JP2004108304A - 作業用機械における冷却ファン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジエータ、オイルクーラー、アフタークーラー等を冷却する冷却ファンを、強冷却を必要とする場合にも必要としない場合にも対応できるように構成すると共に、該冷却ファンの制御を簡単にして実用化を計る。
【解決手段】冷却ファンにより冷却するエンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度を検出し、該検出温度が標準設定温度以下の場合は、冷却ファンの回転速度を標準回転速度となるように制御する一方、検出温度が標準設定温度を越えた場合は、ファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御し、さらに検出温度が上限設定温度に達した場合には、ファン回転速度が最大回転速度となるように制御する構成にした。
【選択図】 図2
【解決手段】冷却ファンにより冷却するエンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度を検出し、該検出温度が標準設定温度以下の場合は、冷却ファンの回転速度を標準回転速度となるように制御する一方、検出温度が標準設定温度を越えた場合は、ファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御し、さらに検出温度が上限設定温度に達した場合には、ファン回転速度が最大回転速度となるように制御する構成にした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の作業用機械における冷却ファン制御装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の作業用機械には、エンジンを冷却するためのラジエータ、作動油を冷却するためのオイルクーラー、あるいはターボチャージャで生じる圧縮されたエンジン吸入空気を冷却するためのアフタークーラー等の各種冷却装置が搭載されるが、これら冷却装置に冷却風を流すための冷却ファンとしては、従来、エンジンに直結されていてエンジン回転速度に比例したファン回転速度で回転するように構成されたものや、エンジンとは別置きに配設されて専用のモータ(油圧モータあるいは電動モータ)の駆動で回転するように構成されたもの等が知られている。しかしながら、これらの冷却ファンは、エンジン冷却水や作動油等の温度に拘わらず、エンジン回転速度に比例する回転速度、あるいは予め設定された一定回転速度で回転するように構成されていたから、酷暑地や寒冷地における外気温の高低や、作業継続時間による作動油温変化等に対応させて冷却ファンの冷却強度を変えることができなかった。このため、例えば外気温が50度以上の酷暑地で使用される酷暑仕様の作業機械には、高温の外気温に対応するべく回転速度の速い冷却ファンが搭載されるが、この様な酷暑仕様の作業機械を外気温が低いときに使用すると、必要以上の冷却がなされる許りか、エンジン出力も無駄に消費され、さらに冷却ファンによる騒音も常に一定レベル以上となる。また、標準仕様の作業機械と前述した酷暑仕様の作業機械では、回転速度が異なるように設定された冷却ファンをそれぞれ用意する必要があり、製造コストの抑制や製品管理の簡略化の妨げになる。
そこで、エンジン冷却水や作動油等の被冷却流体の温度を検出し、該検出温度が予め設定された目標温度となるように冷却ファンの回転速度を制御するように構成したものが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−110560号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記特許文献1に示されたものは、各被冷却流体の検出温度に基づいてファン目標回転速度を決定するために、さらに被冷却流体が複数である場合には総合目標回転速度を決定するために、コントローラに組込まれた比例積分制御器等による数段階の制御が必要であり、制御が複雑となってソフトの作成が難しいという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、被冷却流体を冷却ファンで冷却するように構成してなる作業用機械において、前記被冷却流体の温度を検出し、該被冷却流体の温度が冷却流体に対して予め設定される標準設定温度以下の場合は、冷却ファンの回転速度を予め設定される標準回転速度となるように制御する一方、被冷却流体の温度が前記標準設定温度を越えた場合は、ファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御し、さらに被冷却流体の温度が予め設定される上限設定温度に達した場合には、ファン回転速度が予め設定される最大回転速度となるように制御する構成にしたものである。
そして、この様にすることにより、被冷却流体の温度に対応して冷却ファンの回転速度が可変制御されることになって、冷却ファンの強冷却を必要としない場合には、無駄な過剰冷却を回避し得ると共に、省エネルギー、騒音の抑制に寄与できる一方、強冷却を必要とする場合には、冷却ファンの回転速度が上昇して被冷却流体を効率よく冷却できる。しかも、この冷却ファンの回転速度制御は簡単であって、比例積分制御器等による複雑な制御は不要であり、容易に実用化できる。
