JP2018190895A - 液処理方法、液処理装置、及び記憶媒体 - Google Patents

液処理方法、液処理装置、及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】撥水化剤の使用の影響を抑えつつ基板に対して液処理を行うことが可能な液処理方法などを提供する。【解決手段】液処理が実施されるウエハWには、シリコンの凸型パターンが形成されると共に、その先端部に、前記シリコンとは異なる酸化シリコン、窒化シリコンの少なくとも一方の層を含む。このウエハWの表面に薬液を供給し、次いで凸パターンのシリコンの表面に存在する水酸基の増加を抑制可能な水酸化抑制環境を形成した状態で当該基板Wの表面にリンス液を供給する。しかる後、前記基板Wの表面の水酸基を疎水基に置換する撥水化剤を供給することにより、凸型パターンの先端部の表面を撥水化する。【選択図】図3

Description

本発明は、基板に処理液を供給して液処理を行う技術に関する。
半導体装置の製造工程には、基板である例えばシリコンウエハ(以下、ウエハという)の表面に、半導体装置の素子となる凸型パターンをエッチングにより形成し、これら凸型パターンの間に絶縁膜を埋め込むことにより、隣り合う凸型パターン同士を絶縁するSTI(Shallow Trench Isolation)法という素子分離法がある。
凸型パターンが形成された後のウエハの表面には、エッチング残渣が残っていたり、シリコンの凸型パターンの表面に酸化膜が形成されていたりするため、ウエハの表面に例えば酸性の薬液を供給して、これらエッチング残渣や酸化膜を除去する処理が行われる。
一方、ウエハの表面に、薬液などの処理液を供給した後にウエハを乾燥させると、上述の凸型パターンの倒壊が発生する場合がある。
パターン倒壊の発生を抑えつつウエハ表面に残ったリンス液を除去する手法として、例えば特許文献1には薬液を用いて洗浄したウエハの表面を親水性に改質した後、当該ウエハの表面に表面処理剤(本願の「撥水化剤」に相当する)を供給し、撥水性保護膜を形成することにより、処理液からパターンに働く表面張力を低減し、処理液を除去する際の倒壊の発生を抑制する技術が記載されている。
しかしながら特許文献1には、表面処理剤処理液を利用することに伴う、後段の製造工程への影響やその影響を低減する技術は何ら開示されていない。
特開2012−178606号公報:請求項1、段落0017、0042、
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、撥水化剤の使用の影響を抑えつつ基板に対して液処理を行うことが可能な液処理方法、液処理装置、及び記憶媒体を提供することにある。
本発明の液処理方法は、基板の液処理方法において、
シリコンの凸型パターンが形成されると共に、前記凸型パターンの先端部に、前記シリコンとは異なる酸化シリコン、窒化シリコンの少なくとも一方の層を含む基板の表面に薬液を供給する薬液供給工程と、
前記薬液供給工程後、前記基板の表面にリンス液を供給するリンス液供給工程と、
前記リンス液供給工程後、前記基板の表面の水酸基を疎水基に置換する撥水化剤を供給することにより、前記凸型パターンの先端部の表面を撥水化する撥水化剤供給工程と、を含み、
前記リンス液供給工程は、前記凸パターンの前記シリコンの表面に存在する水酸基の増加を抑制する水酸化抑制環境下で行われることを特徴とする。
本発明は、凸型パターンのシリコンの表面に存在する水酸基の増加を抑制する水酸化抑制環境下で基板へリンス液を供給するので、水酸基と置換される疎水基がシリコンの表面に残存することを抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る処理ユニットを備えた基板処理システムの概要を示す平面図である。 前記処理ユニットの概要を示す縦断側面図である。 前記処理ユニットへの処理液の供給系統を示す構成図である。 前記処理ユニットを用いた液処理の一例を示す工程図である。 前記処理ユニットの第1の作用図である。 前記処理ユニットの第2の作用図である。 液処理前の凸型パターンを示す模式図である。 従来手法のリンス処理後の前記凸型パターンの拡大模式図である。 従来手法でリンス処理されたウエハを撥水化剤で処理した後の凸型パターンを示す模式図である。 水酸化抑制環境下でリンス処理された後の前記凸型パターンの拡大模式図である。 水酸化抑制環境下でリンス処理されたウエハを撥水化剤で処理した後の凸型パターンを示す模式図である。 NAND型フラッシュメモリ製造時の凸型パターンを示す模式図である。 液処理の他の例を示す工程図である。 紫外線照射ユニット及び加熱ユニットの縦断側面図である。 紫外線処理及び加熱処理の結果を示す第1の説明図である。