以下に図面を用いて、本実施形態に係る通信システム1を詳細に説明する。なお、本実施形態において「フォルダ」は「電子フォルダ」を示し、「ファイル」は「電子ファイル」を示す。
<<システム構成の概略>>
まず、通信システム1の構成の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの概略図である。
図1に示されているように、本実施形態の通信システム1は、電子黒板2x、電子黒板2y、IC(Integrated Circuit)カード3、スマートフォン4、端末管理サーバ5、ファイル管理サーバ8、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)9、PC(Personal Computer)10a,10b、及びビデオ会議端末13によって構築されている。なお、以下では、電子黒板2x、電子黒板2yのうち、任意の電子黒板を「電子黒板2」として表わす。また、PC10a,10bのうち、任意のPCを「PC10」として表す。更に、端末管理サーバ5及びファイル管理サーバ8によって、管理システムが構築されている。
また、通信システム1を構成する電子黒板2、端末管理サーバ5、ファイル管理サーバ8、MFP9、PC10、及びビデオ会議端末13は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、電子黒板2と、ICカード3及びスマートフォン4は、それぞれNFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。また、スマートフォン4は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって電子黒板2と通信してもよい。
また、電子黒板2xと電子黒板2yは、それぞれ利用者によって描画された内容である描画像のデータ(以下、「描画像データ」という)を送受信することができる。そのため、電子黒板2xで描画された内容は電子黒板2yでも表示され、逆に、電子黒板2yで描画された内容は電子黒板2xでも表示される。
また、電子黒板2は、描画像データからRPCS(Refined Printing Command Stream)形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、描画像データからPDF(Portable Document Format)形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。これにより、MFP9は描画像を印刷することができ、PC10は描画像を表示することができる。
また、電子黒板2は、利用者によって描画されていない資料等の非描画像も表示することができる。この場合も、電子黒板2は、非描画像のデータ(以下、「非描画像データ」という)からRPCS形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、非描画像データからPDF形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。
なお、RPCS形式の画像データ及びPDF形式の画像データは、元の描画像又は元の非描画像としての画像に係るデータである。また、電子黒板2は共有端末の一例であり、複数の利用者が同時に同じ画像を閲覧する(見る)ことができる。ICカード3及びスマートフォン4は、専有端末の一例である。MFP9は、印刷装置の一例である。PC10は、個人端末の一例である。また、RPCS形式だけでなく、PCL(Printer Control Language)形式、PDL(Page Description Language)形式、又はPS(PostScript)形式であってもよい。
図1では、利用者Aは、ICカード3を所有しており、電子黒板2を利用した会議にICカード3を持参している。利用者Bは、スマートフォン4を所有しており、電子黒板2を利用した会議にスマートフォン4を持参している。PC10aは、利用者が所有しているPCである。PC10bは、利用者Bが所有しているPCである。また、電子黒板2は、ビデオ会議機能を有しており、通信ネットワーク100を介してビデオ会議端末13と映像及び音声による会議等を行なうことができる。
端末管理サーバ5は、専有端末を識別するための端末ID(Identification)を管理する。ファイル管理サーバ8は、各利用者のファイルデータを管理する。
<<ハードウェア構成>>
続いて、図2乃至図7を用いて、通信システム1を構築する装置又は端末のハードウェア構成を説明する。
<電子黒板のハードウェア構成>
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F205は、通信ネットワーク100との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、USB(Universal Serial Bus)メモリ2600、外付け機器(カメラ2400、スピーカ2300、マイク2200)との通信を制御する。
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、PC10のディスプレイ508に対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ220等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ220上に電子ペン2500やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ220の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ220に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ220の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン2500と通信することで、ディスプレイ220へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ220の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン2500のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン2500のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<ICカードのハードウェア構成>
図3は、ICカードのハードウェア構成図である。ここでは、非接触型の構成について説明するが、接触型を利用してもよい。図3に示されているように、ICカード3は、ICチップ、及びアンテナコイル330を備えている。更に、ICチップ310は、CPU311、ROM312、RAM313、EEPROM314、アンテナI/F318を備えている。
これらのうち、CPU311は、ICカード3全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)314は、ICカード3用のプログラムや、ICカード3を識別するための端末ID等の各種データを記憶する。アンテナI/F318は、アンテナコイル330を介して、外部装置と行なうデータの送受信を制御する。
更に、ICカード3は、バスライン320を備えている。バスライン320は、図3に示されているCPU311等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
