオメトリー(理論空燃比)燃焼によって生じる、不飽和炭化水素であるプロピレン(C3H6)を含有する模擬ストイキガスの組成については次の通りである。なお、流量は、1440L/h、SV(空間移動速度)は、57600/h、触媒サイズは0.025Lである。
ストイキオメトリー(理論空燃比)燃焼によって生じる、不飽和炭化水素であるプロピレン(C3H6)を含有する模擬ストイキガスの組成については次の通りである。なお、流量は、1440L/h、SV(空間移動速度)は、57600/h、触媒サイズは0.025Lである。
CO・・・0.732%
H2・・・0.664%
O2・・・0.897%
CO2・・・13.9%
C3H6・・・555ppm
NO・・・1000ppm
H2O・・・10%
N2・・・残量
H2・・・0.664%
O2・・・0.897%
CO2・・・13.9%
C3H6・・・555ppm
NO・・・1000ppm
H2O・・・10%
N2・・・残量
(予混圧縮自己着火燃焼(HCCI)評価用リーンバーンガス)
リーンバーン(酸素過剰)によって生じる、飽和炭化水素であるプロピレン(C5H12)を含有する模擬リーンバーンガスの組成については次の通りである。なお、流量、SV(空間移動速度)、および触媒サイズについては、前記火花点火燃焼(SI)評価用ストイキガスと同一である。
リーンバーン(酸素過剰)によって生じる、飽和炭化水素であるプロピレン(C5H12)を含有する模擬リーンバーンガスの組成については次の通りである。なお、流量、SV(空間移動速度)、および触媒サイズについては、前記火花点火燃焼(SI)評価用ストイキガスと同一である。
CO・・・0.17%
O2・・・0.897%
CO2・・・13.9%
C5H12・・・320ppm
H2O・・・10%
N2・・・残量
O2・・・0.897%
CO2・・・13.9%
C5H12・・・320ppm
H2O・・・10%
N2・・・残量
(評価方法)
直径25.4mm、長さ50mmのコアサンプルをガス流通反応装置に取り付け、炭化水素の浄化に関する各ライトオフ温度、T50(℃)を測定した。
前記T50は、触媒に流入する上記模擬ガスの温度を80℃から500℃まで漸次昇温させていき、その触媒から流出するガスにおける炭化水素の濃度を計測し、触媒入口ガスの濃度と触媒出口ガスの濃度から算出した浄化率が50%に達したときの触媒入口ガス温度とする。なお、昇温スピードは、30℃/minとする。
直径25.4mm、長さ50mmのコアサンプルをガス流通反応装置に取り付け、炭化水素の浄化に関する各ライトオフ温度、T50(℃)を測定した。
前記T50は、触媒に流入する上記模擬ガスの温度を80℃から500℃まで漸次昇温させていき、その触媒から流出するガスにおける炭化水素の濃度を計測し、触媒入口ガスの濃度と触媒出口ガスの濃度から算出した浄化率が50%に達したときの触媒入口ガス温度とする。なお、昇温スピードは、30℃/minとする。
上記のようにして評価された、実施例1−3、および比較例1−6にかかる触媒のT50を、表2に示す。
上記評価結果より、前段の触媒層は白金(Pt)がランタン‐アルミナ基材に担持され、かつバリウム(Ba)が基材1Lあたり4.0〜10.0g含まれ、後段の触媒層は白金(Pt)がシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持されている実施例1〜3にかかる触媒は、不飽和炭化水素の低温浄化性能を改善させながら、飽和炭化水素の低温浄化性能を維持させるという、互いにトレードオフの関係である課題を解決することに成功した。
一方で、比較例1および2の触媒は、前段触媒層においてバリウム(Ba)が添加されていない、あるいは添加量が少ないため、不飽和炭化水素の浄化性能が劣る結果となった。比較例3の触媒は、前段触媒層においてバリウム(Ba)の添加量が多いため、飽和炭化水素の浄化性能が劣る結果となった。
また、比較例4の触媒は、後段触媒層の基材がシリカ‐アルミナではなくランタン‐アルミナであるから、飽和炭化水素の浄化性能が劣る結果となった。比較例5の触媒は、前段触媒層の基材がランタン‐アルミナではなくシリカ‐アルミナであるから、不飽和炭化水素の浄化性能が劣る結果となった。比較例6の触媒は、前段触媒層においてバリウム(Ba)が添加されていない上に、後段触媒層にバリウム(Ba)が添加されているから、飽和炭化水素の浄化性能も不飽和炭化水素の浄化性能も劣る結果となった。
Claims (3)
- 排出ガスの流方向に連続に配置された2つの触媒層を有し、いずれの触媒層も触媒として白金(Pt)を含み、前段の触媒層においては白金(Pt)がランタン‐アルミナ基材に担持され、かつバリウム(Ba)が基材1Lあたり4.0〜10.0g含まれ、後段の触媒層においては白金(Pt)がシリカ‐アルミナ基材にそれぞれ担持されていることを特徴とする、排出ガス浄化触媒。
- 後段の触媒層は、バリウム(Ba)を含有しないことを特徴とする、請求項1記載の排出ガス浄化触媒。
- 予混圧縮自己着火燃焼(HCCI燃焼)における排出ガス中の飽和炭化水素および不飽和炭化水素の量を低減するための触媒であることを特徴とする、請求項1または2記載の排出ガス浄化触媒。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013220402A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Mazda Motor Corp | 排気ガス浄化用触媒装置 |
JP2016503344A (ja) * | 2012-11-21 | 2016-02-04 | ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーJohnson Matthey Publiclimited Company | 圧縮着火機関の排気ガスを処理するための酸化触媒 |
JP2017505711A (ja) * | 2014-01-23 | 2017-02-23 | ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーJohnson Matthey Public Limited Company | ディーゼル酸化触媒及び排気系統 |
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