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウエハ(以下ウエハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウエハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウエハWを保持するウエハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウエハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウエハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウエハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウエハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウエハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウエハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウエハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウエハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウエハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、処理流体供給源70に接続される。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウエハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
上述の基板処理システム1に設けられている処理ユニット16は、実施の形態に係わる液処理方法を実行するための液処理装置に相当している。以下、図3を参照しながら、当該処理ユニット16の構成についてより詳細に説明する。
本例の処理ユニット16において、処理流体供給部40に接続された処理流体供給源70は、酸性の薬液であるDHF(希フッ酸:Diluted Hydrogen Fluoride)の供給を行うDHF供給部71と、IPA(Isopropyl Alcohol)の供給を行うIPA供給部72と、撥水化剤の供給を行う撥水化剤供給部73と、リンス液であるDIW(Deionized Water、純水)の供給を行うDIW供給部74とを備えている。
DHF供給部71からは、ウエハWの表面に凸型パターン8を形成する際に付着したエッチング残渣や、シリコンの自然酸化に伴って形成された酸化膜を除去するためのDHFが供給される。エッチング残渣や酸化膜の除去を行う酸性の薬液は、DHF以外にBHF(バッファードフッ酸:Buffered Hydrogen Fluoride)を用いてもよい。
DHF供給部71は、不図示のDHFタンクや流量調節機構を含み、開閉バルブV1を介して、処理流体供給部40に設けられたノズルに接続されている。DHF供給部71は本例の薬液供給部に相当し、DHF供給部71からDHFが供給されるノズルは本例の薬液供給ノズルに相当する。
IPA供給部72からは、IPAが供給される。IPAは、互いに混じり合いにくいDIW及び撥水化剤のいずれとも混合可能であり、撥水化剤の供給を行う前のウエハWの表面に存在するDIWと置換される置換液として供給される。またIPAは、撥水化剤による処理が行われた後、ウエハWの乾燥を促進する乾燥液としても供給される。
IPA供給部72は、不図示のIPAタンクや流量調節機構を含み、開閉バルブV2を介して、処理流体供給部40に設けられたノズルに接続されている。
撥水化剤供給部73からは、ウエハWの表面を撥水化するための撥水化剤が供給される。撥水化剤は、シリル基(ケイ素原子にアルキル基が結合した官能基であり、疎水基として機能する)を有する化合物であり、凸型パターン8の表面にシリル基を導入(撥水化)し、乾燥液として供給されたIPAをウエハWの表面から除去する際に働く表面張力を低減する。
撥水化剤としては、トリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)やヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシリルジエチルアミン(TMSDEA)、ジメチル(ジメチルアミノ)シラン(DMSDMA)、1,1,3,3−テトラメチルジシラン(TMDS)などを採用することができる。また必要に応じて、これらの物質を希釈溶剤によって希釈したものを撥水化剤として採用してもよい。
撥水化剤供給部73は、不図示の撥水化剤タンクや流量調節機構を含み、開閉バルブV3を介して、処理流体供給部40に設けられたノズルに接続されている。撥水化剤供給部73から撥水化剤が供給されるノズルは本例の撥水化剤供給ノズルに相当する。
DIW供給部74からはウエハWの表面のリンス処理を行うためのDIWが供給される。DIW供給部74は、後述のDIWタンク741や不図示の流量調節機構を含み、開閉バルブV4を介して、処理流体供給部40に設けられたノズルに接続されている。DIW供給部74からDIWが供給されるノズルは本例のリンス液供給ノズルに相当する。
