JP2018193299A - 合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】透視二重像を低減する好適な楔角を有するガラスを備えた合わせガラスを提供する。【解決手段】本合わせガラスは、第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備えた合わせガラスであって、ヘッドアップディスプレイで使用する第1領域と、前記第1領域に隣接するヘッドアップディスプレイで使用しない第2領域と、を有し、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の一方又は双方は楔状のガラスであり、前記第2領域の少なくとも一部の領域は、JIS規格R3212で規定する試験領域Aに相当する領域であり、前記試験領域Aに相当する領域の各点において、前記第1のガラス板の楔角と前記第2のガラス板の楔角とを合算した楔角δgが0.3[mrad]以上1.2[mrad]以下であり、所定の式を満足する。【選択図】図3

Description

本発明は、合わせガラスに関する。
近年、車両のフロントガラスに画像を反射させて運転者の視界に所定の情報を表示するヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)の導入が進んでいるが、運転者が車外の風景やHUDにより表示された情報を視認するに際し、二重像が問題となる場合がある。
車両の運転者にとって問題となる二重像には透視二重像と反射二重像があり、フロントガラスにHUDで使用するHUD表示領域と、HUDで使用しないHUD表示外領域(透視領域)がある場合には、HUD表示領域では透視二重像が問題となることもあるが、概ね反射二重像が主たる問題となり、HUD表示外領域で透視二重像が問題となる。
このような反射二重像或いは透視二重像は、フロントガラスに楔状の合わせガラスを用いることで低減できることが知られている。例えば、2枚のガラス板で中間膜を挟み、全体として楔状とした合わせガラスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許平07−175007号公報
ところで、楔状の合わせガラスを用いる場合には、合わせガラスの厚み変化、すなわち楔角を適切に制御することが必要となる。
合わせガラスを構成する中間膜に楔角をつける場合には、中間膜がビニル材料の一種であり、一般的にガラスより柔らかい材質であるため、中間膜加工や合わせガラス製造工程での加熱や圧着により、膜の厚さに影響が出やすい。従って、合わせガラスの中間膜の楔角を剛体のように制御することは難しい。
中間膜の楔角は、例えば、保存中の湿度や温度等の変化によっても変化する。又、合わせガラスを圧着する時に、内外のガラスによって厚み方向に押しつけられたり引っ張られたりするため、特に、厚みが大きくなるフロントガラスの上辺や、楔角が大きい場合には厚みが薄い部分に比べて影響が大きく、又、黒セラミック近辺では楔角の変化が顕著となる。このため、楔中間膜を取扱う際は、きめ細やかな条件管理が必要となっている。
これに対して、ガラスは中間膜に比べて硬く、一度形状を作ってしまえば楔角が変化しづらいため、合わせガラスを構成するガラスに楔角をつける場合には、中間膜に楔角をつける場合と比べると、合わせガラス製造時の中間膜の変形及び条件管理等を過度に考慮しなくても済む点で好適である。しかしながら、従来の技術では、合わせガラスにおいて、ガラスの楔角をどのように決定するべきかについては十分に検討されていなかった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、透視二重像を低減する好適な楔角を有するガラスを備えた合わせガラスを提供することを課題とする。
本合わせガラスは、第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備えた合わせガラスであって、ヘッドアップディスプレイで使用する第1領域と、前記第1領域に隣接するヘッドアップディスプレイで使用しない第2領域と、を有し、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の一方又は双方は楔状のガラスであり、前記第2領域の少なくとも一部の領域は、JIS規格R3212で規定する試験領域Aに相当する領域であり、前記試験領域Aに相当する領域の各点において、前記第1のガラス板の楔角と前記第2のガラス板の楔角とを合算した楔角δgが0.3[mrad]以上1.2[mrad]以下であり、所定の式を満足することを要件とする。
開示の技術によれば、透視二重像を低減する好適な楔角を有するガラスを備えた合わせガラスを提供できる。
