以下に図面を用いて、本実施形態に係る通信システム1を詳細に説明する。
<<システム構成の概略>>
まず、通信システム1の構成の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの概略図である。
図1に示されているように、本実施形態の通信システム1は、電子黒板2x、電子黒板2y、IC(Integrated Circuit)カード3、スマートフォン4、端末管理サーバ5、宛先管理サーバ6、メールサーバ7、印刷サーバ8、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)9、PC(Personal Computer)10a,10b、及びビデオ会議端末13によって構築されている。なお、以下では、電子黒板2x、電子黒板2yのうち、任意の電子黒板を「電子黒板2」として表わす。また、PC10a,10bのうち、任意のPCを「PC10」として表す。
また、通信システム1を構成する電子黒板2、端末管理サーバ5、宛先管理サーバ6、メールサーバ7、印刷サーバ8、MFP9、PC10、及びビデオ会議端末13は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、電子黒板2と、ICカード3及びスマートフォン4は、それぞれNFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。また、スマートフォン4は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって電子黒板2と通信してもよい。
また、電子黒板2xと電子黒板2yは、それぞれ利用者によって描画された内容である描画像のデータ(以下、「描画像データ」という)を送受信することができる。そのため、電子黒板2xで描画された内容は電子黒板2yでも表示され、逆に、電子黒板2yで描画された内容は電子黒板2xでも表示される。
また、電子黒板2は、描画像データからRPCS(Refined Printing Command Stream)形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、描画像データからPDF(Portable Document Format)形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。これにより、MFP9は描画像を印刷することができ、PC10は描画像を表示することができる。
また、電子黒板2は、利用者によって描画されていない資料やディスプレイ220に表示される背景画像等の非描画像も表示することができる。この場合も、電子黒板2は、非描画像のデータ(以下、「非描画像データ」という)からRPCS形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、非描画像データからPDF形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。
なお、RPCS形式の画像データ及びPDF形式の画像データは、元の描画像又は元の非描画像としての画像に係るデータである。また、電子黒板2は共有端末の一例であり、複数の利用者が同時に同じ画像を閲覧する(見る)ことができる。ICカード3及びスマートフォン4は、専有端末の一例である。専用端末は、好ましくは、利用者により携帯可能な端末であり、例えば、会議等に携帯できる。MFP9は、印刷装置の一例である。PC10は、個人端末の一例である。個人端末の例として、デスクトップPC、ノートPC、タブレット端末等がある。個人端末は、ユーザが自身のメールアドレスへのアクセスに利用されるPCであればよく、会議等に携帯する必要はない。
また、画像データは、RPCS形式だけでなく、PCL(Printer Control Language)形式、PDL(Page Description Language)形式、又はPS(PostScript)形式であってもよい。
図1では、利用者Aは、ICカード3を所有しており、電子黒板2を利用した会議にICカード3を持参している。利用者Bは、スマートフォン4を所有しており、電子黒板2を利用した会議にスマートフォン4を持参している。PC10aは、利用者Aが所有しているPCである。PC10bは、利用者Bが所有しているPCである。また、電子黒板2は、ビデオ会議機能を有しており、通信ネットワーク100を介してビデオ会議端末13と映像及び音声による会議等を行なうことができる。
端末管理サーバ5は、専有端末を識別するための端末ID(Identification)を管理する。宛先管理サーバ6は、各利用者が所有するPCの電子メールアドレスを管理する。ここでは、各利用者が所有するPCの電子メールアドレスとは、各利用者のメールアドレスであり、宛先管理サーバ6に利用者IDと紐づいて登録されている。メールサーバ7は、通信ネットワーク100を介する電子メールの送受信を管理する。印刷サーバ8は、電子黒板2、PC10から送信された画像に係るデータ(ここでは、印刷データ)を保存しておき、MFP9からの要求に応じてMFP9に画像に係るデータを送信する。
<<ハードウェア構成>>
続いて、図2乃至図7を用いて、通信システム1を構築する装置又は端末のハードウェア構成を説明する。
<電子黒板のハードウェア構成>
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F205は、通信ネットワーク100を介した外部装置との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、USB(Universal Serial Bus)メモリ2600、外付け機器(カメラ2400、スピーカ2300、マイク2200)との通信を制御する。
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、近距離通信回路219のアンテナ219a、及び電源スイッチ222を備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、PC10のディスプレイ508に対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ220等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ220上に電子ペン2500やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ220の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ220に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ220の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン2500と通信することで、ディスプレイ220へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン2500のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン2500のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<ICカードのハードウェア構成>
図3は、ICカードのハードウェア構成図である。ここでは、非接触型の構成について説明するが、接触型を利用してもよい。図3に示されているように、ICカード3は、ICチップ310、及びアンテナコイル330を備えている。更に、ICチップ310は、CPU311、ROM312、RAM313、EEPROM314、アンテナI/F318を備えている。