このものにおいて、被冷却流体の温度が標準設定温度を越えて上限設定温度に達するまでは、被冷却流体の温度上昇に伴い冷却ファンの回転速度を漸次上昇せしめるように構成ことにより、被冷却流体の温度上昇に対応した細かな制御を行うことができる。
また、冷却ファンで冷却される被冷却流体が複数の場合、それぞれの被冷却流体に対応して標準設定温度および上限設定温度を設定する一方、全ての被冷却流体の温度が標準設定温度以下の場合には冷却ファンの回転速度を標準回転速度となるように制御し、何れかの被冷却流体の温度が標準設定温度を越えた場合にはファン回転速度を標準回転速度よりも上昇せしめる制御を行い、さらに何れかの被冷却流体の温度が上限設定温度に達した場合にはファン回転速度が最大回転速度となるように制御する構成にすることができる。
さらにこれらのものにおいて、被冷却流体の温度が上限設定温度を越えると、オーバーヒートの警告を発する警告手段を設けることにより、オペレータがオーバーヒートの惧れがあることを認識し得て、必要な点検、処置を施すことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベル等の作業用機械の動力源となるエンジン、2は作業機械に設けられる各種油圧アクチュエータに作動油を供給するためのメインポンプ、3はエンジン冷却水を冷却するためのラジエータ、4は作動油を冷却するためのオイルクーラー、5はターボチャージャ(図示せず)で圧縮されたエンジン吸入空気を冷却するためのアフタークーラーである。
【0007】
さらに、6は上記ラジエータ3、オイルクーラー4、アフタークーラー5に冷却風を流すための冷却ファンであって、該冷却ファン6は、ファン用モータ7の駆動により回転する。
【0008】
前記ファン用モータ7の駆動は、ファン用ポンプ8からの圧油供給に基づいて行われるが、このファン用ポンプ8は可変容量型ポンプであって、入力信号を電気信号とし出力信号を油圧信号とする電油変換弁9を備えている。そして、該電油変換弁9から出力された油圧信号によりファン用ポンプ8の吐出流量を可変制御することで、ファン用モータ7の回転速度、即ち冷却ファン6の回転速度を可変制御できるように構成されている。
【0009】
一方、10は冷却水温度検出センサであって、該冷却水温度検出センサ10は、ラジエータ3の上流側に配されていてエンジン冷却水の温度を検出する。また、11は作動油温度検出センサであって、該作動油温度検出センサ11は、オイルクーラー4の上流側に配されていて作動油の温度を検出する。さらに、12は吸気温度検出センサであって、該吸気温度検出センサ12は、アフタークーラー5の上流側に配されていてターボチャージャ(図示せず)で圧縮されたエンジン吸入空気の温度を検出する。そして、これら各温度検出センサ10、11、12は、コントローラ13の信号入力部に接続される一方、コントローラ13の信号出力部には、前記電油変換弁9の信号入力部が接続されている。
【0010】
前記コントローラ13は、各温度検出センサ10、11、12から入力される検出温度に基づき、電油変換弁9に制御信号を出力して冷却ファン6の回転速度制御を行うが、該冷却ファン6の回転速度制御について、図2のグラフ図に基づいて以下に説明する。
【0011】
まず、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される全ての検出温度が予め設定される標準設定温度以下である場合、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度が予め設定される標準回転速度となるように制御する。
【0012】
ここで、標準設定温度は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気に対して各々設定されていて、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気が該標準設定温度以下の場合には、冷却ファン6による冷却が充分になされているとみなすことができる。また、標準回転速度は、外気温が常温のときに、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度を前記標準設定温度以下に保持することができるファン回転速度として設定される。
【0013】
一方、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が前記標準設定温度を越えた場合、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度を前記標準回転速度よりも上昇せしめるように制御する。この場合、本実施の形態では、図2のグラフ図に示す如く、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度上昇に伴い、冷却ファン6の回転速度が比例的に上昇するように制御されるが、これに限定されるものではない。
【0014】
さらに、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が予め設定される上限設定温度に達した場合には、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度が最大回転速度となるように制御する。
【0015】
