JP2018191240A - 画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】入力された画像データに基づく画像をプレビュー表示する際に、印刷時の色味と高精細な画質を容易に確認することができる画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラムを提供する。【解決手段】画像処理装置103は、入力された画像データからプレビュー用画像データを生成し、その画像を印刷前にプレビュー画面901に表示する場合、表示モード切替ボタン903のユーザの押下により設定された、色味確認モードと高精細確認モードのいずれかの表示モードに基づき、プレビュー用画像データを生成するための画像処理を切り替える。【選択図】 図13

Description

本発明は、画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラムに関し、特に入力された画像データに基づく画像をプレビュー表示する画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラムに関する。
近年、プリンタやデジタル複写機などの画像処理装置により記録媒体上に印刷される画像データの高階調化、高解像度化がなされてきている。これらの高階調化、高解像度化の実現のために、画像処理は非常に重要な役割を担っている。
また、画像処理装置が、入力された画像データに基づく画像を紙面等に印刷する前に、前もって画像を予備的にディスプレイに表示する機能(以下、プレビュー機能と称す)を備えている場合がある。この場合、画像処理の効果を確認してから印刷することができるため、無駄な印刷や余計なコストを減らすことができる。
従来、プレビュー機能を用いる際の方式として2つの方式が採られてきた。1つは、入力された画像データに対して画像処理装置で色材毎にハーフトーン処理がされた後にその画像をプレビュー表示し、印刷時の文字やグラフの輪郭の滑らかさといった画質を確認する方式(特許文献1)である。もう1つは、画像処理装置に入力された画像データを上記ハーフトーン処理を行なうことなくそのままその画像をプレビュー表示し、印刷時の色味を確認する方式(特許文献2)のどちらかの方式である。
特開2011−234001号公報 特開2004−240200号公報
しかしながら、一般にディスプレイの方が印刷よりも解像度が低いため、特許文献1に記載の画像データをハーフトーン処理する方式では実際の印刷とは異なる色味でしかその画像をプレビュー表示することができない。一方、特許文献2に記載の入力された画像データの画像をそのままプレビュー表示する方式では、実際の印刷に近い色味でその画像を表示できるが、高精細な印刷が行われる場合にその画質を確認することができない。このように、印刷される画像データの色味と高精細な画質を、1つのディスプレイ上で確認ができるプレビュー機能は今まで存在していなかった。
本発明は、入力された画像データに基づく画像をプレビュー表示する際に、印刷時の色味と高精細な画質を容易に確認することができる画像処理装置及びその画像処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る画像処理装置は、入力された画像データに基づく画像を、印刷前にプレビュー画面に表示する画像処理装置において、前記プレビュー画面の表示モードを設定する設定手段と、前記設定された表示モードに基づき、前記プレビュー画面に表示する際の前記画像データに対する画像処理を切り替える切替手段とを備えることを特徴とする。
入力された画像データに基づく画像をプレビュー表示する際に、印刷時の色味と高精細な画質を容易に確認することができる。
実施例1における画像処理装置を含む画像処理システムの構成を示す図である。 図1におけるホストコンピュータのハードウェア構成を示す図である。 ホストコンピュータのHDDに保存される印刷処理に関わるプログラムの構成を示す図である。 画像処理装置の構成を示す図である。 図4における画像処理部の構成を示す図である。 実施例1における印刷処理の手順を示すフローチャートである。 図4における操作部にて表示される印刷品質の設定を行うための画面を示す図である。 操作部にて表示されるプレビュー確認のための設定画面を示す図である。 操作部にて表示されるプレビュー確認画面を示す図である。 図6のステップS604において、図5における輪郭強調処理部により実行される輪郭強調処理の手順を示すフローチャートである。 輪郭強調処理部において使用するフィルタ・ディザマトリックスを説明するのに用いる図である。 図6のステップS608において表示される操作部407のプレビュー画面を示す図である。 実施例1における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。 実施例2における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。 実施例3における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例における画像処理装置を含む画像処理システムの構成を示す図である。
