JP2018190567A - 電子デバイスの製造方法及び有機el素子の製造方法 - Google Patents

電子デバイスの製造方法及び有機el素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リーク箇所を破壊しやすい状態にすることが可能な電子デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】電子デバイスとしての有機ELパネル1の製造方法は、樹脂基材10上にアノード電極20を形成するステップと、アノード電極20上に有機発光層30及びカソード電極40を形成するステップと、20℃以下の温度で低温エージング処理を行うステップと、を含むことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、電子デバイスの製造方法及び有機EL素子の製造方法に関する。
有機ELパネルは、液晶表示装置と比較して、視野角依存性が少ない、コントラスト比が高い、薄膜化が可能等の利点から脚光を浴びており、各所で研究開発が行われている。
また近年では、有機ELパネルを利用した携帯ディスプレイ、携帯背面ディスプレイ等も積極的に市場投入されている。また、有機ELパネルは、視認性の高さから、大型テレビへの市場投入が期待されており、一部投入計画が報道される等、フラットパネルディスプレイでの市場投入に拍車がかかってきている。
一方、有機ELパネルは自己発光型光源であること、及び、面発光光源であることから、次世代照明として脚光を浴びており、有機EL照明として同じく各所で開発されている。有機ELパネルとして用いられる有機EL素子は、RGBそれぞれの発光材料を電極間内に形成し、RGBの発光出力を駆動させたり、有機膜厚を含めた層設計を施したりするで、発光色及び発光色強度を自由に変える事が可能である。また、有機EL素子は、照明用途として要求される白色として、例えば、色温度2000〜3000[K]の電球色から5000〜6000[K]等のの昼白色まで自由に形成することが可能であるのに加えて、燐光材料を使用することによってLED及び蛍光灯と同等またはこれらを超える発光効率も見えてきており、薄型化照明としての実現が期待されている。さらには近年フレキシブル性を持った有機EL照明の開発も多くなされており、また発明も開示されている(特許文献1参照)。
有機EL素子は、半導体と異なり、基板又は基材の上に第一電極を成膜し、素子及び第二電極を約90〜400[nm]の薄膜で形成するため、異物、欠陥等が発生したり、成膜直後に不安定な場合がある。そのため、これらをバーンイン、エージング等で安定化させてから製品を出荷する発明が開示されている(特許文献2参照)。
特許文献2に記載されているように、安定化させるためのエージングは、一般的には高温で行うことで短時間で済ませることが可能であり、量産工程への適用がなされる場合がある、一方、低温でエージングを行う場合には、高温の場合と比較して有機EL素子の性能が劣化しにくい。そのため、低温でのエージングは、ガラス基板を用いた製品に適用されることは殆どなかった。
また、ガラス基板を用いた製品に対して低温でのエージングを行う場合は、交流で高い電圧を印可したり、高い発光輝度を出して短時間でエージングを完了させるために、製品を液体等といった低温環境に入れることによって発熱による熱を冷やしたりすることが考えられている(特許文献3,4参照)。
特許文献3,4に記載の手法は、オイルパッシベーションを使用したり、高輝度でエージングを行う場合であったり、双方において放熱の役目として使用しているため、実際の基材や素子部の温度が低温になる必要がなく、温度は例えば室温で保たれていればよかった。
特開2011−156752号公報 特開2003−173873号公報 特開平2−106892号公報 特開2008−235139号公報
しかし、樹脂基材を用いた有機EL素子等といった電子デバイスにおいて、第一電極すなわちアノード電極としてAg等といった金属を用いた場合には、金属パーティクル例えばスプラッシュ痕、スパッタ片等)がアノード電極の上又は下に付着して金属異物となり、その後の製造プロセスや使用環境で熱変化が起きる状況が発生した際、特に低温環境による樹脂基材の熱収縮によって、金属異物が第二電極すなわちカソード電極との間のリークの要因となり、ひいては短絡を発生してしまう問題があった。そのため、かかるリーク箇所を破壊することが望まれているが、単なるエージング等では十分に破壊することはできなかった。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、リーク箇所を破壊しやすい状態にすることが可能な電子デバイスの製造方法及び有機EL素子の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、以下の構成を備える。
1.樹脂基材上に第一電極を形成するステップと、前記第一電極上に機能性有機層及び第二電極を形成するステップと、20℃以下の温度で第一エージング処理を行うステップと、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
2.前記第一エージング処理を行うステップの後に、前記第一エージング処理よりも高い温度で第二エージング処理を行うステップを含むことを特徴とする前記1に記載の電子デバイスの製造方法。
3.前記第一エージング処理を行うステップと前記第二エージング処理を行うステップとのサイクルを複数回実行することを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