ここで、図3、5、6には、処理流体供給部40に設けられた共通のノズルに対して、DHF供給部71、IPA供給部72、撥水化剤供給部73、DIW供給部74から各種の処理液が供給される例が示されている。この例に替えて、処理流体供給部40に対して複数のノズルを設け、異なるノズルからこれらの処理液を供給する構成を採用してもよい。
以上に説明した構成を備える処理ユニット16は、ウエハWに供給されるDIWや、リンス処理実施時のチャンバ20内の雰囲気に含まれる酸素を低減した環境下でリンス処理を実施することが可能な構成を備えている。
当該構成の説明を行う前に、酸素が比較的多く存在する環境下でリンス処理を行った後、撥水化剤を供給する場合に発生する問題点について図7〜9を参照しながら説明する。
図7(a)は、STI法による素子分離が行われる凸型パターン8の縦断側面の模式図である。
STI法について簡単に説明しておくと、シリコンウエハWの表面に酸化膜であるSiO(酸化シリコン)層82を形成した後、当該SiO層82の表面にレジストパターンを形成し、RIE(Reactive Ion Etching)などによって、例えばシリコンパターン81の線幅が30nm以下、アスペクト比が10以上の凸型パターン8構造を形成する。しかる後、隣り合う凸型パターン8の間の溝にSiO膜を埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により不要なSiO膜を除去して凸型パターン8間の素子分離を行う。
上述の製造工程のうち、RIE後の凸型パターン8に対しては、DHFの供給によりエッチング残渣や酸化膜の除去を行った後、DIWを用いてリンス処理を行い、しかる後、撥水化剤を用いて凸型パターン8の表面を撥水化した後、ウエハWの表面に存在する液体を除去する液処理が行われる。
図7(b)は、DHFによる処理が行われた後の凸型パターン8の表面を拡大した模式図である。DHFによってシリコンパターン81の表面の酸化膜を除去すると、シリコンパターン81の表面にはケイ素が露出し、その末端は水素原子で終端(H終端)された状態となっている。しかしながら、シリコンパターン81の表面に露出したケイ素の一部は、RIEによる凸型パターン8を形成する際やDHFによる酸化膜の除去の際に発生した未結合手811が残された状態となっている。
一方、凸型パターン8の先端部に形成されているSiO層82の表面は、水酸基によって終端(OH終端)された状態であり、DHFによってSiO層82の表面が除去された場合であっても、新たに露出したSiO層82の表面は、OH終端された状態が維持される。
DHFの供給により、エッチング残渣や酸化膜が除去された凸型パターン8に対しては、DIWが供給されリンス処理が行われる。このとき、DIWに酸素が含まれ、またチャンバ20内の処理雰囲気中に存在している酸素がDIWに取り込まれると、シリコンパターン81側の未結合手811やH終端されたケイ素の一部が酸素を含むDIWによって酸化され、OH終端された状態となる(図8)。
凸型パターン8の表面において、撥水化剤は、水酸基が存在する位置(OH終端された位置)にシリル基を導入することが分かっている。このため、図8に示す例のように、SiO層82の表面全体がOH終端されると共に、シリコンパターン81の表面にOH終端された領域が点在している凸型パターン8に撥水化剤を供給すると、これらの領域にシリル基が導入される(図9(a)、(b))。
図9(a)には、撥水化剤の供給後、表面全体がシリル基で覆われた面を太い実線で示し、シリル基が点在している面を太い破線で示してある。
また図9(b)にはシリコンパターン81やSiO層82の表面にシリル基80が導入された状態を模式的に示している。シリル基の一例として、図9(b)にはトリメチルシリル基が導入された状態を示している。
DHFによる処理を行った後の状態において、SiO層82の撥水性(水の接触角)はシリコンパターン81と比較して数十分の一程度である。一方、撥水化剤を供給した後の状態では図9(a)に示すように、SiO層82の表面全体がシリル基で覆われることにより、SiO層82の撥水性が大幅に増加する。またシリコンパターン81の表面にもシリル基が点在することにより、シリコンパターン81の撥水性もやや上昇するが、撥水化後のSiO層82と比較すると、撥水性は同程度となる。
上述の状態の凸型パターン8を含むウエハWの表面に存在する液体を除去すると、液体から凸型パターン8に働く表面張力が小さくなっているので、液体の除去に伴う凸型パターン8の倒壊の発生を抑えることができる。
一方でSTI法の概要説明にて述べたように、液体が除去された後の凸型パターン8にはSiO膜が埋め込まれ、隣り合う凸型パターン8間の素子分離が行われる。このとき、SiO層82の表面を覆っていたシリル基は、この後に行われる熱処理により分解して除去されると考えられるが、シリル基に起因する物質(以下、「残留物」ともいう)の一部が、凸型パターン8とSiO膜との間に残存するおそれもある。
当該残留物のうち、SiO層82の表面の残留物は、CMPによってSiO層82と共に除去される。しかしながら、シリコンパターン81の表面に点在していたシリル基に起因する残留物は、SiO膜の埋め込み後も、半導体装置内に残された状態となる。 このとき、当該残留物は半導体装置の電気的特性などを低下させる要因となるおそれもある。
