JP2018194078A - ロボットおよび歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車装置の長寿命化を図ることができるロボットおよび歯車装置を提供すること。【解決手段】内歯歯車と、外歯歯車と、波動発生器と、を有し、前記波動発生器は、非円形状の外周面を有するカムと、前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、前記軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、前記外輪は、前記複数のボールが接触する軌道面と、前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、前記肩部から前記軌道面とは反対側の端部に向けて前記外輪の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部と、を有することを特徴とする歯車装置。【選択図】図3

Description

本発明は、ロボットおよび歯車装置に関するものである。
例えば、少なくとも1つのアームを含んで構成されたロボットアームを備えるロボットでは、一般に、ロボットアームの関節部を駆動するためのモーターからの駆動力の回転を減速機により減速することが行われている。このような減速機として、例えば、特許文献1に記載されている波動歯車装置のような歯車装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の波動歯車装置は、円環状の剛性内歯歯車と、剛性内歯歯車に噛合する可撓性外歯歯車と、可撓性外歯歯車の内側に配置され、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車との噛み合い領域を周方向に移動させる波動発生器と、を備える。ここで、波動発生器は、非円形状に形成された剛性体の外周面に撓められている環状の可撓性の軸受(深溝玉軸受)を有する。
特開2015−209931号公報
しかし、特許文献1に記載の波動歯車装置は、波動発生器が有する軸受の外輪が可撓性外歯歯車の内周面に対して線接触し、可撓性外歯歯車に応力が集中し、長寿命化が難しいという課題がある。
本発明の目的は、歯車装置の長寿命化を図ることができるロボットおよび歯車装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
本適用例のロボットは、基台またはアームを構成している第1部材と、
前記第1部材に対して回動可能に設けられているアームを構成している第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
前記歯車装置は、
内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記内歯歯車、前記外歯歯車および前記波動発生器よりなる群から選択される2つの部材のうちの一方の部材が前記第1部材に対して接続され、他方の部材が前記第2部材に対して接続され、
前記波動発生器は、
非円形状の外周面を有するカムと、
前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
前記軸受は、
内輪と、
外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
前記外輪は、
前記複数のボールが接触する軌道面と、
前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
前記肩部から前記軌道面とは反対側の端部に向けて前記外輪の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部と、を有することを特徴とする。
このようなロボットによれば、外輪が薄肉部を有することで、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させ、外輪の外周面が外歯歯車の内周面に面接触する領域を増やして、外輪と外歯歯車との接触面積を大きくすることができる。そのため、外歯歯車の外輪との接触による応力集中を低減し、その結果、歯車装置の長寿命化を図ることができる。ここで、肩部から軌道面とは反対側の端部に向けて外輪の内径が拡がるように薄肉部の厚さが薄くなっているため、波動発生器のカムの回転角度による外輪と外歯歯車との接触面積の変化を低減することができるという利点もある。
本適用例のロボットでは、前記外輪の外周面は、前記断面視で前記回動軸に沿った方向に延びている部分を有し、
前記薄肉部の少なくとも一部は、前記回動軸に交差する径方向から見た平面視で、前記部分に重なっていることが好ましい。
これにより、波動発生器のカムの回転角度による外輪と外歯歯車との接触面積の変化量を低減することができる。
本適用例のロボットでは、前記薄肉部の前記内輪側の面は、凹状の曲面を有することが好ましい。
これにより、外輪の幅を大きくしなくても、外輪の幅方向での中央部の必要な厚さおよび肩部の必要な高さを確保しつつ、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
本適用例のロボットでは、前記回動軸に沿った方向における前記外輪の幅は、前記回動軸に沿った方向における前記内輪の幅よりも大きいことが好ましい。
これにより、外輪の幅方向での中央部の必要な厚さおよび肩部の必要な高さを確保しつつ、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
本適用例のロボットでは、前記外輪の外周面の幅方向での中央部と前記回動軸との間の距離をR1とし、前記外輪の外周面の幅方向での端部と前記回動軸との間の距離をR2とし、前記軌道面と前記回動軸との間の距離をR3としたとき、
(R1−R2)/(R1−R3)<0.2の関係を満足していることが好ましい。
これにより、波動発生器のカムの回転角度による外輪と外歯歯車との接触面積の変化量を低減することができる。
本適用例のロボットでは、前記肩部と前記薄肉部とは、それぞれ前記断面視で前記軌道面に対して両側に1対設けられていることが好ましい。
これより、薄肉部が断面視で軌道面に対して片側しか設けられていない場合に比べて、外輪と外歯歯車との接触面積を大きくすることができる。
本適用例のロボットでは、前記1対の肩部の高さが互いに異なることが好ましい。
これにより、軸受にラジアル荷重およびスラスト荷重(アキシャル荷重)の双方がかかっても、軸受を介した外歯歯車とカムとの相対的な回転を円滑に行うことができる。そのため、軸受の長寿命化、ひいては、歯車装置の長寿命化を図ることができる。