4.前記第一エージング処理の温度は、0[℃]以下であることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
5.前記第二エージング処理の温度は、60[℃]以上であることを特徴とする前記2又は3に記載の電子デバイスの製造方法。
6.前記第一エージング処理の温度は、−20[℃]以下であり、前記第二エージング処理の温度は、100[℃]以上であることを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
7.前記第一エージング処理の温度は、−40[℃]以下であり、前記第二エージング処理の温度は、100[℃]以上であることを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
8.前記第一エージング処理を行うステップにおいて、前記第一電極及び前記第二電極の間に0.5〜1.6[MV/cm]の大きさの逆バイアスの電界を印加することを特徴とする前記1から7のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
9.前記第一エージング処理を行うステップにおいて前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される電界と前記第二エージング処理において前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される電界との差が、±0.5[MV/cm]以内であることを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
10.前記第一エージング処理を行うステップにおいて前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される逆バイアスの電界の大きさが、前記第二エージング処理において前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される逆バイアスの電界の大きさよりも小さく、電界の大きさの差が、0.2[MV/cm]〜0.4[MV/cm]であることを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
11.前記第一エージング処理において、前記第一電極及び前記第二電極の間に逆バイアス又は順バイアスの電界が印加されることを特徴とする前記1に記載の電子デバイスの製造方法。
12.前記第一エージング処理は、定電流駆動で行われることを特徴とする前記1に記載の電子デバイスの製造方法。
13.前記第一エージング処理と前記第二エージング処理との切替時間が、前記第一エージング処理の実行時間及び前記第二エージング処理の実行時間の少なくとも一方よりも短いことを特徴とする前記2に記載の電子デバイスの製造方法。
14.前記樹脂基材の線膨張係数は、5.0×10−6〜5.0×10−5[1/K]であることを特徴とする前記1から13のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
15.前記第一電極は、銀を含有して形成されることを特徴とする前記1から14のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法。
16.前記1から15のいずれかに記載の電子デバイスの製造方法によって、有機EL素子を製造することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
本発明によると、リーク箇所を破壊しやすい状態にすることができる。
本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図であり、高温エージング処理を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法を説明するための図であり、低温エージング処理を説明するための図である。
本発明の実施形態について、本発明の電子デバイスとして有機EL(Electro Luminescence)素子、詳細には、面発光可能な有機ELパネルを製造する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法は、樹脂基材10上に第一電極としてのアノード電極20を形成するステップと、アノード電極20上に機能性有機層としての有機発光層30を形成するステップと、有機発光層30上に第二電極としてのカソード電極40を形成するステップと、を含む。樹脂基材10の線膨張係数は、5.0×10−6〜5.0×10−5[1/K]であることが望ましい。また、アノード電極20は、銀を含有して形成されていることが望ましい。
ここで、例えば銀を含有するアノード電極20を形成するステップにおいて、銀によって形成される金属パーティクル20Xがアノード電極20上に付着する場合がある。このような場合には、金属パーティクル20X上に、有機発光層30X及びカソード電極40Xが積層される。また、金属パーティクル20Xがアノード電極20上に付着したことによって有機発光層30及びカソード電極40に谷間が形成され、かかる谷間においてカソード電極40がアノード電極20と電気的に接続されてリーク箇所となり、短絡が発生するおそれがある。
<低温エージング処理>
本発明の実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法は、かかる短絡を無くすために、20[℃]以下で低温エージング処理を実施する。
