JP2018189747A - 光学系、それを備える撮像装置及び投影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 広画角かつ小型でありながら高い結像性能を有する光学系を提供すること。【解決手段】 光学系100は、拡大側から順に、第1群G1、開口絞りSTO、及び第2群G2を備え、第2群G2は、全反射面42と、凹形状の反射面43と、を含み、開口絞りSTOを通過した拡大側からの光は、全反射面42で全反射した後、反射面43で反射されて全反射面42を透過しており、反射面43の曲率半径をRm(mm)、全反射面42と反射面43の面頂点との間隔をD(mm)、とし、第1群G1の光軸と全反射面42との交点と開口絞りSTOの中心の全反射面42に対する像点とを結ぶ線上において、T=|Rm|−Dなる式で表される距離Tだけ交点から離れた基準点と反射面43の曲率中心との距離をS(mm)、全系の焦点距離をf(mm)、とするとき、|S|≦0.6fなる条件を満足する。【選択図】 図2
Description
本発明は、屈折面及び反射面を有する光学系に関し、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、車載カメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ、ウェアラブルカメラ、医療用カメラ等の撮像装置や、プロジェクタ等の投影装置に好適なものである。
近年、撮像装置や投影装置に用いられる光学系として、広画角かつ小型なものが求められている。特許文献1及び2には、全反射面及び内部反射面を有する反射屈折レンズを採用することで、広画角化及び小型化を図った光学系が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の光学系では、内部反射面の配置について十分に検討されておらず、高い結像性能が得られていなかった。
本発明は、広画角かつ小型でありながら高い結像性能を有する光学系を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての光学系は、拡大側から順に、第1群、開口絞り、及び第2群を備え、前記第2群は、全反射面と、凹形状の反射面と、を含み、前記開口絞りを通過した拡大側からの光は、前記全反射面で全反射した後、前記反射面で反射されて前記全反射面を透過しており、前記反射面の曲率半径をRm(mm)、前記全反射面と前記反射面の面頂点との間隔をD(mm)、とし、前記第1群の光軸と前記全反射面との交点と前記開口絞りの中心の前記全反射面に対する像点とを結ぶ線上において、T=|Rm|−Dなる式で表される距離Tだけ前記交点から離れた基準点と前記反射面の曲率中心との距離をS(mm)、全系の焦点距離をf(mm)、とするとき、|S|≦0.6fなる条件を満足することを特徴とする。
本発明によれば、広画角かつ小型でありながら高い結像性能を有する光学系を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、便宜的に実際とは異なる縮尺で描かれている場合がある。また、各図面において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る光学系100を備える撮像装置1000の、光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。撮像装置1000は、撮像光学系としての光学系100、光学系100の像面(縮小面)IMGの位置に配置される撮像面(受光面)を含む撮像素子110、ケーブル120、及び処理部130を備える。
図1は、本発明の実施例1に係る光学系100を備える撮像装置1000の、光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。撮像装置1000は、撮像光学系としての光学系100、光学系100の像面(縮小面)IMGの位置に配置される撮像面(受光面)を含む撮像素子110、ケーブル120、及び処理部130を備える。
撮像装置1000において、光学系100は、図1の左側に存在する不図示の被写体からの光束を集光し、撮像素子110の撮像面IMGに被写体を結像する。撮像素子110は、光学系100により形成された被写体の像を光電変換し、電気信号を出力する。処理部130は、ケーブル120を介して伝送される撮像素子110からの電気信号を処理し、被写体の画像データを取得する。撮像素子110としては、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)を採用することができる。
図2は、光学系100の光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。本実施例に係る光学系100は、光束幅を制限する開口絞りSTOと、開口絞りSTOよりも物体側(拡大側)に配置された第1群G1と、開口絞りSTOよりも像側(縮小側)に配置された第2群G2と、を備える。第1群G1は、物体側から順に、第1光学素子L1、第2光学素子L2を有し、第2群G2は、物体側から順に、第3光学素子L3、第4光学素子L4、第5光学素子L5、及び第6光学素子CGを有する。
第1光学素子L1は、結像に寄与する有効光束が通過する光学面として、物体側から順に第1面11及び第2面12を有するメニスカスレンズである。第1光学素子L1の第1面11は、物体側に向かって凸形状の屈折面である。また、第2光学素子L2は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである。
第3光学素子L3は両凸レンズ、第5光学素子L5は像側に凸面を向けた平凸レンズである。第4光学素子L4は、入射面である第1面41、全反射面(反射透過面)である第2面42、及び入射光に向かって凹形状の反射面である第3面43、の3つの光学面を含む反射屈折レンズである。第4光学素子L4の第3面43は、金属膜や誘電体多層膜などによって形成される内部反射面である。第6光学素子CGは、IRカットフィルタ等の光学フィルタであるが、必要に応じて、第6光学素子CGとしてレンズ等を採用してもよい。
光学系100において、第1光学素子L1乃至第4光学素子L4は互いに接合されている。そして、開口絞りSTOは、第2光学素子L2の第2面22と第3光学素子の第1面31との接合面に配置され、開口部が設けられた遮光部材から成る。開口絞りSTOの開口部は、短軸が3mm、長軸7.3mmである楕円形状であり、長軸が水平方向(X方向)に一致し、短軸が垂直方向(Y方向)に一致するように設けられている。