本適用例の歯車装置は、内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記波動発生器は、
非円形状の外周面を有するカムと、
前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
前記軸受は、
内輪と、
外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
前記外輪は、
前記複数のボールが接触する軌道面と、
前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
前記肩部から前記軌道面とは反対側の端部に向けて前記外輪の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部と、を有することを特徴とする。
このような歯車装置によれば、外輪が薄肉部を有することで、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させ、外輪の外周面が外歯歯車の内周面に面接触する領域を増やして、外輪と外歯歯車との接触面積を大きくすることができる。そのため、外歯歯車の外輪との接触による応力集中を低減し、その結果、歯車装置の長寿命化を図ることができる。ここで、肩部から軌道面とは反対側の端部に向けて外輪の内径が拡がるように薄肉部の厚さが薄くなっているため、波動発生器のカムの回転角度による外輪と外歯歯車との接触面積の変化を低減することができるという利点もある。
本適用例の歯車装置は、内歯歯車と、
前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記波動発生器は、
非円形状の外周面を有するカムと、
前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
前記軸受は、
内輪と、
外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
前記外輪は、
前記複数のボールが接触する軌道面と、
前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
前記肩部に対して前記軌道面とは反対側に設けられ、前記軌道面と前記外輪の外周面との間の厚さよりも薄い薄肉部と、を有することを特徴とする。
このような歯車装置によれば、外輪が薄肉部を有することで、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させ、外輪の外周面が外歯歯車の内周面に面接触する領域を増やして、外輪と外歯歯車との接触面積を大きくすることができる。そのため、外歯歯車の外輪との接触による応力集中を低減し、その結果、歯車装置の長寿命化を図ることができる。ここで、薄肉部の厚さが軌道面と外輪の外周面との間の厚さよりも薄いため、外輪の幅方向での中央部の必要な厚さを確保しつつ、外輪を回動軸に対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。 図2に示す歯車装置の縦断面図である。 図2に示す歯車装置の正面図である。 図2に示す歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。 従来の歯車装置の部分拡大縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。 本発明の第6実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
以下、本発明のロボットおよび歯車装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、本発明のロボットの実施形態について説明する。
図1は、本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。
図1に示すロボット100は、6軸の垂直多関節ロボットであり、例えば、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
ロボット100は、基台111と、基台111に接続されたロボットアーム120と、ロボットアーム120の先端部に設けられた力検出器140およびハンド130と、を有する。また、ロボット100は、ロボットアーム120を駆動させる動力を発生させる複数の駆動源(モーター150および歯車装置1を含む)を制御する制御装置110と、を有している。
基台111は、ロボット100を任意の設置箇所に取り付ける部分である。なお、基台111の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などが挙げられる。
ロボットアーム120は、第1アーム121(アーム)と、第2アーム122(アーム)と、第3アーム123(アーム)と、第4アーム124(アーム)と、第5アーム125(アーム)と、第6アーム126(アーム)とを有し、これらが基端側から先端側に向ってこの順に連結されている。第1アーム121は、基台111に接続されている。第6アーム126の先端には、例えば、各種部品等を把持するハンド130(エンドエフェクター)が着脱可能に取り付けられている。このハンド130は、2本の指131、132を有しており、指131、132で例えば各種部品等を把持することができる。
基台111には、第1アーム121を駆動するサーボモーター等のモーター150および歯車装置1(減速機)を有する駆動源が設けられている。また、図示しないが、各アーム121〜126にも、それぞれ、モーターおよび減速機を有する複数の駆動源が設けられている。そして、各駆動源は、制御装置110により制御される。
このようなロボット100では、歯車装置1が、基台111(第1部材)および第1アーム121(第2部材)の一方側から他方側へ駆動力を伝達する。より具体的には、歯車装置1が、第1アーム121を基台111に対して回動させる駆動力を基台111側から第1アーム121側へ伝達する。ここで、歯車装置1が減速機として機能することにより、モーター150からの駆動力の回転を減速して第1アーム121を基台111に対して回動させることができる。なお、「回動」とはある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
このように、ロボット100は、基台を構成している第1部材である基台111と、基台111に対して回動可能に設けられているアームを構成している第2部材である第1アーム121と、基台111および第1アーム121の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置1と、を備える。
