JP2018192415A - 塗工装置、および、衛生用品の製造装置 - Google Patents

塗工装置、および、衛生用品の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】省スペース化を図りながら塗布量の調整を容易にする。【解決手段】液状の塗工剤を泡状にする泡生成部521と、帯状の被塗工シートWを搬送する搬送部520Mと、泡生成部521により生成された泡状の塗工剤を、搬送部520Mを搬送される被塗工シートWに塗布する塗布部522とを備える。【選択図】図4

Description

本件は、液剤を塗る塗工装置、および、この塗工装置により液剤が塗布された抄造体から衛生用品を製造する装置に関する。
ティシュペーパやペーパタオルといった衛生用品を製造する工程では、搬送される帯状の原紙に保湿剤や芳香剤などの液剤を塗布することがある。従来、このような原紙に液剤を塗る手法の一つとして、グラビア方式によるものが知られている(たとえば特許文献1参照)。
グラビア方式は、版目(凹部)が周面に刻設されたグラビアロールと、このグラビアロールに対向して配置されたバックアップロールとの間に被塗布物を通し、グラビアロールから被塗布物に液剤を転写する方式である。一般に、このようなグラビア方式の塗工では、グラビアロールの回転速度を変更することで、被塗布物に対する液剤の塗布量(塗布膜の厚み)が変更される。
特許第4676564号公報
しかしながら、塗布量はグラビアロールの回転速度に対してリニアに変化しないことがある。このため、グラビア方式の塗工法では塗布量の調整が難しいという課題がある。また、グラビアロールとバックアップロールとが被塗布物を挟んで対向配置されるため、装置の省スペース化が難しいという課題もある。
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、塗布量の調整を容易にするとともに省スペース化を実現することを目的の一つとする。
(1)ここで開示する塗工装置は、液状の塗工剤を泡状にする泡生成部と、帯状の被塗工シートを搬送する搬送部と、前記泡生成部により生成された泡状の塗工剤を、前記搬送部を搬送される前記被塗工シートに塗布する塗布部と、を備えている。
(2)前記被塗工シートが、衛生用の抄造体であることが好ましい。
(3)ここで開示する衛生用品の製造装置は、張架された状態で搬送される帯状の抄造体から所定の幅方向寸法をなす衛生用品を製造する。本製造装置は、前記所定の幅方向寸法に裁断された前記抄造体に薬剤を塗布する塗布部を備えている。また、前記塗布部が、前記塗工装置であって、前記薬剤を前記液剤として前記抄造体に塗布する。
本件によれば、省スペース化を図りながら塗布量の調整を容易にすることができる。
各実施形態に係るティシュペーパを製造する過程の概要を示す模式図である。 各実施形態に係る抄紙機を示す模式図である。 各実施形態に係る積層機を示す模式図である。 各実施形態に係る折畳機を示す模式図であり、(A)は(B)のX−X矢視図である。 各実施形態に係るティシュペーパを製造する手順を示すフローチャートである。 各実施形態に係る折畳機の変形例を示す図である。 第1実施形態に係る塗工装置の泡生成部の断面図である。 第1実施形態に係る塗工装置の塗布部の斜視図である。 第1実施形態に係る塗工装置の塗布部の側面図である。 第2実施形態に係る塗工装置の塗布部の斜視図である。 第2実施形態に係る塗工装置の塗布部の分解斜視図である。 第2実施形態に係る塗工装置の塗布部の側面図である。 第3実施形態に係る塗工装置の塗布部の断面図である。
本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。この実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
[I.第1実施形態]
各実施形態の塗工装置は、衛生用品を製造する製造装置に組み込まれている。この製造装置によって製造される衛生用品は、抄造体である。
抄造体とは、繊維を用いて抄造された物である。この抄造体としては、パルプ繊維から抄造される紙や樹脂繊維から抄造される不織布が挙げられる。たとえば、抄造体には、ティシュペーパやペーパタオルなどの衛生用紙のほか衛生用不織布といった衛生用品が含まれる。
以下の各実施形態では、上記した衛生用品の一例として、搬送される帯状の原紙(抄紙)から製造される枚葉状(シート状)のティシュペーパを挙げる。
なお、下記の実施形態では、原紙が搬送される方向(以下「搬送方向」と略称する)を基準に上流および下流を定める。また、原紙について、長手方向,幅方向,厚み方向の三方向を定める。長手方向は、原紙の延在面において帯状に延びる方向である。この長手方向は、搬送方向に沿う。幅方向は、原紙の延在面において長手方向に直交する方向である。厚み方向は、長手方向および幅方向の何れにも直交する方向である。
なお、本実施形態の構成の説明では、各実施形態に共通またはほぼ共通な製造装置の構成について説明し、その後、本実施形態に係る塗工装置について説明する。
[1.製造装置]
ティシュペーパを製造する装置の構成を概説する。
図1に示すように、ティシュペーパの製造装置は、三つのパートP1,P2,P3に大別される。
第一パートP1では、図2に示す抄紙機1によって、帯状の原紙W(抄造体,シート)が抄造(抄紙)される。
第二パートP2では、図3に示す積層機3によって、第一パートP1で抄造された原紙Wどうしが重ね合わせられる。
なお、重ね合わせられた後の原紙Wについては、二層構造(いわゆる2プライ)であり、重ね合わせられる前の一層構造(いわゆる1プライ)の原紙Wとは構造が異なるものの、可読性に配慮して単に「原紙W」と称する。
第三パートP3では、図4に示す折畳機5によって、第二パートP2で重ね合わせられた原紙Wが折り畳まれる。
そして、所定の搬送方向寸法に原紙Wが分断される。このように分断されるまでの原紙Wは、張架された状態で搬送される。ここでいう「張架された状態」とは、搬送方向に沿う張力(テンション)が印加された状態かつロール間に架け渡された状態を意味する。原紙Wは、搬送時に印加された張力が保持された状態で保管もされる。これらより、抄造されてから分断されるまでの原紙Wは、張力が印加された状態が保持される。
第一パートP1において、抄造された原紙Wが巻き取られる。原紙Wは、第二パートP2に運搬される。そして、原紙Wが繰り出される。同様に、第二パートP2において、重ね合わせられた原紙Wが巻き取られる。原紙Wは、第三パートP3に運搬される。そして、原紙Wが繰り出される。
すなわち、第一パートP1の下流に第一巻取パート15(図2参照)が設けられ、第二パートP2の上流に第一繰出パート30(図3参照)が設けられる。また、第二パートP2の下流に第二巻取パート38(図3参照)が設けられ、第三パートP3の上流に第二繰出パート50(図4参照)が設けられる。さらに、第一パートP1と第二パートP2との間に第一運搬パートP12(第一運搬部)が設けられ、第二パートP2と第三パートP3との間に第二運搬パートP23(第二運搬部)が設けられる。
搬送される原紙Wは、第一パートP1および第二パートP2で巻き取られることにより張力が印加される。平たく言えば、第一パートP1および第二パートP2の巻き取りによって、原紙Wが搬送方向に沿って引っ張られる。
以下、抄紙機1,積層機3および折畳機5の各構成を述べる。
[1−1.抄紙機]
図2を参照して、抄紙機1の構成を詳述する。
抄紙機1は、原料から帯状の原紙Wを抄造するティシュマシンである。
抄紙機1には、原紙Wを抄造する抄紙パート10(抄造部)が設けられている。そのほか、抄紙パート10で抄造された原紙Wを巻き取る第一巻取パート15(第一巻取部)も設けられている。