本発明の発明者は、上述の問題を解決するべく検討を行った結果、凸型パターン8の倒壊の発生を抑えつつ、液処理が行われたあとのウエハWの表面から液体を除去するうえでは、凸型パターン8(シリコンパターン81及びSiO層82)の表面全体を撥水化することは必須の要件ではなく、先端部に設けられたSiO層82の表面を撥水化すれば、十分な倒壊抑制効果が得られることを新たに見出した。
このとき、既述のシリコンパターン81の表面にOH終端が形成されるメカニズムを踏まえ、シリコンパターン81の表面が酸化されにくい(OH終端されにくい)条件下でリンス処理を行うと、水酸基の増加を抑えつつ、ウエハWの表面からDHFを除去するリンス処理を行うことが可能となる。
この点、例えば特許文献1などに記載されているように(段落0144参照)、パターン倒壊の発生を抑制する観点では、DHFの処理によってケイ素が露出した状態のシリコンパターン81の表面についてもHやオゾン含有水を供給して酸化することが好ましいと考えられていた。
ところが、パターン倒壊の発生を抑える観点では、凸型パターン8の先端部に形成されたSiO層82の表面を撥水化できれば十分であることを見出した点に本発明の特徴の一つがある。
そこで、本例の処理ユニット16は、シリコンパターン81の表面に存在する水酸基の増加を抑制することが可能な環境(水酸化抑制環境)下で、リンス処理を行うための構成(水酸化抑制環境形成部)を備えている。
以下、当該構成の具体例について図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、既述のDIW供給部74は、DIWを貯留したDIWタンク741と、DIWタンク741に貯留されたDIWの送液を行うポンプ744と、DIWに含まれる気泡を取り除く液フィルター745と、DIWに溶存する酸素の脱気を行う脱気モジュール746と、DIWに水素ガスの給気を行う給気モジュール743とを含んでいる。
脱気モジュール746は、DIW中に溶存する酸素を取り除くことにより、リンス処理時におけるシリコンパターン81の酸化の抑制を図る。例えば脱気モジュール746は、本体容器内に、PTFE(polytetrafluoroethylene)などの樹脂材料製の中空糸膜を多数本収容した構成となっている。この中空糸膜内にDIWを通流させると共に、本体容器内を真空排気することにより、DIW中に溶存する酸素が中空糸膜を透過して容器本体側に排出される。
脱気モジュール746は、本例の脱気部に相当し、水酸化抑制環境形成部の一つを構成している。
給気モジュール743は、脱気モジュール746にて溶存酸素が取り除かれた後のDIWに、水素(H)ガスを吸収させてDIWを飽和状態とし、酸素の再吸収を抑制する。また、図7(b)に示す未結合手811などに水素ガスを作用させてH終端する機能も有している。
給気モジュール743の構成は、脱気モジュール746と同様に、本体容器内に水素ガスを透過可能な中空糸膜を多数本収容して構成され、水素ガスを含む気体によって本体容器内を加圧することにより、中空糸膜内を通流するDIWに水素ガスを吸収させる。
ここで、DIWに対する酸素の再吸収を抑制する機能に着目した場合は、DIWに吸収させるガスは水素ガスに限定されるものではなく、窒素ガスであってもよい。
給気モジュール743は、本例のガス吸収部に相当し、水酸化抑制環境形成部の一つを構成している。
さらに本例の処理ユニット16に設けられたFFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成するために供給される気体を、エア供給部211から供給される清浄空気(エア)と、窒素ガス供給部212から供給される窒素(N)ガスとの間で切り替えることができる。エア供給部211、窒素ガス供給部212は、これらのガスを貯留するガス貯留部や流量調節機構を備えている(いずれも不図示)。
窒素ガス供給部212は、リンス処理実施時のチャンバ20内に窒素ガスを供給して低酸素雰囲気とすることにより、シリコンパターン81の酸化の抑制を図る。チャンバ20内に供給するガスは、窒素ガスに限定されるものではなく、シリコンパターン81に対して不活性な他の不活性ガス、例えばヘリウムガスなどの希ガスであってもよい。
窒素ガス供給部212は、本例の不活性ガス供給部に相当し、水酸化抑制環境形成部の一つを構成している。
図3には、3種類の水酸化抑制環境形成部(DIWの脱気モジュール746、給気モジュール743、ダウンフロー形成用の窒素ガス供給部212)を設けた例を示したが、処理ユニット16がこれら全ての水酸化抑制環境形成部を備えることは必須ではなく、少なくとも1種類の水酸化抑制環境形成部を備えていればよい。
脱気モジュール746や給気モジュール743の作動タイミングの制御や、エア供給部211と窒素ガス供給部212との間でのFFU21に供給される気体の切り替え動作は、既述の制御部18によって実行される。
以上に説明した構成を備える処理ユニット16を用いて実施される液処理の内容について図4〜6を参照しながら説明する。
基板搬送装置17により処理ユニット16内に搬入されたウエハWが基板保持機構30に保持されると、処理流体供給部40を処理位置に移動させると共に、ウエハWを所定の回転速度で回転させる。