図2において、不図示の物体からの光束は、第1光学素子L1及び第2光学素子L2を順に透過して、開口絞りSTOに入射する。このとき、光束の一部は開口絞りSTOの遮光部により遮光されるため、光束幅が制限されることになる。開口絞りSTOの開口部を透過した光束は、第3光学素子L3を透過して、第4光学素子L4の第1面41に入射する。
第4光学素子L4の第1面41を透過して第4光学素子L4の第2面42に入射する光束のうち、入射角が臨界角よりも大きい光束は、第2面42で全反射し、物体側に進行方向を変えて第4光学素子L4の第3面43に到達する。第4光学素子L4の第3面43により反射された光束は、再び第4光学素子L4の第2面42に到達し、今度は全反射せずにこの面を透過する。そして、第5光学素子L5及び第6光学素子CGを透過した光束は、平面形状の像面IMGを形成する。
本実施例に係る光学系100では、第1群G1において生じる正のペッツバール像面を、第2群G2における凹形状の反射面43により負のペッツバール像面を発生させることで打ち消している。ただし、必要に応じて、反射面43を凹形状とせずに、他の光学面によって負のペッツバール像面を発生させるようにしてもよい。
このとき、仮に光学系100が反射面を1面しか有していないとした場合、その反射面よりも物体側に像面IMGが形成されてしまうため、各光学素子と像面IMGとの干渉を回避することが難しくなる。そこで、光学系100では、開口絞りSTOからの光を全反射面42で全反射させてから反射面43に入射させる構成を採ることで、像面IMGと光学素子との干渉を回避している。さらに、反射面43に向けて光を偏向する手段として全反射面を採用することで、金属膜や誘電体多層膜などによって形成される透過反射面(ハーフミラー等)を採用する場合と比較して、光が反射される際の光量の損失を抑制することができる。
本実施例において、光軸AX1は、第1群G1における各光学面の中心(面頂点)を通る軸である。言い換えると、第1群G1が有する光学面の夫々の面頂点は、光軸AX1上に存在している。そして、本実施例に係る第1群G1は、回転対称系となっている。一方、第2群G2において、第3光学素子L3の各光学面及び第4光学素子L4の第1面41の各面頂点は光軸AX1上に存在しているが、その他の光学面は夫々の面頂点が光軸AX1上からずれた偏心面である。そして、第4光学素子L4の第1面41よりも像側の光学面は、光軸AX1に対して傾いて配置されている。
図3は、本実施例に係る光学系100のうち、第3光学素子L3及び第4光学素子L4のみを抽出して示したものである。なお、図2に示したように、第4光学素子L4は、平凸レンズのうち、他の光学素子と重なる部分及び有効光束が通過しない不要な部分がカットされたものであるが、図3ではそのカットされた部分も含めて示している。
図3において、軸AX2は反射面43の面頂点での法線であり、軸AX2の上にある点Cは反射面43の曲率中心である。点Oは開口絞りSTOの中心であり、点O´は全反射面42に対する点Oの像点である。点Aは、第1群の光軸AX1と全反射面42との交点である。点Bは、点Aと点O´とを結ぶ軸AX3上において、点Aから距離Tだけ離れた点(基準点)である。
ここで、距離Tは、反射面43の曲率半径をRm(mm)、全反射面42と反射面43の面頂点との間隔をD(mm)、とするとき、T=|Rm|−Dなる式で表される。なお、本実施例においては、特に断りがない限り「間隔」が「光軸上での間隔」を示すものとする。ただし、反射面43のように面頂点が光軸AX1上に存在ない光学面については、その面頂点を通る法線上での間隔を本実施例での「間隔」とする。すなわち、間隔Dは、図3における間隔Lbに相当し、全反射面42及び反射面43が偏心していない場合の、光軸AX1上における全反射面42から反射面43までの間隔と言い換えることができる。
図3に示すように、本実施例において、ZX断面(第1断面)での画角(水平画角)は光軸AX1の両側に対称に設定されているのに対して、YZ断面(第2断面)での画角(垂直画角)は光軸AX1に対して片側(図1の下側)にのみ設定されている。このように、YZ断面内において、光学系100の各光学面に光束を斜入射させることで、撮像素子110の撮像面が、光軸AX1に対して下側から光学系100に入射する光束のみを受光するように構成することができる。これにより、撮像素子110を各光学素子や各光路と干渉しないように配置することができる。
また、図3に示すように、反射面43における面頂点は光軸AX1に対して偏心している。すなわち、反射面43の面頂点での法線(軸AX2)は光軸AX1に対して非平行となっている。このとき、軸AX2は、光軸AX1に対して−32.57°の角度を有している。同様に、全反射面42の垂線も、光軸AX1に対して−32.57°の角度を有している。ただし、ここでは、基準となる軸に対して時計回りの方向に向かう角度を正とし、反時計回りの方向に向かう角度を負としている。
このように、第4光学素子L4における反射面43を偏心させて配置することで、像面IMGの位置も偏心させることができる。これにより、各部材の配置の自由度を高めることができ、撮像素子と光路との干渉を回避しつつ全系を小型化すること可能になる。また、全反射面42を光軸AX1に対して傾けて配置したことにより、開口絞りSTOからの光の全反射面42に対する入射角を大きくすることができる。これにより、光軸AX1に近い画角の光についても全反射させることができ、像面IMGにおける周辺部の光量の低下(コサイン4乗則)の影響を緩和することが可能になる。
しかし、第4光学素子L4の反射面43を偏心させた場合、その偏心に起因して収差(偏心収差)が生じてしまう。ここで、図3に示すように全反射面42が傾いている場合、全反射面42で反射する光は光軸AX1に対して上方(+Y方向)に向かうため、反射面43を光軸AX1に対して上方に配置する必要がある。一方、点O´は光軸AX1に対して下方(−Y方向)に位置する。このとき、点Oを通り全反射面42の点Aで反射され反射面43に向かう光は、点O´及び点Aを通り反射面43に向かう光と同等である。
よって、軸AX3の上における点Bの近傍に反射面43の曲率中心Cを配置すれば、反射面43を軸AX1に対して偏心させて配置した場合であっても、偏心収差の発生を抑制することができることになる。そこで、本実施例に係る光学系100は、点Bと点Cとの距離をS(mm)、全系の焦点距離をf(mm)、とするとき、以下の条件式(1)を満足している。ただし、焦点距離fの符号は、光学系が正のパワーを有するときは正、負のパワーを有するときは負、となるものとする。