これらのうち、CPU311は、ICカード3全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)314は、ICカード3用のプログラムや、ICカード3を識別するための端末ID等の各種データを記憶する。アンテナI/F318は、アンテナコイル330を介して、外部装置と行なうデータの送受信を制御する。
更に、ICカード3は、バスライン320を備えている。バスライン320は、図3に示されているCPU311等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
アンテナコイル330は、ICカード3がリーダ・ライタ等の外部装置の発生する磁界を通過する際に、この磁気を受けて電流を発生するためのコイルである。ICカード3は、この電気を利用することで、ICチップ310が起動し、外部装置のリーダ・ライタと交信し、データの取得や提供が可能になる。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図4は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図4に示されているように、スマートフォン4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、加速度・方位センサ406、メディアI/F408、GPS受信部409を備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン4用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主にスマートフォン4を操作するユーザの自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ406は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F408は、フラッシュメモリ等の記録メディア407に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部409は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路411、カメラ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路411は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、カメラ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路419は、NFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ417を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<サーバ、PCのハードウェア構成>
図5は、サーバ、PCのハードウェア構成図である。なお、端末管理サーバ5、宛先管理サーバ6、メールサーバ7、印刷サーバ8及びPC10a,10bは、基本的に同様のハードウェア構成であるため、ここでは、端末管理サーバ5のハードウェア構成について説明する。また、以降の説明では、宛先管理サーバ6、メールサーバ7、印刷サーバ8及びPC10a,10bのハードウェア構成について説明する場合には、図5に示されている各構成を用いて説明する。
端末管理サーバ5は、コンピュータによって構築されており、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD−ROMドライブ514、及び、バスライン510を備えている。なお、端末管理サーバ5は、サーバとして機能するため、キーボード511やマウス512等の入力装置や、ディスプレイ508等の出力装置はなくてもよい。
これらのうち、CPU501は、端末管理サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD−ROMドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、端末管理サーバ5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<MFPのハードウェア構成>
図6は、MFPのハードウェア構成図である。図6に示されているように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM−P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)907、HDD908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM−P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM−P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM−P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及び印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、FD、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM−C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM−C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの座標変換などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM−C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDD908は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信用アンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理を行なう制御部が含まれている。
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
<ビデオ会議端末のハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図7に示されているように、ビデオ会議端末13は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU101は、ビデオ会議端末13全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、ビデオ会議端末13の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、ビデオ会議端末13の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F111は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
また、バスライン110は、図7に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、ビデオ会議端末13に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
<<電子黒板の画面例>>
図8乃至図10を用いて、電子黒板2の画面例について説明する。図8乃至図10は、電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。電子黒板2はディスプレイ220上に、図8(A)に示されているような描画画面230を表示させる。この描画画面230には、利用者によって電子ペン2500等で描画された画像が表示される。また、描画画面230の右下部には、「メニュー」ボタン231が表示されている。「メニュー」ボタン231は、電子黒板の各種機能を実行する際に、利用者によって押下されるボタンである。ここで、利用者が電子ペン2500等により、「メニュー」ボタン231を押下すると、電子黒板2は、図8(B)に示されているように、描画画面230上に、各種機能を選択するためのメニュー選択画面232を表示させる。