しかる後、開閉バルブV1を開き、DHF供給部71から所定流量のDHFを供給し、ウエハWの表面のエッチング残渣や酸化膜の除去を行う(図4の処理P1、薬液供給工程)。
このとき、図5に示すようにFFU21に対してはエア供給部211から清浄空気が供給され、チャンバ20内は清浄空気のダウンフローが形成された状態となっている。
DHFの供給を終了するタイミングとなったら、FFU21に供給する気体を窒素ガス供給部212側の窒素ガスに切り替え、チャンバ20内に窒素ガスのダウンフローを形成する。
次いで、開閉バルブV1を閉じ、DHFの供給を停止する一方、開閉バルブV4を開き、DIW供給部74からDIWを供給する(図4の処理P2、リンス液供給工程)。
このとき、図6に示すように脱気モジュール746の本体容器内の真空排気を行って、DIWに溶存する酸素を除去すると共に、給気モジュール743の本体容器内を水素ガスで加圧し、溶存酸素除去後のDIWに水素ガスを吸収させる。
なお、給気モジュール743と開閉バルブV4との間に分岐ラインを設け、脱気モジュール746や給気モジュール743の稼働を開始した後、DIW中の溶存酸素が目標濃度以下となり、水素ガス濃度が目標濃度以上となるタイミングまで、DIWの端切りを行ってもよい。
DIWの供給により、ウエハWの表面のDHFを除去するリンス処理が行われる。このとき、DIW中の溶存酸素が除去され、チャンバ20内に窒素ガスのダウンフローが形成されていることにより、シリコンパターン81側の未結合手811やH終端されたケイ素の酸化が発生しにくい。また、DIWに溶存する水素の作用により、図7(b)に示す未結合手811をH終端することもできる(図10)。
上述したように、本例の処理ユニット16は、水酸化抑制環境(DIW中の溶存酸素除去、DIWへの水素ガス吸収、チャンバ20内への窒素ガス供給)下でリンス処理を実施する。この結果、溶存酸素を含むDIWを用い、清浄空気のダウンフローが形成された雰囲気下でリンス処理を行う場合と比較して、図8を用いて説明したシリコンパターン81の表面におけるOH終端の形成を抑制することができる。
リンス処理を終了するタイミングとなったら、脱気モジュール746、給気モジュール743を停止すると共に、開閉バルブV4を閉じてDIWの供給を停止し、開閉バルブV2を開いてIPAの供給を開始する。また、FFU21に供給する気体をエア供給部211側に切り替え、チャンバ20内に清浄空気のダウンフローを形成する(図4の処理P3)。
なお、図4の処理P3〜P5については、処理液の供給元がIPA供給部72や撥水化剤供給部73に切り替わり、これらの供給元に対応する開閉バルブV2、3が開かれる点を除いて図5に示す例と相違がないのでこれらの処理液やダウンフロー用の清浄空気が供給されている状態の図示を省略する。
ウエハWの表面のDIWがIPAと置換されたタイミングとなったら、開閉バルブV2を閉じてIPAの供給を停止する一方、開閉バルブV3を開いて撥水化剤の供給を開始する(図4の処理P4、撥水化剤供給工程)。
ウエハWの表面の凸型パターン8に撥水化剤が供給されると、OH終端されたSiO層82の表面全体がシリル基によって覆われた状態となる点については従来の撥水化剤供給後の状態と同様である(図11(a)の太い実線、及び図11(b)のシリル基80)。
これに対して、水酸化抑制環境下でリンス処理が行われたシリコンパターン81の表面は、通常のリンス処理の場合と比較してシリコンパターン81の表面に存在するOH終端が少ない。この結果、撥水化剤が供給されてもシリコンパターン81の表面にはシリル基は殆ど導入されない(図11(a)、(b)のシリコンパターン81)。
一方で既述のように、DHFによる処理を行った後のシリコンパターン81の表面は、ある程度の撥水性を有している。そこで、シリル基が導入されていない状態では、撥水性がはるかに小さいSiO層82側の表面のみをシリル基で覆うことによっても、凸型パターン8におけるパターン倒壊の発生を十分に抑制することができる。
撥水化剤の供給により、SiO層82の表面がシリル基によって覆われた状態となるタイミングとなったら、開閉バルブV3を閉じて撥水化剤の供給を停止する一方、再度、開閉バルブV2を開いて乾燥液であるIPAの供給を開始する(図4の処理P5)。
この結果、ウエハWの表面の撥水化剤がIPAによって置換される。
そして、ウエハWの表面の撥水化剤がIPAと置換されたタイミングとなったら、開閉バルブV2を閉じてIPAの供給を停止する。さらに、ウエハWの回転を継続し、ウエハWの表面からIPAを除去することによりウエハWの乾燥処理を行う(図4の処理P6)。
このとき、ウエハWの表面に形成された凸型パターン8において、先端部側のSiO層82の表面は疎水性のシリル基によって覆われている。当該シリル基の作用により、隣り合う凸型パターン8の間の溝に入り込んだIPAが除去される際に働く表面張力が低減され、凸型パターン8の倒壊の発生を抑制しつつIPAの除去を行うことができる。
ウエハWの乾燥処理を終えたら、ウエハWの回転を停止し、当該ウエハWについての液処理を終了する。しかる後、搬入時とは反対の手順で処理ユニット16からウエハWを搬出する。
