JP2018193513A - 重合体粒子 - Google Patents

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洋輔 中田
Yosuke Nakada
洋輔 中田
岡本 秀二
Hideji Okamoto
秀二 岡本
信広 石川
Nobuhiro Ishikawa
信広 石川
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Abstract

【課題】本件発明の課題は、高耐熱性、高屈折率性、粒径の均一性を兼ね備えた重合体粒子を提供することにある。
【解決手段】本発明の重合体粒子は、2つ以上のチオール基を有する多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合することにより得られ、好ましくは前記モノマー成分において、多官能チオール単量体(A)の官能基当量(a)と、前記多官能単量体(B)の官能基当量(b)の比(a)/(b)が0.30〜1.50である。
【選択図】なし

Description

本発明は重合体粒子に関し、詳しくは耐熱性に優れる重合体粒子に関する。
従来から、(メタ)アクリル系樹脂粒子(PMMA粒子等)は、樹脂フィルム用アンチブロッキング剤、静電荷像現像用トナー用添加剤、粉体塗料および水分散体型塗料、化粧板用添加剤、化粧品用充填剤、光拡散剤、研磨剤等の様々な分野で使用されている。
(メタ)アクリル系樹脂粒子は空気中での熱分解開始温度が200〜270℃程度とされており、耐熱性に優れる重合体粒子として知られている。しかしながら、近年では、熱分解開始温度がより高く、耐熱性に優れた重合体粒子が求められている。
例えば、特許文献1には、架橋(メタ)アクリル系粒子に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤および/またはチオール化合物を含めることで、耐熱性が向上することが記載されている。
また、PMMA粒子の屈折率は1.49程度であるが、用途・目的によっては、耐熱性に加えて、PMMA粒子よりも屈折率の高い重合体粒子が求められる。
耐熱性に優れ、かつ高い屈折率を有する粒子としては、メラミン系粒子やポリイミド系粒子が知られているが、これらの粒子はラジカル重合での粒子径制御ができず、汎用性に乏しいものであった。
特開2010−95598号公報
本発明は上記のような事情に鑑みて行われたものであり、耐熱性に優れ、屈折率が高く、かつ粒径の均一性を兼ね備えた重合体粒子を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、特定の重合体粒子によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]〜[3]である。
[1]2つ以上のチオール基を有する多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合することにより得られる重合体粒子。
[2]前記モノマー成分において、多官能チオール単量体(A)の官能基当量(a)と、前記多官能単量体(B)の官能基当量(b)の比(a)/(b)が0.30〜1.50である[1]に記載の重合体粒子。
[3]窒素雰囲気下における熱分解開始温度が280℃以上である、[1]または[2]に記載の重合体粒子。
本発明によれば、耐熱性に優れ、屈折率が高く、かつ粒径の均一性を兼ね備えた重合体粒子を提供することができる。
以下、本発明の重合体粒子を説明する。
〔重合体粒子〕
本発明の重合体粒子は、2つ以上のチオール基を有する多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合することにより得られる。
本発明の重合体粒子は、多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を用いている。多官能の単量体が重合することにより形成される重合体は、構造が極めて複雑である。また、本発明の重合体粒子は、モノマー成分を乳化重合することにより得られるが、重合方法が得られる重合体に与える構造上の影響を、具体的に示すことは極めて困難である。その特性についても直接特定することは不可能であるか、困難である。すなわち、本発明の重合体粒子は、その構造または特性を明記して直接特定することが、およそ不可能であるか実際的ではないという事情(不可能・非実際的事情)が存在する。
[多官能チオール単量体(A)]
多官能チオール単量体(A)は、2つ以上のチオール基を有する多価チオール単量体である。多官能チオール単量体(A)が有するチオール基の数としては、2〜8個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
2つのチオール基を有する多価チオールとしては、例えば、エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、エチレングリコールビスチオグリコラート、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド等が挙げられる。
3つのチオール基を有する多価チオールとしては、例えば、2−[(メルカプトアセチルオキシ)メチル]−2−エチル−1,3−プロパンジオールビス(メルカプトアセタート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が挙げられる。
4つのチオール基を有する多価チオールとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)が挙げられる。
多官能チオール単量体(A)としては、1,4−ブタンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが好ましく、1,10−デカンジチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールがより好ましい。
