JP2018195405A - 内部電極用導電性ペーストの製造方法および電子部品の製造方法 - Google Patents

内部電極用導電性ペーストの製造方法および電子部品の製造方法 Download PDF

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浩之 田辺
俊裕 鈴木
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俊裕 鈴木
貞之 小泉
Sadayuki Koizumi
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Abstract

【課題】セラミック粉末の粒子および酸化物粉末の粒子の分散性を向上させることができる内部電極用導電性ペーストの製造方法を提供する。【解決手段】内部電極用導電性ペーストの製造方法は、ペロブスカイト型セラミック粉末、ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末、有機溶剤および分散剤を含む第1スラリーを準備する工程1と、導電性金属粉末、有機溶剤および分散剤を含む金属粉末スラリーを準備する工程2と、有機樹脂成分および有機溶剤を含む有機ビヒクルを準備する工程3と、第1スラリーと金属粉末スラリーと有機ビヒクルとを混合する工程4とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、内部電極用導電性ペーストの製造方法、および、その内部電極用導電性ペーストを用いて製造される電子部品の製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサなどの電子部品の内部電極を形成するために用いる導電性ペーストの製造方法として、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載の導電性ペーストの製造方法では、下記の(a)〜(e)の工程を経て、導電性ペーストを製造する。
(a)導電性金属粉末、セラミック粉末、有機溶剤、有機樹脂成分および分散剤を用意する工程
(b)有機溶剤および有機樹脂成分を含む有機ビヒクルを得る工程
(c)分散剤および有機ビヒクルの一部を含む有機溶剤中に、セラミック粉末が分散されてなるセラミックスラリーを作製する工程
(d)分散剤を含む有機溶剤中に、導電性金属粉末が分散されてなる金属粉末スラリーを作製する工程
(e)セラミックスラリーと金属粉末スラリーと有機ビヒクルの残部とを混合する工程
また、特許文献2には、高温負荷寿命が長く、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを効率よく製造するために、内部電極を形成するための導電性ペーストとして、Ni−Sn合金粉末と酸化スズ粉末とを含む導電性ペーストを用いることが記載されている。
特開2012−221640号公報 国際公開第2015/016309号
ここで、特許文献1に記載の導電性ペーストの製造方法により、特許文献2に記載されているような、酸化物粉末を含む導電性ペーストを製造する場合、以下のような工程を経て、導電性ペーストを製造することが考えられる。
すなわち、分散剤を含む有機溶剤中に、酸化物粉末が分散されてなる酸化物粉末スラリーを作製し、この酸化物粉末スラリーと、上記(c)の工程により作製されるセラミックスラリー、上記(d)の工程により作製される金属粉末スラリー、および有機ビヒクルの残部とを混合することによって、導電性ペーストを製造する。
しかしながら、セラミック粉末および酸化物粉末が微粒になると、セラミックスラリーおよび酸化物粉末スラリー中の粉末凝集物の残渣が生じるので、導電性ペースト中の各微粒子を均一に分散させることが困難になる。このため、導電性ペーストを用いて形成される内部電極の薄層化および高連続性を実現することが困難になる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、セラミック粉末の粒子および酸化物粉末の粒子の分散性を向上させることができる内部電極用導電性ペーストの製造方法、および、その内部電極用導電性ペーストを用いて製造される電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の内部電極用導電性ペーストの製造方法は、
導電性金属粉末、ペロブスカイト型セラミック粉末、ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末および有機ビヒクルを含む導電性ペーストの製造方法であって、
