JP2018189871A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一つ目は、定着ローラー及び加圧ローラーの硬度を同一とし、ニップ部の形状が平坦となるようなフラットニップ形状を有する定着装置が挙げられる。しかしながら、フラットニップ形状とすると厚紙や封筒等、高剛度の用紙の分離性には問題はないが、普通紙等の剛度の低い用紙の分離性が確保されず、ニップ部通過後の用紙が定着ベルトから剥離されないことで起こる用紙詰まり等が発生する。したがって、このような定着装置は封筒専用となってしまう。
一方で、分離性の高い封筒の通紙時には、ニップ部をフラットニップ形状とすることでシワや画像ズレを抑制する。この時、荷重を下げる前の分離パッドとニップ部出口の位置関係を揃えるため、分離パッドをニップ部出口に近付ける制御を行っている。
無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、
前記定着ベルトの内側に配置される第1加圧部材と、
前記加熱部材により加熱された前記定着ベルトを介して、前記第1加圧部材に用紙を圧接させ、用紙に形成されたトナー画像を定着させる第2加圧部材と、
前記定着ベルトの内側かつ前記第1加圧部材と前記第2加圧部材との間に形成されるニップ部の用紙搬送方向に対して下流側に配置される曲率付与部材と、
前記曲率付与部材を、前記定着ベルトの前記ニップ部下流側の領域を前記第2加圧部材側に押圧して屈曲させる第1の位置と、前記定着ベルトを屈曲させない第2の位置と、に移動可能にする移動機構と、
前記曲率付与部材の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
封筒状の用紙を通紙する場合に、前記移動機構により前記曲率付与部材を前記第2の位置に移動させる
ことを特徴とする。
前記移動機構は、前記定着ベルトの張力を変更する張力変更部材を備え、
前記制御部は、前記張力変更部材によって前記定着ベルトの張力を変更させることにより、前記曲率付与部材を移動させる
ことを特徴とする。
前記移動機構は、前記定着ベルトの内側に配置され、前記定着ベルトを張架する張架部材を備え、
前記張力変更部材は、前記張架部材を移動させることにより、前記定着ベルトの張力を変更する
ことを特徴とする。
前記制御部は、前記張力変更部材によって前記定着ベルトの張力を上昇させることにより、前記曲率付与部材を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させることを特徴とする。
前記ニップ部は、略平坦であることを特徴とする。
前記第1加圧部材と前記第2加圧部材の硬度が略同一であることを特徴とする。
前記曲率付与部材は、前記定着ベルトの幅方向の全域に亘って設けられた、単一の剛体からなる分離パッドであることを特徴とする。
用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記用紙を加熱圧接して、前記トナー画像を前記用紙に定着させる請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置と、を備える
ことを特徴とする。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
C、M、Y及びKに対応する4つの感光体ドラム172上に各々C、M、Y及びKのトナーで形成された画像(単色画像)は、各感光体ドラム172から転写体174上に順次重ねられて転写される。これにより、転写体174上にC、M、Y及びKを色成分とするカラー画像が形成される。転写体174は、複数の転写体搬送ローラーに巻き回された無端ベルトであり、各転写体搬送ローラーの回転に従って回転する。
2次転写ローラー175は、転写体174上のカラー画像を、給紙トレイ22又は外部に設けられる給紙装置から給紙された用紙上に転写する。詳しくは、一対の2次転写ローラー175が圧接して形成された転写ニップ部において用紙及び転写体174を挟持し、2次転写ローラー175に所定の転写電圧が印加されることにより、転写体174上においてカラー画像を形成しているトナーが用紙側に引き寄せられて用紙に転写される。
図3は、画像定着部18の構成を示す模式図である。画像定着部18は、定着ローラー181(第1加圧部材)、加熱ローラー182(張架部材)、定着ローラー181及び加熱ローラー182に張架された定着ベルト183、定着ベルト183を介して定着ローラー181に圧着される加圧ローラー184(第2加圧部材)、加熱ローラー182の内部に配置され、回転軸方向に延在するハロゲンランプヒーター182a(加熱部材)、定着ベルト183の内側に配置された分離パッド191(曲率付与部材)、分離パッド191の軸方向端部を支持する長穴192、分離パッド191を長穴192に沿って移動させる移動機構193を備える。画像定着部18及び制御部10により定着装置が構成される。
なお、ここでは図3の紙面に対して左右方向をX方向、紙面に対して上下方向をY方向とする。
定着ベルト183は、例えば耐熱性のポリイミドからなるフィルム基材の外周面に、シリコーンゴムからなる弾性層と、フッ素系樹脂からなる表面離型層が順に積層した構成を有する。フッ素系樹脂は、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン),FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)の何れかを含有、又は好ましくは何れかを主として構成される。これにより、トナー樹脂やトナー粒子に含まれるワックスに対する定着ベルト183の表面離型性が向上し、定着時の定着ベルト183へのトナーの付着を防ぐことができる。
なお、加熱ローラー182を用いず、電磁誘導加熱(IH:Induction Heating)により定着ベルト183を加熱する構成としてもよい。この場合、定着ベルト183の基体は、Ni等の電磁誘導発熱可能な材料で構成されるものとする。