抄紙パート10は、原料から湿った状態の原紙W(湿紙)を抄造するワイヤパート11,湿った状態の原紙Wから水分を圧搾するプレスパート12,水分が圧搾された原紙Wを乾燥させるドライヤパート13,乾燥した原紙Wの平滑度を高めるカレンダパート14に細別される。カレンダパート14によって平滑度の高められた原紙Wが第一巻取パート15で巻き取られる。
以下、抄紙機1の各パート11,12,13,14,15を製造工程順に説明する。
〈ワイヤパート〉
ワイヤパート11には、原紙Wの原料であるスラリーを射出するヘッドボックスHが設けられている。スラリーには、パルプ繊維の懸濁した原料液が用いられる。
このワイヤパート11には、フォーミングロールRTの外周に一部が巻き掛けられた二種のワイヤベルトBT,BCが設けられている。
ワイヤベルトBT,BCは、ベルト搬送ロールに巻き掛けられたメッシュ状の無端ベルトである。フォーミングワイヤベルトBTは、スラリーに対してフォーミングロールRT側とは反対側(外周側)に巻き掛けられ、搬送ワイヤベルトBCは、スラリーに対してフォーミングロールRT側(内周側)に巻き掛けられる。
フォーミングロールRTの外周においてワイヤベルトBT,BCどうしの間に射出されたスラリーが脱水されることにより、湿った状態の原紙Wが抄造される。
図2に示すように、ヘッドボックスHには、フォーミングワイヤベルトBT側(外周側)に第一原料液を射出する第一射出口HE1と、搬送ワイヤベルトBC側(内周側)に第二原料液を射出する第二射出口HE2とが設けられている。第二原料液よりも第一原料液のほうが懸濁するパルプの繊維長が短く設定される。
原紙Wは、搬送されるワイヤベルトBT,BC上で搬送される際にスラリーから抄造されるため、パルプが搬送方向に沿う配向をなす。そのため、原紙Wは、幅方向に沿っては裂けにくく長手方向に沿っては裂けやすい引き裂き強度の指向性をもつ。
原紙Wは、搬送ワイヤベルトBCによって、次のプレスパート12へ搬送される。
〈プレスパート〉
プレスパート12には、ベルト搬送ロールに巻き掛けられた吸水性の搬送ベルトBAが設けられている。搬送ベルトBAには、吸水性をもつ材料(たとえばフェルト)の無端ベルトが用いられる。
搬送ベルトBAのうち上流側の部位は、上記した搬送ワイヤベルトBCで搬送される原紙Wに対して付勢された状態に設けられる。
ベルト搬送ロールのうち、原紙Wに対して付勢する箇所の搬送ワイヤベルトBCが巻き掛けられるロールには、原紙Wを吸引するサクション機構MSの内蔵されたサクションロールRAが設けられている。サクションロールRAによって、原紙Wの搬送経路が搬送ワイヤベルトBC上から搬送ベルトBA上に切り替えられる。
原紙Wに対する搬送ワイヤベルトBCの付勢箇所において、原紙Wから水分が圧搾される。このようにして脱水された原紙Wは、搬送ベルトBAによって、次のドライヤパート13へ搬送される。
〈ドライヤパート〉
ドライヤパート13には、原紙Wを乾燥させる乾燥ロールRD(「ヤンキーロール」とも称される)が設けられている。
乾燥ロールRDには、搬送ベルトBAのうち下流側の部位が原紙Wを介して付勢されている。搬送ベルトBAで搬送された原紙Wは、回転する乾燥ロールRDの外周面上へ張り付くように移行する。乾燥ロールRDは、たとえば筒内に導入された蒸気によって筒面が加熱され、その筒面上の原紙Wを乾燥させる。
ドライヤパート13には、乾燥した原紙Wを乾燥ロールRDから剥離させるドクターブレードDDが設けられている。
ドクターブレードDDは、乾燥ロールRDの筒面に対して刃先が突き当てられた姿勢で配置される。ドクターブレードDDは、乾燥ロールRDから剥離する原紙Wにクレープ(縮緬状の皺)を付与する。原紙Wには、密に皺寄せられた箇所や疎に皺寄せられた箇所の混在したクレープが付与される。
乾燥ロールRDに対するドクターブレードDDの突き当て角度や剥離された原紙Wの搬送速度に応じて、原紙Wに付与されるクレープの状態が変化する。逆に言えば、ドクターブレードDDの突き当て角度や乾燥ロールRDから剥離された原紙Wの搬送速度を制御することにより、原紙Wに付与されるクレープの状態を調節することが可能である。
このようにして乾燥ロールRDから剥離された原紙Wは、次のカレンダパート14へ搬送される。
〈カレンダパート〉
カレンダパート14には、一対のカレンダロールRLが設けられている。カレンダロールRLは、原紙Wの搬送速度に応じた速度で回転し、搬送される原紙Wを挟み込んだ状態で互いに対向して配置される。カレンダロールRLどうしの間で原紙Wが厚み方向に圧縮される。
このようにしてカレンダ処理された原紙Wは、次の第一巻取パート15へ搬送される。
〈第一巻取パート〉
第一巻取パート15には、原紙Wを巻き取る第一巻取ロールRW1が設けられている。第一巻取ロールRW1に帯状の原紙Wが巻き取られて第一原反ロールWR1が製造される。第一巻取パート15は、原紙Wが引っ張られて巻き取られることから、第一テンションパート(第一テンション部)や第一張力印加パート(第一張力印加部)とも言える。
以下の説明では、半製品(中間体)の第一原反ロールWR1について、装置構造をなすロールとの混同を防ぐため、「第一原反ロールWR1」を「第一原反WR1」と略称する。
[1−2.積層機]
図3を参照して、積層機3の構成を詳述する。
積層機3は、原紙Wどうしを重ね合わせるプライマシンである。積層機3では、二つの第一原反WR1,WR1が設置され、第一原反WR1,WR1から繰り出された原紙Wどうしが積層される。すなわち、原紙Wが二層構造となる。
積層機3には、各第一原反WR1から原紙Wを繰り出す第一繰出パート30(第一繰出部)や原紙Wを巻き取る第二巻取パート38(第二巻取部)に加えて、第一繰出パート30で繰り出された原紙Wどうしを重ね合わせる積層パート32(積層部)が設けられている。さらに積層機3には、積層パート32で重ね合わせられた二層の原紙Wどうしを係合させる係合パート35(係合部)が設けられ、係合された原紙Wを裁断する裁断パート36(裁断部)も設けられている。積層機3には、二層どうしが係合された原紙Wを湿潤させる湿潤パート37(湿潤部)も設けられている。積層パート32と係合パート35との間には、カレンダパート33が設けられている。
以下、積層機3の各パート30,32,33,35,36,37,38を製造工程順に説明する。
〈第一繰出パート〉
第一繰出パート30では、それぞれに第一原反WR1の設置された二つの第一繰出ロールRU1,RU1が設けられ、第一繰出ロールRU1の第一原反WR1から各原紙Wが繰り出される。
このように繰り出された原紙Wは、次の積層パート32へ搬送される。
〈積層パート〉
積層パート32には、外周の一部に二つの原紙Wが重畳して巻き回される積層ロールRPが設けられている。積層ロールRPで二つの原紙Wが重ね合わせられる。
このように重ね合わせられた原紙Wについては、外側を向く二面のうち一方を第一面F1(一方の原紙Wの表面FF)とし、他方を第二面F2(他方の原紙Wの表面FF)とする。
上記のように積層された原紙Wは、次のカレンダパート33へ搬送される。
〈カレンダパート〉
カレンダパート33には、カレンダパート14と同様に、カレンダロールRL1,RL2が二組設けられ、原紙Wに対して二段階にカレンダ処理を施す。
このようにカレンダ処理された原紙Wは、次の係合パート35へ搬送される。
〈係合パート〉
係合パート35には、原紙Wの一部を厚み方向に係合させる係合ロールRCが設けられている。係合ロールRCには、凸ロールRC1および受ロールRC2が設けられている。凸ロールRC1および受ロールRC2は、原紙Wの搬送速度に応じた速度で回転し、原紙Wを挟んで互いに対向して配置される。凸ロールRC1には、原紙Wのうち端縁に沿う箇所に対応して外周に凸部が設けられている。この凸部は、受ロールRC2の外周に突き当てられ、受け止められる。