前記ペロブスカイト型セラミック粉末、前記酸化物粉末、有機溶剤および分散剤を含む第1スラリーを準備する工程と、
前記導電性金属粉末、有機溶剤および分散剤を含む金属粉末スラリーを準備する工程と、
有機樹脂成分および有機溶剤を含む有機ビヒクルを準備する工程と、
前記第1スラリーと、前記金属粉末スラリーと、前記有機ビヒクルとを混合する工程と、
を有することを特徴とする。
前記酸化物粉末は、Na2O、MgO、CaO、CuO、Dy2、Y23、MnO2、SiO2、Fe34、TiO、Sb23、ZnO、Al23、SnO2、PbO、Cr23からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物の粉末とすることができる。
また、前記導電性金属粉末の平均粒径は、600nm未満であってもよい。
本発明の電子部品の製造方法は、
焼成後にセラミック誘電体層となる未焼成セラミック誘電体層の表面に、上記の内部電極用導電性ペーストの製造方法によって製造された内部電極用導電性ペーストを付与することにより、未焼成内部電極パターンを形成する工程と、
表面に前記未焼成内部電極パターンが形成された複数の前記未焼成セラミック誘電体層を積層することにより、前記未焼成セラミック誘電体層と前記未焼成内部電極パターンとが交互に積層された未焼成セラミック積層体を形成する工程と、
前記未焼成セラミック積層体を焼成することにより、セラミック積層体を得る工程と、
を有することを特徴とする。
本発明による内部電極用導電性ペーストの製造方法によれば、セラミック粉末と酸化物粉末を含む第1スラリーを作製し、作製した第1スラリーを、導電性金属粉末を含む金属粉末スラリーおよび有機ビヒクルと混合することにより、内部電極用導電性ペーストを製造する。これにより、セラミック粉末と酸化物粉末とを個別に有機溶剤中に分散させてから混合する製造方法と比べて、セラミック粉末と酸化物粉末の衝突頻度が増加して、粉末の粉砕性および分散性が向上する。これにより、内部電極用導電性ペーストを用いて形成される内部電極の薄層化および高連続性を実現することが可能となる。
また、本発明の電子部品の製造方法によれば、上記内部電極用導電性ペーストを用いて、焼成後に内部電極となる未焼成内部電極パターンを形成するので、薄層化および高連続性が実現された内部電極を備える電子部品を製造することができる。
本発明の一実施形態における内部電極用導電性ペーストの製造方法の手順を説明するための図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態における内部電極用導電性ペーストの製造方法は、
(1)ペロブスカイト型セラミック粉末、ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末、有機溶剤および分散剤を含む第1スラリーを準備する工程1と、
(2)導電性金属粉末、有機溶剤および分散剤を含む金属粉末スラリーを準備する工程2と、
(3)有機樹脂成分および有機溶剤を含む有機ビヒクルを準備する工程3と、
(4)第1スラリーと、金属粉末スラリーと、有機ビヒクルとを混合する工程4と、
を有する。
上記工程1では、ペロブスカイト型セラミック粉末、ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末、および分散剤を有機溶剤に混合することによって、第1スラリーを作製する。
ペロブスカイト型セラミック粉末(以下、単にセラミック粉末とも呼ぶ)としては、例えば、ABO3(Aは、Ca、BaおよびSrのうちの少なくとも1種であり、Bは、Zr、TiおよびHfのうちの少なくとも1種である。)を主成分とするセラミックからなるものを用いることが好ましい。このような組成のセラミック粉末によれば、焼成時において、導電性金属粉末との間で生じ得る反応を抑えることができる。
セラミック粉末は、上記ABO3を主成分とし、さらに、Mn、Mg、Si、Y、DyおよびGdのうち少なくとも1種を副成分として含んでいてもよい。上記副成分を含んでいる場合、セラミック粒子の粒成長が抑制され、金属粒子の焼結を効果的に抑制することができる。
なお、セラミック粉末が、上記のように、ABO3を主成分とするセラミックからなるとき、例えば積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層のための誘電体セラミックとして、同様のABO3を主成分とするセラミックを用いることができる。その場合、焼成時において、導電性ペーストに含まれるセラミック粉末の成分が誘電体セラミック層へ拡散しても、それによる影響を最小限に留めることができる。
ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末としては、塩基性酸化物、酸性酸化物および両性酸化物のうちの少なくとも1種類を用いることができる。
塩基性酸化物としては、例えば、Na2O、MgO、CaO、CuO、Dy2、Y23、MnO2からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。酸性酸化物としては、例えば、SiO2、Fe34、TiOからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。両性酸化物としては、Sb23、ZnO、Al23、SnO2、PbO、Cr23からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
有機溶剤としては、例えば、ジヒドロターピネオールを用いることができる。
分散剤としては、例えば、アニオン系高分子分散剤を用いることができる。
上記工程2では、導電性金属粉末および分散剤を有機溶剤に混合することによって、金属粉末スラリーを作製する。
導電性金属粉末としては、好ましくは、Cu、Ni、AgおよびPdのいずれかの金属、またはそれらの少なくとも1種を含む合金からなる粉末が用いられる。これらの金属または合金を含む導電性ペーストを用いて、積層セラミックコンデンサのような電子部品の内部電極を形成する場合、未焼成セラミック積層体の焼成工程において、未焼成内部電極パターンを構成する導電性ペースト中の金属成分がセラミック層側に実質的に拡散しないようにすることができる。
上記工程3では、有機樹脂成分を有機溶剤に混合することによって、有機ビヒクルを作製する。
有機樹脂成分としては、例えば、エチルセルロース樹脂を用いることができる。
上述した内部電極用導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサのような電子部品を製造する際に用いることができる。その場合、電子部品は、下記の(I)〜(III)の工程を経て製造することができる。
(I)焼成後にセラミック誘電体層となる複数の未焼成セラミック誘電体層の表面に、上記の内部電極用導電性ペーストの製造方法によって製造された内部電極用導電性ペーストを付与することにより、未焼成内部電極パターンを形成する工程
(II)表面に未焼成内部電極パターンが形成された複数の未焼成セラミック誘電体層を積層することにより、未焼成セラミック誘電体層と未焼成内部電極パターンとが交互に積層された未焼成セラミック積層体を形成する工程
(III)未焼成セラミック積層体を焼成することにより、セラミック積層体を得る工程
<実施例>
1.導電性金属粉末
表1および表2の「導電性金属粉末」における「金属種」の欄に示す金属からなり、「平均粒径」の欄に示す平均粒径を有する導電性金属粉末を用意した。
2.セラミック粉末
表1および表2の「セラミック粉末」における「組成」の欄に示す組成を有し、「平均粒径」の欄に示す平均粒径を有するセラミック粉末を用意した。例えば、試料1について、表1および表2の「組成」の欄に「CaZrO3+Si、Mn」と表示され、「平均粒径」の欄に「25」と表示されているが、これは、平均粒径25nmのジルコン酸カルシウムに、添加物としてSiおよびMnを含有させた、平均粒径25nmのセラミック粉末であることを示している。
3.酸化物粉末
表1および表2の「酸化物粉末」における「組成」の欄に示す組成を有し、「平均粒径」の欄に示す平均粒径を有する酸化物粉末を用意した。例えば、試料1について、表1および表2の「組成」の欄に「Al23」と表示され、「平均粒径」の欄に「50」と表示されているが、これは、平均粒径50nmの酸化アルミニウムであることを示している。
4.導電性ペーストの作製
導電性ペーストの作製にあたっては、表1および表2の「製法」の欄に示される、以下の製法A、製法Bおよび製法Cのうちのいずれかの製法を採用した。製法Aおよび製法Bは、本発明の要件を満たす製造方法、すなわち、上記工程1〜工程4を有する製造方法であり、製法Cは、本発明の要件を満たさない製造方法である。
4−1.製法A
セラミック粉末と、酸化物粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、無媒体攪拌式ミルで予備混合した後、媒体攪拌式ミルで分散処理し、第1スラリーを作製した(工程1)。セラミック粉末および酸化物粉末はそれぞれ、作製される導電性ペースト中のセラミック粉末と酸化物粉末と導電性金属粉末の合計体積に対する体積の割合が、表1および表2の「固形分中の割合」の欄に示す割合となる量を用いた。
