以下に図面を用いて、本実施形態に係る通信システム1を詳細に説明する。
<<システム構成の概略>>
まず、通信システム1の構成の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの概略図である。
図1に示されているように、本実施形態の通信システム1は、電子黒板2x、電子黒板2y、IC(Integrated Circuit)カード3、スマートフォン4、端末管理サーバ5、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)9、PC(Personal Computer)10a,10b、及びビデオ会議端末13によって構築されている。なお、以下では、電子黒板2x、電子黒板2yのうち、任意の電子黒板を「電子黒板2」として表わす。また、PC10a,11bのうち、任意のPCを「PC10」として表す。
また、通信システム1を構成する電子黒板2、端末管理サーバ5、MFP9、PC10、及びビデオ会議端末13は、通信ネットワーク100を介して通信することができる。通信ネットワーク100は、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)等によって構築されている。通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。また、電子黒板2と、ICカード3及びスマートフォン4は、それぞれNFC(Near Field Communication)(登録商標)等の近距離通信技術によって通信可能である。また、スマートフォン4は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって電子黒板2と通信してもよい。
また、電子黒板2aと電子黒板2bは、それぞれ利用者によって描画された内容である描画像のデータ(以下、「描画像データ」という)を送受信することができる。そのため、電子黒板2aで描画された内容は電子黒板2bでも表示され、逆に、電子黒板2bで描画された内容は電子黒板2aでも表示される。
また、電子黒板2は、描画像データからRPCS(Refined Printing Command Stream)形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、描画像データからPDF(Portable Document Format)形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。これにより、MFP9は描画像を印刷することができ、PC10は描画像を表示することができる。
また、電子黒板2は、利用者によって描画されていない資料等の非描画像も表示することができる。この場合も、電子黒板2は、非描画像のデータ(以下、「非描画像データ」という)からRPCS形式の画像データを作成し、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することができる。更に、電子黒板2は、非描画像データからPDF形式の画像データを作成して電子メールに添付した後、通信ネットワーク100を介してPC10に電子メールを送信することができる。
なお、RPCS形式の画像データ及びPDF形式の画像データは、元の描画像又は元の非描画像としての画像に係るデータである。また、電子黒板2は共有端末の一例である。ICカード3及びスマートフォン4は、専有端末の一例である。MFP9は、印刷装置の一例である。PC10は、個人端末の一例である。また、RPCS形式だけでなく、PDL(Page Description Language)形式、又はPS(PostScript)形式であってもよい。
図1では、利用者Aは、ICカード3を所有しており、電子黒板2を利用した会議にICカード3を持参している。利用者Bは、スマートフォン4を所有しており、電子黒板2を利用した会議にスマートフォン4を持参している。PC10aは、利用者が所有しているPCである。PC10bは、利用者Bが所有しているPCである。また、電子黒板2は、ビデオ会議機能を有しており、通信ネットワーク100を介してビデオ会議端末13とビデオ会議を行なうことができる。更に、電子黒板2は、利用者A,Bが描画した内容を示す描画像のデータ(以下、「描画像データ」という)を、通信ネットワーク100を介してMFP9に送信することで、描画像を印刷することができる。
端末管理サーバ5は、各利用者の名前(利用者名)を管理する。宛先管理サーバ6は、各利用者が所有するPCの電子メールアドレスを管理する。メールサーバ7は、通信ネットワーク100を介する電子メールの送受信を管理する。
<<ハードウェア構成>>
続いて、図2乃至図7を用いて、システム1を構築する装置又は端末のハードウェア構成を説明する。
<電子黒板のハードウェア構成>
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークコントローラ205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ205は、通信ネットワーク100との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、USB(Universal Serial Bus)メモリ16、外付け機器(カメラ19、スピーカ18、マイク17)との通信を制御する。
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219aを備えている。