|S|≦0.6f (1)
|S|≦0.6f (1)
具体的に、本実施例においては、S=3.28mm、f=14.13mmであるため、0.6f=8.78となり、条件式(1)を満足する。反射面43の曲率中心Cの位置を、条件式(1)を満たすように適切に設定することで、広画角にわたって収差を良好に補正することが可能になる。条件式(1)の上限値を上回ると、点Cが点Bから大きく離れてしまい、偏心収差の発生を抑制することが困難になる。
また、点O´から点Bまでの距離をO´B(mm)、点O´から点Cまでの距離をO´C(mm)、とするとき、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
−0.4≦(O´C−O´B)/f≦0.4 (2)
−0.4≦(O´C−O´B)/f≦0.4 (2)
開口絞りSTOの像点O´から反射面43の曲率中心Cまでの距離を、条件式(2)を満たすように適切に設定することで、広画角にわたって収差を良好に補正可能になる。条件式(2)の上限値を上回ると、開口絞りSTOから反射面43までの間隔が長くなり、第4光学素子L4の内部に物体の像が形成されてしまい、撮像素子110を配置することが難しくなる可能性が生じる。一方、条件式(2)の下限値を下回ると、反射面43で反射された光の全反射面42に対する入射角が大きくなり、全反射面42を透過せずに全反射する光が増加してしまい、光量の損失を抑制することが難しくなる可能性が生じる。
さらに、以下の条件式(2´)を満足することがより好ましい。本実施例では、O´C=23.16mm、O´B=23.67mmであるため、(O´C−O´B)/f=−0.036となり、条件式(2)及び(2´)を満足する。
−0.3≦(O´C−O´B)/f≦0.3 (2´)
−0.3≦(O´C−O´B)/f≦0.3 (2´)
また、直線O´Bと直線O´Cとがなす角度をθ(deg.)とするとき、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
θ≦20 (3)
θ≦20 (3)
開口絞りSTOの像点O´に対する点B及び点Cの位置を、条件式(3)を満たすように適切に設定することで、広画角にわたって収差を良好に補正可能になる。条件式(3)の上限値を上回ると、反射面43の曲率中心Cが点Bから大きく離れてしまい、偏心収差を良好に補正することが難しくなる可能性が生じる。
さらに、以下の条件式(2´)を満足することがより好ましい。本実施例では、θ=7.93°であるため、条件式(3)及び(3´)を満足する。
θ≦15 (3´)
θ≦15 (3´)
また、反射面43と開口絞りSTOとの間隔をLm(mm)、とするとき、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
1.0≦|Rm|/Lm≦7 (4)
1.0≦|Rm|/Lm≦7 (4)
反射面43の形状及び開口絞りSTOとの間隔を、条件式(4)を満たすように適切に設定することで、反射面43で反射された光の全反射面42に対する入射角を小さくすることができる。これにより、反射面43で反射された光が全反射面42で再び全反射されて光量の損失が生じることを抑制することが可能になる。なお、第2群G2が反射面を複数有する場合は、パワーが最も大きい反射面が条件式(4)を満たすことが望ましい。
条件式(4)の上限値を上回ると、開口絞りSTOから反射面43までの間隔が短くなり、反射面43で反射された光の全反射面42に対する入射角が大きくなってしまう。このため、全反射面42を透過せずに全反射してしまう光が増加し、光量の損失を抑制することが難しくなる可能性が生じる。一方、条件式(4)の下限値を下回ると、第4光学素子L4の内部に像が形成されてしまい、撮像素子110を配置することが難しくなる可能性が生じる。
さらに、以下の条件式(4´)を満足することがより好ましい。
1.5≦|Rm|/Lm≦4.2 (4´)
1.5≦|Rm|/Lm≦4.2 (4´)
なお、図3に示したように、本実施例に係る反射面43は偏心しており、その面頂点は光軸AX1上に存在していない。そこで、開口絞りSTOと全反射面42との光軸AX1上での間隔をLaとし、反射面43の面頂点を通る法線上での、全反射面42と反射面43との間隔をLbとするとき、開口絞りSTOと反射面43との間隔をLm=La+Lbと定義する。本実施例では、La=8.760mm、Lb=7.370mmであり、Lm=16.130mmであるため、|Rm|/Lm=2.467となり、条件式(4)及び(4´)を満足する。
本実施例に係る光学系100においては、第1光学素子L1が有する物体側に向かって凸形状の第1面11(屈折面11)を、開口絞りSTOまでの間隔と曲率半径とが略等しい形状(点対称形状)とすることが望ましい。具体的に、図2に示す屈折面11の曲率半径をRl(mm)、屈折面11と開口絞りSTOとの間隔をLl(mm)、とするとき、屈折面11を以下の条件式(5)を満足する形状とすることが望ましい。
0.7≦|Rl|/Ll≦1.5 (5)
0.7≦|Rl|/Ll≦1.5 (5)
条件式(5)を満足することにより、簡易かつ小型な構成であっても、軸外収差を良好に補正することができる。条件式(5)の範囲を外れると、軸外収差の発生量が増加してしまい、良好な光学特性が得られなくなる可能性が生じる。このことについて、以下に説明する。
一般的に、光学系を設計する際は、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、及び倍率色収差などの軸外収差と、球面収差や軸上色収差などの軸上収差と、を補正することが求められる。しかし、通常の軸対称形状の屈折面を用いた場合、周辺画角(軸外)では軸外収差が大きく発生するため、光軸上(軸上)での光学性能が最も高くなり、それに対して周辺画角での光学性能は低下してしまう。
一方、点対称形状の屈折面は、光軸上から周辺画角にかけて略同等の形状を有するため、軸外収差の発生を抑え、周辺画角における光学性能の低下を抑制することができる。よって、点対称形状の屈折面を採用することで、補正すべき収差を球面収差、軸上色収差、ペッツバール像面などに限定することができるため、簡易な構成であっても諸収差を良好に補正することが可能になる。
このように、条件式(5)を満足する点対称形状の屈折面11を採用することで、F値を小さくしつつ、広画角にわたって高解像度かつ小型な光学系を実現することができる。このとき、点対称形状の屈折面11に起因して、第1群G1の結像面は湾曲してしまうが、第2群G2の反射面43により平面形状の像面IMGを形成することが可能になる。よって、撮像装置1000において、球面形状の撮像素子や導光手段を設ける必要が無くなるため、装置全体の小型化を実現することができる。