また、導電性金属粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、3本ロールミルで分散処理し、金属粉末スラリーを作製した(工程2)。
さらに、有機樹脂成分としての重量平均分子量14万のエチルセルロース樹脂と、有機溶剤であるジヒドロターピネオールとを混合して、有機ビヒクルを得た(工程3)。
次に、上記有機ビヒクルに、上記金属粉末スラリーと上記第1スラリーを加えて、混合・分散処理し、導電性ペーストを作製した(工程4)。有機ビヒクルは、作製される導電性ペーストに含まれるセラミック粉末と酸化物粉末に対する割合が重量基準で10%となる量を用いた。
4−2.製法B
セラミック粉末と、酸化物粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、プラネタリミキサで予備混合した後、3本ロールミルで分散処理し、第1スラリーを作製した(工程1)。セラミック粉末および酸化物粉末はそれぞれ、作製される導電性ペースト中のセラミック粉末と酸化物粉末と導電性金属粉末の合計体積に対する体積の割合が、表1および表2の「固形分中の割合」の欄に示す割合となるように量を用いた。
また、製法Aの場合と同様に、導電性金属粉末と、ジヒドロターピネオールと、アニオン系高分子分散剤とを、3本ロールミルで分散処理し、金属粉末スラリーを作製した(工程2)。
また、製法Aの場合と同様に、重量平均分子量14万のエチルセルロース樹脂と、ジヒドロターピネオールとを混合して、有機ビヒクルを得た(工程3)。
次に、上記有機ビヒクルに、上記金属粉末スラリーと上記第1スラリーを加えて、混合・分散処理し、導電性ペーストを作製した(工程4)。有機ビヒクルは、作製される導電性ペーストに含まれるセラミック粉末と酸化物粉末に対する割合が重量基準で10%となる量を用いた。
製法Bは、製法Aに対して、媒体を用いない3本ロールミルで分散処理することによって、第1スラリーを作製した点が異なる。
4−3.製法C
セラミック粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、無媒体攪拌式ミルで予備混合した後、媒体攪拌式ミルで分散処理し、セラミックスラリーを作製した。セラミック粉末は、作製される導電性ペースト中のセラミック粉末と酸化物粉末と導電性金属粉末の合計体積に対する体積の割合が、表1および表2の「固形分中の割合」の欄に示す割合となる量を用いた。
また、酸化物粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、無媒体攪拌式ミルで予備混合した後、媒体攪拌式ミルで分散処理し、酸化物スラリーを作製した。酸化物粉末は、作製される導電性ペースト中のセラミック粉末と酸化物粉末と導電性金属粉末の合計体積に対する体積の割合が、表1および表2の「固形分中の割合」の欄に示す割合となる量を用いた。
また、導電性金属粉末と、有機溶剤としてのジヒドロターピネオールと、分散剤としてのアニオン系高分子分散剤とを、3本ロールミルで分散処理し、金属粉末スラリーを作製した。
さらに、有機樹脂成分としての重量平均分子量14万のエチルセルロース樹脂と、有機溶剤であるジヒドロターピネオールとを混合して、有機ビヒクルを得た。
次に、上記有機ビヒクルに、上記金属粉末スラリーと上記セラミックスラリーと上記酸化物スラリーを加えて、混合・分散処理し、導電性ペーストを作製した。有機ビヒクルは、作製される導電性ペーストに含まれるセラミック粉末と酸化物粉末に対する割合が重量基準で10%となる量を用いた。
Figure 2018195405
Figure 2018195405
表1および表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲外の比較例である。
<積層セラミックコンデンサ>
以下のようにして、試料となる積層セラミックコンデンサを作製した。
平均粒径0.16μmの耐還元性誘電体セラミック原料粉末に、アクリル系バインダおよび有機溶剤としてのエタノールを加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを得た。次に、このセラミックスラリーをドクターブレード法により、焼成後の厚みが1.5μmになるようにシート状に成形し、セラミックグリーンシートを得た。このセラミックグリーンシートは、未焼成セラミック積層体の未焼成セラミック誘電体層を構成するためのものである。
ここで、上記誘電体セラミック原料粉末として、試料1〜14では、CaZrOを主成分とし、副成分として、Si、Mn、SrおよびTiの各元素を含むものを用い、試料15〜30では、BaTiOを主成分とし、副成分として、Y、Dy、Mg、MnおよびGdの各元素を含むものを用いた。