図1において、画像処理システムは、データ伝送路101、ホストコンピュータ102、及び画像処理装置103とで構成される。ホストコンピュータ102と画像処理装置103はデータ伝送路101を介して繋がっており、互いにデータをやりとりすることが可能である。
ホストコンピュータ102は、各画素に赤(R)/緑(G)/青(b)の8ビット(0〜255)の信号値が割り当てられたビットマップ状の画像データ(RGB画像データ)を含むプリントデータを生成し、画像処理装置103に出力する。
画像処理装置103は、ホストコンピュータ102からプリントデータを取得すると、取得したプリントデータに含まれる画像データに対してプリントのための画像処理を行う。その後、画像処理後の画像データに基づきインクやトナーなどの色材を紙面上に塗布することで紙面上に画像を形成する。尚、本実施例では画像処理装置103は紙面上に画像を形成するが、これに限定されるものではなく、例えば、画像が形成される記録媒体は紙ではなくOHPシートであってもよい。
図2は、図1におけるホストコンピュータ102のハードウェア構成を示す図である。
図2において、ホストコンピュータ102は、データ伝送路201、RAM202、ROM203、HDD204、CPU205、ネットワークI/F部206、表示装置207、外部入力装置208より構成される。ここで、RAMとはRandomAccessMemoryの略、ROMとはReadOnlyMemoryの略、HDDはHardDiskDriveの略である。
RAM202、ROM203、HDD204、CPU205、ネットワークI/F部206、表示装置207、外部入力装置208はデータ伝送路201を介して繋がっており、互いにデータをやりとりすることが可能である。
CPU205はROM203やHDD204に格納されているオペレーティングシステムやアプリケーションなどのプログラムを順次RAM202にロードして実行する。CPU205はそのロードしたプログラムに従って、表示装置207が有するディスプレイに画面を表示してユーザの指示を促し、また外部入力装置208よりユーザからの指示を受け付ける。また、CPU205は上述したRAM202にロードしたプログラムに従って、データを生成してHDD204に格納し、またネットワークI/F206を用いてデータ伝送路101を介してデータを画像処理装置103に出力する。
図3は、ホストコンピュータ102のHDD204に保存される印刷処理に関わるプログラムの構成を示す図である。
図3において、301〜303は、HDD204に保存されCPU205によってRAM202にロードされ実行されるプログラムである。
アプリケーション301は、ユーザの指示に従って線や文字、図形、写真などの画像データを生成し、プリンタドライバ302に出力する。なお、本実施例では説明をわかりやすくするため、アプリケーション301により生成される画像データはRGB画像データとするが、RGB画像データに限定する主旨ではない。アプリケーション301はユーザから印刷実行の指示を受け取ると、プリンタドライバ302に通知する。プリンタドライバ302は、画像データを含むプリントデータを生成し、出力部303に出力する。出力部303は、受け取ったプリントデータをネットワークI/F部206を用いて画像処理装置103に出力する。
図4は、画像処理装置103の構成を示す図である。具体的には、図4(a)は、画像処理装置103のハードウェア構成を示し、図4(b)は画像処理装置の外観構成を示す。
図4(a)に示すように、画像処理装置103は、コントローラ40、画像読取部401、画像出力部405、操作部407を備える。
コントローラ40は、装置制御部400、画像処理部402、記憶部403、CPU404、ネットワークI/F部406を備える。
装置制御部400は、画像処理装置103の内部及びネットワークI/F部406を経由した外部とのデータの受け渡しや、操作部407からの操作の受け付けを行う。
画像読取部401は、線や文字、図形、写真などを含む原稿の画像を光電変換素子であるCCDを用いて読み取り、画像データを生成する。ここで、生成された画像データは、プリントデータとしてコントローラ40に出力される。なお、本実施例では説明をわかりやすくするため、画像読取部401により生成される画像データは、RGB画像データとするが、RGB画像データに限定する主旨ではない。
CPU404は、画像読取部401やホストコンピュータ102から入力されるプリントデータを記憶部403に格納する。
画像処理部402は、記憶部403に格納したプリントデータから画像データを取り出し、色調整処理、カラーマッチング処理を行ってCMYK多値画像データを生成する。さらに、輪郭強調処理やディザ処理を行ってCMYKの各色材のハーフトーン画像データ(以降、CMYKハーフトーン画像データという。)を生成し、生成されたCMYKハーフトーン画像データを記憶部403に格納する。
記憶部403は、不図示のROM、RAM、HDDから構成される。ROMは、CPU404が実行する各種の制御プログラムや画像処理プログラムを格納する。RAMは、CPU404がデータや各種情報を格納するための参照領域や作業領域として用いられる。
