JP2018189754A - 転写材料、転写材料の製造方法、パターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法 - Google Patents

転写材料、転写材料の製造方法、パターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン直線性及びパターン形状に優れるパターンを形成でき、かつ、浸漬現像時密着性に優れる転写材料及び転写材料の製造方法、並びにパターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法を提供する。【解決手段】仮支持体と、仮支持体の上に配置された、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤を含有する第一の層と、第一の層の上に配置された、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂、及び紫外線吸収剤を含有する第二の層と、を有する転写材料、転写材料の製造方法、パターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法である。【選択図】なし

Description

本開示は、転写材料、転写材料の製造方法、パターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法に関する。
光重合性組成物は、特定の波長の光が照射されることにより重合硬化する組成物である。光重合性組成物には、一般的に、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物及び光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤は、例えば、光の照射により開裂してラジカルを生じ、このラジカルがエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の重合を促進させる。
光重合性組成物は、光を照射された部分が硬化することから、硬化させない部分をマスクすることにより所望のパターンを形成することができる。近年、半導体などの技術分野で、集積度を高める観点から、パターンを微細化することについての要請があるが、パターンの微細化に伴って、光の照射部分は、厳密に制御する必要がある。例えば、照射された光が基材から反射すると、望ましくない場所で光重合が生じ、不良なパターンが形成される。
光の反射に対しては、光重合性組成物の層と基材との間に反射防止層を設けることが行われている。例えば、基板上に、有機系反射防止膜を設け、その上にネガ型レジスト組成物の塗膜を設けてなる感光材料が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、第一の層及び第二の層を少なくとも有する多層系であって、第一の層が第二の層の溶剤中に実質的に不溶性の光酸発生剤を含む多層系も開示されている(例えば、特許文献2)。
また、反射防止膜を形成する際に、水溶性の反射防止組成物を用いる例が開示されている(例えば、特許文献3及び4)。
特開2001−056555号公報 特開2011−502276号公報 特開平9−236915号公報 特開昭60−122933号公報
しかしながら、特許文献1記載の有機系反射防止膜及びネガ型レジスト組成物の塗膜は、いずれも有機溶媒を含むことから、有機系反射防止膜上にネガ型レジスト組成物の塗膜を設けた場合に界面が混合してしまい、各膜の所望の効果が得られない。
特許文献2記載の発明では、反射防止膜をベークした後に、反射防止膜の上に上面フォトレジスト層の被膜を形成させていることから、反射防止膜とフォトレジスト層の被膜との間の密着性が不十分となる。
特許文献3及び4は、転写材料を開示しておらず、特許文献3及び4記載の発明を用いて形成されるパターンは、パターン直線性及びパターン形状が不十分である。
上記に鑑み、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、パターン直線性及びパターン形状に優れるパターンを形成でき、かつ、浸漬現像時密着性に優れる転写材料及び転写材料の製造方法を提供することにある。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、パターン直線性、パターン形状、及び浸漬現像時密着性に優れるパターンの形成方法を提供することにある。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、パターン直線性、及びパターン形状に優れる金属パターンの形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> ヘイズ値が0.3%以下である仮支持体と、仮支持体の上に配置された、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤を含有する第一の層と、第一の層の上に配置された、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂、及び紫外線吸収剤を含有する第二の層と、第二の層の上に配置された保護フィルムと、を有する、転写材料。
<2> 仮支持体が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、<1>に記載の転写材料。
<3> 保護フィルムにおいて、0.3mm以上のフィッシュアイの個数が、1000mあたり8個以下である、<1>又は<2>に記載の転写材料。
<4> 保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の転写材料。
<5> 第二の層が、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、及び光重合開始剤を更に含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の転写材料。
<6> 水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂が、酸基を有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の転写材料。
<7> 紫外線吸収剤が、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な紫外線吸収剤である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の転写材料。
<8> 紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の転写材料。
<9> ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物である、<8>に記載の転写材料。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
<10> 紫外線吸収剤の含有量が、第二の層の全固形分量に対し、5質量%以上80質量%未満である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の転写材料。
<11> 第一の層に含有される光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の転写材料。
<12> 仮支持体の厚みが、1μm以上25μm以下である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の転写材料。
<13> 第一の層の厚みが、1μm以上15μm以下である、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の転写材料。
<14> 第二の層の厚みが、0.05μm以上2μm以下である、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の転写材料。
<15> 仮支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、及びアルカリ可溶性樹脂をエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に溶解させた第一の組成物を、塗布し乾燥させて、第一の層を形成する工程、第一の層の上に、樹脂及び紫外線吸収剤を水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解させた第二の組成物を、塗布し乾燥させて、第二の層を形成する工程、及び、第二の層の上に、保護フィルムを貼り合わせる工程、を含む転写材料の製造方法。
<16> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程、仮支持体を剥離する工程、第一の層及び第二の層を現像する工程、を含む、パターンの形成方法。
<17> 露光する工程が、365nmの波長を含む波長域の光を照射する、<16>に記載のパターンの形成方法。
<18> 基板が、樹脂基板である、<16>又は<17>に記載のパターンの形成方法。
<19> <1>〜<14>のいずれか1つに記載の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を金属基板上に配置する工程、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程、仮支持体を剥離する工程、第一の層及び第二の層を現像する工程、金属基板をエッチングする工程、及び、第一の層及び第二の層を剥離する工程、を含む、金属パターンの形成方法。
本発明の一実施形態によれば、パターン直線性及びパターン形状に優れるパターンを形成でき、かつ、浸漬現像時密着性に優れる転写材料及び転写材料の製造方法を提供することができる。
本発明の他の実施形態によれば、パターン直線性、パターン形状、及び浸漬現像時密着性に優れるパターンの形成方法を提供することができる。
また、本発明の他の実施形態によれば、パターン直線性、及びパターン形状に優れる金属パターンの形成方法を提供することができる。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、高分子の構成単位の割合は、特に断りがない限り、モル比である。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念である。
<転写材料>
本開示の転写材料は、ヘイズ値が0.3%以下である仮支持体と、仮支持体の上に配置された、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤を含有する第一の層と、第一の層の上に配置された、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂、及び紫外線吸収剤を含有する第二の層と、第二の層の上に配置された保護フィルムと、を有する。
従来、反射防止膜は、フォトリソグラフィーにおいて広く用いられてきた。一般的に、反射防止膜には、有機溶剤系材料が用いられていたため、反射防止膜上に更に有機溶剤系材料のレジストを塗布する際には、反射防止膜が溶けだして界面が混合してしまい、所望の効果が得られない問題があった。この問題に対処するため、反射防止膜として酸架橋系硬化材料を用い、フォトレジストを塗布する前に、露光又は加熱処理をして酸架橋を形成させた後にフォトレジストを塗布することも行われていたが、反射防止膜を予め硬化させることに起因して、反射防止膜とフォトレジストとの密着性が不良となり、剥がれが生じやすくなっていた。
また、反射防止膜層に水溶性の反射防止組成物を用いることが知られていたが、形成されるパターンのパターン直線性及びパターン形状は不十分であった。
これに対し、本開示においては、有機溶剤系の第一の層の上に水系の第二の層を積層させることにより、第一の層と第二の層との間の界面が混合せず、各層の機能が好適に保持され、パターン直線性及びパターン形状に優れるパターンを形成できる転写材料が提供される。
また、第一の層と第二の層とを予め積層することにより、反射防止膜を予め硬化させた後にフォトレジストを塗布する工程が含まれないことから、浸漬現像時密着性が良好な転写材料が提供される。
(仮支持体)
仮支持体のヘイズ値は、0.3%以下であり、好ましくは0.15%以下である。ヘイズ値が上記範囲であることにより、仮支持体中に含まれるフィラー等による露光の際の好ましくない光散乱を低減させ、パターン直線性に優れるパターンを形成できる転写材料を提供することができる。
本開示のヘイズ値は、スガ試験機株式会社製ヘイズメーターHZ−2を用い、JIS(Japanese Industrial Standards) K 7136に準拠して、仮支持体の小片について測定される全光線ヘイズ(単位:%)である。
仮支持体の厚みは、1μm以上(好ましくは3μm以上)であり、かつ、25μm以下(好ましくは16μm以下)であることが好ましい。例えば、仮支持体の厚みは、3μm以上16μm以下であってよい。仮支持体の厚みが1μm以上であることにより、ハンドリング性が向上する。また、仮支持体の厚みが25μm以下であることにより、仮支持体中に含まれるフィラー等による露光の際の好ましくない光散乱を低減させ、パターン直線性に優れるパターンを形成できる転写材料を提供することができる。
仮支持体は、可撓性を有し、かつ、加圧下、又は、加圧及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムを用いることができ、樹脂フィルムが好ましい。このようなフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリ酢酸セルロース(TAC)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、及びポリカーボネートフィルムが挙げられ、なかでもポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
(第一の層)
本開示の転写材料は、仮支持体の上に配置された、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤を含有する第一の層を有する。
第一の層は、好ましくはレジスト層であり、より好ましくはネガ型レジスト層である。