なお、第1群G1において、条件式(5)を満足する屈折面を複数設けてもよい。その場合にも、第1群G1における複数の屈折面のうち、少なくとも1つが条件式(5)を満たすように構成することで、本発明の効果を得ることができる。ただし、軸外収差を良好に補正するためには、本実施例のように、より開口絞りSTOから離れた屈折面、あるいは隣接する媒質との屈折率差が大きい屈折面、すなわち最も物体側の屈折面を点対称形状とすることが望ましい。
さらに、以下の条件式(5´)を満足することがより好ましい。本実施例では、|Rl|/Ll=1.237であるため、条件式(5)及び(5´)を満足する。
0.8≦|Rl|/Ll≦1.47 (5´)
0.8≦|Rl|/Ll≦1.47 (5´)
光学系100においては、開口絞りSTOと入射瞳(拡大側瞳)とが互いに近接するように構成することが望ましい。具体的には、開口絞りSTOと入射瞳との間隔をLp(mm)とするとき、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
−0.4≦Lp/f≦0.4 (6)
−0.4≦Lp/f≦0.4 (6)
条件式(6)を満足することにより、点対称形状の屈折面11に対して各画角の光線が垂直に近い角度で入射する、コンセントリックな構成とすることができるため、屈折面11により収差を補正し易くすることが可能になる。条件式(6)の上限値を上回ると、コンセントリックな構成から離れてしまい、屈折面11による効果が十分に得られなくなる可能性が生じる。本実施例では、Lp/f=0.115であるため、条件式(6)を満足する。
また、点対称形状の屈折面11に起因する軸上収差を良好に補正するためには、屈折面11よりも像側に、物体側に向かって凸形状の光学面を設けることが望ましい。そこで、本実施例では、第1光学素子L1と第2光学素子L2との接合面(第2面12及び第3面21)を、物体側に向かって凸形状としている。さらに、この構成においては、物体側に配置される第1光学素子L1のd線に対するアッベ数をνA、像側に配置される第2光学素子L2のd線に対するアッベ数をνB、とするとき、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
νA<νB (7)
νA<νB (7)
条件式(7)を満足することで、第1光学素子L1の屈折面11で発生する軸上色収差を、それと逆符号の軸上色収差を発生させることで良好に補正することができる。本実施例では、νA=19.3、νB=32.2であるため、条件式(7)を満足する。
さらに、物体側に配置される第1光学素子L1のd線に対する屈折率をNA、像側に配置される第2光学素子L2のd線に対する屈折率をNB、とするとき、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
NA>NB (8)
NA>NB (8)
条件式(8)を満足することで、第1光学素子L1の屈折面11で発生する球面収差を、それと逆符号の球面収差を発生させることで良好に補正することができる。本実施例では、NA=2.003、NB=1.673であるため、条件式(8)を満足する。
なお、光学系100において、第1光学素子L1の第1面11及び第4光学素子L4の第3面43は非球面である。本実施例では、第1光学素子L1の第1面11を非球面とすることで、第4光学素子L4の第3面43やその他の光学面の非点対称成分で発生するコマ収差の補正を行っている。また、第4光学素子L4の第3面43を非球面とすることで、この面の球面成分やその他の光学面の非点対称成分で発生する非点収差の補正を行っている。
ただし、本実施例における非球面形状の光学面の夫々は、光軸AX1を中心とした回転対称形状であり、以下の非球面式で表現される。
ここで、zは非球面形状の光軸方向のサグ量(mm)、cは光軸AX1上における曲率(1/mm)、kは円錐係数、hは光軸AX1からの半径方向の間隔(mm)、A,B,C,・・・の夫々は4次項,6次項,8次項,・・・の非球面係数、である。なお、この非球面式において、第1項はベース球面のサグ量を示しており、このベース球面の曲率半径はR=1/cである。また、第2項以降の項は、ベース球面上に付与される非球面成分のサグ量を示している。
本実施例に対応する数値実施例1の各データを表1乃至表4に示す。なお、表1における円錐定数k及び非球面係数A,B,C,・・・の各数値について、「E+N」は「×10N」を意味し、「E−N」は「×10−N」を意味している。
[数値実施例1]
表1は光学系100における各光学面の面データであり、表1において、rは曲率半径(mm)、dは面間隔(mm)、ndはd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数、を表す。ただし、面間隔は、光路に沿って像側に向かうときに正、物体側に向かうときに負、としている。表2は各光学面の面頂点の偏心データであり、表2において、x、y、zの夫々は、面番号1の光学面の面頂点を基準とした座標を表し、αはx軸周りの回転、βはy軸周りの回転、γはz軸周りの回転、を表す。
表3は撮像装置1000の各種データであり、表3において、Fnoは光学系100の絞り値(F値)を表す。表3に示すように、本実施例に係る撮像装置1000は、全長が31.84mmと小型な構成でありながら、ZX断面でのF値(水平Fno)が1.23と明るく、水平画角50°(±25°)、垂直画角34.5°(0°〜34.5°)の広い画角を有している。
図4は、本実施例に係る光学系100の収差図である。図4では、垂直画角34.50°、17.25°、0.000°における、656nm、587nm、486nm、435nm、の各波長の光に関する横収差を示している。図4から明らかなように、可視波長域(400〜700nm)において諸収差が良好に補正されている。
以上、本実施例に係る光学系100によれば、広画角かつ小型でありながら高い結像性能を実現することができる。
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る光学系200について説明する。本実施例に係る光学系200において、上述した実施例1に係る光学系100と同等の構成については説明を省略する。
以下、本発明の実施例2に係る光学系200について説明する。本実施例に係る光学系200において、上述した実施例1に係る光学系100と同等の構成については説明を省略する。