本実施の形態によれば以下の効果がある。凸型パターン8のシリコンパターン81の表面に存在する水酸基(OH終端)の増加を抑制する水酸化抑制環境下でウエハWへDIWを供給するので、水酸基と置換されるシリル基がシリコンの表面へ残存することを抑えることができる。
この結果、後段の処理にてSiO膜の埋め込みを行った後に、凸型パターン8の表面に残存する残留物量を低減することができる。
一方で、通常のリンス処理の場合と同様に、凸型パターン8の先端部に形成されたSiO層82の表面は、シリル基によって覆われた状態となっているので、ウエハWの表面から液体(本例では乾燥液であるIPA)を除去する際に凸型パターン8に働く表面張力を低減し、パターン倒壊の発生を抑える効果を従来通り発揮することができる。
ここで、水酸基抑制環境下でリンス処理を行う本実施の形態に係る液処理が適用される凸型パターン8は、図7(a)に示した例に限定されない。例えば、図7(a)の凸型パターン8において、SiO層82に替えて、SiN(窒化シリコン)層を形成してもよい。
SiN層には、成膜の過程で酸素が取り込まれ、当該SiN層の表面にもOH終端された領域が存在する。
SiN層の撥水性(水の接触角)はシリコンパターン81と比較して半分程度の大きさであるが、SiO層82と比較すると十数倍近く大きい。一方、シリル基を導入した後の状態では、SiN層の表面の水酸基がシリル基と置換されることにより、SiN層の撥水性は2倍程度に大きくなる。
そして既述のように、DHFによる処理を行った後のシリコンパターン81の表面は、ある程度の撥水性を有しているので、シリル基が導入されていない状態では、撥水性が小さいSiN層側の表面に優先的にシリル基を導入することによっても、凸型パターン8におけるパターン倒壊の発生を十分に抑制することができる。
また図12は、凸型パターン8aの先端側にSiO層82、ポリシリコン層83及びSiN層84が積層された、NAND回路用の凸型パターン8aの例を示している。本例の凸型パターン8aにおいては、水酸基抑制環境下でリンス処理を行った後、撥水化剤の供給を行うと、図12中に太い実線で示すように、SiO層82の表面がシリル基で覆われる一方、SiN層84の表面にもシリル基が導入される。
これら凸型パターン8aの先端部に形成されたSiO層82、SiN層84の表面にシリル基が導入されることにより、液処理後のウエハWの表面から液体を除去する際の凸型パターン8aの倒壊の発生を抑制することができる。
SiN層84の表面の残留物は、CMPによってSiN層84と共に除去される。またSiO層82の表面の残留物の除去も必要な場合には、後述のシリル基除去のための紫外線照射ユニット161や加熱ユニット162を用いて、シリル基の除去を行った後、SiO膜の埋め込みを行ってもよい。
次いで、水酸基抑制環境下でリンス処理を行う他の手法として、DIWと比較して酸素の溶解度が小さいIPAを用いてリンス処理を行う例を挙げることができる。
図13には、図4に記載のDIWによるリンス処理(処理P2)を省略し、DHFの供給(処理P1)の後、直ちにIPA置換を開始することにより、ウエハWの表面のDHFを除去するリンス処理の例が記載されている(処理P3’、リンス液供給工程)。当該リンス処理は、チャンバ20内に窒素ガスのダウンフローが形成された雰囲気下で実施してよい。
ここでIPAに対するDHFの溶解性は、DIWに対するDHFの溶解性よりも小さいので、IPAを用いたリンス処理時(図13の処理P3’)においては、図4に示すIPA置換時(図4の処理P3)よりも単位時間当たりのIPAの供給流量を増やし、またIPAの供給時間も長くすることが好ましい。
リンス液であるIPAの供給を行うIPA供給部72は本例の水酸化抑制環境形成部の一つを構成している。
さらに、ウエハWに対して実施される液処理の内容についても、図4や図13を用いて説明した例に限定されるものではなく、各処理にて供給される処理液の種類などを適宜、変更してもよい。
例えば、薬液供給工程である処理P1にて、酸化膜の除去などを行うDHFに替えて、BHFを供給してもよい。また、ウエハWの乾燥を行う前に処理P5にて供給される乾燥液についても、IPAに替えてアセトンなどの他の有機溶剤を供給してもよい。
次いで、追加の実施形態として、凸型パターン8の表面に残存するシリル基を除去する処理について説明する。
既述のように、水酸基抑制環境下でリンス処理を行い、シリコンパターン81の酸化の抑制を図った場合であっても、わずかながらシリコンパターン81の表面が酸化され、OH終端された箇所にシリル基が導入されてしまう場合がある。また、図12に示す凸型パターン8aのように、後段の工程にてCMPなどによる除去されないSiO層82の表面がシリル基で覆われた状態のままとなる場合もある。
ウエハWの表面に残存する不要なシリル基を除去する手法として、ウエハWに紫外線(UV:Ultra Violet)を照射したり、ウエハWの加熱を行ったりしてシリル基の分解を行う手法が考えられる。
しかしながら酸素が存在する雰囲気下でウエハWへのUV照射や加熱を行うと、シリコンパターン81の表面に再度、酸化膜が形成されてしまうおそれがある。一方、低酸素雰囲気下でこれらの処理を行っても、シリル基の分解効果が十分には得られない場合があることが分かった。
