JP2018159409A - チェーンテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリュロッドとロッドシートの接触面間のフレッティング摩耗を防止することが可能なチェーンテンショナを提供する。【解決手段】シリンダ10内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャ11と、プランジャ11に挿入されたスクリュロッド12と、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部を受け止めるロッドシート13と、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向に付勢するリターンスプリング14とを備えるチェーンテンショナにおいて、シリンダ10の外部空間から飛沫オイルを受け入れるようにシリンダ10の外底面35に開口する飛沫オイル導入孔34と、飛沫オイル導入孔34から受け入れたオイルを接触面32に供給するオイル通過孔36とを更に備える。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関のチェーン伝動装置に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車エンジン等の内燃機関に使用されるチェーン伝動装置として、例えば、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するものや、クランクシャフトの回転をオイルポンプやウォーターポンプやスーパーチャージャー等の補機に伝達するものや、クランクシャフトの回転をバランサシャフトに伝達するものや、ツインカムエンジンの吸気カムと排気カムを互いに連結するものなどがある。これらのチェーン伝動装置のチェーンの張力を適正範囲に保つために、チェーンテンショナが使用される。
このチェーンテンショナとして、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1のチェーンテンショナは、横向きに配置されるシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャと、一方の端部がプランジャ内に収容され、他方の端部がプランジャのシリンダへの挿入端から突出した状態にプランジャに挿入されたスクリュロッドと、そのスクリュロッドのプランジャから突出する側の端部を受け止めるロッドシートと、スクリュロッドの外周に形成された雄ねじと、その雄ねじにねじ係合するようにプランジャの内周に形成された雌ねじと、スクリュロッドとプランジャの間に組み込まれたリターンスプリングとを有する。リターンスプリングは、プランジャをシリンダから突出させる方向に付勢している。
このチェーンテンショナは、エンジン作動中にチェーンの張力が大きくなると、そのチェーンの張力によって、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじとが互いに摺動しながら、プランジャとスクリュロッドが相対回転するので、雄ねじと雌ねじの摩擦抵抗によってダンパ作用が生じる。一方、エンジン作動中にチェーンの張力が小さくなると、プランジャがシリンダから突出する方向に移動し、チェーンの弛みを吸収する。
特開2007−32603号公報
特許文献1のチェーンテンショナは、オイルポンプからの油圧の供給を不要とし、その代わり、エンジン内部の飛沫オイルを、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじの間の潤滑に利用している。具体的には、このチェーンテンショナは、シリンダの外部空間から飛沫オイルを受け入れるようにシリンダの外周に開口する飛沫オイル導入用の穴を有し、その穴からシリンダの内部に導入したオイルで、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじの間を潤滑するようにしている。
しかしながら、特許文献1のチェーンテンショナは、スクリュロッドとロッドシートの接触面間にオイルが行き届かない場合があった。特に、シリンダの外周に開口する飛沫オイル導入用の穴を通ってシリンダの内部に導入された飛沫オイルを、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじの間に効果的に供給するため、プランジャのシリンダからの突出方向が斜め下向きとなるようにチェーンテンショナを設置した場合、スクリュロッドとロッドシートの接触面間の潤滑が不足しやすいという問題があった。スクリュロッドとロッドシートの接触面間の潤滑が不足すると、その接触面間の摺動によって、フレッティング摩耗が生じるおそれがある。
この発明が解決しようとする課題は、スクリュロッドとロッドシートの接触面間のフレッティング摩耗を防止することが可能なチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のチェーンテンショナを提供する。
シリンダと、
