JP2018189112A - 遮断弁アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化しても大きな推力を得られる遮断弁アクチュエータを得る。
【解決手段】シャフト307およびマグネット305を備えたロータ304と、シャフト307を回転支持する玉軸受303と、ロータ304を回転可能に収容するロータケース302と、ロータ304の回転を軸方向の動きに変換するネジ機構と、弁部とネジ機構により軸方向に可動する可動プレート312からなる弁体300と、可動プレートの回転を防止するストッパーハウジング324と、弾性リング313を介してロータケース302に押し付けられた固着プレート310と、ロータケース302の内側に嵌合することで固定されたフロントハウジング311とを備え、フロントハウジング311の基部と玉軸受303とが径方向で隣接し、軸に垂直な方向から見て、マグネット305と玉軸受303とが重ならない位置にある流体の遮断弁アクチュエータ。
【選択図】図1

Description

本発明はステッピングモータを動力源とした遮断弁アクチュエータに関する。
従来、ガス遮断装置の遮断機構として使用される遮断弁として、ステッピングモータを動力源とした遮断弁が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平11−2351号公報 特開2014−231866号公報
しかしながら、特許文献1は、リア側軸受として機能するインナーブッシュ12がロータの内側に収納される構造のため、マグネットの体積を大きくすることができない。特許文献2は、ふた40とふた40の内側に装着した軸受39の一部がステータ36の内側に収納され、かつロータ43の内側に収納される構造のため、マグネットの体積を大きくすることができない。このため、特許文献1及び特許文献2ともに、ステータ径が規定された場合、ロータのマグネットの体積を増やすことができないため、モータの推力を大きくできない。
このような背景において、本発明は、小型化しても大きな推力を得られる遮断弁アクチュエータを得ることを目的とする。
本発明は、シャフトおよびロータマグネットを備えたロータと、前記シャフトを回転自在な状態で支持する軸受と、前記ロータを回転可能な状態で収容するロータケースと、前記ロータの回転を軸方向の動きに変換するネジ機構と、弁部と前記ネジ機構により軸方向に可動する可動プレートからなる弁体と、前記可動プレートの回転を防止しつつ前記可動プレートの軸方向への移動を許容するように前記可動プレートと係合した第1のハウジングと、前記第1のハウジングと軸方向で接触し、弾性リングを介して前記ロータケースに押し付けられたプレート部材と、前記第1のハウジングと軸方向で隣接し、前記ロータケースの内側に嵌合することで固定された第2のハウジングとを備え、前記第2のハウジングの基部と前記軸受とが径方向で隣接し、軸に垂直な方向から見て、前記ロータマグネットと前記軸受とが重ならない位置にある流体の遮断弁アクチュエータである。
本発明において、前記軸受は外周にフランジを備え、前記フランジに前記第2のハウジングが接触している態様は好ましい。また本発明において、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの間に隙間が設けられている態様は好ましい。
小型化しても大きな推力を得られる遮断弁アクチュエータが得られる。
実施形態の遮断弁アクチュエータを適用した実施形態を示す断面図である。 図1に示す遮断弁アクチュエータの平面図である。 図1に示す遮断弁アクチュエータの断面図である。
図1は、本発明を利用した遮断弁アクチュエータを適用した実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す遮断弁アクチュエータの平面図である。図3は、図1に示す遮断弁アクチュエータの断面図である。
(1)遮断弁アクチュエータの構造
図1には、発明を利用したガスの遮断装置が示されている。このガスの遮断装置は、遮断弁アクチュエータ100によって駆動される、遮断弁アクチュエータ100は、2相のPM型ステッピングモータを利用して構成されている。このPM型ステッピングモータは、ステータ301を備えている。ステータ301は、通常の2相のPM型ステッピングモータのステータと同じ構造である。
ステータ301は、ステータAとステータBにより構成されている。ステータAは、カップ状の外ヨーク401と円板状の内ヨーク402を備えている。外ヨーク401は中央に開口を有し、開口の周縁には軸方向に延伸する複数の極歯を有している。内ヨーク402は中央に開口を有し、開口の周縁には軸方向に延伸する複数の極歯を有している。外ヨーク401の極歯と内ヨーク402の極歯は周方向において、交互に隙間を有した状態で噛み合って配置されている。外ヨーク401の極歯と内ヨーク402の極歯の外側にはボビン403に巻回されたコイル404が配設されている。