また、多官能チオール単量体(A)としては、重合体粒子の耐熱性の観点からは、環状構造を有することが好ましく、例えば1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールを用いることが好ましい。
多官能チオール単量体(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[多官能単量体(B)]
多官能単量体(B)は、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体である。多官能単量体(B)が有する非共役二重結合の数としては、2〜8個が好ましく、2〜4個がより好ましい。
2つの非共役二重結合を有する多官能単量体としては、例えばエチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
3つの非共役二重結合を有する多官能単量体としては、例えば6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロキシエチルイソシアヌレート)、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
4つの非共役二重結合を有する多官能単量体としては、例えばペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートおよびエトキシ化ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能単量体(B)としては、重合体粒子が分解反応を起こすことを抑制する観点から、(メタ)アクリロイル基を有さない単量体であることが好ましい。
多官能単量体(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを総称する意味で用いる。すなわち、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルを総称する意味で用いる。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートを総称する意味で用いる。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を総称する意味で用いる。
[モノマー成分]
本発明の重合体粒子は、モノマー成分を乳化重合することにより得られる。
本発明の重合体粒子を構成するモノマー成分全体を100質量%とすると、前記多官能チオール単量体(A)と、多官能単量体(B)との合計量は90質量%以上が好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。モノマー成分は、多官能チオール単量体(A)の官能基当量(a)と、前記多官能単量体(B)の官能基当量(b)の比(a)/(b)が0.30〜1.50であることが好ましく、0.35〜1.45であることがより好ましく、0.40〜1.40であることが特に好ましい。多官能チオール単量体(A)の官能基当量(a)とは、多官能チオール単量体(A)が有するチオール基の当量であり、多官能単量体(B)の官能基当量(b)とは、多官能単量体(B)が有する非共役二重結合の当量である。すなわち、前記比(a)/(b)は、モノマー成分中に含まれる、チオール基の量と、非共役二重結合の量との割合の指標となる。比(a)/(b)が前記範囲内にあると、粒子中に斑無くチオエーテル構造を導入でき、耐熱性に優れた粒子を得ることができる。
モノマー成分としては、前記多官能チオール単量体(A)および多官能単量体(B)以外の単量体、すなわち、他の単量体(C)を含んでいてもよい。
他の単量体(C)としては、例えば、単官能単量体が挙げられる。
単官能単量体としては、エチレン、プロピレン等のα‐オレフィン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げられる。
モノマー成分が、他の単量体(C)を含む場合の量としては、モノマー成分全体を100質量%とすると、通常は10質量%以下であり、5質量%以下であることが好ましい。
[重合体粒子の物性および用途]
本発明の重合体粒子は、前記多官能チオール単量体(A)と、多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合することにより得られる重合体粒子である。本発明の重合体粒子は、前記モノマー成分を乳化重合することにより得られるものである。重合に際しては、まずエン−チオール反応により多官能チオール単量体(A)と、多官能単量体(B)とが付加反応し、その後、多官能チオール(A)と多官能単量体(B)との付加反応物同士がラジカル重合(乳化重合)することにより粒子が得られると推察している。そのため、粒子を構成するポリマー主鎖は、スルフィド構造(チオエーテル構造)を有しており、さらに上記推察される重合機構より、粒子中にチオエーテル構造が斑無く存在している。よって、本発明の重合体粒子は、耐熱性に優れ、屈折率が高いものとなっており、各種用途で使用することができる。また、粒径の均一性も兼ね備えるものとなっている。
本発明の重合体粒子は、平均粒子径が通常0.05〜2.0μmであり、0.1〜1.8μmが好ましく、0.15〜1.5μmがより好ましい。
本発明の重合体粒子は、CV値が25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることが特に好ましい。CV値の下限としては特に限定は無いが、通常は2%以上である。
重合体粒子のCV値は、下記式(I)で求めることができる。
CV値[%]=(σ/D)×100 ・・・(I)
(式(I)においてσは標準偏差、Dは平均粒径である。)