アンテナコイル330は、ICカード3が外部装置の発生する磁界を通過する際に、この磁気を受けて電流を発生するためのコイルである。ICカード3は、この電気を利用することで、ICチップ310が起動し、外部装置のリーダ・ライタと交信し、データの取得や提供が可能になる。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図4は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図4に示されているように、スマートフォン4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、加速度・方位センサ406、メディアI/F408、GPS受信部409を備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ406は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F408は、フラッシュメモリ等の記録メディア407に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部409は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路411、カメラ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路411は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、カメラ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路419は、NFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ417を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<サーバ、PCのハードウェア構成>
図5は、サーバ、PCのハードウェア構成図である。なお、端末管理サーバ5、ファイル管理サーバ8、及びPC10a,10bは、基本的に同様のハードウェア構成であるため、ここでは、端末管理サーバ5のハードウェア構成について説明する。また、以降の説明では、ファイル管理サーバ8、及びPC10a,10bのハードウェア構成について説明する場合には、図5に示されている各構成を用いて説明する。
端末管理サーバ5は、コンピュータによって構築されており、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD−RW(Compact Disc-ReWritable)ドライブ514、及び、バスライン510を備えている。
これらのうち、CPU501は、端末管理サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD−RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、端末管理サーバ5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<MFPのハードウェア構成>
図6は、MFPのハードウェア構成図である。図6に示されているように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM−P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)907、HDD908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM−P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM−P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM−P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM−C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM−C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM−C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
<ビデオ会議端末のハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図7に示されているように、ビデオ会議端末13は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU101は、ビデオ会議端末13全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、ビデオ会議端末13の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、ビデオ会議端末13の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F111は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
また、バスライン110は、図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、ビデオ会議端末13に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
<<電子黒板の画面例>>
図8を用いて、電子黒板2の画面例について説明する。図8は、電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。電子黒板2はディスプレイ220上に、図8(A)に示されているような描画画面230を表示させる。この描画画面230には、利用者によって電子ペン2500等で描画された画像像が表示される。また、描画画面230の右下部には、「メニュー」ボタン231及び「終了」ボタン239eが表示されている。「メニュー」ボタン231は、電子黒板2の各種機能を実行する際に、利用者によって押下されるボタンである。「終了」ボタン237は、利用者がログアウトして画面表示を行なわないようにする際に、利用者によって押下されるボタンである。ここで、利用者が電子ペン2500等により、「メニュー」ボタン231を押下すると、電子黒板2は、図8(B)に示されているように、描画画面230上に、各種機能を選択するためのメニュー選択画面232を表示させる。
メニュー選択画面232は、図8(B)に示されているように、「読み込み」ボタン234、「保存」ボタン235、「印刷」ボタン236、「メール送信」ボタン237、及び「QRコード」ボタン239が表示されている。
これらのうち、「読み込み」ボタン234は、電子黒板2が、既に描画されてSSD204に保存されている描画像のファイルデータを読み込んで、ディスプレイ220上に表示させるためのボタンである。「保存」ボタン235は、電子黒板2が、利用者によって描画された描画像をファイルデータとしてSSD204に保存するためのボタンである。「印刷」ボタン236は、電子黒板2が描画画面230に表示されている描画像を、MFP9等で印刷させるためのボタンである。「メール送信」ボタン237は、電子黒板2が利用者のPC等に対して、描画画面230に表示されている描画像を描画像データとして電子メールに添付して送信するためのボタンである。「QRコード」ボタン239は、電子黒板2がディスプレイ220上に自装置を識別するための装置IDを表すQRコードを表示するためのボタンである。