前記シリンダ内に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ内への挿入端が開口し、前記シリンダからの突出端が閉塞した筒状のプランジャと、
一方の端部が前記プランジャ内に収容され、他方の端部が前記プランジャの前記シリンダへの挿入端から突出した状態に前記プランジャに挿入されたスクリュロッドと、
前記シリンダ内に設けられ、前記スクリュロッドの前記プランジャから突出する側の端部を受け止めるロッドシートと、
前記スクリュロッドの外周に形成された雄ねじと、
前記雄ねじにねじ係合するように前記プランジャの内周に形成された雌ねじと、
前記スクリュロッドと前記プランジャの間に組み込まれ、前記プランジャを前記シリンダから突出させる方向に付勢するリターンスプリングと、
を備えるチェーンテンショナにおいて、
前記シリンダの外部空間から飛沫オイルを受け入れるように前記シリンダの表面に開口し、前記シリンダの表面から前記ロッドシートに向けて延びるように前記シリンダに形成された飛沫オイル導入孔と、
前記飛沫オイル導入孔からオイルを受け入れ、そのオイルを前記ロッドシートの前記スクリュロッドに対する接触面に供給するように前記ロッドシートに形成されたオイル通過孔と、を更に備えることを特徴とするチェーンテンショナ。
このようにすると、シリンダの外部空間の飛沫オイルが、シリンダに形成された飛沫オイル導入孔とロッドシートに形成されたオイル通過孔とを順に通って、ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面に供給される。そのため、スクリュロッドとロッドシートの接触面間のフレッティング摩耗を効果的に防止することができる。
前記スクリュロッドのロッドシートに対する接触面と前記ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面が環状の面である場合、前記スクリュロッドのロッドシートに対する接触面または前記ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面に、前記スクリュロッドと前記ロッドシートの接触面間を径方向に横切るオイル溝を形成すると好ましい。
このようにすると、オイル溝からスクリュロッドとロッドシートの接触面間の径方向全域にオイルを供給することができるので、スクリュロッドとロッドシートの接触面間を効果的に潤滑することができるとともに、スクリュロッドとロッドシートの接触面間で生じた摩耗粉をオイル溝から円滑に排出することが可能となる。
前記オイル溝は、周方向に間隔をおいて複数形成すると好ましい。
このようにすると、スクリュロッドの回転の位置によらず、複数のオイル溝のいずれかが下側にくるので、スクリュロッドとロッドシートの接触面間を安定して潤滑することができるとともに、スクリュロッドとロッドシートの接触面間で生じた摩耗粉を安定して排出することが可能となる。
前記シリンダの外部空間から飛沫オイルを受け入れるように前記シリンダの外周に開口し、前記シリンダの外周から、前記シリンダの内周の、前記スクリュロッドの前記プランジャから突出する部分の外径側に対向する部分に至る第2の飛沫オイル導入孔を更に設けると好ましい。
このようにすると、第2の飛沫オイル導入孔からシリンダの内部に導入されたオイルで、プランジャの内周の雌ねじとスクリュロッドの外周の雄ねじの間を効率的に潤滑するとともに、スクリュロッドのプランジャから突出する部分の表面に付着した摩耗粉を効率的に落とすことが可能となる。
前記雌ねじと前記雄ねじは、前記プランジャを前記シリンダ内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランクのフランク角が、前記プランジャを前記シリンダから突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランクのフランク角よりも大きい鋸歯状とすることができる。
このようにすると、雄ねじと雌ねじの押込側フランク同士の摺動抵抗が大きくなるので、高いダンパ作用を発揮することが可能となる。
このとき、前記押込側フランクのフランク角を72°〜78°の範囲に設定し、前記突出側フランクのフランク角を12°〜18°の範囲に設定することができる。
前記雌ねじと前記雄ねじの少なくとも一方の表面を梨地とすることができる。
このようにすると、雄ねじと雌ねじの間にスクイズ効果による油膜が形成されるのを梨地が防止するので、安定したダンパ作用を得ることが可能となる。
前記シリンダは、チェーンの張力に応じて揺動するチェーンガイドと一体に形成することができる。
この発明のチェーンテンショナは、シリンダの外部空間の飛沫オイルが、シリンダに形成された飛沫オイル導入孔とロッドシートに形成されたオイル通過孔とを順に通って、ロッドシートのスクリュロッドに対する接触面に供給される。そのため、スクリュロッドとロッドシートの接触面間のフレッティング摩耗を効果的に防止することができる。