メニュー選択画面232は、図8(B)に示されているように、「読み込み」ボタン234、「保存」ボタン235、「印刷」ボタン236、「メール送信」ボタン237、及び「QRコード」ボタン239が表示されている。
これらのうち、「読み込み」ボタン234は、電子黒板2が、既に描画されてSSD204に保存されている描画像データを読み込んで、ディスプレイ220上に表示させるためのボタンである。「保存」ボタン235は、電子黒板2が、利用者によって描画された描画像を描画像データとしてSSD204に保存するためのボタンである。「印刷」ボタン236は、電子黒板2が描画画面230に表示されている描画像を、MFP9等で印刷させるためのボタンである。「メール送信」ボタン237は、電子黒板2が利用者のPC10a,10b等に対して、描画画面230に表示されている描画像を描画像データとして電子メールに添付して送信するためのボタンである。「QRコード」ボタン239は、電子黒板2がディスプレイ220上に自装置を識別するための装置IDが埋め込まれたQRコード(登録商標)を表示するためのボタンである。
続いて、各ボタン234〜237,239がそれぞれ押下された場合に、電子黒板2が表示する画面について説明する。
利用者によって「読み込み」ボタン234が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(A)に示されているようなフォルダ選択画面240を表示させる。このフォルダ選択画面240には、読み込まれるファイルのフォルダを選択するための複数のフォルダアイコンが表示されている。利用者が電子ペン2500を用いて所望のフォルダアイコン(例えば「フォルダ01」)選択することで、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(B)に示されているようなファイル選択画面245を表示させる。このファイル選択画面245には、読み込まれるファイルを選択するための複数のファイルアイコンが表示されている。利用者が電子ペン2500を用いて所望のファイルアイコンを選択することで、電子黒板2はディスプレイ220上に、選択されたファイルのデータに係る描画像を含む描画画面230を表示させる。
利用者によって「保存」ボタン235が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(C)に示されているフォルダ選択画面250を表示させる。このフォルダ選択画面250には、保存するファイルのフォルダを選択するための複数のフォルダアイコンが表示されている。利用者は、電子ペン2500を用いて所望のフォルダアイコン選択することで、保存するフォルダの選択が可能となる。
利用者によって「印刷」ボタン236が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させる。この印刷設定画面260には、各種印刷パラメータが表示されているとともに、設定変更できるプルダウンメニューが表示されている。この印刷設定画面260には、カラー又は白黒の選択、用紙サイズ(A4、A3等)の選択、印刷面(片面又は両面)の選択、部数の増減の選択の各メニュー261〜264が表示される。また、印刷設定画面260のフィールド265には、印刷装置を特定するための装置名(ここでは、「MFP9」)が表示される。印刷設定画面260には、印刷を開始する際に利用者によって押下される「印刷」ボタン267が表示される。なお、図9の各画面には、その画面から図8(A)に示されている描画画面230に戻るための「キャンセル」ボタン249,259,269が表示されている。
利用者Aによって「メール送信」ボタン237が押下されると、電子黒板2xの表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図10(A)に示されている宛先設定画面270を表示させる。この宛先設定画面270には、既に登録された電子メールアドレスを表すための「登録アドレス帳」タブ271、及び、利用者が電子ペン2500等で電子メールアドレスを直接入力するための「直接入力」タブ272が表示されている。ここでは、「登録アドレス帳」タブ271が選択されている場合が示されており、登録済みの電子メールアドレスを含む登録アドレス帳欄273が表示されている。
更に、登録アドレス帳欄273の下部には、実際に電子メールを送信する宛先を示す電子メールアドレスを表示するアドレス設定欄274が設けられている。ここでは、利用者Aがログインすることで、後述のステップS19によって送られて来た電子メールアドレス(例えば、「USER1@・・・」)が表示されている。また、宛先設定画面270には、電子メールの送信を開始する際に利用者によって押下される「送信」ボタン277が表示されている。
なお、一般には利用者が表示させることができないが、管理者やサービスエンジニア等が表示させることができる画面として、電子黒板2はディスプレイ220上に、図10(B)に示されている電子メール設定画面280を表示させることができる。この電子メール設定画面280は、サーバアドレス欄281、ポートナンバー欄282、メール送信者のアドレス欄283、認証要求欄284、アカウント欄285、及び、パスワード欄286を表示している。
これらのうち、サーバアドレス欄281は、メールサーバ7のIPアドレスが入力される欄である。ポートナンバー欄282は、メールサーバ7が電子メールの受け付けのために開放しているポート番号が入力される欄である。メール送信者のアドレス欄283には、メール送信元が電子黒板2であるとして、予め電子黒板2のメールアドレスが設定されている。即ち、予め設定されている送信元は、電子黒板2の利用者ではなく、電子黒板2である。認証要求欄284は、メールサーバ7に認証要求するか否かを設定するための欄である。アカウント欄285、及びパスワード欄286は、SMTP(Send Mail Transfer Protocol)によりメールサーバ7が電子黒板2を認証するためのアカウント情報である。
利用者によって「QRコード」ボタン239が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図10(C)に示されているQRコード表示画面290を表示させる。このQRコード表示画面290には、電子黒板2(自装置)を識別するための装置IDが示されたQRコード291が表示されている。例えば、利用者は、スマートフォン等のQRコードの読み取りアプリケーションを利用して、QRコード291を読み取ることで、電子黒板2の装置IDを取得することができる。QRコード表示画面290には、QRコード表示画面290から描画画面230に戻るための「終了」ボタン297が表示されている。図10(A),(B)の各画面には、その画面から図8(A)に示されている描画画面230に戻るための「キャンセル(Cancel)」ボタン279,289が表示されている。
なお、上記各IDは、識別情報の一例である。即ち、装置IDは、装置識別情報の一例である。端末IDは、端末識別情報の一例である。利用者IDは、利用者識別情報の一例である。また、装置識別情報及び端末識別情報には、製造番号も含まれる。また、利用者識別情報には、社員番号、運転免許証番号、日本の社会保障・税番号制度におけるマイナンバー等が含まれる。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。録媒体の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、各サーバ5,6,7,8は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