重合体粒子のCV値は、例えば実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の重合体粒子は、窒素雰囲気下における熱分解開始温度が280℃以上であることが好ましく、285℃以上であることがより好ましく、290℃以上であることがさらに好ましく、295℃以上であることが特に好ましい。熱分解開始温度の上限としては、高いほど好ましく、特に限定は無いが、通常は400℃以下である。窒素雰囲気下における熱分解開始温度は、例えば実施例に記載した、熱重量・示差熱同時測定(TG−DTA)等の方法で測定することができる。
本発明の重合体粒子は、屈折率が1.50〜1.69であることが好ましく、1.55〜1.65であることがより好ましい。屈折率は、例えば実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の重合体粒子は、耐熱性に優れ、かつ高屈折率であり、粒径の均一性も兼ね備えるため、これらの特性が求められる様々な用途に使用することが可能である。本発明の重合体粒子の用途としては、例えば、樹脂フィルム用アンチブロッキング剤、ディスプレイに光拡散性や防眩性を付与する光学樹脂材料、液晶用スペーサー、静電荷像現像用トナー用添加剤、粉体塗料および水分散体型塗料、化粧板用添加剤、化粧品用充填剤、光拡散剤、研磨剤、電気・電子材料用途等の様々な分野で使用することが可能である。
〔重合体粒子の製造方法〕
本発明の重合体粒子は以下の方法により製造することができる。重合体粒子の製造方法は、2つ以上のチオール基を有する多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合する方法である。多官能チオール単量体(A)、多官能単量体(B)、およびモノマー成分としては、上述の物を用いることができる。
重合体粒子の製造方法では、前記モノマー成分を乳化重合する。重合条件としては、乳化重合できればよく、特に制限は無いが、通常は以下の方法で行われる。なお、本発明において、乳化重合との語には、通常の乳化剤を用いる乳化重合以外にも、ソープフリー乳化重合を包含する。ソープフリー乳化重合とは、乳化剤を用いないで行われる乳化重合である。
乳化重合の重合条件としては例えば、反応容器内に水性媒体、モノマー成分、および乳化剤、必要に応じて分散安定剤を仕込み、重合開始剤を添加し、反応を行う方法が挙げられる。反応開始温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜90℃であり、反応系の温度は、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃に維持して、反応時間は好ましくは0.25〜20時間、より好ましくは0.5〜15時間である。乳化重合は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
前記水性媒体は、通常は水であるが、水に親水性有機溶媒を添加した混合物であってもよい。
水としては、精製水(イオン交換水、蒸留水等)、地下水、水道水等が挙げられる。
親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の多価アルコール;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類:アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;ギ酸メチル等のエステル類等が挙げられる。親水性有機溶媒の添加量は、水100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。これらの親水性有機溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
水性媒体の使用量としては、モノマー成分100質量部に対して、100〜800質量部が好ましく、200〜600質量部がより好ましい。
乳化重合に用いる乳化剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;2−スルホテトラデカン酸1−メチルエステルナトリウム等のアルファスルホン脂肪酸エステル塩;ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、アリルエーテルおよびそれらの硫酸エステルの塩等を挙げることができ、これらの中では、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。これらの乳化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。乳化剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。ソープフリー乳化重合を行う際には、これらの乳化剤を用いずに、重合を行うことができる。
重合開始剤としては、通常は水性媒体に可溶性の重合開始剤が用いられる。重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜8質量部がより好ましい。
分散安定剤の例としては、部分鹸化されたポリビニルアルコール;完全鹸化されたポリビニルアルコール;ポリアクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物;ポリメタクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。これらの分散安定剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。分散安定剤を用いる場合の使用量は、モノマー成分100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましい。