なお、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームを「第2部材」と捉えてもよい。すなわち、第1アーム121、および、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームからなる構造体が「第2部材」であるとも言える。例えば、第1、第2アーム121、122からなる構造体が「第2部材」であるとも言えるし、ロボットアーム120全体が「第2部材」であるとも言える。また、「第2部材」がハンド130を含んでいてもよい。すなわち、ロボットアーム120およびハンド130からなる構造体が「第2部材」であるとも言える。
以上説明したようなロボット100は、以下に説明するような長寿命な歯車装置1を備える。以下、本発明の歯車装置の一例として歯車装置1について説明する。
2.歯車装置
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の縦断面図である。図4は、図2に示す歯車装置の正面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2ないし図4に示す歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。また、図示しないが、歯車装置1の各部(摺動部または接触部)には、必要に応じて、グリース等の潤滑剤が適宜配置されている。
本実施形態では、剛性歯車2が前述したロボット100の基台111(第1部材)に対して固定され、可撓性歯車3が前述したロボット100の第1アーム121(第2部材)に対して接続され、波動発生器4が前述したロボット100のモーター150の回転軸に接続されている。
モーター150の回転軸が回転する(すなわち駆動力が発生する)と、波動発生器4はモーター150の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、これらの歯数差に起因して軸線aまわりに相対的に回転する。本実施形態では剛性歯車2の歯数の方が可撓性歯車3の歯数より多いため、モーター150の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で可撓性歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、可撓性歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、剛性歯車2、可撓性歯車3および波動発生器4の接続形態は、前述した形態に限定されず、例えば、可撓性歯車3を基台111に対して固定し、剛性歯車2を第1アーム121に対して接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができる。また、可撓性歯車3をモーター150の回転軸に接続しても、歯車装置1を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台111に対して固定し、剛性歯車2を第1アーム121に対して接続すればよい。また、歯車装置1を増速機として用いる場合(モーター150の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で可撓性歯車3を回転させる場合)、前述した入力側(モーター150側)と出力側(第1アーム121側)との関係を反対にすればよい。
以下、歯車装置1の構成を簡単に説明する。
図2ないし図4に示すように、剛性歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の内歯歯車である。本実施形態では、剛性歯車2は、平歯車である。すなわち、内歯23は、軸線aに対して平行な歯スジを有する。なお、内歯23の歯スジは、軸線aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車2は、はすば歯車またはやまば歯車であってもよい。
可撓性歯車3は、剛性歯車2の内側に挿通されている。この可撓性歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、剛性歯車2の内歯23に噛み合う外歯33(歯)を有する外歯歯車である。また、可撓性歯車3の歯数は、剛性歯車2の歯数よりも少ない。このように可撓性歯車3および剛性歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
本実施形態では、可撓性歯車3は、図3中軸線a方向の左端に開口35を有するカップ状をなし、その外周面に外歯33が形成されている。ここで、可撓性歯車3は、軸線aまわりの筒状(より具体的には円筒状)の胴部31(筒部)と、胴部31の軸線a方向での一端部側(図3中軸線a方向の右側)に接続(形成)されている底部32(接続部)と、を有する。
図3に示すように、底部32には、軸線aに沿って貫通した孔321と、孔321の周囲において貫通した複数の孔322と、が形成されている。孔321は、出力側の軸体(図示せず)を挿通することができる。また、孔322は、出力側の軸体(図示せず)を底部32に固定するためのネジを挿通するネジ孔として用いることができる。なお、これらの孔は、適宜設ければよく、省略することもできる。
図3および図4に示すように、波動発生器4は、可撓性歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、可撓性歯車3の胴部31の横断面を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させて外歯33を剛性歯車2の内歯23に噛み合わせる。ここで、可撓性歯車3および剛性歯車2は、同一の軸線aまわりに回転可能に互いに内外で噛み合わされることとなる。
本実施形態では、波動発生器4は、カム41と、カム41の外周に装着されている軸受42と、を有している。カム41は、軸線aまわりに回転する軸部411と、軸部411の一端部から外側に突出しているカム部412と、を有している。ここで、カム部412の外周面は、軸線aに沿った方向から見たときに、図3および図4中の上下方向を長軸Laとする楕円形または長円形をなしている。軸受42は、可撓性の内輪421および外輪423と、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。