画像出力部405は、CMYKハーフトーン画像データのドットパターンに基づいて記録紙などの記録媒体に色材を塗布することで紙面上に画像を形成する。
操作部407は、画像データを表示するプレビュー画面、および画面表示が可能なタッチパネルや操作ボタンを備え、オペレータからの操作を受け付けて装置制御部400へ該操作の情報を送信する。
図4(b)に示すように、画像処理装置103はその上部に画像読取部401を配置する。画像読取部401は、不図示の複数のCCDを有している。ここで、各CCDの画素感度が夫々異なっていると、たとえ原稿上の濃度が同じであったとしても、違う濃度であると認識されてしまう。そのため、画像読取部401では、原稿読み取りに先立ち、白板(一様に白い板)を露光走査し、得られた赤(R)、緑(G)、及び青(B)の輝度信号を所定の値に補正するシェーディング補正を行い、CCD各画素の読み取り値を補正するゲインを算出する。原稿画像を読み取った画像データは、ここで算出されたゲインを用いて補正された後、プリントデータとしてコントローラ40に対して出力される。
画像読取部401は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。なお、原稿は、原稿フィーダ411のトレイ412にセットされる。オペレータが操作部407から読み取り開始を指示すると、コントローラ40から画像読取部401に原稿読み取り指示が与えられる。画像読取部401は、この指示を受けると原稿フィーダ411のトレイ412から原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。なお、原稿の読み取り方法は、原稿フィーダ411による自動送り方式に限られるものではなく、原稿を不図示のガラス面上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
画像出力部405は、コントローラ40から受取ったCMYKハーフトーン画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施例において、画像形成方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式であるが、これに限られるものではない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式などであっても本発明を適用することが可能である。
図5は、図4における画像処理部402の構成を示す図である。画像処理部402は、画像データ入出力部501、色調整処理部502、カラーマッチング処理部503、輪郭強調処理部504より構成される。画像データ入出力部501はCPU404の指示に基づいて、記憶部403からプリントデータ内の画像データを取得し、色調整処理部502、カラーマッチング処理部503、及び輪郭強調処理部504による画像処理を行う。その後、記憶部403に画像処理後の画像データを出力する。色調整処理やカラーマッチング処理の指定を受け付けた場合は、画像処理部402は記憶部403から取り出した画像データを色調整処理部502とカラーマッチング処理部503に渡して画像処理し、画像データ入出力部501を介して記憶部403に格納する。また、輪郭強調処理の指定受け付けた場合は、画像処理部402は記憶部403から取り出した画像データを輪郭強調処理部504に渡して画像処理し、画像データ入出力部501を介して記憶部403に格納する。それぞれの画像処理の詳細については後述する。
図6は、本実施例における印刷処理の手順を示すフローチャートである。この処理はCPU404により実行される。
図6において、まず、CPU404は操作部407を介してユーザより印刷品質の設定を受け付ける(ステップS601)。この印刷品質の設定の受け付けは、図7(a)の操作部407にて表示される、色調整の設定ボタン701、カラーマッチングの設定ボタン702、輪郭強調の設定ボタン703、OKボタン704から構成される印刷品質の設定画面700を用いて行われる。
具体的には、印刷品質の設定画面700にて色調整の設定ボタン701が押されると、CPU404は図7(b)に示す色調整の設定画面705を操作部407に表示する。色調整の設定画面705ではユーザは、明度706、色相707、彩度708の設定値を−2から+2の範囲で設定することが可能である。OKボタン709が押されるとCPU404はその設定値を記憶部403に格納して、印刷品質の設定画面700に戻る。
また、印刷品質の設定画面700にてカラーマッチングの設定ボタン702が押されると、CPU404は図7(c)に示すカラーマッチングの設定画面710を操作部407に表示する。カラーマッチングの設定画面710ではユーザは、カラーマッチングの設定711にある知覚的・鮮やか・色差最小の3種類のカラーマッチング方式から一つの方式を設定することが可能である。OKボタン712が押されるとCPU404はその設定値を記憶部403に格納して、印刷品質の設定画面700に戻る。
