JP2018189040A - ファン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インタークーラにおける空気の冷却効率を向上させる。【解決手段】インタークーラに流入する空気の温度に基づいて、インタークーラを冷却するファンの目標回転数を決定する目標決定部123と、目標回転数に基づいて、ファンを回転させるファン回転部124と、を備える。また、ファン制御装置1は、ラジエータの液温に基づいて、ファンの回転数のベース値を決定するベース値決定部121と、空気の温度に基づいて、補正係数を決定する補正係数決定部122とをさらに備え、目標決定部123は、ベース値と補正係数との積を目標回転数として求めてもよい。【選択図】図2
Description
本発明は、ファン制御装置に関し、より詳しくは、インタークーラを冷却するためのファンを制御するファン制御装置に関する。
従来の車両の冷却システムでは、インタークーラ、ラジエータ及びファンを走行方向に沿って直列となるように配置し、ファンからの送風によりインタークーラ及びラジエータを冷却していた(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載の装置では、ラジエータを主に冷却するためのファンを用いてインタークーラを冷却していたため、ラジエータの冷却液の液温が低い状態では、コンプレッサからインタークーラに高温の空気が流入していたとしても、ファンが回転しなかった。このため、インタークーラに高温の空気が流入した場合には、この高温の空気がインタークーラ内で十分に冷却されることなくエンジンに吸気され、エンジン排気中の窒素酸化物の増加を引き起こすという問題があった。
そこで、本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、インタークーラにおける空気の冷却効率を向上させることができるファン制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様のファン制御装置は、インタークーラに流入する空気の温度に基づいて、前記インタークーラを冷却するファンの目標回転数を決定する目標決定部と、前記目標回転数に基づいて、前記ファンを回転させるファン回転部と、を備える。
前記ファン制御装置は、ラジエータの液温に基づいて、前記ファンの回転数のベース値を決定するベース値決定部と、前記空気の温度に基づいて、補正係数を決定する補正係数決定部とをさらに備え、前記目標決定部は、前記ベース値と前記補正係数との積を前記目標回転数として求めてもよい。
前記補正係数決定部は、前記空気の温度が所定の閾値より大きい場合に、前記空気の温度の上昇に対する前記補正係数の増加の割合を大きくしてもよい。
前記ファン回転部は、前記目標回転数に基づいて、エンジン回転数に対する前記ファンの回転数の比を変更してもよい。
本発明によれば、インタークーラにおける空気の冷却効率を向上させることができるという効果を奏する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のファン制御装置1を搭載した車両Sの構成を示す図である。車両Sは、ファン制御装置1、ラジエータ2、インタークーラ3、ファン4、コンプレッサ5、エンジン6及び温度センサ7を備える。ラジエータ2は、冷却液を循環させるためのチューブによりエンジン6と連結している。ラジエータ2は、ファン4による送風又は外気により、エンジン6を循環する冷却液を冷却する。ラジエータ2内には、冷却液の温度を測定するための図示しない温度センサが配置されており、この温度センサは、冷却液の温度を示す液温測定信号をファン制御装置1に入力する。
図1は、第1の実施形態のファン制御装置1を搭載した車両Sの構成を示す図である。車両Sは、ファン制御装置1、ラジエータ2、インタークーラ3、ファン4、コンプレッサ5、エンジン6及び温度センサ7を備える。ラジエータ2は、冷却液を循環させるためのチューブによりエンジン6と連結している。ラジエータ2は、ファン4による送風又は外気により、エンジン6を循環する冷却液を冷却する。ラジエータ2内には、冷却液の温度を測定するための図示しない温度センサが配置されており、この温度センサは、冷却液の温度を示す液温測定信号をファン制御装置1に入力する。
コンプレッサ5は、エンジン出力を高めるために、エンジン6に吸入される空気を圧縮する。例えば、コンプレッサ5は、エンジン6の回転数が高く、かつ、高トルクが要求される状態では、エンジン6に吸入される空気をより高い圧縮率で圧縮する。コンプレッサ5が圧縮した空気は高温になり、エンジン6がこの高温の空気を吸気すると、エンジン6の排気において窒素酸化物が増加する可能性がある。そこで、インタークーラ3は、ファン4による送風又は外気により、コンプレッサ5が圧縮した空気を空冷する。インタークーラ3が、エンジン6に吸気される空気を冷却することにより、エンジン6の排気において窒素酸化物が増加することを抑制することができる。