凸ロールRC1の凸部が原紙Wを介して受ロールRC2の外周に突き当てられることにより、原紙Wが厚み方向に交絡した状態となる。言い換えれば、原紙Wの二層が互いに噛み込んだ状態となり、二層構造の層どうしが一体的に係合する。
受ロールRC2の外周が金属製であり、凸ロールRC1の凸部が原紙Wに対して受ロールRC2側に突出しにくい構造が採用されている。そのため、係合パート35で係合処理された原紙Wは、凸ロールRC1側の一部(たとえば搬送方向に沿う線状の部位)が凹設され、受ロールRC2側はほぼ平坦状をなす。このような係合構造は、「クリンパ」や「コンタクタエンボス」とも称され、両面に凹凸をもつエンボスとは構造的に相異する。
上記のように係合処理された原紙Wは、次の裁断パート36へ搬送される。
〈裁断パート〉
裁断パート36には、長手方向に沿って原紙Wを裁断するスリッタSが設けられている。スリッタSは、裁断箇所の幅方向位置に応じたさまざまな幅方向寸法に原紙Wを断裁することができる。たとえば、原紙Wに対して幅方向位置が調節可能に設けられた刃(カッタ)および刃受けロールがスリッタSに設けられる。
裁断パート36では、原紙Wの裁断寸法が所定の幅方向寸法に設定されている。
「所定の幅方向寸法」とは、折畳機5(図4参照)に設置される原紙Wの幅方向寸法を意味する。この幅方向寸法としては、完成したティシュペーパのうち端辺(長辺または短辺)の寸法(すなわち製品幅)やこの整数倍の寸法などが挙げられる。
このような幅方向寸法に裁断された各原紙Wは、次の湿潤パート37へ搬送される。
〈湿潤パート〉
湿潤パート37には、原紙Wを湿潤させる装置が設けられている。この湿潤装置として、ここでは(図3には)原紙Wの両面F1,F2に水を吹き付ける噴霧器A1,A2(マルチ湿潤部)を例示する。詳細には、原紙Wの第一面F1に水分を含有させる第一噴霧器A1と、原紙Wの第二面F2に水分を含有させる第二噴霧器A2とが設けられている。
湿潤パート37は、上記したように水を原紙Wに含有させて湿潤度合いを増加させることから、加湿パート(加湿部)とも言える。
このようにして含水した原紙Wは、次の第二巻取パート38へ搬送される。
〈第二巻取パート〉
第二巻取パート38には、第一巻取パート15と同様に、原紙Wを巻き取る第二巻取ロールRW2が設けられている。第二巻取ロールRW2に帯状の原紙Wが巻き取られて第二原反ロールWR2が製造される。第二巻取パート38では、第一巻取パート15と同様に、原紙Wが引っ張られつつ巻き取られることから、第二テンションパート(第二テンション部)や第二張力印加パート(第二張力印加部)とも言える。なお、この第二原反ロールWR2についても、装置構造をなすロールとの混同を防ぐため、「第二原反WR2」と略称する。
[1−3.折畳機]
図4を参照して、折畳機5の構成を詳述する。
折畳機5は、原紙Wを折り畳むインターフォルダである。この折畳機5には、いわゆるマルチスタンド方式のインターフォルダ(「多連機」とも称される)が採用されており、製品状態で包装される枚数(ティシュ箱に収容される枚数)に応じた多数の第二原反WR2が設置される。
折畳機5には、各第二原反WR2から原紙Wを繰り出す第二繰出パート50(第二繰出部)や原紙Wを折り畳む折畳パート54(折畳部)に加えて、第二繰出パート50で繰り出された後であって折畳パート54で折り畳まれる前の原紙Wに薬剤を塗布する塗布パート52(塗布部)が設けられている。折畳機5には、薬剤の塗布される前の原紙Wに凹凸(エンボス)を形成(付与)するエンボス形成パート51(エンボス形成部)が設けられている。折畳機5には、折畳パート54で折り畳まれた原紙Wを分断する分断パート56(分断部)および分断パート56で分断された原紙Wの包装パート58(包装部)も設けられている。
一台の第二繰出パート50には、二つの第二原反WR2が設置(たとえば並設)される。製品状態で包装される二枚で一組のティシュを製造する場合には、第二繰出パート50に設置される二つの第二原反WR2はそれぞれ二層構造であることから、一つの第二原反WR2からは一組(二枚の原紙Wが重なっている状態)のティシュが製造される。つまり、一台の第二繰出パート50から二組のティシュが製造される。すなわち、その製品状態で包装されるティシュ(一箱のティシュ)における総組数の半数と同台数の第二繰出パート50が設置される。
エンボス形成パート51,塗布パート52および折畳パート54は、第二繰出パート50と同様に、多数の箇所に設けられる。一方、分断パート56および包装パート58は、折畳機5の下流において一箇所に設けられる。
以下、折畳機5の各パート50,51,52,54,56,58を製造工程順に説明する。
上流側のパート50,51,52,54については図4(A)を参照し、下流側のパート56,58については図4(B)を参照して詳述する。
〈第二繰出パート〉
第二繰出パート50では、第二原反WR2が設置された第二繰出ロールRU2が設けられ、第二繰出ロールRU2の第二原反WR2から原紙Wが繰り出される。
このように繰り出された原紙Wは、次のエンボス形成パート51へ搬送(導出)される。
〈エンボス形成パート〉
エンボス形成パート51は、所定の幅方向寸法に裁断された原紙Wに凹凸を形成する(このことからエンボス形成パート51は「裁断後エンボス形成部」とも言える)。
エンボス形成パート51には、原紙Wに凹凸を形成する一対のエンボスロールREが原紙Wを挟んで互いに対向して配置されている。エンボスロールREの周面には、原紙Wに形成される凹凸に対応する凸凹が刻設されている。
エンボス形成パート51では、エンボスロールREの凸凹が原紙Wに押し付けられて、原紙Wに凹凸が形成される。
エンボス形成パート51では、両面エンボス方式が採用され、第一面F1に凹凸を形成する第一エンボスロールRE1と、第二面F2に凹凸を形成する第二エンボスロールRE2とが設けられる。図4(A)に例示するように、原紙Wに凹凸が形成される箇所(エンボスロールRE1,RE2のニップ箇所)において、第一エンボスロールRE1の凸凹と第二エンボスロールRE2の凸凹とが互い違いに原紙Wを押し付ける両面エンボス方式が用いられている。
ただし、エンボスロールの凸凹のうち凸部どうしが突き合せられる両面エンボス方式を用いてもよく、一方のエンボスロールのみが凸凹をもつ片面エンボス方式を用いてもよい。片面エンボス方式では、他方のエンボスロールにゴムロールが用いられ、原紙の凹凸形成面とは反対の面にも凹凸が形成される。
エンボス形成パート51は、原紙Wに凹凸を形成してエンボスを付与することから、エンボス付与パート(エンボス付与部)とも言える。
上記したように凹凸が形成された原紙Wは、次の塗布パート52へ搬送される。
〈塗布パート〉
塗布パート52では、原紙Wに薬剤が塗布される。
この薬剤としては、保湿剤や芳香剤をはじめ、医療成分,清涼剤,顔料といったさまざまな液剤が挙げられる。たとえば、原紙Wの保湿機能を高める機能性の薬剤として、グリセリンやソルビトールが水溶した保湿液(薬剤)が用いられる。
塗布パート52には、原紙Wの両面F1,F2をそれぞれ塗工する二つの塗布パート52A,52B(マルチ塗布部)が設けられている。原紙Wの第一面F1は、第一塗布パート52A(第一塗布部)によって塗工される。原紙Wの第二面F2は、第二塗布パート52B(第二塗布部)によって塗工される。
塗布パート52A,52Bでは、原紙Wに対する薬剤の塗布方向が同方向に設定される。言い換えれば、塗布パート52A,52Bは、所定方向から薬剤を原紙Wに塗布する。ここでは、薬剤塗布に関する所定方向として鉛直方向下側からとしたもの(すなわち下方からの薬剤の塗工)を例示する。