この発明の第1実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す部分断面図 図1のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図2に示す雄ねじと雌ねじの拡大図 図3に示す雄ねじの押込側フランクに油膜排除溝を設けた変形例を示す拡大断面図 図3に示す雄ねじの表面を梨地にした変形例を示す断面図 図2のロッドシート近傍の拡大断面図 図6に示すスクリュロッドをVII−VII線の位置から見た図 図7に示すオイル溝を3本以上とした変形例を示す図 図6に示すオイル溝をロッドシートの側に設けた変形例を示す断面図 図9に示すロッドシートをX−X線の位置から見た図 図10に示すオイル溝を3本以上とした変形例を示す図 図10に示すオイル溝を径方向に対して傾斜させた変形例を示す図 図2に示すチェーンテンショナにアシストスプリングとオイル排出孔を追加した変形例を示す断面図 この発明の第2実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す部分断面図 図14のチェーンテンショナ近傍の拡大断面図 図14に示すチェーンガイドのチェーンに摺接する部分とその他の部分とを別体にした変形例を示す図
図1に、この発明の第1実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
図2に示すように、チェーンテンショナ1は、シリンダ10と、シリンダ10内に軸方向に摺動可能に挿入された筒状のプランジャ11と、一方の端部がプランジャ11内に収容され、他方の端部がプランジャ11のシリンダ10への挿入端から突出した状態にプランジャ11に挿入されたスクリュロッド12と、そのスクリュロッド12のプランジャ11から突出する側の端部を受け止めるロッドシート13と、スクリュロッド12とプランジャ11の間に組み込まれたリターンスプリング14とを有する。
シリンダ10は一端が開口し、他端が閉塞した有底筒状に形成されている。シリンダ10は、シリンダ10の外周に一体に形成された複数の取り付け片15にボルト16を締め込むことによって、エンジンブロック(図示せず)の側面に固定されている。ここで、シリンダ10は、エンジンを自動車等に搭載したときに、プランジャ11のシリンダ10からの突出方向が斜め下向きとなるようにエンジンブロックに取り付けられる。
プランジャ11は、シリンダ10内への挿入端が開口し、シリンダ10からの突出端が閉塞する筒状に形成されている。プランジャ11の材質は、鉄系材料(例えばSCMやSCr等の鋼材)である。プランジャ11の外周は円筒面であり、シリンダ10の内周も円筒面である。プランジャ11の外周とシリンダ10の内周の間の隙間の大きさは微小であり、半径差で0.015〜0.080mmの範囲に設定されている。
スクリュロッド12の外周には雄ねじ17が形成されている。雄ねじ17は、プランジャ11の内周に形成された雌ねじ18とねじ係合している。スクリュロッド12の材質は、鉄系材料(例えばSCMやSCr等の鋼材)である。雄ねじ17は、冷間鍛造でスクリュロッド12のブランク(有底筒状素材)を形成した後、そのブランクの外周に転造を施すことで形成することができる。
スクリュロッド12の外周の雄ねじ17と、プランジャ11の内周の雌ねじ18は、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランク19のフランク角θ1(図3参照)が、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランク20のフランク角θ2(図3参照)よりも大きい鋸歯状に形成されている。
プランジャ11のシリンダ10からの突出端とスクリュロッド12との間には、リターンスプリング14が組み込まれている。リターンスプリング14の一方の端部は、スクリュロッド12のプランジャ11に収容される側の端面に開口して形成されたスプリング収容穴21に収容され、そのスプリング収容穴21の底面で支持されている。リターンスプリング14の他方の端部は、スプリングシート22を介して、プランジャ11のシリンダ10から突出する側の端部を押圧している。この押圧によって、リターンスプリング14は、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向に付勢している。プランジャ11のシリンダ10からの突出端は、チェーンガイド8に当接している。
図3に示すように、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19のフランク角θ1は、72°〜78°の範囲に設定されている。押込側フランク19のフランク角θ1を72°以上とすることにより、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に静的に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19間で滑りが生じるのを確実に防止することができる。また、押込側フランク19のフランク角θ1を78°以下とすることにより、プランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18が楔のように噛み込んでロックする事態を防止することができる。
雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20のフランク角θ2は、12°〜18°の範囲に設定されている。突出側フランク20のフランク角θ2を18°以下とすることにより、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の軸方向荷重がスクリュロッド12とプランジャ11の間に静的に負荷されたときに、雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20間に滑りを生じさせ、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向にスクリュロッド12とプランジャ11を円滑に相対移動させることができる。
図6に示すように、スクリュロッド12のプランジャ11からの突出側の端部には、スクリュロッド12の軸心に直交する端面30と、ロッドシート13に対する接触面31とが形成されている。ロッドシート13に対する接触面31は、端面30を囲む環状のテーパ面である。接触面31として、図では断面直線状のテーパ面を示したが、断面円弧状のテーパ面を採用することも可能である。
ロッドシート13は、スクリュロッド12のプランジャ11からの突出側の端部と軸方向に対向するようにシリンダ10の内底面33に固定して設けられている。ロッドシート13の固定は、ロッドシート13の外周をシリンダ10の内周に締め代をもって嵌合することで行なうことができる。ロッドシート13は、スクリュロッド12のプランジャ11からの突出側の端部を受け止める部分が凹形状とされている。ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面32は、環状のテーパ内面である。
シリンダ10の底部には、飛沫オイル導入孔34が設けられている。飛沫オイル導入孔34は、シリンダ10の外部空間から飛沫オイル(例えば、エンジン内部で回転するチェーン6等によって飛散される飛沫オイル)を受け入れるように、シリンダ10の表面(この実施形態では外底面35)に開口して形成されている。飛沫オイル導入孔34は、シリンダ10の表面(シリンダ10の外底面35)からロッドシート13に向けて延び、シリンダ10の内面の、ロッドシート13と対向する部分(ここではシリンダ10の内底面33)に開口している。
ロッドシート13には、オイル通過孔36が設けられている。オイル通過孔36は、シリンダ10の飛沫オイル導入孔34からオイルを受け入れるように、ロッドシート13の表面の、飛沫オイル導入孔34と対向する部分(ここではシリンダ10の内底面33に対向する面37)に開口して形成されている。オイル通過孔36は、飛沫オイル導入孔34から受け入れたオイルを、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面32に供給するように、ロッドシート13の内部を通って、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する環状の接触面32の中心位置に開口している。
図6、図7に示すように、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面31には、オイル溝38が形成されている。オイル溝38は、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面31を径方向に横切って形成されている。また、オイル溝38は、周方向に一定の間隔をおいて2つ形成されている。
図2に示すように、シリンダ10の周壁には、第2の飛沫オイル導入孔39が設けられている。第2の飛沫オイル導入孔39は、シリンダ10の外部空間から飛沫オイルを受け入れるように、シリンダ10の外周上面40に開口して形成されている。第2の飛沫オイル導入孔39は、シリンダ10の外周上面40から下方に延び、シリンダ10の内周の、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分の外径側に対向する部分に至っている。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジン作動中にチェーン6の張力が大きくなると、そのチェーン6の張力によって、プランジャ11がシリンダ10内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、プランジャ11の内周の雌ねじ18の押込側フランク19とスクリュロッド12の外周の雄ねじ17の押込側フランク19とが互いに摺動しながら、プランジャ11とスクリュロッド12が相対回転するので、雄ねじ17と雌ねじ18の押込側フランク19同士の摩擦抵抗によってダンパ作用が生じる。
一方、エンジン作動中にチェーン6の張力が小さくなったときは、プランジャ11がシリンダ10から突出し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、リターンスプリング14の付勢力によって、プランジャ11の内周の雌ねじ18の突出側フランク20が、スクリュロッド12の外周の雄ねじ17の突出側フランク20に当接し、その雄ねじ17と雌ねじ18の突出側フランク20間の滑りによってスクリュロッド12またはプランジャ11が回転し、プランジャ11はシリンダ10から突出する方向に移動する。