ここで、上限設定温度は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気に対して各々設定される温度であって、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気が上限設定温度に達した場合には、冷却ファン6による冷却を最大に行う必要があるとみなすことができる。また、最大回転速度は、ファン用ポンプ8の吐出流量を最大にしたときの冷却ファン6の回転速度であって、該最大回転速度のときの冷却ファン6の冷却強度は、例えば外気温50度以上の酷暑地で作業機械を運転させる場合にも充分に対応できるように設定されている。
【0016】
またさらに、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が予め設定される上限設定温度を越えた場合には、コントローラ13は、運転室に配設されたワーニングランプ等の警告手段14に、警告発令の制御指令を出力する。これによりオペレータは、オーバーヒートの惧れがあることを認識し得て、必要な点検、処置を施すことができる。
【0017】
叙述の如く構成されたものにおいて、ラジエータ3、オイルクーラー4およびアフタークーラー5を冷却するための冷却ファン6は、各温度センサ10、11、12から入力されるエンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の検出温度に基づいて回転速度が可変制御されるが、この場合、上記検出温度の全てが標準設定温度以下の場合には冷却ファン6の回転速度が標準回転速度になるように制御され、何れかの検出温度が標準設定温度を越えた場合にはファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御され、さらに何れかの検出温度が上限設定温度に達した場合にはファン回転速度が最大回転速度となるように制御される。
【0018】
この結果、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度に対応して冷却ファン6の回転速度が可変制御されることになって、作業開始時や外気温が低い場所で作業する場合等、冷却ファン6の強冷却を必要としない場合には、無駄な過剰冷却を回避し得ると共に、省エネルギー、騒音の抑制に寄与できる。一方、酷暑地で作業する場合等、冷却ファン6の強冷却を必要とする場合には、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度上昇に対応して冷却ファン6の回転速度が上昇し、ラジエータ3、オイルクーラー4およびアフタークーラー5を効率よく冷却できる。さらにこの冷却ファン6は、標準仕様の作業機械にも酷暑仕様の作業機械にも共通して用いることができるから、製品管理の簡略化に寄与できる。
【0019】
しかも、前記冷却ファン6の回転速度の可変制御は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度が予め設定される標準設定温度および上限設定温度に対して高いか低いかの判別に基づき、ファン回転速度を標準回転速度から最大ファン回転速度まで調節するだけであるから、比例積分制御器等による複雑な制御は不要であって、ソフトの作成も簡単であり、容易に実用化できる。
【0020】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、冷却ファンで冷却される被冷却流体としては、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気のうち何れか一種あるいは二種だけでも良く、また、空調装置の冷却溶媒等の他の被冷却流体にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却ファン制御装置を示すブロック図である。
【図2】エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度と冷却ファンの回転速度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
3 ラジエータ
4 オイルクーラー
5 アフタークーラー
6 冷却ファン
10 冷却水温度検出センサ
11 作動油温度検出センサ
12 吸気温度検出センサ
13 コントローラ
14 警告手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の作業用機械における冷却ファン制御装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の作業用機械には、エンジンを冷却するためのラジエータ、作動油を冷却するためのオイルクーラー、あるいはターボチャージャで生じる圧縮されたエンジン吸入空気を冷却するためのアフタークーラー等の各種冷却装置が搭載されるが、これら冷却装置に冷却風を流すための冷却ファンとしては、従来、エンジンに直結されていてエンジン回転速度に比例したファン回転速度で回転するように構成されたものや、エンジンとは別置きに配設されて専用のモータ(油圧モータあるいは電動モータ)の駆動で回転するように構成されたもの等が知られている。しかしながら、これらの冷却ファンは、エンジン冷却水や作動油等の温度に拘わらず、エンジン回転速度に比例する回転速度、あるいは予め設定された一定回転速度で回転するように構成されていたから、酷暑地や寒冷地における外気温の高低や、作業継続時間による作動油温変化等に対応させて冷却ファンの冷却強度を変えることができなかった。このため、例えば外気温が50度以上の酷暑地で使用される酷暑仕様の作業機械には、高温の外気温に対応するべく回転速度の速い冷却ファンが搭載されるが、この様な酷暑仕様の作業機械を外気温が低いときに使用すると、必要以上の冷却がなされる許りか、エンジン出力も無駄に消費され、さらに冷却ファンによる騒音も常に一定レベル以上となる。また、標準仕様の作業機械と前述した酷暑仕様の作業機械では、回転速度が異なるように設定された冷却ファンをそれぞれ用意する必要があり、製造コストの抑制や製品管理の簡略化の妨げになる。