ファン4は、ラジエータ2及びインタークーラ3を送風により冷却する。本実施形態の例では、エンジン6の回転出力の一部がファン4に伝達され、ファン4は、この出力により回転する。エンジン6は、燃料を燃焼させることにより、車両Sを走行させるための駆動力を発生させる。エンジン6は、インタークーラ3が冷却した空気を吸気し、燃料を燃焼させた後の排気を放出する。温度センサ7は、インタークーラ3に流入する空気の温度を測定する。温度センサ7は、コンプレッサ5において圧縮された空気をインタークーラ3へ送出する管に配置され、例えば、コンプレッサ5の出口付近に配置される。温度センサ7は、インタークーラ3に流入する空気の温度を示す空気温度測定信号をファン制御装置1に入力する。
ファン制御装置1は、ファン4を制御するための制御信号を生成する。より詳しくは、ファン制御装置1は、ラジエータ2内の温度センサが測定した冷却液の温度と、温度センサ7が測定した空気の温度とに基づいて、ファン4の回転数を制御する。このような構成を採用することにより、インタークーラ3に流入する空気が高温となる場合に、ファン制御装置1は、ファン4の回転数を増加させることにより、インタークーラ3の冷却効率を向上させることができる。
図2は、ファン制御装置1の構成を示す図である。ファン制御装置1は、記憶部11及び制御部12を有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶している。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、ベース値決定部121、補正係数決定部122、目標決定部123及びファン回転部124として機能する。
ベース値決定部121は、ラジエータ2内の温度センサからの液温測定信号に基づいて、ファン4の回転数のベース値を決定する。ベース値は、目標決定部123がファン4の目標回転数を決定するための基準となる回転数の値である。図示しないウォータポンプが冷却液を循環させることによりエンジン6を冷却するが、冷却液の温度が高い状態では、エンジン6を冷却する効率は低下する。例えば、車速が低い状態では、ラジエータ2が外気によって冷却液を十分に冷却することができないため、冷却液の温度が高くなりやすい。このため、ベース値決定部121は、ラジエータ2における冷却液の冷却の効率を向上させることを目的として、冷却液の温度が高くなるほどベース値がより高い値となるように、ベース値を決定する。
補正係数決定部122は、温度センサ7からの空気温度測定信号に基づいて、補正係数を決定する。補正係数は、ファン4の回転数のベース値を補正するための値である。図3のグラフを参照して、補正係数決定部122の動作について説明する。図3の縦軸は補正係数を示し、図3の横軸は温度センサ7が測定したコンプレッサ5による圧縮空気の温度を示す。図3のグラフの傾きは、空気の温度の上昇に対する補正係数の増加の割合を示す。
図3に示すように、補正係数決定部122は、空気の温度が所定の閾値Tn以下の場合には、補正係数を1.0で一定とする。一方、補正係数決定部122は、空気の温度が所定の閾値Tnを超える場合には、空気の温度が閾値Tn以下となる領域に比べてグラフの傾きを大きくする。例えば、補正係数決定部122は、空気の温度が所定の閾値Tnを超える場合には、空気の温度が増加するにつれて補正係数を大きくする。
コンプレッサ5は、エンジン6の回転数が高く、かつ、高トルクが要求される状態では、エンジン6に吸入される空気をより高い圧縮率で圧縮するため、空気の温度が閾値Tnよりも高くなる。補正係数決定部122は、空気の温度を閾値Tnと比較することにより、インタークーラ3をファン4により冷却する必要があることを検出しており、空気の温度が閾値Tnよりも高くなるにつれて、より高い補正係数を割り当てる。一例としては、空気の温度が閾値Tnよりも大きい場合のグラフの傾きは、0より大きい一定値であるがこれに限られず、単調増加であればよい。
閾値Tnは、ファン4の送風によるインタークーラ3の冷却が必要な状態の空気の温度の下限値である。閾値Tn及びグラフの傾きは、例えば、ファン4を用いないと仮定した場合におけるエンジン6の排気中の窒素酸化物の増加の有無又は程度、ファン4によって生じる騒音、及び、ファン4がエンジン6の出力を利用することによる燃費への影響を考慮して適宜決定することができる。
図2の説明に戻る。目標決定部123は、温度センサ7からの空気温度測定信号と、ラジエータ2内の温度センサからの液温測定信号とに基づいて、ファン4の目標回転数を決定する。例えば、目標決定部123は、ベース値決定部121が決定したベース値と、補正係数決定部122が決定した補正係数との積を目標回転数として求める。