また、エンジン停止時に、カムシャフト4の停止位置によってチェーン6の張力が大きくなる場合がある。この場合、チェーン6が振動しないので、プランジャ11の内周の雌ねじ18の押込側フランク19とスクリュロッド12の外周の雄ねじ17の押込側フランク19との間に滑りが生じず、スクリュロッド12の位置が固定される。そのため、エンジンを再始動するときに、チェーン6の弛みを生じにくく、円滑なエンジン始動が可能である。
このチェーンテンショナ1は、オイルポンプによる油圧の供給を必要としないので、エンジン側にチェーンテンショナ1のための給油通路を加工する必要がなく、チェーン伝動装置の製造コストを低減することが可能である。また、チェーンテンショナ1への油圧供給が無い分、オイルポンプの負荷を低減することが可能である。
具体的には、エンジン作動中、シリンダ10の外部空間の飛沫オイルが、シリンダ10に形成された第2の飛沫オイル導入孔39を通ってシリンダ10の内部に導入され、そのオイルで、プランジャ11の内周の雌ねじ18とスクリュロッド12の外周の雄ねじ17の間を効率的に潤滑するとともに、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分の表面に付着した摩耗粉を効率的に落とすことが可能となっている。
また、エンジン作動中、シリンダ10の外部空間の飛沫オイルが、シリンダ10に形成された飛沫オイル導入孔34とロッドシート13に形成されたオイル通過孔36とを順に通って、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面32に供給され、そのオイルで、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を潤滑することができる。そのため、このチェーンテンショナ1は、特にプランジャ11のシリンダ10からの突出方向が斜め下向きとなるように設置した場合に、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を効果的に潤滑し、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間のフレッティング摩耗を効果的に防止することができる。
また、このチェーンテンショナ1は、図6、図7に示すように、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面31に、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を径方向に横切るオイル溝38が形成されているので、オイル溝38からスクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間の径方向全域にオイルを供給することができる。そのため、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を効果的に潤滑することができるとともに、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間で生じた摩耗粉をオイル溝38から円滑に排出することが可能となっている。
また、このチェーンテンショナ1は、周方向に間隔をおいて複数のオイル溝38を形成しているので、スクリュロッド12の回転の位置によらず、複数のオイル溝38のいずれかが下側にくる。そのため、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を安定して潤滑することができるとともに、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間で生じた摩耗粉を安定して排出することが可能となっている。
上記実施形態では、図7に示すように、2つのオイル溝38を周方向に等間隔に設けた例を説明したが、図8に示すように、3つ以上のオイル溝38を周方向に等間隔に設けると、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を、より安定して潤滑することが可能となるとともに、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間で生じた摩耗粉を、より安定して排出することが可能となる。
上記実施形態では、スクリュロッド12のロッドシート13に対する接触面31にオイル溝38を形成した例を説明したが、図9、図10に示すように、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面32に、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を径方向に横切るオイル溝38を形成するようにしてもよい。このようにしても、オイル溝38からスクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間の径方向全域にオイルを供給することができるので、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間を効果的に潤滑することができるとともに、スクリュロッド12とロッドシート13の接触面31,32間で生じた摩耗粉をオイル溝38から円滑に排出することが可能となる。