次に、セラミックグリーンシートの表面に、上述した製法A、製法Bおよび製法Cによりそれぞれ製造された導電性ペーストをスクリーン印刷し、焼成後に内部電極となる未焼成の内部電極パターン、すなわち、未焼成の内部電極膜を形成した。このとき、印刷塗膜の厚みを、蛍光X線膜厚計で計測して、0.2μmとなるように設定した。
次に、未焼成内部電極パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを積層し、さらにその積層方向両外側に、内部電極パターンが形成されていない外層用のセラミックグリーンシートを所定枚数積層した後、熱プレスして一体化した。そして、一体化したものを所定の寸法にカットすることにより、未焼成セラミック積層体を得た。
続いて、未焼成セラミック積層体を、窒素雰囲気中において300℃の温度で加熱してバインダを分解させた後、H−N−HOガスからなる還元性雰囲気中において、最高温度1250℃で焼成し、焼結したセラミック積層体を得た。
続いて、セラミック積層体の、内部電極が露出した部分を含む所定領域に、銅を含む外部電極用導電性ペーストを塗布した後、窒素雰囲気中において700℃の温度で焼き付けて、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
このようにして、試料となる積層セラミックコンデンサを得た。
<評価>
1.導電性ペースト段階での評価
各試料を作製するために用いた導電性ペーストを、ドクターブレード法によりガラス基板上に成膜し、乾燥した塗膜表面を、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて観察し、導電性金属粉末およびセラミック粉末の状態を確認した。
電子顕微鏡を用いて得られるFE−SEM画像において、セラミック粒子および酸化物粒子の粒子群、より詳しくは、縦軸方向0.3μm、横軸方向0.3μm、面積0.09μm2の矩形領域以上の大きさのセラミック粒子群および酸化物粒子群を凝集物と定義した。そして、FE−SEM画像の、縦軸方向10μm、横軸方向10μm、面積100μm2の領域内における、セラミック粒子群の凝集物の面積率、および、酸化物粒子群の凝集物の面積率を算出した。
2.積層セラミックコンデンサの内部電極の評価
試料番号1〜30の各積層セラミックコンデンサについて、内部電極の厚みを測定するとともに、内部電極の連続性を評価した。内部電極の厚みは、積層セラミックコンデンサを研磨して、厚み方向における内部電極の断面を露出させて、露出した内部電極の厚みを電子顕微鏡で観察して、測定した。
また、内部電極の連続性は、内部電極が、積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率を求めることによって評価した。内部電極の被覆率を求めるため、まず、積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を、内部電極の表面に沿って剥離して、内部電極の表面を露出させた。そして、露出させた内部電極を光学顕微鏡で観察し、画像処理によって内部電極の面積を求め、求めた内部電極の面積と誘電体セラミック層の面積とから、被覆率を算出した。
<考察>
本発明の要件を満たす製法Aおよび製法Bにより作製された内部電極用導電性ペースト、すなわち、試料番号1〜5、11〜20、および、22〜30の内部電極用導電性ペーストでは、セラミック粉末の凝集物の面積率は50%以下、酸化物粉末の凝集物の面積率は20%以下で、セラミック粉末および酸化物粉末の分散性が高い。
これらの試料番号1〜5、11〜20、22〜30の内部電極用導電性ペーストを用いて作製された積層セラミックコンデンサでは、表1および表2に示すように、全体的に、内部電極の膜厚が薄く、かつ、被覆率が高くなった。
すなわち、セラミック粉末と酸化物粉末を含む第1スラリーを作製し、作製した第1スラリーを、導電性金属粉末を含む金属粉末スラリーおよび有機溶剤を含む有機ビヒクルと混合することにより、内部電極用導電性ペーストを製造する、本発明の製造方法によれば、セラミック粉末と酸化物粉末とを個別に有機溶媒中に分散させてから混合する製造方法と比べて、セラミック粉末と酸化物粉末の衝突頻度が増加して、粉末の粉砕性および分散性が向上する。これにより、内部電極用導電性ペーストを用いて形成される内部電極膜の薄層化および高連続性を実現することが可能となる。また、内部電極膜の高連続性を実現することにより、焼成工程時に、局所的な過焼結を抑制することができる。
