JP2021197717A - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、および、コンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2021197717A
JP2021197717A JP2020105644A JP2020105644A JP2021197717A JP 2021197717 A JP2021197717 A JP 2021197717A JP 2020105644 A JP2020105644 A JP 2020105644A JP 2020105644 A JP2020105644 A JP 2020105644A JP 2021197717 A JP2021197717 A JP 2021197717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
value
interest
color
specific
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020105644A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7495660B2 (ja
Inventor
拓郎 西村
Takuro Nishimura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2020105644A priority Critical patent/JP7495660B2/ja
Publication of JP2021197717A publication Critical patent/JP2021197717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7495660B2 publication Critical patent/JP7495660B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】明るい色の再現と、下地の色の変換と、を両立する。【解決手段】画像処理装置は、イメージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによって得られる対象画像データを取得する取得部と、対象画像データによって示される対象画像内の注目画素が特定の調整条件を満たすか否かを判断する判断部と、対象画像データに対して補正処理を実行して、処理済画像を示す処理済画像データを生成する補正処理部と、を備える。特定の調整条件は、注目画素が、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有することを含む。補正処理は、注目画素が第3基準以上の明るさを有する場合に注目画素の色が特定の高明度色になるように、注目画素の値を変換する特定の変換処理と、変換処理前の注目画素が特定の調整条件を満たす場合に、変換処理前の注目画素の値を用いて、変換処理済みの注目画素の値を調整する調整処理と、を含む。【選択図】 図4

Description

本明細書は、メージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによって得られる対象画像データに対して実行される画像処理に関する。
特許文献1に開示された画像処理は、スキャンデータに対して、下地レベル以上の輝度を有する画素を白に置き換えるいわゆる下地飛ばし処理を実行する。この画像処理装置は、下地飛ばし処理を実行する前に、画像内のハイライト色を有する画素を示すフラグデータを作成する。ハイライト色は、ライトシアン、ライトマゼンタなどの淡トナーを用いて再現される色である。画像処理装置は、ハイライト色を有する画素に対して、下地レベルAを用いて下地飛ばし処理を実行し、ハイライト色を有しない画素に対して、下地レベルAよりも低い輝度を示す下地レベルBを用いて下地飛ばし処理を実行する。これによって、画像内のハイライト色の再現性と下地除去とを両立させる下地除去処理が可能となる、とされている。
特開2008−5317号公報
このように、明るい色の再現と、下地の色の変換と、を両立させる技術が求められている。
本明細書は、明るい色の再現と、下地の色の変換と、を両立できる新たな技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]画像処理装置であって、イメージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによって得られる対象画像データを取得する取得部と、前記対象画像データによって示される対象画像内の注目画素が特定の調整条件を満たすか否かを判断する判断部であって、前記特定の調整条件は、前記注目画素が、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有することを含む、前記判断部と、前記対象画像データに対して補正処理を実行して、処理済画像を示す処理済画像データを生成する補正処理部と、を備え、前記補正処理は、前記注目画素に対する特定の変換処理であって、前記注目画素が第3基準以上の明るさを有する場合に前記注目画素の色が特定の高明度色になるように、前記注目画素の値を変換する前記特定の変換処理と、前記変換処理前の前記注目画素が前記特定の調整条件を満たす場合に、前記変換処理前の前記注目画素の値を用いて、前記変換処理済みの前記注目画素の値を調整する調整処理と、を含む、画像処理装置。
上記構成によれば、補正処理は、注目画素が第3基準以上の明るさを有する場合に注目画素の色が特定の高明度色になるように、注目画素の値を変換する変換処理を含むので、処理済画像において、第3基準以上の明るさを有する下地の色を適切に変換できる。例えば、下地の色を白に変換するいわゆる下地除去を適切に実現できる。さらに、補正処理は、変換処理前の注目画素が特定の調整条件を満たす場合に、変換処理前の注目画素の値を用いて、変換処理済みの注目画素の値を調整する調整処理を含むので、処理済画像において、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有する明るい色の再現性を向上できる。したがって、処理済み画像において、明るい色の再現と、下地の色の変換と、を両立できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置の制御装置、画像読取装置の制御装置、画像処理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての複合機200の構成を示すブロック図。 実施例のコピー処理のフローチャート。 コピー処理にて用いられる画像の一例を示す図。 下地除去処理のフローチャート。 注目画素Ptと周囲画素Pnとの説明図。 変換処理で用いられるトーンカーブTCの一例を示す図。 下地除去処理におけるRGB値の一例を示す図。 下地除去処理におけるRGB値の一例を示す図。 比較例の処理済画像DIxの一例を示す図。
A.実施例
A−1.複合機200の構成
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としての複合機200の構成を示すブロック図である。