第一の層の厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましく、1μm以上12μm以下であることがより好ましく、1μm以上10μm以下であることが更により好ましい。第一の層の厚みが1μm以上であることにより、ラミネート性に優れる転写材料を提供することができる。また、第一の層の厚みが15μm以下であることにより、光重合によって硬化膜が好適に形成される。
本開示において、「ラミネート性に優れる」とは、本開示の仮支持体、第一の層及び第二の層を基板にラミネートした際に泡及び浮きが存在していないことをいい、好ましくはラミネート面積の80%以上、より好ましくはラミネート面積の90%以上に泡及び浮きが存在しないことをいう。
−エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物−
本開示の転写材料における第一の層は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を含む。エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、第一の層の感光性(すなわち、光硬化性)及び硬化膜の強度に寄与する成分である。
好ましくは第一の層に含有されるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、溶剤、好ましくは有機溶剤に可溶な光重合開始剤である。
本開示において、「溶剤に可溶」とは、25℃において溶剤、好ましくはエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に、溶剤の全質量に対し、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解することをいう。
第一の層は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物として、単官能のエチレン性不飽和化合物、又は2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことができ、2官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
ここで、「単官能のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を1つ有する化合物を意味し、「2官能以上のエチレン性不飽和化合物」とは、一分子中にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
エチレン性不飽和基は、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。よって、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
第一の層は、2官能のエチレン性不飽和化合物(好ましくは、2官能の(メタ)アクリレート化合物)と、3官能以上のエチレン性不飽和化合物(好ましくは、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物)と、を含有することがより好ましい。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、公知の化合物の中から適宜選択できる。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2官能のエチレン性不飽和化合物としては、より具体的には、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A−DCP、新中村化学工業株式会社製)、トリシクロデカンジメナノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業株式会社製)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(A−NOD−N、新中村化学工業株式会社製)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD−N、新中村化学工業株式会社製)などが挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、特に制限はなく、公知の化合物の中から適宜選択できる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート骨格の(メタ)アクリレート化合物、などが挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念であり、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
好ましいエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート化合物のカプロラクトン変性化合物(日本化薬株式会社製KAYARAD(登録商標)DPCA−20、新中村化学工業株式会社製A−9300−1CLなど)、(メタ)アクリレート化合物のアルキレンオキサイド変性化合物(日本化薬株式会社製KAYARAD RP−1040、新中村化学工業株式会社製ATM−35E、A−9300、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL(登録商標)135など)、エトキシル化グリセリントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製A−GLY−9Eなど)、カルボン酸含有モノマー(東亞合成株式会社製アロニックス(登録商標)TO−2349)、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド(PO)変性トリアクリレート(東亞合成株式会社製アロニックスM−310)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学工業株式会社製AD−TMP)、ビスフェノールA変性ジメタクリレートNKエステル(新中村化学工業株式会社製BPE−500)、多官能アクリルアミドモノマー(N、N’−{[(2−アクリルアミド−2−[(3−アクリルアミドプロポキシ)メチル]プロパン−1,3−ジイル)ビス(オキシ)]ビス(プロパン−1,3−ジイル)}ジアクリルアミド;富士フイルム株式会社製FAM−401)などが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(好ましくは3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物)も挙げられる。
3官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、8UX−015A(大成ファインケミカル株式会社製)、UA−32P(新中村化学工業株式会社製)、UA−1100H(新中村化学工業株式会社製)などが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の重量平均分子量(Mw)は、200〜3000が好ましく、250〜2600がより好ましく、280〜2200が更に好ましく、300〜2200が特に好ましい。
また、第一の層に用いられるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物のうち、分子量300以下のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の含有量の割合は、第一の層に含有される全てのエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物に対し、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
第一の層におけるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の含有量は、第一の層の全質量に対し、1質量%〜70質量%が好ましく、5質量%〜50質量%がより好ましく、10質量%〜40質量%が更に好ましく、15質量%〜30質量%が特に好ましい。
また、第一の層が2官能のエチレン性不飽和化合物と3官能以上のエチレン性不飽和化合物とを含有する場合、2官能のエチレン性不飽和化合物の含有量は、第一の層に含まれる全てのエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物に対し、10質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜85質量%がより好ましく、30質量%〜80質量%が更に好ましい。
−アルカリ可溶性樹脂−
本開示の転写材料における第一の層は、アルカリ可溶性樹脂を含む。
「アルカリ可溶性樹脂」とは、アルカリ性溶媒に可溶な樹脂をいう。
本開示において、「アルカリ性」とは、pH7超pH14以下、好ましくはpH8以上pH14以下、より好ましくはpH9以上pH14以下、更により好ましくはpH10以上pH14以下であることをいう。
本開示において、「アルカリ性溶媒に可溶」とは、25℃においてアルカリ性溶媒に、アルカリ性溶媒の全質量に対し、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解することをいう。
好ましくは第一の層に含有されるアルカリ可溶性樹脂は、溶剤、好ましくはエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶なアルカリ可溶性樹脂である。
アルカリ可溶性樹脂は、例えば、カルボン酸基含有アクリルモノマーから得られるアクリル共重合体、セルロースエーテル、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基含有樹脂にマレイン酸無水物又はフタル酸無水物を反応させて得られる重合体などが挙げられる。
カルボン酸基含有アクリルモノマーから得られるアクリル共重合体としては、カルボン酸基含有モノマーとその他の共重合可能なモノマーとの共重合体が好ましい。
カルボン酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられ、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、クロトン酸エステル系化合物、ビニルエステル系化合物、マレイン酸ジエステル系化合物、フマル酸ジエステル系化合物、イタコン酸ジエステル系化合物、(メタ)アクリロニトリル系化合物、(メタ)アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物などが挙げられる。
具体的には、例えば以下の化合物が挙げられる。
アクリル酸エステル系化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アセトキシエチルアクリレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレートなどが挙げられる。
メタクリル酸エステル系化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アセトキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどが挙げられる。
クロトン酸エステル系化合物としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。ビニルエステル系化合物としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル系化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル系化合物としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル系化合物としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
アクリルアミド系化合物としては、例えば、アクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、フェニルアクリルアミド、ベンジルアクリルアミドなどが挙げられる。
メタクリルアミド系化合物としては、例えば、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、n−ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シクロヘキシルメタクリルアミド、2−メトキシエチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、フェニルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル系化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチル、アルファメチルスチレンなどが挙げられる。
この他、マレイミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等も使用できる。
なお、これらの化合物は1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
この様なカルボン酸基含有モノマーからのアクリル共重合体は、それぞれの単量体を公知の方法で常法に従って共重合させることで得られる。例えばこれらの単量体を適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させることで得られる。
また水性媒体中にこれらの単量体を分散させた状態でいわゆる乳化重合を行うことによって作製することもできる。重合に用いられる溶媒としては、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できるが、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンや、これらの混合物などが利用できる。
また重合開始剤としては2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)の様なアゾ系、ベンゾイルパーオキシドの様な過酸化物系、過硫酸塩などが利用できる。
アルカリ可溶性樹脂が、カルボン酸基含有モノマーからのアクリル共重合体である場合、アクリル共重合体中のカルボン酸基繰り返し単位の組成比は、共重合体の全繰り返し単位中の1質量%〜60質量%であるのが好ましく、5質量%〜50質量%であるのがより好ましく、10質量%〜40質量%であるのが特に好ましい。カルボン酸基含有繰り返し単位の組成比が上記範囲であると、アルカリ水溶液への現像性を充分とすることができ、かつ、剥離液耐性を充分に維持できるので好ましい。