塗布パート52には原紙Wの向きを反転させる反転ローラRR1,RR2(面返し部)が設けられ、このように塗布パート52A,52Bのそれぞれで両面F1,F2に対する塗布方向が下方(一方向)を向き、上記した塗布を可能としている。
表裏反転ローラRR1は第二繰出パート50と第一塗布パート52Aとの間に配置され、裏表反転ローラRR2は第一塗布パート52Aと第二塗布パート52Bとの間に配置される。
図4(A)には、二つの表裏反転ローラRR1および二つの裏表反転ローラRR2を例示する。ただし、反転ローラRR1,RR2の設置数は、原紙Wの搬送経路や周囲の構成,要求仕様などに応じて設定すればよく、単数であっても三つ以上の複数であってもよい。
反転ローラRR1,RR2は、下記のように原紙Wの向きを反転させる。
表裏反転ローラRR1に進入する直前の原紙Wは、第一面F1が上方を向き、第二面F2が下方を向いている。つづいて、表裏反転ローラRR1によって両面F1,F2の向きが反転し、第一面F1が下方を向くとともに第二面F2が上方を向き、第一塗布パート52Aで下方から第一面F1に薬剤が塗布される。その後、裏表反転ローラRR2によって再び両面F1,F2の向きが反転し、第一面F1が上方を向くとともに第二面F2が下方を向き、第二塗布パート52Bで下方から第二面F2に薬剤が塗布される。
かかる塗布パート52の詳細については後述する。
上記したように薬剤が塗布された原紙Wは、次の折畳パート54へ搬送される。
〈折畳パート〉
折畳パート54には、折畳機構として折板Pを用いて原紙Wを折り畳む機構(折板式、原紙Wの折畳形態はポップアップ方式)が採用されている。
折畳パート54には、原紙Wを折り畳む折板Pのほか、原紙Wの幅方向に交差して配置された傾斜ロールCRI1,CRI2や一組の原紙W,Wどうしを離間させる離間ロールCRS1,CRS2といった種々の搬送ロールが設けられている。
折畳パート54は、第一面F1が外側の状態であって第二面F2が内側の状態で原紙Wを折り畳み、折板Pによる折り目を原紙Wの搬送方向に沿って形成する。
上記したように折り畳まれた原紙Wは、並設された他の第二繰出パート50,エンボス形成パート51,塗布パート52および折畳パート54を経て折り畳まれた原紙Wと積み重ねられ、搬送ベルトBIによって、次の分断パート56へ搬送される。
〈分断パート〉
分断パート56には、幅方向に沿って原紙Wを裁断するカッタCが設けられている。このように裁断された原紙Wは、長手方向に亘る連続が分断される。このように分断されることで、原紙Wに対して印加されていた搬送方向に沿う張力が解除される。このことから、薬剤が塗布された原紙Wは、巻き取られずに、積層され、折り畳まれるものと言える。第一パートP1の第一巻取パート15,第二パートP2(パート30,32,33,35,36,38)第二運搬パートP23,第三パートP3の第二繰出パート50などの分断パート56よりも上流側は、原紙Wに印加された張力が保持されることから、張力保持パート(張力保持部)とも言える。
カッタCは、裁断タイミング(ここでは上下動の制御間隔)に応じてさまざまな搬送方向寸法に原紙Wを断裁することができる。たとえば、カッタCの裁断間隔が長いほど、裁断後に原紙Wが搬送される距離が延びることから、搬送方向寸法の長い原紙Wが切り分けられる。
分断パート56は、上述した裁断パート36の下流で原紙Wを裁断することから、第二裁断パートとも言える。逆に、裁断パート36は、第一裁断パートとも言える。
原紙Wの裁断寸法は、所定の搬送方向寸法に設定されている。
「所定の搬送方向寸法」とは、完成したティシュペーパのうち、上述した所定の幅方向寸法に裁断された端辺に対して直交する端辺の寸法を意味する。具体的に言えば、ティシュペーパのうち、ティシュ箱の長手方向に沿う端辺の長さとして設定された寸法が、所定の搬送方向寸法に設定される。
このように分断パート56で分断された原紙W(枚葉状の衛生用品)は、包装前のティシュペーパであり、次の包装パート58へ搬送される。
〈包装パート〉
包装パート58では、分断パート56で分断された原紙Wを包装用のカートン59(ティシュ箱)に収容する。
このように包装が完了すると、箱入りのティシュペーパが完成する。
〈塗布パートの詳細〉
塗布パート52の詳細構成を説明する。
図4(A)に示すように、各塗布パート52A,52Bにはそれぞれ、被塗工シートである原紙Wを搬送する反転ローラRR1,RR2を備えた搬送部520Mに加えて、液状の薬剤(塗工剤)を泡状にする泡生成部521と、泡生成部521により生成された泡状の薬剤を、搬送部520Mを搬送される原紙Wに塗布する塗布部522とを備えた塗工装置520が装備されている。
本実施形態の塗工装置520は、塗布部522よりも下流に、原紙Wに残存する薬剤の泡を消す消泡部524をさらに備えている。
各塗布パート52A,52Bに装備された各塗工装置520は、搬送される原紙Wの下面に泡状の薬剤を塗工するように、何れも塗布部522が上向きに配置されている。したがって、第一塗布パート52Aでは搬送される原紙Wの第1面Fに泡状の薬剤が塗工され、第二塗布パート52Bでは搬送される原紙Wの第2面Fに泡状の薬剤が塗工されるようになっている。
図7〜図9を参照して、塗工装置520について詳述する。
泡生成部521は、薬剤Cを液状から泡状(泡状薬剤)Cに生成するが、ここでは、図7に示すように、泡生成部521は、液状薬剤Cを貯留する容器521aと、容器521a内に貯留された液状薬剤Cに気体(ここでは、空気とする)を吹き込むエアノズル521bとを備え、液状薬剤Cに空気を吹き込むことで薬剤Cを液状から泡状Cにする。
つまり、容器521a内の下部521cに貯留した液状薬剤C中に圧縮空気を吹き込むと、吹き込んだ圧縮空気による気泡が容器521a内の上部521dの液状薬剤Cの液面上に上昇し、細かな気泡が集まったきめの細かい泡、即ち、泡沫(foam)が生成される。生成された泡状薬剤Cは、吐出口521eから吐出される。
液体から泡を生成するには、本実施形態のように、液体中に気体を混合させる手法のほか、液体を噴霧しながら気体を混入されるようにしても液体から泡を生成することができ、泡を生成する具体的手法は特に限定されない。泡を生成するには、液体中に界面活性剤を混入させることが有効である。そこで、薬剤Cに予め界面活性剤を混入しておいて泡を生成してもよい。
塗布部522は、図8,図9に示すように、原紙Wに接触して泡状薬剤Cを原紙Wに塗布する塗布ロール522Rを備えている。本実施形態では、塗布ロール522Rは中空ロールであって、中空内部522hと、ロール周面(外周面)522cに開口し中空内部522hと連通する連通孔として複数のスリット522sを有している。スリット522sは、ロール周面522cの母線方向(軸方向)に延びて互いに等間隔に形成されている。
泡生成部521と塗布ロール522Rの中空内部522hとの間には、これらを接続する泡供給路523を備えている。泡生成部521の吐出口521eから吐出された泡状薬剤Cは中空内部522hに送給されて充填される。したがって、中空内部522hに充填される泡状薬剤Cは複数のスリット522sからロール周面522cに吐出される。なお、この泡状薬剤Cの送給は、容器521a内の圧縮空気による圧力上昇を利用して行えるが、ポンプによって泡状薬剤Cの送給をより積極的に行ってもよい。
塗布ロール522Rは、原紙Wの搬送方向に対して交差する(ここでは、直交する)ように回転軸の方向が設定され、その周面の一部が原紙Wの搬送経路に僅かに進入するように配置されている。この塗布ロール522Rは、図示しない駆動装置によってロール周面522cの周速が原紙Wの搬送速度に応じた速度になるように回転駆動される。このときのロール周面522cの周速度は原紙Wの搬送速度と一致させてもよいが、厳密に一致させる必要はない。