図5は、本実施例に係る光学系200の、光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。光学系200において、第1群G1は、物体側から順に、第1光学素子L1、第2光学素子L2、及び第3光学素子L3を有し、第2群G2は、物体側から順に、第4光学素子L4、第5光学素子L5、第6光学素子L6、及び第7光学素子CGを有する。
第1光学素子L1は両凸レンズ、第2光学素子L2は両凹レンズ、第3光学素子L3は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである。第5光学素子L5は、透過面である第1面51と、全反射面である第2面52と、凹形状の反射面である第3面53と、を含む反射屈折レンズである。第4光学素子L4及び第6光学素子L6は、両凸レンズである。本実施例に係る各光学素子は互いに接合されており、開口絞りSTOは第3光学素子L3と第4光学素子L4との接合面に配置されている。
図5において、不図示の物体からの光束は、第1光学素子L1、第2光学素子L2、及び第3光学素子L3を順に透過して、開口絞りSTOにより制限される。開口絞りSTOを通過した光束は、第4光学素子L4の第1面41及び第2面42、第5光学素子L5の第1面51を順に透過して、第5光学素子L5の第2面52に到達する。
第5光学素子L5の第2面52に入射する光束のうち、入射角が臨界角よりも大きい光束は、第2面52で全反射して物体側に進行方向を変え、再び第5光学素子L5の第1面51を透過する。その後、第6光学素子L6及び第7光学素子CGを順に透過し、平面形状の像面IMGを形成する。
実施例1と同様に、本実施例に対応する数値実施例2の各データを表4乃至表6に示す。
[数値実施例2]
表4に示すように、本実施例に係る光学系200において、第1光学素子L1の第1面11(面番号1)及び第5光学素子L5の第3面43(面番号7)は、非球面である。そして、表6に示すように、本実施例に係る光学系200は、全長が38.15mmと小型な構成でありながら、水平F値が1.39と明るく、水平画角±25°、垂直画角8〜42.5°の広い画角を有している。本実施例に係る光学系200は、条件式(1)に関して、S=4.81mm、f=17.12mmであるため、0.6f=10.27となり、条件式(1)を満足する。また、後述する表13に示すように、本実施例に係る光学系200は、上述した条件式(2)乃至(6)の全てを満足している。
なお、本実施例に係る第1群G1において、第2光学素子L2と第3光学素子L3との接合面は、物体側に向かって凸形状である。このとき、第3光学素子L3のアッベ数は第2光学素子L2のアッベ数よりも大きいため、光学素子の組合せが条件式(7)を満足する。また、第2光学素子L2の屈折率は第3光学素子L3の屈折率よりも高いため、各光学素子の組合せが条件式(8)を満足する。
図6は、本実施例に係る光学系200の収差図である。図6では、垂直画角42.50°、25.25°、8.00°における、656nm、587nm、486nm、435nm、の各波長の光に関する横収差を示している。図6から明らかなように、可視波長域において諸収差が良好に補正されている。
[実施例3]
以下、本発明の実施例3に係る光学系300について説明する。本実施例に係る光学系300において、上述した実施例1に係る光学系100と同等の構成については説明を省略する。
以下、本発明の実施例3に係る光学系300について説明する。本実施例に係る光学系300において、上述した実施例1に係る光学系100と同等の構成については説明を省略する。
図7は、本実施例に係る光学系300の、光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。光学系300において、第1群G1は、物体側から順に、第1光学素子L1、第2光学素子L2、及び第3光学素子L3を有し、第2群G2は、物体側から順に、第4光学素子L4、第5光学素子L5、第6光学素子L6、及び第7光学素子CGを有する。
第1光学素子L1及び第2光学素子L2は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ、第3光学素子L3は物体側に凸面を向けた平凸レンズである。第5光学素子L5は、透過面である第1面51と、全反射面である第2面52と、凹形状の反射面である第3面53と、を含む反射屈折レンズである。第4光学素子L4は像側に凸面を向けた平凸レンズ、第6光学素子L6は、両凸レンズである。本実施例に係る各光学素子は互いに接合されており、開口絞りSTOは第3光学素子L3と第4光学素子L4との接合面に配置されている。
図7において、不図示の物体からの光束は、第1光学素子L1、第2光学素子L2、及び第3光学素子L3を順に透過して、開口絞りSTOにより制限される。開口絞りSTOを通過した光束は、第4光学素子L4の第1面41及び第2面42、第5光学素子L5の第1面51を順に透過して、第5光学素子L5の第2面52に到達する。
第5光学素子L5の第2面52に入射する光束のうち、入射角が臨界角よりも大きい光束は、第2面52で全反射して物体側に進行方向を変え、再び第5光学素子L5の第1面51を透過する。その後、第6光学素子L6及び第7光学素子CGを順に透過し、平面形状の像面IMGを形成する。
実施例1と同様に、本実施例に対応する数値実施例3の各データを表7乃至表9に示す。
[数値実施例3]
表7に示すように、本実施例に係る光学系300において、第1光学素子L1の第1面11(面番号1)及び第5光学素子L5の第3面53(面番号7)は、非球面である。そして、表9に示すように、本実施例に係る光学系300は、全長が41.20mmと小型な構成でありながら、水平F値が1.5と明るく、水平画角50.0°、垂直画角34.5°の広い画角を有している。本実施例に係る光学系300は、条件式(1)に関して、S=10.09mm、f=18.35mmであるため、0.6f=11.01となり、条件式(1)を満足する。また、後述する表13に示すように、本実施例に係る光学系300は、上述した条件式(2)乃至(6)の全てを満足している。なお、本実施例に係る第1群G1においては、物体側に向かって凸形状の接合面を有する第2光学素子L2及び第3光学素子L3が条件式(7)及び(8)を満足する。
図8は、本実施例に係る光学系300の収差図である。図8では、垂直画角52.50°、35.25°、18.00°における、656nm、587nm、486nm、435nm、の各波長の光に関する横収差を示している。図8から明らかなように、可視波長域において諸収差が良好に補正されている。
[実施例4]
