JP2018188978A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質燃焼と成層燃焼の両方を適切に行なうことができる内燃機関を提供する。【解決手段】シリンダヘッド5のルーフ面50とピストン2の頂面20との間に形成される燃焼室10の一部にスキッシュエリアが形成される内燃機関1である。ピストン2の頂面20は、スキッシュエリアを形成する凸部と、凸部よりも低くなった低部と、を備える。この内燃機関1は、所定のタイミングでピストン2の往復運動を利用してピストン2を回転させることで、ルーフ面50の特定領域と凸部とが対向することでスキッシュエリアが形成される高負荷モードと、特定領域と低部とが対向することでスキッシュエリアが形成されないか、または前記高負荷モードよりも前記スキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替えるモード切替機構3を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、燃焼室にスキッシュエリアを形成することができる内燃機関に関する。
シリンダブロックとシリンダヘッドとで構成される内部空間にピストンが配置される内燃機関では、シリンダブロックのシリンダボアと、シリンダヘッドのルーフ面と、ピストンの頂面とで囲まれる燃焼室が形成される。燃焼室における燃焼によってピストンが往復運動し、コンロッドを介してピストンに連結されるクランクシャフトが回転することで、回転動力を得ることができる。
このような内燃機関において、燃料の燃焼効率を向上させるため、燃焼室にスキッシュエリアを形成することが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。スキッシュエリアは、燃焼室の外周縁部に形成されるエリアであって、シリンダヘッドのルーフ面と、ピストンの頂面とのクリアランスが狭くなったエリアである。スキッシュエリアを形成することで、燃焼室の外周縁部から中央に向うスキッシュ流を生じさせ、燃焼室における混合気の乱流運動エネルギーを増加させることができ、均質燃焼を行なうことができる。
近年の環境負荷に対する配慮から、排気ガスの一部を吸気系に再循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)などでリーンバーン(Lean−burn)を実現することが行なわれている。EGRを行なう場合、排気ガスは殆ど酸素を含まないため、燃焼室内に導入した排気ガスを点火プラグから離隔した位置に配置し、燃料を含む新気を点火プラグに近い位置に配置した状態で燃焼を行なう成層燃焼を行なうことが好ましい。しかし、燃焼室にスキッシュエリアが形成されていると、排気ガスと新気とが混合し易く、失火の恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、均質燃焼と成層燃焼の両方を適切に行なうことができる内燃機関を提供することにある。
本発明の一形態に係る内燃機関は、
シリンダヘッドと、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピストンと、前記ピストンが往復されるシリンダブロックと、を備え、
前記シリンダヘッドのルーフ面と前記ピストンの頂面との間に形成される燃焼室の一部にスキッシュエリアが形成される内燃機関であって、
前記ピストンは、
前記コンロッドの端部に取り付けられるピストン基部と、
前記ピストン基部の外周を覆い、前記ピストン基部に対して前記ピストン基部の軸線を中心に回動可能に連結されるピストン外装部と、を備え、
前記ピストンの前記頂面は、
前記スキッシュエリアを形成する凸部と、
前記凸部よりも低くなった低部と、を備え、
所定のタイミングで前記ピストンの往復運動を利用して前記ピストン外装部を回転させることで、前記ルーフ面の特定領域と前記凸部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成される高負荷モードと、前記特定領域と前記低部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成されないか、または前記高負荷モードよりも前記スキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替えるモード切替機構を備える。