図2に示すように、有機ELパネル1に対して低温エージング処理を実施すると、樹脂基材10が熱収縮し、前記した谷間部分においてカソード電極40が金属パーティクル20Xと接触する。かかる状態において、アノード電極20及びカソード電極40の間に順バイアス又は逆バイアスの電界を印加することによって、リーク箇所を好適に成長させ、後の高温エージング処理の際、及び/又は、今回又は次回の低温エージングの際にリーク箇所を好適に破壊することが可能となる。
低温エージング処理の温度は、好ましくは0[℃]以下、より好ましくは−20[℃]以下、さらに好ましくは−40[℃]以下である。
また、低温エージング処理においては、アノード電極20及びカソード電極40の間に0.5〜1.6[MV/cm]の大きさの逆バイアスの電界を印加することが望ましい。
また、低温エージング処理における電界の印加は、特に逆バイアス電界の印加である場合に、定電流駆動で行われることが望ましい。
<高温エージング処理>
本発明の実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法は、低温エージング処理の後に、低温エージング処理よりも高い温度で高温エージング処理を実施する。
図1に示すように、有機ELパネル1に対して高温エージング処理を実施すると、樹脂基材10が熱伸張し、前記した谷間部分においてカソード電極40が金属パーティクル20Xと離間する。かかる状態において、アノード電極20及びカソード電極40の間に順バイアス又は逆バイアスの電界を印加することによって、低温エージング処理において成長したリーク箇所を好適に破壊することができる。また、高温エージング処理においてリーク箇所を成長させ、かかるリーク箇所を破壊する場合もある。
高温エージング処理の温度は、好ましくは60[℃]以上、より好ましくは100[℃]以上である。
また、高温エージング処理においては、アノード電極20及びカソード電極40の間に印加される電界の大きさは、低温エージング処理において印加される電界の大きさに対して、±0.5[MV/cm]の範囲内であることが望ましい。
また、低温エージング処理及び高温エージング処理においてともに逆バイアスの電界が印加される場合には、低温エージング処理の電界の大きさが、高温エージング処理の電界の大きさよりも小さく、これらの電界の大きさの差が、0.2[MV/cm]〜0.4[MV/cm]であることが望ましい。
また、高温エージング処理における電界の印加は、特に逆バイアス電界の印加である場合に、定電流駆動で行われることが望ましい。
また、低温エージング処理及び高温エージング処理は、空気等の気体雰囲気下で実施される。
<複数サイクルの低温エージング処理及び高温エージング処理>
また、本発明の実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法は、低温エージング処理→高温エージング処理を複数サイクル繰り返す構成であってもよい。
かかる場合において、低温エージング及び高温エージング処理において、ともに逆バイアス電界が印加される構成であってもよい。また、低温エージング処理において、逆バイアス電界と順バイアス電界とが交互に印加される構成であってもよい。また、高温エージング処理において、順バイアス電界が印加される構成であってもよく、順バイアス電界と逆バイアス電界とが交互に印加される構成であってもよい。
また、低温エージング処理の温度が−20[℃]以下であるとともに高温エージング処理の温度が100[℃]以上であることが望ましく、低温エージング処理の温度が−40[℃]以下であるとともに高温エージング処理の温度が100[℃]以上であることがより望ましい。
また、低温エージング処理と高温エージング処理との間の切替時間は、低温エージング処理の実行時間及び高温エージング処理の実行時間の少なくとも一方、好ましくは両方よりも短いことが望ましい。
本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法は、20[℃]以下で低温エージング処理を行うので、樹脂基材を用いた電子デバイスにおいて、低温で成長するリーク箇所を成長させて破壊しやすくすることができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理の後に高温エージング処理を行うので、例えば低温で成長させたリーク箇所を高温で破壊し、短絡及びダークスポットを抑制した電子デバイスを製造することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理及び高温エージング処理を複数サイクル行うので、短絡及びDSをより好適に抑制した電子デバイスを製造することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、0[℃]以下で低温エージング処理を行うので、低温環境下での使用が想定される電子デバイスを製造する際に、リーク箇所を成長させて破壊しやすくすることができる。
また、電子デバイスの製造方法は、60[℃]以上で高温エージング処理を行うので、成長させたリーク箇所を好適に破壊し、短絡及びDSを抑制した電子デバイスを製造することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、−20[℃]以下で低温エージング処理を行い、100[℃]以上で高温エージング処理を行うので、リーク箇所を好適に成長させるとともに好適に破壊することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、−40[℃]以下で低温エージング処理を行い、100[℃]以上で高温エージング処理を行うので、リーク箇所をより好適に成長させるとともに好適に破壊することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、アノード電極及びカソード電極の間に0.5〜1.6[MV/cm]の大きさの逆バイアスの電界を印加するので、リーク箇所を好適に成長させることができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理及び高温エージング処理の電界の差が±0.5[MV/cm]以内であるので、温度変化に伴う駆動電圧の変化及びリーク電流値の温度特性変化に追従することができる。