また、印刷品質の設定画面700にて輪郭強調の設定ボタン703が押されると、CPU404は図7(d)に示す輪郭強調の設定画面713を操作部407に表示する。輪郭強調の設定画面713ではユーザは、輪郭強調の設定714にある0から+2の範囲で輪郭強調の設定値を設定することが可能である。OKボタン715が押されるとCPU404はその設定値を記憶部403に格納して、印刷品質の設定画面700に戻る。
これら全ての印刷品質の設定が完了し、印刷品質の設定画面700のOKボタン704が押されると、CPU404は次の処理へと進む。
次いで、CPU404は、操作部407に図8に示すようなプレビュー確認の設定画面800を表示し、プレビュー確認の設定を受け付ける(ステップS602)。プレビュー確認の設定画面800ではユーザは、プレビュー確認の設定801で印刷前にプレビュー表示を行い印刷時の色味や画質を確認するかどうかを設定することが可能である。プレビュー確認の設定が完了しOKボタン802が押されると、CPU404は次の処理へと進む。
次にCPU404は、画像処理部402に対して印刷品質の設定を通知し、さらに記憶部403にあるプリントデータに含まれる画像データを画像処理部402に伝送して画像処理を行わせる。まず、画像処理部402に色調整処理とカラーマッチング処理を実行させ、出力されたCMYK多値画像データを記憶部403に格納する(ステップS603)。次に、CPU404は、記憶部403に格納させたCMYK多値画像データを画像処理部402に伝送して輪郭強調処理を実行させ、出力されたCMYKハーフトーン画像データを記憶部403に格納する(ステップS604)。
次にCPU404は、ステップS602でユーザから受け付けたプレビュー確認の設定がONであるかどうかを判定する(ステップS605)。
プレビュー確認の設定がOFFである場合は、CPU404は、輪郭強調処理後のCMYKハーフトーン画像データを画像出力部405に出力して本処理を終了する(ステップS606)。
一方、プレビュー確認の設定がONの場合は、CPU404は、記憶部403からCMYK多値画像データおよびCMYKハーフトーン画像データのいずれかを取得して、プレビュー用画像データを生成して、操作部407に出力する(ステップS607)。CPU404は、その後、操作部407においてこのプレビュー用画像データの画像が図9のプレビュー確認画面900に表示されると、ユーザによるプレビュー画像での画質の確認結果に対する操作部407への操作を受け付ける(ステップS608)。
図9は、操作部407にて表示されるプレビュー確認画面900を示す図である。
プレビュー確認画面900は、プレビュー画面901、プレビュー画面移動バー902、表示モード切替ボタン903、表示モード904、表示倍率905、表示倍率変更ボタン906、キャンセルボタン907、OKボタン908より構成される。表示モード904は、表示モード切替ボタン903のユーザ押下により順次切り替わる複数の値がある。本実施例ではこの複数の値として色味確認モードと高精細確認モードの2つがある。この表示モード904の値に合わせてCPU404は後述のプレビュー用画像データを生成し、その画像をプレビュー画面901に表示する。表示倍率905は現在の表示倍率を表し、表示倍率変更ボタン906のユーザ操作によりその値を変更することが可能である。表示倍率変更ボタン906を押して表示倍率を変更すると、CPU404はプレビュー画面901に表示する画像の拡大率(表示倍率)を変更する。プレビュー画面移動バー902が押されると、CPU404はプレビュー用画像データの画像の、プレビュー画面901に表示している領域を変更する。
最後に、ユーザは画質や色味を確認した結果問題が無ければOKボタン908を押し、問題があればキャンセルボタン907を押す。
CPU404はユーザによる図9のOKボタン908の押下があったとき、ユーザによるプレビュー画像での画質や色味の確認結果に問題がなかったと判断し(ステップS609でYES)、ステップS610に進む。
一方、CPU404はユーザによる図9のキャンセルボタン907の押下があったとき、ユーザによるプレビュー画像での画質の確認結果に問題があったと判断する(ステップS609でNO)。この場合、ステップS602に戻って操作部407に印刷品質の設定を表示して受け付ける。
ステップS610において、CPU404は記憶部403から輪郭強調処理後の画像データを取り出して画像出力部405に出力し、本処理を終了する。
次に、画像処理部402の処理の詳細について説明する。
まず、色調整処理部502の処理について説明する。下記の式1を用いてRGB画像データの値を明度(V)・彩度(S)・色相(H)に変換する。
[式1]
max=MAX(R,G,B)
min=MIN(R,G,B)
V=max
S=(max−min)/max×255
S=0 …(max=0の場合)
H=60×(G−B)/(max−min) …(R=maxの場合)
H=60×(B−R)/(max−min)+120…(G=maxの場合)
H=60×(R−G)/(max−min)+240…(B=maxの場合)
H=0 …(max−min=0の場合)
そして、図7(b)の色調整の設定画面705の明度706で設定された設定値(T)に基づき、下記の式2を用いて明度Vを変更する。