シリンダヘッドと、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピストンと、前記ピストンが往復されるシリンダブロックと、を備え、
前記シリンダヘッドのルーフ面と前記ピストンの頂面との間に形成される燃焼室の一部にスキッシュエリアが形成される内燃機関であって、
前記ピストンは、
前記コンロッドの端部に取り付けられるピストン基部と、
前記ピストン基部の外周を覆い、前記ピストン基部に対して前記ピストン基部の軸線を中心に回動可能に連結されるピストン外装部と、を備え、
前記ピストンの前記頂面は、
前記スキッシュエリアを形成する凸部と、
前記凸部よりも低くなった低部と、を備え、
所定のタイミングで前記ピストンの往復運動を利用して前記ピストン外装部を回転させることで、前記ルーフ面の特定領域と前記凸部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成される高負荷モードと、前記特定領域と前記低部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成されないか、または前記高負荷モードよりも前記スキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替えるモード切替機構を備える。
上記構成によれば、必要に応じてスキッシュエリアの有無を切り替えることができるので、均質燃焼と成層燃焼の両方を適切に行なうことができる。燃焼室にスキッシュエリアが形成されれば、混合気の撹拌が促進され、均質燃焼を効果的に行なうことができる。また、燃焼室にスキッシュエリアが形成されなければ、混合気の撹拌が抑制され、成層燃焼を効果的に行なうことができる。
以下、本発明の内燃機関の実施形態を図面に基づいて説明する。図中の矢印で示す『IN』は吸気側、『EX』は排気側を示す。なお、本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1の内燃機関1は、シリンダを構成するシリンダブロック6とシリンダヘッド5、およびシリンダブロック6の下部でエンジンオイルを貯留するオイルパン7を備える。シリンダヘッド5には、吸気バルブ51bで開閉される吸気ポート51、排気バルブ52bで開閉される排気ポート52、および点火プラグ53などが設けられている。シリンダブロック6には、ピストン2が摺接されるシリンダボア60が形成されている。ピストン2は、コンロッド8を介してクランクシャフト9に繋がっており、ピストン2の往復運動がクランクシャフト9の回転運動に変換される。
≪全体構成≫
図1の内燃機関1は、シリンダを構成するシリンダブロック6とシリンダヘッド5、およびシリンダブロック6の下部でエンジンオイルを貯留するオイルパン7を備える。シリンダヘッド5には、吸気バルブ51bで開閉される吸気ポート51、排気バルブ52bで開閉される排気ポート52、および点火プラグ53などが設けられている。シリンダブロック6には、ピストン2が摺接されるシリンダボア60が形成されている。ピストン2は、コンロッド8を介してクランクシャフト9に繋がっており、ピストン2の往復運動がクランクシャフト9の回転運動に変換される。
このような内燃機関1では、シリンダボア60と、シリンダヘッド5のルーフ面50と、ピストン2の頂面20と、で囲まれる燃焼室10が形成される。燃焼室10における燃料の燃焼には、均質燃焼と成層燃焼とを挙げることができる。ここで、内燃機関1は、図示しない燃料噴射ノズルから吸気ポート51内に燃料を噴射するポート噴射型の内燃機関1としても良いが、燃焼室10に直接燃料を噴射する筒内噴射型の内燃機関1とすることが好ましい。筒内噴射型の内燃機関1は、燃料の噴射時期を変更することができるので、均質燃焼と成層燃焼の切り換えを行い易い。
均質燃焼が求められるのは、内燃機関1の高い出力が求められる高負荷時(例えば、3000回転以上での運転時)などが挙げられる。均質燃焼を行なうには、燃焼室10では混合気の混合が十分に行なわれる必要がある。そのためには、燃焼室10の外周縁部でルーフ面50と頂面20との距離が小さくなったスキッシュエリアが形成されていることが好ましい。スキッシュエリアが形成されることで、燃焼室10の外周縁部から中央に向うスキッシュ流が形成され易くなり、燃焼室10における乱流運動エネルギーが増大するからである。一方、成層燃焼を行なう例として、排気ガスの一部を吸気ポート51に還流するEGRを挙げることができる。排気ガスは殆ど酸素を含まないため、燃焼室10内で排気ガスが点火プラグ53から離隔した位置に多く存在することが好ましい。そのためには、燃焼室10内にスキッシュエリアが形成されないことが好ましい。