<<通信システムの機能構成>>
続いて、図11及び図12を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図11は、通信システムの機能ブロック図である。なお、図11では、図1に示されている各端末、装置、サーバのうち、後述の処理または動作に関連しているものが示されている。
<電子黒板の機能構成>
図11に示されているように、電子黒板2は、送受信部21、受付部22、画像・音処理部23、表示制御部24、判断部25、作成部26a、作成部26b、取得・提供部28、記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開された電子黒板用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、電子黒板2は、図2に示されているRAM203及びSSD204によって構築される記憶部2000を有している。
(電子黒板の各機能構成)
次に、電子黒板2の各構成要素について説明する。送受信部21は、図2に示されているCPU201からの命令、並びにネットワークI/F205及び外部機器接続I/F206によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部22は、主に、図2に示されているCPU201からの命令、並びに接触センサ214及び電子ペンコントローラ216によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
画像・音処理部23は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、カメラ2400が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、画像・音処理部23は、マイク2200によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、画像・音処理部23は、音データに係る音声信号をスピーカ2300に出力し、スピーカ2300から音声を出力させる。また、画像・音処理部23は、利用者によって電子ペン2500や手Hでディスプレイ220上に描画されることで得た描画像データを座標データに変換する処理を行なう。例えば、電子黒板2xが、他の拠点の電子黒板2yに座標データを送信すると、電子黒板2yは、座標データに基づいて他の電子黒板2y側のディスプレイ220上に同じ内容の描画を表示する。
表示制御部24は、図2に示されているCPU201からの命令、及び図2に示されているディスプレイコントローラ213によって実現され、ディスプレイ220に描画像を表示させる。
判断部25は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、ICカード3やスマートフォン4から、端末IDを取得したかの判断等を行なう。
作成部26aは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、RPCS形式の画像データを作成する。なお、RPCS形式だけでなく、PDL形式、又はPS形式であてもよい。また、作成部26bは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDF形式の画像データを作成する。
取得・提供部28は、図2に示されているCPU201からの命令、及び近距離通信回路219及びアンテナ219aによって実行され、ICカード3又はスマートフォン4との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部29は、図2に示されているCPU201からの命令及びSSD204によって実行され、記憶部2000又は記録媒体2100に各種データを記憶したり、記憶部2000又は記録媒体2100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部2000には、他の電子黒板やビデオ会議端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ220に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ2300から音声が出力される。記録媒体2100は、図2に示されているUSBメモリ2600によって実現される。
<ICカードの機能構成>
図11に示されているように、ICカード3は、取得・提供部38、記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM314からRAM313上に展開されたICカード用プログラムに従ったCPU311からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、ICカード3は、図3に示されているRAM313及びEEPROM314によって構築される記憶部3000を有している。
(ICカードの各機能構成)
次に、ICカード3の各構成要素について説明する。取得・提供部38は、図3に示されているCPU311からの命令、アンテナコイル330によって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU311からの命令によって実行され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部3000には、専有端末の一例としてのICカードを識別するための端末IDが記憶されている。
<スマートフォンの機能構成>
図11に示されているように、スマートフォン4は、取得・提供部48、記憶・読出処理部49を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM404からRAM403上に展開されたスマートフォン用プログラムに従ったCPU401からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、スマートフォン4は、図4に示されているRAM403及びEEPROM404によって構築される記憶部4000を有している。
(スマートフォンの各機能構成)
次に、スマートフォン4の各構成要素について説明する。取得・提供部48は、図4に示されているCPU401からの命令、近距離通信回路419、アンテナ419aによって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部49は、図4に示されているCPU401からの命令によって実行され、記憶部4000に各種データを記憶したり、記憶部4000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。なお、記憶部4000には、専有端末の一例としてのスマートフォン4を識別するための端末IDが記憶されている。
<端末管理サーバの機能構成>
端末管理サーバ5は、送受信部51、認証部52、判断部55、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された端末管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、端末管理サーバ5は、図5に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(端末管理テーブル)
図12(A)は、端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図12(A)に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5001が構築されている。この端末管理テーブルでは、端末管理サーバ5によって管理される全ての専有端末(ICカード3、スマートフォン4)を識別するための各端末IDに対して、各専有端末の所有者である利用者を識別するための利用者ID、及び利用者名が関連付けられて管理される。