ここで、内部電極用導電性ペーストに含まれる導電性金属粉末の平均粒径が小さい試料では、内部電極用導電性ペーストを用いて塗膜した際の表面の平滑性が向上し、内部電極の膜厚が低減し、被覆率が向上する。例えば、導電性金属粉末の金属種がNiである試料番号22〜30の試料のうち、平均粒径が600nm未満である試料番号22〜28の試料は、平均粒径が600nm以上である試料番号29および30の試料と比べて、内部電極の膜厚は薄く、かつ、被覆率は高い。
一方、本発明の要件を満たさない製法C、すなわち、セラミック粉末と、酸化物粉末と、導電性金属粉末をそれぞれ個別に有機溶剤に分散させた後、混合する製法で製造された内部電極用導電性ペーストを用いた場合には、製法Aおよび製法Bにより製造された内部電極用導電性ペーストを用いた場合と比べて、全体的に、内部電極の膜厚は厚くなり、被覆率が低下した。
これは、セラミック粉末、酸化物粉末および導電性金属粉末をそれぞれ個別に有機溶剤に分散させた後に混合する製造方法では、特に、セラミック粉末および酸化物粉末が100nm以下の微粒子からなる場合に、凝集物の残渣が残りやすくなるからである。すなわち、凝集物の残渣が存在することにより、内部電極膜の膜厚は厚くなる。
また、内部電極用導電性ペースト中に、セラミック粉末または酸化物粉末の凝集物が存在する領域では、後の焼結工程において、導電性金属粉末の粒子同士の接触が断たれるため、内部電極膜の連続性が低下する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。例えば、導電性金属粉末、ペロブスカイト型セラミック粉末、酸化物粉末、分散剤、有機樹脂成分、および有機溶剤はそれぞれ、上記実施形態および実施例で説明したものに限定されることはない。
1 第1スラリー準備工程
2 金属粉末スラリー準備工程
3 有機ビヒクル準備工程
4 混合工程

Claims (4)

  1. 導電性金属粉末、ペロブスカイト型セラミック粉末、ペロブスカイト型酸化物粉末ではない酸化物粉末および有機ビヒクルを含む導電性ペーストの製造方法であって、
    前記ペロブスカイト型セラミック粉末、前記酸化物粉末、有機溶剤および分散剤を含む第1スラリーを準備する工程と、
    前記導電性金属粉末、有機溶剤および分散剤を含む金属粉末スラリーを準備する工程と、
    有機樹脂成分および有機溶剤を含む前記有機ビヒクルを準備する工程と、
    前記第1スラリーと、前記金属粉末スラリーと、前記有機ビヒクルとを混合する工程と、
    を有することを特徴とする内部電極用導電性ペーストの製造方法。
  2. 前記酸化物粉末は、Na2O、MgO、CaO、CuO、Dy2、Y23、MnO2、SiO2、Fe34、TiO、Sb23、ZnO、Al23、SnO2、PbO、Cr23からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物の粉末であることを特徴とする請求項1に記載の内部電極用導電性ペーストの製造方法。
  3. 前記導電性金属粉末の平均粒径は、600nm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の内部電極用導電性ペーストの製造方法。
  4. 焼成後にセラミック誘電体層となる未焼成セラミック誘電体層の表面に、請求項1〜3のいずれかに記載の内部電極用導電性ペーストの製造方法によって製造された内部電極用導電性ペーストを付与することにより、未焼成内部電極パターンを形成する工程と、
    表面に前記未焼成内部電極パターンが形成された複数の前記未焼成セラミック誘電体層を積層することにより、前記未焼成セラミック誘電体層と前記未焼成内部電極パターンとが交互に積層された未焼成セラミック積層体を形成する工程と、
    前記未焼成セラミック積層体を焼成することにより、セラミック積層体を得る工程と、
    を有することを特徴とする電子部品の製造方法。
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JP2017096549A Pending JP2018195405A (ja) 2017-05-15 2017-05-15 内部電極用導電性ペーストの製造方法および電子部品の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7489824B2 (ja) 2020-05-11 2024-05-24 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 薄膜用導電性ペーストおよびその利用

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