[式2]
V’=255×((V/255)^(1.0−T/5))
※「^」は左辺のべき乗を表す。
同様に、色調整の設定画面705の色相707で設定された設定値(U)に基づき、下記の式3を用いて色相Hを変更する。
[式3]
H’=H+10×U
また、色調整の設定画面705の彩度708で設定された設定値(Z)に基づき、下記の式4を用いて彩度Sを変更する。
[式4]
S’=S×(1.0+Z/10)
S’=255 …(S’>255の場合)
最後に、変更したH’S’V’の値を式1の逆変換でRGB形式に戻すことで、色調整処理は完了となる。
次に、カラーマッチング処理部503の処理について説明する。この処理は、RGB画像データを画像処理装置103のデバイス色空間に変換する処理である。具体的には、この処理はICC(International Color Consortium)で公開されているICCプロファイルを用いた色空間変換処理で実現することが可能である。カラーマッチング処理の色空間変換方法として、知覚的、鮮やかに、色差最小がICCにより規定されている。RGB画像データのICCプロファイルと、画像出力部405のICCプロファイル(紙面に出力可能な色空間情報を表す)を用いて、色空間変換処理を行う。すると、RGB画像データは画像処理装置103の色材の濃度を表わすCMYK多値画像データに変換される。尚、RGB画像データのICCプロファイルとは、操作部407のプレビュー画面、またはホストコンピュータ102の表示装置207が有するディスプレイの色空間情報を表す。
次に、輪郭強調処理部504の処理について説明する。この輪郭強調処理は、CMYK多値画像データを二値データであるCMYKハーフトーン画像データに変換する「ディザ処理」を含んでいる。
図10は、図6のステップS604において、図5における輪郭強調処理部504により実行される輪郭強調処理の手順を示すフローチャートである。
図10において、まず、CMYK多値画像データに対して画素毎に図11(a)に示すラプラシアンフィルタをかける(ステップS1001)。このラプラシアンフィルタが出力する値は以後「エッジ量」と記載する。このエッジ量は注目画素の画素値が周囲の画素の画素値と差分が大きいほど絶対値が大きくなる。
次に、ラプラシアンフィルタが出力するエッジ量の値が所定の閾値TH1を超えるかどうかを判定する(ステップS1002)。閾値TH1を超えない場合は注目画素に図11(b)に示す低線数のディザマトリックスをかけて、CMYKハーフトーン画像データを生成し(ステップS1003)、本処理を終了する。ディザマトリックスとはドットを残す・残さないを判定するための閾値がマトリックス状に構成されたものであり、画素値の上位6ビットの値がこの閾値を上回っている時にドットを残す。この方法は公知の二値化処理である。
一方、ステップS1002にて閾値TH1を超える場合は、輪郭強調の設定値Wに基づいてCMYK多値画像データの各画素値にガンマ処理をかける(ステップS1004)。そのときのガンマ処理としては、下記の式5を用いて濃くすることで輪郭を強調する(Kは多値の濃度を表わす)。
[式5]
K’=255×(K/255)^(1.0+W/5)
※「^」は左辺のべき乗を表す。
最後に、注目画素に図11(c)に示す高線数のディザマトリックスをかけて、CMYKハーフトーン画像データを生成し(ステップS1005)、本処理を終了する。
図12は、図6のステップS608において表示される操作部407のプレビュー画面を示す図である。
図9の表示倍率905で設定される値(100%)を大きくして図9のプレビュー画面901に表示される画像中の文字「A」の一部の領域909を拡大表示したときに、プレビュー画面901に表示される画像を図12(a)〜(d)に示す。
図12(a)は、色調整処理やカラーマッチング処理後のCMYK多値画像データが、輪郭強調処理やディザ処理が施されることなくRGB画像データに変換され、その画像がプレビュー画面901に表示された状態を示す。このため、文字「A」の輪郭の滑らかさが印刷時においてどのようになるかはこのプレビュー画面においては確認できない。
図12(c),(d)は、上記CMYK多値画像データに対する輪郭強調処理やディザ処理により生成されたCMYKハーフトーン画像データがRGB画像データに変換され、その画像がプレビュー画面901に表示された状態を示す。この変換処理は、以下の表1の変換テーブルを用いて行われる。図12(c)は、図7(d)で設定された輪郭強調の設定値が0の場合を示し、図12(d)は輪郭強調の設定値が+2の場合を示す。図12(d)の方が図12(c)よりも画像データに含まれる文字の輪郭が強調され且つジャギーが改善されていることがわかる。図12(b)は、上記CMYK多値画像データにラプラシアンフィルタ(S1001)をかけ、算出されたエッジ量がステップS1002にて上述した閾値TH1を超えている画素を斜線で示した図である。この斜線の画素に対するガンマ処理によりその濃度を濃くすることで、輪郭が強調されることになる。
Figure 2018191240
図13は、本実施例における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。この処理はCPU404により実行される。