また、加熱ローラー182は、定着ローラー181とともに定着ベルト183を張架し、定着ベルト183に張力を付与する張架部材として機能する。加熱ローラー182の支軸はY方向に移動可能に設けられており、その移動は、後述するように移動機構193によって制御される。
定着ローラー181は、鉄等からなる円柱状の芯金の外周面に、シリコーンゴム等からなる弾性層が形成された構成を有する。さらに、弾性層の外周面に、前述のようなフッ素系樹脂から成る表面離型層を形成することも可能である。
また、カム193cの回転により、図3(B)に示すように、支持板193bと当該支持板193bに当接するカム193cとの接点と、カム193cの軸との距離が最大になると、支持板193bが上方に移動し、支持板193bによって支持された軸182bがこれに伴って上方に移動することにより、加熱ローラー182が上昇し、定着ベルト183の張力が増加する。
なお、駆動部193dはソレノイドやモーター等からなり、制御部10の制御下でカム193cを回転駆動する。
次に、本実施形態に係る分離パッド191の動作について説明する。
したがって封筒通紙時には、図3(B)に示すように、定着ベルト183を押圧しない位置に分離パッド191を移動させる。なお、封筒は普通紙に比べて剛度が高く、分離性が高いことから、上記のように曲率を付与しなくても十分な分離性が確保される。
以下、ニップ部NPの形状と定着分離性との関係を検証した実験について説明する。
(1)用紙のズレ量の評価
ニップ部NPの形状を振りながら、厚紙を2枚重ねて通紙し、用紙搬送方向における2枚の用紙のズレ量を測定した。評価結果は、ズレ量が1.0[mm]以下であると良好であるとした。なお、厚紙の厚みは300μm、サイズはA3である。
(2)画像ズレ及びシワの評価
(1)と同様のニップ部NPに封筒を通紙し、画像ズレ及びシワを確認した。
本実施形態の効果を最大限に発揮可能なニップ部NPの形状は、用紙搬送方向に完全に平坦な形状を有するフラットニップ形状である。フラットニップ形状は、定着ローラー181及び加圧ローラー184の硬度及び厚みが同一である場合に実現する。
したがって、以下のような定着装置によってフラットニップ形状を形成し、定着分離性を検証する。
1.定着ローラー181
外径φ60mm、芯金径φ40mmであり、厚さ10mmの弾性層を有する定着ローラー181を用いた。弾性層は、ASKER C 硬度で30°のシリコーンゴムからなる。定着ローラー181は、加圧ローラー184との間にニップ部を形成しながら、加圧ローラー184の回転に伴って従動回転する。
2.定着ベルト183
外径φ99mmの定着ベルト183を用いた。厚さ70μmのポリイミドを基体とし、厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性層及びPFAからなる表層を有する。
3.加圧ローラー184
外径φ60mm、芯金径φ40mmであり、厚さ10mmの弾性層を有する加圧ローラー184を用いた。弾性層は、ASKER C 硬度で30°のシリコーンゴムからなり、その表面にPFAコートからなる表層を有する。制御部10による制御下でモーター等の回転駆動手段により駆動されて回転する。
4.定着荷重
ニップ部NPにかかる定着荷重を1000Nとした。
5.ベルトテンション
定着ローラー181を挟んで、定着ベルト183の用紙搬送方向上流側及び下流側それぞれの面における張力を20Nとし、合計40Nをベルトテンションとした。
フラットニップ形状に近く、若干の曲率を有する略フラットニップ形状を有する定着装置において、定着分離性を検証する。
ニップ部NPの形状の算出方法を説明する。ニップ部NPの形状は、定着ローラー181及び加圧ローラー184の硬度及び厚みを変えることで、変更する。
定着ローラー181の曲率半径をRとすると、R=∞でニップ部NPはフラットニップ形状となる。ニップ部NPの中心角度:θ、ニップ幅:lとすると、lは下記の式(1)によって求められる。
l=Rθ ・・・(1)
l2−l1=R2θ―R1θ
=(R2−R1)θ
=Tθ ・・・(2)
Δl=(l2−l1)/l ・・・(3)
ΔL=Δl*L
=(l2−l1)/l*L
=Tθ/l*L
=T/R*L・・・(4)
ΔL=0.3/R*420
=126/R
定着ローラー及び加圧ローラーを異ならせることにより、ニップ部の形状を振りながら、上記の評価を行った。
本実験の結果を、表1に示す。なお、曲率半径Rは、各ローラー構成時のニップ形状をシミュレーション解析し、その時の曲率半径Rを算出したものである。
表Iに示すように、用紙の後端のズレ量は、R≧120において1[mm]以下となった。上記したように、計算上は曲率半径RがR≧126であることが望ましいが、実験上においてもこれに近い値で用紙の後端のズレ量が適正値となることがわかる。
(2)画像ズレ及びシワの評価
封筒を通紙した際に生じるシワや画像ズレも、R≧120において抑制されることが明らかとなった。
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、上記の実施形態は本発明の好適な例であり、これに限定されない。
例えば、長穴192を図5に示すようにX方向に長く伸びるように配置することで、封筒通紙時に、定着ベルト183のベルトテンションを下げることによっても、分離パッド191をニップ部NPから遠ざけることは可能である。
即ち、普通紙を通紙する際には、分離パッド191は図5(A)に示すようにX方向に移動してニップ部NPに最も近づく位置(用紙搬送方向に対して最上流の位置:第1の位置)に配置される。これに対し、封筒通紙時には、ベルトテンションを下げることで、図5(B)に示すように分離パッド191がX方向に移動してニップ部NPから離れた位置(用紙搬送方向に対して最下流の位置:第2の位置)へと移動するため、ニップ部NPの出口付近の曲率を下げることができる。
図6に、曲率付与部材の変形例を示す。図6(A)に示すように、曲率付与部材としてローラー又はコロ191aを用いることも可能である。ローラー又はコロ191aの軸方向の端部は、定着装置の筐体に形成された図示しない長穴に沿って移動可能に設けることができる。