ここで、内輪421は、カム41のカム部412の外周面に嵌め込まれ、カム部412の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪423も楕円形または長円形に弾性変形している。外輪423の外周面は、胴部31の内周面311に当接している。また、内輪421の外周面および外輪423の内周面は、それぞれ、複数のボール422を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面431、441となっている。また、複数のボール422は、互いの周方向での間隔を一定に保つように、図示しない保持器により保持されている。
特に、波動発生器4が備える軸受42の外輪423は、その幅方向(軸線aに沿う方向)での中央部から端部に向けて厚さが薄くなっている。これにより、外輪423が可撓性歯車3に接触する面積を大きくし、可撓性歯車3に発生する応力集中を低減し、その結果、歯車装置1の長寿命化を図ることができる。なお、軸受42については、後に詳述する。
このような波動発生器4は、カム41が軸線aまわりに回転することに伴って、カム部412の向き(長軸Laの向き)が変わり、それに伴って、外輪423も変形し、剛性歯車2および可撓性歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。なお、このとき、内輪421は、カム部412の外周面に対して固定的に設置されているため、変形状態は変わらない。
以上、歯車装置1の構成を簡単に説明した。この歯車装置1では、前述したように、波動発生器4によって可撓性歯車3の開口35が楕円状に変形するのに伴って、可撓性歯車3の内周面が軸線aに対して傾斜したときに、可撓性歯車3と波動発生器4(より具体的には軸受42の外輪423)との接触面積が小さくなるのを低減するべく、外輪423の幅方向(軸線aに沿う方向)での中央部から端部に向けて厚さが薄くなっている。以下、波動発生器4が有する軸受42について、詳述する。
(軸受の詳細な説明)
図5は、図2に示す歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。図6は、従来の歯車装置の部分拡大縦断面図である。
図5に示すように、軸受42は、可撓性の内輪421および外輪423と、これらの間に周方向に沿って一列に配置されている複数のボール422と、を有している。なお、図5は、軸受42の自然状態(歯車装置1から取り外し、かつ、外力が付与されていない状態)を示している。
内輪421の外周面には、複数のボール422を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面431(内輪側軌道面)が設けられている。この軌道面431は、内輪421の周方向に沿って延び、軸線aを含む平面での横断面がボール422の半径よりわずかに大きい半径の円弧をなしている。このような軌道面431が設けられていることによって、内輪421の外周面には、軸線aに沿う方向で軌道面431の両側に、1対の肩部432(内輪側肩部)が設けられている。
1対の肩部432は、それぞれ、内輪421の周方向に沿って延び、外輪423側に向けて突出している。この1対の肩部432は、前述したスラスト荷重によってボール422が内輪421に対して軸線aに沿った方向に移動するのを規制する規制部として機能する。本実施形態では、1対の肩部432の高さが互いに等しくなっている。
なお、内輪421は、可撓性を有していなくてもよく、この場合、自然状態で前述のカム部412の外周面の形状に対応した形状をなしていればよい。また、内輪421は、前述したカム部412と一体で構成されていてもよい。また、1対の肩部432の高さが互いに異なっていてもよい。
外輪423の内周面には、複数のボール422を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面441(外輪側軌道面)が設けられている。この軌道面441は、外輪423の周方向に沿って延び、横断面がボール422の半径よりわずかに大きい半径の円弧をなしている。このような軌道面441が設けられていることによって、外輪423の内周面には、軌道面441の両側に、1対の肩部442(外輪側肩部)が設けられている。
1対の肩部442は、それぞれ、外輪423の周方向に沿って延び、内輪421側に向けて突出している。この1対の肩部442は、前述したスラスト荷重によってボール422が外輪423に対して軸線aに沿った方向に移動するのを規制する規制部として機能する。本実施形態では、1対の肩部442の高さが互いに等しくなっている。なお、例えば後述する第5実施形態のように、1対の肩部442の高さが互いに異なっていてもよい。
特に、外輪423の内周面は、各肩部442(442a、442b)から軌道面441とは反対側の端部に向けて、軸線aからの距離が大きくなっていて、すなわち、外輪423の内径が大きくなるように傾斜している。これにより、外輪423には、1対の肩部442に対して外輪423の幅方向(軸線aに沿う方向)での外側に、薄肉化された1対の薄肉部443が設けられている。ここで、1対の薄肉部443は、一方の肩部442である肩部442a(図5中右側)に対して外輪423の幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部443aと、他方の肩部442である肩部442b(図5中左側)に対して外輪423の幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部443bとで構成されている。
本実施形態では、外輪423は、図5に示すように、軸線aを含む断面で見た断面視(以下、単に「断面視」ともいう)で、軸線aに沿った方向で対称(左右対称)である。なお、外輪423は、例えば後述する第5実施形態のように、当該断面視で非対称であってもよい。
このような外輪423の薄肉部443(443a、443b)は、図5中二点鎖線で示すように、内輪421側に向けて弾性変形しやすい。そのため、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を大きくすることができる。
より具体的に説明すると、波動発生器4のカム41の長軸La側では、可撓性歯車3の開口35が拡がるように変形し、断面視で可撓性歯車3の内周面が軸線aに対して傾斜した状態で外輪423の外周面の幅方向での一端部(図5中右側端部)に接触する。このとき、薄肉部443aは、可撓性歯車3の内周面の傾斜に応じて傾斜するように弾性変形するため、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を軸線aに沿った方向に大きくすることができる。
