JP2018194156A - チェーンテンショナ - Google Patents

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好一 鬼丸
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Abstract

【課題】長期にわたって使用したときにもスクリュロッドが円滑に回転するチェーンテンショナを提供する。【解決手段】シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャ11と、プランジャ11に挿入されたスクリュロッド12と、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する端部を受け止めるロッドシート13とを備えるチェーンテンショナ1において、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面を凸曲面31とし、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面を凸曲面31に線接触するテーパ内面33とし、ロッドシート13をスクリュロッド12よりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成する。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関のチェーン伝動装置に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車エンジン等の内燃機関に使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
このチェーンテンショナとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のチェーンテンショナは、シリンダと、そのシリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャと、一方の端部がプランジャ内に収容され、他方の端部がプランジャのシリンダへの挿入端から突出した状態にプランジャに挿入されたスクリュロッドと、そのスクリュロッドのプランジャから突出する側の端部を受け止めるロッドシートと、スクリュロッドの外周に形成された雄ねじと、その雄ねじにねじ係合するようにプランジャの内周に形成された雌ねじと、スクリュロッドとプランジャの間に組み込まれたリターンスプリングとを有する。リターンスプリングは、プランジャをシリンダから突出させる方向に付勢している。
このチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじとが互いに摺動しながら、プランジャとスクリュロッドが相対回転するので、雄ねじと雌ねじの摩擦抵抗によってダンパ作用が生じる。一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、プランジャがシリンダから突出する方向に移動し、チェーンの弛みを吸収する。
特開2007−32603号公報
本願の発明者らは、上記チェーンテンショナにおいて、チェーンの張力変動に応じてスクリュロッドが円滑に回転するように、スクリュロッドのロッドシートに対する接触面と、ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面とを、スクリュロッドの軸線まわりに環状に線接触させたときに生じる問題について検討を行なった。
具体的には、スクリュロッドのロッドシートに対する接触面積が小さいものとなるように、スクリュロッドのロッドシートに対する接触面を断面円弧状の凸曲面とし、ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面をテーパ内面とし、その凸曲面とテーパ内面とを線接触させたときに生じる問題について検討した。
その結果、長期にわたってチェーンテンショナを使用したときに、スクリュロッドの凸曲面がロッドシートのテーパ内面に食い込む形で摩耗し、ロッドシートのテーパ内面とスクリュロッドの凸曲面とが大きな幅をもった環状の領域で面接触することになり、スクリュロッドの回転動作が不安定になるおそれがあることが分かった。
この発明が解決しようとする課題は、長期にわたって使用したときにもスクリュロッドが円滑に回転するチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
シリンダと、
前記シリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、
一方の端部が前記プランジャ内に収容され、他方の端部が前記プランジャから突出した状態に前記プランジャに挿入されたスクリュロッドと、
前記シリンダ内に設けられ、前記スクリュロッドの前記プランジャから突出する端部を受け止めるロッドシートと、
前記スクリュロッドの外周に形成された雄ねじと、
前記雄ねじにねじ係合するように前記プランジャの内周に形成された雌ねじと、
前記スクリュロッドと前記プランジャの間に組み込まれ、前記プランジャを前記シリンダから突出させる方向に付勢するリターンスプリングと、を備えるチェーンテンショナにおいて、
前記スクリュロッドの前記ロッドシートに対する接触面を、前記スクリュロッドの軸線に沿った断面形状が円弧状となる凸曲面とし、
前記ロッドシートの前記スクリュロッドに対する接触面を、前記凸曲面に対して前記スクリュロッドの軸線まわりに環状に線接触するテーパ内面とし、
前記ロッドシートを、前記スクリュロッドよりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成したことを特徴とするチェーンテンショナ。
このようにすると、スクリュロッドの凸曲面とロッドシートのテーパ内面が、スクリュロッドの軸線まわりに環状に線接触するので、スクリュロッドのロッドシートに対する接触面積が小さい。そのため、チェーンの張力変動に応じて、スクリュロッドが円滑に回転する。また、ロッドシートが、スクリュロッドよりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成されているので、スクリュロッドの凸曲面がロッドシートのテーパ内面に食い込む形で摩耗するのを防止することができ、長期にわたってチェーンテンショナを使用したときにも、スクリュロッドの円滑な回転動作を維持することが可能である。