また、アクリル共重合体の分子量は任意に調整が可能であるが、重量平均分子量として2000〜200000が好ましく、4000〜100000が特に好ましい。分子量が上記範囲であると、膜の強度を高く維持できかつ安定な製造が可能となるとともに、現像性が良好となるので好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸又は無水フタル酸などの環状無水物との付加反応物も利用できる。
アルカリ可溶性樹脂の好ましい例としては、例えば、メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体(共重合組成比(メチルメタクリレート/メタクリル酸):70質量%〜85質量%/30質量%〜15質量%、重量平均分子量:50000〜140000)、ベンジルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体(共重合組成比(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸):65質量%〜85質量%/35質量%〜15質量%、重量平均分子量:30000〜150000)、スチレンとマレイン酸共重合体(共重合組成比(スチレン/マレイン酸):50質量%〜70質量%/50質量%〜30質量%、重量平均分子量:10000〜200000)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとベンジルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体(共重合組成比(2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸):10質量%〜30質量%/40質量%〜60質量%/30質量%〜10質量%、重量平均分子量:10000〜200000)、又は下記化合物A(酸価95mgKOH/g。各構成単位の右下の数値はモル比である。)が挙げられる。
本開示の転写材料の第一の層において、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、第一の層の全質量に対し、1質量%〜60質量%であるのが好ましく、5質量%〜50質量%であるのがより好ましく、10質量%〜40質量%であるのが更により好ましく、10質量%〜20質量%であるのが特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂の含有量が上記範囲であると、アルカリ性溶媒への溶解性が良好となる。
−光重合開始剤−
本開示の転写材料における第一の層は、光重合開始剤を含有する。第一の層は、光重合開始剤を含むことにより、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の重合を促進させることができる。
好ましくは第一の層に含有される光重合開始剤は、溶剤、好ましくはエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶な光重合開始剤である。
第一の層に含有される光重合開始剤は、特に制限なく、公知の光重合開始剤を用いることができる。好ましくは、第一の層に含有される光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤(オキシムエステル構造を有する光重合開始剤)、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(α−アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤)、α−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤(α−ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤)、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤)などである。
第一の層に含有される光重合開始剤は、オキシム系光重合開始剤、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、及びα−ヒドロキシアルキルフェノン系重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、オキシム系光重合開始剤であることがより好ましい。
また、第一の層に含有される光重合開始剤としては、例えば、特開2011−95716号公報の段落0031〜0042、特開2015−014783号公報の段落0064〜0081に記載された重合開始剤を用いてもよい。
第一の層に含有される光重合開始剤の市販品としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](商品名:IRGACURE(登録商標) OXE−01、BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE−02、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(商品名:IRGCURE 379、BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE 379EG、BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 907、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 127、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE 369、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 1173、BASF社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:IRGACURE 184、BASF社製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:IRGACURE 651、BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 2959、BASF社製)、光重合開始剤(商品名:FAI−101L、富士フイルム株式会社製)、オキシムエステル系の(商品名:Lunar 6、DKSHジャパン株式会社製)などが挙げられる。
第一の層に含有される光重合開始剤は、1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
第一の層における光重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、第一の層の全質量に対し、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上3質量%以下がより好ましい。光重合開始剤の含有量が、上記範囲であることにより、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の重合を促進することができる。
−溶剤−
第一の層の塗布液は、溶剤を含有してもよい。第一の層の塗布液は、溶剤を含有することにより、第一の層と第二の層との密着性を向上させることができる。
溶剤は、1種であってよく、2種以上が混合された溶剤であってもよい。
第一の層の塗布液に含有される溶剤は、エステル系溶剤及びケトン系溶剤であることが好ましい。
エステル系溶剤としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテートなどが挙げられる。
また、ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどが挙げられる。
また、エステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤も好ましく、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテートとメチルエチルケトンとの混合溶剤が好ましい。
第一の層の塗布液における溶剤の含有率は、第一の層の全質量に対して、30質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、70質量%以上80質量%以下が更により好ましい。
−添加剤−
本開示の第一の層には、必要に応じて、以下に示す添加剤を添加することができる。好ましくは、第一の層に含有される添加剤は、溶剤(好ましくは、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤)に可溶な添加剤である。
−−増感剤−−
第一の層には、露光波長を吸収する化合物を増感剤として使用して、光重合開始剤の開始効率を向上させることができる。
増感剤としては、例えば、公知の増感色素、染料、又は顔料などが挙げられる。増感剤は、1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
増感色素としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4−トリアゾール)、スチルベン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、及びアミノアクリジン化合物が挙げられる。
染料又は顔料としては、例えばフクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS,パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学株式会社製、アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学株式会社製、アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)などが挙げられる。
染料としては、発色系染料を用いることができる。発色系染料とは、光照射によって発色する機能を有する化合物である。例えばロイコ染料及びフルオラン染料が挙げられる。これらのうちロイコ染料が好ましい。具体的には、例えばトリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]などが挙げられる。
ロイコ染料は、ハロゲン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。このハロゲン化合物としては、例えば臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルホン、四臭化炭素、トリス(2、3−ジブロモプロピル)ホスフェ−ト、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1、1、1−トリクロロ−2、2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、ハロゲン化トリアジン化合物などが挙げられる。ハロゲン化トリアジン化合物としては、例えば2、4、6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリアジン化合物等が有用である。
また、増感剤の別の例として、チオール化合物が好ましく挙げられる。チオール化合物は、光重合開始剤の光源に対する感度を一層向上させる、酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制するなどの作用を有する。
チオール化合物としては、例えば、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)などの多官能チオール化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、βメルカプトナフタレン、N-フェニル-メルカプトベンズイミダゾールなどの単官能チオール化合物が挙げられる。
増感剤は、市販品であってもよく、例えば多官能チオール(商品名:カレンズMT(登録商標)BD1 昭和電工製)が挙げられる。
また、増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシンなど)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテートなど)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアンなど)などが挙げられる。
増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、重合速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上などの観点から、第一の層の全質量に対し、0.01質量%〜5質量%の範囲が好ましく、0.05質量%〜1質量%の範囲がより好ましい。
−−密着性向上剤−−
本開示の第一の層には、密着性向上剤を含むことができる。密着性向上剤を含むことにより、第一の層と第二の層との間の密着性を向上させることができる。
密着性向上剤は、イソシアネート系化合物又はその前駆体であってよい。イソシアネート系化合物には、単官能イソシアネート化合物、及び多官能イソシアネート化合物が含まれる。ここで、「単官能イソシアネート化合物」とは、1分子中にイソシアネート基を1つだけ有するものをいい、「多官能イソシアネート化合物」とは、1分子中にイソシアネート基を2つ以上有するものをいう。
単官能イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族又は脂環式の単官能イソシアネートを挙げることができる。具体的には、例えば、エチルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、i−プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、3−i−プロペニルクミルイソシアネート、4−メトキシフェニルイソシアネート、m−トリルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、ジメチルベンジルイソシアネート、アディティブTI(住友バイエルウレタン社製)、カレンズMOI(昭和電工株式会社製)、カレンズAOI(昭和電工株式会社製)、カレンズBEI(昭和電工株式会社製)などが挙げられる。