一方、波動発生器4のカム41の短軸Lb側では、可撓性歯車3の開口35が狭まるように変形し、断面視で可撓性歯車3の内周面が軸線aに対して前述した長軸La側とは逆方向に傾斜した状態で外輪423の外周面の幅方向での他端部(図5中左側端部)に接触する。このとき、薄肉部443bが可撓性歯車3の内周面の傾斜に応じて傾斜するように弾性変形するため、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を軸線aに沿った方向に大きくすることができる。
また、薄肉部443a、443bは、それぞれ、断面視でカム41の回転に伴う可撓性歯車3の軸線aに対する内周面の傾斜角度の変化に応じて追従するように弾性変形する。そのため、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を周方向に大きくすることもできる。
これに対し、例えば、図6に示すように、変形し難い外輪423Xを有する軸受42Xを用いた場合、外輪423Xの外周面の幅方向(軸線aに沿う方向)での一端部P(図6中右側端部)が可撓性歯車3の内周面に周方向で線接触する。このような線接触によって可撓性歯車3に発生する応力集中が大きくなり、可撓性歯車3の寿命を短くしてしまう。なお、図6では、波動発生器4のカム41の長軸La側の可撓性歯車3の状態を示している。
以上のように、歯車装置1は、内歯歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2に部分的に噛み合って剛性歯車2に対して軸線a(回動軸)まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車である可撓性歯車3と、剛性歯車2の内周面に接触し、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い位置を軸線aまわりの周方向に移動させる波動発生器4と、を有する。そして、剛性歯車2、可撓性歯車3および波動発生器4よりなる群から選択される2つの部材のうちの一方の部材が基台111(第1部材)に対して接続(固定)され、他方の部材が第1アーム121(第2部材)に対して接続されている。
ここで、波動発生器4は、非円形状の外周面を有するカム41と、可撓性歯車3の内周面とカム41の外周面との間に配置されている軸受42と、を有する。また、軸受42は、内輪421と、外輪423と、内輪421と外輪423との間に配置されている複数のボール422と、を有する。
特に、外輪423は、複数のボール422が接触する軌道面441と、軸線aを含む断面で見た断面視で、軌道面441に隣接し(軌道面441の両側に設けられ)ていて内輪421側に突出している1対の肩部442と、肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて外輪423の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部443と、を有する。
このような歯車装置1(または歯車装置1を備えるロボット100)によれば、外輪423が薄肉部443を有することで、外輪423を軸線aに対して傾斜する方向に撓み変形させ、外輪423の外周面444が可撓性歯車3の内周面に面接触する領域(周方向および軸線a方向の双方での領域)を増やして、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を大きくすることができる。そのため、可撓性歯車3の外輪423との接触による応力集中を低減し、その結果、歯車装置1の長寿命化を図ることができる。
ここで、断面視で、各肩部442(442a、442b)のそれぞれから軌道面441とは反対側の端部に向けて外輪423の内径が拡がる(大きくなる)ように薄肉部443(443a、443b)の厚さが薄くなっているため、肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて外輪423の外径が狭まる(小さくなる)ようにする場合に比べて、波動発生器4のカム41の回転角度による外輪423と可撓性歯車3との接触面積の変化を低減することができるという利点もある。また、断面視で、薄肉部443の厚さが肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて連続的に変化しているため、外輪423が前述したように撓み変形しても、外輪423に生じる応力集中を低減することもできる。
また、薄肉部443(443a、443b)の厚さは、軌道面441と外輪423の外周面444との間の厚さtよりも薄い。これにより、外輪423の幅方向(軸線aに沿う方向)での中央部の必要な厚さtを確保しつつ、断面視で外輪423を軸線aに対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。なお、本実施形態では、薄肉部443の厚さが肩部442から軌道面441とは反対側に向けて連続的に薄くなっているが、外輪423の肩部442に対して軌道面441とは反対側に厚さtよりも薄い部分が設けられていればよく、例えば、薄肉部443の厚さが肩部442から軌道面441とは反対側に向けて段階的に薄くなっていてもよい。
また、外輪423の外周面444は、外輪423の幅方向(軸線aに沿う方向)での全域にて、軸線aとの間が一定となるように、断面視で直線状をなしているのに対し、外輪423の内周面は、薄肉部443にて、軸線aとの間の距離が中央部から端部に向かって大きくなるように傾斜している。したがって、外輪423の外周面444は、断面視で軸線a(回動軸)に沿った方向に延びている部分(本実施形態では外周面444の全域)を有し、薄肉部443の少なくとも一部(本実施形態では全域)は、径方向からの平面視で当該部分(外周面444)に重なっている。これにより、波動発生器4のカム41の回転角度による外輪423と可撓性歯車3とが接触する面積の変化量を低減することができる。
また、外輪423の外周面444の幅方向(軸線aに沿う方向)における中央部および端部と軸線aとの間の距離をそれぞれR1、R2とし、軌道面441と軸線aとの間の距離をR3としたとき、(R1−R2)/(R1−R3)<0.2の関係を満足している。これにより、波動発生器4のカム41の回転角度による外輪423と可撓性歯車3との接触面積の変化量を低減することができる。なお、(R1−R3)は、前述した厚さtに等しい。また、本実施形態では、(R1−R2)=0である。