上述した均質燃焼と成層燃焼の両方を実現するために、本実施形態の内燃機関1は、必要に応じて内燃機関1の燃焼室10にスキッシュエリアを形成できる構成を備える。本例では、ピストン2の構成を従来から変更すると共に、従来には無いモード切替機構3を用いることで、スキッシュエリアの形成・非形成を切り替えている。以下、ピストン2とモード切替機構3の構成の詳細を主として図2〜7に基づいて説明する。ここで、図3における丸印の中心に点を付した矢羽マークは紙面手前側に向う方向(排気側に向う方向)とし、丸印にバツを付した矢羽マークは紙面奥側に向う方向(吸気側に向う方向)示している
≪ピストン≫
本例のピストン2の頂面20は、図2に示すように、スキッシュエリアを形成する一対の凸部21と、凸部21よりも低くなった一対の低部22と、頂面20の中心部に形成されるキャビティ部23と、を備える。凸部21は、頂面20の外周縁部に設けられており、一方の凸部21と他方の凸部21とは、頂面20の中心を挟んで対称に設けられている。凸部21における頂面20の内周縁側の部分は外周縁部に向って抉れたようになっている。その抉れたようになっている部分は、バルブリセスである。一方、低部22は、頂面20の外周縁部のうち、一対の凸部21の間に配置されている。つまり、凸部21と低部22とが、外周縁部の周方向に交互に並んだ状態になっている。
本例のピストン2の頂面20は、図2に示すように、スキッシュエリアを形成する一対の凸部21と、凸部21よりも低くなった一対の低部22と、頂面20の中心部に形成されるキャビティ部23と、を備える。凸部21は、頂面20の外周縁部に設けられており、一方の凸部21と他方の凸部21とは、頂面20の中心を挟んで対称に設けられている。凸部21における頂面20の内周縁側の部分は外周縁部に向って抉れたようになっている。その抉れたようになっている部分は、バルブリセスである。一方、低部22は、頂面20の外周縁部のうち、一対の凸部21の間に配置されている。つまり、凸部21と低部22とが、外周縁部の周方向に交互に並んだ状態になっている。
図3に示すように、本例のピストン2はその周面に、後述するモード切替機構3の一部であるカム溝32が形成されており、回転可能に構成されている。より具体的には、図4の縦断面図に示すように、本例のピストン2は、コンロッド8に連結されるピストン基部2Aと、ピストン基部2Aの外周を覆うように配置されるピストン外装部2Bとを備える。
ピストン基部2Aは、頂部と側壁部とを有する筒状部材であって、その内部にコンロッド8の先端を収納できるようになっている。ピストン基部2Aの側壁部にはピン孔24が形成されており、そのピン孔24に貫通されるピストンピン80を介してピストン基部2Aがコンロッド8に連結される。その結果、ピストン基部2Aは、ピストンピン80を中心に、コンロッド8に対して回転可能に構成される。また、ピストン基部2Aの頂部の中心部には、貫通孔25が形成されている。
ピストン外装部2Bは、頂部と側壁部とを有する筒状部材であって、その内部に上述したピストン基部2Aを収納できる大きさになっている。ピストン外装部2Bの頂部の外周面は、図2,3に示す頂面20を構成する。ピストン外装部2Bの頂部の内周面における中心部には、下方に突出する回転軸26が形成されている。回転軸26の外周面にはネジ溝が形成されており、ナット27が螺合されている。ナット27の外形は、貫通孔25の内径よりも大きくなっている。そのため、ピストン外装部2Bは、回転軸26を中心に、ピストン基部2Aに対して回転可能になっている。
上記構成によれば、ピストン外装部2Bをピストン基部2Aに対して回転させることで、頂面20を回転させることができる。頂面20が回転することで、頂面20に形成される凸部21と低部22のルーフ面50(図1)に対する配置が変わり、スキッシュエリアの形成の有無を切り替えることができる。ここで、ピストン外装部2Bは、人力は勿論、膨張行程の混合気の圧力によっても容易に回転させることはできないようになっている。そこで本例では、以下に示すモード切替機構3によって、ピストン外装部2Bを回転させる構成を採用している。