これらのうち、キャプチャデバイス211は、PC10のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ220等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ220上に電子ペン15やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ220の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ220に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ220の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン15と通信することで、ディスプレイ220へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン15のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン15のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
<ICカードのハードウェア構成>
図3は、ICカードのハードウェア構成図である。ここでは、非接触型の構成について説明するが、接触型を利用してもよい。図3に示されているように、ICカード3は、ICチップ、及びアンテナコイル330を備えている。更に、ICチップ310は、CPU311、ROM312、RAM313、EEPROM314、アンテナI/F318を備えている。
これらのうち、CPU311は、ICカード3全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM313は、CPU311のワークエリアとして使用される。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)314は、ICカード3用のプログラムや、ICカード3を識別するための端末ID等の各種データを記憶する。アンテナI/F318は、アンテナコイル330を介して、外部装置と行なうデータの送受信を制御する。
更に、ICカード3は、バスライン320を備えている。バスライン320は、図3に示されているCPU311等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
アンテナコイル330は、ICカード3が外部装置の発生する磁界を通過する際に、この磁気を受けて電流を発生するためのコイルである。ICカード3は、この電気を利用することで、ICチップ310が起動し、外部装置のリーダ・ライタと交信し、データの取得や提供が可能になる。
<スマートフォンのハードウェア構成>
図4は、スマートフォンのハードウェア構成図である。図4に示されているように、スマートフォン4は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、加速度・方位センサ406、メディアI/F408、GPS受信部409を備えている。
これらのうち、CPU401は、スマートフォン4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ406は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F408は、フラッシュメモリ等の記録メディア407に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部409は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン4は、遠距離通信回路411、カメラ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル421を備えている。
これらのうち、遠距離通信回路411は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。カメラ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、カメラ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従ってマイク414及びスピーカ415との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどの表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路419は、NFCやBluetooth等の通信回路である。タッチパネル421は、利用者がディスプレイ417を押下することで、スマートフォン4を操作する入力手段の一種である。
また、スマートフォン4は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図5に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<サーバ、PCのハードウェア構成>
図5は、サーバ、PCのハードウェア構成図である。なお、端末管理サーバ5、及びPC10a,11bは、基本的に同様のハードウェア構成であるため、ここでは、端末管理サーバ5のハードウェア構成について説明する。また、以降の説明では、PC10a,11bのハードウェア構成について説明する場合には、図5に示されている各構成を用いて説明する。
端末管理サーバ5は、コンピュータによって構築されており、図5に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)505、記録メディア506、メディアI/F507、ディスプレイ508、ネットワークI/F509、キーボード511、マウス512、CD-ROMドライブ514、及び、バスライン510を備えている。
これらのうち、CPU501は、端末管理サーバ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDD(Hard Disk Drive)505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F507は、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ508は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。CD-ROMドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