(端末管理サーバの各機能構成)
次に、端末管理サーバ5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末管理サーバ5の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、端末管理サーバ5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されている端末管理サーバ5の送受信部51は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、電子黒板2から送られて来る端末IDが、予め登録されている利用者の専有端末(ICカード3、スマートフォン4)であるかを判断する。
判断部55は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
記憶・読出処理部59は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<宛先管理サーバの機能構成>
宛先管理サーバ6は、送受信部61、及び記憶・読出処理部69を有している。これら各部は、図11に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された宛先管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、宛先管理サーバ6は、図5に示されているHD504により構築される記憶部6000を有している。
(宛先管理テーブル)
図12(B)は、宛先管理テーブルを示す概念図である。記憶部6000には、図12(B)に示されているような宛先管理テーブルによって構成されている宛先管理DB6001が構築されている。この宛先管理テーブルでは、宛先管理サーバ6によって管理される全ての利用者を識別するための各利用者IDに対して、各利用者のPC10の電子メールアドレスが関連付けられて管理される。
(宛先管理サーバの各機能構成)
次に、宛先管理サーバ6の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、宛先管理サーバ6の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、宛先管理サーバ6の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されている宛先管理サーバ6の送受信部61は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部69は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部6000に各種データを記憶したり、記憶部6000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<メールサーバの機能構成>
メールサーバ7は、送受信部71、及び記憶・読出処理部79を有している。これら各部は、図11に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された宛先管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、メールサーバ7は、図5に示されているHD504により構築される記憶部7000を有している。
(メールサーバの各機能構成)
次に、メールサーバ7の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、メールサーバ7の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、メールサーバ7の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されているメールサーバ7の送受信部71は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
記憶・読出処理部79は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<PCの機能構成>
図11に示されているように、PC10は、送受信部11、受付部12、表示制御部14、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された端末用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、PC10は、図5に示されているHD504により構築される記憶部1000を有している。
(PCの各機能構成)
次に、PC10の各構成要素について説明する。図11に示されているPC10の送受信部11は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部12は、主に、図5に示されているCPU501からの命令、並びにキーボード511、及びマウス512によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
表示制御部14は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、ディスプレイ508に描画像等を表示させる。
記憶・読出処理部19は、図5に示されているCPU501からの命令及びHDD505によって実行され、記憶部1000又は記録媒体1100に各種データを記憶したり、記憶部1000又は記録媒体1100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。記録媒体1100は、図5に示されている記録メディア506によって実現される。
<<実施形態の処理または動作>>
以降、各実施形態の処理または動作について説明する。ここでは、図1において、ある会議室で利用者A,Bが電子黒板2xを利用して会議している場合であって、利用者Aがログイン処理して、利用者A,Bによる描画後に、電子黒板2xから各PC10a,10bに描画像等の画像に係るデータを送信する場合について説明する。
〔第1の実施形態の処理または動作〕
図13至図18を用いて、第1の実施形態の処理または動作を説明する。まずは、図13乃至図15を用いて、利用者Aが電子黒板2xに対して行なうログイン処理について説明する。図13は、ログイン処理を示したシーケンス図である。
図15に示されているように、利用者Aは電子黒板2xの電源スイッチ222を押下すると、表示制御部24が、図14(A)に示されているように、ディスプレイ220上にログイン画面170を表示する(ステップS11)。次に、図15に示されているように、利用者Aが、電子黒板2xの近距離通信部221に、自己のICカード3を近接すると、電子黒板2xの取得・提供部28が、ICカード3の取得・提供部38からICカードの端末IDを取得する(ステップS12)。なお、近距離通信部221は、図2に示されている近距離通信回路219及びアンテナ219a、並びにCPU201の処理によって実現されている。そして、電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、認証要求を送信する(ステップS13)。この認証要求には、ステップS12によって取得された端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してICカード3の認証を行なう(ステップS14)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS13によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図12(A)参照)において、端末IDに対応する利用者IDを検索する。対応する利用者IDがある場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)であると判断する。対応する利用者IDがない場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)ではないと判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、認証結果を送信する(ステップS15)。認証部52が正当なICカードであると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報、利用者ID及び利用者名が含まれている。また、認証部52が正当なICカードでないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。