ボビン403には端子台406が固定され、またボビン403には端子ピン405が埋め込まれている。端子ピン405は、外ヨーク401に形成された切欠部から外部に突出し、端子台406と端子台406上の回路基板407を貫通している。回路基板407上には、外部への接続端子となるコネクタ408が設けられている。コネクタ408は、プリント配線を介して端子ピン405に接続されている。
ステータBもステータAと同じ構造を有している。ステータAとステータBの内ヨーク同士を背中あわせで軸方向に当接した状態で、ステータAとステータBを樹脂で一体に形成してステータ301が構成される。ステータAとステータBを樹脂で一体に形成する際、樹脂にてステータB側にリアブラケット301aが同時に一体成形される。樹脂によるステータの一体形成については、例えば特開2004−169879号公報の段落「0067」に記載されている。
ステータAの上面にはフロントプレート309が配設されている。ステータAとステータBを樹脂で一体形成する際、ステータAの上面には複数の突起部323が樹脂で一体成形される。この突起部323をフロントプレート309に形成された貫通孔にそれぞれ挿通することで、フロントプレート309が位置決めされる。
ステータ301の内側には、金属材料(アルミ合金、非磁性ステンレス鋼、等)からなる有底カップ状のロータケース302が配置されている。有底カップ状のロータケース302は一方側が閉鎖され、底部で小径部が形成されており、他方側が開口部で、開口部の周縁は径外方に延在するフランジ部302aを備えている。ロータケース302の小径部の内側には玉軸受316が配置されている。
ロータケース302の内側には、ロータ304がロータケース302に対して回転自在な状態で配置されている。ロータ304は、スリーブ306とマグネット305とシャフト307から構成されている。スリーブ306の外側に円筒形状のマグネット305が装着されており、シャフト307にスリーブ306が固定されている。シャフト307の一方側(先端側)の外周面にはネジが形成され、リードスクリュー部308を形成している。マグネット305は周方向にN極S極が交互に多極着磁されている。
フロントプレートの309上面には固着プレート310が配設されている。固着プレート310は、中央に環状突起部を備え、中央には段付き孔を有している。段付き孔はフロントハウジング311が挿通する貫通孔と、貫通孔よりも大径の環状凹部を有している。固着プレート310をフロントプレート309の上面に載置し固着プレート310の環状突起部をフロントハウジング311の大径部の上面に密着配置し、固着プレート310をフロントプレート309にカシメ固定する。図2には、6カ所のカシメ位置321が示されている。このカシメ固定は、固着プレート310に形成した突起(図示せず)をフロントプレート309に形成した貫通孔(図示せず)に挿通し、フロントプレート309から突出した突起の先端を潰すことで行われる。
固着プレート310をフロントプレート309にカシメ固定した際、固着プレート310の環状凹部に配設した弾性リング(Oリング)313がフロントプレート309の上面に載置されたロータケース302のフランジ部302aと固着プレート310によって軸方向に押圧され、変形する。この弾性リング313の変形により、ロータケース302と固着プレート310との間がシールされる。固着プレート310には機器に取り付けるためのボルト(またはねじ)を挿通するための孔322(図2参照)が形成されている。図1および図3の構造では、機器を構成する筐体204に、ボルト孔322(図2参照)を利用してボルトによりシールドリング320を介して固着プレート310が固定されることで、当該機器への遮断弁アクチュエータ100の取り付けおよび固定が行われている。
フロントハウジング311は中空の円筒形状を有し、外周の一方端側(ロータ304の側)に基部となる大径部を有している。中空の一方端側の開放端(基部の内側)には玉軸受303が装着されている。玉軸受303は、外輪の外周にフランジ303aを備えている。フロントハウジング311は、ロータケース302の内側に圧入されて嵌合し、さらに玉軸受303のフランジ303aに軸方向で接触することで、ロータケース302の内側に固定されている。またこの構造により、フロントハウジング311とシャフト307との同軸が取られている。
フロントハウジング311の軸方向一方端(フロントハウジング311から見て、弁体300の側)には円筒形状を有するストッパーハウジング324が僅かな隙間(数μm〜数十μm程度)を介して配設されている。ストッパーハウジング324の中央に形成された段付き孔の大径部にフロントハウジング311が圧入されることで、フロントハウジング311にストッパーハウジング324が固定されている。この状態において、ストッパーハウジング324は、固着プレート310の上面に当接している。また、ストッパーハウジング324は、両端部を貫通する貫通孔を有しており、この貫通孔には弁体300の回転防止機構となるピン312aが軸方向に移動可能な状態で挿入されている。