前記高硬度材料として、1000HV以上の硬度を有する材料を採用すると好ましい。
このようにすると、ロッドシートのテーパ内面の摩耗を効果的に防止することができる。
前記高硬度材料は、例えば、セラミックスである。セラミックスとしては、ジルコニア、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウムのいずれかを採用することができる。
また、前記高硬度材料として、セラミックスと金属の複合材料や、セラミックスと繊維の複合材料を採用することも可能である。
前記テーパ内面としては、前記スクリュロッドの軸線に沿った断面形状が直線状となる円錐状の内面を採用することができる。
このようにすると、テーパ内面の形成が容易なので、高硬度材料からなるロッドシートに精度よくテーパ内面を形成することができる。
前記雌ねじと前記雄ねじは、前記プランジャを前記シリンダ内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランクのフランク角が、前記プランジャを前記シリンダから突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状とすることができる。
このようにすると、雄ねじと雌ねじの押込側フランク同士の摺動抵抗が大きくなるので、高いダンパ作用を発揮することが可能となる。
このとき、前記押込側フランクのフランク角を72°〜78°の範囲に設定し、前記突出側フランクのフランク角を12°〜18°の範囲に設定することができる。
前記シリンダに、前記スクリュロッドの前記プランジャから突出する部分の上方に対向する位置でシリンダを上下に貫通し、前記シリンダの外部の飛沫オイルを前記シリンダの内部に導入するオイル導入孔を形成すると好ましい。
このようにすると、オイル導入孔からシリンダの内部に導入される飛沫オイルで、スクリュロッドのプランジャから突出する部分を潤滑することができる。
前記雌ねじと前記雄ねじの少なくとも一方の表面を梨地とすることができる。
このようにすると、雄ねじと雌ねじの間にスクイズ効果による油膜が形成されるのを梨地が防止するので、安定したダンパ作用を得ることが可能となる。
前記シリンダは、チェーンの張力に応じて揺動するチェーンガイドと一体に形成することができる。
この発明のチェーンテンショナは、スクリュロッドの凸曲面とロッドシートのテーパ内面が、スクリュロッドの軸線まわりに環状に線接触するので、スクリュロッドのロッドシートに対する接触面積が小さい。そのため、チェーンの張力変動に応じて、スクリュロッドが円滑に回転する。また、ロッドシートが、スクリュロッドよりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成されているので、スクリュロッドの凸曲面がロッドシートのテーパ内面に食い込む形で摩耗するのを防止することができ、長期にわたってチェーンテンショナを使用したときにも、スクリュロッドの円滑な回転動作を維持することが可能である。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す部分断面図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2に示す雄ねじと雌ねじの拡大図 図2のスクリュロッドとロッドシートの接触部分の近傍の拡大図 図3に示す雄ねじの表面を梨地にした変形例を示す断面図 図2のチェーンテンショナにアシストスプリングを追加した変形例を示す断面図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す部分断面図 図7のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図8のチェーンテンショナにアシストスプリングとオイル導入孔とオイル排出孔とを追加した変形例を示す断面図 図7に示すチェーンガイドのチェーンに摺接する部分とその他の部分とを別体にした変形例を示す図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャ11と、一方の端部がプランジャ11内に収容され、他方の端部がプランジャ11のシリンダ10への挿入端から突出した状態にプランジャ11に挿入されたスクリュロッド12と、そのスクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部を受け止めるロッドシート13と、スクリュロッド12とプランジャ11の間に組み込まれたリターンスプリング14とを有する。
シリンダ10は一端が開口し、他端が閉塞した有底筒状に形成されている。シリンダ10は、シリンダ10の外周に一体に形成された複数の取り付け片15にボルト16を締め込むことによって、エンジンブロック(図示せず)の側面に固定されている。
プランジャ11は、シリンダ10内への挿入端が開口し、シリンダ10からの突出端が閉塞する筒状に形成されている。プランジャ11の材質は、鉄系材料(例えばSCMやSCr等の鋼材)である。プランジャ11の外周は円筒面であり、シリンダ10の内周も円筒面である。プランジャ11の外周とシリンダ10の内周の間の隙間の大きさは微小であり、半径差で0.015〜0.080mmの範囲に設定されている。
スクリュロッド12の外周には雄ねじ17が形成されている。雄ねじ17は、プランジャ11の内周に形成された雌ねじ18とねじ係合している。雄ねじ17は、冷間鍛造でスクリュロッド12のブランク(有底筒状素材)を形成した後、そのブランクの外周に転造を施すことで形成することができる。
スクリュロッド12の外周の雄ねじ17と、プランジャ11の内周の雌ねじ18は、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランク19のフランク角θ1(図3参照)が、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランク20のフランク角θ2(図3参照)よりも大きい鋸歯状に形成されている。