二重像の概念について説明する図である。 車両用のフロントガラスについて説明する図である。 図2のXZ平面に平行な部分断面図である。 実施例及び比較例の合わせガラスの透視二重像の測定結果を示す図である。 圧着前後の楔角の変化を示す図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。なお、ここでは、車両用のフロントガラスを例にして説明するが、これには限定されず、本実施の形態に係るガラスは、車両用のフロントガラス以外にも適用可能である。
[反射二重像、透視二重像]
まず、反射二重像と透視二重像の概念について説明する。図1は、二重像の概念について説明する図であり、図1(a)は反射二重像、図1(b)は透視二重像を示している。なお、図1において、フロントガラス20を搭載する車両の前後方向をX、車両の左右方向をY、XY平面に垂直な方向をZとしている(以降の図も同様)。
図1(a)に示すように、HUDの光源10から出射された光線11aの一部は、車両のフロントガラス20の内面21で反射されて光線11b(1次ビーム)として運転者の眼30に導かれ、フロントガラス20前方に像11c(虚像)として運転者に視認される。
又、HUDの光源10から出射された光線12aの一部は、車両のフロントガラス20の内面21から内部に侵入して屈折し、その一部が外面22で反射される。そして、更にその一部が内面21から車両のフロントガラス20の外部に出て屈折し光線12b(2次ビーム)として運転者の眼30に導かれ、像12c(虚像)として運転者に視認される。なお、フロントガラス20の厚さは一定であり、内面21と外面22とは平行である。
このように、運転者に視認される2つの像11cと像12cが反射二重像である。又、光線11b(1次ビーム)と光線12b(2次ビーム)とがなす角度が反射二重像の角度αである。反射二重像の角度αはゼロに近いほど好ましい。
又、図1(b)に示すように、光源40から出射された光線41aの一部は、車両のフロントガラス20の外面22から内部に侵入して屈折する。そして、その一部が内面21からフロントガラス20の外部に出て光線41bとして運転者の眼30に導かれ、像41cとして運転者に視認される。
又、光源40から出射された光線42aの一部は、車両のフロントガラス20の外面22から内部に侵入して屈折し、その一部が内面21で反射される。そして、更にその一部が外面22で反射され、更にその一部が屈折して内面21からフロントガラス20の外部に出て屈折し光線42bとして運転者の眼30に導かれ、像42cとして運転者に視認される。
このように、運転者に視認される2つの像41cと像42cが透視二重像である。又、光線41b(1次ビーム)と光線42b(2次ビーム)とがなす角度が透視二重像の角度ηである。尚、ηは上向きに出現した場合を正、下向きに出現した場合を負と定義する。透視二重像の角度ηはゼロに近いほど好ましい。
[フロントガラス(合わせガラス)]
図2は、車両用のフロントガラスを例示する図であり、フロントガラスを車両前方から視認した様子を模式的に示した図である。又、図3は、図2のXZ平面に平行な部分断面図である。なお、図2において、便宜上、HUD表示領域Aを梨地模様で示している。
図2に示すように、フロントガラス20は、HUDで使用するHUD表示領域Aと、HUDで使用しないHUD表示外領域B(透視領域)とを有している。HUD表示領域Aは、フロントガラス20の下方に位置しており、HUD表示外領域BはHUD表示領域Aに隣接してフロントガラス20のHUD表示領域Aよりも上方に位置している。Cは、HUD表示領域AとHUD表示外領域Bとの境界である。なお、HUD表示領域Aは本発明に係る第1領域の代表的な一例であり、HUD表示外領域Bは本発明に係る第2領域の代表的な一例である。
図3(a)に示すように、フロントガラス20は、第1のガラス板であるガラス板210と、第2のガラス板であるガラス板220と、中間膜230とを備えた合わせガラスである。
この合わせガラスにおいて、ガラス板210は、製造時の延伸により生じる筋目を有する厚さが一定のガラス板である。これに対して、ガラス板220は、一端から対向する他端に至るに従って厚さが変化し、かつ製造時の延伸により生じる筋目を有する。中間膜230は、ガラス板210とガラス板220との間に位置し、ガラス板210の筋目とガラス板220の筋目が例えば直交するようにガラス板210とガラス板220とを接着する厚さが一定の膜である。
このように、ガラス板220は、断面視楔状に形成されている。ガラス板220において、フロントガラス20の外面22となる面と、中間膜230と接する面とのなす角を楔角δgと称する。楔角δgは、Z方向の位置に対応して任意の値をとることができる。フロントガラス20の外面22となる面と、中間膜230と接する面とが平行となる領域が存在しても構わない。楔角δgの好適な決定方法については、後述する。なお、ガラス板210及び中間膜230の厚さは均一であるから、楔角δgは、フロントガラス20の内面21と外面22とのなす角であるともいえる。