複合機200は、CPU210と、ハードディスクドライブやEEPROMなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、所定の方式(例えば、インクジェット方式、レーザー方式)で画像を印刷するプリンタ部240と、一次元イメージセンサを用いて光学的に対象物(例えば、紙の原稿)を読み取ることによってスキャンデータを生成するスキャナ部250と、タッチパネルやボタンなどの操作部260と、タッチパネルと重畳された液晶パネルなどの表示部270と、端末装置やUSBメモリ(図示省略)などの外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースを含む通信部280と、を備えている。
不揮発性記憶装置220は、コンピュータプログラム222を格納している。プログラム222は、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどに格納された形態で提供される。あるいは、コンピュータプログラム222は、例えば、複合機200の出荷時に、予め不揮発性記憶装置220に記憶されている。あるいは、コンピュータプログラム222は、ネットワークを介して複合機200に接続されたサーバ(図示省略)からダウンロードされる形態で提供される。揮発性記憶装置230には、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231が設けられている。
CPU210は、コンピュータプログラム222を実行することにより、複合機200の全体を制御する機能や、後述するコピー処理を実行する機能を実現する。
A−2.コピー処理
図2は、実施例のコピー処理のフローチャートである。コピー処理は、原稿を示すスキャンデータを生成し、該スキャンデータを用いて、原稿を示す画像を用紙に印刷する処理である。例えば、コピー処理は、ユーザがスキャナ部250に原稿を載置してコピー指示を行ったときに実行される。
S10では、CPU210(図1)は、処理対象の対象画像データとして、スキャンデータを取得する。CPU210は、例えば、スキャナ部250を用いて原稿を読み取ることによって、あるいは、不揮発性記憶装置220から読み出すことによって、スキャンデータを取得する。スキャンデータは、各画素の色をRGB値で表すRGB画像データである。RGB値は、赤(R)と緑(G)と青(B)との3個の色成分の値を含むRGB表色系の色値である。RGB値の各色成分の値を、それぞれ、R値、G値、B値とも呼ぶ。なお、本実施例では、S10にて取得された時点のRGB値の各色成分の値は、それぞれ、0〜1023の範囲の値(10ビットの値)をとる1024階調の値である。
図3は、コピー処理にて用いられる画像の一例を示す図である。図3(A)には、スキャンデータによって示されるスキャン画像SIの一例が示されている。図3(A)のスキャン画像SIは、文字TXと、マーカーMKと、写真PCと、背景BGと、を含んでいる。マーカーMKは、文字TXを囲む略矩形の領域であって薄い有彩色(例えば、薄い赤、緑)を有する領域である。マーカーMKは、原稿上の当該矩形の領域に対していわゆる蛍光ペンを用いて記入されたオブジェクトである。背景BGは、原稿の用紙の色を示す部分である。スキャナ部250のイメージセンサは、白に近い薄い色の階調が消失しないように調整されている。また、背景BGは、イメージセンサの出力のバラツキなどに起因する色のムラを含んでいる。このために、原稿が一般的な白の用紙である場合でも、背景BGは、完全な白(本実施例では、(R、G、B)=(1023、1023、1023)に相当する色)ではなく、白とは異なる色(例えば、薄いグレー)を有する部分を含む。
図2のS20では、CPU210は、スキャンデータに対して、下地除去処理を実行して、処理済画像DIを示す処理済画像データを生成する。下地除去処理は、スキャン画像SIの背景BGの色を白色に変換する処理である。なお、本実施例の下地除去処理は、RGB値の各色成分の値を、1024階調の値から、0〜255の範囲の値(8ビットの値)をとる256階調の値に変換する処理を含む(詳細は後述)。このために、処理済画像データに含まれるRGB値の各色成分の値は、256階調の値である。図3(B)には、処理済画像DIの一例が示されている。処理済画像DIの背景BGsは、白色(本実施例では、(R、G、B)=(255、255、255)に相当する色)を有する。
S30では、CPU210は、S20にて生成された処理済画像データに対して、画質調整処理を実行する。画質調整処理は、図3(B)の処理済画像DIの見栄えを向上させる処理である。画質調整処理には、任意の画像処理が採用され得るが、例えば、彩度を向上させる処理、平滑化処理、エッジ強調処理、あるいは、これらの処理を組み合わせた画像処理が採用され得る。
S40では、CPU210は、S30にて生成された画質調整後の処理済画像データに対して、色変換処理やハーフトーン処理を含む印刷データ生成処理を実行して、印刷データを生成する。色変換処理は、各画素のRGB値をCMYK値に変換する処理である。CMYK値は、印刷に用いられるインクに対応する成分値(本実施例では、C、M、Y、Kの成分値)を含むCMYK表色系の色値である。色変換処理は、例えば、RGB値とCMYK値との対応関係を規定する公知のルックアップテーブルを参照して実行される。ハーフトーン処理は、CMYKのそれぞれの色成分について、ドット形成状態を画素ごとに表すドットデータを生成する処理である。ドットデータの各画素の値は、例えば、「ドット無し」「小」「中」「大」の4階調のドットの形成状態を示す。これに代えて、ドットデータの各画素の値は、「ドット無し」と「ドット有り」の2階調のドットの形成状態を示しても良い。ハーフトーン処理は、ディザ法や誤差拡散法などの公知の手法を用いて実行される。本ステップで生成される印刷データは、ドットデータを含むデータである。
S50では、CPU210は、S40にて生成された印刷データを用いて印刷処理を実行する。すなわち、CPU210は、印刷データをプリンタ部240に供給して、プリンタ部240に該印刷データに従う印刷を実行させる。これによって、画質調整後の処理済画像DIが用紙に印刷される。
A−3.下地除去処理
図2のS20の下地除去処理について説明する。図4は、下地除去処理のフローチャートである。S100では、CPU210は、スキャン画像SI(図3(A))内の複数個の画素の中から、1個の注目画素Ptを選択する。
S105では、CPU210は、保存済みの成分間差分値ΔV1、ΔV2を初期化する。例えば、成分間差分値ΔV1、ΔV2の初期値は、ゼロである。成分間差分値ΔV1、ΔV2は、後述するRGB値の調整(S155)に用いられる値であり、詳細は後述する。
S110では、CPU210は、注目画素PtのRGB値の全ての色成分の値(R値、G値、B値)が閾値TH1以上であるか否かを判断する。RGB値が1024階調の値(10ビットの値)であるので、閾値TH1は1024階調の値である。例えば、閾値TH1は、800程度の値である。各色成分の値が大きいほど明度が高くなるので、本ステップは、注目画素Ptが閾値TH1に基づく基準以上の明るさを有するか否かを判断するステップである、と言うことができる。本明細書では、RGB値の全ての色成分の値が閾値TH1以上である画素を高明度画素とも呼ぶ。
注目画素PtのRGB値の少なくとも1個の色成分の値が閾値TH1未満である場合には(S110:NO)、CPU210は、後述のS145に処理を進める。注目画素PtのRGB値の全ての色成分の値が閾値TH1以上である場合には(S110:YES)、S115にて、CPU210は、注目画素PtのRGB値の成分間差分値ΔV1、ΔV2を算出する。