単官能イソシアネート化合物は、光重合可能なエチレン性不飽和基を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。光重合可能なエチレン性不飽和基を少なくとも1つ有することで、第一の層と第二の層との密着性をより向上させることができる。
光重合可能なエチレン性不飽和基を有する単官能イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、カレンズMOI(昭和電工株式会社製)、カレンズAOI(昭和電工株式会社製)、カレンズBEI(昭和電工株式会社製)が挙げられる。
また、単官能イソシアネート化合物の前駆体は、単官能イソシアネート化合物のイソシアネート基がブロックされた化合物であることが好ましい。イソシアネート基がブロックされているとは、イソシアネート基が、例えば、熱で脱離する置換基と反応したイソシアネート基の前駆体状態となっており、イソシアネート基としての反応性が抑制された状態となっていることをいう。
イソシアネート基がブロックされている単官能イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メタクリル酸2−([1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(例えば、昭和電工株式会社製、カレンズMOI-BM(登録商標))、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート(例えば、昭和電工株式会社製、カレンズMOI-BP(登録商標))などが挙げられる。
また、イソシアネート基がブロックされている多官能イソシアネート化合物の具体例としては、デュラネートTPA−B80E(旭化成株式会社)などが挙げられる。
イソシアネート系化合物又はその前駆体の含有量は、第一の層の全質量に対し、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。イソシアネート系化合物又はその前駆体の含有量が上記範囲であることにより、第一の層と第二の層との密着性を効果的に向上させることができる。
また、第一の層には、密着性向上剤として、第一の層と第二の層との密着性を向上させるために、テトラゾール又はその誘導体、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどを含有させることができる。
テトラゾール又はその誘導体の例としては、1−フェニルテトラゾール、5−フェニルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、5−アミノ−1−メチルテトラゾール、5−アミノ−2−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−フェニルテトラゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾールなどが挙げられ、これらは1種であってよく、又は2種以上であってもよい。
テトラゾール又はその誘導体、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールの含有量は、第一の層の全質量に対し、0.01質量%〜1質量%であることが好ましく、0.05質量%〜0.5質量%であることがより好ましい。テトラゾール又はその誘導体、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールの含有量が上記範囲であることにより、第一の層と第二の層との密着性を効果的に向上させることができる。
−−界面活性剤−−
界面活性剤を含むことができる。界面活性剤を含むことにより、第一の層の厚みの均一性を高めることができる。
界面活性剤としては、例えばシリコーン系界面活性剤、又はフッ素系界面活性剤が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン株式会社製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、KF6001、KF6002、KF6003、X22−160AS(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン株式会社製)などが挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、何れも商品名で、例えば、フロリナートFC430、フロリナートFC431(以上、住友スリーエム株式会社製);メガファックF142D、メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF177、メガファックF780F、メガファックF781F、メガファックF479、メガファックF482、メガファックF551A、メガファックF553、メガファックF554、メガファックF486、メガファックF478、メガファックF480、メガファックF484、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF483、メガファックF489、メガファックF487、メガファックF444、メガファックF183、メガファックR30(以上、DIC株式会社製);エフトップEF301、エフトップEF303、エフトップEF351、エフトップEF352(以上、新秋田化成株式会社製);サーフロンS381、サーフロンS382、サーフロンSC101、サーフロンSC105(以上、旭硝子株式会社製);E5844(株式会社ダイキンファインケミカル研究所製);BM−1000、BM−1100(BM Chemie社製)などが挙げられる。
更に、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有するフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、何れも商品名で、例えば、メガファックR08、メガファックBL20、メガファックF475、メガファックF477、メガファックF443(以上、DIC株式会社製)などが挙げられる。
これらの他の界面活性剤は、1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
(第二の層)
本開示の転写材料は、第一の層の上に配置された、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂、及び紫外線吸収剤を含有する第二の層を有する。
第二の層は、好ましくは、反射防止層である。
第二の層の厚みは、0.05μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上1μm以下がより好ましい。第二の層の厚みが0.05μm以上であることにより、第二の層における反射防止効果が十分に発揮され、パターン直線性及びパターン形状に優れるパターンを形成できる転写材料を提供することができる。また、第二の層の厚みが2μm以下であることにより、アンダーカットの形成が抑止され、パターン形状に優れるパターンを形成できる転写材料を提供することができる。
第一の層は溶剤系であるのに対し、第二の層は水系であることから、好ましくは、第一の層と第二の層とは分画されている。第一の層と第二の層とが分画されていることにより、それぞれの層の機能は損なわれずに保持される。
−水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂−
本開示の第二の層は、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂を含む。
本開示において、「水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶」とは、25℃において水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤の全質量に対し、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解することをいう。
水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂は、水溶性又は低級アルコール可溶性な樹脂を骨格として含む。好ましくは、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂は、加熱により架橋反応を起こし得る官能基又は官能部位を有する樹脂である。このような骨格を含む樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど〕、セルロース系樹脂〔例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど、キチン系化合物、キトサン系化合物、デンプン系化合物、エーテル結合を有する樹脂〔例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)など〕、カルバモイル基を有する樹脂〔例えば、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジドなど〕などが挙げられる。
より具体的には、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂は、例えば、ポリビニルアセタール樹脂20%水溶液(積水化学工業株式会社製、エスレック(登録商標)KW−1:アセタール化度 9mol%、水酸基含有量90mol%)、ポリビニルアセタール樹脂10%水溶液(株式会社クラレ製、PVA205C:鹸化度88mol%、水酸基含有量88mol%、重合度550を10%水溶液となるように水に溶解したもの)、メタクリル酸ソーダ/メタクリル酸アリル共重合樹脂(組成比=40/60、分子量15000、固形分濃度5%)、メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合樹脂(組成比=40/60、分子量15000)、ポリアクリル酸ソーダ部分中和物(東亜合成株式会社製、ARONVIS(登録商標)AH−105X)、及び下記構造の化合物〔分子量(Mw)=10500、分散度(Mw/Mn)=1.76;特開2008−257188の合成例1に従って合成可能である。各構成単位の右下の数値はモル比である。〕などが挙げられる。
水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂は、酸基を有することが好ましい。水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂は、酸基を有することにより、未露光部の現像除去性に優れる。
酸基としては、特に制限なく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有する水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、なかでも、溶剤への溶解性、現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さなどの観点から、カルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。
また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
−−水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤−−
本開示において、「水系溶剤」には、純水、純水に低分子の酸又は塩基が溶解した溶液、及びアンモニア水(例えば、1%〜5%アンモニア水)が含まれる。
ここで、「低分子の酸又は塩基」には、例えば、酢酸、プロピオン酸、リン酸、モノメタノールアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、又はアンモニウム塩が含まれる。
低分子の酸又は塩基の濃度は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更により好ましい。
本開示において、「低級アルコール系溶剤」には、炭素数1〜3の一価アルコール、すなわち、メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノール(以下「低級アルコール」ともいう。)が含まれる。
水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤の混合比は、目的に応じて、適宜設定できる。水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合比(水系溶剤/低級アルコール系溶剤)は、例えば、1質量%〜99質量%/99質量%〜1質量%であってよく、好ましくは、10質量%〜90質量%/90質量%〜10質量%である。
−紫外線吸収剤−
本開示の第二の層は、基板からの反射を防止するために、露光光源(好ましくは365nmの波長を含む)の波長領域の光を吸収できる紫外線吸収剤を含む。
好ましくは、第二の層に含有される紫外線吸収剤は、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な紫外線吸収剤である。第二の層に含有される紫外線吸収剤は、カーボンブラックなどの水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に不溶な紫外線吸収剤であってもよい。
紫外線吸収剤は、1種単独であってよく、又は2種以上であってもよい。
紫外線吸収剤は、波長365nmの光に対して大きなモル吸光係数を有する紫外線吸収剤であることが好ましい。
モル吸光係数は、紫外線吸収剤をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて4×10−6(g/ml)の溶液に調製し、この溶液を株式会社島津製作所製のUV測定装置UV2550で測定して、[モル吸光係数]=[吸光度]/[溶液の質量濃度/吸光性化合物の分子量]の計算式により算出することができる。
紫外線吸収剤のモル吸光係数は、好ましくは5000〜100000(l/mol・cm)であり、より好ましくは10000〜80000(l/mol・cm)であり、更により好ましくは15000〜50000(l/mol・cm)である。モル吸光係数が上記範囲であることにより、露光光源からの光の反射の防止効果が十分に発揮され、望ましくない重合反応を防止することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、又はトリアジン系の紫外線吸収剤を使用することができる。