また、電子デバイスの製造方法は、低温では樹脂基材が収縮するので、金属パーティクルが存在する場合には、低温でリーク箇所の成長が大幅に加速し、低い電界でのエージング処理及びリーク箇所の破壊が可能となる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理及び高温エージング処理の逆バイアスの電界の大きさに関して、低温エージング処理の方が小さく、かつ大きさの差が0.2[MV/cm]〜0.4[MV/cm]であるので、低温エージング処理では小さい電界でリーク箇所を好適に成長させ、高温エージング処理では大きい電界でリーク箇所を好適に破壊することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理において順バイアス又は逆バイアスの電界が印加されるので、リーク箇所を好適に成長させることができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理が定電流駆動で行われるので、発光を伴うエージング処理において発光輝度を均一化することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、低温エージング処理と高温エージング処理との切替時間が各エージング処理の実行時間の少なくとも一方よりも短いので、例えば、逆バイアスの電界を印加する際に充電時間を十分に確保した上でエージング処理を行うことができるので、所望の効果を得るとともに切替時間を短くして全体の処理時間の長期化を防止することができる。
また、電子デバイスの製造方法は、樹脂基材の線膨張係数が5.0×10−6〜5.0×10−5[1/K]であるので、低温エージング処理において樹脂基材を収縮させ、リーク箇所を好適に成長させることができる。
また、電子デバイスの製造方法は、アノード電極が銀を含有して形成されるので、銀による金属パーティクルが発生した場合において、リーク箇所を好適に成長させることができる。
また、有機EL素子の製造方法は、有機EL素子を製造するに際して、リーク箇所を成長させて破壊しやすくすることができる。
<有機ELパネルの作製>
続いて、本発明の実施形態に係る有機ELパネルの製造方法の実施例について説明する。
≪樹脂基材の作製≫
樹脂基材として、30[cm]×7[cm]の可撓性(フレキシブル性)を有する基材を用意した。線膨張係数が15×10−6[1/K]であるPET(PolyEthylene Terephthalate resin)をベース基材とし、かかるベース基材を加工してバリア性を持たせることによって、可撓性及びバリア性を有する樹脂基材を作製した。詳細には、可撓性及びバリア性を有する樹脂基材を、特許文献4に記載の手法によって作成した。
≪樹脂基材のクリーニング≫
続いて、作製された樹脂基材をウェット洗浄法によってクリーニングした。詳細には、アルカリ洗剤を5%に希釈し、希釈された洗剤溶液を60[℃]に加熱し、加熱された洗剤溶液に樹脂基材を浸漬させ、樹脂基材に対してスクラブ洗浄を実施し、樹脂基材に付着した異物を除去した。続いて、樹脂基材に対してウルトラソニック洗浄、純粋リンス、窒素ブロー及びIR(InfraRed)乾燥を順次実施した。続いて、樹脂基材に対して、UV(UltraViolet)照射を実施し、樹脂基材に付着した有機物を除去した。続いて、オーブンを用いて樹脂基材を乾燥させた。前記したクリーニング処理及び乾燥処理によって、樹脂基材を準備した。
≪取出電極の形成≫
続いて、スパッタリング法によって、樹脂基材上に一対の取出電極を形成した。取出電極は、厚みが300[nm]のMo層である。なお、取出電極は、Moに限定されず、Al,Ag,Au,Ti,Mo,Nb,W、これらの合金又は積層体といった、低い抵抗値を有する無機金属材料によって形成されてもよい。また、取出電極は、ITO,IZO,IWZO,AZO,BZO,SnO等といった酸化物導電性材料又はこれらの積層体によって形成されてもよい。また、取出電極の形成手法は、スパッタリング法に限定されず、蒸着法等であってもよい。取出電極の材料及び/又は形状は、後記する発光層までの電気抵抗が100[Ω]以下となるように設定されることが好ましい。
続いて、樹脂基材上に形成された取出電極に対して、レジスト成膜及びエッチング処理を実施することによって、当該取出電極を所望の形状にパターニングした。取出電極のパターニング手法としては、フォトリソグラフィ―法、マスクパターニング法、レーザーアブレーション法等が好適に利用可能である。
≪下地層の作製≫
続いて、樹脂基材上に、真空マスク蒸着法によって、下地層を形成した。下地層は、アノード電極の下地となる層であり、アノード電極の金属原子(例えば、Ag)を安定化させるためのものである。アノード電極がAg膜である場合には、下地層の材料としては、窒素原子を含む有機化合物、Pd、Mo,Zn,Ge,Nb,In,これらの金属と他の金属との合金、これらの金属の酸化物又は硫化物(例えば、ZnS)等が挙げられる。下地層は、これらの1種を含んでもよく、2種以上を含んでもよい。特に、下地層は、Pd又はMoを含むことが望ましい。