成分間差分値は、RGB値の3個の色成分の値(R値、G値、B値)のうちの2個の値の差分である。例えば、成分間差分値ΔV1は、R値、G値、B値のうちの最大値と最小値との間の差分値である。成分間差分値ΔV2は、R値、G値、B値のうちの最大値と2番目の値との間の差分値である。ここで、本実施例では、成分間差分値ΔV1、ΔV2は、256階調の値で算出される。例えば、R値、G値、B値のうちの最大値、2番目の値、最小値をVmax、V2nd、Vminとすると、成分間差分値ΔV1、ΔV2は、以下の式(1)、(2)を用いて算出される。
ΔV1=(Vmax−Vmin)×(256/1024) …(1)
ΔV2=(Vmax−V2nd)×(256/1024) …(2)
S120では、CPU210は、注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2のうち少なくとも一つの値が閾値TH2以上であるか否かを判断する。成分間差分値ΔV1、ΔV2の両方が0である場合には、3個の色成分の値(R値、G値、B値)が互いに等しいので、注目画素Ptの色は無彩色である。成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1つが大きいほど、注目画素Ptの彩度が大きい。このため、本ステップは、注目画素Ptが閾値TH2に基づく基準以上の彩度を有するか否かを判断するステップである、と言うことができる。本明細書では、成分間差分値ΔV1、ΔV2のうち少なくとも一つの値が閾値TH2以上である画素を、有彩色画素とも呼び、成分間差分値ΔV1、ΔV2の両方が閾値TH2未満である画素を、無彩色画素とも呼ぶ。
成分間差分値ΔV1、ΔV2が256階調の値(8ビットの値)であるので、閾値TH2は256階調の値である。閾値TH2は、下地除去処理にて、白に変換されるべきでない色の彩度の下限に相当する値に設定される。例えば、閾値TH2は、上述した閾値TH1を256階調に変換した値を、TH1s(TH1s=TH1×(256/1024))とする場合に、(255−TH1s)よりも小さな値に設定される。本実施例では、TH1は800程度の値であるので、TH1sは、200程度の値である。このために、例えば、閾値TH2は、55より小さな値、例えば、20〜30程度の値に設定されている。
注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2の両方が閾値TH2未満である場合には(S120:NO)、CPU210は、後述のS145に処理を進める。注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2のうち少なくとも一つの値は閾値TH2以上である場合には(S120:YES)、S125にて、CPU210は、周囲画素Pnの成分間差分値ΔV1、ΔV2を算出する。
図5は、注目画素Ptと周囲画素Pnとの説明図である。図5(A)、(B)に示すように、本実施例では、注目画素Ptの周囲を囲む8個の画素が、周囲画素Pnとして特定される。換言すれば、本実施例の8個の周囲画素Pnは、注目画素Ptを中心とする縦3画素×横3画素の矩形の範囲内の9個の画素のうち、中心の注目画素Ptを除いた画素である。CPU210は、8個の周囲画素Pnのそれぞれの成分間差分値ΔV1、ΔV2を算出する。
S130では、CPU210は、8個の周囲画素Pnの中に、2つの成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1個の値が閾値TH2以上である周囲画素があるか否かを判断する。換言すれば、8個の周囲画素Pnの中に、1以上の有彩色画素が存在するか否かが判断される。図5(A)、(B)の例において、ハッチングされた画素は有彩色画素であり、ハッチングされていない画素は無彩色画素である。
成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1個の値が閾値TH2以上である周囲画素Pnが1つもない場合は(S130:NO)、図5(A)に示すように、注目画素Ptのみが有彩色画素であり、8個の周囲画素Pnはいずれも無彩色画素である。この場合には、注目画素Ptは、コピーされた画像内に再現されるべきオブジェクトを構成する画素ではなく、孤立したノイズを示すノイズ画素であると考えられる。ノイズ画素は、原稿や原稿台に付着したゴミやスキャンデータの生成時における原稿の浮きなどに起因して生じる。
このために、成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1個の値が閾値TH2以上である周囲画素Pnが1つもない場合は(S130:NO)、S140にて、CPU210は、注目画素のRGB値を、8個の周囲画素のRGB値の平均値に置換する。また、この場合には、処理済画像DIにおいて、注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2を維持する必要はないので、成分間差分値ΔV1、ΔV2の保存(図4のS135)は実行されない。
成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1個の値が閾値TH2以上である周囲画素Pnが1以上ある場合には(S130:YES)、図5(B)に示すように、注目画素Ptと1以上の周囲画素Pnが有彩色画素である。この場合には、注目画素Ptは、コピーされた画像内に再現されるべきオブジェクトを構成する有彩色画素であると考えられる。この場合には、処理済画像DIにおいて、注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2を維持する必要がある。このために、成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1個の値が閾値TH2以上である周囲画素Pnが1以上ある場合には(S130:YES)、S135にて、CPU210は、S115にて算出済みの注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2を揮発性記憶装置230に保存する。
以上までの説明から解るように、S130は、注目画素Ptがノイズ画素であるか否かを判定する処理である、と言うことができる。
S145では、CPU210は、トーンカーブTCを用いて、注目画素Ptに対して変換処理を実行する。この変換処理は、注目画素Ptに対して無条件で実行されるので、スキャン画像SI内の全ての画素に対して実行される。
図6は、変換処理で用いられるトーンカーブTCの一例を示す図である。トーンカーブTCは、入力値Vinと出力値Voutとの対応関係を規定する一次元変換テーブルである。図6において、横軸は、ゼロから1023の範囲内で変化し得る入力値Vinを示し、縦軸は、出力値Voutを示している。入力値Vinは1024階調の値(10ビットの値)であるので、図6の閾値TH3は1024階調の値である。