以下、本発明の実施例4に係る光学系400について説明する。本実施例に係る光学系400において、上述した実施例1に係る光学系400と同等の構成については説明を省略する。
以下、本発明の実施例4に係る光学系400について説明する。本実施例に係る光学系400において、上述した実施例1に係る光学系400と同等の構成については説明を省略する。
図9は、本実施例に係る光学系400の、光軸AX1を含むYZ断面における要部概略図である。光学系400において、第1群G1は、物体側から順に第1光学素子L1及び第2光学素子L2を有し、第2群G2は、物体側から順に、第3光学素子L3、第4光学素子L4、第5光学素子L5、及び第6光学素子CGを有する。
第1光学素子L1及び第2光学素子L2は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズである。第4光学素子L4は、透過面である第1面41と、全反射面である第2面42と、凹形状の反射面である第3面43と、を含む反射屈折レンズである。第3光学素子L3及び第5光学素子L5は、両凸レンズである。本実施例に係る各光学素子は互いに接合されており、開口絞りSTOは第2光学素子L2と第3光学素子L3との接合面に配置されている。
図9において、不図示の物体からの光束は、第1光学素子L1、第2光学素子L2を順に透過して、開口絞りSTOにより制限される。開口絞りSTOを通過した光束は、第3光学素子L3の第1面41及び第2面42、第4光学素子L4の第1面41を順に透過して、第4光学素子L4の第2面42に到達する。
第4光学素子L4の第2面42に入射する光束のうち、入射角が臨界角よりも大きい光束は、第2面42で全反射して物体側に進行方向を変え、再び第4光学素子L4の第1面41を透過する。その後、第5光学素子L5及び第6光学素子CGを順に透過し、平面形状の像面IMGを形成する。
実施例1と同様に、本実施例に対応する数値実施例4の各データを表10乃至表12に示す。
[数値実施例4]
表10に示すように、本実施例に係る光学系400において、第1光学素子L1の第1面11(面番号1)及び第4光学素子L4の第3面43(面番号6)は、非球面である。そして、表12に示すように、本実施例に係る光学系400は、全長が46.24mmと小型な構成でありながら、水平F値が1.5と明るく、水平画角±25°、垂直画角8〜42.5°の広い画角を有している。本実施例に係る光学系400は、条件式(1)に関して、S=3.17mm、f=13.54mmであるため、0.6f=8.12となり、条件式(1)を満足する。また、後述する表13に示すように、本実施例に係る光学系400は、上述した条件式(2)乃至(6)の全てを満足している。なお、本実施例に係る第1群G1においては、物体側に向かって凸形状の接合面を有する第1光学素子L1及び第2光学素子L2が条件式(7)及び(8)を満足する。
図10は、本実施例に係る光学系400の収差図である。図10では、垂直画角42.50°、25.25°、8.00°における、656nm、587nm、486nm、435nm、の各波長の光に関する横収差を示している。図10から明らかなように、可視波長域において諸収差が良好に補正されている。
上述した各実施例に係る撮像装置における条件式(2)乃至(6)の値を、以下の表13に示す。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
上述した各実施例において、第2群G2における凹形状の反射面は、光学素子に反射膜を設けることで構成された内部反射面であるが、これに限られるものではない。例えば、内部反射面の代わりに、表面反射面を有する別の光学素子(ミラーなど)を設けてもよい。
また、各実施例では、光学系を撮像光学系として撮像装置に適用した場合について説明したが、例えば、光学系を投影光学系として投影装置に適用してもよい。この場合、縮小面IMGの位置に液晶パネル(空間変調器)等の表示素子の表示面が配置される。ただし、光学系が投影装置に適用される場合は、物体側と像側とが反転して光路が逆向きになる。よって、縮小側が物体側、拡大側が像側、第1群G1が第2群G2、第2群G2が第1群G1、となり、各光学素子の入射面が出射面、出射面が入射面となる。
すなわち、物体側に配置された表示素子の表示面(縮小面)に表示される画像を、光学系により像側に配置されたスクリーン等の投影面(拡大面)に投影(結像)させる構成を採ることができる。この場合にも、光学系を撮像装置に適用した場合と同様に、各実施例における各条件式を満足することが望ましい。なお、条件式(1)乃至(3)について、撮像光学系における像点O’は、投影光学系における開口絞りの中心の全反射面に対する虚物点に対応する。また、条件式(6)について、撮像光学系における開口絞りの入射瞳(拡大側瞳)は、投影光学系における開口絞りの射出瞳(縮小側瞳)に対応する。
[車載カメラシステム]
図11は、本実施形態に係る車載カメラ10及びそれを備える車載カメラシステム(運転支援装置)600の構成図である。車載カメラシステム600は、自動車等の車両に設置され、車載カメラ10により取得した車両の周囲の画像情報に基づいて、車両の運転を支援するための装置である。図12は、車載カメラシステム600を備える車両700の概略図である。図12においては、車載カメラ10の撮像範囲50を車両700の前方に設定した場合を示しているが、撮像範囲50を車両700の後方に設定してもよい。
図11は、本実施形態に係る車載カメラ10及びそれを備える車載カメラシステム(運転支援装置)600の構成図である。車載カメラシステム600は、自動車等の車両に設置され、車載カメラ10により取得した車両の周囲の画像情報に基づいて、車両の運転を支援するための装置である。図12は、車載カメラシステム600を備える車両700の概略図である。図12においては、車載カメラ10の撮像範囲50を車両700の前方に設定した場合を示しているが、撮像範囲50を車両700の後方に設定してもよい。
図11に示すように、車載カメラシステム600は、車載カメラ10と、車両情報取得装置20と、制御装置(ECU:エレクトロニックコントロールユニット)30と、警報装置40と、を備える。また、車載カメラ10は、撮像部1と、画像処理部2と、視差算出部3と、距離算出部4と、衝突判定部5と、を備えている。撮像部1は、上述した何れかの実施例に係る光学系と、撮像面位相差センサと、を有する。なお、本実施形態に係る撮像面位相差センサ及び画像処理部2は、例えば、図1に示した実施例1に係る撮像装置1000が備える撮像素子110及び処理部130に対応する。