そこで本例の基板処理システム1は、液処理後のウエハWに対し、不活性ガスである窒素ガスが供給された低酸素雰囲気下でUV照射(紫外線照射処理)を行う紫外線照射ユニット(紫外線照射部)161と、UV照射が行われた後のウエハWに対し、同じく窒素ガスが供給された低酸素雰囲気下で加熱(加熱処理)を行う加熱ユニット(加熱部)162と備える。
これら紫外線照射処理、加熱処理は、ウエハWの表面に存在するシリル基(疎水基)を除去する疎水基除去工程を構成している。
紫外線照射ユニット161は、窒素ガス供給ライン914から窒素ガスが供給されるチャンバ911内に配置された載置台912上にウエハWを載置し、載置台912上のウエハWと対向するように設けられたUV光源913からUV光を照射する。
例えばチャンバ911内の酸素濃度は5%以下、好適には1%以下、UV光源913としては水銀ランプやUVLED、エキシマ光UVランプなど、波長が300nm以下程度の各種UV光源913を採用してよい。ウエハWの単位面積あたりのエネルギードーズ量は、ウエハWの表面に残存する単位面積当たりのシリル基の数によっても異なるが、200〜600mJ/cm程度を例示することができる。
加熱ユニット162は、窒素ガス供給ライン924から窒素ガスが供給されるチャンバ921内に配置された載置台922上にウエハWを載置し、加熱部923内に設けられた抵抗発熱体などからなる加熱部923により、載置台912を介してウエハWを加熱する。ウエハWを加熱する手法は、載置台922を介した伝熱に限定されず、加熱ランプを加熱部923として用いた熱放射による加熱であってもよい。
例えばチャンバ921内の酸素濃度は5%以下、好適には1%以下、ウエハWは200〜800℃、好適には300〜400℃の範囲内の温度に加熱され、例えば30秒〜10分程度の加熱が実施される。
本例の紫外線照射ユニット161、加熱ユニット162は、図1に示す基板処理システム1の搬送部12側に配置された2台の処理ユニット16と入れ替えて設けることができる。各処理ユニット16にて液処理された後のウエハWは、これらのユニット161、162に順次、搬入され、低酸素雰囲気下でのUV照射、加熱が行われる。
このとき紫外線照射ユニット161から加熱ユニット162へとウエハWが搬送される経路に窒素ガスを供給し、低酸素雰囲気下でウエハWの搬送を行うことより、シリコンパターン81の表面での酸化の進行を抑えてもよい。
また共通のチャンバ911内にUV光源913と加熱部923とを設けて、UV照射と加熱とを連続して実施し、またはUV照射と加熱とを同時に実施してもよい。
(実験)
追加の実施形態につき、低酸素雰囲気下でのUV照射、加熱の影響を調べた。
A.実験条件
(比較例1)シリル基の除去効果の感度を上げるため、直径300mmのウエハWの表面にDHFを供給した後、さらにオゾン水を供給してからリンス処理を行った点と、水酸化抑制環境ではなく通常のリンス処理を行った点とを除いて、図4に示す手順で液処理を行った。
(比較例2)比較例1の条件で液処理を行った後に、窒素ガス供給雰囲気下(酸素濃度10%vol以下)でウエハWに対してエキシマUV光源913より173nmのUV光をドーズ量が400mJ/cmとなるように照射した。
(実施例)
比較例2の条件でUV光の照射を行った後に窒素ガス供給雰囲気下(酸素濃度10%vol以下)で当該ウエハWを450℃で10分間加熱した。
上記3つの条件で行われた後のウエハWの接触角、及びウエハWの表面に形成された酸化膜の膜厚をそれぞれ測定した。
B.実験結果
実施例、比較例1、2の結果を図15に示す。図15の横軸には各実施例、比較例の識別番号を示し、左側の縦軸は接触角[°]、右側の縦軸は酸化膜の膜厚[nm]を示している。図15中、接触角は白抜きのひし形でプロットし、酸化膜厚は白抜きの四角でプロットしてある。
図15に示した結果によると、低酸素雰囲気下でのUV照射の後、加熱を行った実施例にて最も接触角が小さく、より多くのシリル基が除去されていることが分かる。次いで、比較例1、2の順に、接触角が大きくなっていくことから、UV照射、加熱の夫々にシリル基の除去効果が存在することが確認できた。
W ウエハ
16 処理ユニット
20 チャンバ
212 窒素ガス供給部
30 基板保持機構
40 処理流体供給部
71 DHF供給部
73 撥水化剤供給部
74 DIW供給部
743 給気モジュール
746 脱気モジュール

Claims (16)

  1. 基板の液処理方法において、
    シリコンの凸型パターンが形成されると共に、前記凸型パターンの先端部に、前記シリコンとは異なる酸化シリコン、窒化シリコンの少なくとも一方の層を含む基板の表面に薬液を供給する薬液供給工程と、
    前記薬液供給工程後、前記基板の表面にリンス液を供給するリンス液供給工程と、
    前記リンス液供給工程後、前記基板の表面の水酸基を疎水基に置換する撥水化剤を供給することにより、前記凸型パターンの先端部の表面を撥水化する撥水化剤供給工程と、を含み、
    前記リンス液供給工程は、前記凸パターンの前記シリコンの表面に存在する水酸基の増加を抑制する水酸化抑制環境下で行われることを特徴とする液処理方法。