図中の破線L1は、階調数を1024階調から256階調に変換する対応関係を示すラインである。図中の破線L2は、閾値TH3以上の入力値(1024階調)を256階調の最大値(255)に変換し、閾値TH3未満の入力値(1024階調)を256階調の0〜255の範囲に線形変換する対応関係を示すラインである。なお、図6に示すように、閾値TH3は、上述した閾値TH1よりも大きい。すなわち、破線L1は、1024階調から256階調への階調変換を示すラインである。破線L2は、閾値TH3以上の高明度範囲の値を最大値に変換する下地除去を示すラインである。図6に示すように、実線で示すトーンカーブTCは、階調変換と、下地除去と、ガンマ補正と、を行うためのトーンカーブである。
本実施例では、R値、G値、B値のためのトーンカーブTCがそれぞれ予め用意されてコンピュータプログラム222に組み込まれている。各トーンカーブTCにおいて、閾値TH3未満の入力範囲の曲線の形状が若干異なるが、閾値TH3以上の入力範囲の形状は同一である。CPU210は、注目画素PtのRGB値の各色成分の値(1024階調)を入力値Vinとして、対応するトーンカーブTCを参照して、出力値Voutを取得する。これによって、注目画素PtのRGB値は、256階調のRGB値に変換される。
S150では、CPU210は、S135にて注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2が保存されているか否かを判断する。注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2が保存されている場合には(S150:YES)、S155にて、CPU210は、保存済みの成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいて、S145にて変換された後の256階調のRGB値を調整する。具体的には、CPU210は、注目画素Ptの変換後のRGB値の成分間差分値が、保存された成分間差分値(すなわち、変換前の成分間差分値ΔV1、ΔV2)と等しくなるように、注目画素Ptの変換後のRGB値を調整する。変換後(調整前)のRGB値の3個の色成分の値(R値、G値、B値)の最大値をVAmaxとすると、調整後のRGB値の3個の色成分の値の最大値VBmax、2番目の値VB2nd、最小値VBminは、以下の式で示される。
VBmax=VAmax
VB2nd=VAmax−ΔV2
VBmin=VAmax−ΔV1
注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2が保存されていない場合には(S150:NO)、CPU210は、S155をスキップする。
S160では、CPU210は、スキャン画像SI内の全ての画素を注目画素として処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S160:NO)、CPU210は、S100に戻って、未処理の画素を次の注目画素として選択する。全ての画素が処理された場合には(S160:YES)、CPU210は、下地除去処理を終了する。
図3(B)には、下地除去処理によって生成される処理済画像データによって示される処理済画像DIの一例が図示されている。図3(A)のスキャン画像SIの背景BGの色(例えば、白に近い薄いグレー)は、下地除去処理によって完全な白に変換されるので、図3(B)の処理済画像DIにおいて、背景BGsの色は白である。スキャン画像SIのマーカーMKの色は、下地除去処理によって白には変換されずに有彩色(例えば、薄い赤や緑)のまま維持されるので、処理済画像DIにおいて、マーカーMKの色はスキャン画像SIのマーカーMKと同様の有彩色である。同様に、スキャン画像SIの写真PCは薄い有彩色の部分を含み得るが、下地除去処理によって白には変換されずに有彩色のまま維持されるので、処理済画像DIにおいて、写真PCの色が部分的に変化することが抑制される。
図7、図8を参照して、さらに説明する。図7、図8は、下地除去処理におけるRGB値の一例を示す図である。下地除去処理において図4のS155のRGB値の調整が行われる調整条件は、以下の(1)、(2)が満たされることである。
(1)注目画素PtのR値、B値、G値のいずれも閾値TH1以上である(図4のS110)。換言すれば、注目画素Ptが高明度画素であること
(2)注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2の少なくとも1つが閾値TH2以上である(図4のS120)。換言すれば、注目画素Ptが有彩色画素であること
さらに、注目画素Ptが上述の調整条件を満たす場合であっても、注目画素Ptがノイズ画素である場合には、S155のRGB値の調整は行われない。注目画素Ptがノイズ画素であると判定される条件は、以下の(3)の条件である。
(3)注目画素Ptの8個の周囲画素Pnの中に有彩色画素があること(図4のS130)。
このように、下地除去処理では、上述の(1)〜(3)の条件が全て満たされる場合に、S155にてRGB値の調整が行われ、(1)〜(3)の条件の少なくとも1つが満たされない場合には、RGB値の調整は行われない。
図7(A)は、図4のS155のRGB値の調整を行わない例である。注目画素PtのRGB値の初期値(図7(A1))は、薄いグレーを示す。この例では、注目画素PtのRGB値の初期値(図7(A1))において、R値、B値、G値は、いずれも閾値TH1よりも大きい。したがって、この例では、図4のS110にて注目画素Ptは高明度画素であると判断される(S110にてYES)。この例では、注目画素PtのRGB値(256階調に正規化後)において、成分間差分値ΔV1、ΔV2はいずれも閾値TH1未満である。したがって、この例では、図4のS120にて注目画素Ptは無彩色画素であると判断される(S120にてNO)。このために、図7(A)の例では、注目画素Ptの変換後のRGB値は、図4のS155の調整の対象とはされない。
このために、図7(A)の例では、注目画素Ptの色は、S145の変換処理によって、薄いグレーから完全な白(例えば、RGB=(255、255、255))に変換され(図7(A3))、その後の調整は行われない。例えば、上述したスキャン画像SIの背景BGを構成する画素に対する下地除去処理は、図7(A)の例に示す処理となる。
図7(B)は、図4のS155のRGB値の調整を行う例である。注目画素PtのRGB値の初期値(図7(B1))は、薄い有彩色を示す。この例では、注目画素PtのRGB値の初期値(図7(B1))において、R値、B値、G値は、いずれも閾値TH1よりも大きい。したがって、この例では、図4のS110にて注目画素Ptは高明度画素であると判断される(S110にてYES)。この例では、注目画素PtのRGB値(256階調に正規化後)において、成分間差分値ΔV1、ΔV2は閾値TH2以上である。したがって、この例では、図4のS120にて注目画素Ptは有彩色画素であると判断される(S120にてYES)。このために、図7(B)の例では、注目画素Ptがノイズ画素ではないことを条件に、注目画素Ptの変換後のRGB値は、図4のS155の調整の対象とされる。
このために、図7(B)の例では、注目画素Ptの色は、S145の変換処理によって、有彩色から完全な白(例えば、RGB=(255、255、255))に変換され(図7(B3))、その後に調整が行われる。すなわち、図4のS155にて、注目画素PtのRGB値は、変換前の成分間差分値ΔV1、ΔV2を維持するように調整される(図7(B4))。したがって、最終的に注目画素Ptの色は、下地除去処理前と同様の有彩色に維持される。