図13は、本実施形態に係る車載カメラシステム600の動作例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、車載カメラシステム600の動作を説明する。
まず、ステップS1では、撮像部1を用いて車両の周囲の対象物(被写体)を撮像し、複数の画像データ(視差画像データ)を取得する。
また、ステップS2では、車両情報取得装置20から車両情報の取得を行う。車両情報とは、車両の車速、ヨーレート、舵角などを含む情報である。
ステップS3では、撮像部1により取得された複数の画像データに対して、画像処理部2により画像処理を行う。具体的には、画像データにおけるエッジの量や方向、濃度値などの特徴量を解析する画像特徴解析を行う。ここで、画像特徴解析は、複数の画像データの夫々に対して行ってもよいし、複数の画像データのうち一部の画像データのみに対して行ってもよい。
ステップS4では、撮像部1により取得された複数の画像データ間の視差(像ズレ)情報を、視差算出部3によって算出する。視差情報の算出方法としては、SSDA法や面積相関法などの既知の方法を用いることができるため、本実施形態では説明を省略する。なお、ステップS2,S3,S4は、上記の順番に処理を行ってもよいし、互いに並列して処理を行ってもよい。
ステップS5では、撮像部1により撮像した対象物までの距離情報を、距離算出部4によって算出する。距離情報は、視差算出部3により算出された視差情報と、撮像部1の内部パラメータ及び外部パラメータと、に基づいて算出することができる。なお、ここでの距離情報とは、対象物までの距離、デフォーカス量、像ズレ量、などの対象物との相対位置に関する情報のことであり、画像内における対象物の距離値を直接的に表すものでも、距離値に対応する情報を間接的に表すものでもよい。
そして、ステップS6では、距離算出部4により算出された距離情報が予め設定された設定距離の範囲内に含まれるか否かの判定を、衝突判定部5によって行う。これにより、車両の周囲の設定距離内に障害物が存在するか否かを判定し、車両と障害物との衝突可能性を判定することができる。衝突判定部5は、設定距離内に障害物が存在する場合は衝突可能性ありと判定し(ステップS7)、設定距離内に障害物が存在しない場合は衝突可能性なしと判定する(ステップS8)。
次に、衝突判定部5は、衝突可能性ありと判定した場合(ステップS7)、その判定結果を制御装置30や警報装置40に対して通知する。このとき、制御装置30は、衝突判定部5での判定結果に基づいて車両を制御し、警報装置40は、衝突判定部5での判定結果に基づいて警報を発する。
例えば、制御装置30は、車両に対して、ブレーキをかける、アクセルを戻す、各輪に制動力を発生させる制御信号を生成してエンジンやモータの出力を抑制する、などの制御を行う。また、警報装置40は、車両のユーザ(運転者)に対して、音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与える、などの警告を行う。
以上、本実施形態に係る車載カメラシステム600によれば、上記の処理により、効果的に障害物の検知を行うことができ、車両と障害物との衝突を回避することが可能になる。特に、上述した各実施例に係る光学系を車載カメラシステム600に適用することで、車載カメラ10の全体を小型化して配置自由度を高めつつ、広画角にわたって障害物の検知及び衝突判定を行うことが可能になる。
ここで、本実施形態では、車載カメラ10が撮像面位相差センサを有する撮像部1を1つのみ備える構成について説明したが、これに限られず、車載カメラ10として撮像部を2つ備えるステレオカメラを採用してもよい。この場合、撮像面位相差センサを用いなくても、同期させた2つの撮像部の夫々によって画像データを同時に取得し、その2つの画像データを用いることで、上述したものと同様の処理を行うことができる。ただし、2つの撮像部による撮像時間の差異が既知であれば、2つの撮像部を同期させなくてもよい。
なお、距離情報の算出については、様々な実施形態が考えられる。一例として、撮像部1が有する撮像素子として、二次元アレイ状に規則的に配列された複数の画素部を有する瞳分割型の撮像素子を採用した場合について説明する。瞳分割型の撮像素子において、1つの画素部は、マイクロレンズと複数の光電変換部とから構成され、光学系の瞳における異なる領域を通過する一対の光束を受光し、対をなす画像データを各光電変換部から出力することができる。
そして、対をなす画像データ間の相関演算によって各領域の像ずれ量が算出され、距離算出部4により像ずれ量の分布を表す像ずれマップデータが算出される。あるいは、距離算出部4は、その像ずれ量をさらにデフォーカス量に換算し、デフォーカス量の分布(撮像画像の2次元平面上の分布)を表すデフォーカスマップデータを生成してもよい。また、距離算出部4は、デフォーカス量から変換される対象物までの距離の距離マップデータを取得してもよい。
上述したように、各実施例に係る光学系の垂直画角は、光軸AX1に対して片側にのみ設定されている。よって、各実施例に係る光学系を車載カメラ10に適用し、その車載カメラ10を車両に設置する場合は、光学系の光軸AX1が水平方向に対して非平行となるように配置することが望ましい。例えば、図2に示した実施例1に係る光学系100を採用する場合、光軸AX1を水平方向(Z方向)に対して上側に傾け、垂直画角の中心が水平方向に近づくように配置すればよい。あるいは、光学系100をX軸周りに180°回転(上下反転)させてから、光軸AX1が水平方向に対して下側に傾くように配置してもよい。これにより、車載カメラ10の撮像範囲を適切に設定することができる。
ただし、上述したように、光学系においては、軸上での光学性能が最も高く、それに対して周辺画角での光学性能は低下するため、注目する撮像対象物からの光が光学系における軸上付近を通過するように配置することがより好ましい。例えば、車載カメラ10によって道路上の標識や障害物などに注目する必要がある場合は、水平方向に対して上側(空側)よりも下側(地面側)の画角での光学性能を高めることが好ましい。このとき、実施例1に係る光学系100を採用する場合、上述したように光学系100を一旦上下反転させてから、光軸AX1を水平方向に対して下側に傾け、光軸AX1の近傍の画角が下側を向くように配置すればよい。
なお、本実施形態では、車載カメラシステム600を運転支援(衝突被害軽減)に適用したが、これに限られず、車載カメラシステム600をクルーズコントロール(全車速追従機能付を含む)や自動運転などに適用してもよい。また、車載カメラシステム600は、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。また、本実施形態に係る車載カメラ10、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