又、ガラス板210の一方の面であるフロントガラス20の内面21と、ガラス板220の一方の面であるフロントガラス20の外面22とは、平面であっても湾曲面であって構わない。フロントガラス20は、例えば、垂直方向に湾曲した形状とすることができる。なお、tは、フロントガラス20の局部的な厚さ(その部分におけるガラス板210、ガラス板220、及び中間膜230の合計の厚さ)を示している。
ガラス板220のように一端から対向する他端に向かって厚さが変化するガラスは、フロート法によって製造する際の条件を工夫することで得られる。すなわち溶融金属上を進行するガラスリボンの両端部に配置された複数のロールの周速度を調整することで、幅方向のガラス断面を凹形状や凸形状、或いはテーパー形状とし、任意の厚み変化を持つ箇所を切り出せばよい。
ガラス板210にはガラス板220と同じくフロート法を用い、厚さが一定のものを用いるが、図3(b)に示すように、ガラス板210を一端から対向する他端に至るに従って厚さが変化する断面視楔状としてもよい。この場合、ガラス板210及び220の楔角を合算したものが楔角δgとなる。ガラス板210及び220の夫々の楔角は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
又、中間膜230の厚さは一定であるとしたが、フロントガラス20の楔角の主要な部分をガラス板210及び220の一方又は双方で形成していれば、中間膜230が断面視楔状であっても構わない。中間膜230が断面視楔状である場合の好適な楔角については後述する。
ガラス板210及び220はそれぞれフロート法による製造時の延伸により、進行方向に対して並行に筋状の細かな凹凸が入る(筋目)。車両用のフロントガラスとして用いる際、この筋目を観察者の視線に対して水平方向に見ると、歪が発生し視認性が悪化する。
ガラス板210とガラス板220とを接着する中間膜230としては熱可塑性樹脂が多く用いられ、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等の従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れたものを得られることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」と言うこともある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール系樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」と言うこともある)等が挙げられ、特に、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
通常HUDの光源は車室内下方に位置し、そこから合わせガラスに向かって投影される。投影像はガラスの裏面と表面で反射されるため、両反射像を重ね合わせるためには、ガラスの厚みは投影方向に対して平行に変化することが必要である。ガラス板210は筋目と直交する方向に厚さが変化しているため、情報が投影されるガラスとして用いられるためには、筋目方向が投影方向と直交、すなわち筋目が車室内観察者の視線と水平方向となり、視認性が悪化する方向で使用しなければならない。
視認性を改善するために、ガラス板210、ガラス板220、中間膜230を用いて作製された合わせガラスは、ガラス板210とガラス板220の筋目が直交するように配置される。この配置によりガラス板210単独では悪化した歪が、筋目が直交するガラス板220、ならびにガラス板210とガラス板220を接着する中間膜230の存在によって緩和され、視認性が改善される。
更に、車両用のガラスは通常湾曲形状となった状態で使われる。ガラスの成形は、各々のガラス板が中間膜230を介して接着される前にガラスが軟化する大凡550℃から700℃程度に熱しながら任意の形状とするのが一般的である。湾曲の程度は最大曲げ深さ、或いはダブり値として記される。ここで、最大曲深さ(ダブリ値)は、凸状に湾曲している合わせガラスを凸部側が下向きとなるように配置するとともに、この合わせガラスにおける一対の対向する長辺の中点どうしを結ぶように直線を引いたとき、湾曲部の底部における最も深い点から該直線に引いた垂線の長さをmm単位で表したものである。
合わせガラスとした際に歪の原因となる表面に生じた筋状の細かな凹凸は、成形工程によって引き延ばされるため、最大曲げ深さ(ダブり値)が大きいほど視認性が良化する。本発明におけるガラス板210、ガラス板220の最大曲げ深さは必ずしも限定されないが、10mm以上が好ましく、12mm以上がより好ましく、15mm以上が更に好ましい。
[好適な楔角]