また、端末管理サーバ5は、バスライン510を備えている。バスライン510は、図5に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
<MFPのハードウェア構成>
図6は、MFPのハードウェア構成図である。図6に示されているように、MFP9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDD908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、FD、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
<ビデオ会議端末のハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係るビデオ会議端末のハードウェア構成図である。図7に示されているように、ビデオ会議端末13は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、SSD105、メディアI/F107、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、外部機器接続I/F118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを備えている。これらのうち、CPU101は、ビデオ会議端末13全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ104は、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶する。SSD105は、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、SSDに代えてHDDを用いてもよい。メディアI/F107は、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作ボタン108は、ビデオ会議端末13の宛先を選択する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、ビデオ会議端末13の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
また、ネットワークI/F111は、インターネット等の通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを送信する回路である。外部機器接続I/F118は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路119は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
また、バスライン110は、図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示手段の一種である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
なお、カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。外部機器接続I/F118には、USBケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
また、記録メディア106は、ビデオ会議端末13に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
<<電子黒板の画面例>>
図8乃至図10を用いて、電子黒板2の画面例について説明する。図8乃至図10は、電子黒板のディスプレイに表示された画面例である。電子黒板2はディスプレイ220上に、図8(A)に示されているような描画画面230を表示させる。この描画画面230には、利用者によって電子ペン15等で描画された画像像が表示される。また、描画画面230の右下部には、「メニュー」ボタン231が表示されている。「メニュー」ボタン231は、電子黒板の各種機能を実行する際に、利用者によって押下されるボタンである。ここで、利用者が電子ペン15等により、「メニュー」ボタン231を押下すると、電子黒板2は、図8(B)に示されているように、描画画面230上に、各種機能を選択するためのメニュー選択画面232を表示させる。
メニュー選択画面232は、図8(B)に示されているように、「読み込み」ボタン234、「保存」ボタン235、「印刷」ボタン236、「メール送信」ボタン237、及び「QRコード」ボタン239が表示されている。
これらのうち、「読み込み」ボタン234は、電子黒板2が、既に描画されてSSD204に保存されている描画像データを読み込んで、ディスプレイ220上に表示させるためのボタンである。「保存」ボタン235は、電子黒板2が、利用者によって描画された描画像を描画像データとしてSSD204に保存するためのボタンである。「印刷」ボタン236は、電子黒板2が描画画面230に表示されている描画像を、MFP9等で印刷させるためのボタンである。「メール送信」ボタン237は、電子黒板2が利用者のPC等に対して、描画画面230に表示されている描画像を描画像データとして電子メールに添付して送信するためのボタンである。「QRコード」ボタン239は、電子黒板2がディスプレイ220上に自装置を識別するための装置IDを表すQRコードを表示するためのボタンである。
続いて、各ボタン234~237,239がそれぞれ押下された場合に、電子黒板2が表示する画面について説明する。
利用者によって「読み込み」ボタン234が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(A)に示されているようなフォルダ選択画面240を表示させる。このフォルダ選択画面240には、読み込まれるファイルのフォルダを選択するための複数のフォルダアイコンが表示されている。利用者が電子ペン15を用いて所望のフォルダアイコン(例えば「フォルダ01」)選択することで、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(B)に示されているようなファイル選択画面245を表示させる。このファイル選択画面245には、読み込まれるファイルを選択するための複数のファイルアイコンが表示されている。利用者が電子ペン15を用いて所望のファイルアイコンを選択することで、電子黒板2はディスプレイ220上に、選択されたファイルのデータに係る描画像を含む描画画面230を表示させる。