サリシレート系紫外線吸収剤の例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
炭素数1〜15の有機基は、好ましくは、炭素数1〜15のアルキル基である。
において、炭素数1〜15のアルキル基は、直鎖状、分岐状若しくは環状の置換又は無置換のアルキル基であってよい。炭素数1〜12のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、ドデシル基、シクロプロピル、1−エチルシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどであってよい。
のアルキル基が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基など)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基など)、ポリオキシエチレンカルボニル基、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基など)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基など)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基など)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシなど)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基など)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基など)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル基など)、アリール基(フェニル基、トルイル基など)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基など)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基など)、トリアルコキシシリル基(トリエトキシシリル基など)、シリルオキシ基などが挙げられる。
において、ハロゲン原子は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)であってよい。
は、0〜4の整数を表す。好ましくは、nは、0である。
において、炭素数1〜15のアルキル基は、直鎖状、分岐状若しくは環状の置換又は無置換のアルキル基であってよい。炭素数1〜12のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、ドデシル基、シクロプロピル、1−エチルシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどであってよい。好ましくは、Rは、置換又は無置換のブチル基である。
のアルキル基が置換基を有する場合、好ましい置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、Iなど)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基など)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基など)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基など)、ポリオキシエチレンカルボニル基、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基など)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基など)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基など)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシなど)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基など)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基など)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル基など)、アリール基(フェニル基、トルイル基など)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基など)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基など)、トリアルコキシシリル基(トリエトキシシリル基など)、シリルオキシ基などが挙げられる。
は、0〜4の整数を表す。好ましくは、nは、1又は2である。
好ましいベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ-2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
置換アクリロニトリル系紫外線吸収剤の例としては、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤の例としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのモノ(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物;2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−プロピルオキシフェニル)−6−(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのビス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物;2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)トリアジン化合物などが挙げられる。
また、市販の化合物で、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、株式会社ADEKA製アデカスタブ(登録商標)LA−24、LA−29、LA−31、LA−31RG、LA−31G、LA−32、LA−36、LA−36G、トリアジン系紫外線吸収剤として、株式会社ADEKA製LA−46、LA−F70、ベンゾフェノン系紫外線吸収材として、株式会社ADEKA製1413を用いても良い。
更に、波長365nmの光に対して大きなモル吸光係数をもつ紫外線吸収剤として、例えば、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、2−(4−ジブチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ウスニックアシッド、フェニルフルオロン、ロゾリックアシッド、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸、メチルレッド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)、3,4−ジアミノベンゾフェノン、クルクミン、及びα−シアノ−4−ヒドロキシシンナミックアシッド、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどを挙げることができる。
好ましい紫外線吸収剤としては、例えば、TINUVIN(登録商標)P、TINUVIN109、TINUVIN171、TINUVIN234、TINUVIN326、TINUVIN326FL、TINUVIN327、TINUVIN328、TINUVIN329、TINUVIN329FL、TINUVIN384、TINUVIN400、TINUVIN405、TINUVIN479、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130(BASF社製)を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤は、可視領域の波長も吸収できる化合物であってよく、市販の色素を用いてもよい。例えば、フタロシアニン系化合物や、黒色顔料を添加することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、第二の層の全固形分量に対し、5質量%以上80質量%未満であることが好ましい。紫外線吸収剤の含有量が、上記範囲であることにより、露光光源からの光の反射防止効果が十分となる。
−エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物−
第二の層は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を更に含有することができる。第二の層がエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を含有することにより、第一の層との密着性を向上させることができる。
第二の層に含有することができるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、「(第一の層)」の項において説明した「エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物」である。好ましくは、第二の層に含有することができるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶なエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物である。
第二の層におけるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の含有量は、第二の層の全質量に対し、0.1質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.5質量%〜5質量%が更に好ましく、0.5質量%〜2質量%が特に好ましい。
−光重合開始剤−
第二の層は、光重合開始剤を更に含有することができる。第二の層は、光重合開始剤を含むことにより、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の重合を促進することができる。
第二の層に含有することができる光重合開始剤は、「(第一の層)」の項において説明した「光重合開始剤」である。好ましくは、第二の層に含有することができる光重合開始剤は、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な光重合開始剤である。
第二の層における光重合開始剤の含有量は、特に制限はないが、第二の層の全質量に対し、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上3質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上1質量%以下が更により好ましい。光重合開始剤の含有量が、上記範囲であることにより、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物の重合を促進することができる。
−溶剤−
第二の層の塗布液は、溶剤を含有してもよい。
第二の層の塗布液は、溶剤を含有することにより、仮支持体と第一の層及び/又は第一の層と第二の層との間の密着性を向上させることができる。
溶剤は、1種単独であってよく、2種以上が混合された溶剤であってもよい。
第二の層の塗布液に含有される溶剤は、水系の溶剤が好ましい。好ましい溶剤としては、例えば、水(イオン交換水、及び純水を含む)、1%〜5%アンモニア水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、又はtert−ブタノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などが挙げられる。
第二の層の塗布液における溶剤の含有率は、第二の層の全質量に対して、50質量%以上99質量%以下が好ましく、60質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上95質量%以下が更により好ましい。
(その他の層)
本開示の転写材料は、コントラストエンハンスメント層などのその他の層を更に含んでもよい。
(保護フィルム)
本開示の転写材料は、第二の層の上に配置された保護フィルムを有する。
保護フィルムは、第二の層の汚れ又は損傷などを防止し、第一の層及び第二の層を保護する機能を有する。
保護フィルムとしては、仮支持体と同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。保護フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリエチレンナフタレート、シリコーン紙、ポリエチレン又はポリプロピレンなどがラミネートされた紙などであってよい。なかでも、フィッシュアイの少なさ及び第二の層との密着性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
保護フィルムの厚さは、5μm〜100μmであってよく、10μm〜50μmが好ましく、中でも、可撓性及びカールの観点から、12μm〜40μmがより好ましい。
−フィッシュアイ−
「フィッシュアイ」とは、保護フィルムを形成するための材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティングなどによりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、ゲル状物、劣化物などがフィルム中に取り込まれて生じる略円形の欠陥をいう。
本開示において、「フィッシュアイの個数」とは、300mm×200mmの大きさの保護フィルムにおいて、0.3mm以上のフィッシュアイを目視でカウントした個数を、1000平方メートル(m)を単位面積として換算した値である。