プランジャ11のシリンダ10からの突出端とスクリュロッド12との間には、リターンスプリング14が組み込まれている。リターンスプリング14の一方の端部は、スクリュロッド12のプランジャ11に収容される側の端面に開口して形成されたスプリング収容穴21に収容され、そのスプリング収容穴21の底面で支持されている。リターンスプリング14の他方の端部は、スプリングシート22を介して、プランジャ11のシリンダ10から突出する側の端部を押圧している。この押圧によって、リターンスプリング14は、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向に付勢している。プランジャ11のシリンダ10からの突出端は、チェーンガイド8に当接している。
シリンダ10には、シリンダ10の外部の飛沫オイル(例えば、エンジン内部で回転するチェーン6等によって飛散される飛沫オイル)をシリンダ10の内部に導入するオイル導入孔23が形成されている。オイル導入孔23は、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分の上方に対向する位置でシリンダ10を上下に貫通している。オイル導入孔23からシリンダ10の内部に導入される飛沫オイルが、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分を潤滑する。
また、シリンダ10には、シリンダ10の内部のオイルをシリンダ10の外部に排出するオイル排出孔24が設けられている。オイル排出孔24は、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分の下方に対向する位置でシリンダ10を上下に貫通している。
ロッドシート13は、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部と軸方向に対向するようにシリンダ10内に固定して設けられている。ロッドシート13の固定は、ロッドシート13の外周をシリンダ10の内周に締め代をもって嵌合することで行なうことができる。ロッドシート13は、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部を受け止める部分が凹形状とされている。
図3に示すように、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19のフランク角θ1は、72°〜78°の範囲に設定されている。押込側フランク19のフランク角θ1を72°以上とすることにより、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に静的に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19間で滑りが生じるのを確実に防止することができる。また、押込側フランク19のフランク角θ1を78°以下とすることにより、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18が楔のように噛み込んでロックする事態を防止することができる。
雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20のフランク角θ2は、12°〜18°の範囲に設定されている。突出側フランク20のフランク角θ2を18°以下とすることにより、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に静的に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20間に滑りを生じさせ、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向にスクリュロッド12とプランジャ11を円滑に相対移動させることができる。
図4に示すように、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部には、スクリュロッド12の軸線に直交する端面30と、端面30を囲む環状の凸曲面31とが形成されている。凸曲面31は、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面である。凸曲面31は、スクリュロッド12の軸線に沿った断面形状が円弧状となるように形成されている。凸曲面31は、例えば、スクリュロッド12の軸線上に中心をもつ凸球面である。
ロッドシート13には、スクリュロッド12の端面30と軸方向に対向する内底面32と、内底面32を囲むテーパ内面33とが形成されている。テーパ内面33は、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面である。テーパ内面33は、スクリュロッド12の軸線に沿った断面形状が直線状となる円錐状に形成され、スクリュロッド12の軸線まわりに環状に凸曲面31と線接触している。
スクリュロッド12は、鉄系材料(例えばSCMやSCr等の鋼材)で形成されている。また、スクリュロッド12は浸炭焼入焼戻しが施され、これにより、凸曲面31を含む表面に700HV〜900HVの範囲の硬度が付与されている。
ロッドシート13は、スクリュロッド12の凸曲面31の部分よりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成されている。高硬度材料は、例えば、1000HV以上の硬度を有するセラミックスである。セラミックスとしては、ジルコニア、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウムのいずれかを採用することができる。また、ロッドシート13を構成する高硬度材料として、セラミックスと金属の複合材料(サーメット等)や、セラミックスと繊維の複合材料を採用することも可能である。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ11がシリンダ10内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、プランジャ11の内周の雌ねじ18の押込側フランク19とスクリュロッド12の外周の雄ねじ17の押込側フランク19とが互いに摺動しながら、プランジャ11とスクリュロッド12が相対回転するので、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19同士の摩擦抵抗によってダンパ作用が生じる。