窒素原子を含む有機化合物は、分子内に窒素原子を含む化合物であればよく、窒素原子をヘテロ原子とした複素環を有する化合物であることが望ましい。窒素原子をヘテロ原子とした複素環を有する化合物としては、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾリジン、アゾール、アジナン、ピリジン、アゼパン、アゼピン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン、ピラジン、モルホリン、チアジン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、カルバゾール、ベンゾ−C−シンノリン、ポルフィリン、クロリン、コリン等が挙げられる。
下地層における窒素原子を含む有機化合物又は金属の量は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。下地層に窒素原子を含む有機化合物又は前記金属が20質量%以上含まれる場合には、下地層と導電層との親和性が高まり、下地層とアノード層との密着性が向上する。また、Pd,Mo,Zn,Ge,Nb又はInと合金を形成する金属としては、特に制限はなく、例えばPd以外のPt族、Au,Co,Ni,Ti,Al,Cr等が好適に用いられる。
下地層は、蒸着法又はスパッタ法で形成された層であることが好ましい。蒸着法としては、真空蒸着法、電子線蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法等が挙げられる。蒸着時間は、下地層の所望の厚さ及び形成速度に応じて適宜選択される。
≪アノード電極の形成≫
続いて、樹脂基材上に形成された下地層上に、真空蒸着法によって、厚さが10[nm]のAg膜を形成することよって、アノード電極を形成した。また、アノード電極の一端部を、取出電極の一方に接続するようにパターニングした。
≪有機発光層の形成≫
続いて、アノード電極が形成された樹脂基材上に、真空蒸着法によって有機発光層を形成した。有機発光層がいわゆるシングル素子である場合には、有機層として、正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)/正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)/発光層(EML:EMitter Layer)/電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)/電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が順に積層される。一方、有機発光層がいわゆるタンデム素子である場合には、有機層として、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/中間コネクタ/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層が順に積層される。
≪カソード電極の形成≫
続いて、アノード電極及び有機発光層が形成された樹脂基材上に、真空蒸着法によって、厚さが200[nm]のAl膜を形成することによって、カソード電極を形成した。なお、カソード電極は、Alに限定されず、Ti,Ni,Cr,Ag等といった金属材料、ITO,IZO,IWZO,AZO,BZO,SnO等といった酸化物導電性材料、これらの合金又は積層体によって形成されてもよい。また、カソード電極の一端部を、取出電極の他方に接続するようにパターニングした。
≪封止層の形成≫
取出電極、アノード電極、有機発光層及びカソード電極が形成された樹脂基材上に、SiN膜及びアルペット(登録商標。アルミ箔とポリエステルフィルムとを貼り合わせた複合材料であり、以下、ALPETと記載する)を含む封止層を作製した。まず、アノード電極、有機発光層及びカソード電極が形成された樹脂基材上に、CVD法によって、厚さが500[nm]のSiN膜を形成した。SiN膜は、薄いAg膜であるアノード電極及び当該アノード電極と取出電極との薄い接続部を物理的ダメージ(キズ等)から保護するためのものである。続いて、SiN膜上に、熱硬化性接着剤を用いてALPETを貼り付けた。ALPETは、SiN膜への水分アタックを防止するためのものである。
このように、樹脂基材上に、取出電極、アノード電極、有機発光層、カソード電極及び封止層を形成することによって、電子デバイスとしての有機ELパネルを作製した。
<強制不良例>
本発明の効果を調査するために、前記した有機ELバネルの作製途中で、金属パーティクルによる強制的な汚染を実施した。まず、有機溶剤に直径が100[nm]〜1[μm]程度の金属パーティクルを溶かしたものを用意した。続いて、洗浄された樹脂基材に、スピン塗布法によって、金属パーティクルを含有する有機溶剤を塗布して乾燥させることによって、樹脂基材の表面を金属パーティクルで強制的に汚染した。続いて、前記した有機ELパネルの作製手法によって取出電極、アノード電極、有機発光層、カソード電極及び封止層を形成することによって、電子デバイスとしての有機ELパネル(シングル素子を有するものとタンデム素子を有するものの両方)を作製した。シングル素子を有する有機ELパネルのリーク値はさまざまであり、大きい方では300[μA/パネル]を超えており、小さい方では1[μA/パネル]であった。
かかるシングル素子を有する有機ELパネルに60[℃]の通電試験を行い、短絡発生の有無を確認した結果、n=8/20で短絡が発生していることが分かった。
同様に、タンデム素子を有する有機ELパネルに60[℃]の通電試験を行い、短絡発生の有無を確認した結果、n=15/20で短絡が発生していることが分かった。
<実施例1>