42 全反射面
43 反射面
100 光学系
G1 第1群
G2 第2群
STO 開口絞り
IMG 像面
43 反射面
100 光学系
G1 第1群
G2 第2群
STO 開口絞り
IMG 像面
Claims (18)
- 拡大側から順に、第1群、開口絞り、及び第2群を備える光学系であって、
前記第2群は、全反射面と、凹形状の反射面と、を含み、
前記開口絞りを通過した拡大側からの光は、前記全反射面で全反射した後、前記反射面で反射されて前記全反射面を透過しており、
前記反射面の曲率半径をRm(mm)、前記全反射面と前記反射面の面頂点との間隔をD(mm)、とし、前記第1群の光軸と前記全反射面との交点と前記開口絞りの中心の前記全反射面に対する像点とを結ぶ線上において、
T=|Rm|−D
なる式で表される距離Tだけ前記交点から離れた基準点と前記反射面の曲率中心との距離をS(mm)、全系の焦点距離をf(mm)、とするとき、
|S|≦0.6f
なる条件を満足することを特徴とする光学系。 - 前記像点から前記基準点までの距離をO´B(mm)、前記像点から前記反射面の曲率中心までの距離をO´C(mm)、とするとき、
−0.4≦(O´C−O´B)/f≦0.4
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。 - 前記像点及び前記基準点を結ぶ線と前記像点及び前記反射面の曲率中心を結ぶ線とがなす角度をθ(deg.)とするとき、
θ≦20
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。 - 前記開口絞りと前記反射面との間隔をLm(mm)とするとき、
1.5≦|Rm|/Lm≦7
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光学系。 - 前記第1群は、拡大側に向かって凸形状の屈折面を含み、該屈折面の曲率半径をRl(mm)、前記屈折面と前記開口絞りとの間隔をLl(mm)、とするとき、
0.7≦|Rl|/Ll≦1.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学系。 - 前記開口絞りと拡大側瞳との間隔をLp(mm)とするとき、
−0.2≦Lp/f≦0.2
なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学系。 - 前記第1群は、拡大側から順に配置された第1光学素子及び第2光学素子を有し、該第1光学素子及び第2光学素子は、互いに接合されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の光学系。
- 前記第1光学素子及び第2光学素子の接合面は、拡大側に向かって凸形状であることを特徴とする請求項7に記載の光学系。
- 前記第1光学素子のd線に対するアッベ数をνA、前記第2光学素子のd線に対するアッベ数をνB、とするとき、
νA<νB
なる条件を満足することを特徴とする請求項8に記載の光学系。 - 前記第1光学素子のd線に対する屈折率をNA、前記第2光学素子のd線に対する屈折率をNB、とするとき、
NA>NB
なる条件を満足することを特徴とする請求項8又は9に記載の光学系。 - 前記第1群の光軸と、該光軸及び前記全反射面の交点における法線とは、互いに非平行であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の光学系。
- 前記第1群は、光軸に対して回転対称であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の光学系。
- 物体を撮像する撮像素子と、該撮像素子の撮像面に前記物体を結像する光学系と、を備え、該光学系は請求項1乃至12の何れか1項に記載の光学系であることを特徴とする撮像装置。
- 物体の画像データを取得する撮像装置と、該画像データに基づいて前記物体までの距離情報を取得する距離算出部と、を備え、前記撮像装置は請求項13に記載の撮像装置であることを特徴とする車載カメラシステム。
- 前記距離情報に基づいて自車両と前記物体との衝突可能性を判定する衝突判定部を備えることを特徴とする請求項14に記載の車載カメラシステム。
- 前記自車両と前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記自車両の各輪に制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置を備えることを特徴とする請求項15に記載の車載カメラシステム。
- 前記自車両と前記物体との衝突可能性が有ると判定された場合に、前記自車両の運転者に対して警報を発する警報装置を備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の車載カメラシステム。
- 画像を表示する表示素子と、該表示素子の表示面を結像する光学系と、を備え、該光学系は請求項1乃至12の何れか1項に記載の光学系であることを特徴とする投影装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20220113535A1 (en) * | 2019-07-16 | 2022-04-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical apparatus, onboard system having the same, and mobile device |
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2017
- 2017-04-28 JP JP2017090585A patent/JP2018189747A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220113535A1 (en) * | 2019-07-16 | 2022-04-14 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical apparatus, onboard system having the same, and mobile device |
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