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなったときは、プランジャ11がシリンダ10から突出し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、リターンスプリング14の付勢力によって、プランジャ11の内周の雌ねじ18の突出側フランク20が、スクリュロッド12の外周の雄ねじ17の突出側フランク20に当接し、その雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20間の滑りによってスクリュロッド12またはプランジャ11が回転し、プランジャ11はシリンダ10から突出する方向に移動する。
また、エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合がある。この場合、チェーン6が振動しないので、プランジャ11の内周の雌ねじ18の押込側フランク19とスクリュロッド12の外周の雄ねじ17の押込側フランク19との間に滑りが生じず、プランジャ11の位置が固定される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナ1は、図4に示すように、スクリュロッド12の凸曲面31とロッドシート13のテーパ内面33が、スクリュロッド12の軸線まわりに環状に線接触するので、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面積が小さい。そのため、チェーン6の張力変動に応じて、スクリュロッド12が円滑に回転する。
ここで、長期にわたってチェーンテンショナ1を使用したときに、スクリュロッド12の凸曲面31がロッドシート13のテーパ内面33に食い込む形で摩耗し、ロッドシート13のテーパ内面33とスクリュロッド12の凸曲面31とが大きな幅をもった環状の領域で面接触することになり、スクリュロッド12の回転動作が不安定になる可能性があるという問題がある。
この問題に対し、チェーンテンショナ1は、ロッドシート13が、スクリュロッド12よりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成されているので、スクリュロッド12の凸曲面31がロッドシート13のテーパ内面33に食い込む形で摩耗するのを防止することができ、長期にわたってチェーンテンショナ1を使用したときにも、スクリュロッド12の円滑な回転動作を維持することが可能となっている。また、摩耗粉の発生も抑えることが可能である。
なお、材料の硬度と摩耗量の関係は、次のホルムの式により算出することができる。
V=k・W・L/H
ここで、V:摩耗量,k:摩耗係数,W:荷重,L:すべり距離,H:材料の硬さ
すなわち、材料の硬度と摩耗量は、反比例の関係にある。このことからも、ロッドシート13の材料として、鋼の熱処理で得られる表面硬さよりも高い硬度をもつ高硬度材料(特にセラミックス)を使用することで、ロッドシート13の耐摩耗性を高めることができることが分かる。
また、このチェーンテンショナ1は、スクリュロッド12の軸線に沿った断面形状が直線状となる円錐状のテーパ内面33を採用しているので、テーパ内面33の形成が容易である。そのため、高硬度材料からなるロッドシート13に、精度よくテーパ内面33を形成することが可能である。
図5に示すように、雄ねじ17の表面(好ましくは押込側フランク19の部分)を梨地とすると好ましい。このようにすると、雄ねじ17と雌ねじ18の間にスクイズ効果による油膜が形成されるのを梨地が防止するので、安定したダンパ作用を得ることが可能となる。図では、雄ねじ17の表面を梨地とした例を示したが、雌ねじ18の表面を梨地としてもよく、雄ねじ17と雌ねじ18の両方の表面を梨地としてもよい。梨地は、ショットピーニングによって加工することができる。
図6に示すように、アシストスプリング25を追加してもよい。図6において、アシストスプリング25は、プランジャ11のシリンダ10内への挿入端とロッドシート13の間に組み込まれた圧縮コイルばねである。アシストスプリング25の一端はロッドシート13で支持され、アシストスプリング25の他端はプランジャ11のシリンダ10内への挿入端を押圧している。このアシストスプリング25を設けると、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の付勢力が高まり、チェーンガイド8のチェーン6に対する追従性を向上させることが可能となる。
図7、図8に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ1を採用したチェーン伝動装置を示す。第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
シリンダ10は、チェーン6の張力に応じて揺動するチェーンガイド8と、継ぎ目のない一体に形成されている。シリンダ10とチェーンガイド8の材質としては、繊維強化材を配合した合成樹脂を採用することができる。合成樹脂としては、例えば、ナイロン66やナイロン46などのポリアミド(PA)を使用することができる。また、合成樹脂に配合する繊維強化材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維などを使用することができる。その他の構成は第1実施形態と同様である。図9に示すように、アシストスプリング25、オイル導入孔23、オイル排出孔24を追加してもよい。
シリンダ10は、チェーンガイド8のチェーン6に接触する側とは反対側に開口している。プランジャ11のシリンダ10からの突出端は、エンジンブロックに固定されたピン26に当接している。
図10に示すように、チェーンガイド8のチェーン6に摺接する部分8aのみを、繊維強化材を配合した合成樹脂で形成し、チェーンガイド8のチェーン6に摺接する部分8a以外の部分8bとシリンダ10とをアルミ合金で一体に形成してもよい。