また、図6(B)に示すように、曲率付与部材として2本のローラーに張架されたベルト191bを用いることも可能である。2本のローラーの軸方向の端部は、定着装置の筐体に形成された図示しない長穴に沿って移動可能に設けることができる。
図7(A)のような、第1加圧部材としての加圧パッド185及び加熱手段としてのハロゲンランプヒーター182aを用いた定着装置にも、本発明を適用可能である。この場合、定着ベルト183の内部に、定着ベルトを張架する加熱ローラー182を持たないため、Y方向に移動可能な張架部材186によって定着ベルト183を張架する。移動機構193は、上記実施形態と同様にバネ193a、支持板193b及び駆動部193dによって構成され、図に示すように張架部材186をY方向に移動させることにより、分離パッド191の配置を変更する。
また、図7(B)のように、定着ベルト183の内部に、定着ローラー181、加熱ローラー182の他に、定着ベルト183を張架するための張架ローラー187を設けた定着装置にも、本発明を適用可能である。この場合、上記実施形態と同様に、バネ193a、支持板193b、駆動部193dによって移動機構193を構成し、図に示すように加熱ローラー182を移動させることが可能である。あるいは、張架ローラー187をY方向に移動可能に設け、移動機構193によって張架ローラー187を移動させ、ベルトテンションを変更するものとしてもよい。
10 制御部
18 画像定着部
181 定着ローラー(第1加圧部材)
182 加熱ローラー(張架部材)
182a ハロゲンランプヒーター(加熱部材)
183 定着ベルト
184 加圧ローラー(第2加圧部材)
185 加圧パッド(第1加圧部材)
186 張架部材
187 張架ローラー(張架部材)
191 分離パッド(曲率付与部材)
192 長穴
193 移動機構
193a バネ(張力変更部材)
193b 支持板(張力変更部材)
193c カム(張力変更部材)
193d 駆動部(張力変更部材)
Claims (8)
- 無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを加熱する加熱部材と、
前記定着ベルトの内側に配置される第1加圧部材と、
前記加熱部材により加熱された前記定着ベルトを介して、前記第1加圧部材に用紙を圧接させ、用紙に形成されたトナー画像を定着させる第2加圧部材と、
前記定着ベルトの内側かつ前記第1加圧部材と前記第2加圧部材との間に形成されるニップ部の用紙搬送方向に対して下流側に配置される曲率付与部材と、
前記曲率付与部材を、前記定着ベルトの前記ニップ部下流側の領域を前記第2加圧部材側に押圧して屈曲させる第1の位置と、前記定着ベルトを屈曲させない第2の位置と、に移動可能にする移動機構と、
前記曲率付与部材の移動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
封筒状の用紙を通紙する場合に、前記移動機構により前記曲率付与部材を前記第2の位置に移動させる
ことを特徴とする定着装置。 - 前記移動機構は、前記定着ベルトの張力を変更する張力変更部材を備え、
前記制御部は、前記張力変更部材によって前記定着ベルトの張力を変更させることにより、前記曲率付与部材を移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記移動機構は、前記定着ベルトの内側に配置され、前記定着ベルトを張架する張架部材を備え、
前記張力変更部材は、前記張架部材を移動させることにより、前記定着ベルトの張力を変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。 - 前記制御部は、前記張力変更部材によって前記定着ベルトの張力を上昇させることにより、前記曲率付与部材を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させることを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
- 前記ニップ部は、略平坦であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記第1加圧部材と前記第2加圧部材の硬度が略同一であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記曲率付与部材は、前記定着ベルトの幅方向の全域に亘って設けられた、単一の剛体からなる分離パッドであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の定着装置。
- 用紙にトナー画像を形成する画像形成部と、
前記用紙を加熱圧接して、前記トナー画像を前記用紙に定着させる請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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JP2014074879A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-24 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
JP2015069041A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 株式会社リコー | 定着装置および画像形成装置 |
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- 2017-05-10 JP JP2017093502A patent/JP6932986B2/ja active Active
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