≪モード切替機構≫
モード切替機構3は、燃焼室10内にスキッシュエリアが形成される高負荷モードと、燃焼室10内にスキッシュエリアが形成されないか、または高負荷モードよりもスキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替える構成である。本例のモード切替機構3は、図3に示すようにカム機構によって構成されている。具体的には、ピストン外装部2Bの外周に形成されるカム溝32と、シリンダブロック6のシリンダボア60の内周面から出没自在に構成される出没カム36と、出没カム36を駆動する駆動装置(図示せず)と、を備える。
モード切替機構3は、燃焼室10内にスキッシュエリアが形成される高負荷モードと、燃焼室10内にスキッシュエリアが形成されないか、または高負荷モードよりもスキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替える構成である。本例のモード切替機構3は、図3に示すようにカム機構によって構成されている。具体的には、ピストン外装部2Bの外周に形成されるカム溝32と、シリンダブロック6のシリンダボア60の内周面から出没自在に構成される出没カム36と、出没カム36を駆動する駆動装置(図示せず)と、を備える。
カム溝32は、図3に示すように、概略螺旋状に延びている。具体的には、カム溝32は、鉛直上方側の直線部と、直線部の下端に繋がる螺旋部とで構成されている。直線部はピストン2の往復方向に沿って延びており、螺旋部は、直線部から鉛直下方に向うに従い、ピストン外装部2Bの外周面の周方向に延びている。螺旋部の下端は広幅に形成されている。カム溝32の周方向の形成範囲は約90°である。
出没カム36は、ピストン2が下死点側にあるときに、カム溝32に作用する位置に設けられている。より具体的には、本例の出没カム36は、図1に示すように、ピストン2が下死点にあるときにカム溝32の直線部の上端位置に配置されるように、シリンダボア60に形成されている。出没カム36は、常時はシリンダボア60から突出しない没状態にあり、ピストン2を回転させるときにのみ出状態になる。図1では、出没カム36の位置を明らかにするために便宜上、出状態の出没カム36を記載している。
図1の状態からピストン2を回転させる場合を説明する。ピストン2が下降するとき、出没カム36は、図1とは異なり没状態にある。図1の状態からピストン2が下がって下死点に配置されたときに、出没カム36がシリンダボア60の内方に向って突出する。そうなると、図5の横断面図に示すように、出没カム36がカム溝32に係合する。この状態からピストン2が上昇すると、シリンダボア60の所定位置で不動の出没カム36にガイドされてピストン外装部2Bが図3に示す向きに回転する。カム溝32の下端は、ピストン2の下端面に繋がる開放端となっているため、出没カム36を出状態としたままでも、出没カム36にカム溝32の下端にぶつかって損傷することは無い。
図3に示す向きから図1に示す向きにピストン外装部2Bを戻す場合、ピストン2が出没カム36の高さにまで下降する前に出没カム36を出状態にする。そうすることで、出没カム36が、図3のカム溝32の下端部に案内され、ピストン外装部2Bが回転する。ピストン2が下死点にきたときに、出没カム36はカム溝32の直線部の上端からクリアランスを持って配置されるため、出没カム36を出状態としたままでも、出没カム36が折れる恐れは無い。出没カム36は、ピストン2が上昇する前に没状態として、ピストン外装部2Bが逆回転しないようにする。
出没カム36を動作させる駆動装置は、ソレノイドなどの電磁的な手段で構成することもできるし、油圧機構で構成することもできる。また、モード切替機構3の動作、即ち出没カム36の出没動作の制御は、制御部によって行なうことができる。制御部は、例えば車載コンピュータ(ECU:Electric Control Unit)で構成することができる。制御部は、運転者のアクセル開度やクランクシャフト9(図1)の回転数など、内燃機関1が高負荷状態か低負荷状態かを判断できる情報に基づいてモード切替機構3を動作させると良い。出没カム36の出没動作のタイミングは、クランクシャフト9の回転角や図示しないカムシャフトの回転角などに基づいて決定すると良い。
≪モードの切り替え≫