  2. 前記リンス液として、溶存酸素が脱気された純水を用いることにより、前記水酸化抑制環境を形成することを特徴とする請求項1に記載の液処理方法。
  3. 前記リンス液として、水素ガス、窒素ガスの少なくとも一方を吸収させた純水を用いることにより、前記水酸化抑制環境を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の液処理方法。
  4. 前記リンス液として、イソプロピルアルコールを用いることにより、前記水酸化抑制環境を形成することを特徴とする請求項1に記載の液処理方法。
  5. 不活性ガスが供給された雰囲気下で前記リンス液供給工程を実施することにより、前記水酸化抑制環境を形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の液処理方法。
  6. 前記薬液は、前記シリコンの表面の酸化膜を除去する薬液であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の液処理方法。
  7. 前記撥水化剤供給工程の後、基板の表面に存在する液体を除去し、次いで、当該基板の表面に存在する前記疎水基を除去する疎水基除去工程を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の液処理方法。
  8. 前記疎水基除去工程は、不活性ガスが供給された雰囲気下で前記基板に紫外線を照射する紫外線照射処理と、前記紫外線が照射された後の基板、または紫外線が照射されている基板を加熱する加熱処理とを含むことを特徴とする請求項7に記載の液処理方法。
  9. 基板の液処理を行う液処理装置において、
    シリコンの凸型パターンが形成されると共に、前記凸型パターンの先端部に、前記シリコンとは異なる酸化シリコン、窒化シリコンの少なくとも一方の層を含む基板を水平に保持する基板保持部と、
    前記基板の表面に薬液を供給する薬液供給ノズル、リンス液を供給するリンス液供給ノズル、及び、基板の表面の水酸基を疎水基に置換する撥水化剤を供給する撥水化剤供給ノズルと、
    前記薬液供給ノズルから前記基板保持部に保持された基板の表面に薬液を供給するステップと、前記薬液供給の後、前記リンス液供給ノズルから前記基板の表面にリンス液を供給するステップと、その後、前記撥水化剤供給ノズルから前記基板の表面に撥水化剤を供給し、前記凸型パターンの先端部の表面を撥水化するステップと、を実行するための制御信号を出力する制御部と、
    前記凸パターンのシリコンの表面に存在する水酸基の増加を抑制する水酸化抑制環境下で前記リンス液を供給するステップを実施するための水酸化抑制環境形成部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
  10. 前記水酸化抑制環境形成部は、前記リンス液供給ノズルに純水を供給する純水供給部と、前記純水供給部からリンス液供給ノズルに供給される純水に含まれる溶存酸素を脱気する脱気部と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の液処理装置。
  11. 前記水酸化抑制環境形成部は、前記リンス液供給ノズルに純水を供給する純水供給部と、前記純水供給部からリンス液供給ノズルに供給される純水に、水素ガス、窒素ガスの少なくとも一方を吸収させるガス吸収部と、を含むことを特徴とする請求項9または10に記載の液処理装置。
  12. 前記水酸化抑制環境形成部は、前記リンス液供給ノズルにイソプロピルアルコール(IPA)を供給するIPA供給部を含むことを特徴とする請求項9に記載の液処理装置。
  13. 前記水酸化抑制環境形成部は、前記基板保持部に保持された基板に対する前記リンス液供給ノズルからのリンス液の供給が行われる空間に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給部を含むことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか一つに記載の液処理装置。
  14. 前記薬液供給ノズルに、前記シリコンの表面の酸化膜を除去する薬液を供給する薬液供給部を備えることを特徴とする請求項9ないし13のいずれか一つに記載の液処理装置。
  15. 前記撥水化剤の供給が行われ、表面の液体が除去された基板の表面に存在する前記疎水基を除去するため、不活性ガスが供給された雰囲気下で前記基板に紫外線の照射する紫外線照射部と、前記紫外線が照射された後の基板、または紫外線が照射されている基板を加熱する加熱部とを備えたことを特徴とする請求項9ないし14のいずれか一つに記載の液処理装置。
  16. 水平に保持された基板に対して純水を供給した後、基板に液体を供給して液処理を行う液処理装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項1ないし8のいずれか一つに記載の液処理方法を実行するように制御を行うことを特徴とする記憶媒体。
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