図11に示すように、ロッドシート13のスクリュロッド12に対する接触面32にオイル溝38を形成する場合も、複数のオイル溝38を周方向に間隔をおいて形成すると好ましい。図12に示すように、オイル溝38は、径方向に対して傾斜させることも可能である。このようにすると、オイル溝38の溝縁の長さが長くなるので、オイル溝38による潤滑効果が一層高くなる。
図4に示すように、雄ねじ17の押込側フランク19に、油膜排除溝41を形成してもよい。このようにすると、雄ねじ17と雌ねじ18の間にスクイズ効果による油膜が形成されるのを油膜排除溝41が防止するので、安定したダンパ作用を得ることが可能となる。油膜排除溝41としては、押込側フランク19の中央部分をねじのリードに沿って延びる螺旋状の溝を採用すると、雄ねじ17の転造と同時に油膜排除溝41を成形することができるので、低コストである。
図5に示すように、雄ねじ17の表面(好ましくは押込側フランク19の部分)を梨地とすると好ましい。このようにすると、雄ねじ17と雌ねじ18の間にスクイズ効果による油膜が形成されるのを梨地が防止するので、安定したダンパ作用を得ることが可能となる。図では、雄ねじ17の表面を梨地とした例を示したが、雌ねじ18の表面を梨地としてもよく、雄ねじ17と雌ねじ18の両方の表面を梨地としてもよい。梨地は、ショットピーニングによって加工することができる。
図13に示すように、アシストスプリング42を追加してもよい。図13において、アシストスプリング42は、プランジャ11のシリンダ10内への挿入端とロッドシート13の間に組み込まれた圧縮コイルばねである。アシストスプリング42を設けると、プランジャ11をシリンダ10から突出させる方向の付勢力が高まり、チェーンガイド8のチェーン6に対する追従性を向上させることが可能となる。
図13に示すように、シリンダ10の内周下面を上下に貫通するオイル排出孔43を設けてもよい。オイル排出孔43を設けると、スクリュロッド12とロッドシート13の接触部分からオイルとともに流れ落ちた摩耗粉と、スクリュロッド12のプランジャ11から突出する部分の表面からオイルとともに流れ落ちた摩耗粉とを、シリンダ10の内部から効率的に排出することが可能となる。
図14、図15に、この発明の第2実施形態のチェーンテンショナ1を採用したチェーン伝動装置を示す。第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
シリンダ10は、チェーン6の張力に応じて揺動するチェーンガイド8と、継ぎ目のない一体に形成されている。シリンダ10とチェーンガイド8の材質としては、繊維強化材を配合した合成樹脂を採用することができる。合成樹脂としては、例えば、ナイロン66やナイロン46などのポリアミド(PA)を使用することができる。また、合成樹脂に配合する繊維強化材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維などを使用することができる。
シリンダ10は、チェーンガイド8のチェーン6に接触する側とは反対側に開口している。プランジャ11のシリンダ10からの突出端は、エンジンブロックに固定されたピン44に当接している。
シリンダ10の底部には、飛沫オイル導入孔34が設けられている。飛沫オイル導入孔34は、シリンダ10の外部空間から飛沫オイルを受け入れるように、シリンダ10の表面(この実施形態ではシリンダ10の外周上面40)に開口して形成されている。飛沫オイル導入孔34は、シリンダ10の表面(シリンダ10の外周上面40)からロッドシート13に向けてL字状に延び、シリンダ10の内面の、ロッドシート13と対向する部分(ここではシリンダ10の内底面33)に開口している。飛沫オイル導入孔34は、シリンダ10の外周の上面部分から下方に延びる縦孔部分34aと、その縦孔部分34aに交差する横孔部分34bとからなる。横孔部分34bはシリンダ10の内底面33に開口している。
その他の構成は第1実施形態と同様である。このチェーンテンショナ1は、オイルポンプによる油圧の供給を必要としないので、給油通路を持つエンジンブロックの側ではなく、給油通路を持たないチェーンガイド8の側への取り付けが可能となっている。
図16に示すように、チェーンガイド8のチェーン6に摺接する部分8aのみを、繊維強化材を配合した合成樹脂で形成し、チェーンガイド8のチェーン6に摺接する部分8a以外の部分8bとシリンダ10とをアルミ合金で一体に形成してもよい。
上記実施形態では、シリンダ10の外周上面40に開口する飛沫オイル導入孔34を例に挙げて説明したが、飛沫オイル導入孔34は、チェーンガイド8のチェーン6と摺動する面に開口させてもよい。すなわち、チェーンガイド8のチェーン6と摺動する面からロッドシート13に向けて延びる飛沫オイル導入孔34を採用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チェーンテンショナ
6 チェーン