次に、電子黒板2xは、認証結果に基づく処理を行なう(ステップS16)。この処理の例として、認証結果が正当でない旨を示す情報を含んでいる場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図14(B)に示されているように、ログインできない旨の表示を含むエラー画面180を表示する。また、認証結果が正当である旨を示す情報を含んでいる場合には、ステップS17の処理に進む。以降、正当である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、宛先管理サーバ6に対して、電子メールアドレスの要求を送信する(ステップS17)。この要求には、上記ステップS15によって受信された利用者IDが含まれている。これにより、宛先管理サーバ6の送受信部61は、電子メールアドレスの要求を受信する。
次に、宛先管理サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS17によって受信された利用者IDを検索キーとして、宛先管理テーブル(図12(B)参照)を検索することにより、対応する電子メールアドレスを読み出す(ステップS18)。そして、送受信部61は、電子黒板2xに対して要求結果を送信する(ステップS19)。この要求結果には、ステップS18によって読み出された電子メールアドレスが含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、要求結果を受信する。
次に、電子黒板2xの表示制御部24は、図10(B)に示されているメール送信元のメールアドレス欄283において、電子黒板2のメールアドレスから、上記ステップS19によって受信された利用者Aのメールアドレスに切り替える(ステップS20)。但し、この切り替えは、内部処理的に行なわれるため、図10(B)に示されている電子メール設定画面280を表示しなければ、利用者はメールアドレスが切り替わっていることを把握することはできない。そして、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図14(C)に示されているように、「ようこそ、Katoさん」等の描画を開始することができる旨を示すティッカー(Ticker)を含む描画開始画面190を表示する(ステップS21)。この「Kato」の文字は、ステップS15によって受信された利用者名が利用されている。これにより、利用者A,Bは、電子黒板2xに描画を行なうことができる。
続いて、図16乃至図18を用いて、利用者A,Bが、電子黒板2xから、それぞれ自己のPC10a,10bに対して、描画像等の画像に係るデータを添付した電子メールを送信する処理について説明する。図16は、第1の実施形態における画像に係るデータの通信処理を示したシーケンス図である。図17は、利用者が電子黒板を利用する状態を示したイメージ図である。
まず、利用者A,Bは、電子ペン2500を用いて、電子黒板2xに描画しながら会議を進める(ステップS31)。そして、電子黒板2xから各PC10a,10bに描画像データを電子メールに添付して送信する場合、送信方法は大きく分けて2種類ある。
まず、第1の送信方法は、既にログインしている利用者Aが、図8(A)に示されている「メニュー」ボタン231を押下することでメニュー選択画面232を表示させ、更に、図8(B)に示されている「メール送信」ボタン237を押下することで、図10(A)に示されている宛先設定画面270を表示させることで、利用者Aの電子メールアドレスを設定する方法である。このように、宛先設定画面270を表示させた場合、図10(A)に示されているように、初めからアドレス設定欄274には、ログインした利用者Aの電子メールアドレスが表示される。なお、「直接入力」タブ272を選択して、電子ペン2500等で自己の電子メールアドレスを入力してもよい。
次に、第2の送信方法は、ログインしていない利用者Bが、図17に示されているように、電子黒板2の近距離通信部221に自己のスマートフォン4を近接して、自己のPC10bに電子メールを送信する方法である。ここで、以降、主に第2の送信方法について説明する。
図17に示されているように、利用者Bは、描画後に自己のスマートフォン4を電子黒板2xの近距離通信部221に近接すると、電子黒板2xが描画像データを添付した電子メールを送信する送信先の設定処理を行なう(ステップS32)。この場合、電子黒板2xの取得・提供部28が、スマートフォン4の取得・提供部48からスマートフォン4(専有端末の一例)を識別するための端末IDを取得する。ここで、図18を用いて、電子メールを送信する開始処理を詳細に説明する。図18は、電子メールの送信の開始処理を示すフローチャートである。
まず、利用者Aが電子黒板2の近距離通信部221に自己のICカード3を近接させることで、図17に示されているように、表示制御部24がディスプレイ220上に宛先設定画面270を表示させる(ステップS32−1)。この宛先設定画面270のアドレス設定欄274には、上記のように、既にログインした利用者Aの電子メールアドレスが表示されている。利用者Aの電子メールアドレスは、上記ステップS19によって、宛先管理サーバ6から送られてきたものである。
次に、電子黒板2xの判断部25は、取得・提供部28によって端末IDが取得されたかを判断する(ステップS32−2)。そして、判断部25が、取得・提供部28によって端末IDが取得されたと判断した場合には(YES)、更に、この端末IDは、ログインした専有端末を識別するためのIDであるかを判断する(ステップS32−3)。そして、判断部25が、ログインした専有端末の端末IDであると判断した場合には(YES)、図16に示されている後述のステップS40の処理に進む。一方、ステップS32−3において、判断部25が、ログインした専有端末の端末IDでないと判断した場合には(NO)、図16に示されている後述のステップS33の処理に進む。
また、上記ステップS32−2において、判断部25が、取得・提供部28によって端末IDが取得されていないと判断した場合には(NO)、電子黒板2xの受付部22は、図10(A)に示される登録アドレス帳欄273に表示されている電子メールアドレスの選択を受け付けるか、または「直接入力」タブ272が選択された後に電子メールアドレスの入力を受け付ける(ステップS32−4)。その後、図16に示されているステップS40の処理へ進む。
続いて、ステップS32−3において、判断部25が、ログインした専有端末の端末IDでないと判断した場合(NO)について、図16に戻り、ステップS33の処理以降の説明を行なう。