図13において、まず、CPU404は記憶部403からカラーマッチング処理後のCMYK多値画像データを取り出し、そのCMYK多値画像データを操作部407で画像表示することができる色空間のRGB画像データに変換する(ステップS1301)。この画像データを以降は「色味確認用の画像データ」と記載する。画像出力部405のICCプロファイル(紙面に出力可能な色空間情報を表す)と、操作部407用の色空間のICCプロファイル(操作部407で画像表示可能な色空間情報を表す)とを用いて、CMYK多値画像データの色空間変換処理を行う。すると、CMYK多値画像データは、操作部407で画像表示可能なRGB画像データに変換される。例えば、図12(a)は色味確認用の画像データの一例である。
次に、CPU404は記憶部403から輪郭強調処理後のCMYKハーフトーン画像データを取り出し、操作部407で画像表示可能なように表1の変換テーブルを用いてRGB画像データに変換する(ステップS1302)。この画像データを以降は「高精細確認用の画像データ」と記載する。例えば、図12(c)と図12(d)は高精細確認用の画像データの一例である。
次に、CPU404は、表示モード904の値を取得する(ステップS1303)。そして、取得した表示モードの値が「色味確認」か否かを判別するし(ステップS1304)。判別の結果、表示モードの値が「色味確認」の場合は(ステップS1304でYES)、色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示する(ステップS1305)。一方、表示モードの値が「高精細確認」の場合は、高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示する(ステップS1306)。表示モード904の値が表示モード切替ボタン903のユーザ押下により切り替わるたびにこの図13の処理が行われる。
以上、実施例1によれば、表示モード切替ボタン903の押下により表示モード904の値が色味確認モードとなった場合、色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとし、その画像をプレビュー画面901に表示する。一方、表示モード切替ボタン903の押下により表示モード904の値が高精細確認モードとなった場合、高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとし、その画像をプレビュー画面901に表示する。このため、ユーザは、色味と高精細な画質を同じ画面上で確認することができる。
本実施例では、表示モード904の値の取得前に、CMYK多値画像データやCMYKハーフトーン画像データ(ステップS603,S604)が生成された。しかしながら、本発明はかかる構成に限定されない。例えば、表示モード904の値を取得した後に、その取得した値に応じて、CMYK多値画像データ又はCMYKハーフトーン画像データを生成するようにしてもよい。すなわち、取得した表示モード904の値に応じて、プレビュー用画像データを生成するための画像処理を切り替える構成であればよい。
(実施例2)
実施例1では、ユーザによる表示モード切替ボタン903の押下に応じて切り替わる表示モード904の値に応じて、色味確認用の画像データと高精細確認用の画像データのプレビュー画面901上への表示を切り替えていた。しかし、ユーザが表示倍率905の値を大きく設定する場合、通常ユーザに高精細な画質を画面上で確認したいという意図があると考えられる。そこで、実施例2では、表示モード904の値が自動モードである場合、表示倍率905の値が大きいときは、表示モード切替ボタン903を押さなくても高精細確認用の画像データをプレビュー画面901に表示する。すなわち、本実施例は、実施例1と比べて、図6のステップS607の処理内容が異なる。
図14は、本実施例における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。この処理はCPU404により実行される。
ステップS1401〜ステップS1403は実施例1におけるステップS1301〜ステップS1303と同じであるため説明は省略する。ステップS1403の次に、CPU404は、表示モード904の値を取得する(ステップS1404)。実施例2では、表示モード904の値として色味確認モードと高精細確認モードと自動モードの3つのモードを持っている。表示モード904が色味確認モードの場合、CPU404はステップS1401で生成した色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1405)、本処理を終了する。表示モード904が高精細確認モードの場合は、ステップS1402で生成した高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1406)、本処理を終了する。
表示モード904が自動モードの場合は、まず表示倍率905の値を取得する(ステップS1407)。