本実施形態では、肩部442(442a、442b)と薄肉部443(443a、443b)とは、それぞれ、断面視で軌道面441に対して両側に1対設けられている。これより、薄肉部443が断面視で軌道面441に対して片側しか設けられていない場合に比べて、外輪423と可撓性歯車3との接触面積を大きくすることができる。なお、薄肉部443a、443bのうちのいずれか一方を省略してもよいが、その場合、薄肉部443aを省略する場合に比べて前述したような可撓性歯車3への応力集中を低減することができるという理由で、薄肉部443bを省略することが好ましい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。
本実施形態は、軸受の外輪の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図7において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図7に示す軸受42Aは、例えば、前述した第1実施形態の歯車装置1に軸受42に代えて用いられる軸受である。この軸受42Aは、可撓性の内輪421および外輪423Aと、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。なお、図7は、軸受42Aの自然状態(歯車装置1から取り外し、かつ、外力が付与されていない状態)を示している。
外輪423Aの内周面は、各肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて、軸線aからの距離が大きくなっていて、すなわち、外輪423Aの内径が一定の増加率で大きくなるように傾斜している。これにより、外輪423Aには、1対の肩部442に対して外輪423Aの幅方向(軸線aに沿う方向)での外側に、薄肉化された1対の薄肉部445が設けられている。ここで、1対の薄肉部445は、一方の肩部442である肩部442a(図7中右側)に対して外輪423Aの幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部445aと、他方の肩部442である肩部442b(図7中左側)に対して外輪423Aの幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部445bとで構成されている。
本実施形態では、外輪423Aの外周面444Aは、外輪423Aの幅方向での中央部を含む領域にて、軸線aとの間が一定となるように形成されている領域を有するが、当該領域から外輪423Aの幅方向での端部側に向かって軸線aとの間の距離が小さくなるように形成されている。
ここで、外輪423Aの外周面444Aの幅方向(軸線aに沿う方向)における中央部および端部と軸線aとの間の距離をそれぞれR1、R2とし、軌道面441と軸線aとの間の距離をR3としたとき、(R1−R2)/(R1−R3)<0.2の関係を満足していることが好ましく、0<(R1−R2)/(R1−R3)<0.17の関係を満足していることがより好ましい。これにより、波動発生器4のカム41の回転角度による外輪423Aと可撓性歯車3との接触面積の変化量を低減することができる。なお、(R1−R3)は、前述した厚さtに等しい。また、本実施形態では、(R1−R2)は、図7中に示す距離ΔRに等しい。
また、外輪423Aの外周面444Aは、前述したように、断面視で軸線a(回動軸)に沿った方向に延びている部分を有し、薄肉部445の少なくとも一部は、径方向からの平面視で当該部分(外周面444A)に重なっている。これにより、波動発生器4のカム41の回転角度による外輪423Aと可撓性歯車3との接触面積の変化量を低減することができる。
以上説明したような第2実施形態によっても、歯車装置の長寿命化を図ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。
本実施形態は、軸受の外輪の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図8に示す軸受42Bは、例えば、前述した第1実施形態の歯車装置1に軸受42に代えて用いられる軸受である。この軸受42Bは、可撓性の内輪421および外輪423Bと、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。なお、図8は、軸受42Bの自然状態(歯車装置1から取り外し、かつ、外力が付与されていない状態)を示している。
外輪423Bの内周面は、各肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて、軸線aからの距離が大きくなっていて、すなわち、外輪423Bの内径が大きくなるように傾斜している。これにより、外輪423Bには、1対の肩部442に対して外輪423Bの幅方向(軸線aに沿う方向)での外側に、薄肉化された1対の薄肉部446が設けられている。ここで、1対の薄肉部446は、一方の肩部442である肩部442a(図8中右側)に対して軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部446aと、他方の肩部442である肩部442b(図8中左側)に対して外輪423Bの幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部446bとで構成されている。
本実施形態では、外輪423Bの内周面が、各肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて、内径が大きくなるように傾斜している。
本実施形態では、図8に示すように断面視すると、薄肉部446の内輪421側が凹状の曲線になっている。このように、薄肉部446の内輪421側の面は、凹状の曲面を有する。これにより、外輪423Bの幅を大きくしなくても、外輪423Bの幅方向での中央部の必要な厚さおよび肩部442の必要な高さを確保しつつ、外輪423Bを軸線aに対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
以上説明したような第3実施形態によっても、歯車装置の長寿命化を図ることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。
本実施形態は、軸受の外輪の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図9に示す軸受42Cは、例えば、前述した第1実施形態の歯車装置1に軸受42に代えて用いられる軸受である。この軸受42Cは、可撓性の内輪421および外輪423Cと、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。なお、図9は、軸受42Cの自然状態(歯車装置1から取り外し、かつ、外力が付与されていない状態)を示している。