電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、スマートフォン4の認証要求を送信する(ステップS33)。この認証要求には、取得・提供部28によって取得されたスマートフォン4の端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してスマートフォン4の認証を行なう(ステップS34)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS33によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図12(A)参照)において、端末IDに対応する利用者IDを検索する。対応する利用者IDがある場合には、認証部52は、正当なスマートフォン4(端末ID)であると判断する。対応する利用者IDがない場合には、認証部52は、正当なスマートフォン4(端末ID)ではないと判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、認証結果を送信する(ステップS35)。認証部52が正当なスマートフォン(端末ID)であると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報及び利用者IDが含まれている。また、認証部52が正当なスマートフォン(端末ID)でないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。
次に、電子黒板2xは、認証結果に基づく処理を行なう(ステップS36)。この処理の例として、認証結果が正当でない旨を示す情報を含んでいる場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、メールが送信できない旨の表示を行なう。また、認証結果が正当である場合には、電子黒板2xは、引き続き描画像データを送信するための処理を進める。以降、正当である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、宛先管理サーバ6に対して、電子メールアドレスの要求を送信する(ステップS37)。この要求には、上記ステップS35によって受信された利用者IDが含まれている。ここでは、利用者Bの利用者IDである。これにより、宛先管理サーバ6の送受信部61は、電子メールアドレスの要求を受信する。
次に、宛先管理サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS37によって受信された利用者IDを検索キーとして、宛先管理テーブル(図12(B)参照)を検索することにより、対応する電子メールアドレスを読み出す(ステップS38)。そして、送受信部61は、電子黒板2xに対して要求結果を送信する(ステップS39)。この要求結果には、ステップS38によって読み出された電子メールアドレスが含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、要求結果を受信する。
次に、電子黒板2xの表示制御部24は、図14(D)に示されているように、アドレス設定欄274に、既に表示している利用者Aの電子メールアドレス(USER1@・・・)に加え、新たに利用者Bの電子メールアドレス(USER2@・・・)を追加表示する(ステップS40)。
続いて、電子黒板2xの受付部22が、利用者によって「送信」ボタン277の押下を受けると、電子黒板2xの作成部26bは、ビットマップ形式である描画像データから、PDF形式の画像データを作成する(ステップS41)。そして、送受信部21は、メールサーバ7に対して、ステップS41で作成された画像データを添付した電子メールを送信する(ステップS42)。この際、電子メールには、利用者Aである送信元の電子メールアドレス、及び上記ステップS39によって受信された各電子メールアドレスであり送信先のPC10a,10bの各電子メールアドレスが含まれている。これにより、メールサーバ7の送受信部71は、PDF形式の画像データが添付されている電子メールを受信する。即ち、この場合、ステップS20により、送信元が電子黒板2xではなく利用者Aの電子メールアドレスに変更されているため、利用者Aとしては、自分から自分に電子メールアドレスを送信することになる。また、利用者Bとしては、利用者Aから自分に電子メールアドレスが届くことになる。
次に、メールサーバ7の送受信部71は、PC10a,10bに対して、PDF形式の画像データが添付された電子メールを送信する。(ステップS43,S44)。この際、電子メールには、利用者Aである送信元の電子メールアドレス、及び上記ステップS39によって受信された各電子メールアドレスであり送信先のPC10a,10bの各電子メールアドレスが含まれている。これにより、PC10a,10bは、それぞれPDF形式の画像データが添付された電子メールを受信する。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように、電子黒板2xから、電子メールに添付して描画像等の画像に係るデータを送信する場合、電子メールの送信元の電子メールアドレスが電子黒板2xの電子メールアドレスとなると、送信先(受信側)の利用者A,Bは、誰との会議等に参加していた際の画像に係るデータが届いたのかを把握しづらい。また、電子黒板2x側で、利用者Aが送信元の電子メールアドレスを、電子黒板2xの電子メールアドレスから会議等の参加者である利用者Aの電子メールアドレスに変更してもよいが、電子ペン2500等の操作による変更手続きが面倒である。これに対して、本実施形態によれば、利用者Aがログイン処理の際に電子黒板2xの近距離通信部221にICカード3を近接することで(ステップS12参照)、電子黒板2xは宛先管理サーバ6から利用者Aの電子メールアドレスを入手することができる(ステップS19参照)。このように、利用者Aの手間を軽減しながらも、電子メールの送信元の電子メールアドレスを会議等に参加していた利用者Aの電子メールアドレスとすることで、送信先(受信側)の利用者A,Bは、誰との会議等に参加していた際の画像に係るデータが届いたのかを把握しやすくなるという効果を奏する。
〔第2の実施形態の処理または動作〕
次に、図19を用いて、第2の実施形態の処理または動作を説明する。図19は、第2の実施形態における画像に係るデータの通信処理を示したシーケンス図である。なお、本実施形態は、図13に示されている第1の実施形態のステップS13,S14の処理に代えて、ステップS113〜S117の処理を実行するため、以降、ステップS113〜S117の処理について説明する。なお、端末管理サーバ5は複数設置されていてもよい。
まず、図11に示されているステップS12において、電子黒板2xの取得・提供部28が、ICカード3の取得・提供部38からICカードの端末IDを取得した場合、図19において、電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、接続キーk1を送信する(ステップS113)。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、接続キーk1を受信する。この接続キーk1は、認証する情報を保持している端末管理サーバ5のクライアントとして発行されるものであり、あらかじめ電子黒板2xの記憶部2000に記憶されている。
一方、端末管理サーバ5側の記憶部5000にも、発行された接続キーk2が保存されている。そして、端末管理サーバ5の判断部55は、受信された接続キーk1と保存されている接続キーk2が同じであるか否かを判断することで、アクセス可否の判断を行なう(ステップS114)。接続キーk1と接続キーk2が同じ場合には、判断部55はアクセス可能であると判断する。接続キーk1と接続キーk2が同じでない場合には、判断部55はアクセス不可能であると判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、判断結果を送信する(ステップS115)。判断部55がアクセス可能であると判断した場合には、判断結果に、アクセス可能である旨を示す情報、及びアクセス情報a1が含まれている。また、判断部55がアクセス不可能であると判断した場合には、判断結果に、アクセス不可能である旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、判断結果を受信する。なお、アクセス情報a1は、例えば、16文字、32文字、64文字などの一意のランダムな英数字列であり、判断部55によってアクセス可能であると判断された場合に、続けて、判断部55によって生成される情報である。生成されたアクセス情報a1は、記憶・読出処理部59によって記憶部5000に一時的に記憶される。