弁体300は、可動プレート312と、可動プレート312に装着された弁ゴム315から構成されている。可動プレート312は、円板部とボス部を備えている。ボス部の中央には軸方向に延在する突起部312bを備え、突起部中央の内周にはネジ孔が設けられている。このネジ孔の雌ネジ構造がリードスクリュー部308と螺合している。また、可動プレート312の上記ボス部は軸方向に突出するピン312aが設けられている。このピン312aがストッパーハウジング324の貫通孔に挿通されることで弁体300の回転防止機構が構成されている。
ガス流路201が開放された状態から、弁体300を弁座203に向けて動かし、弁部を構成する弁ゴム315が弁座203に接触した際、可動プレート312がストッパーハウジング324を押し、その力は固着プレート310に伝わる。この際、フロントハウジング311とストッパーハウジング324とは、軸方向において、僅かに離間しているので、上記の力はフロントハウジング311には直接伝達されない。
シャフト307のリードスクリュー部308と可動プレート312のネジ孔が螺合することで、シャフト307に可動プレート312が取り付けられる。
シャフト307は、ロータケース302の小径部の内側に配置された玉軸受316と、フロントハウジング311の内側に配置された玉軸受303によって回転可能に支持されている。玉軸受316とスリーブ306との間、及び玉軸受303とスリーブ306との間には、摺動性を良くするためにそれぞれ樹脂製ワッシャ(ポリスライダー)317,318が介装されている。また、可動プレート312と固着プレート310の間にはコイルばね319が圧縮されて介装されている。このコイルばね319により、弁ゴム315が弁座203に当接してガス流路201を閉塞した状態において、弁ゴム315が弁座203に弾性的に押し付けられる。また、このコイルバネ319により、弁ゴム315が弁座203に当接していない状態において、可動プレート312とストッパーハウジング324との間に少し隙間が生じる。
(2)遮断弁アクチュエータの動作
異常時には、電池などの外部入力によってステータ301のコイル404に通電してロータ304を正回転させ、リードスクリュー部308を正回転させる。この際、可動プレート312に形成された回転防止機構となるピン312aがストッパーハウジング324の貫通孔に挿入されているため、リードスクリュー部308の回転が可動プレート312の直線運動に変換され、可動プレート312が弁座203の側に前進し、弁ゴム315が弁座203に当接することにより、ガス流路201が閉塞される。
上記の閉塞状態において、リードスクリュー部308を上記と逆の方向に回転させると、逆の動作が生じ、可動プレート312が弁座203から離れる方向に動き、弁ゴム315が弁座203から離れ、ガス流路201が開放される。
また、固着プレート310の環状凹部に配設した弾性リング(Oリング)313がフロントプレート309の上面に載置されたロータケース302のフランジ部302aと固着プレート310によって軸方向に押圧され、変形して、ロータケース302と固着プレート310との間がシールされている。このため、ロータケース302の内部には流体の圧力がかかるが、弾性リング(Oリング)313によって大気側との間の気密が確保される。
(3)特徴
以上述べたように、本実施形態の遮断弁アクチュエータは、シャフト307およびマグネット305を備えたロータ304と、シャフト307を回転自在な状態で支持する玉軸受303と、ロータ304を回転可能な状態で収容するロータケース302と、ロータ304の回転を軸方向の動きに変換するリードスクリュー部308と、弁ゴム315と、リードスクリュー部308により軸方向に可動する可動プレート312と、可動プレート312の回転を防止ししつつ可動プレート312の軸方向への移動を許容するように可動プレート312と係合したストッパーハウジング324と、ストッパーハウジング324と軸方向で接触し、弾性リング313を介してロータケース302に押し付けられた固着プレート310と、ストッパーハウジング324と軸方向で隣接し、ロータ304の内側に嵌合することで固定されたフロントハウジング311とを備え、フロントハウジング311の基部と軸受303とが径方向で隣接し、軸に垂直な方向から見て、マグネット305と軸受303とが重ならない位置にある。