モード切替機構3で切り替えるモードの説明を図6,7に基づいて説明する。図6(A)、図7(A)は、上死点にあるピストン2を図1と同じ方向から見た部分断面図、図6(B)、図7(B)は、ピストン2の頂面20を上面視した図である。なお、図6(A)、図7(A)では、ピストン2の外周面にピストンリングを嵌め込むリング溝の図示を省略している。
モード切替機構3で切り替えるモードの説明を図6,7に基づいて説明する。図6(A)、図7(A)は、上死点にあるピストン2を図1と同じ方向から見た部分断面図、図6(B)、図7(B)は、ピストン2の頂面20を上面視した図である。なお、図6(A)、図7(A)では、ピストン2の外周面にピストンリングを嵌め込むリング溝の図示を省略している。
図6に示すピストン外装部2Bの向きは、図1と同じである。この状態では、シリンダヘッド5のルーフ面50の傾斜面(特定領域)と、ピストン2の頂面20の凸部21とが対向する。ルーフ面50と凸部21の傾斜面とがほぼ平行になっているため、ピストン2が上死点にあるとき、ルーフ面50と傾斜面との隙間が非常に狭くなったスキッシュエリアが形成される。つまり、ピストン外装部2Bの向きが図6に示す状態にあるときが、ピストン2が高負荷モードにある状態である。スキッシュエリアが形成されることで、頂面20の中心に向うスキッシュ流(塗り潰し矢印参照)が形成され、燃焼室10内の乱流運動エネルギーが増加して混合気が均一的に撹拌されるため、点火プラグ53で着火したときに均質燃焼を行なうことができる。均質燃焼が求められる内燃機関1の運転状態は、燃焼室10における燃料の濃度が高い運転状態、即ち高負荷の運転状態である。
図7に示すピストン外装部2Bの向きは、図3と同じである。この状態では、シリンダヘッド5のルーフ面50の傾斜面(特定領域)と、ピストン2の頂面20の低部22とが対向する。ルーフ面50は傾斜面で、低部22はほぼ水平面となっているため、ピストン2が上死点にあるとき、ルーフ面50と低部22との間に大きな隙間ができ、スキッシュエリアが形成されない。つまり、ピストン外装部2Bの向きが図7に示す状態にあるときが、ピストン2が低負荷モードにある状態である。スキッシュ流が形成され難くいことで、乱流運動エネルギーが増加し難く、点火プラグ53で着火したときに成層燃焼を行なうことができる。成層燃焼が求められる内燃機関1の運転状態は、燃焼室10における燃料の絶対量が少なく、燃料の濃度に偏りがある状態(例えばEGRなどのリーンバーン状態)、即ち低負荷の運転状態である。
≪効果≫
以上説明した実施形態の内燃機関1によれば、均質燃焼と成層燃焼の両方を適切に行なうことができる。具体的には、内燃機関1の出力が求められるときには、モード切替機構3によってピストン2を図6に示す高負荷モードの状態に切り替え、燃焼室10にスキッシュエリアを形成する。スキッシュエリアを形成することで、圧縮行程時に燃焼室10の外周縁部から中央に向うスキッシュ流が形成されるようにする。スキッシュ流によって、燃焼室10の乱流運動エネルギーを増加させ、均質燃焼を適切に行なうことができる。また、燃費の向上などが求められるときには、モード切替機構3によってピストン2を図7に示す低負荷モードの状態に切り替え、燃焼室10にスキッシュエリアが形成されないようにする。そうすることで、燃焼室10の乱流運動エネルギーの増加を抑制し、成層燃焼を適切に行なうことができる。
以上説明した実施形態の内燃機関1によれば、均質燃焼と成層燃焼の両方を適切に行なうことができる。具体的には、内燃機関1の出力が求められるときには、モード切替機構3によってピストン2を図6に示す高負荷モードの状態に切り替え、燃焼室10にスキッシュエリアを形成する。スキッシュエリアを形成することで、圧縮行程時に燃焼室10の外周縁部から中央に向うスキッシュ流が形成されるようにする。スキッシュ流によって、燃焼室10の乱流運動エネルギーを増加させ、均質燃焼を適切に行なうことができる。また、燃費の向上などが求められるときには、モード切替機構3によってピストン2を図7に示す低負荷モードの状態に切り替え、燃焼室10にスキッシュエリアが形成されないようにする。そうすることで、燃焼室10の乱流運動エネルギーの増加を抑制し、成層燃焼を適切に行なうことができる。
1 内燃機関
2 ピストン
2A ピストン基部 2B ピストン外装部
20 頂面 21 凸部 22 低部 23 キャビティ部
24 ピン孔 25 貫通孔 26 回転軸 27 ナット
3 モード切替機構