図8は、図7(B)と同様に、図4のS155のRGB値の調整を行う例である。注目画素PtのRGB値の初期値(図8(A))は、薄い有彩色を示す。この例では、注目画素PtのRGB値の初期値(図8(A))において、R値、B値、G値は、いずれも閾値TH1よりも大きい。したがって、この例では、図4のS110にて注目画素Ptは高明度画素であると判断される(S110にてYES)。この例では、注目画素PtのRGB値(256階調に正規化後)において、成分間差分値ΔV1は閾値TH2以上である。したがって、この例では、図4のS120にて注目画素Ptは有彩色画素であると判断される(S120にてYES)。なお、図8の例では、G値とB値とが等しいので、成分間差分値ΔV2はゼロである。したがって、図8の例では、注目画素Ptがノイズ画素ではないことを条件に、注目画素Ptの変換後のRGB値は、図4のS155の調整の対象とされる。
このために、図8の例では、注目画素Ptの色は、S145の変換処理によって、有彩色から白に近い色値に変換され(図8(C))、その後に調整が行われる。ここで、変換処理によって、完全な白に変換されていないのは、注目画素Ptの変換前のR値が閾値TH3未満であるためである(図8(A))。例えば、図4のS155にて、注目画素PtのRGB値は、変換前の成分間差分値ΔV1、ΔV2を維持するように調整される(図8(D))。したがって、最終的に注目画素Ptの色は、下地除去処理前と同様の有彩色に維持される。
例えば、上述したスキャン画像SIのマーカーMKを構成する画素に対する下地除去処理や、写真PC内の薄い有彩色の部分を構成する画素に対する下地除去処理は、図7(B)や図8の例に示す処理となる。
以上説明した本実施例では、CPU210は、対象画像データとしてのスキャンデータを取得する(図2のS10)。CPU210は、スキャンデータによって示されるスキャン画像SI内の注目画素Ptが特定の調整条件を満たすか否かを判断する(図4のS110、S120、S130)。特定の調整条件は、注目画素Ptが、第1基準以上の明るさを有し(S110)、かつ、第2基準以上の彩度を有する(S130)ことを含む。CPU210は、スキャンデータに対して補正処理を実行して、処理済画像DI(図3(B))を示す処理済画像データを生成する。この補正処理は、注目画素Ptに対する特定の変換処理(図4のS145)を含む。特定の変換処理は、注目画素Ptが第3基準以上の明るさ(閾値TH3以上の明るさ)を有する場合に注目画素Ptの色が特定の高明度色(本実施例では白)になるように、注目画素Ptの値を変換する処理である。補正処理は、さらに、変換処理前の注目画素Ptが上述の特定の調整条件を満たす場合に、変換処理前の注目画素Ptの値を用いて、変換処理済みの注目画素Ptの値を調整する調整処理(図4のS155)と、を含む。この結果、本実施例によれば、下地除去処理にて、変換処理が行われるので、処理済画像DIにおいて、第3基準以上の明るさを有する下地の色(例えば、背景BGの色)を適切に変換できる。例えば、下地の色を白に変換するいわゆる下地除去を適切に実現できる。さらに、下地除去処理では、変換処理前の注目画素Ptが特定の調整条件を満たす場合に、変換処理前の注目画素Ptの値を用いて、変換処理済みの注目画素Ptの値が調整されるので、処理済画像DIにおいて、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有する明るい色の再現性を向上できる。したがって、処理済画像DIにおいて、明るい色の再現と、下地の色の変換と、を両立できる。
図9は、比較例の処理済画像DIxの一例を示す図である。この処理済画像DIxは、比較例の下地除去処理を用いて生成される。比較例の下地除去処理は、全ての画素に対して、実施例のS145の変換処理のみを実行する処理であり、図4のS155のRGB値の調整を実行しない。この場合には、処理済画像DIxにおいて、背景BGsが白色に変換されるとともに、マーカーMKや写真PCの薄い有彩色を有する部分も白色に変換されてしまう。このために、比較例の処理済画像DIxでは、マーカーMKが消失しているとともに、写真PCの薄い有彩色が白色に変化している。下地除去処理にて一度消失した色は、その後の画像処理(例えば、図2のS30の画質調整処理)によって復活させることは困難である。本実施例によれば、比較例とは異なり、処理済画像においても再現されるべきオブジェクトであるマーカーMKや写真PCの一部が消失する不具合や大幅に異なる色に変化する不具合を抑制することができる。ひいては、下地の色を適切に変換しつつも、処理済画像DIにて表現される色の範囲(特に、高明度の薄い色の範囲)が狭くなることを抑制して、処理済画像DIの画質を向上することができる。
さらに、本実施例によれば、図4のS155の調整処理は、変換処理前の注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいて、変換処理済みの注目画素Ptの成分間差分値を調整する処理である(図7(B)、図8)。この結果、変換処理済みの注目画素Ptの成分間差分値を適切に調整できるので、例えば、処理済画像DIにおいて、明るい色の色成分の差分が過度に小さくなることを抑制できる。したがって、例えば、処理済画像DIにおいて、明るい色の色味が失われることを抑制できる。例えば、マーカーMKの色が、S145の変換処理によって消失したとしても、変換処理前の成分間差分値ΔV1、ΔV2を保存して(図4のS135)、S155にて、該成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいてマーカーMKの色味を適切に再現することができる。
さらに、本実施例によれば、図4のS145の変換処理は、RGB表色系の各色成分の階調数を、第1の階調数(本実施例では1024階調)から、第1の階調数よりも小さな第2の階調数(本実施例では256階調)に変換する処理を含む(図6)。図4のS155の調整処理は、変換処理前の注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2を第2の階調数(256階調)で示す値(上述の式(1)、(2))と等しくなるように、変換処理済みの注目画素Ptの成分間差分を調整する処理である(図7(B)、図8)。この結果、処理済画像DIにおいて、スキャン画像SIにおける明るい色を示す画素の成分間差分値が、処理済画像DIにおいても維持されるので、処理済画像DIにおいて明るい色の色味をスキャン画像SIの色味と同等に維持できる。
さらに、本実施例によれば、CPU210は、注目画素Ptの複数個の色成分のそれぞれの値(本実施例では、R値、G値、B値)が閾値TH1よりも高明度側の値(本実施例では最大値側の値)である場合に、注目画素Ptは第1基準以上の明るさを有すると判断する(図4のS110)。この結果、複数個の色成分の値に基づいて、特定の調整条件を満たすか否かを適切に判断できる。
さらに、本実施例によれば、CPU210は、注目画素Ptの少なくとも一つの成分間差分値(ΔV1、ΔV2のうちの少なくとも1つ)が閾値TH2以上である場合に、注目画素Ptは第2基準以上の彩度を有すると判断する(図4のS120)。この結果、成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいて、特定の調整条件を満たすか否かを適切に判断できる。