室温環境下、0.8[MV/cm]の電界強度を印加した際に初期リーク値が1〜300[μA/パネル]となる、シングル素子を有する有機ELパネルをn=20用意した。続いて、用意された有機ELパネルを恒温槽に入れ、−20[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を1時間印加した(低温エージング処理)。n=6の有機ELパネルにおいて、リーク値が1[mA/パネル]以上へと上昇した。なお、各実施例における低温エージング処理及び高温エージング処理は、空気雰囲気下で行われた。
続いて、60[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を1時間印加した。n=6の有機ELパネルにおいて、リーク値が1[mA/パネル]以上から0.5[μA/パネル]へと低減した(高温エージング処理)。本例では、低温エージング処理と同一の恒温槽を用いて高温エージング処理を実施したが、異なる恒温槽を用いることも可能である。
前記エージング処理(低温エージング処理→高温エージング処理)を実施した有機ELパネルと、エージング処理を実施していない有機ELパネルとを、それぞれ60[℃]の通電試験へ投入することによって、短絡発生の有無を確認した。確認の結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
続いて、前記エージング処理を実施した有機ELパネルを、温度85[℃]湿度85[%]の高温高湿槽に入れ、ダークスポット(DS:Dark Spot)の発生の有無及び成長の大きさを確認した。確認の結果、300時間経過した有機ELパネルにおいて、直径200[μm]に成長したDSが存在していた。かかるDSの断面を分析した結果、アノード電極が広く破損し、その影響によって樹脂基材であるPETに亀裂が生じていることが分かった。すなわち、樹脂基材に生じた亀裂から水分が浸入しやすくなっていることによって、DSが成長していた。なお、直径200[μm]程度のDSは、5年程度の使用を前提とした通常の民生の照明用途では問題ないレベルである。すなわち、本発明の有機ELパネルの製造方法は、直径200[μm]程度のDSが許容される品質スペックを有する製品に対しては、短絡を発生させず、かつ、機能不良を生じないため、有効であることが分かった。
同様に製造されたn=5のシングル素子を有する有機ELパネルに対して、室温、−20[℃]、−40[℃]におけるリーク値を確認した。確認の結果、リーク値は、低温になるほど上昇し、かつ、温度低下を開始した直後から上昇を始めていることが分かった。また、リーク値は、低温から室温へ戻すと減少するという可逆傾向を示すことが分かった。
リーク値の確認に用いた有機ELパネルの断面を分析した結果、アノード電極の下に存在した直径1[μm]程度の金属パーティクルがアノード電極を突き破っていた。そのため、低温では、樹脂基材の熱収縮によってアノード電極とカソード電極とが接続してしまい、リークが発生していた。なお、低温から温度を上昇させると、樹脂基材が熱膨張方向へシフトするため、リーク値は減少した。したがって、故障モード(強制不良)の有機ELパネルに関しては、使用想定環境温度以下でエージング処理を実施することが必要であることが分かった。特に、車載用途の有機ELパネルに関しては、極低温から高温までの広い温度環境での使用が想定されるため、使用が想定される温度環境よりも低温(及び高温)でエージング処理を実施する必要があることが明白になった。
同様に、室温環境下、0.8[MV/cm]の電界強度を印加した際に初期リーク値が1〜300[μm/パネル]となる、タンデム素子を有する有機ELパネルをn=20用意した。続いて、当該有機ELパネルに対して、−20[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を1時間印加する低温エージング処理→60[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を1時間印加する高温エージング処理を実施し、その後60[℃]の通電試験へ投入することによって、リーク値を確認した。その結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。また、DSの発生の有無を確認した結果、直径300[μm]のDSが発生していた。
<実施例2>
次に、シングル素子を有する有機ELパネルに対して、実施例1のエージング処理を、時間及びサイクル数を変えて実施した。すなわち、−20[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を15分印加する低温エージング処理→60[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を15分印加する高温エージング処理を4サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、全ての有機ELパネルにおいて、リーク値は、0.1[μA/パネル]以下になり、サイクル数の増加によってリーク値が減少することが分かった。
また、前記エージング処理(低温エージング処理→高温エージング処理×4サイクル)を実施した有機ELパネルを60[℃]の通電試験へ投入することによって、短絡発生の有無を確認した。確認の結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
同様に、タンデム素子を有する有機ELパネルに対して、−20[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を15分印加する低温エージング処理→60[℃]で1[MV/cm]の逆バイアス電界を15分印加する高温エージング処理を4サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。また、DSの発生の有無を確認した結果、直径200[μm]のDSが発生していた。