8 チェーンガイド
10 シリンダ
11 プランジャ
12 スクリュロッド
13 ロッドシート
14 リターンスプリング
17 雄ねじ
18 雌ねじ
19 押込側フランク
20 突出側フランク
31,32 接触面
34 飛沫オイル導入孔
35 外底面
36 オイル通過孔
38 オイル溝
39 第2の飛沫オイル導入孔
40 外周上面
θ1,θ2 フランク角

Claims (8)

  1. シリンダ(10)と、
    前記シリンダ(10)内に軸方向に摺動可能に挿入され、前記シリンダ(10)内への挿入端が開口し、前記シリンダ(10)からの突出端が閉塞した筒状のプランジャ(11)と、
    一方の端部が前記プランジャ(11)内に収容され、他方の端部が前記プランジャ(11)の前記シリンダ(10)への挿入端から突出した状態に前記プランジャ(11)に挿入されたスクリュロッド(12)と、
    前記シリンダ(10)内に設けられ、前記スクリュロッド(12)の前記プランジャ(11)から突出する側の端部を受け止めるロッドシート(13)と、
    前記スクリュロッド(12)の外周に形成された雄ねじ(17)と、
    前記雄ねじ(17)にねじ係合するように前記プランジャ(11)の内周に形成された雌ねじ(18)と、
    前記スクリュロッド(12)と前記プランジャ(11)の間に組み込まれ、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)から突出させる方向に付勢するリターンスプリング(14)と、
    を備えるチェーンテンショナにおいて、
    前記シリンダ(10)の外部空間から飛沫オイルを受け入れるように前記シリンダ(10)の表面(35,40)に開口し、前記シリンダ(10)の表面(35,40)から前記ロッドシート(13)に向けて延びるように前記シリンダ(10)に形成された飛沫オイル導入孔(34)と、
    前記飛沫オイル導入孔(34)からオイルを受け入れ、そのオイルを前記ロッドシート(13)の前記スクリュロッド(12)に対する接触面(32)に供給するように前記ロッドシート(13)に形成されたオイル通過孔(36)と、を更に備えることを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記スクリュロッド(12)のロッドシート(13)に対する接触面(31)と前記ロッドシート(13)のスクリュロッド(12)に対する接触面(32)は環状の面であり、
    前記スクリュロッド(12)のロッドシート(13)に対する接触面(31)または前記ロッドシート(13)のスクリュロッド(12)に対する接触面(32)に、前記スクリュロッド(12)と前記ロッドシート(13)の接触面(31,32)間を径方向に横切るオイル溝(38)が形成されている請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記オイル溝(38)は、周方向に間隔をおいて複数形成されている請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記シリンダ(10)の外部空間から飛沫オイルを受け入れるように前記シリンダ(10)の外周に開口し、前記シリンダ(10)の外周から、前記シリンダ(10)の内周の、前記スクリュロッド(12)の前記プランジャ(11)から突出する部分の外径側に対向する部分に至る第2の飛沫オイル導入孔(39)を更に備える請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記雌ねじ(18)と前記雄ねじ(17)は、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)内に押し込む方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける押込側フランク(19)のフランク角(θ1)が、前記プランジャ(11)を前記シリンダ(10)から突出させる方向の荷重を負荷したときに圧力を受ける突出側フランク(20)のフランク角(θ2)よりも大きい鋸歯状とされている請求項1から4のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記押込側フランク(19)のフランク角(θ1)が72°〜78°の範囲に設定され、前記突出側フランク(20)のフランク角(θ2)が12°〜18°の範囲に設定されている請求項5に記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記雌ねじ(18)と前記雄ねじ(17)の少なくとも一方の表面が梨地とされている請求項1から6のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記シリンダ(10)は、チェーン(6)の張力に応じて揺動するチェーンガイド(8)と一体に形成されている請求項1から7のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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