塗布ロール522Rは回転しながらロール周面522cの周方向の一部が次々に原紙Wの搬送経路に僅かに進入した位置になるので、各スリット522sの外方やその周囲のロール周面522c上に噴き出した泡状薬剤Cは原紙Wに次々と塗布されていく。泡状薬剤Cを原紙Wに下方から塗布すると、原紙Wに表面張力によって維持される程度の泡状薬剤Cが塗布されることになり、薬剤Cの過剰な塗布が抑えられる。また、薬剤Cが泡状なので、体積的な塗布量に比べて質量的な塗布量は僅かであり、この点でも薬剤Cの過剰な塗布が抑えられる。
原紙Wがロール周面522cと極めて僅かな接触圧で接触している状態ならば、ロール周面522cの全面に泡状薬剤Cが層状に付着しているため、スリット522sがある部分とない部分とで原紙Wに供給される泡状薬剤Cの塗布密度のばらつきは抑えられるが、この塗布密度のばらつきをより抑える手段として、スリット522sのロール周面522c側の開口をできるだけ大きくして、スリット522sの相互間のスリット522sがない部分を極力縮小させることも考えられる。
原紙Wに泡状薬剤Cが塗布されると、泡状薬剤Cは、徐々に泡がつぶれて液状に戻りながら原紙Wの表面から内部に浸透している。しかし、表面に塗布された薬剤Cが破裂することなく泡状のままの状態で原紙Wが後工程に搬送されると、後工程の機器類等が汚染されてしまうおそれがある。そこで、塗工装置520の塗布部522よりも下流には、原紙Wに残存する薬剤の泡を消す消泡部524が備えられている。
消泡部524は、消泡ロール524Rと、消泡ロール524Rのロール周面524cから径方向外方に多数突設された短く微細な針状体524nとを有している。消泡部524は、針状体524nの先端が原紙Wに接触することはなく、且つ、原紙Wの表面に残存する泡には接触するように配置されている。
本実施形態では、消泡ロール524Rも、図示しない駆動装置によって原紙Wの搬送方向に沿って回転駆動されるが、このときのロール周面の周速度は原紙Wの搬送速度と一致させる必要はなく、むしろ速度差がある方がよい。消泡ロール524Rを原紙Wの搬送方向に沿って回転駆動させることで、万一、針状体524nの先端が原紙W自体に接触しても、針状体524nによる原紙Wの損傷の可能性を抑えることができる。また、速度差をあたえることで、針状体524nの先端が原紙Wの表面に残存する泡を確実に破裂させることが期待できる。
なお、消泡部524は必要に応じて設置すればよく、消泡の手法は針状体を接触させる以外に、泡のみに接触するプレート等を通過させて泡を破裂させるように消泡部を構成してもよい。また、たとえば空気を吹き付けて非接触で泡を破裂させるように消泡部を構成してもよい。
[2.製造方法]
上述した製造装置を用いてティシュペーパを製造する方法を述べる。
本方法では、図5に示すように、はじめに、抄紙機1の製法に対応する第一工程(ステップS10およびS15)が実施される。それから、抄紙機1で巻き取られた第一原反WR1を積層機3へ運搬する第一運搬工程(ステップS20)が実施される。
その後、積層機3の製法に対応する第二工程(ステップS30〜S38)が実施される。それから、積層機3で巻き取られた第二原反WR2を折畳機5へ運搬する第二運搬工程(ステップS40)が実施される。
このように、第一工程,第二工程および第三工程の工程間には、原反WR1,WR2を移動させる運搬工程が実施される。
そして、折畳機5の製法に対応する第三工程(ステップS50〜S58)が実施される。
第一工程では、抄紙パート10の製法に対応する抄造工程(ステップS10)が実施される。この抄造工程では、原料のスラリーから湿った状態の原紙Wを乾燥させ、原紙Wにクレープが付与される。
そして、第一巻取パート15で原紙Wを巻き取る第一巻取工程(ステップS15)が実施される。この第一巻取工程は、第一巻取パート15の別称に倣って、第一テンション工程や第一張力印加工程とも言える。
第二工程では、第一繰出パート30で原紙Wを繰り出す第一繰出工程(ステップS30)が実施される。つづいて、積層パート32で原紙Wを重ね合わせる積層工程(ステップS32)が実施される。
それから、カレンダパート33で原紙Wをカレンダ処理した後に、係合パート35で原紙Wどうしを係合する係合工程(ステップS35)が実施される。その後、裁断パート36で原紙Wを所定の幅方向寸法に裁断する裁断工程(ステップS36)が実施される。
それから、裁断された原紙Wを湿潤させる湿潤工程(ステップS37)が実施される。この湿潤工程は、原紙Wの両面F1,F2に水分を含有させる。また、湿潤パート37の別称に倣って、湿潤工程を加湿工程とも言える。
そして、第二巻取パート20で二層構造の原紙Wを巻き取る第二巻取工程(ステップS38)が実施される。この第二巻取工程は、第二巻取パート38の別称に倣って、「第二テンション工程」や「第二張力印加工程」とも言える。
第三工程では、第二繰出パート50で原紙Wを繰り出す第二繰出工程(ステップS50)が実施される。その後、エンボスロールREで原紙Wに凹凸を形成するエンボス形成工程(ステップS51)が実施される。このエンボス形成工程は、所定の幅方向寸法に裁断された原紙Wに凹凸を形成することから、「裁断後エンボス形成工程」とも言える。また、エンボス形成工程は、原紙Wに凹凸を形成してエンボスを付与することから、「エンボス付与工程」とも言える。
それから、塗布パート52で原紙Wに薬剤を塗布する塗布工程(ステップS52)が実施される。詳細には、原紙Wの両面F1,F2に薬剤を塗布するマルチ塗布工程(ステップS52)が実施される。
このマルチ塗布工程では、まず、表裏反転ローラRR1で原紙Wの向き反転させる第一面返し工程(ステップS522)が実施される。それから、第一塗布パート52Aで原紙Wの第一面F1に薬剤を塗布する第一塗布工程(ステップS524)が実施される。
その後、裏表反転ローラRR2で原紙Wの向きを再び反転させる第二面返し工程(ステップS526)が実施される。そして、第二塗布パート52Bで原紙Wの第二面F2に薬剤を塗布する第二塗布工程(ステップS528)が実施される。
なお、第一面返し工程および第二面返し工程は、薬剤を塗布する面を変更することから、面変更工程とも言える。
つづいて、折畳パート54で原紙Wを折り畳む折畳工程(ステップS54)が実施される。
その後、分断パート56で折り畳まれた原紙Wを所定の搬送方向寸法に分断する分断工程(ステップS56)が実施される。
このようにして、薬剤が塗布された原紙Wを巻き取ることなく、原紙Wの折り畳みや積層を実施する。
そして、原紙W(ティシュペーパ)をカートン59に包装する。
このような手順でティシュペーパが製造される。
[3.作用および効果]
[3−1.塗工装置]
本実施形態で開示する塗工装置520は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
薬剤を泡状にした泡状薬剤Cを原紙Wに塗布するので、液状の薬剤Cに比べて質量的な塗布量を抑えられ、薬剤Cの過剰な塗布が抑えられる。
したがって、特に装置を大型化することなく、省スペース化を図りながら塗布量の調整を容易にすることができる。
泡状薬剤Cを原紙Wに下方から塗布するので、原紙Wに表面張力によって維持される程度の泡状薬剤Cが塗布されることになり、薬剤Cの過剰な塗布が抑えられる。したがって、塗布量の調整を容易にすることができる。
なお、泡状薬剤Cの性状によっては滴下するおそれが極めて少ないものも想定できるので、この場合には、泡状薬剤Cを原紙Wに上方から塗布してもよく、この場合、原紙Wの上下両方から同時に、あるいは、搬送方向にずらせて泡状薬剤Cを原紙Wに塗布することができ、原紙Wの反転操作が不要になる。
泡生成部521では、液状薬剤Cに気体を吹き込むことにより、薬剤Cを液状から泡状Cにするので、容易に泡状薬剤Cを生成できる。