32 カム溝 36 出没カム
5 シリンダヘッド
50 ルーフ面 51 吸気ポート 52 排気ポート 53 点火プラグ
51b 吸気バルブ 52b 排気バルブ
6 シリンダブロック 60 シリンダボア
7 オイルパン
8 コンロッド 80 ピストンピン
9 クランクシャフト
10 燃焼室
2 ピストン
2A ピストン基部 2B ピストン外装部
20 頂面 21 凸部 22 低部 23 キャビティ部
24 ピン孔 25 貫通孔 26 回転軸 27 ナット
3 モード切替機構
32 カム溝 36 出没カム
5 シリンダヘッド
50 ルーフ面 51 吸気ポート 52 排気ポート 53 点火プラグ
51b 吸気バルブ 52b 排気バルブ
6 シリンダブロック 60 シリンダボア
7 オイルパン
8 コンロッド 80 ピストンピン
9 クランクシャフト
10 燃焼室
Claims (1)
- シリンダヘッドと、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されるピストンと、前記ピストンが往復されるシリンダブロックと、を備え、
前記シリンダヘッドのルーフ面と前記ピストンの頂面との間に形成される燃焼室の一部にスキッシュエリアが形成される内燃機関であって、
前記ピストンは、
前記コンロッドの端部に取り付けられるピストン基部と、
前記ピストン基部の外周を覆い、前記ピストン基部に対して前記ピストン基部の軸線を中心に回動可能に連結されるピストン外装部と、を備え、
前記ピストンの前記頂面は、
前記スキッシュエリアを形成する凸部と、
前記凸部よりも低くなった低部と、を備え、
所定のタイミングで前記ピストンの往復運動を利用して前記ピストン外装部を回転させることで、前記ルーフ面の特定領域と前記凸部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成される高負荷モードと、前記特定領域と前記低部とが対向することで前記スキッシュエリアが形成されないか、または前記高負荷モードよりも前記スキッシュエリアが小さい低負荷モードと、を切り替えるモード切替機構を備える内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017089585A JP2018188978A (ja) | 2017-04-28 | 2017-04-28 | 内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017089585A JP2018188978A (ja) | 2017-04-28 | 2017-04-28 | 内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018188978A true JP2018188978A (ja) | 2018-11-29 |
Family
ID=64479624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017089585A Pending JP2018188978A (ja) | 2017-04-28 | 2017-04-28 | 内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018188978A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021156886A1 (en) * | 2020-02-03 | 2021-08-12 | Tvs Motor Company Limited | A power unit and a reciprocating member thereof |
-
2017
- 2017-04-28 JP JP2017089585A patent/JP2018188978A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021156886A1 (en) * | 2020-02-03 | 2021-08-12 | Tvs Motor Company Limited | A power unit and a reciprocating member thereof |
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