さらに、本実施例によれば、上述のように図4のS145の変換処理は、RGB表色系の各色成分の階調数を、第1の階調数(本実施例では1024階調)から、第1の階調数よりも小さな第2の階調数(本実施例では256階調)に変換する処理を含む(図6)。そして、CPU210は、注目画素Ptの少なくとも一つの成分間差分値を第2の階調数で示す値が閾値TH2以上である場合に、注目画素Ptは第2基準以上の彩度を有すると判断する(図4のS120)。この結果、階調数の変換を考慮した上で、成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいて、特定の調整条件を満たすか否かを適切に判断できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、注目画素Ptがノイズを示すノイズ画素であるか否かを判定する(図4のS130)。本実施例の下地除去処理では、S145の変換処理前の注目画素Ptがノイズ画素であると判定される場合には、特定の調整条件を満たすか否かに関わらず、ノイズ画素に対して調整処理を実行しない(S130にてNO)。ノイズ画素は、処理済画像DIにおいて再現する必要性がなく、処理済画像DIにおいてノイズ画素が目立つと処理済画像DIの画質が低下する。ノイズ画素に対して調整処理を実行すると、処理済画像DIにおいてノイズが目立つ可能性がある。本実施例によれば、ノイズ画素に対して調整処理を実行しないので、処理済画像DIにおいてノイズが目立つことを抑制できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、ノイズ画素の値を、ノイズ画素の周囲に位置する周囲画素の値に基づいて決定される値(本実施例では、周囲画素PnのRGB値の平均値)に変更する(図4のS140)。上記構成によれば、処理済画像DIにおいてノイズが目立つことをさらに抑制できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、特定の調整条件(上述の条件(1)、(2))を満たすと判断される注目画素Pt、すなわち、S110にてYES、かつ、S120にてYESと判断される注目画素Ptに対してノイズ画素であるか否かを判定する(図4のS130)。この判定では、CPU210は、注目画素Ptの周囲の所定範囲内の周囲画素Pn(図5)の中に、特定の調整条件の少なくとも一部(本実施例では上述の条件(2))を満たす基準個数(本実施例では1個)以上の画素が存在するか否かを判定する(図4のS130)。そして、CPU210は、該特定の調整条件を満たす基準個数以上の画素が存在しない場合に、注目画素Ptはノイズ画素であると判定する。特定の調整条件を満たすと判断される画素がノイズ画素でない場合には、その画素は、ある程度の大きさのオブジェクトを構成していると考えられる。このために、ノイズ画素でない場合には、その画素の周囲には、その画素と同様の色味を有する画素(例えば、有彩色画素)が存在する可能性が高い。このために、本実施例によれば、周囲の所定範囲内の画素に基づいて、注目画素Ptがノイズ画素であるか否かを適切に判定できる。
さらに、本実施例の下地除去処理は、コピー処理の一部として実行される。このために、本実施例では、CPU210は、処理済画像データを用いて、処理済画像を印刷するための印刷データを生成する(図2のS40)。コピー処理の場合には、背景BGが白に適切に変換されずに、例えば、背景BGのムラやノイズなどが処理済画像DIに残存していると、残存したムラやノイズが用紙に印刷される。この場合には、印刷される画像の画質が低下することに加えて、ムラやノイズを印刷するために印刷材が消費されるので印刷材の無駄が発生する。このために、コピー処理では、下地除去処理において、例えば、上述の閾値TH3(図6)を比較的低い値に設定して、比較的広い範囲のRGB値を白に変換する必要性が高い。このために、上述した比較例の下地除去処理が行われる場合には、マーカーMKなどの薄い有彩色が消失する可能性が高くなる。これに対して、本実施例によれば、コピー処理の場合であっても、背景BGを適切に白に変換しつつ、薄い有彩色が消失する不具合や大幅に異なる色に変化する不具合を抑制することができる。
さらに、本実施例では、図6に示すように、S110にて調整条件の判断に用いられる閾値TH1は、S145の変換処理における閾値TH3よりも小さな値(低明度側の値)に設定されている。この結果、S145の変換処理において完全な白に変換される色だけでなく、比較的広い範囲の薄い色の画素を、S155の調整の対象とすることができる。したがって、S145の変換処理によって完全な白には変換されないが、彩度や色相が大幅に変化してしまう色についても、適切に調整することができるので、処理済画像DIにおいて、このような色の再現性を向上することができる。
B.変形例:
(1)上記実施例では、S110にて調整条件の判断に用いられる閾値TH1は、S145の変換処理における閾値TH3よりも小さな値に設定されている。これに代えて、閾値TH1は、閾値TH3と同じ値であっても良い。この場合には、S145の変換処理にて、完全な白に変換される画素のみが、S155の調整の対象とされる。
(2)上記実施例では、図4のS110にて、CPU210は、注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2のうち少なくとも一つの値が閾値TH2以上である場合に、注目画素Ptが第2基準以上の彩度を有すると判断している。これに限らず、他の方法を用いて注目画素Ptが第2基準以上の彩度を有するか否かを判断しても良い。例えば、CPU210は、注目画素PtのRGB値を用いて、所定の算出式に従って、注目画素Ptの彩度を算出し、該彩度が所定の閾値以上である場合に、注目画素Ptが第2基準以上の彩度を有すると判断しても良い。
(3)上記実施例では、図4のS135にて、変換処理前の注目画素Ptの成分間差分値ΔV1、ΔV2を保存し、S155にて、CPU210は、成分間差分値ΔV1、ΔV2に基づいて、変換処理済みの注目画素PtのRGB値を調整している。これに代えて、他の方法を用いて、変換処理済みの注目画素PtのRGB値を調整しても良い。例えば、CPU210は、変換処理前の注目画素PtのRGB値を、彩度(S値)、色相(H値)、輝度(V値)を成分とするHSB表色系の色値に変換する。そして、CPU210は、変換処理前の注目画素PtのS値とH値とを用いて、変換処理済みの注目画素PtのRGB値を、変換処理前の注目画素Ptの彩度と色相と同一または近似した彩度と色相を有するように調整しても良い。
(4)上記実施例では、CPU210は、1024階調(10ビット)のRGB値と1024階調の閾値TH1とを用いて、S110の判断を実行し、256階調(8ビット)の成分間差分値ΔV1、ΔV2と256階調の閾値TH2とを用いて、S120の判断を実行する。これに代えて、例えば、CPU210は、S110の前に、注目画素のRGB値を1024階調から256階調に変換し、256階調のRGB値と256階調の閾値TH1、TH2とを用いてS110の判断やS120の判断を実行しても良い。あるいは、CPU210は、S105〜S155までの処理を1024階調のRGB値を用いて実行し、S155の後に、注目画素PtのRGB値を1024階調から256階調に変換しても良い。
(5)上記実施例では、図4のS130にて、CPU210は、成分間差分値ΔV1、ΔV2のうち少なくとも一つの値が閾値TH2以上である周囲画素Pnが存在しない場合に、注目画素Ptはノイズ画素であると判定している。これに限らず、他の方法を用いて、注目画素Ptがノイズ画素であるか否かが判定されても良い。例えば、CPU210は、注目画素Ptの周囲に注目画素Ptと類似する色を有する画素が存在しない場合に、注目画素Ptはノイズ画素であると判定しても良い。