利用者によって「保存」ボタン235が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(C)に示されているフォルダ選択画面250を表示させる。このフォルダ選択画面250には、保存するファイルのフォルダを選択するための複数のフォルダアイコンが表示されている。利用者は、電子ペン15を用いて所望のフォルダアイコン選択することで、保存するフォルダの選択が可能となる。
利用者によって「印刷」ボタン236が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させる。この印刷設定画面260には、カラー印刷又は白黒印刷等の各種印刷設定パラメータが表示されているとともに、設定変更できるプルダウンメニューが表示されている。この印刷設定画面260には、印刷設定パラメータとして。カラー又は白黒の選択、用紙サイズ(A4、A3等)の選択、印刷面(片面又は両面)の選択、部数の増減の選択の各メニュー261乃至264が表示される。また、印刷設定画面260には、印刷装置を特定するための装置名(ここでは、「MFP9」)が表示される。印刷設定画面260には、印刷を開始する際に利用者によって押下される「印刷」ボタン267が表示される。なお、図9の各画面には、その画面から図8(A)に示されている描画画面230に戻るための「キャンセル」ボタン249,259,269が表示されている。
利用者によって「メール送信」ボタン237が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図10(A)に示されている宛先設定画面270を表示させる。この宛先設定画面270には、既に登録された電子メールアドレスを表すための「登録アドレス帳」タブ271、及び、利用者が電子ペン15等で電子メールアドレスを直接入力するための「直接入力」タブ272が表示されている。ここでは、「登録アドレス帳」タブ271が選択されている場合が示されており、登録済みの電子メールアドレスを含む登録アドレス帳欄273が表示されている。この状態で、利用者が電子ペン15等を用いて所望の電子メールアドレス(ここでは、「USER1@・・・」)を選択すると、電子黒板2は、図10(B)に示されているように、アドレス設定欄274に、利用者によって選択された電子メールアドレスを表示させる。また、宛先設定画面270には、電子メールの送信を開始する際に利用者によって押下される「送信」ボタン277が表示されている
なお、一般には利用者が表示させることができないが、管理者やサービスエンジニア等が表示させることができる画面として、電子黒板2はディスプレイ220上に、図10(C)に示されている電子メール設定画面280を表示させることができる。この電子メール設定画面280は、サーバアドレス欄281、ポートナンバー欄282、メール送信者のアドレス欄283、認証要求欄284、アカウント欄285、及び、パスワード欄286を表示している。
これらのうち、サーバアドレス欄281は、メールサーバ7のIPアドレスが入力される欄である。ポートナンバー欄282は、メールサーバ7が電子メールの受け付けのために開放しているポート番号が入力される欄である。メール送信者のアドレス欄283には、メール送信者が電子黒板2であるとして、予め電子黒板2のメールアドレスが設定されている。即ち、予め設定されている送信者は、電子黒板2の利用者ではなく、電子黒板2である。認証要求欄284は、メールサーバ7に認証要求するか否かを設定するための欄である。アカウント欄285、及びパスワード欄286は、SMTP(Send Mail Transfer Protocol)によりメールサーバ7が電子黒板2を認証するためのアカウント情報である。
利用者によって「QRコード」ボタン239が押下されると、電子黒板2はディスプレイ220上に、図10(D)に示されているQRコード表示画面290を表示させる。このQRコード表示画面290には、電子黒板2(自装置)を識別するための装置IDが示されたQRコード291が表示されている。例えば、利用者は、スマートフォン等のQRコードの読み取りアプリケーションを利用して、QRコード291を読み取ることで、電子黒板2の装置IDを取得することができる。QRコード表示画面290には、QRコード表示画面290から描画画面230に戻るための「終了」ボタン297が表示されている。図10(A),(B),(C)の各画面には、その画面から図8(A)に示されている描画画面230に戻るための「キャンセル(Cancel)」ボタン279,289が表示されている。
なお、上記各IDは、識別情報の一例である。装置ID及び端末IDの場合には、識別情報に製造番号も含まれる。また、利用者IDの場合には、識別情報には、社員番号、運転免許書番号、日本の社会保障・税番号制度におけるマイナンバー等が含まれる。
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク、SDカード等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、端末管理サーバ5は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
<<通信システムの機能構成>>
続いて、図11及び図12を用いて、本実施形態の機能構成について説明する。図11は、通信システムの機能ブロック図である。なお、図11では、図1に示されている各端末、装置、サーバのうち、後述の処理または動作に関連しているものが示されている。また、ICカード3とスマートフォン4の各端末は、電子黒板2に対して、自端末を識別するための端末IDを提供する点で同じ機能を有しているため、図11では、ICカード3についてのみ示す。
<電子黒板の機能構成>