フィッシュアイの面積は、光学顕微鏡で観察した欠陥部を画像処理し、面積を測定することにより求めることができる。
0.3mm以上のフィッシュアイの個数は、1000平方メートル(m)あたり、8個以下であることが好ましく、2個以下であることがより好ましく、1個以下であることが更により好ましく、0個であることが特に好ましい。0.3mm以上のフィッシュアイの個数が上記範囲であることにより、本開示の転写材料を基板上に密着させた際のラミネート性が向上する。
<転写材料の製造方法>
本開示の転写材料の製造方法は、仮支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、及びアルカリ可溶性樹脂をエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に溶解させた第一の組成物を、塗布し乾燥させて、第一の層を形成する工程、第一の層の上に、樹脂及び紫外線吸収剤を水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解させた第二の組成物を、塗布し乾燥させて、第二の層を形成する工程、及び、第二の層の上に、保護フィルムを貼り合わせる工程、を含む。
(第一の層を形成する工程)
本開示の転写材料の製造方法は、仮支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、及びアルカリ可溶性樹脂をエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に溶解させた第一の組成物を塗布し乾燥させて、第一の層を形成する工程を含む。
−仮支持体−
仮支持体は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「仮支持体」である。
−第一の組成物−
第一の組成物は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、及びアルカリ可溶性樹脂を、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に溶解させることにより得られる。
−−エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物−−
エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物」であり、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶なエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物である。
本開示において、「エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶」とは、25℃においてエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤の全質量に対し、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解する光重合開始剤をいう。
−−光重合開始剤−−
転写材料の製造方法に用いる光重合開始剤は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「光重合開始剤」であり、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶な光重合開始剤である。
−−アルカリ可溶性樹脂−−
転写材料の製造方法に用いるアルカリ可溶性樹脂は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「アルカリ可溶性樹脂」であり、エステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に可溶なアルカリ可溶性樹脂である。
−−エステル系溶剤−−
エステル系溶剤としては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸エチルなどが挙げられる。
−−ケトン系溶剤−−
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどが挙げられる。
−塗布−
第一の組成物を塗布する方法としては、種々の方法を用いることができ、例えば、スリットコーター塗布、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
下層へのダメージを防ぐため、塗布は非接触式であることが好ましく、スリット法による塗布がより好ましい。
スリット法による塗布方法としては、高さ精度を保ってムラのない塗布を行なう観点から、塗布を、液を吐出する部分にスリット状の穴を有するスリット状ノズルを用いて行なうことが好ましい。具体的には、特開2004−89851号公報、特開2004−17043号公報、特開2003−170098号公報、特開2003−164787号公報、特開2003−10767号公報、特開2002−79163号公報、特開2001−310147号公報等に記載のスリット状ノズルを有するスリットコーターが好適に用いられる。
スリット塗布は、先端に幅数十μmのスリット(間隙)を有し、かつ、矩形基板の塗布幅に対応する長さの塗布ヘッドを、基板とのクリアランス(間隙)を数10μm〜数100μmに保持しながら、基板と塗布ヘッドとに一定の相対速度を持たせて、所定の吐出量でスリットから供給される塗布液を基板に塗布することができる。
−乾燥−
塗布された第一の組成物の乾燥は、ホットプレート、オーブンなどを用いて、例えば、50℃〜140℃、好ましくは80℃〜120℃の温度範囲で、10秒〜300秒、好ましくは30秒〜120秒の条件で行なうことができる。
乾燥は、不完全な乾燥であってよい。ここで、「不完全な乾燥」とは、溶剤が、塗布された第一の組成物の全質量に対し、0質量%超存在することをいい、好ましくは0.1質量%以上95質量%以下、より好ましくは1質量%以上90質量%以下、更により好ましくは10質量%以上50質量%以下存在することをいう。第一の組成物が不完全に乾燥した状態で第二の組成物が塗布され乾燥されることにより、第一の層と第二の層との密着性を向上させることができる。
本開示においては、第一の層がエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤を含むのに対し、第二の層が水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤を含むことから、第一の層が「不完全な乾燥」のまま第二の層を形成しても、第一の層と第二の層との間の界面は、第一の層及び第二の層のそれぞれの機能が損なわれないように好ましく保持される。
(第二の層を形成する工程)
本開示の転写材料の製造方法は、第一の層の上に、樹脂及び紫外線吸収剤を水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解させた第二の組成物を塗布し乾燥させて、第二の層を形成する工程を含む。
−第二の組成物−
第二の組成物は、樹脂及び紫外線吸収剤を、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解させることにより得られる。
−−樹脂−−
第二の組成物に含まれる樹脂は、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解性の樹脂である。第二の組成物に含まれる樹脂は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂」である。
−−紫外線吸収剤−−
第二の組成物に含まれる紫外線吸収剤は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「紫外線吸収剤」である。
−−水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤−−
第二の組成物に含まれる水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤は、本開示の「<転写材料>」の項で説明した「水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤」である。
−塗布−
塗布は、「(第一の層)」の項で説明した塗布と同様である。
−乾燥−
乾燥は、「(第一の層)」の項で説明した乾燥と同様である。
(第二の層の上に、保護フィルムを貼り合わせる工程)
転写材料の製造方法は、第二の層の上に、保護フィルムを貼り合わせる工程を含む。
−保護フィルム−
転写材料の製造方法に用いる保護フィルムは、「<転写材料>」の項において説明した「保護フィルム」である。
−貼り合わせ−
貼り合わせは、第二の層の上に、保護フィルムを気泡が入らないように重ね合わせることにより、行うことができる。貼り合わせは、加圧しながら行うことが好ましい。
<パターンの形成方法>
本開示のパターンの形成方法は、本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程、仮支持体を剥離する工程、第一の層及び第二の層を現像する工程、を含む。
(本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程)
本開示のパターンの形成方法は、本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程を含む。
転写材料の保護フィルムは、任意の剥離手段を用いて、剥離することができる。
(転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程)
本開示のパターンの形成方法は、基板上に、本開示の転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程を含む。
本開示の転写材料の仮支持体、第一の層及び第二の層を基板上に配置する工程は、基板上に、仮支持体、第一の層及び第二の層を圧着させる工程であってよい。基板が樹脂基板である場合、ロールツーロールでの圧着を行ってもよい。
基板と仮支持体、第一の層及び第二の層とを圧着する方法としては、特に制限はなく、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
具体的には、例えば、保護フィルムを剥離した後の第二の層側を基板上に重ね、ロール等による加圧、又は、加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーターなどの公知のラミネータを使用することができる。
上記工程における圧着圧力及び温度は、特に制限はなく、仮支持体、第一の層及び第二の層の材質、搬送速度、並びに、使用する圧着機に応じ、適宜設定することができる。
例えば、上記工程における圧着圧力は、0.1MPa〜5MPaであってよく、好ましくは0.5MPa〜3MPaであってよく、より好ましくは0.8MPa〜1.5MPaであってよい。
例えば、上記工程における温度は、50℃〜150℃であってよく、好ましくは70℃〜120℃であってよく、より好ましくは85℃〜105℃であってよい。
−基板−
基板は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、基板の材料は、ガラス基板、樹脂基板、金属基板、セラミック板、半導体基板に使用されるシリコンウエハーなどであってよい。基板は、板状、膜状、又はシート状などの形状であってよい。基板は、透明であっても、不透明であってもよい。
金属基板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などが挙げられる。
ガラス基板としては、例えば、透明ガラス、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラスなどが挙げられる。また近年開発された厚みが10μm〜数百μmの薄層ガラス基板でもよい。
樹脂基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
金属基板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などが挙げられる。
また、基板は、ガラス基板又は樹脂基板などの絶縁基材の両側又は片側に銅層を有する基板であってよく、例えば銅張積層板(CCL)であってよい。
「絶縁基材」は、必ずしも完全な絶縁性を有する必要はなく、本開示の目的が達成できる絶縁性を有していれば足りる。絶縁基材は、可撓性の観点から樹脂基板が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルムなどを用いることができ、取扱い易さ及び汎用性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
銅層の形成は、例えば、絶縁基材に接着剤層を介して銅箔を加熱圧着すること、絶縁基材そのものを銅箔に加熱圧着すること、銅箔に絶縁素材をキャストして加熱すること、スパッタ又はめっきによって銅層を形成することなどによって行うことができ、スパッタによって銅層を形成することが好ましい。
基板には、所望により、シランカップリング剤等の薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などの前処理を行うことができる。
基板の厚みは、特に制限はないが、5μm〜200μmであることが好ましく、取扱い易さ及び汎用性の観点から、5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましく、5μm〜16μmであることが特に好ましい。
−転写材料−
パターンの形成方法に用いられる転写材料は、「<転写材料>」の項において説明した通りである。
−−仮支持体−−
パターンの形成方法に用いられる第一の層は、「<転写材料>」の項において説明した「仮支持体」である。
−−第一の層−−
パターンの形成方法に用いられる第一の層は、「<転写材料>」の項において説明した「第一の層」である。
−−第二の層−−
パターンの形成方法に用いられる第二の層は、「<転写材料>」の項において説明した「第二の層」である。
(仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程)
本開示のパターンの形成方法は、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程を含む。仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層及び第二の層を露光することにより、露光された部分の第一の層及び第二の層が硬化して、現像液に溶出しない硬化膜が形成されることにより、レジストパターンが形成される。