塗工装置520の塗布部522よりも下流には、原紙Wに残存する薬剤の泡を消す消泡部524が備えられているので、表面に塗布された薬剤Cが破裂することなく泡状のままの状態で原紙Wが後工程に搬送されることも回避され、後工程の機器類等が汚染されてしまうおそれを抑制することができる。
塗布部522では、塗布ロール522Rを用いているので、原紙Wの搬送に対応させて塗布ロール522Rを回転させながら原紙Wに接触しつつ泡状薬剤Cを塗布することができ、原紙Wに損傷を与えることなく原紙Wに確実に泡状薬剤Cを塗布することができる。
塗布ロール522Rは、中空に形成され、ロール周面522cに開口し中空内部522hと連通する連通穴としてのスリット522sを有し、泡供給路523を通じて泡生成部521から中空内部522hに泡状薬剤Cを供給するので、スリット522sから原紙Wに泡状薬剤Cを確実に供給することができる。
連通穴としての軸方向に延びる複数のスリット522sを備えるので、必要量の泡状薬剤Cを原紙Wに均等に塗布しやすい利点もある。
なお、本実施形態の塗布ロール522Rは、特に前記搬送部520Mにおいて、原紙Wを所定の搬送経路に案内するガイドロールではないが、塗布ロール522Rとガイドロールとを兼用させるようにすれば、構成を簡素化できる。
また、塗布ロール522Rの反対側にカウンタロールを配置して、原紙Wを塗布ロール522Rとカウンタロールとの間を通過させながら泡状薬剤Cを原紙Wに塗布してもよい。この場合、塗布量をより安定させることができる。
[3−2.製造装置]
本実施形態で開示するティシュペーパの製造方法および製造装置は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
以下、主に製法に関する作用および効果を述べる。
(1)
積層機において原紙に薬剤を塗布する従来製法では、薬剤塗布から原紙の分断や包装までに巻取工程や繰出工程をはじめとした多数の工程が実施される。
これに対し、本製法では、積層機3よりも下流の折畳機5で原紙Wに薬剤を塗布する。そのため、原紙Wに薬剤が塗布されてから包装されるまでの工程数は、巻取工程や運搬工程,繰出工程が設定されていないことから、上記した従来製法の工程数よりも抑えられる。
よって、原紙Wが湿潤した状態かつ張力が印加された状態の期間が抑えられる。このようにして、原紙Wが伸びやすい期間が短縮される。そのため、原紙Wの厚み低下を抑えることができる。したがって、ティシュペーパの厚みを確保することができ、触感や風合いを高めることもできる。このように、ティシュペーパの品質を高めることができる。
従来、所定の幅方向寸法に裁断される前の原紙に薬剤を塗布する従来製法では、一種の薬剤を用いる限り、裁断された原紙のそれぞれに異なる薬剤を塗布することは困難である。仮に、原紙において裁断される各幅方向領域に薬剤を塗り分ければ、裁断後の原紙にそれぞれ異なる薬剤が塗布されるものの、薬剤を塗布する機構の複雑化を招く。
これに対し、本製法では、所定の幅方向寸法への裁断後に薬剤を原紙Wに塗布する。そのため、折畳機5ごとに種々の薬剤を使い分ければ、簡素な構成でティシュペーパにさまざまな機能をもたせることができる。
折畳機5は様々な装置が複雑に入り組んで構成されるため、上述したように折畳機5で薬剤を塗布する場合、新たな装置を設置するためのスペースを確保することが難しい。これに対し、塗布工程で上述した塗工装置520を適用すれば、省スペース化を図ることができるため、折畳機5に対する組み込みを容易にすることができる。したがって、たとえば既存の折畳機に対しても、大幅な設計変更をすることなく塗工装置520を組み込むことが可能である。
ここで、原紙Wが湿潤した際の物性を述べる。
原紙Wが湿潤すると、クレープをなす縮緬状の皺が解され、水素結合力(分子間力)に低下によって繊維の交絡が弱まる。すなわち、原紙Wは、水分が浸透するにつれて徐々に伸びやすくなる物性をもつ。薬剤の水分が原紙Wに浸透することによっても、上記のように原紙Wが経時的に伸張しやすくなる状態が引き起こされる。
このように湿潤して伸張しやすい状態が分断工程で所定の搬送方向寸法に裁断された後、すなわち、搬送方向の張力が解除された後にも継続している場合には、原紙Wの伸張が張力で吸収あるいは解消されず、皺やヨレの発生を招くおそれがある。特に、塗布工程から分断工程までは、折畳工程が実施されるだけの短期間であることから、薬剤塗布による原紙Wの湿潤が皺やヨレの発生を引き起こしやすい。
これに対し、本製法では、薬剤を塗布する前の原紙Wを湿潤させる湿潤工程が設定される。この湿潤工程によって薬剤が塗布される前の原紙Wを伸張しやすい状態としたうえで、この状態の原紙Wに印加される搬送方向の張力で予め伸張させることができる。そのため、原紙Wに対する皺やヨレの発生を抑えることができる。よって、ティシュペーパの品質を高めることができる。
(2)本製法では、原紙Wに対して両面F1,F2を湿潤させるため、薬剤の塗布される原紙Wを予め確実に伸張させることができる。そのため、原紙Wに対する皺やヨレの発生を確実に抑えることができる。
(3)上記したように、本製法の塗布工程には、原紙Wの両面F1,F2に薬剤を塗布するマルチ塗布工程が設定されることから、原紙Wに対する薬剤の塗布量を確保することができる。よって、ティシュペーパに対して付加する機能を高めることができる。
このマルチ塗布工程で両面F1,F2のそれぞれを塗工する第一塗布工程および第二塗布工程の間には、第二面返し工程が設定される。そのため、原紙Wに対する薬剤の塗布方向が一方向に限定された塗工方式を採用することができる。具体的には、下方から塗工する方式を第一塗布工程および第二塗布工程の双方に適用することができる。
(4)仮に、重ね合わせられた原紙の片面だけに薬剤が塗布された場合や片面だけが湿潤させられた場合には、層どうしの伸張度合いの相異によって、原紙に皺やヨレを招くおそれがある。原紙の層どうしが係合されている場合には、更に大きな皺やヨレの発生が憂慮される。
これに対し、本製法では、係合処理された原紙Wの両面F1,F2に対して、湿潤工程で湿潤処理が実施され、塗布工程で塗布処理が実施されることから、皺やヨレの発生を抑えることができる。この点からも、ティシュペーパの品質を確保することができる。
(5)抄造工程においてクレープが付与される原紙Wは、塗布工程の薬剤塗布による湿潤によって、クレープをなす縮緬状の皺が解される。このように伸張しやすい前提構造をもつ原紙Wに対して上述したように薬剤塗布およびエンボス形成を施すことにより、原紙Wの皺やヨレの発生を抑えることができる。
(6)本製法では、原紙Wに対して薬剤を塗布する前にエンボス形成工程で凹凸が形成され、この凹凸によって原紙Wにおける繊維どうしの交絡が強化される。すなわち、薬剤塗布によって繊維どうしの交絡が弱化する原紙Wに対して、その交絡が前以って強化される。よって、原紙Wに対する皺やヨレの発生を抑えることができる。また、エンボス形成工程で形成される凹凸で原紙Wが予め厚み方向に伸ばされることによって、皺やヨレの発生を抑えることができる。よって、ティシュペーパの品質を高めることができる。
本製法では、所定の幅方向寸法への裁断後に凹凸を原紙Wに形成する。そのため、折畳機5ごとに種々の凸凹パターンをもつエンボスロールを使い分ければ、簡素な構成でティシュペーパにさまざまな凹凸パターンを形成することができる。
(7)本製造装置によっても、上述した作用および効果を得ることができる。
[II.第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。本実施形態は、塗工装置530の塗布部532が第1実施形態の塗工装置520の塗布部522と異なっている。泡生成部521および泡供給路523については第1実施形態のものと同様に構成される。そこで、本実施形態の塗工装置530の特徴点を、図10〜図12を参照して説明する。