(6)上記実施例の下地除去処理は一例であり、適宜に変形され得る。例えば、図4のS140は省略されても良い。また、図4のS140に加えて、S125、S135を省略し、注目画素Ptの少なくとも1つの成分間差分値が閾値TH2以上である場合には(S120:YES)、CPU210はS135に処理を進めても良い。
(7)上記実施例の下地除去処理は、コピー処理の一部として実行される。これに代えて、処理済画像DIを示すスキャンデータを保存用に生成するために、図4の下地除去処理が実行されても良い。あるいは、処理済画像DIを液晶パネルなどの表示装置に表示するために、図4の下地除去処理が実行されても良い。
(8)上記実施例では、対象画像データは、スキャンデータである。これに代えて、対象画像データは、二次元イメージセンサを備えるデジタルカメラによって原稿を撮影することによって生成される画像データであっても良い。
(9)複合機200のCPU210によるコピー処理の全部または一部は、他の装置、例えば、スキャナやプリンタに接続されたパーソナルコンピュータのCPUによって実行されても良い。また、下地除去処理が処理済画像DIを示すスキャンデータを保存用に生成するために実行される場合には、該下地除去処理は、スキャナのCPUによって実行されても良い。また、下地除去処理は、複合機200やスキャナと通信可能に接続されたクラウドサーバによって実行されても良い。この場合には、例えば、クラウドサーバは、複合機200やスキャナからスキャンデータを受信して、図4の下地除去処理を実行して処理済画像データを生成する。クラウドサーバは、生成した処理済画像データを複合機200やスキャナに送信する。一般的には、図4の下地除去処理を実行する画像処理装置は、複合機、プリンタ、デジタルカメラ、スキャナなどの画像関連機器の内部のコンピュータ、汎用のパーソナルコンピュータ、ネットワークに接続されたサーバ等のいずれであっても良い。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数のコンピュータが分担して、全体として下地除去処理を実行しても良い。この場合、複数のコンピュータの全体が、請求項における画像処理装置に対応する。
(10)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
200…複合機,210…CPU,220…不揮発性記憶装置,222…コンピュータプログラム,230…揮発性記憶装置,240…プリンタ部,250…スキャナ部,260…操作部,270…表示部,280…通信部,BG…背景,BGs…背景,DI…処理済画像,Pn…周囲画素,Pt…注目画素,SI…スキャン画像,TC…トーンカーブ,TH1〜TH3…閾値

Claims (11)

  1. 画像処理装置であって、
    イメージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによって得られる対象画像データを取得する取得部と、
    前記対象画像データによって示される対象画像内の注目画素が特定の調整条件を満たすか否かを判断する判断部であって、前記特定の調整条件は、前記注目画素が、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有することを含む、前記判断部と、
    前記対象画像データに対して補正処理を実行して、処理済画像を示す処理済画像データを生成する補正処理部と、
    を備え、
    前記補正処理は、
    前記注目画素に対する特定の変換処理であって、前記注目画素が第3基準以上の明るさを有する場合に前記注目画素の色が特定の高明度色になるように、前記注目画素の値を変換する前記特定の変換処理と、
    前記変換処理前の前記注目画素が前記特定の調整条件を満たす場合に、前記変換処理前の前記注目画素の値を用いて、前記変換処理済みの前記注目画素の値を調整する調整処理と、
    を含む、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記注目画素の値は、複数個の色成分の値を含む特定の表色系の色値であり、
    前記調整処理は、前記変換処理前の前記注目画素の成分間差分値であって前記複数個の色成分の値のうちの2個の値の差分である前記成分間差分値に基づいて、前記変換処理済みの前記注目画素の前記成分間差分値を調整する処理である、画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記特定の変換処理は、前記特定の表色系の各色成分の階調数を、第1の階調数から、前記第1の階調数よりも小さな第2の階調数に変換する処理を含み、
    前記調整処理は、前記変換処理前の前記注目画素の前記成分間差分値を前記第2の階調数で示す値と等しくなるように、前記変換処理済みの前記注目画素の前記成分間差分値を調整する処理である、画像処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記注目画素の値は、複数個の色成分の値を含む特定の表色系の色値であり、
    前記判断部は、前記注目画素の前記複数個の色成分の値のそれぞれが第1閾値よりも高明度側の値である場合に、前記注目画素は前記第1基準以上の明るさを有すると判断する、画像処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記注目画素の値は、複数個の色成分の値を含む特定の表色系の色値であり、
    前記判断部は、前記注目画素の少なくとも一つの成分間差分値であって前記複数個の色成分の値のうちの2個の値の差分である前記成分間差分値が第2閾値以上である場合に、前記注目画素は前記第2基準以上の彩度を有すると判断する、画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置であって、
    前記特定の変換処理は、前記特定の表色系の各色成分の階調数を、第1の階調数から、前記第1の階調数よりも小さな第2の階調数に変換する処理を含み、
    前記判断部は、前記注目画素の少なくとも一つの前記成間差分値を前記第2の階調数で示す値が前記第2閾値以上である場合に、前記注目画素は前記第2基準以上の彩度を有すると判断する、画像処理装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記対象画像内の前記注目画素がノイズを示すノイズ画素であるか否かを判定する判定処理を実行する判定部を備え、
    前記補正処理部は、前記変換処理前の前記注目画素が前記ノイズ画素であると判定される場合には、前記特定の調整条件を満たすか否かに関わらず、前記ノイズ画素に対して前記調整処理を実行しない、画像処理装置。
  8. 請求項7に記載の画像処理装置であって、
    前記補正処理は、前記ノイズ画素の値を、前記ノイズ画素の周囲に位置する周囲画素の値に基づいて決定される値に変更する変更処理を含む、画像処理装置。
  9. 請求項7または8に記載の画像処理装置であって、
    前記判定部は、前記判断部によって前記特定の調整条件を満たすと判断される前記注目画素に対して前記判定処理を実行し、
    前記判定部は、
    前記注目画素の周囲の所定範囲内に前記特定の調整条件の少なくとも一部を満たす基準個数以上の画素が存在するか否かを判定し、