露光の光源としては、第一の層及び第二の層を硬化し得る波長域の光(例えば、365nm又は405nmの波長を含む)を照射できるものであれば、適宜選定して用いることができる。露光する工程においては、365nmの波長を含む波長域の光を照射することが好ましい。
光源としては、例えば、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、又はメタルハライドランプなどが挙げられる。
露光量は、好ましくは5mJ/cm〜200mJ/cmであり、より好ましくは10mJ/cm〜200mJ/cmである。露光量が上記範囲であることにより、第一の層及び第二の層を含む硬化膜を適切に形成できる。
露光する工程においては、露光後であって現像前に、例えば30分〜2時間室温で放置してよく、又は露光した第一の層及び第二の層に対し熱処理(いわゆるPEB(Post Exposure Bake))を施してもよい。
ことが好ましい。露光後、例えば30分〜2時間室温で放置し、又は露光した第一の層及び第二の層に対し熱処理を施した後、現像前に、仮支持体を剥離する工程を含むことがより好ましい。
(仮支持体を剥離する工程)
本開示のパターンの形成方法は、露光する工程後、現像する工程前に、仮支持体を剥離する工程を含む。仮支持体は、任意の剥離手段により、剥離することができる。
(第一の層及び第二の層を現像する工程)
本開示のパターンの形成方法は、露光した後の第一の層及び第二の層を現像する工程を含む。現像する工程においては、パターン露光された第一の層及び第二の層が現像される(すなわち、非露光部を現像液に溶解させる)ことにより、パターン露光に従ったパターンを得る工程である。
現像に用いる現像液は、特に制限されず、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を用いることができる。
現像液としては、アルカリ性水溶液を用いることが好ましい。
アルカリ性水溶液に含有され得るアルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)、などが挙げられる。
アルカリ性水溶液の25℃におけるpHとしては、pH7を超えpH14以下が好ましく、pH8〜pH13がより好ましく、pH9〜pH12が更により好ましく、pH10〜pH12が特に好ましい。
アルカリ性水溶液中におけるアルカリ性化合物の含有量は、アルカリ性水溶液全量に対し、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜3質量%がより好ましい。
現像液は、水に対して混和性を有する有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、及び、N−メチルピロリドンを挙げることができる。
有機溶剤の濃度は、現像液の全質量に対し、0.1質量%〜30質量%が好ましい。
現像液は、公知の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤の濃度は、現像液の全質量に対し、0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像液の液温度は、20℃〜40℃が好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像などの方式が挙げられる。
シャワー現像を行う場合、パターン露光後の第一の層及び第二の層に現像液をシャワー状に吹き付けることにより、第一の層及び第二の層の非露光部を除去する。
また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付けつつブラシなどで擦ることにより、現像残渣を除去することが好ましい。
現像は、10秒〜60秒行うことが好ましい。
現像工程は、上記現像を行う段階と、上記現像によって得られた硬化膜を加熱処理(以下、「ポストベーク」ともいう)する段階と、を含んでいてもよい。
基板が樹脂基板である場合には、ポストベークの温度は、100℃〜160℃が好ましく、130℃〜160℃がより好ましい。
このポストベークにより、透明電極パターンの抵抗値を調整することもできる。
また、第一の層及び第二の層がカルボキシル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む場合には、ポストベークにより、カルボキシル基(メタ)含有アクリル樹脂の少なくとも一部をカルボン酸無水物に変化させることができる。
また、現像工程は、上記現像を行う段階と、上記現像によって得られた硬化膜を露光(以下、「ポスト露光」ともいう。)する段階と、を含んでいてもよい。
現像工程がポスト露光する段階及びポストベークする段階を含む場合、好ましくは、ポスト露光、ポストベークの順序で実施する。
本開示のパターンの形成方法は、上述した工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば洗浄工程などを特に制限なく適用できる。
<金属パターンの形成方法>
本開示の金属パターンの形成方法は、本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を金属基板上に配置する工程、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程、仮支持体を剥離する工程、第一の層及び第二の層を現像する工程、金属基板をエッチングする工程、及び、第一の層及び第二の層を剥離する工程、を含む。
(本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程)
本開示の金属パターンの形成方法は、本開示の転写材料の保護フィルムを剥離する工程を含む。
転写材料の保護フィルムは、任意の剥離手段を用いて、剥離することができる。
(転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を金属基板上に配置する工程)
本開示の金属パターンの形成方法は、転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を金属基板上に配置する工程を含む。
上記工程は、「<パターンの形成方法>」の項で説明した「転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程」と同様である。
−金属基板−
金属基板は、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などであってよい。
また、金属基板は、任意の基材の表面に金属を有する金属基板であってよい。例えば、金属基板は、透明ガラス基板、合成樹脂製フィルムなどの絶縁基材の両側又は片側に銅層を有する金属基板であってよく、例えば銅張積層板(CCL)であってよい。「絶縁基材」は、必ずしも完全な絶縁性を有する必要はなく、本開示の目的が達成できる絶縁性を有していれば足りる。
絶縁基材を形成する基材としては、可撓性の観点から樹脂基板が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、芳香族ポリアミド樹脂フィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルムなどを用いることができ、取扱い易さ及び汎用性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
銅層の形成は、例えば、絶縁基材に接着剤層を介して銅箔を加熱圧着すること、絶縁基材そのものを銅箔に加熱圧着すること、銅箔に絶縁素材をキャストして加熱すること、スパッタ又はめっきによって銅層を形成することなどによって行うことができ、スパッタによって銅層を形成することが好ましい。
基板の厚みは、特に制限はないが、5μm〜200μmであることが好ましく、取扱い易さ及び汎用性の観点から、5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましく、5μm〜16μmであることが特に好ましい。
(仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程)
本開示の金属パターンの形成方法は、仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程を含む。
上記工程は、「<パターンの形成方法>」の項で説明した「仮支持体及び露光マスクを介して、第一の層、及び第二の層を露光する工程」と同様である。
(仮支持体を剥離する工程)
本開示の金属パターンの形成方法は、仮支持体を剥離する工程を含む。仮支持体は、任意の剥離手段により、剥離することができる。
(第一の層及び第二の層を現像する工程)
本開示の金属パターンの形成方法は、第一の層及び第二の層を現像する工程を含む。
上記工程は、「<パターンの形成方法>」の項の「(第一の層及び第二の層を現像する工程)」と同様である。
(金属基板をエッチングする工程)
金属基板上に形成されたパターンを、エッチングレジストとして使用し、エッチング処理を行う工程である。
エッチングは、特開2010−152155号公報の段落0048〜段落0054等に記載の方法など、公知の方法でエッチングを適用することができる。
例えば、エッチングの方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、シュウ酸、又は、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第2鉄、フッ化アンモニウム、又は、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液などが例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、又は、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
エッチング液の温度は特に限定されないが、45℃以下であることが好ましい。本開示において、エッチングマスク(エッチングパターン)として使用されるパターンは、45℃以下の温度域における酸性及びアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮することが好ましい。
上記工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて、金属基板を洗浄する工程(洗浄工程)及び金属基板を乾燥する工程(乾燥工程)を含んでもよい。
洗浄工程については、例えば常温(10℃〜35℃)で純水により10秒〜300秒間基板を洗浄することが挙げられる。
乾燥工程については、例えばエアブローを使用し、エアブロー圧(0.1kg/cm〜5kg/cm程度)を適宜調整して乾燥を行えばよい。
(第一の層及び第二の層を剥離する工程)
エッチングする工程の後に、第一の層及び第二の層を剥離する工程を剥離する工程が含まれる。
第一の層及び第二の層の剥離には、剥離液を用いることが好ましい。
剥離液としては、例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第三級アミン若しくは第四級アンモニウム塩等の有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、又は、これらの混合溶液に溶解させた剥離液などが挙げられる。
剥離液を使用して、スプレー法、シャワー法、又はパドル法などにより剥離することができる。
本開示の金属パターンの形成方法は、上述した工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば洗浄工程などを特に制限なく適用できる。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[転写材料の作製]
−仮支持体−
実施例の仮支持体には、厚さ及びヘイズ値の異なる下記3種のPETフィルムを用いた。
A:PETフィルム(厚さ16μm) ヘイズ値:0.12%
B:PETフィルム(厚さ25μm) ヘイズ値:0.3%
C:PETフィルム(厚さ38μm) ヘイズ値:0.48%
なお、仮支持体のヘイズ値は、スガ試験機株式会社製ヘイズメーターHZ−2を用い、JIS(Japanese Industrial Standards) K 7136に準拠して測定した全光線ヘイズ(単位:%)である。
実施例1においては、上記の仮支持体Aを用いた。
−第一の層−
仮支持体A(厚さ16μm、ヘイズ0.12%のPETフィルム)上に、下記表1に組成を示す材料A−1をスリット状ノズルを用いて塗布し、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、層厚8.0μmの第一の層を形成した。
−第二の層−
次に、第一の層の上に、下記表2に組成を示す材料B−1をバーコーターを用いて塗布し、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、層厚0.1μmの第二の層を形成した。
−保護フィルム−
実施例の保護フィルムには、厚さ及びフィッシュアイの個数が異なる下記3種のフィルムを用いた。
A:PETフィルム(厚さ16μm)であり、フィッシュアイの個数は0個である。
B:PETフィルム(厚さ25μm)であり、フィッシュアイの個数は0個である。
C:ポリプロピレン(PP)フィルム(厚さ30μm)であり、フィッシュアイの個数は1個である。
なお、「フィッシュアイの個数」は、「<転写材料>」の「保護フィルム」の項に記載したフィッシュアイの個数である。
実施例1においては、上記の保護フィルムAを第二の層の上に貼り合わせ、転写材料を作製した。
作製した転写材料について、パターン直線性(LWR)、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性を以下のように評価した。結果を下記表3に示す。
(パターン直線性)
厚さ188μmのPETフィルム上にスパッタリング法で厚さ500nmの銅層を作製した銅層付きPET基板を使用した。作製した転写材料を50cm角にカットしてサンプル片を作製した。サンプル片の保護フィルムを剥がし、露出した第二の層の表面を銅層に接触させ、転写材料をロール温度90℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/分のラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートした。仮支持体を剥離せずに線幅3μm〜20μmのラインアンドスペースパターンマスク(Duty比 1:1)を介して超高圧水銀灯で、仮支持体、第一の層及び第二の層を露光して1時間放置した後、仮支持体を剥離して現像した。現像は28℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で30秒行った。