次に、表示倍率905が所定の閾値TH2よりも大きいかどうかを判定する(ステップS1408)。所定の閾値TH2以下である場合(ステップS1408でNO)、色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1405)、本処理を終了する。
一方、ステップS1408の判定の結果、所定の閾値TH2よりも大きい場合(ステップS1408でYES)、今度は表示倍率905の値がTH3(TH3はTH2よりも大きい値である必要がある)よりも大きいかどうかを判定する(ステップS1409)。この判定の結果、所定の閾値TH3よりも大きい場合(ステップS1409でYES)、高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1406)、本処理を終了する。
一方、所定の閾値TH3以下である場合(ステップS1408でNO)、表示倍率905の値に応じた合成処理で得られた画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示する(ステップS1410)。その後、本処理を終了する。
ステップS1410の合成処理は、具体的には、下記の式6に従って行われる。
[式6]
V3=V1×W+V2×(1−W)
W=(TH3−R)/(TH3−TH2)
V1:色味確認用の画像データの画素値
V2:高精細確認用の画像データの画素値
V3:合成後の画像データの画素値
R:表示倍率(%)の値
式6は、表示倍率905の値がTH2に近いほど色味確認用の画像データの画素比率(合成率W)が上がり、表示倍率905がTH3に近いほど高精細確認用の画像データの画素比率(合成率W)が上がるようになっている。
実施例2によれば、表示モード904が自動モードの場合、表示倍率905の値に従って色味・高精細の画質確認用の画像データの画素比率を切り替えるため、ユーザの操作を増やすことなくプレビューを実現することが可能となる。
(実施例3)
実施例2では、表示倍率905の値に応じて色味確認用の画像データと高精細確認用の画像データの画素比率を切り替える自動モードを設けた。しかし、画像データのプレビュー画面901に表示される部分が、文字や線などの輪郭を重視する描画が多く含まれるという特徴を有する場合、ユーザはその輪郭の滑らかさをプレビュー画面901において確認したいであろうと考えられる。そのため実施例3では、プレビュー画面901に表示している文字や線の占める割合を計算して、その割合が大きいときに高精細確認用の画像データをプレビュー画面901に表示する。すなわち、本実施例における画像処理装置103は、実施例1や実施例2と比べて、図6のステップS607の処理内容が異なる。
図15は、本実施例における図6のステップS607において実行されるプレビュー用画像生成処理の手順を示すフローチャートである。この処理はCPU404により実行される。
ステップS1501〜ステップS1503は実施例1におけるステップS1301〜ステップS1303と同じであるため説明は省略する。ステップS1503の次に、CPU404は、表示モード904の値を取得する(ステップS1504)。実施例3では、表示モード904の値として色味確認モードと高精細確認モードと自動モードの3つのモードを持っている。表示モード904が「色味確認」の場合、CPU404はステップS1501で生成した色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1505)、本処理を終了する。表示モード904が「高精細確認」の場合は、ステップS1502で生成した高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1506)、本処理を終了する。
表示モード904が自動モードの場合は、まず画像データのプレビュー画面901に表示される部分における文字・線の占める面積率を計算する(ステップS1507)。
ステップS1507で行われる文字・線の面積率の計算方法について説明する。本実施例の場合、ホストコンピュータ102や画像読取部401から送信されるプリントデータには、画像データの他に、画素毎に描画の種類の情報が記録されたビットマップ状のフラグデータが入っている。そのフラグデータは、描画なしの画素は0、文字の画素は1、線の画素は2、図形の画素は3、イメージの画素は4といった値でフラグが保持されている。画像データのプレビュー画面901に表示される部分の画素のうち、上記フラグデータの値が1と2の画素を算出し、それがプレビュー画面901に表示している全画素数のうちの占める割合を判定することで、文字及び線の面積率を計算することが可能である。尚、本実施例においては、フラグデータには、描画なし、文字、線、図形、及びイメージの5種類の描画の種類を示すフラグが保持されていたが、これに限定されるわけでない。例えば、イメージを示すフラグの代わりに、写真とイラストのそれぞれに異なる値のフラグを保持するようにしてもよい。