次に、電子黒板2xは、判断結果に基づく処理を行なう(ステップS116)。この処理の例として、判断結果がアクセス不可能である旨を示す情報を含んでいる場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、アクセス不可能である旨の表示を行なう。また、判断結果がアクセス可能である旨を示す情報を含んでいる場合には、ステップS117の処理に進む。以降、アクセス可能である場合に関して、説明を続ける。
電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、認証要求を送信する(ステップS117)。この認証要求には、ステップS12によって取得された端末ID、及びアクセス情報a2が含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、アクセス情報a2及び端末IDを利用してICカード3の認証を行なう(ステップS118)。具体的には、判断部55が、受信されたアクセス情報a2と、記憶部5000に一時的に記憶されているアクセス情報a1とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した場合には、更に、上述のステップS14と同様に、認証部52が認証の処理を実行する。一方、判断部55が、受信されたアクセス情報a2と、記憶部5000に一時的に記憶されているアクセス情報a1とが一致していないと判断した場合には、認証部52による認証の処理を実行せずに、送受信部51が、電子黒板2xに対して、正当でない旨を示す情報を送信する。この処理以降は、第1の実施形態におけるステップS14以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
なお、ステップS114の処理後に、送受信部51は、アクセス情報を暗号化してからステップS115の送信を行なってもよい。
<本実施形態の主な効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、端末管理サーバ5は、端末IDを利用した認証だけでなく、電子黒板2x(共有端末)がライセンスされた正当な端末であるか否かを判定することができるため、第1の実施形態に加えて、更にセキュリティが確保された通信システムを提供することができるという効果を奏する。
また、端末管理サーバ5が複数存在する場合、電子黒板2xは、ステップS114でアクセス情報を生成していない端末管理サーバに認証要求を送信したときには、アクセス不可であることが応答されるため、認証による正当性を強化することができるという効果を奏する。
〔第3の実施形態の処理または動作〕
次に、図20を用いて、第3の実施形態の処理または動作を説明する。図20は、第3の実施形態における画像に係るデータの通信処理を示したシーケンス図である。なお、本実施形態は、電子黒板2x、端末管理サーバ5、及び宛先管理サーバ6をまとめて設置した場合のネットワーク環境下における通信方法を示している。また、本実施形態は、図16に示されている第1の実施形態のステップS33〜S39の処理に代えて、ステップS133〜S138の処理を実行するため、以降、ステップS133〜S138の処理について説明する。
まず、図18に示されているステップS32−1において、判断部25が端末IDを取得したと判断した場合(YES)、図20において、電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、電子メールアドレスの要求を送信する(ステップS133)。この電子メールアドレスの要求には、取得・提供部28によって取得されたスマートフォン4の端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子メールアドレスの要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してスマートフォン4の認証を行なう(ステップS134)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS133によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図12(A))において、端末IDに対応する利用者IDを検索する。対応する利用者IDがある場合には、認証部52は、正当なスマートフォン(端末ID)であると判断する。対応する利用者IDがない場合には、認証部52は、正当なスマートフォン(端末ID)ではないと判断する。
次に、認証部52が正当でないと判断した場合には、送受信部51は、電子黒板2xに対して、正当でない旨の情報を含む認証結果を送信する(ステップS135)。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。この場合、認証結果が正当でない旨を示す情報を含んでいるため、電子黒板2xの表示制御部24は、ディスプレイ220上に、メールが送信できない旨の表示を行なう(ステップS136)。
一方、ステップS134において、認証部52が正当なスマートフォン(端末ID)であると判断した場合には、送受信部51は、第1の実施形態と異なり、宛先管理サーバ6に対して、電子メールアドレスの要求を送信する(ステップS137)。この要求には、上記ステップS134の検索で、端末IDに対応した利用者IDが含まれている。これにより、宛先管理サーバ6の送受信部61は、電子メールアドレスの要求を受信する。なお、本実施形態のように、電子黒板2x、端末管理サーバ5及び宛先管理サーバ6をまとめて設置する場合には、第1の実施形態のように、既に設置されている端末管理サーバ5の従前の処理を極力変更しないようにしたいという要望がないため、端末管理サーバ5は電子黒板2xに代わって宛先管理サーバ6に電子メールアドレスを要求している。
次に、宛先管理サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS137によって受信された利用者IDを検索キーとして、宛先管理テーブル(図12(B)参照)を検索することにより、対応する電子メールアドレスを読み出す(ステップS138)。そして、送受信部61は、電子黒板2xに対して要求結果を送信する(ステップS139)。この要求結果には、ステップS138によって読み出された電子メールアドレスが含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、要求結果を受信する。以上によって、電子黒板2xは、近距離通信部221にスマートフォン4を近接した利用者Aの電子メールアドレスを取得することができる。
<本実施形態の主な効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、端末管理サーバ5が電子黒板2xに代わって、宛先管理サーバ6に対して電子メールアドレスの要求を行なうため(ステップS137参照)、上記第1の実施形態の効果に加えて、電子黒板2xの処理の負担を更に軽減することができるという効果を奏する。
<その他>
図2に示されているCPU201等の各構成要素は、単一であってもよく複数であってもよい。図3に示されているICカード3、図4に示されているスマートフォン4、図5に示されている端末管理サーバ5等を構成するPC等、図6に示されているMFP9、及び図7に示されているビデオ会議端末13についても同様に、各構成要素は、単一であってもよく複数であってもよい。
上述の実施形態における各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU、及び従来の回路モジュール等のデバイスを含む。