    前記所定範囲内に前記特定の調整条件の少なくとも一部を満たす前記基準個数以上の画素が存在しない場合に、前記注目画素は前記ノイズ画素であると判定する、画像処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記処理済画像データを用いて、前記処理済画像を印刷するための印刷データを生成する生成部を備える、画像処理装置。
  11. コンピュータプログラムであって、
    イメージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによって得られる対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データによって示される対象画像内の注目画素が特定の調整条件を満たすか否かを判断する判断機能であって、前記特定の調整条件は、前記注目画素が、第1基準以上の明るさを有し、かつ、第2基準以上の彩度を有することを含む、前記判断機能と、
    前記対象画像データに対して補正処理を実行して、処理済画像を示す処理済画像データを生成する補正処理機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記補正処理は、
    前記注目画素に対する特定の変換処理であって、前記注目画素が第3基準以上の明るさを有する場合に前記注目画素の色が特定の高明度色になるように、前記注目画素の値を変換する前記特定の変換処理と、
    前記変換処理前の前記注目画素が前記特定の調整条件を満たす場合に、前記変換処理前の前記注目画素の値を用いて、前記変換処理済みの前記注目画素の値を調整する調整処理と、
    を含む、コンピュータプログラム。

JP2020105644A 2020-06-18 2020-06-18 画像処理装置、および、コンピュータプログラム Active JP7495660B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020105644A JP7495660B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 画像処理装置、および、コンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020105644A JP7495660B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 画像処理装置、および、コンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021197717A true JP2021197717A (ja) 2021-12-27
JP7495660B2 JP7495660B2 (ja) 2024-06-05

Family

ID=79196144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020105644A Active JP7495660B2 (ja) 2020-06-18 2020-06-18 画像処理装置、および、コンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7495660B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4603589B2 (ja) 2008-02-27 2010-12-22 株式会社沖データ 画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7495660B2 (ja) 2024-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7903872B2 (en) Image-processing apparatus and method, computer program, and storage medium
JP4883789B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5953946B2 (ja) 画像処理装置、コンピュータプログラム
JP5525548B2 (ja) デジタル画像を処理するための画像処理システム及びデジタル画像を処理する画像処理方法
JP4368833B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置、プログラム、および記録媒体
JP2008103987A (ja) 画像処理装置
US10091398B2 (en) Image processing apparatus capable of setting characteristic information for converting target image data
US20030071823A1 (en) Output image adjustment of graphics data
JP2001292331A (ja) 画像処理方法及び装置、画像処理システム及び記録媒体
JP2008147937A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP7495660B2 (ja) 画像処理装置、および、コンピュータプログラム
JP2019134232A (ja) 画像形成装置、その方法およびプログラム
JP4814162B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP5595341B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、および記録装置
US20200296254A1 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP2007195015A (ja) 色変換装置、色変換方法および色変換プログラム
JP2007251619A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP7193779B2 (ja) コンピュータプログラム、および、方法
US11553110B2 (en) Image processing apparatus, control method thereof, and storage medium
JP5067277B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、複写装置、複写方法および複写プログラム
JP6665559B2 (ja) 算出装置、および、コンピュータプログラム
JP2009004917A (ja) 色処理装置およびその方法
JP2009272772A (ja) 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及びコンピュータプログラム
JP4375223B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2016178401A (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7495660

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150