上記方法により計算された文字・線の面積率が所定の閾値TH4(例えば、0.3)よりも小さいかどうかを判定する(ステップS1508)。この判定の結果、所定の閾値TH4よりも小さい場合(ステップS1508でYES)、輪郭を重視しない描画が多く含まれるという特徴が画像データのプレビュー画面901に表示される部分にあると判定し、ステップS1505に進む。一方、所定の閾値TH4以上である場合(ステップS1508でNO)、輪郭を重視する描画が多く含まれるという特徴が画像データのプレビュー画面901に表示される部分にあると判定し、ステップS1506に進む。
ステップS1505では、色味確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1505)、本処理を終了する。
一方、ステップS1506では、高精細確認用の画像データをプレビュー用画像データとして操作部407に出力し、その画像をプレビュー画面901に表示し(ステップS1506)、本処理を終了する。
実施例3によれば、表示モード904が自動モードの場合、プレビュー画面901に文字や線の占める割合が大きいと、高精細確認用の画像データをプレビュー画面901に表示するため、ユーザの操作を増やすことなくプレビューを実現することが可能となる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
102 ホストコンピュータ
103 画像処理装置
402 画像処理部
403 記憶部
404 CPU
407 操作部
501 画像データ入出力部
502 色調整処理部
503 カラーマッチング処理部
504 輪郭強調処理部

Claims (11)

  1. 入力された画像データに基づく画像を、印刷前にプレビュー画面に表示する画像処理装置において、
    前記プレビュー画面の表示モードを設定する設定手段と、
    前記設定された表示モードに基づき、前記プレビュー画面に前記画像を表示する際の前記画像データに対する画像処理を切り替える切替手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記表示モードには、色味確認モードと高精細確認モードが設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記表示モードが前記色味確認モードの場合、前記切替手段により切り替えられる画像処理は、前記画像データから輝度または濃度の多値画像を生成する処理であることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記表示モードが前記高精細確認モードの場合、前記切替手段により切り替えられる画像処理は、前記画像データから色材のハーフトーン画像を生成する処理であることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 前記設定手段は、ユーザの押下に応じて、前記表示モードを切り替えるボタンを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記表示モードには、自動モードが設けられており、
    前記プレビュー画面に表示する際の前記画像データの表示倍率をユーザ操作に応じて変更する変更手段をさらに備え、
    前記切替手段は、前記設定された表示モードが自動モードの場合、前記変更された表示倍率に応じて前記画像処理を切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像データから輝度または濃度の多値画像を生成する第1の生成手段と、
    前記画像データから色材のハーフトーン画像を生成する第2の生成手段とを更に備え、
    前記設定された表示モードが自動モードの場合、前記切替手段により切り替えられる画像処理は、前記変更された表示倍率に応じて前記多値画像と前記ハーフトーン画像の合成率を切り替える処理であることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。
  8. 前記表示モードには、自動モードが設けられており、
    前記画像データの前記プレビュー画面に表示される部分の特徴を判定する判定手段をさらに備え、
    前記切替手段は、前記設定された表示モードが自動モードの場合、前記判定された特徴に応じて前記画像処理を切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記判定手段は、前記部分の文字及び線の占める面積率が閾値より小さいか否かを前記特徴として判定することを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。
  10. 入力された画像データに基づく画像を、印刷前にプレビュー画面に表示する画像処理装置の画像処理方法において、
    前記プレビュー画面の表示モードを設定する設定ステップと、
    前記設定された表示モードに基づき、前記プレビュー画面に表示する際の前記画像データに対する画像処理を切り替える切替ステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項9記載の画像処理方法を実行することを特徴とするプログラム。
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