利用者が電子ペン2500等により、「終了」ボタン237を押下すると、電子黒板2は、図8(C)に示されているように、描画画面230上に、ログアウトして表示を終了するための終了画面238を表示させる。
終了画面238は、図8(C)に示されているように、「電子黒板内の共有フォルダに一時保存して終了」ボタン238a、「終了」ボタン238b、及び「キャンセル」ボタン238cが表示されている。
これらのうち、「電子黒板内の共有フォルダに一時保存して終了」ボタン238aは、描画像データとしてのファイルデータを電子黒板2内のSSD204に一時保存するとともに、ログアウト及び表示の終了を行なうためのボタンである。「終了」ボタン238bは、そのままログアウト及び表示の終了を行なうためのボタンである。即ち、次にログインした場合には、描画像データは表示されない。「キャンセル」ボタン238cは、終了画面の表示を止めて、図8(A)に示されている元の描画画面230に戻るためのボタンである。
なお、上記各IDは、識別情報の一例である。即ち、装置IDは、装置識別情報の一例である。端末IDは、端末識別情報の一例である。利用者IDは、利用者識別情報の一例である。また、装置識別情報及び端末識別情報には、製造番号も含まれる。また、利用者識別情報には、社員番号、運転免許書番号、日本の社会保障・税番号制度におけるマイナンバー等が含まれる。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、各サーバ5,6,7,8は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
<<通信システムの機能構成>>
続いて、図9及び図10を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図9は、通信システムの機能ブロック図である。なお、図9では、図1に示されている各端末、装置、サーバのうち、後述の処理または動作に関連しているものが示されている。
<電子黒板の機能構成>
図9に示されているように、電子黒板2は、送受信部21、受付部22、画像・音処理部23、表示制御部24、判断部25、作成部26b、作成部26a、設定部27、取得・提供部28、記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開された電子黒板用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、電子黒板2は、図2に示されているRAM203及びSSD204によって構築される記憶部2000を有している。
(電子黒板の各機能構成)
次に、電子黒板2の各構成要素について説明する。送受信部21は、図2に示されているCPU201からの命令、並びにネットワークI/F205及び外部機器接続I/F206によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部22は、主に、図2に示されているCPU201からの命令、並びに接触センサ214及び電子ペンコントローラ216によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
画像・音処理部23は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、カメラ2900が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、画像・音処理部23は、マイク2700によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、画像・音処理部23は、音データに係る音声信号をスピーカ2800に出力し、スピーカ2800から音声を出力させる。また、画像・音処理部23は、利用者によって電子ペン2500や手Hでディスプレイ220上に描画されることで得た描画像データを座標データに変換する処理を行なう。例えば、電子黒板2xが、他の拠点の電子黒板2yに座標データを送信すると、電子黒板2yは、座標データに基づいて他の電子黒板2y側のディスプレイ220上に同じ内容の描画を表示する。
表示制御部24は、図2に示されているCPU201からの命令、及び図2に示されているディスプレイコントローラ213によって実現され、ディスプレイ220に描画像を表示させる。
判断部25は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、ICカード3やスマートフォン4から、端末IDを取得したかの判断等を行なう。
また、作成部26aは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDF形式の画像データを作成する。また、作成部26bは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、RPCS形式の画像データを作成する。なお、RPCS形式だけでなく、PDL形式、又はPS形式であてもよい。
設定部27は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、例えば、電子メールの送信元及び送信先の設定や、印刷データの印刷者名の設定を行なう。
取得・提供部28は、図2に示されているCPU201からの命令、及び近距離通信回路219及びアンテナ219aによって実行され、ICカード3、スマートフォン4等の専有端末との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部29は、図2に示されているCPU201からの命令及びSSD204によって実行され、記憶部2000又は記録媒体2100に各種データを記憶したり、記憶部2000又は記録媒体2100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部2000には、他の電子黒板やビデオ会議端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ220に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ2800から音声が出力される。記録媒体2100は、図2に示されているUSBメモリ2600によって実現される。
<ICカードの機能構成>
図9に示されているように、ICカード3は、取得・提供部38、記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM314からRAM313上に展開されたICカード用プログラムに従ったCPU311からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、ICカード3は、図3に示されているRAM313及びEEPROM314によって構築される記憶部3000を有している。
(ICカードの各機能構成)
次に、ICカード3の各構成要素について説明する。取得・提供部38は、図3に示されているCPU311からの命令、アンテナコイル330によって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU311からの命令によって実行され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部3000には、専有端末の一例としてのICカードを識別するための端末IDが記憶されている。
<スマートフォンの機能構成>
図9に示されているように、スマートフォン4は、取得・提供部48、記憶・読出処理部49を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM404からRAM403上に展開されたスマートフォン用プログラムに従ったCPU401からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、スマートフォン4は、図4に示されているRAM403及びEEPROM404によって構築される記憶部4000を有している。