<実施例3>
前記したように、実施例1として、タンデム素子を有する有機ELパネルに対して、低温及び高温のエージング処理を実施した。DSの発生の有無を確認した結果、低温エージング処理において、電界印加に伴う破損によって、DSが発生していた。
タンデム素子の膜厚は一般的に300〜400[nm]であるため、アノード電極上に金属パーティクルが存在していても、電界印加によって高いジュール熱が発生せず、リーク値が減少しない場合がある。このような場合には、異物の直上及び直下に印加される電界により破壊が顕著となり、アノード電極の溶解及び有機物の蒸発が行われないため、有機発光層の破損状態が顕著となることが分かった。また、有機発光層の破損エネルギーによって樹脂基材が自身の気化温度を超えてしまい、樹脂基材にボイドが発生し、樹脂基材のバリア性が失われることが分かった。
ここで、本発明者は、タンデム素子を有する有機ELパネルのように、低温エージング処理時にリーク部で電界印加による破損が発生する場合には、低温エージング処理時に、低強度の電圧印加を行うことによってリークを成長させ、高いジュール熱が発生する状態を作り出すことが必要であることを発見した。一般的に、ガラス製等の基材を用いた有機ELパネルにおいて、高温エージング処理を実施することによってリークを成長させることが知られている。しかし、本発明のように樹脂基材を用いた有機ELパネルにおいては、高温エージング処理を実施した場合には、樹脂基材の線膨張によってリークが発生しないことが多く、リークを成長させることはできなかった。そのため、タンデム素子等のように厚い(例えば、厚さが300[nm]以上の)有機発光層を有する有機ELパネルに対しては、低強度での低温エージング処理を実施することが好ましいことが分かった。
そこで、実施例3として、厚さが300[nm]の有機発光層を有する有機ELパネルに対して、−20[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加する低温エージング処理→60[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加する高温エージング処理を2サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、リーク値は、1サイクル目の低温エージング処理で1[mA/パネル]に上昇し、2サイクル後には0.05[μA/パネル]に減少した。
また、前記エージング処理を実施した有機ELパネルを60[℃]の通電試験へ投入することによって、短絡発生の有無を確認した。確認の結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
同様に、シングル素子を有する有機ELパネルに対して、−20[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加する低温エージング処理→60[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加する高温エージング処理を2サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
また、DSの発生の有無を確認した結果、DSは発生していなかった。
<実施例4>
次に、タンデム素子を有する有機ELパネルに対して、実施例1のエージング処理を実施した。低温エージング処理では、−20[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加した。高温エージング処理では、60[℃]で順方向電圧が7[V]印加されるように順方向電流を30分印加した。この際の有機ELパネルの輝度は、約2000[cd/m]であった。実施例4では、かかる低温エージング処理→高温エージング処理を2サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
実施例4では、低温エージング処理によってリークを成長させ、その後の高温エージング処理によって発光電圧を用いてリーク箇所を破損させている。また、高温エージング処理によってリーク箇所を局所的に破損させているので、視認可能な外観上の破損の発生を抑えることができた。
同様に、シングル素子を有する有機ELパネルに対して、−20[℃]で0.5[MV/cm]の逆バイアス電界を30分印加する低温エージング処理→60[℃]で順方向電圧が7[V]印加されるように順方向電流を30分印加する高温エージング処理を2サイクル実施し、リーク値を確認した。その結果、前記エージング処理を実施した有機ELパネルでは、短絡は発生していなかった。
また、DSの発生の有無を確認した結果、DSは発生していなかった。
比較例に係る有機ELパネル及び各実施例に係る有機ELパネルの評価結果を表1に示す。比較例に係る有機ELパネルは、各実施例に係る有機ELパネルから、低温エージング処理及び高温エージング処理を省略したものである。なお、有機発光層の膜厚は、シングル素子の場合に120[nm]であり、タンデム素子の場合に300[nm]である。短絡の有無を確認するための通電試験は、60[℃]で1000時間実施した。
短絡有無の評価結果は、
○:短絡有りが0パネル
×:短絡有りが1パネル
であって、〇が合格であり、×が不合格である。
表示外観の評価結果は、
〇:DS無し
△:直径300[μm]以下のDS有り
×:直径300[μm]を超えるDS有り
であって、〇及び△が合格であり、×が不合格である。
