JP2018184440A - うつ病の治療におけるスコポラミンおよびケタミンを含む組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒト対象におけるうつ病を治療又は軽減する方法の提供。【解決手段】約4mcg/kg体重/日又はそれ未満のスコポラミンと組み合わせて、約500mcg/kg体重/日又はそれ未満の有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象におけるうつ病を治療又は軽減する方法。【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119(e)条の下、2012年3月30日に提出された米国仮出願第61/618,212号の恩典を主張するものであって、その内容は参照によりその全体として本明細書に組み入れられる。
本出願は、米国特許法第119(e)条の下、2012年3月30日に提出された米国仮出願第61/618,212号の恩典を主張するものであって、その内容は参照によりその全体として本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明の分野は、スコポラミンおよびケタミンを用いた、うつ病の治療に関する。
本発明の分野は、スコポラミンおよびケタミンを用いた、うつ病の治療に関する。
背景
大うつ病性障害(MDD)に対する現在の医薬は、典型的に、臨床的改善が観察される前に数週間の治療を要し、自殺などのマイナスの結果の危険性を増大させる。最近の臨床研究により、NMDA受容体アンタゴニストであるケタミン、およびムスカリン性コリン作動性受容体アンタゴニストであるスコポラミンは、MDDまたは双極性障害を有すると診断されたうつ病患者において、投与の数時間または数日以内に迅速な抗うつ応答をもたらすことが実証されている。加えて、両方の薬物は、治療に対して抵抗性があるうつ病患者において有効であるようである(Machado-Vieira et al., 2009)(Mathew et al., 2012)(Furey and Drevets, 2006)(Drevets and Furey, 2010)。
大うつ病性障害(MDD)に対する現在の医薬は、典型的に、臨床的改善が観察される前に数週間の治療を要し、自殺などのマイナスの結果の危険性を増大させる。最近の臨床研究により、NMDA受容体アンタゴニストであるケタミン、およびムスカリン性コリン作動性受容体アンタゴニストであるスコポラミンは、MDDまたは双極性障害を有すると診断されたうつ病患者において、投与の数時間または数日以内に迅速な抗うつ応答をもたらすことが実証されている。加えて、両方の薬物は、治療に対して抵抗性があるうつ病患者において有効であるようである(Machado-Vieira et al., 2009)(Mathew et al., 2012)(Furey and Drevets, 2006)(Drevets and Furey, 2010)。
ケタミンの抗うつ作用は、精神異常効果または麻酔効果を引き起こす用量を下回る用量(0.5mg/kg)での単一静脈内注入後に観察される(Berman et al., 2000;Diazgranados et al., 2010;Zarate et al., 2012;Zarate et al., 2006)。うつ病評価の有意な改善は、典型的に、ケタミン投与の1〜2時間以内に見出され、かつおよそ1週間続く(Zarate et al., 2006)。体性感覚皮質における刺激誘発性応答の増大によって示される、ケタミン注入後の皮質興奮性の上昇は、応答者で観察されるが非応答者では観察されず、皮質応答がケタミンの迅速な抗うつ作用のマーカーであり得ることを示唆している(Cornwell et al., 2012)。
低用量(0.004mg/kg注入)でのスコポラミンは、治療の3日後に査定した場合、うつ病患者において臨床的改善をもたらすことが報告されている。しかしながら、患者がおよそ24時間後に改善を報告しているように(Furey and Drevets, 2006)、治療後のより早期の時点での臨床査定によって、より迅速な効果が明らかになる可能性がある。ベースライン時およびスコポラミン後の、感情作業記憶課題の間の治療応答と後頭皮質BOLD応答との間の相関関係についての最近の報告では、ケタミンと同様に、脳応答が、スコポラミンの抗うつ効果のマーカーになり得ることを示唆している(Furey et al., 2013)。