(スマートフォンの各機能構成)
次に、スマートフォン4の各構成要素について説明する。取得・提供部48は、図4に示されているCPU401からの命令、近距離通信回路419、アンテナ419aによって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部49は、図4に示されているCPU401からの命令によって実行され、記憶部4000に各種データを記憶したり、記憶部4000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。なお、記憶部4000には、専有端末の一例としてのスマートフォン4を識別するための端末IDが記憶されている。
<端末管理サーバの機能構成>
端末管理サーバ5は、送受信部51、認証部52、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された端末管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、端末管理サーバ5は、図5に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(端末管理テーブル)
図10(A)は、端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図10(A)に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5001が構築されている。この端末管理テーブルでは、端末管理サーバ5によって管理される全ての専有端末(ICカード3、スマートフォン4)を識別するための各端末IDに対して、各専有端末の所有者である利用者を識別するための利用者ID、及び利用者名が関連付けられて管理される。
(端末管理サーバの各機能構成)
次に、端末管理サーバ5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末管理サーバ5の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、端末管理サーバ5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されている端末管理サーバ5の送受信部51は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、電子黒板2から送られて来る端末IDが、予め登録されている利用者の専有端末(ICカード3、スマートフォン4)であるかを判断する。
記憶・読出処理部59は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<ファイル管理サーバの機能構成>
ファイル管理サーバ8は、送受信部81、及び記憶・読出処理部89を有している。これら各部は、図9に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開されたフォルダ管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、ファイル管理サーバ8は、図5に示されているHD504により構築される記憶部8000を有している。
(フォルダ管理テーブル)
図10(B)は、フォルダ管理テーブルを示す概念図である。記憶部8000には、図10(B)に示されているようなフォルダ管理テーブルによって構成されているフォルダ管理DB8001が構築されている。このフォルダ管理テーブルでは、ファイル管理サーバ8によって管理される全ての利用者を識別するための各利用者IDに対して、各利用者がそれぞれアクセス可能な共有端末の外部の専有のフォルダのフォルダ名、及び各利用者がそれぞれアクセス可能な共有端末の外部の共有フォルダのフォルダ名が関連付けられて管理される。各フォルダは、ファイルデータの保存先及び読み込み先である。
例えば、利用者A(Kato)は、自己の外部の専有フォルダ(ここでは”Katofolder”)と、外部の共有フォルダSF1(ここでは”Sharefolder1”)にアクセス可能である。
また、利用者B(Jim)は、自己の外部の専有フォルダ(ここでは”Jimfolder”)と、利用者Aと同じ外部の共有フォルダSF1(ここでは”Sharefolder1”)にアクセス可能である。
更に、利用者C(Kurt)は、自己の外部の専有フォルダ(ここでは”Kurtfolder”)と、利用者Aとは異なる外部の共有フォルダSF2(ここでは”Sharefolder2”)にアクセス可能である。
また、利用者D(Yamashita)は、自己の外部の専有フォルダ(ここでは”Yamashitafolder”)と、利用者A(B)と同じ外部の共有フォルダSF1(ここでは”Sharefolder1”)と、利用者Cと同じ外部の共有フォルダSF2(ここでは”Sharefolder2”)にアクセス可能である。このように、外部の共有フォルダによっては、アクセスできる利用者と、アクセスできない利用者が存在する。
上記のようなフォルダ管理DB8001では、例えば、利用者A(Kato)及び利用者B(Jim)は同じ仕事をしている関係にあるため、共有フォルダSF1にアクセスできるが、利用者C(Kurt)は、利用者A及び利用者Bと異なる仕事をしているため、共有フォルダSF1にはアクセスできないことを示している。逆に、利用者Cは、共有フォルダSF2にアクセスできるが、利用者A及び利用者Bは、共有フォルダSF2にアクセスできないことを示している。更に、利用者D(Yamashita)は、各利用者A,B,Cの上司や管理者であり、いずれの共有ファイルSF1,SF2にもアクセスできることを示している。
(ファイル管理サーバの各機能構成)
次に、ファイル管理サーバ8の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、ファイル管理サーバ8の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、ファイル管理サーバ8の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図9に示されているファイル管理サーバ8の送受信部81は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部89は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部8000に各種データを記憶したり、記憶部8000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<<実施形態の処理又は動作>>
以降、各実施形態の処理または動作について説明する。なお、以降、各種要求、及び各種結果は、それぞれデータ(情報)として送受信される。
<ログイン処理>
最初に、図11乃至図14を用いて、本実施形態に係るログイン処理について説明する。図11は、ログイン処理を示したシーケンス図である。図12は、電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。図13は、利用者が電子黒板を利用する状態を示したイメージ図である。
ここでは、図1において、ある会議室で利用者A,Bが電子黒板2xを利用して会議する場合、利用者Aが電子黒板2xからログイン処理する場合について説明する。