そこで、エンジン冷却水や作動油等の被冷却流体の温度を検出し、該検出温度が予め設定された目標温度となるように冷却ファンの回転速度を制御するように構成したものが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−110560号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記特許文献1に示されたものは、各被冷却流体の検出温度に基づいてファン目標回転速度を決定するために、さらに被冷却流体が複数である場合には総合目標回転速度を決定するために、コントローラに組込まれた比例積分制御器等による数段階の制御が必要であり、制御が複雑となってソフトの作成が難しいという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、被冷却流体を冷却ファンで冷却するように構成してなる作業用機械において、前記被冷却流体の温度を検出し、該被冷却流体の温度が冷却流体に対して予め設定される標準設定温度以下の場合は、冷却ファンの回転速度を予め設定される標準回転速度となるように制御する一方、被冷却流体の温度が前記標準設定温度を越えた場合は、ファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御し、さらに被冷却流体の温度が予め設定される上限設定温度に達した場合には、ファン回転速度が予め設定される最大回転速度となるように制御する構成にしたものである。
そして、この様にすることにより、被冷却流体の温度に対応して冷却ファンの回転速度が可変制御されることになって、冷却ファンの強冷却を必要としない場合には、無駄な過剰冷却を回避し得ると共に、省エネルギー、騒音の抑制に寄与できる一方、強冷却を必要とする場合には、冷却ファンの回転速度が上昇して被冷却流体を効率よく冷却できる。しかも、この冷却ファンの回転速度制御は簡単であって、比例積分制御器等による複雑な制御は不要であり、容易に実用化できる。
このものにおいて、被冷却流体の温度が標準設定温度を越えて上限設定温度に達するまでは、被冷却流体の温度上昇に伴い冷却ファンの回転速度を漸次上昇せしめるように構成ことにより、被冷却流体の温度上昇に対応した細かな制御を行うことができる。
また、冷却ファンで冷却される被冷却流体が複数の場合、それぞれの被冷却流体に対応して標準設定温度および上限設定温度を設定する一方、全ての被冷却流体の温度が標準設定温度以下の場合には冷却ファンの回転速度を標準回転速度となるように制御し、何れかの被冷却流体の温度が標準設定温度を越えた場合にはファン回転速度を標準回転速度よりも上昇せしめる制御を行い、さらに何れかの被冷却流体の温度が上限設定温度に達した場合にはファン回転速度が最大回転速度となるように制御する構成にすることができる。
さらにこれらのものにおいて、被冷却流体の温度が上限設定温度を越えると、オーバーヒートの警告を発する警告手段を設けることにより、オペレータがオーバーヒートの惧れがあることを認識し得て、必要な点検、処置を施すことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は油圧ショベル等の作業用機械の動力源となるエンジン、2は作業機械に設けられる各種油圧アクチュエータに作動油を供給するためのメインポンプ、3はエンジン冷却水を冷却するためのラジエータ、4は作動油を冷却するためのオイルクーラー、5はターボチャージャ(図示せず)で圧縮されたエンジン吸入空気を冷却するためのアフタークーラーである。
【0007】
さらに、6は上記ラジエータ3、オイルクーラー4、アフタークーラー5に冷却風を流すための冷却ファンであって、該冷却ファン6は、ファン用モータ7の駆動により回転する。
【0008】
前記ファン用モータ7の駆動は、ファン用ポンプ8からの圧油供給に基づいて行われるが、このファン用ポンプ8は可変容量型ポンプであって、入力信号を電気信号とし出力信号を油圧信号とする電油変換弁9を備えている。そして、該電油変換弁9から出力された油圧信号によりファン用ポンプ8の吐出流量を可変制御することで、ファン用モータ7の回転速度、即ち冷却ファン6の回転速度を可変制御できるように構成されている。
【0009】
一方、10は冷却水温度検出センサであって、該冷却水温度検出センサ10は、ラジエータ3の上流側に配されていてエンジン冷却水の温度を検出する。また、11は作動油温度検出センサであって、該作動油温度検出センサ11は、オイルクーラー4の上流側に配されていて作動油の温度を検出する。さらに、12は吸気温度検出センサであって、該吸気温度検出センサ12は、アフタークーラー5の上流側に配されていてターボチャージャ(図示せず)で圧縮されたエンジン吸入空気の温度を検出する。そして、これら各温度検出センサ10、11、12は、コントローラ13の信号入力部に接続される一方、コントローラ13の信号出力部には、前記電油変換弁9の信号入力部が接続されている。