輝度劣化は、{エージング処理後の輝度}/{エージング処理前の輝度}であり、
○:90[%]以上
×:90[%]未満
であって、〇が合格であり、×が不合格である。
発光電圧劣化は、{エージング処理前の発光電圧}−{エージング処理後の発光電圧}であり、
○:0.3[V]以下
△:0.3[V]よりも大きく、0.5[V]以下
×:0.5[V]よりも大きい
であって、〇及び△が合格であり、×が不合格である。
総合判定は、
○:短絡の有無、表示外観、輝度劣化及び発光電圧の劣化の全てが○
△:短絡の有無、表示外観、輝度劣化及び発光電圧の劣化の全てが△又は○で、少なくとも一つの△を含む
×:短絡の有無、表示外観、輝度劣化及び発光電圧の劣化の少なくとも一つが×
であって、○及び△が合格であり、×が不合格である。
Figure 2018190567
表1に示すように、本発明の実施形態に係る製造方法によって製造された有機ELパネル(有機EL素子、電子デバイス)は、高信頼性を有することが明白である。
1 有機ELパネル(有機EL素子、電子デバイス)
10 樹脂基材
20 アノード電極(第一電極)
20X 金属パーティクル
30 有機発光層(機能性有機層)
40 カソード電極(第二電極)

Claims (16)

  1. 樹脂基材上に第一電極を形成するステップと、
    前記第一電極上に機能性有機層及び第二電極を形成するステップと、
    20℃以下の温度で第一エージング処理を行うステップと、
    を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  2. 前記第一エージング処理を行うステップの後に、前記第一エージング処理よりも高い温度で第二エージング処理を行うステップを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 前記第一エージング処理を行うステップと前記第二エージング処理を行うステップとのサイクルを複数回実行する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記第一エージング処理の温度は、0[℃]以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記第二エージング処理の温度は、60[℃]以上である
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記第一エージング処理の温度は、−20[℃]以下であり、
    前記第二エージング処理の温度は、100[℃]以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記第一エージング処理の温度は、−40[℃]以下であり、
    前記第二エージング処理の温度は、100[℃]以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. 前記第一エージング処理を行うステップにおいて、前記第一電極及び前記第二電極の間に0.5〜1.6[MV/cm]の大きさの逆バイアスの電界を印加する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 前記第一エージング処理を行うステップにおいて前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される電界と前記第二エージング処理において前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される電界との差が、±0.5[MV/cm]以内である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 前記第一エージング処理を行うステップにおいて前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される逆バイアスの電界の大きさが、前記第二エージング処理において前記第一電極及び前記第二電極の間に印加される逆バイアスの電界の大きさよりも小さく、電界の大きさの差が、0.2[MV/cm]〜0.4[MV/cm]である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  11. 前記第一エージング処理において、前記第一電極及び前記第二電極の間に逆バイアス又は順バイアスの電界が印加される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  12. 前記第一エージング処理は、定電流駆動で行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイスの製造方法。
  13. 前記第一エージング処理と前記第二エージング処理との切替時間が、前記第一エージング処理の実行時間及び前記第二エージング処理の実行時間の少なくとも一方よりも短い
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  14. 前記樹脂基材の線膨張係数は、5.0×10−6〜5.0×10−5[1/K]である
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  15. 前記第一電極は、銀を含有して形成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法によって、有機EL素子を製造する
    ことを特徴とする有機EL素子の製造方法。
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