図13に示されているように、利用者Aは電子黒板2xの電源スイッチ222を押下すると、表示制御部24が、図12(A)に示されているように、ディスプレイ220上にログイン画面170を表示する(ステップS11)。次に、図13に示されているように、利用者Aが、電子黒板2xの近距離通信部221に、自己のICカード3を近接する(かざす)と、電子黒板2xの取得・提供部28が、ICカード3の取得・提供部38からICカードの端末IDを取得する(ステップS12)。そして、電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、ログイン認証の要求を送信する(ステップS13)。このログイン認証の要求には、ステップS12によって取得された端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、ログイン認証の要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してICカード3のログイン認証を行なう(ステップS14)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS13によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図10(A)参照)において、端末IDに対応する利用者IDを検索する。対応する利用者IDがある場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)であると判断する。対応する利用者IDがない場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)ではないと判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、認証結果を送信する(ステップS15)。認証部52が正当なICカードであると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報、利用者ID及び利用者名が含まれている。また、認証部52が正当なICカードでないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。
次に、電子黒板2xは、認証結果に基づく処理を行なう(ステップS16)。ここで、図14を用いて、ステップS16の認証結果に基づく処理について詳細に説明する。図14は、ログインする場合の認証結果に基づく処理示すフローチャートである。
図14に示されているように、判断部25は、ステップS15によって受信された認証結果が正当である旨を示す情報であるか(即ち、ステップS13によって送信された端末IDが正当であるか)を判断する(ステップS16−1)。そして、判断部25が正当である旨を示す情報でないと判断した場合、即ちログインに失敗したと判断した場合には(NO)、表示制御部24が、ディスプレイ220上に、図12(B)に示されているように、エラー画面180を表示する(ステップS16−2)。また、判断部25が正当である旨を示す情報であると判断した場合、即ちログインに成功したと判断した場合には(YES)、ステップS17の処理に進む。以降、正当である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、ファイル管理サーバ8に対して、フォルダ名の要求を送信する(ステップS17)。この要求には、上記ステップS15によって受信された利用者IDが含まれている。これにより、ファイル管理サーバ8の送受信部81は、フォルダ名の要求を受信する。
次に、ファイル管理サーバ8では、記憶・読出処理部89が、ステップS17によって受信された利用者IDを検索キーとして、フォルダ管理テーブル(図10(B)参照)を検索することにより、対応する全てのフォルダ名を読み出す(ステップS18)。そして、送受信部81は、電子黒板2xに対してフォルダ名を送信する(ステップS20)。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、フォルダ名を受信する。但し、フォルダ名は、利用者Aによって、後述の読み込みの際のフォルダ選択画面240又は保存の際のフォルダ選択画面250が表示されるまでは、ディスプレイ220に表示されない。
次に、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図12(C)に示されているように、描画開始画面190を表示させる(ステップS20)。この描画開始画面190には、「ようこそ、Katoさん」等の描画を開始することができる旨を示すティッカー(Ticker)が表示されている。この「Kato」の文字は、ステップS15によって受信された利用者名が利用されている。以上によって、利用者A,Bは、電子黒板2xに描画を行なうことができる。
<ファイルデータの読み込み処理>
続いて、図15及び図17を用いて、ファイルデータの読み込み処理を説明する。図15は、ファイルデータの読み込み処理を示したシーケンス図である。図16は、ファイルデータの読み込みを行なう場合のフォルダ選択処理を示したフローチャートである。図17は、読み込み処理の際に電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。
利用者A(Kato)が、図8(B)に示されている「読み込み」ボタン234を押下すると、受付部22は、読み込みを行なう場合のフォルダ選択画面240の表示を受け付ける(ステップS31)。そして、表示制御部24は、ディスプレイ220に、図17(A)に示されているように、読み込みを行なう場合のフォルダ選択画面240を表示する(ステップS32)。このフォルダ選択画面240には、「USBメモリ」ボタン241、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン242、外部の専有フォルダボタンの一例を示す“Katofolder”ボタン243a、及び外部の共有フォルダボタンの一例を示す”Sharefolder1”ボタン243bが表示されている。これらのうち、「USBメモリ」ボタン241は、図2に示されているUSBメモリ2600からファイルデータを読み込む(読み出す)ためのボタンである。「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン242は、図8(C)に示されている「電子黒板内の共有フォルダに一時保存して終了」ボタン238aと同様に、記憶部2000の共有フォルダに一時的にファイルデータを保存するためのボタンである。
“Katofolder”ボタン243aは、ファイル管理サーバ8の記憶部8000に記憶されている利用者A(Kato)の専有のフォルダからファイルデータを読み込む(読み出す)ためのボタンである。
”Sharefolder1”ボタン243bは、ファイル管理サーバ8の記憶部8000に記憶されている所定の共有フォルダSF1からファイルデータを読み込む(読み出す)ためのボタンである。
このように、読み込み時のフォルダ選択画面240を表示させた場合には、デフォルトで、ログインした利用者Aの利用者名が示されたボタン243aが表示され、更に、利用者Aがアクセス可能な共有フォルダSF1を示すボタン243bが表示されている。一方、利用者A(Kato)は、利用者B(Jim),利用者C(Kurt),利用者D(Yamashita)である他の利用者の専有フォルダにはアクセスできないだけでなく、利用者C(Kurt)の共有フォルダSF2にもアクセスできない。
なお、フォルダ選択画面240(図17(A)参照)の下部には、各ボタン241,242,243a,243bが選択された後に、この選択を確定するための「OK」ボタン247、この選択を取り止めるための「キャンセル」ボタン249が表示されている。