図10〜図12に示すように、塗布部532は、2つの中空ロール533,534が組み合わされた塗布ロール532Rとして構成されている。
内側の中空ロール533は、中空内部533hと、中空内部533hから中空ロール533のロール周面(外周)533cに開口するように連通する1本のスリット(連通孔)533aとを有している。スリット(連通孔)533aは、ロール周面533cの母線方向(軸方向)に延びて形成されている。
中空ロール533は、原紙Wの搬送方向に対して交差する(ここでは、直交する)ように軸方向が設定され、その周面の一部が原紙Wの搬送経路に僅かに進入するとともに、スリット533aが搬送される原紙Wに最も接近するように向きを配置されて、固定される非回転ロールである。
なお、スリット533aの近傍には、図示しない駆動装置で周方向に微小駆動されて、スリット533aの開度を調整する開度調整部材533bが装備されている。
外側の中空ロール534は、中空内部534hと、中空内部534hから中空ロール534のロール周面(外周)534cに開口するように連通する多数の微細孔(連通孔)534aとを有している。中空ロール534は、中空ロール533の外側に配置され、図示しない駆動装置によってロール周面534cの周速が原紙Wの搬送速度に応じた速度になるように回転駆動される。このときのロール周面534cの周速度は原紙Wの搬送速度と一致させてもよいが、厳密に一致させる必要はない。
図10〜図12には図示しない泡生成部521(図4参照)と塗布ロール532Rの中空ロール533の中空内部533h中との間には、これらを接続する泡供給路523を備えている。泡生成部521の吐出口521eから吐出された泡状薬剤Cは中空内部533hに送給されて充填される。
以上の構成によって、本実施形態では、中空ロール533内の泡状薬剤Cは、1本のスリット533aからロール周面533cに吐出され、さらに外側の中空ロール534の微細孔534aから中空ロール534のロール周面534cに吐出されて、搬送されながらロール周面534cに接触する原紙Wに塗布される。
中空ロール533は被回転であり、スリット533sは常に原紙Wに最も近い一定の回転位相にあるので、ロール周面534cにおける原紙Wとの接触部付近のみに部分的に(ただし、軸方向には一様に)泡状薬剤Cが供給されるため、効率よく泡状薬剤Cを供給することができる。
また、開度調整部材533bを移動させることで、スリット533aの開口面積が可変になっているので、スリット533aの開口面積を適宜調整して、泡状薬剤Cを過不足なく供給することが可能である。
なお、本実施形態においても、必要であれば塗布部532の下流にたとえば第1実施形態に示したような消泡部524を装備することができる。
[III.第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。本実施形態は、塗工装置540の塗布部が第1,2実施形態の塗工装置520,530の塗布部522,532と異なっている。泡生成部521および泡供給路523については第1実施形態のものと同様またはほぼ同様に構成される。そこで、本実施形態の塗工装置540の特徴点を、図13を参照して説明する。
図13に示すように、塗布部は、泡状薬剤Cを保持する泡保持部としての貯留槽542を備え、この貯留槽542の内部542aには、原紙Wを所定の搬送経路に案内するガイドロール543が備えられている。ガイドロール543は搬送部520Mの一部を構成し、ロール周面543cの周速が原紙Wの搬送速度に応じた速度になるように回転駆動される。ガイドロール543により、上流部から搬送された原紙Wは、貯留槽552a内に満たされた泡状薬剤C中を通過する。
なお、図示しない泡生成部521とこの貯留槽542との間には、これらを接続する泡供給路523を備えており、泡生成部521の吐出口521eから吐出された泡状薬剤Cは適宜貯留槽542の内部542aに送給されて充填される。
以上の構成によって、本実施形態では、ガイドロール543を利用して、貯留槽542の内部542aの泡状薬剤Cは、原紙Wの表面に塗布される。
原紙Wは、その両面F,Fが同時に貯留槽542の内部542aで泡状薬剤Cが塗布されるため、原紙Wを反転させる必要がなく、塗布パート52をより簡素に構成することができる。たとえば、ガイドロール543の上流側のガイドロールRg1を塗布パート52の入口に配置し、ガイドロール543の下流側のガイドロールRg2を塗布パート52の出口に配置すれば、塗布パート52のガイドロールはこれら3個のみで構成できる。
また、原紙Wの貯留槽542の内部542aでの搬送ルートを長く構成することも容易であり、泡状薬剤Cを多量に必要とする場合にも対応しやすい。
[IV.その他]
最後に、その他の変形例について述べる。
以下、抄造体を製造する装置および方法に係る変形例について詳述する。
第二工程の湿潤工程は、原紙に薬剤が塗布される前であれば、所定の幅方向寸法に原紙が裁断される前や二層に原紙が係合される前に設定されてもよい。湿潤工程は、第二工程に限らず、第一工程や第三工程に設定されてもよい。第三工程において第二繰出工程後に湿潤工程が設定されてもよいし、第一工程において第一巻取工程前に湿潤工程が設定されてもよい。
上記した種々の湿潤工程のうち二つに、第一噴霧器A1および第二噴霧器A2を分離して配置してもよい。すなわち、原紙の第一面を湿潤させる工程と原紙の第二面を湿潤させる工程とを独立して設定してもよく、これらの工程を別個に設定してもよい。
第一噴霧器A1および第二噴霧器A2の何れか一方を省略し、第一塗布パート52Aおよび第二塗布パート52Bの何れか他方を省略してもよい。すなわち、原紙の両面のうち一方を湿潤工程(片面湿潤工程)や湿潤部(片面湿潤部)で湿潤させ、原紙の両面のうち他方を塗布工程(片面塗布工程)や塗布部(片面塗布部)に薬剤を塗布してもよい。このように湿潤工程および塗布工程に分担させて原紙の両面を湿潤させることにより、原紙のうち一方の面だけに湿潤処理や薬剤塗布を施す製法と比べて、皺やヨレの発生を抑えることができる。
エンボス形成工程は、原紙に薬剤が塗布された後に設定されてもよい。この場合には、薬剤塗布によって繊維の交絡が弱化した原紙Wに対して、エンボス形成工程で凹凸が形成される。この凹凸によって原紙Wにおける繊維どうしの交絡が強化される。そのため、原紙Wに対する皺やヨレの発生を抑えることができる。さらに、凹凸が形成される原紙Wの繊維交絡が弱化した状態であることから、塗布工程後に実施されるエンボス形成工程によれば、凹凸を明瞭に形成することができる。これにより、原紙Wの見栄えや原紙Wによる拭取性を高めることもできる。
また、エンボス形成工程前の塗布工程で上述した塗工装置520〜540を適用すれば、原紙に対する薬剤の塗布量が安定化することで、エンボス形成工程前にも皺やヨレの発生が抑えられるため、エンボス形成工程でより適切に凹凸を形成することができる。
反対に、エンボス形成工程は、原紙に薬剤が塗布される前に設定されてもよい。たとえば、積層機において重ね合わせられた原紙に凹凸を形成してから裁断してもよい。このようなエンボス形成工程やエンボス形成部は、所定の幅方向寸法に裁断される前の原紙に凹凸を形成することから、裁断前エンボス形成工程(裁断前エンボス付与工程)や裁断前エンボス形成部(裁断前エンボス付与部)とも言える。あるいは、抄紙機において、乾燥後の原紙に凹凸を形成し、その後に巻き取ってもよい。これらの場合には、上述した多数のエンボス形成パートに対して、一つのエンボス形成パートを設ければよいため、装置コストの低減や製造効率の向上に寄与する。