図11に示されているように、電子黒板2は、送受信部21、受付部22、画像・音制御部23、表示制御部24、判断部25、作成部26a、作成部26b、取得・提供部28、記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開された電子黒板用プログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、電子黒板2は、図2に示されているRAM203及びSSD204によって構築される記憶部2000を有している。
(電子黒板の各機能構成)
次に、電子黒板2の各構成要素について説明する。送受信部21は、図2に示されているCPU201からの命令、並びにネットワークI/F205及び外部機器接続I/F206によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部22は、主に、図2に示されているCPU201からの命令、並びに接触センサ214及び電子ペンコントローラ216によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
画像・音制御部23は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、カメラ19が被写体を撮像して得た画像データに対して画像処理を行なう。また、画像・音制御部23は、マイク17によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音データに対して音声処理を行なう。更に、画像・音制御部23は、音データに係る音声信号をスピーカ18に出力し、スピーカ18から音声を出力させる。また、画像・音制御部23は、利用者によって電子ペン15や手Hでディスプレイ220上に描画されることで得た描画像データを座標データに変換する処理を行なう。例えば、電子黒板2xが、他の拠点の電子黒板2yに座標データを送信すると、電子黒板2yは、座標データに基づいて他の電子黒板2y側のディスプレイ220上に同じ内容の描画を表示する。
表示制御部24は、図2に示されているCPU201からの命令、及び図2に示されているディスプレイコントローラ213によって実現され、ディスプレイ220に描画像を表示させる。
判断部25は、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、ICカード3やスマートフォン4から、端末IDを取得したかの判断等を行なう。
作成部26aは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDL形式の画像データを作成する。また、作成部26bは、図2に示されているCPU201からの命令によって実現され、利用者による描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDF形式の画像データを作成する。
取得・提供部28は、図2に示されているCPU201からの命令、及び近距離通信回路219及びアンテナ219aによって実行され、ICカード3又はスマートフォン4との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部29は、図2に示されているCPU201からの命令及びSSD204によって実行され、記憶部2000又は記録媒体2100に各種データを記憶したり、記憶部2000又は記録媒体2100に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部2000には、他の電子黒板やビデオ会議端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ220に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ18から音声が出力される。記録媒体2100は、図2に示されているUSBメモリ16によって実現される。
<ICカードの機能構成>
図11に示されているように、ICカード3は、取得・提供部38、記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM314からRAM313上に展開されたICカード用プログラムに従ったCPU311からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、ICカード3は、図3に示されているRAM313及びEEPROM314によって構築される記憶部3000を有している。
(ICカードの各機能構成)
次に、ICカード3の各構成要素について説明する。取得・提供部38は、図3に示されているCPU311からの命令、アンテナコイル330によって実行され、電子黒板2との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部39は、図3に示されているCPU311からの命令によって実行され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。更に、記憶部3000には、専有端末の一例としてのICカードを識別するための端末IDが記憶されている。なお、専有端末がスマートフォン4の場合には、記憶部3000には、スマートフォンを識別するための端末IDが記憶されている。
<端末管理サーバの機能構成>
端末管理サーバ5は、送受信部51、認証部52、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された端末管理用プログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、端末管理サーバ5は、図5に示されているHD504により構築される記憶部5000を有している。
(端末管理テーブル)
図12(A)は、端末管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、図12(A)に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5001が構築されている。この端末管理テーブルでは、端末管理サーバ5によって管理される全ての専有端末(ICカード3、スマートフォン4)を識別するための各端末IDに対して、各専有端末の所有者である利用者を識別するための利用者名が関連付けられて管理される。