例えば、ベース値決定部121がラジエータ2内の冷却液の温度が50℃である状態においてエンジン回転数の50%に相当するベース値を決定し、かつ、補正係数決定部122が補正係数を1.5倍として決定したとする。このとき、目標決定部123は、ベース値に補正係数を乗じた値を目標回転数とするので、エンジン回転数の50%に相当するベース値に補正係数として1.5倍を乗じることにより、エンジン回転数の75%に相当する回転数を目標回転数として算出する。なお、目標決定部123は、ベース値と補正係数との積に対し、さらに別の係数を乗じた値を目標回転数とする構成であってもよい。
ファン回転部124は、目標決定部123が決定した目標回転数に基づいて、ファン4を回転させるための制御信号を生成する。本実施の形態では、車両Sでは、ファンプーリに取り付けられたベルトによりエンジン6の回転出力をファンプーリに伝達し、さらに、流体継手を介してファンプーリの回転をファン4に伝達する。ファン回転部124は、流体継手におけるオイル分配を調整することにより、流体継手の滑りを制御する。このため、ファン回転部124は、エンジン6の回転数に対するファン4の回転数の比を変更することにより、任意の回転数でファン4を回転させることが可能である。ファン回転部124は、目標決定部123が決定した目標回転数とファン4の回転数とが一致するように、流体継手におけるオイル分配を調整することを指示する制御信号を生成し、流体継手に入力する。
このような構成を採用することにより、ファン回転部124は、任意の回転数でファン4を回転させることが可能であるため、ファン4の回転数が固定でファン4のオンオフのみを切り替える構成と比べて、ファン4のオンオフの切り替えの頻度を小さくすることができる。また、ファン4の回転数が固定でファン4のオンオフのみを切り替える構成と比べて、ファン4の動作時のファン4の回転数を小さくすることができるので、ファン4による騒音及びエンジン6の出力を利用することに伴う燃費の低下を抑制することができる。
図4は、ファン制御装置1の動作を示すフローチャートである。この処理手順は、運転手が車両Sのイグニッションスイッチのオン操作を行ったときに開始される。まず、ラジエータ2内の温度センサは、エンジン6を循環する冷却液の温度を測定する。ベース値決定部121は、ラジエータ2内の温度センサが測定した冷却液の温度を取得する(S1)。次に、温度センサ7は、インタークーラ3に流入する空気の温度を測定する。補正係数決定部122は、温度センサ7が測定した空気の温度を取得する(S2)。
さらに、ベース値決定部121は、ラジエータ2内の温度センサから取得した冷却液の温度に基づいて、ファン4の回転数のベース値を決定する(S3)。補正係数決定部122は、温度センサ7から取得した空気の温度に基づいて、補正係数を決定する(S4)。目標決定部123は、ベース値決定部121が決定したベース値と、補正係数決定部122が決定した補正係数との積を目標回転数として算出する(S5)。ファン回転部124は、目標決定部123が決定した目標回転数にファン4の回転数が一致するように、エンジン6の回転数に対するファン4の回転数の比を変更し(S6)、処理を終了する。
本実施の態様によれば、目標決定部123は、インタークーラ3に流入する空気の温度に基づいて、インタークーラ3を冷却するファン4の目標回転数を決定する。このため、目標決定部123は、インタークーラ3に高温の空気が流入する場合には、ファン4の目標回転数を大きくすることにより、インタークーラ3の冷却効率を向上させることができる。したがって、目標決定部123は、エンジン6が高温の空気を吸気することを抑制するので、エンジン6の排気中に窒素酸化物が増大することを抑制することができる。
また、本実施の態様によれば、目標決定部123は、ラジエータ2の液温と、インタークーラ3に流入する空気の温度との両方に基づいて、ファン4の目標回転数を決定する。このため、ファン4は、ラジエータ2とインタークーラ3との両方の冷却効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、ファン4が、ラジエータ2とインタークーラ3との両方を冷却する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、ラジエータ2を冷却するためのファンと、インタークーラ3を冷却するためのファンをそれぞれ車両Sに配置する構成であってもよい。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、温度センサ7が、コンプレッサ5において圧縮された空気をインタークーラ3へ送出する管内に配置される場合の例について説明した。これに対し、本実施形態では、温度センサがインタークーラ3で冷却した空気をエンジン6に送出する管内に配置される場合の例について説明する。