まず、実験を行った。実験では、図3(a)に示すように、ガラス板220を楔ガラスとし、ガラス板210と中間膜230とを一定厚とした合わせガラスを作製した(実施例)。又、比較用として、ガラス板210及び220を一定厚とし、中間膜230を楔膜とした合わせガラスを作製した(比較例)。
次に、作製した合わせガラス(実施例及び比較例)の透視二重像のZ方向(図2参照)の変化を測定した。結果を図4及び表1に示す。なお、図4の横軸は「ガラス下辺を原点とした場合の、原点からのガラス上に沿った距離」である。図4及び表1により、実施例と比較例とを比べると、比較例ではZ方向の600mmを超える付近から透視二重像が特に悪化する傾向がみられた。
Figure 2018193299
図4及び表1の結果から、フロントガラス20の楔角の主要な部分をガラス板210及び220の一方又は双方で形成し、中間膜230の楔角は一定値以下とすることが好ましいと考えられる(結果1)。
次に、実施例の楔ガラス(ガラス板220)の圧着前(合わせガラスにする前)の楔角と、圧着後(合わせガラスにした後)の合わせガラス全体の楔角を測定した。結果を図5に示す。但し、圧着後の楔角は透視二重像を測定した値を逆算して求めたものである。
図5に示すように、圧着前と圧着後では楔角が変化している。楔ガラス(ガラス板220)の楔角は圧着前後で変化しないと考えられるため、変化は中間膜230の楔角(圧着前はゼロである)が変化(増加)したものと考えられる。
図5の結果から、中間膜230の楔角は圧着前後で変化するため、圧着時の変化分(増加分)を見込んで、楔ガラスの楔角を予め小さめに設定しておくことが好ましいと考えられる(結果2)。
発明者らは、上記の結果1及び2を考慮して、HUD表示外領域Bにおける好適なガラス板210及び220の楔角δgの決定方法を導いた。すなわち、HUD表示外領域Bの少なくとも一部の領域の各点において、以下の式(1)を満足する楔角δgを適用することにより、透視二重像を低減する好適な楔角を有する合わせガラスを実現できる。なお、式(1)のδgは、ガラス板210の楔角とガラス板220の楔角とを合算したものであり、何れか一方のガラス板の楔角が0であってもよい。
ガラス板210及び220の楔角δgは、例えば、フロントガラス20のHUD表示領域Aを含む垂直線上の各点において、式(1)を使用して決定される。但し、楔角δgは、例えば、フロントガラス20の水平方向に連続的に変化するように、式(1)を使用して決定してもよい。
Figure 2018193299
但し、tは合わせガラスであるフロントガラス20の厚さ、Rはフロントガラス20の局所曲率半径、nはフロントガラス20の屈折率、φはフロントガラス20に入射する光線の局所入射角である。又、ηは透視二重像の目標角度、δcは楔角の補正値、δiは中間膜230の楔角である。なお、透視二重像の目標角度の単位には[分]、楔角の補正値及び中間膜230の楔角の単位には[mrad]を用いるのが通例である。
前述のように、中間膜230の楔角δiを適切に制御するには、きめ細かな条件管理を必要とする。しかし、合わせガラスの楔角の主要な部分をガラス板210及び220の楔角δgで形成し、中間膜230の楔角δiを小さな値に抑えれば、中間膜230の楔角δiの制御性については問題とはならない。この場合の、ガラス板210及び220の楔角δgと中間膜230の楔角δiとを合算したものが合わせガラス全体の楔角である。
更に、圧着時の変化分(増加分)を見込んで、予め楔角の補正値δcを減算しておくことにより、特にガラス高さが高くなる方向における透視二重像の増加を抑制することができる。
なお、例えば『特許第5315358号』に記載されているように、透視二重像の角度は、式(2)に従って、曲率半径と光線の入射角とに応じて計算することができる。又、曲率半径Rcと入射角φを有する二重像を除去するために必要な楔角δは、式(3)に従って計算することができる。式(1)は、式(2)及び(3)に基づいて、発明者らが更に検討(図4及び図5に示した検討を含む)を重ね、導いたものである。
Figure 2018193299
Figure 2018193299
次に、式(1)におけるη、δc、及びδiの好適な値について説明する。
ηはHUD表示外領域Bの少なくとも一部の領域の1点以上で0<|η|となる値であり(すなわち、HUD表示外領域Bの全点でη=0となることはない)、−9<η<9[分]であることが好ましい。又、−6<η<6[分]であることが更に好ましく、−3<η<3[分]であることが最も好ましい。
この値は、目視での不快感という観点からηの値を分析した結果に基づくものであり、−9<η<9[分]であれば市場において殆ど問題とはならない。−6<η<6[分]、−3<η<3[分]とすることで、更に問題の生じるおそれが低減される。