外輪423Cの内周面は、各肩部442から軌道面441とは反対側の端部に向けて、軸線aからの距離が大きくなっていて、すなわち、外輪423Cの内径が大きくなるように傾斜している。これにより、外輪423Cには、1対の肩部442に対して外輪423Cの幅方向(軸線aに沿う方向)での外側に、薄肉化された1対の薄肉部447が設けられている。ここで、1対の薄肉部447は、一方の肩部442である肩部442a(図9中右側)に対して軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部447aと、他方の肩部442である肩部442b(図9中左側)に対して外輪423Cの幅方向で軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部447bとで構成されている。なお、外輪423Cの外周面444Cは、断面視で軸線aと平行であるが、前述した第2実施形態の外周面444Aのように傾斜した部分を有していてもよい。
本実施形態では、軸線a(回動軸)に沿った方向における外輪423Cの幅W1は、軸線aに沿った方向における内輪421の幅W2よりも大きい。これにより、外輪423Cの幅方向での中央部の必要な厚さおよび肩部442の必要な高さを確保しつつ、外輪423Cを軸線aに対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
ここで、幅W1、W2の比W1/W2は、特に限定されないが、1.1以上2以下であることが好ましく、1.1以上1.5以下であることがより好ましい。これにより、歯車装置1の大型化を招くことなく、外輪423Cを軸線aに対して傾斜する方向に撓み変形させやすくすることができる。
以上説明したような第4実施形態によっても、歯車装置の長寿命化を図ることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図10は、本発明の第5実施形態に係る歯車装置が備える波動発生器の軸受(自然状態)の部分拡大縦断面図である。
本実施形態は、軸受の外輪の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図10に示す軸受42Dは、例えば、前述した第1実施形態の歯車装置1に軸受42に代えて用いられる軸受である。この軸受42Dは、可撓性の内輪421および外輪423Dと、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。なお、図10は、軸受42Dの自然状態(歯車装置1から取り外し、かつ、外力が付与されていない状態)を示している。
外輪423Dの内周面には、軌道面441の両側に、1対の肩部442D(外輪側肩部)が設けられている。この1対の肩部442Dは、一方(図10中右側)の肩部442Dである肩部442aと、他方(図10中左側)の肩部442Dである肩部442cとで構成されている。本実施形態では、肩部442cの高さが肩部442aの高さよりも高い。
このように、1対の肩部442D(442a、442c)の高さが互いに異なる。これにより、軸受42Dにラジアル荷重およびスラスト荷重(アキシャル荷重)の双方がかかっても、軸受42Dを介した可撓性歯車3とカム41との相対的な回転を円滑に行うことができる。そのため、軸受42Dの長寿命化、ひいては、歯車装置1の長寿命化を図ることができる。なお、歯車装置1を増速機として用いる場合には、肩部442aの高さが肩部442cの高さよりも高くすればよい。
外輪423Dの内周面は、各肩部442Dから軌道面441とは反対側の端部に向けて、直径が大きくなるように傾斜している。これにより、外輪423Dには、1対の肩部442Dに対して外輪423Dの幅方向(軸線a方向)での外側に、薄肉化された1対の薄肉部443Dが設けられている。ここで、1対の薄肉部443Dは、肩部442aに対して軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部443aと、肩部442cに対して軌道面441とは反対側に設けられている薄肉部443cとで構成されている。
以上説明したような第5実施形態によっても、歯車装置の長寿命化を図ることができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図11は、本発明の第6実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
本実施形態は、可撓性歯車の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図11に示す歯車装置1Eは、剛性歯車2の内側に配置されているハット型の外歯車である可撓性歯車3Eを有している。この可撓性歯車3Eは、筒状の胴部31の一端部に接続され軸線aとは反対側に突出しているフランジ部32E(接続部)を有する。フランジ部32Eには、軸線aに沿って貫通した複数の孔322Eが形成されている。この孔322Eは、例えば出力側の軸体をフランジ部32Eに固定するためのネジを挿通するネジ孔として用いることができる。また、フランジ部32Eの内周部321Eには、例えば出力側の軸体を挿通することができる。
このような歯車装置1Eは、前述した第1実施形態の歯車装置1と同様、軸受42を有する。
以上説明したような第6実施形態によっても、歯車装置1Eの長寿命化を図ることができる。
以上、本発明のロボットおよび歯車装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第n(nは1以上の整数)アームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。また、第2部材から第1部材へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、6軸の垂直多関節ロボットについて説明したが、本発明は、可撓性歯車を有する歯車装置を用いるものであれば、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、水平多関節ロボットにも適用可能である。
また、本発明は、前述した実施形態の波動歯車装置に限定されず、カップ状の可撓性歯車を有する各種歯車装置に適用可能である。
また、本発明の歯車装置は、ロボット以外の任意の装置(駆動力伝達部を有する)にも設置することができる。