薬剤の両面塗布に際して原紙を反転させる形態は、鉛直平面に直交する向きのままで原紙が反転する形態に限らず、原紙が種々の姿勢に変化する形態であってもよい。たとえば、幅方向に対して傾斜配置された反転ローラを用いて、原紙を捻るように反転させてもよい。
原紙は三層(3プライ)以上に重ね合わせられてもよい。反対に、積層工程を省略して一層のティシュペーパを製造してもよい。この場合には係合工程も省略される。
原紙に薬剤を塗布する塗布工程が裁断工程後に設定されていれば、抄造工程および湿潤工程を除く他の工程は省略してもよい。たとえば、第二塗布工程を省略して片面塗工のティシュペーパを製造してもよい。この場合には、面返し工程も省略される。さらに、巻取工程,運搬工程,繰出工程を省略して、連続的にティシュペーパを製造してもよい。このようなインライン製法によれば、ティシュペーパの生産効率を高めることができる。
ワイヤパートには長網式,円網式といった他の方式を用いてもよく、ドライヤパートには多筒式(シリンダドライヤ)ロールを用いてもよい。
あるいは、図6に示すように、ロータリ式のインターフォルダを折畳機5′に用いてもよい。この折畳機5′では、一組の原紙W′,W′が折り畳まれて積み重ねられ、原紙W′の幅方向に沿う折り目が形成される。このように一組の原紙W′,W′が設置される折畳機5′によれば、上述したマルチスタンド方式の折畳機5と比べて、塗布部の設置数を抑えることができ、装置コストを低減させることができる。
1 抄紙機
3 積層機
5,5′ 折畳機
10 抄紙パート(抄造部)
15 第一巻取パート(第一巻取部)
30 第一繰出パート(第一繰出部)
32 積層パート(積層部)
35 係合パート(係合部)
36 裁断パート(裁断部)
37 湿潤パート(湿潤部)
38 第二巻取パート(第二巻取部)
50 第二繰出パート(第二繰出部)
51 エンボス形成パート(エンボス形成部)
52 塗布パート(塗布部)
52A 第一塗布パート(第一塗布部)
52B 第二塗布パート(第二塗布部)
54 折畳パート(折畳部)
56 分断パート(分断部)
520,530,540 塗工装置
521 泡生成部
520M 搬送部
522,532,542 塗布部
522R,532R 塗布ロール
522h,533h 中空内部
522s,533s スリット(連通孔)
523 泡供給部
524 消泡部
533b 開度調整部材
542 貯留槽(泡保持部)
543 ガイドロール
1,A2 噴霧器
C カッタ
D ドクターブレード
G1 ドクターブレード
G2 ドクターブレード
F 表面
B 裏面
1 第一面
2 第二面
1 第一パート
2 第二パート
3 第三パート
12 第一運搬パート
23 第二運搬パート
C 係合ロール
D 乾燥ロール
E エンボスロール
E1 第一エンボスロール
E2 第二エンボスロール
O1 オフセットロール
P 積層ロール
R1 表裏反転ローラ
R2 裏表反転ローラ
T フォーミングロール
U1,RU2 繰出ロール
W1,RW2 巻取ロール
S スリッタ
W,W′ 原紙(抄造体)
R1 第一原反(ロール)
R2 第二原反(ロール)

Claims (16)

  1. 液状の塗工剤を泡状にする泡生成部と、
    帯状の被塗工シートを搬送する搬送部と、
    前記泡生成部により生成された泡状の塗工剤を、前記搬送部を搬送される前記被塗工シートに塗布する塗布部と、を備えている
    塗工装置。
  2. 前記泡生成部は、前記液状の塗工剤に気体を吹き込んで泡状にする
    請求項1に記載された塗工装置。
  3. 前記搬送部の前記塗布部よりも下流に、前記被塗工シートに残存する前記泡状の塗工剤の泡を消す消泡部を備えている
    請求項1または2に記載された塗工装置。
  4. 前記塗布部は、前記被塗工シートに接触して前記泡状の塗工剤を塗布する塗布ロールを備えている
    請求項1〜3の何れか1項に記載された塗工装置。
  5. 前記塗布ロールは、中空内部と、ロール周面に開口し前記中空内部と連通する連通孔とを有し、
    前記泡生成部と前記中空内部とを接続する泡供給路を備えている
    請求項4に記載された塗工装置。
  6. 前記連通孔の開口面積が可変に構成されている
    請求項5に記載された塗工装置。
  7. 前記連通孔は、前記被塗工シートが前記塗布ロールに接触する位置のロール周面に配置され一または複数形成されている
    請求項5または6に記載された塗工装置。
  8. 前記連通孔は、前記塗布ロールのロール周面に軸方向に延びたスリットである
    請求項5〜7の何れか1項に記載された塗工装置。
  9. 前記塗布ロールは、前記搬送部に備えられ、前記被塗工シートを所定の搬送経路に案内するガイドロールである
    請求項4〜8の何れか1項に記載された塗工装置。
  10. 前記塗布部は、前記搬送部を搬送される前記被塗工シートの下方に配置され、前記被塗工シートの下面に前記泡状の塗工剤を塗布する
    請求項1〜9の何れか1項に記載された塗工装置。
  11. 前記搬送部は、前記被塗工シートを所定の搬送経路に案内するガイドロールを備え、
    前記塗布部は、前記泡状の塗工剤を保持する泡保持部を備え、
    前記ガイドロールは、前記被塗工シートを、前記泡保持部に保持された前記泡状の塗工剤の中を通過するように案内する
    請求項1〜3の何れか1項に記載された塗工装置。
  12. 前記被塗工シートは、衛生用の抄造体である
    請求項1〜11の何れか1項に記載された塗工装置。
  13. 張架された状態で搬送される帯状の抄造体から所定の幅方向寸法をなす衛生用品を製造する装置であって、
    前記所定の幅方向寸法に裁断された前記抄造体に薬剤を塗布する塗布部と、
    前記塗布部で前記薬剤が塗布された前記抄造体を所定の搬送方向寸法に分断する分断部と、を有し、
    前記塗布部に、請求項12に記載された塗工装置が装備され、
    前記薬剤が塗布された前記シートを巻き取らずに積層し、折り畳む、
    衛生用品の製造装置。
  14. 張架された状態で搬送される帯状の抄造体から所定の幅方向寸法をなす衛生用品を製造する装置であって、
    前記所定の幅方向寸法に裁断された前記抄造体に薬剤を塗布する塗布部と、
    前記塗布部で前記薬剤が塗布された前記抄造体に凹凸を形成するエンボス形成部と、を有し、
    前記塗布部に、請求項12に記載された塗工装置が装備され、
    前記エンボス付与部で前記エンボスが付与された前記シートを、巻き取らずに積層し、折り畳む、
    衛生用品の製造装置。
  15. 張架された状態で搬送される帯状の抄造体から所定の幅方向寸法をなす衛生用品を製造する装置であって、
    前記所定の幅方向寸法に裁断された前記抄造体に薬剤を塗布する塗布部と、
    前記塗布部で前記抄造体に前記薬剤が塗布される前に、前記抄造体に凹凸を形成するエンボス形成部と、を有し、
    前記塗布部に、請求項12に記載された塗工装置が装備され、
    前記塗布部で前記薬剤が塗布された前記シートを、巻き取らずに積層し、折り畳む、
    衛生用品の製造装置。
  16. 張架された状態で搬送される帯状の抄造体から所定の幅方向寸法をなす衛生用品を製造する装置であって、
    前記所定の幅方向寸法に裁断された前記抄造体に薬剤を塗布する塗布部と、
    前記塗布部で前記抄造体に前記薬剤が塗布される前に、前記抄造体を湿潤させる湿潤部と、を有し、
    前記塗布部に、請求項12に記載された塗工装置が装備され、
    前記塗布部で前記薬剤が塗布された前記シートを、巻き取らずに積層し、折り畳む、
    衛生用品の製造装置。
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