また、利用者D(Yamashita)が、図11に示されているログイン認証により、正当な権限を有する者として、電子黒板2xを利用している場合であって、利用者Dが、図8(B)に示されている「読み込み」ボタン234を押下した場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220に、図17(C)に示されているようなフォルダ選択画面240を表示する。この場合、「USBメモリ」ボタン241、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン242、及び利用者Dの専有のフォルダを示す”Yamashita”ボタン243dだけでなく、共有フォルダSF1を示すボタン243b、及び共有フォルダSF2を示すボタン243cも表示される。例えば、利用者Dが利用者A,B,Cの上司の場合、各利用者の専有フォルダにはアクセスできないが、各利用者の共有フォルダにはアクセスできる。
次に、電子黒板2xは、フォルダの選択の受付処理を行なう(ステップS33)。ここで、図16を用いて、ファイルデータの読み込みを行なう場合のフォルダ選択処理について説明する。
まず、図17(A)に示されているフォルダ選択画面240において、受付部22は、利用者Aによって、各ボタン241,242,243a,243bのいずれかが押下されることで、フォルダの選択を受け付ける(ステップS33−1)。
次に、判断部25は、“Katofolder”ボタン243aが押下されたか、即ち、外部の専有フォルダからの読み込みを受け付けたかを判断する(ステップS33−2)。このステップS33−2において、判断部25が、外部の専有フォルダからの読み込みを受け付けたと判断した場合には(YES)、後述のステップS34の処理へ進む。
次に、図15に戻って、電子黒板2xの送受信部21は、ファイル管理サーバ8に対して、ファイル名の要求を送信する(ステップS34)。この要求には、ステップS33−1で受け付けられた外部の専有フォルダのフォルダ名が含まれている。これにより、ファイル管理サーバ8の送受信部81は、ファイル名の要求を受信する。
次に、ファイル管理サーバ8では、記憶・読出処理部89が、ステップS34によって受信されたフォルダ名に基づき、記憶部8000から、このフォルダ名のフォルダに含まれている全てのファイル名を読み出す(ステップS35)。そして、送受信部81は、電子黒板2xに対して、ステップS35によって読み出されたファイル名を送信する(ステップS36)。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、ファイル名を受信する。
次に、電子黒板2xでは、表示制御部24が、図17(B)に示されているようなファイル選択画面245を表示させる(ステップS37)。このファイル選択画面245には、ファイルデータのファイル名243a1,243a2が表示されている。なお、ファイル選択画面245(図17(B)参照)の下部には、各ファイル名243a1,243a2が選択された後に、この選択を確定するための「OK」ボタン247、この選択を取り止めるための「キャンセル」ボタン249が表示されている。
次に、受付部22は、利用者Aによって、各ファイル名243a1,243a2のいずれかが押下されることで、ファイル名の選択を受け付ける(ステップS38)。そして、送受信部21は、ファイル管理サーバ8に対して、ファイルデータの要求を送信する(ステップS39)。この要求には、ステップS38で受け付けられたファイル名が含まれている。これにより、ファイル管理サーバ8の送受信部81は、ファイルデータの要求を受信する。
次に、ファイル管理サーバ8では、記憶・読出処理部89が、ステップS39によって受信されたファイル名に基づき、記憶部8000から、このファイル名によって特定されるファイルデータを読み出す(ステップS40)。そして、送受信部81は、電子黒板2xに対して、ステップS40によって読み出されたファイルデータを送信する(ステップS41)。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、ファイルデータを受信する。
次に、電子黒板2xでは、表示制御部24が、ステップS41によって受信されたファイルデータに基づいて、例えば、図8(A)に示されているような描画画面230を表示させる(ステップS42)。
続いて、図16に戻り、ステップS33−2において、判断部25が、外部の専有フォルダからの読み込みを受け付けなかったと判断した場合には(NO)、更に、”Sharefolder1”ボタン243bが押下されたか、即ち、外部の共有フォルダからの読み込みを受け付けたかを判断する(ステップS33−3)。
そして、ステップS33−3において、判断部25が、外部の共有フォルダからの読み込みを受け付けたと判断した場合には(YES)、ステップS34の処理へ進む。なお、この場合、ステップS34では、送受信部21がファイル名の要求を送信する際に、ファイル名として外部の共有フォルダ名(ここでは”Sharefolder1”)を送信する。
一方、ステップS33−3において、判断部25が、外部の共有フォルダからの読み込みを受け付けなかったと判断した場合には(NO)、更に、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン242が押下されたか、即ち、電子黒板2xの内部の共有フォルダからの読み込みを受け付けたかを判断する(ステップS33−4)。
そして、ステップS33−4において、判断部25が、電子黒板2xの内部の共有フォルダからの読み込みを受け付けたと判断した場合には(YES)、表示制御部24は、例えば、図17(B)に示されているような読み込みの際のファイル選択画面245を表示させる(ステップS33−5)。このファイル選択画面245には、ファイルデータのファイル名243a1,243a2が表示されている。なお、ファイル選択画面245(図17(B)参照)の下部には、各ファイル名243a1,243a2が選択された後に、この選択を確定するための「OK」ボタン247、この選択を取り止めるための「キャンセル」ボタン249が表示されている。
次に、利用者Aが、図17(B)に示されているファイル選択画面245において、所望のファイル名を押下して選択した後、「OK」ボタン247を押下すると、受付部22は、読み込む対象となるファイルの選択を受け付ける(ステップS33−6)。これにより、記憶・読出処理部29は、記憶部2000から、ステップS33−6によって受け付けられたファイルに係るファイルデータを読み込む(読み出す)(ステップS33−7)。そして、ステップS42に進み、表示制御部24は、ディスプレイ220にファイルデータの内容である画像を表示させる。
一方、上述のステップS33−4において、判断部25が、電子黒板2xの内部の共有フォルダからの読み込みを受け付けなかったと判断した場合には(NO)、表示制御部24は、例えば、図17(B)に示されているような読み込みの際のファイル選択画面245を表示させる(ステップS33−8)。
次に、利用者Aが、図17(B)に示されているファイル選択画面245において、所望のファイル名を押下して選択した後、「OK」ボタン247を押下すると、受付部22は、読み込む対象となるファイルの選択を受け付ける(ステップS33−9)。これにより、記憶・読出処理部29は、USBメモリ2600によって実現された記録媒体2100から、ステップS33−9によって受け付けられたファイルに係るファイルデータを読み込む(読み出す)(ステップS33−10)。そして、ステップS42に進み、表示制御部24は、ディスプレイ220にファイルデータの内容である画像を表示させる。
以上により、ファイルデータの読み込みの処理が終了する。