1…歯車装置、1E…歯車装置、2…剛性歯車(内歯歯車)、3…可撓性歯車(外歯歯車)、3E…可撓性歯車(外歯歯車)、4…波動発生器、23…内歯、31…胴部、32…底部、32E…フランジ部、33…外歯、35…開口、41…カム、42…軸受、42A…軸受、42B…軸受、42C…軸受、42D…軸受、42X…軸受、100…ロボット、110…制御装置、111…基台(第1部材)、120…ロボットアーム、121…第1アーム(第2部材)、122…第2アーム、123…第3アーム、124…第4アーム、125…第5アーム、126…第6アーム、130…ハンド、131…指、132…指、140…力検出器、150…モーター、311…内周面、321…孔、321E…内周部、322…孔、322E…孔、411…軸部、412…カム部、421…内輪、422…ボール、423…外輪、423A…外輪、423B…外輪、423C…外輪、423D…外輪、423X…外輪、431…軌道面、432…肩部、441…軌道面、442…肩部、442D…肩部、442a…肩部、442b…肩部、442c…肩部、443…薄肉部、443D…薄肉部、443a…薄肉部、443b…薄肉部、443c…薄肉部、444…外周面、444A…外周面、444C…外周面、445…薄肉部、445a…薄肉部、445b…薄肉部、446…薄肉部、446a…薄肉部、446b…薄肉部、447…薄肉部、447a…薄肉部、447b…薄肉部、La…長軸、Lb…短軸、P…一端部、a…軸線、ΔR…距離

Claims (9)

  1. 基台またはアームを構成している第1部材と、
    前記第1部材に対して回動可能に設けられているアームを構成している第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
    前記歯車装置は、
    内歯歯車と、
    前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
    前記内歯歯車、前記外歯歯車および前記波動発生器よりなる群から選択される2つの部材のうちの一方の部材が前記第1部材に対して接続され、他方の部材が前記第2部材に対して接続され、
    前記波動発生器は、
    非円形状の外周面を有するカムと、
    前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
    前記軸受は、
    内輪と、
    外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
    前記外輪は、
    前記複数のボールが接触する軌道面と、
    前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
    前記肩部から前記軌道面とは反対側の端部に向けて前記外輪の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部と、を有することを特徴とするロボット。
  2. 前記外輪の外周面は、前記断面視で前記回動軸に沿った方向に延びている部分を有し、
    前記薄肉部の少なくとも一部は、前記回動軸に交差する径方向から見た平面視で、前記部分に重なっている請求項1に記載のロボット。
  3. 前記薄肉部の前記内輪側の面は、凹状の曲面を有する請求項1または2に記載のロボット。
  4. 前記回動軸に沿った方向における前記外輪の幅は、前記回動軸に沿った方向における前記内輪の幅よりも大きい請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
  5. 前記外輪の外周面の幅方向での中央部と前記回動軸との間の距離をR1とし、前記外輪の外周面の幅方向での端部と前記回動軸との間の距離をR2とし、前記軌道面と前記回動軸との間の距離をR3としたとき、
    (R1−R2)/(R1−R3)<0.2の関係を満足している請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロボット。
  6. 前記肩部と前記薄肉部とは、それぞれ前記断面視で前記軌道面に対して両側に1対設けられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。
  7. 前記1対の肩部の高さが互いに異なる請求項6に記載のロボット。
  8. 内歯歯車と、
    前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
    前記波動発生器は、
    非円形状の外周面を有するカムと、
    前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
    前記軸受は、
    内輪と、
    外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
    前記外輪は、
    前記複数のボールが接触する軌道面と、
    前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
    前記肩部から前記軌道面とは反対側の端部に向けて前記外輪の内径が拡がるように厚さが薄くなっている薄肉部と、を有することを特徴とする歯車装置。
  9. 内歯歯車と、
    前記内歯歯車に部分的に噛み合って前記内歯歯車に対して回動軸まわりに相対的に回転する可撓性を有する外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を前記回動軸まわりの周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
    前記波動発生器は、
    非円形状の外周面を有するカムと、
    前記外歯歯車の内周面と前記カムの外周面との間に配置されている軸受と、を有し、
    前記軸受は、
    内輪と、
    外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に配置されている複数のボールと、を有し、
    前記外輪は、
    前記複数のボールが接触する軌道面と、
    前記回動軸を含む断面で見た断面視で、前記軌道面に隣接していて前記内輪側に突出している肩部と、
    前記肩部に対して前記軌道面とは反対側に設けられ、前記軌道面と前記外輪の外周面との間の厚さよりも薄い薄肉部と、を有することを特徴とする歯車装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114131647A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 之江实验室 一种基于凸轮的杠杆式可变刚度柔性关节

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