また、上記各実施形態では、チェーンテンショナ1を、クランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達するチェーン伝動装置に組み込んだ例を挙げて説明したが、チェーンテンショナ1は、クランクシャフト2の回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するチェーン伝動装置や、クランクシャフト2の回転をバランサシャフトに伝達するチェーン伝動装置や、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するチェーン伝動装置に組み込むことも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
6 チェーン
8 チェーンガイド
10 シリンダ
11 プランジャ
12 スクリュロッド
13 ロッドシート
14 リターンスプリング
17 雄ねじ
18 雌ねじ
19 押込側フランク
20 突出側フランク
23 オイル導入孔
31 凸曲面
33 テーパ内面
θ1,θ2 フランク角

Claims (12)

  1. シリンダ(10)と、
    前記シリンダ(10)内に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ(10)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(10)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(11)と、
    一方の端部が前記プランジャ(11)内に収容され、他方の端部が前記プランジャ(11)から突出した状態に前記プランジャ(11)に挿入されたスクリュロッド(12)と、
    前記シリンダ(10)内に設けられ、前記スクリュロッド(12)の前記プランジャ(11)から突出する端部を受け止めるロッドシート(13)と、
    前記スクリュロッド(12)の外周に形成された雄ねじ(17)と、
    前記雄ねじ(17)にねじ係合するように前記プランジャ(11)の内周に形成された雌ねじ(18)と、
    前記スクリュロッド(12)と前記プランジャ(11)の間に組み込まれ、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)から突出させる方向に付勢するリターンスプリング(14)と、を備えるチェーンテンショナにおいて、
    前記スクリュロッド(12)の前記ロッドシート(13)に対する接触面を、前記スクリュロッド(12)の軸線に沿った断面形状が円弧状となる凸曲面(31)とし、
    前記ロッドシート(13)の前記スクリュロッド(12)に対する接触面を、前記凸曲面(31)に対して前記スクリュロッド(12)の軸線まわりに環状に線接触するテーパ内面(33)とし、
    前記ロッドシート(13)を、前記スクリュロッド(12)よりも高い硬度をもつ高硬度材料で形成したことを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記高硬度材料は、1000HV以上の硬度を有する材料である請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記高硬度材料は、セラミックスである請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記セラミックスは、ジルコニア、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウムのいずれかである請求項3に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記高硬度材料は、セラミックスと金属の複合材料である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記高硬度材料は、セラミックスと繊維の複合材料である請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記テーパ内面(33)は、前記スクリュロッド(12)の軸線に沿った断面形状が直線状となる円錐状の内面である請求項1から6のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記雌ねじ(18)と前記雄ねじ(17)は、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランク(19)のフランク角(θ1)が、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)から突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランク(20)のフランク角(θ2)よりも大きい鋸歯状とされている請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記押込側フランク(19)のフランク角(θ1)が72°〜78°の範囲に設定され、前記突出側フランク(20)のフランク角(θ2)が12°〜18°の範囲に設定されている請求項8に記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記シリンダ(10)に、前記スクリュロッド(12)の前記プランジャ(11)から突出する部分の上方に対向する位置でシリンダ(10)を上下に貫通し、前記シリンダ(10)の外部の飛沫オイルを前記シリンダ(10)の内部に導入するオイル導入孔(23)を形成した請求項1から9のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  11. 前記雌ねじ(18)と前記雄ねじ(17)の少なくとも一方の表面が梨地とされている請求項1から10のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  12. 前記シリンダ(10)は、チェーン(6)の張力に応じて揺動するチェーンガイド(8)と一体に形成されている請求項1から11のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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