(端末管理サーバの各機能構成)
次に、端末管理サーバ5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、端末管理サーバ5の各機能構成を説明するにあたって、図5に示されている各構成要素のうち、端末管理サーバ5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されている端末管理サーバ5の送受信部51は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
認証部52は、図5に示されているCPU501からの命令によって実現され、電子黒板2から送られて来る端末IDが、予め登録されている利用者の専有端末(ICカード3、スマートフォン4)であるかを判断する。
記憶・読出処理部59は、図5に示されているCPU501からの命令、及び図5に示されているHDD505によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
<MFPの機能構成>
図11に示されているように、MFP9は、送受信部91、受付部92、印刷部93、表示制御部94、判断部95、取得・提供部98、及び記憶・読出処理部89を有している。これら各部は、図5に示されている各構成要素のいずれかが、RAM902b上に展開された印刷末用プログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、MFP9は、図6に示されているHD504により構築される記憶部9000を有している。
(印刷データ管理テーブル)
図12(B)は、印刷データ管理テーブルを示す概念図である。記憶部9000には、図12(B)に示されているような印刷データ管理テーブルによって構成されている印刷データ管理DB9001が構築されている。この印刷データ管理テーブルでは、各専有端末の所有者である利用者を識別するための利用者名、利用者が印刷するための画像に係るデータ(ここで、印刷データ)のファイル名、及び印刷設定パラメータが関連付けられて管理される。
(MFPの各機能構成)
次に、MFP9の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、MFP9の各機能構成を説明するにあたって、図6に示されている各構成要素のうち、MFP9の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図11に示されているMFP9の送受信部91は、主に、図6に示されているCPU901からの命令、及び図6に示されているネットワークI/F950によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
受付部92は、主に、図6に示されているCPU901からの命令、及び操作パネル940によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
印刷部93は、主に、図6に示されているCPU901からの命令、及びプリンタ部932によって実現され、画像に係るデータ(印刷データ)を印刷する。
表示制御部94は、主に、図6に示されているCPU901からの命令、及び操作パネル940によって実現され、コピー処理時におけるカラー印刷又は白黒印刷等の印刷設定パラメータを表示する。
判断部95は、主に、図6に示されているCPU901からの命令によって実現され、例えば、電子黒板2から送られて来た印刷データの印刷者名は電子黒板名かを判断する。
取得・提供部98は、図6に示されているCPU901からの命令、及び近距離通信回路920及びアンテナ220aによって実行され、ICカード3又はスマートフォン4との間で、近距離通信により、データの取得及び提供を行なう。
記憶・読出処理部99は、図6に示されているCPU901からの命令及びHDD908によって実行され、記憶部9000に各種データを記憶したり、記憶部9000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
利用者による各種入力を受け付ける。
<<実施形態の処理または動作>>
以降、図13乃至図18を用いて、実施形態の処理または動作について説明する。図13は、描画像データの印刷準備の処理を示したシーケンス図である。図14は、利用者が電子黒板を利用する状態を示したイメージ図である。ここでは、図1において、ある会議室で利用者A,Bが電子黒板2xを利用して会議している場合であって、利用者A,Bによる描画後に、電子黒板2xからMFP9に対して描画像等の画像に係るデータを送信する場合について説明する。なお、図14において、電子黒板2xにおける近距離通信部221は、取得・提供部28による処理を実行する部分である。
まず、利用者A,Bは、電子ペン15を用いて、電子黒板2xに描画しながら会議を進める(ステップS31)。次に、図14に示されているように、利用者Aは描画後に、自己のICカード3を電子黒板2xの近距離通信部221に近づけると、電子黒板2xが描画像データを印刷するための印刷設定の処理を行なう(ステップS32)。この場合、電子黒板2の取得・提供部28が、ICカードの取得・提供部38からICカード3(専有端末の一例)を識別するための端末IDを取得する。ここで、図15を用いて、印刷設定の処理を詳細に説明する。図15は、印刷設定の処理を示すフローチャートである。
図15に示されているように、電子黒板2xの判断部25は、取得・提供部28によって端末IDが取得されたかを判断する(ステップS32-1)。ここでは、判断部25は、端末IDが取得されたと判断し(YES)、図13に示されている後述のステップS33の処理に進む。
一方、ステップS32-1において、判断部25が、端末IDを取得されていないと判断した場合には(NO)、更に、印刷設定画面の表示を受け付けたかを判断する(ステップS32-2)。このステップS32-2において、判断部25が印刷設定画面の表示を受け付けていないと判断した場合には(NO)、ステップS32-1の処理に戻る。