δiは、0.5[mrad]を超えると、楔角の制御の困難性の問題が生じ始めるため、δi≦0.5[mrad]とすることが好ましい。又、楔角の制御の困難性の問題を、より確実に回避するため、δi≦0.2[mrad]とすることが更に好ましい。
δcの好適な値は実験的に求めた。発明者らがδcの好適な値を検討したところ、δcを0.05[mrad]以下とすると、圧着時の中間膜の変形により楔角が増加し、透視二重像が増加することがわかった。又、δcを0.3[mrad]以上とすると、中間膜の保存中に生じる厚みの変化により、透視二重像が増加することがわかった。従って、0.05<δc<0.3[mrad]であることが好ましく、0.05<δc<0.2[mrad]であることが更に好ましい。式(1)において、δcを減算することにより、比較例ばかりでなく、実施例の場合にも透視二重像を更に低減することができる。
なお、フロントガラス20の周縁部は、二重像や透視歪等の欠陥回避に関して、中央部(フロントガラス20の周縁部を除く領域)よりも重要性が劣る。そこで、HUD表示外領域Bのうち、フロントガラス20の周縁部を除く領域の各点において、楔角δgが式(1)を満足するようにしてもよい。この場合、中央部よりも重要性が劣るフロントガラス20の周縁部においては、楔角δgを任意の値とすることができる。フロントガラス20の周縁部を除く領域とは、例えば、JIS規格R3212で規定する試験領域Bや、試験領域Bの更に内側に位置する試験領域Aに相当する領域である。
つまり、本実施の形態において、HUD表示外領域Bの少なくとも一部の領域とは、例えば、JIS規格R3212で規定する試験領域Aや試験領域Bに相当する領域である。
又、フロントガラスの上方等に車外の情報を取得する等の目的でカメラを搭載する場合があるが、カメラを搭載する領域は一般に黒セラミック(接着剤等を塗布する領域)で囲まれる。黒セラミックとガラスとの境界部分では楔角の変化が顕著となって中間膜の条件管理が難しくなるため、カメラを搭載するために黒セラミックで囲まれた領域では、楔角δgが式(1)を満足していることが好ましい。カメラが取得する画像の透視二重像を低減するためである。
つまり、本実施の形態において、HUD表示外領域Bの少なくとも一部の領域とは、例えば、カメラを搭載するために黒セラミックで囲まれた領域である。
このように、本実施の形態では、HUD表示外領域Bの少なくとも一部の領域の各点において、中間膜230の楔角を0又は小さな値(0.5[mrad]以下)に制限し、ガラス板210及び220が負担する楔角を大きくする。これにより、中間膜の楔角制御性の問題の発生を抑制し、かつ、透視二重像を低減する好適な楔角を有する合わせガラスを実現できる。
具体的には、式(1)を満たすように、ガラス板210及び220の楔角δgを決定することにより、中間膜の楔角制御性の問題の発生を抑制し、透視二重像を低減する好適な楔角を有する合わせガラスを実現できる。特に、合わせガラスの厚みが大きくなる上辺部(図4及び図5においてガラス高さが高い側)での透視二重像の悪化を防止できる。
なお、以上はHUD表示外領域Bの透視二重像について説明したが、HUD表示領域Aの反射二重像を低減するためには、ガラス板210及び220の楔角δgを0.1[mrad]以上1.2[mrad]以下とすることが好ましい。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、40 光源
11a、11b、12a、12b、41a、41b、42a、42b 光線
11c、12c、41c、42c 像
20 フロントガラス
21 内面
22 外面
30 眼
210、220 ガラス板
230 中間膜
A HUD表示領域
B HUD表示外領域
C 境界

Claims (10)

  1. 第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備えた合わせガラスであって、
    ヘッドアップディスプレイで使用する第1領域と、前記第1領域に隣接するヘッドアップディスプレイで使用しない第2領域と、を有し、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の一方又は双方は楔状のガラスであり、
    前記第2領域の少なくとも一部の領域は、JIS規格R3212で規定する試験領域Aに相当する領域であり、
    前記試験領域Aに相当する領域の各点において、前記第1のガラス板の楔角と前記第2のガラス板の楔角とを合算した楔角δgが0.3[mrad]以上1.2[mrad]以下であり、以下の式(1)を満足することを特徴とする合わせガラス。
    Figure 2018193299
    但し、tは合わせガラスの厚さ、Rは合わせガラスの局所曲率半径、nは合わせガラスの屈折率、φは合わせガラスに入射する光線の局所入射角、ηは透視二重像の目標角度であり前記少なくとも一部の領域の各点の1点以上で0<|η|となる値であって−9<η<9[分]、δcは楔角の補正値であり0.05<δc<0.3[mrad]、δiは中間膜の楔角でありδi≦0.2[mrad]、である。