前記方法でモノマー成分を乳化重合することにより、好適に本発明の重合体粒子を得ることができる。
本発明の製造方法では、乳化重合の後工程を任意に含んでいてもよい。乳化重合の後工程としては、例えば、乳化重合で得られた重合体粒子を含む反応液を、濾過する工程、濾過により得られた重合体粒子を洗浄する工程、重合体粒子を乾燥する工程、重合体粒子を粉砕する工程等が挙げられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
下記実施例、比較例で得られた重合体粒子の物性を以下の方法で測定した。
〔CV値〕
実施例、比較例により得られた重合体粒子について、走査型電子顕微鏡により得られた画像を画像解析ソフトにより解析し、200個以上の重合体粒子の直径を計測して求めた。
〔屈折率〕
重合体粒子の屈折率は、カーギル社製屈折率標準液を用いて測定した。ガラス板上に作製した重合体粒子を適量載せて、その上に屈折率標準液を少量垂らし、重合体粒子の界面を光学顕微鏡で観察し、界面が消えて見えるときの標準液の屈折率を重合体粒子の屈折率とした。
〔熱分解開始温度〕
重合体粒子の窒素雰囲気下における熱分解開始温度は、熱重量・示差熱分析(TG−DTA)により下記条件により求めた。
・測定装置:STA7220(日立ハイテクサイエンス製)
・雰囲気:窒素200mL/min
アルミ製カップに実施例・比較例で得られた重合体粒子を5mg入れ、昇温速度10℃/分(最高到達温度500℃)、窒素流量200mL/minの条件で測定した。具体的には、精密天秤を使用して、アルミ製カップに5mgの試料を計り、このアルミ製カップを熱分析装置の所定の位置にセットし、窒素流量が200mL/minとなるように調整し、装置が安定した後、昇温を開始した。このとき得られたTG(温度−重量)曲線のベースライン(水平線部)の延長線と、質量減少部分(右下がりの斜線部)の接線との交点を有機重合体粒子の熱分解開始温度とした。
〔実施例1〕
反応容器に1,10−デカンジチオール44.4重量部、ビニルノルボルネン55.6重量部、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:関東化学製)2.3重量部、水道水666重量部を投入した。これを撹拌しながら昇温し72℃に到達した時点で過硫酸カリウム1重量部を添加した。その後、90℃にて1時間反応(乳化重合)させた。反応終了後、反応液を冷却した後、噴霧乾燥を行い、重合体粒子(1)を得た。
1,10−デカンジチオールが有するチオール基(a)と、ビニルノルボルネンが有する非共役二重結合(b)との比(a)/(b)(官能基当量比)は、0.46であった。
重合体粒子(1)の平均粒子径は0.2μm、CV値は10%、屈折率は1.59、TG−DTAによる熱分解開始温度は300℃であった。
〔実施例2〕
反応容器に1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール44.4重量部、トリアリルイソシアヌレート55.6重量部、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:関東化学製製)2.3重量部、水道水666重量部を投入した。これを撹拌しながら昇温し72℃に到達した時点で過硫酸カリウム1重量部を添加した。その後、90℃にて1時間反応(乳化重合)させた。反応終了後、反応液を冷却した後、噴霧乾燥を行い、重合体粒子(2)を得た。
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが有するチオール基(a)と、トリアリルイソシアヌレートが有する非共役二重結合(b)との比(a)/(b)(官能基当量比)は、1.12であった。
重合体粒子(2)の平均粒子径は0.3μm、CV値は13%、屈折率は1.61、TG−DTAによる熱分解開始温度は320℃であった。
〔実施例3〕
反応容器に1,10−デカンジチオール55.4重量部、ビニルノルボルネン44.6重量部、ポリビニルアルコール(PVA−420:鹸化度80%;クラレ製)0.01重量部、水道水666重量部を投入した。これを撹拌しながら昇温し72℃に到達した時点で過硫酸カリウム1重量部を添加した。その後、90℃にて1時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却した後、噴霧乾燥を行い、重合体粒子(3)を得た。
1,10−デカンジチオールが有するチオール基(a)と、ビニルノルボルネンが有する非共役二重結合(b)との比(a)/(b)(官能基当量比)は、0.72であった。
重合体粒子(3)の平均粒子径は0.6μm、CV値は12%、屈折率は1.59、TG−DTAによる熱分解開始温度は300℃であった。
〔比較例1〕
反応容器にMMA100重量部、水道水300重量部を投入した。これを撹拌しながら昇温し72℃に到達した時点で過硫酸カリウム0.55重量部を添加した。その後、90℃にて1時間反応させた。反応終了後反応液を冷却した後、噴霧乾燥を行い、重合体粒子(4)を得た。
重合体粒子(4)の平均粒子径は0.4μm、CV値は4%、屈折率は1.47、TG−DTAによる熱分解開始温度は270℃であった。

Claims (3)

  1. 2つ以上のチオール基を有する多官能チオール単量体(A)と、2つ以上の非共役二重結合を有する多官能単量体(B)とを含むモノマー成分を乳化重合することにより得られる重合体粒子。
  2. 前記モノマー成分において、多官能チオール単量体(A)の官能基当量(a)と、前記多官能単量体(B)の官能基当量(b)の比(a)/(b)が0.30〜1.50である請求項1に記載の重合体粒子。
  3. 窒素雰囲気下における熱分解開始温度が280℃以上である、請求項1または2に記載の重合体粒子。
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