【0010】
前記コントローラ13は、各温度検出センサ10、11、12から入力される検出温度に基づき、電油変換弁9に制御信号を出力して冷却ファン6の回転速度制御を行うが、該冷却ファン6の回転速度制御について、図2のグラフ図に基づいて以下に説明する。
【0011】
まず、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される全ての検出温度が予め設定される標準設定温度以下である場合、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度が予め設定される標準回転速度となるように制御する。
【0012】
ここで、標準設定温度は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気に対して各々設定されていて、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気が該標準設定温度以下の場合には、冷却ファン6による冷却が充分になされているとみなすことができる。また、標準回転速度は、外気温が常温のときに、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度を前記標準設定温度以下に保持することができるファン回転速度として設定される。
【0013】
一方、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が前記標準設定温度を越えた場合、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度を前記標準回転速度よりも上昇せしめるように制御する。この場合、本実施の形態では、図2のグラフ図に示す如く、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度上昇に伴い、冷却ファン6の回転速度が比例的に上昇するように制御されるが、これに限定されるものではない。
【0014】
さらに、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が予め設定される上限設定温度に達した場合には、コントローラ13は、冷却ファン6の回転速度が最大回転速度となるように制御する。
【0015】
ここで、上限設定温度は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気に対して各々設定される温度であって、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気が上限設定温度に達した場合には、冷却ファン6による冷却を最大に行う必要があるとみなすことができる。また、最大回転速度は、ファン用ポンプ8の吐出流量を最大にしたときの冷却ファン6の回転速度であって、該最大回転速度のときの冷却ファン6の冷却強度は、例えば外気温50度以上の酷暑地で作業機械を運転させる場合にも充分に対応できるように設定されている。
【0016】
またさらに、冷却水温度検出センサ10、作動油温度検出センサ11、吸気温度検出センサ12から入力される何れかの検出温度が予め設定される上限設定温度を越えた場合には、コントローラ13は、運転室に配設されたワーニングランプ等の警告手段14に、警告発令の制御指令を出力する。これによりオペレータは、オーバーヒートの惧れがあることを認識し得て、必要な点検、処置を施すことができる。
【0017】
叙述の如く構成されたものにおいて、ラジエータ3、オイルクーラー4およびアフタークーラー5を冷却するための冷却ファン6は、各温度センサ10、11、12から入力されるエンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の検出温度に基づいて回転速度が可変制御されるが、この場合、上記検出温度の全てが標準設定温度以下の場合には冷却ファン6の回転速度が標準回転速度になるように制御され、何れかの検出温度が標準設定温度を越えた場合にはファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御され、さらに何れかの検出温度が上限設定温度に達した場合にはファン回転速度が最大回転速度となるように制御される。
【0018】
この結果、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度に対応して冷却ファン6の回転速度が可変制御されることになって、作業開始時や外気温が低い場所で作業する場合等、冷却ファン6の強冷却を必要としない場合には、無駄な過剰冷却を回避し得ると共に、省エネルギー、騒音の抑制に寄与できる。一方、酷暑地で作業する場合等、冷却ファン6の強冷却を必要とする場合には、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度上昇に対応して冷却ファン6の回転速度が上昇し、ラジエータ3、オイルクーラー4およびアフタークーラー5を効率よく冷却できる。さらにこの冷却ファン6は、標準仕様の作業機械にも酷暑仕様の作業機械にも共通して用いることができるから、製品管理の簡略化に寄与できる。