  2. 第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備えた合わせガラスであって、
    ヘッドアップディスプレイで使用する第1領域と、前記第1領域に隣接するヘッドアップディスプレイで使用しない第2領域と、を有し、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の一方又は双方は楔状のガラスであり、
    前記第2領域の少なくとも一部の領域は、JIS規格R3212で規定する試験領域Bに相当する領域であり、
    前記試験領域Bに相当する領域の各点において、前記第1のガラス板の楔角と前記第2のガラス板の楔角とを合算した楔角δgが0.3[mrad]以上1.2[mrad]以下であり、以下の式(1)を満足することを特徴とする合わせガラス。
    Figure 2018193299

    但し、tは合わせガラスの厚さ、Rは合わせガラスの局所曲率半径、nは合わせガラスの屈折率、φは合わせガラスに入射する光線の局所入射角、ηは透視二重像の目標角度であり前記少なくとも一部の領域の各点の1点以上で0<|η|となる値であって−9<η<9[分]、δcは楔角の補正値であり0.05<δc<0.3[mrad]、δiは中間膜の楔角でありδi≦0.2[mrad]、である。
  3. 第1のガラス板と、第2のガラス板と、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との間に位置して前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とを接着する中間膜と、を備えた合わせガラスであって、
    ヘッドアップディスプレイで使用する第1領域と、前記第1領域に隣接するヘッドアップディスプレイで使用しない第2領域と、を有し、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の一方又は双方は楔状のガラスであり、
    前記第2領域の少なくとも一部の領域は、カメラを搭載するために黒セラミックで囲まれた領域であり、
    前記黒セラミックで囲まれた領域の各点において、前記第1のガラス板の楔角と前記第2のガラス板の楔角とを合算した楔角δgが0.3[mrad]以上1.2[mrad]以下であり、以下の式(1)を満足することを特徴とする合わせガラス。
    Figure 2018193299
    但し、tは合わせガラスの厚さ、Rは合わせガラスの局所曲率半径、nは合わせガラスの屈折率、φは合わせガラスに入射する光線の局所入射角、ηは透視二重像の目標角度であり前記少なくとも一部の領域の各点の1点以上で0<|η|となる値であって−9<η<9[分]、δcは楔角の補正値であり0.05<δc<0.3[mrad]、δiは中間膜の楔角でありδi≦0.2[mrad]、である。
  4. ηは前記少なくとも一部の領域の各点の1点以上で0<|η|となる値であって−6<η<6[分]であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の合わせガラス。
  5. ηは前記少なくとも一部の領域の各点の1点以上で0<|η|となる値であって−3<η<3[分]であることを特徴とする請求項4に記載の合わせガラス。
  6. δi=0[mrad]であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の合わせガラス。
  7. 前記第1のガラス板が車内側に位置し、楔状のガラスであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の合わせガラス。
  8. 前記第2のガラス板が車外側に位置し、楔状のガラスであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の合わせガラス。
  9. 0.05<δc<0.2であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の合わせガラス。
  10. 前記第1のガラス板及び前記第2のガラス板がともにフロートガラスであって筋目を有し、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板の筋目が直交することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の合わせガラス。
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