第1の実施形態では、温度センサ7が、コンプレッサ5において圧縮された空気をインタークーラ3へ送出する管内に配置される場合の例について説明した。これに対し、本実施形態では、温度センサがインタークーラ3で冷却した空気をエンジン6に送出する管内に配置される場合の例について説明する。
本実施形態では、図示しない温度センサが、インタークーラ3で冷却した空気をエンジン6に送出する管内に配置される。この温度センサは、例えば、インタークーラ3の出口付近に配置される。また、補正係数決定部122は、温度センサが測定した空気の温度に基づいて、補正係数を決定するフィードバック制御を行う。例えば、補正係数決定部122は、インタークーラ3による冷却後の空気の温度を閾値と比較する。この閾値は、エンジン6に吸入された空気がエンジン6の排気中において窒素酸化物を増加させない空気の温度の上限値である。補正係数決定部122は、空気の温度が閾値より高い場合に、補正係数を増加させる。一方、補正係数決定部122は、空気の温度が閾値以下である場合に、補正係数を増加させない。
インタークーラ3に高温の空気が流入する場合であっても、例えば、インタークーラ3が外気の影響により空気を十分に冷却できることがある。本実施の形態では、補正係数決定部122が、インタークーラ3による冷却後の空気の温度に基づいて、補正係数を決定するので、ファン4の回転数の増大による燃費の低下及び騒音をより精度よく抑制することができる。
なお、第1及び第2の実施形態では、温度センサが、コンプレッサ5において圧縮された空気をインタークーラ3へ送出する管内、又はインタークーラ3で冷却した空気をエンジン6に送出する管内にそれぞれ配置される例について説明した。しかしながら、本発明はこれらの例に限定されず、例えば、温度センサをインタークーラ3内に配置する構成であってもよい。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施形態は、以上の実施形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施形態も、本発明の実施形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施形態の効果は、もとの実施形態の効果を合わせ持つ。
1 ファン制御装置
2 ラジエータ
3 インタークーラ
4 ファン
5 コンプレッサ
6 エンジン
7 温度センサ
11 記憶部
12 制御部
121 ベース値決定部
122 補正係数決定部
123 目標決定部
124 ファン回転部
S 車両
Tn 閾値
2 ラジエータ
3 インタークーラ
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121 ベース値決定部
122 補正係数決定部
123 目標決定部
124 ファン回転部
S 車両
Tn 閾値
Claims (4)
- インタークーラに流入する空気の温度に基づいて、前記インタークーラを冷却するファンの目標回転数を決定する目標決定部と、
前記目標回転数に基づいて、前記ファンを回転させるファン回転部と、
を備える、ファン制御装置。 - ラジエータの液温に基づいて、前記ファンの回転数のベース値を決定するベース値決定部と、
前記空気の温度に基づいて、補正係数を決定する補正係数決定部とをさらに備え、
前記目標決定部は、前記ベース値と前記補正係数との積を前記目標回転数として求める、
請求項1に記載のファン制御装置。 - 前記補正係数決定部は、前記空気の温度が所定の閾値より大きい場合に、前記空気の温度の上昇に対する前記補正係数の増加の割合を大きくする、
請求項2に記載のファン制御装置。 - 前記ファン回転部は、前記目標回転数に基づいて、エンジン回転数に対する前記ファンの回転数の比を変更する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のファン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017093109A JP2018189040A (ja) | 2017-05-09 | 2017-05-09 | ファン制御装置 |
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- 2017-05-09 JP JP2017093109A patent/JP2018189040A/ja active Pending
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