ここで、特許文献2の遮断弁は、ふた40とふた40の内側に装着した軸受39の一部がステータ36の内側に入り込んで、かつロータ43の内側に入り込んでいる。これに対して、本実施形態においては、フロントハウジング311は中空の円筒形状を有し、中空の一方端側の開放端(基部となる大径部の内側)には玉軸受303が装着されている。
フロントハウジング311の上記一方端側の開放端となる部分(基部となる大径部)の内側に玉軸受303が装着され、フロントハウジング311の基部と玉軸受303とが径方向で隣接している。そして、玉軸受303の軸方向におけるロータ304側の端面の位置(軸方向における位置)は、フロントハウジング311の軸方向における端面の位置と略同じになっている。このため、フロントハウジング311及び玉軸受303はステータ301の内側にも、かつロータ304の内側にも入り込んでおらず、軸に垂直な方向から見て、マグネット305と玉軸受303とが重ならない位置にある。
この構造では、ステータ301の径が規定(限定)された場合でもマグネット305の体積を増やすことができるため、モータの推力を大きくできる。また、マグネット305の強度が上がり、マグネットの割れが生じ難くなる。
さらに、上記の実施形態では、弁体300を弁座203に接触させた際、弁体300(可動プレート312)がストッパーハウジング324に衝突する。大きな推力の駆動源を用いた場合、この衝突の際の衝撃は大きくなる。
本実施形態では、ストッパーハウジング324が固着プレート310に当接し、且つ、軸方向においてストッパーハウジング324とフロントハウジング311との間に僅かな隙間が設けられているので、上記の衝突に伴う衝撃は固着プレート310に主に伝播される。
フロントハウジング311は、ロータケース302に圧入され、また玉軸受303の外輪のフランジ303aで受け止められているが、大きな衝撃を伴う軸方向の力を受けることは、玉軸受303の損傷や変形、フロントハウジング311の圧入抜けを招く虞がある。しかしながら、本実施形態では、弁体300の後退に伴う衝撃は、固着プレート310で受け止められ、フロントハウジング311への衝撃が分散されるので、上記の玉軸受の損傷や変形、フロントハウジング311の圧入抜けの発生が抑制される。
特に、本実施形態では、遮断弁アクチュエータ100の駆動力が大きいので、上記の衝撃の悪影響が懸念されるが、上述したストッパーハウジング324で衝撃を受け止める構造とすることで、上記の玉軸受の損傷や変形、フロントハウジング311の圧入抜けの発生等の悪影響が抑制される。
100…遮断弁アクチュエータ、201…ガス流路、203…弁座、300…弁体、301…ステータ、301a…リアブラケット、302…ロータケース、302a…フランジ部、303…玉軸受、303a…フランジ、304…ロータ、305…マグネット、306…スリーブ、307…シャフト、308…リードスクリュー部、309…フロントプレート、310…固着プレート、311…フロントハウジング、312…可動プレート、312a…ピン、312b…突起部、313…弾性リング、315…弁ゴム、316…玉軸受、317,318…樹脂製ワッシャ、319…コイルばね、321…カシメ位置、322…孔、323…突起部、324…ストッパーハウジング、401…外ヨーク、402…内ヨーク、403…ボビン、404…コイル、405…端子ピン、406…端子台、407…回路基板、408…コネクタ。

Claims (3)

  1. シャフトおよびロータマグネットを備えたロータと、
    前記シャフトを回転自在な状態で支持する軸受と、
    前記ロータを回転可能な状態で収容するロータケースと、
    前記ロータの回転を軸方向の動きに変換するネジ機構と、
    弁部と前記ネジ機構により軸方向に可動する可動プレートからなる弁体と、
    前記可動プレートの回転を防止しつつ前記可動プレートの軸方向への移動を許容するように前記可動プレートと係合した第1のハウジングと、
    前記第1のハウジングと軸方向で接触し、弾性リングを介して前記ロータケースに押し付けられたプレート部材と、
    前記第1のハウジングと軸方向で隣接し、前記ロータケースの内側に嵌合することで固定された第2のハウジングと
    を備え、
    前記第2のハウジングの基部と前記軸受とが径方向で隣接し、
    軸に垂直な方向から見て、前記ロータマグネットと前記軸受とが重ならない位置にある流体の遮断弁アクチュエータ。
  2. 前記軸受は外周にフランジを備え、
    前記フランジに前記第2のハウジングが接触している請求項1または2に記載の流体の遮断弁アクチュエータ。
  3. 前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの間に隙間が設けられている請求項1または2に記載の流体の遮断弁アクチュエータ。

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