<ファイルデータの保存処理>
続いて、図18及び図20を用いて、ファイルデータの読み込み処理を説明する。図18は、ファイルデータの保存処理を示したシーケンス図である。図19は、電子ファイルデータの保存処理を示すフローチャートである。図20(A)は、読み込まれた画像を編集した状態を示す画面例である。図20(B)は、保存処理の際に電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。
以降、例えば、利用者A(Kato)が、上述のファイルデータの読み込み処理によって、図8(A)に示されている状態の描画画面230を表示させた後、図20(A)に示されているように、左側の円の上部を削除し、右側の三角に新たに小さい三角を追加するような描画を行なった場合について説明する。利用者Aは、図20(A)に示されている「メニュー」ボタン231を押下後に、「保存」ボタン235(図8(B)参照)を押下すると、受付部22は、保存の際のフォルダ選択画面250の表示を受け付ける(ステップS51)。そして、表示制御部24は、ディスプレイ220に、図20(B)に示されているように、保存を行なう場合のフォルダ選択画面250を表示する(ステップS52)。このフォルダ選択画面250には、「USBメモリ」ボタン251、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン252、外部の専有フォルダボタンの一例を示す“Katofolder”ボタン253a、及び外部の共有フォルダボタンの一例を示す”Sharefolder1”ボタン253bが表示されている。これらのうち、「USBメモリ」ボタン251は、図2に示されているUSBメモリ2600に対して描画像のファイルデータを保存するためのボタンである。「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン252は、記憶部2000の共有フォルダに一時的に描画像のファイルデータを保存するためのボタンである。
“Katofolder”ボタン253aは、ファイル管理サーバ8の記憶部8000に記憶されている利用者A(Kato)の専有のフォルダに対して、描画像のファイルデータを保存するためのボタンである。
”Sharefolder1”ボタン243bは、ファイル管理サーバ8の記憶部8000に記憶されている所定の共有フォルダSF1に対して、描画像のファイルデータを保存するためのボタンである。
このように、保存時のフォルダ選択画面250を表示させた場合には、デフォルトで、ログインした利用者Aの利用者名が示されたボタン253aが表示され、更に、利用者Aがアクセス可能な共有フォルダSF1を示すボタン253bが表示されている。一方、利用者A(Kato)は、利用者B(Jim),利用者C(Kurt),利用者D(Yamashita)である他の利用者の専有フォルダにはアクセスできないだけでなく、利用者C(Kurt)の共有フォルダSF2にもアクセスできない。
なお、フォルダ選択画面250(図20(B)参照)の下部には、各ボタン251,252,253a,253bが選択された後に、この選択を確定するための「OK」ボタン257、この選択を取り止めるための「キャンセル」ボタン259が表示されている。
また、利用者D(Yamashita)が、図11に示されているログイン認証により、正当な権限を有する者として、電子黒板2xを利用している場合であって、利用者Dが、図8(B)に示されている「保存」ボタン235を押下した場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220に、図20(C)に示されているようなフォルダ選択画面250を表示する。この場合、「USBメモリ」ボタン251、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン252、及び、利用者Dの専有のフォルダを示す”Yamashita”ボタン253dだけでなく、共有フォルダSF1を示すボタン253b、及び共有フォルダSF2を示すボタン253cも表示される。例えば、利用者Dが利用者A,B,Cの上司の場合、各利用者の専有フォルダにはアクセスできないが、各利用者の共有フォルダにはアクセスできる。
次に、電子黒板2xは、フォルダの選択の受付処理を行なう(ステップS33)。ここで、図19を用いて、ファイルデータの保存を行なう場合のフォルダ選択処理について説明する。
まず、受付部22は、利用者Aによって、各ボタン251,252,253a,253bのいずれかが押下されることで、フォルダの選択を受け付ける(ステップS53−1)。
次に、判断部25は、“Katofolder”ボタン243aが押下されたか、即ち、外部の専有フォルダに対する保存を受け付けたかを判断する(ステップS53−2)。このステップS53−2において、判断部25が、外部の専有フォルダに対する保存を受け付けたと判断した場合には(YES)、後述のステップS54の処理へ進む。
次に、図18に戻って、電子黒板2xの送受信部21は、ファイル管理サーバ8に対して、図19(A)に示されているような描画像のファイルデータを送信する(ステップS54)。また、ステップS54では、送受信部21がファイルデータを送信する際に、このファイルデータを保存する場所である外部の専有フォルダ名(ここでは”Katofolder”)を送信する。これにより、ファイル管理サーバ8の送受信部81は、ファイルデータ及びフォルダ名を受信する。
なお、ファイル保存時のファイル名は電子黒板2xが生成するため、利用者がファイル名を入力しなくてもよい。このときのファイル名は、電子黒板2xが内蔵している電子時計から日時を取得し、たとえば”iwb-yyyymmdd-HHMMSS.pdf”というファイル名を生成することにより実現できる。ここで、yyyy, mm, dd, HH, MM, SSは、それぞれ日時取得時の西暦年、月、日、時、分、秒を示す。
次に、ファイル管理サーバ8では、記憶・読出処理部89が、ステップS54によって受信されたフォルダ名に基づき、記憶部8000に記憶されているフォルダ名のフォルダに対してファイルデータを保存する(ステップS55)。これにより、利用者Aは、自己の外部の専有フォルダに描画像のファイルデータを保存することができる。
続いて、図19に戻り、ステップS53−2において、判断部25が、外部の専有フォルダに対する保存を受け付けなかったと判断した場合には(NO)、更に、”Sharefolder1”ボタン253aが押下されたか、即ち、外部の共有フォルダに対する保存を受け付けたかを判断する(ステップS53−3)。
そして、ステップS53−3において、判断部25が、外部の共有フォルダに対する保存を受け付けたと判断した場合には(YES)、ステップS54の処理へ進む。なお、この場合、ステップS54では、送受信部21がファイルデータを送信する際に、このファイルデータを保存する場所である外部の共有フォルダ名(ここでは”Sharefolder1”)を送信する。これにより、ファイル管理サーバ8の送受信部81は、ファイルデータ及びフォルダ名を受信する。
一方、ステップS53−3において、判断部25が、外部の共有フォルダに対する保存を受け付けなかったと判断した場合には(NO)、更に、「一時保存する電子黒板内の共有フォルダ」ボタン252が押下されたか、即ち、電子黒板2xの内部の共有フォルダに対する保存を受け付けたかを判断する(ステップS53−4)。
そして、ステップS53−4において、判断部25が、電子黒板2xの内部の共有フォルダに対する保存を受け付けたと判断した場合には(YES)、記憶・読出処理部29が、記憶部2000に記憶されている共有フォルダにファイルデータを保存する(ステップS52−5)。