銅層付きPET基板上に形成されたラインアンドスペースパターンからランダムに選んだ20箇所のパターン幅を測定した。得られたパターン幅の値から標準偏差σを算出し、標準偏差σを3倍した値をLWR(Line Width Roughness)と定義して、パターン直線性を評価する指標とした。
LWRは、定義上、小さいほど線幅変動が小さいことを表すため好ましい。10μm線幅のパターンに対し、LWRの値によって以下のようにパターン直線性を評価した。
〔評価基準〕
A:LWR<0.3であり、回路配線基板として非常に好ましい。
B:0.3≦LWR<0.5であり、回路配線基板として好ましい。
C:0.5≦LWR<1.0であり、回路配線基板として使用可能だが、不良発生の可能性が有り好ましくない。
D:1.0≦LWRであり、線幅変動が大きく回路不良に繋がり、回路配線基板として使用不可能である。
(パターン形状)
ラインアンドスペースパターンが10μmの銅層付きPET基板上の断面形状を観察した。パターンの底部の様子を電子顕微鏡(S-4800、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて観察し、裾引き形状及びアンダーカット形状がない場合を「A」とした。0.5μm未満の裾引き又はアンダーカットが観察された場合を「B」、0.5μm以上の裾引き又はアンダーカット形状が生じている場合を「C」と評価した
(ラミネート性)
第一の層及び第二の層が銅層に泡や浮きがなく密着している面積を目視評価し、(第一の層及び第二の層が密着した面積)/(カットした転写材料の面積)×100(%)により密着した面積割合を求めた。面積(%)が大きいほどラミネート適性に優れるといえる。
〔評価基準〕
A:面積(%)が90%以上である。
B:面積(%)が80%以上90%未満である。
C:面積(%)が80%未満である。
(浸漬現像時密着性)
上記のように転写材料を銅層付きPET基板上にラミネートした後、仮支持体を剥離せずに線幅3μm〜20μmのラインアンドスペースパターンマスク(Duty比 1:1)を介して超高圧水銀灯で、仮支持体、第一の層及び第二の層を露光し、1時間放置した後、仮支持体を剥離して現像した。
現像は、28℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を用い、浸漬現像を15秒で行った後、エアーナイフ処理をした。その後、更に、浸漬現像を15秒行い、エアーナイフ処理で現像液を切った後、純水に30秒間浸漬処理をして、更にエアーナイフ処理を行った。
処理後の基板を観察して、パターンが残っているものを「A」、ラインパターンの端部でのみ剥がれが見られるものを「B」、パターン剥がれが生じているものを「C」とした。
表3に示すように、実施例1の転写材料は、パターン直線性、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の全ての評価がAであり、転写材料として非常に優れた性質を有することが示された。
<実施例2〜実施例17>
仮支持体、第一の層の材料及び膜厚、第二の層の材料及び膜厚、並びに保護フィルムを表1〜表3に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして、パターン直線性、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性を評価した。実施例2〜実施例17における評価は、表3に記載した。
実施例3〜5、7、8、10〜13、15及び16において、パターン直線性、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の全ての評価がAであり、転写材料として非常に優れた性質を有することが示された。
実施例2において、パターン直線性、及びパターン形状の評価はBであり、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
第二の層の厚みが0.02μmである場合、反射防止が不十分である結果、界面での重合が進行し、裾引きが生じたと考えられる。
実施例6において、パターン直線性の評価はBであり、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
これは、仮支持体のヘイズ値が高く、露光において光散乱が生じた結果、パターン直線性が低下したと考えられる。
実施例9において、パターン直線性、パターン形状、及び浸漬現像時密着性の評価はAであり、ラミネート性の評価はBであることが示された。
これは、第一の層の厚みが不十分であることにより、密着性が低下したものと考えられる。
実施例14において、パターン直線性の評価はBであり、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
これは、仮支持体のヘイズ値が高く、露光において光散乱が生じた結果、パターン直線性が低下したと考えられる。
実施例17において、ラミネート性の評価はBであり、パターン直線性、パターン形状、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
これは、保護フィルムの材質がポリプロピレンであり、フィッシュアイの個数が1個であったことから、ラミネート性が低下したと考えられる。
<比較例1〜比較例4>
仮支持体、第一の層の材料及び膜厚、第二の層の材料及び膜厚、並びに保護フィルムを表1〜表3に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして、パターン直線性、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性を評価した。比較例1〜比較例3における評価は、表3に記載した。
比較例1において、パターン直線性の評価はCであり、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
これは、仮支持体のヘイズ値が高く、露光において光散乱が生じた結果、パターン直線性が低下したと考えられる。
比較例2において、パターン直線性の評価はCであり、パターン形状の評価はBであり、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価はAであることが示された。
これは、仮支持体のヘイズ値が高く、露光において光散乱が生じた結果、パターン直線性が低下したと考えられる。また、第二の層が厚いため、アンダーカットが生じた結果、パターン形状が低下したと考えられる。
比較例3において、パターン直線性、及びパターン形状の評価はCであり、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価がAであることが示された。
これは、第二の層が含まれない結果、露光された光の反射が生じ、裾引きが生じたため、パターン直線性及びパターン形状が不良であったと考えられる。
比較例4において、パターン直線性、及びパターン形状の評価はCであり、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性の評価がAであることが示された。
これは、第二の層に紫外線吸収剤が含まれない結果、露光された光の反射が生じ、裾引きが生じたため、パターン直線性及びパターン形状が不良であったと考えられる。
<比較例5>
比較例5では、転写材料を作製せずに、銅層付きPET基板上に、第一の層及び第二の層を直接塗布した。具体的には、銅層付きPET基板上に、材料B−6をバーコーターで塗布した後、90℃で60秒間プレベークして、0.1μmの厚みの膜を得た。その上に材料A−1をバーコーターで塗布した後、90℃で60秒間ベークして、8.0μmの厚みの膜を得た。
上記膜について、パターン直線性、パターン形状、ラミネート性、及び浸漬現像時密着性を評価した。評価結果を表3に記載した。
この結果、パターン直線性、及びパターン形状の評価はAであり、浸漬現像時密着性の評価はCであることが示された。
これは、本開示の転写材料を用いなかった結果、浸漬現像時密着性が不良となったと考えられる。
本開示の転写材料、転写材料の製造方法、パターンの形成方法、及び金属パターンの形成方法は、フレキシブルプリント配線板用の金属層付き樹脂フィルムの作製、及びタッチセンサー用フィルムの配線の作製などに有用である。

Claims (19)

  1. ヘイズ値が0.3%以下である仮支持体と、
    前記仮支持体の上に配置された、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、アルカリ可溶性樹脂、及び光重合開始剤を含有する第一の層と、
    前記第一の層の上に配置された、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂、及び紫外線吸収剤を含有する第二の層と、
    前記第二の層の上に配置された保護フィルムと、
    を有する、転写材料。
  2. 前記仮支持体が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載の転写材料。
  3. 前記保護フィルムにおいて、0.3mm以上のフィッシュアイの個数が、1000mあたり8個以下である、請求項1又は請求項2に記載の転写材料。
  4. 前記保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の転写材料。
  5. 前記第二の層が、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、及び光重合開始剤を更に含有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の転写材料。
  6. 前記水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な樹脂が、酸基を有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の転写材料。
  7. 前記紫外線吸収剤が、水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に可溶な紫外線吸収剤である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の転写材料。
  8. 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の転写材料。
  9. 前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物である、請求項8に記載の転写材料。


    一般式(1)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表し、Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜15の有機基を表し、nは、0〜4の整数を表す。
  10. 前記紫外線吸収剤の含有量が、前記第二の層の全固形分量に対し、5質量%以上80質量%未満である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の転写材料。
  11. 前記第一の層に含有される光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の転写材料。
  12. 前記仮支持体の厚みが、1μm以上25μm以下である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の転写材料。
  13. 前記第一の層の厚みが、1μm以上15μm以下である、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の転写材料。
  14. 前記第二の層の厚みが、0.05μm以上2μm以下である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の転写材料。
  15. 仮支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、光重合開始剤、及びアルカリ可溶性樹脂をエステル系溶剤若しくはケトン系溶剤又はエステル系溶剤とケトン系溶剤との混合溶剤に溶解させた第一の組成物を、塗布し乾燥させて、第一の層を形成する工程、
    前記第一の層の上に、樹脂及び紫外線吸収剤を水系溶剤若しくは低級アルコール系溶剤又は水系溶剤と低級アルコール系溶剤との混合溶剤に溶解させた第二の組成物を、塗布し乾燥させて、第二の層を形成する工程、及び、
    前記第二の層の上に、保護フィルムを貼り合わせる工程、
    を含む転写材料の製造方法。
  16. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、
    前記転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を基板上に配置する工程、
    前記仮支持体及び露光マスクを介して、前記第一の層、及び前記第二の層を露光する工程、
    前記仮支持体を剥離する工程、
    前記第一の層及び前記第二の層を現像する工程、
    を含む、パターンの形成方法。
  17. 前記露光する工程が、365nmの波長を含む波長域の光を照射する、請求項16に記載のパターンの形成方法。
  18. 前記基板が、樹脂基板である、請求項16又は請求項17に記載のパターンの形成方法。
  19. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の転写材料の保護フィルムを剥離する工程、
    前記転写材料の仮支持体、第一の層、及び第二の層を金属基板上に配置する工程、
    前記仮支持体及び露光マスクを介して、前記第一の層、及び前記第二の層を露光する工程、
    前記仮支持体を剥離する工程、
    前記第一の層及び前記第二の層を現像する工程、
    前記金属基板をエッチングする工程、及び、
    前記第一の層及び前記第二の層を剥離する工程、
    を含む、金属パターンの形成方法。
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