一方、ステップS32-2において、判断部25が印刷設定画面の表示を受け付けたと判断した場合には(YES)、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、図9(D)に示されているような印刷設定画面260を表示する(ステップS32-3)。このような場合の例としては、利用者Aが、図8(A)に示されている描画画面230において、「メニュー」ボタン231を押下して、図8(B)に示されているように、メニュー選択画面232を表示させた後、更に「印刷」ボタン236を押下して、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させる場合である。なお、この場合、表示制御部24は、図16(A)に示されているように、印刷者が「電子黒板」である旨を示す印刷者欄266を含む印刷設定画面260aを表示するようにしてもよい。「電子黒板」表示は、予め電子黒板2に設定された文字が用いられる。ステップS32-3の処理後は、図13に示されているステップS37に進む。
続いて、判断部25が端末IDを取得したと判断した場合(ステップ32-1,YES)について、図13に戻り、ステップS33の処理以降の説明を行なう。
電子黒板2xの送受信部21は、端末管理サーバ5に対して、ICカード3の認証要求を送信する(ステップS33)。この認証要求には、取得・提供部28によって取得されたICカード3の端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してICカード3の認証を行なう(ステップS34)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS33によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図12(A))において、端末IDに対応する利用者名を検索する。対応する利用者名がある場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)であると判断する。対応する利用者名がない場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)ではないと判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、電子黒板2xに対して、認証結果を送信する(ステップS35)。認証部52が正当なICカードであると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報及び利用者名が含まれている。また、認証部52が正当なICカードでないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、電子黒板2xの送受信部21は、認証結果を受信する。
次に、電子黒板2xは、認証結果に基づく処理を行なう(ステップS36)。この処理の例として、認証結果が正当でない旨を示す情報を含んでいる場合には、表示制御部24は、ディスプレイ220上に、印刷ができない旨の表示を行なう。また、認証結果が正当である場合には、電子黒板2xの表示制御部24は、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させる。このように、利用者Aは、図8(B)に示されている「メニュー」ボタン231を押下した後、メニュー選択画面232を表示させて、「印刷」ボタン236を押下しなくても、図14に示されているように、近距離通信部221にICカード3を近接させるだけで、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させることができる。なお、この場合、表示制御部24は、図16(B)に示されているように、印刷者が「Kato」である旨を示す印刷者欄266を含む印刷設定画面260bを表示するようにしてもよい。「Kato」の表示には、ステップS35によって受信された「利用者名」が用いられる。
次に、電子黒板2xの受付部22は、図9(D)、図16(A)、又は図16(B)において、利用者Aから、カラー又は白黒等の印刷設定パラメータの設定を受け付け、「印刷」ボタン267の押下を受け付ける(ステップS37)。これにより、作成部26aは、利用者A,Bによる描画によって得られたビットマップ形式の描画像データから、PDL形式の画像データとしての印刷データを作成する(ステップS38)。更に、判断部25が図15に示されているステップS32-1で端末IDを取得したと判断した(YES)後、ステップS33~S35の処理によって、送受信部21が「利用者名」を受信した場合、作成部26aは、印刷データに含まれる印刷者名を、電子黒板名(ここでは、「電子黒板2A」)から、認証された利用者名(ここでは、「利用者A」)に変更する(ステップS39)。なお、図15において、ステップS32-3の処理に進んだ場合には、作成部26aは、印刷データに含まれる印刷者名を、電子黒板名のままにしておく。
次に、送受信部21は、MFP9に対して、ステップS38(S39)で作成された印刷データを送信する(ステップS40)。この印刷データには、印刷者名、ファイル名、及び印刷設定パラメータが含まれている。これにより、MFP9の送受信部91は、印刷データを受信する。
なお、上記ステップS32-2において、判断部25が印刷設定画面の表示を受け付けたと判断した場合には(YES)、上記ステップS40において、電子黒板2xの送受信部21は、MFP9に対して、印刷データとともに、認証させない旨を示す情報を送信する。また、上記ステップS32-1において、判断部25が、取得・提供部28によって端末IDが取得されたと判断した場合には(YES)、上記ステップS40において、電子黒板2xの送受信部21は、MFP9に対して、印刷データとともに、認証させない旨を示す情報を送信する。
次に、MFP9は、印刷の処理等を行なう(ステップS41)。ここで、図17を用いて、印刷の処理等を詳細に説明する。図17は、印刷の処理等を示すフローチャートである。