【0019】
しかも、前記冷却ファン6の回転速度の可変制御は、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度が予め設定される標準設定温度および上限設定温度に対して高いか低いかの判別に基づき、ファン回転速度を標準回転速度から最大ファン回転速度まで調節するだけであるから、比例積分制御器等による複雑な制御は不要であって、ソフトの作成も簡単であり、容易に実用化できる。
【0020】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、冷却ファンで冷却される被冷却流体としては、エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気のうち何れか一種あるいは二種だけでも良く、また、空調装置の冷却溶媒等の他の被冷却流体にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却ファン制御装置を示すブロック図である。
【図2】エンジン冷却水、作動油、エンジン吸入空気の温度と冷却ファンの回転速度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
3 ラジエータ
4 オイルクーラー
5 アフタークーラー
6 冷却ファン
10 冷却水温度検出センサ
11 作動油温度検出センサ
12 吸気温度検出センサ
13 コントローラ
14 警告手段
Claims (4)
- 被冷却流体を冷却ファンで冷却するように構成してなる作業用機械において、前記被冷却流体の温度を検出し、該被冷却流体の温度が冷却流体に対して予め設定される標準設定温度以下の場合は、冷却ファンの回転速度を予め設定される標準回転速度となるように制御する一方、被冷却流体の温度が前記標準設定温度を越えた場合は、ファン回転速度が標準回転速度よりも速くなるように制御し、さらに被冷却流体の温度が予め設定される上限設定温度に達した場合には、ファン回転速度が予め設定される最大回転速度となるように制御する構成にしたことを特徴とする作業用機械における冷却ファン制御装置。
- 請求項1において、被冷却流体の温度が標準設定温度を越えて上限設定温度に達するまでは、被冷却流体の温度上昇に伴い冷却ファンの回転速度を漸次上昇せしめるように構成したことを特徴とする作業用機械における冷却ファン制御装置。
- 請求項1乃至2において、冷却ファンで冷却される被冷却流体は複数で、それぞれの被冷却流体に対応して標準設定温度および上限設定温度が設定される一方、全ての被冷却流体の温度が標準設定温度以下の場合には冷却ファンの回転速度を標準回転速度となるように制御し、何れかの被冷却流体の温度が標準設定温度を越えた場合にはファン回転速度を標準回転速度よりも上昇せしめる制御を行い、さらに何れかの被冷却流体の温度が上限設定温度に達した場合にはファン回転速度が最大回転速度となるように制御する構成であることを特徴とする作業用機械における冷却ファン制御装置。
- 請求項1乃至3において、被冷却流体の温度が上限設定温度を越えると、オーバーヒートの警告を発する警告手段を設けたことを特徴とする作業用機械における冷却ファン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002273871A JP2004108304A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 作業用機械における冷却ファン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002273871A JP2004108304A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 作業用機械における冷却ファン制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004108304A true JP2004108304A (ja) | 2004-04-08 |
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ID=32270521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002273871A Pending JP2004108304A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 作業用機械における冷却ファン制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004108304A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005351286A (ja) * | 2004-06-08 | 2005-12-22 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | 入出力回転数比可変型クラッチの制御装置 |
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