一方、上述のステップS53−4において、判断部25が、電子黒板2xの内部の共有フォルダに対する保存を受け付けなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出処理部29が、USBメモリ2600によって実現された記録媒体2100に対してファイルデータを保存する(ステップS52−6)。
以上により、ファイルデータの保存の処理が終了する。
<ストロークデータ>
上述のファイルデータには、ストロークデータが含まれる。このストロークデータは、利用者によって電子ペン2500や手Hでディスプレイ220上に描画された描画データから変換されたデータである。ストロークデータを用いることで、図8(A)に示されているような描画像のファイルデータを保存した場合であっても、読み込んだ後には、図20(A)に示されているように、読み込む前の描画像を編集することができる。
ここで、図21乃至図24を用いて、ストロークデータについて詳細に説明する。
ファイルデータは、図21に示されているようなページデータによって構成されている。図21は、ページデータを示す概念図である。
ページデータは、ディスプレイ220に表示される1ページ分のデータ(ストローク配列データ(各ストロークデータ)及びメディアデータ)である。なお、ページデータに含まれるパラメータの種類が多いため、ここでは、図21乃至図24に分けて、ページデータの内容を説明する。
ページデータは、図21に示されているように、任意の1ページを識別するためのページデータID、このページの表示を開始した時刻を示す開示時刻、電子ペン2500によるストロークや手Hによる画面拡大等のジェスチャによって、ページの内容の書き換えが行われなくなった時刻を示す終了時刻、電子ペン2500や手Hによるストロークによって生じたストローク配列データを識別するためのストローク配列データID、及びメディアデータを識別するためのメディアデータIDが関連付けて記憶されている。ストローク配列データは、ストローク画像(描画像)がディスプレイ220上に表示されるためのデータである。メディアデータは、背景画像がディスプレイ220上に表示されるためのデータである。
このようなページデータにより、例えば、利用者が電子ペン2500によってアルファベット「S」を描く場合は一筆書きとなるため、ストロークデータIDが1つで一文字のアルファベット[S]が示される。ところが、利用者が電子ペン2500によってアルファベット「T」を描く場合、二筆書きとなるため、ストロークデータIDが2つで一文字のアルファベット「T」が示されることになる。
また、ストローク配列データは、図22に示されているように詳細な情報を示している。図22は、ストローク配列データを示す概念図である。
図22に示されているように、1つのストローク配列データは、複数のストロークデータによって表される。そして、1つのストロークデータは、このストロークデータを識別するためのストロークデータID、1つのストロークの書き始めの時刻を示す開始時刻、1つのストロークの書き終わりの時刻を示す終了時刻、ストロークの色、ストロークの幅、及び、ストロークの通過点の配列を識別するための座標配列データIDを示している。
更に、この座標配列データは、図23に示されているように詳細な情報を示している。図23は、座標配列データを示す概念図である。
図23に示されているように、座標配列データは、ディスプレイ220上の1点(X座標値、Y座標値)、この1点を通過したときのストロークの開示時刻からの差分の時刻(ms)、及び、この1点における電子ペン2500の筆圧の各情報を示している。即ち、図23に示されている1点の集まりが、図22に示されている1つの座標配列データで示されている。例えば、利用者が電子ペン2500によってアルファベット「S」を描く場合、一筆書きとなるが、「S」を描き終えるまでに、複数の通過点を通過するため、座標配列データは、これら複数の通過点の情報を示している。
また、図21に示されているページデータのうちのメディアデータは、図24に示されているように詳細な情報を示している。図24は、メディアデータを示す概念図である。
図24に示されているように、メディアデータは、図21に示されているページデータにおけるメディアデータID、メディアデータのデータ種類、ページデータが記録された記録時刻、ページデータによってディスプレイ220上に表示される画像の位置(X座標値、Y座標値)及び画像のサイズ(幅、高さ)、並びにメディアデータの内容を示すデータが関連付けられて示されている。このうち、ページデータによってディスプレイ220上に表示される画像の位置は、ディスプレイ220の左上端の座標を(X座標値,Y座標値)=(0,0)とした場合に、ページデータによって表示される画像の左上端の位置を示している。
以上により、描画像のファイルデータは、ストロークデータによって構成されているため、一旦保存した後に読み込んだ場合であっても、描画像の編集が可能である。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように、本実施形態によれば、”Katofolder”,”Jimfolder”等の第1の専有フォルダ名、及び”Sharefolder1”等の第1の共有フォルダ名を選択可能に表示することで、第1の専有フォルダでセキュリティーを確保しつつ、第1の共有フォルダで引継ぎをスムーズに行なうことができるという効果を奏する。この場合、”Kurtfolder”のフォルダにアクセス可能な利用者C(Kurt)は、”Sharefolder2”のフォルダにはアクセス可能であるが、”Sharefolder1”のフォルダにはアクセス不可能である。
また、”Yamashitafolder”等の第2の専有フォルダ名、”Sharefolder1”等の第1の共有フォルダ名、及び”Sharefolder2”等の第2の共有フォルダ名を選択可能に表示することで、”Yamashitafolder”のフォルダにアクセス可能な利用者D(Yamashita)は、”Sharefolder1”のフォルダにはアクセス可能であり、”Sharefolder2”のフォルダにもアクセス可能である。これにより、利用者D(Yamashita)が利用者A(Kato),利用者B(Jim),利用者C(Kurt)の上司や管理者等である場合、利用者D(Yamashita)は、部下等の各専有フォルダにアクセスすることは不可能であるが、各共有フォルダにはアクセス可能である。
また、共有端末2xの内部の共有フォルダではなく、ファイル管理サーバ8等の外部の共有フォルダにファイルデータを保存しておくことで、例えば、利用者A(Kato)が電子黒板2xを利用した後、利用者A(Kato)や利用者B(Jim)が、他拠点の電子黒板2yを利用する際、ファイル管理サーバ8に保存しておいたファイルデータを読み込んで、引き続き会議等を行なうことができる。
〔特許請求の範囲と本実施形態の関係〕
「第1の専有端末」は、例えば、利用者Aの専有端末である。「第2の専有端末」は、例えば、利用者Dの専有端末である。
「第1の端末識別情報」は、例えば、利用者Aの端末ID「aaa」である。「第2の端末識別情報」は、例えば、利用者Cの端末ID「ccc」である。
「第1の利用者識別情報」は、例えば、利用者Aの利用者ID「10001」である。「第2の利用者識別情報」、例えば、利用者Cの利用者ID「10003」である。
「第1の専有フォルダ名」は、例えば、利用者Aの専有フォルダである。「第2の専有フォルダ名」は、例えば、利用者Cの専有フォルダである。
「第1の共有フォルダ名」は、例えば、利用者A,B,Dがアクセス可能な外部の共有フォルダのフォルダ名”Sharefolder1”である。「第2の共有フォルダ名」は、利用者C,Dがアクセス可能な外部の共有フォルダのフォルダ名”Sharefolder2”である。