図17に示されているように、判断部95は、ステップS40によって、認証させない旨を示す情報が受信されたかを判断する(ステップS41-1)。そして、判断部95が、送受信部91によって、認証させない旨を示す情報が受信されたと判断した場合には(YES)、印刷部93は印刷データを印刷出力する(ステップS41-2)。
一方、ステップS41-1において、判断部95が、送受信部91によって、認証させない旨を示す情報が受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出処理部99は、ステップS40で受信された印刷データを記憶部9000に記憶すると共に、印刷データ管理テーブル(図12(B)参照)において、ステップS40で受信された印刷者名としての利用者名、印刷データのファイル名、及び印刷設定パラメータを関連付けて管理する(ステップS41-3)。
以上のように、利用者Aが近距離通信部221にICカード3を近接すると、電子黒板2xからMFP9に送信された印刷データは、一旦、MFP9で保存される。これに対して、利用者Aが、ICカード3を利用せず、図8(B)に示されている「メニュー」ボタン231を押下して、メニュー選択画面232の「印刷」ボタン236を押下した場合には、電子黒板2xからMFP9に送信された印刷データは、MFP9で直ぐに印刷出力される。
続いて、図17に示されているステップ41-3の処理が行なわれた後の印刷処理について、図18を用いて説明する。図18は、画像に係るデータ(印刷せー他)の印刷開始の処理を示したシーケンス図である。図19は、利用者がMFPを利用する状態を示したイメージ図である。なお、図19において、MFP9における近距離通信部921は、取得・提供部98による処理を実行する部分である。
まず、利用者AがMFP9の設置場所に移動し、図19に示されているように、利用者Aが自己のICカード3をMFP9の近距離通信部921に近づけると、MFP9の取得・提供部98が、ICカード3の取得・提供部38からICカード(専有端末の一例)を識別するための端末IDを取得する(ステップS51)。そして、MFP9の送受信部91は、端末管理サーバ5に対して、ICカード3の認証要求を送信する(ステップS52)。この認証要求には、取得・提供部98によって取得されたICカード3の端末IDが含まれている。これにより、端末管理サーバ5の送受信部51は、認証要求を受信する。
次に、端末管理サーバ5の認証部52は、端末IDを利用してICカード3の認証を行なう(ステップS53)。具体的には、記憶・読出処理部59は、ステップS52によって受信された端末IDを検索キーとして、端末管理テーブル(図12(A))において、端末IDに対応する利用者名を検索する。対応する利用者名がある場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)であると判断する。対応する利用者名がない場合には、認証部52は、正当なICカード(端末ID)ではないと判断する。
次に、端末管理サーバ5の送受信部51は、MFP9に対して、認証結果を送信する(ステップS54)。認証部52が正当なICカードであると判断した場合には、認証結果に、正当である旨を示す情報及び利用者名が含まれている。また、認証部52が正当なICカードでないと判断した場合には、認証結果に、正当でない旨を示す情報が含まれている。これにより、MFP9の送受信部91は、認証結果を受信する。
次に、ステップS54によって受信された認証結果が正当である旨を示す情報を含んでいる場合には、MFP9の記憶・読出処理部99は、ステップS54によって受信された利用者名を検索キーとして、印刷データ管理テーブル(図12(B)参照)を検索することにより、対応するファイル名を読み出す(ステップS45)。更に、記憶・読出処理部99は、ステップS45によって読み出したファイル名の印刷データを記憶部9000から読み出す(ステップS56)。そして、印刷部93が、印刷データに基づき、印刷用紙に画像を印刷して出力する(ステップS57)。
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように、本実施形態によれば、利用者A等が近距離通信部921に対して自己のICカード3等の専有端末を近接するだけで、図9(D)に示されているように、電子黒板2xは印刷設定画面260bを表示することができる。即ち、利用者Aが、図8(A)に示されている描画画面230において、「メニュー」ボタン231を押下して、図8(B)に示されているように、メニュー選択画面232を表示させた後、更に「印刷」ボタン236を押下して、図9(D)に示されている印刷設定画面260を表示させる場合に比べて、利用者の手間を軽減することができる。特に、共有端末は、専有端末に比べて、同じ利用者の利用頻度が少ないため、利用者が久々に共有端末を利用する場合、どうやって描画像を印刷すればよいかを忘れがちになってしまうが、本実施形態のように、利用者は電子黒板2xの近距離通信部221に自己のICカード3等の専有端末を近接すればよいため、印刷のやり方を調べる等の手間を軽減することができる。これにより、会議や授業の終了後に、次に会議室や教室等を使いたい利用者を待たせてしまう等の問題も解消することができる。
更に、端末管理サーバ5が端末IDを認証して、正当である場合に電子黒板2xは印刷処理を進めることができるため(ステップS34,35参照)、セキュリティを確保することができる。
<<補足>>
上記各実施形態では、利用者Aが電子黒板2xの近距離通信部221にICカード3を近接した場合であっても、電子黒板2xは図9(D)に示されている印刷設定画面260(又は図16(B)に示されている印刷設定画面260b)を表示したが、これに限るものではない。例えば、宛先確認画面260(260b)の表示及び受付の処理(ステップS36,S37参照)を省略して、利用者Aが電子黒板2xの近距離通信部221にICカード3を近接した場合、電子黒板2xがステップS40において、自動的に予め設定されている印刷設定パラメータを送信するようにしてもよい。これにより、利用者による印刷の手間を更に軽減することができるという効果を奏する。