スコポラミンおよびケタミンの両方とも、抗うつ効能の予測的妥当性を有する齧歯類行動アッセイにおいて有意な効果を有する。スコポラミンの単一投与(0.1または0.2mg/kg腹腔内(i.p.))は、ビヒクル処理した対照群と比較した、尾懸垂試験(P<0.01またはP<0.001)および強制水泳試験(両方ともP<0.001)における不動時間の減少によって示されるように、マウスにおいて信頼性のある抗うつ効果をもたらすことが示された。受動的回避試験で査定されるように、自発運動はオープンフィールドで変化せず、かつ認知能力は無傷のままであったため、これらの効果は非特異的な運動活性化の結果ではなかった(Ji and Zhang, 2011)。別の研究では、ラットにおける強制水泳試験で、スコポラミン(0.5〜1.0mg/kg i.p.)が、デシプラミン(20または30mg/kg i.p.)およびノミフェンシン(2.5または5mg/kg i.p.)の抗うつ効果を増強させたことが報告された(Mancinelli et al., 1988)。ケタミンの抗うつ効果についての最初の齧歯類研究の一つ(Yilmaz et al., 2002)は、ラットにおける強制水泳試験で麻酔用量(160mg/kg i.p.)を調査した。ケタミン処理の3日、7日、または10日後に試験した場合、ビヒクル処理群と比較して不動時間が有意に減少した(すなわち、抗うつ効果)。しかしながら、他のものは、ラットにおける処理直後の麻酔用量(80mg/kg i.p.)の効果なしを報告している(Li et al., 2010)。麻酔以下(sub-anesthetic)用量についての調査では、ラットにおいて、10または15mg/kg i.p.でのケタミンは、ビヒクル対照群と比較して強制水泳試験の不動時間を低下させたが、5mg/kg i.p.ではそうではなかったことが報告された(Garcia et al., 2008)。抗うつ効果は、臨床抗うつ薬が上昇させることが知られている(Chen, Dowlatshahi, et al. Biol Psych2001)、海馬におけるBDNFのレベルの増大と相関し、ケタミンと抗うつ医薬との間での共有される神経栄養メカニズムの可能性を示唆した。
ケタミンの抗うつ作用のメカニズムについての齧歯類研究により、調整されたシナプス機能をもたらす、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)シグナル伝達の迅速な活性化およびシナプスにおける局部タンパク質合成の増大が指摘されている(Duman et al., 2012)。抗うつ用量のケタミン(5および10mg/kg i.p.)は、処理の1時間以内に、ラットの前頭前皮質由来のシナプトニューロソームのmTOR経路におけるいくつかの分子のリン酸化を増大させかつそれらの分子を活性化することが見出された(Li et al., 2010)。これらの変化の後に、処理の2時間後のシナプス前およびシナプス後タンパク質のレベルの増大、ならびに24時間の時点で観察される、中間PFC錐体ニューロンの成熟樹状突起棘およびセロトニン介在性皮質神経伝達の同時増大が続いた。これらの知見は、ケタミン(3mg/kg i.p.)がFSTにおいて30分以内に抗うつ効果を呈した、うつ病のマウスモデルで裏付けられている(Autry et al., 2011)。迅速な抗うつ効果は、BDNFを含めたシナプス後タンパク質の翻訳を増大させ、それによってシナプス機能を変更させると考えられる、真核生物伸長因子2(eEF2)キナーゼの阻害およびeEF2の脱リン酸化と平行して生じる(Monteggia et al., 2012)。ケタミンの抗うつ効果は、阻害性リン酸化の増大による(Beurel et al., 2011)、おそらく、GSK3を規制するAktの活性の増大による(Duman et al., 2012)、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)活性の阻害を必要とすることも示されている。
スコポラミンの抗うつ作用のメカニズムはそれほど研究されていないが、スコポラミンも、ケタミンと同様に、mTORシグナル伝達を迅速に活性化し(Li et al., 2011)、したがってシナプス機能を調整し得ることが報告されている(Drevets et al., 2012)。加えて、ムスカリン性受容体の活性化は、NMDA受容体の発現を規制することが示されており、かつスコポラミンは、ラットにおけるNMDA受容体1Aおよび2Aの両方の発現を減少させることが報告されている(Liu et al., 2004)。
概要
有意な治療成果、各化合物のより少ない与薬、ならびに大うつ病性障害および他の気分障害を有する患者での忍容性の改善を含むがそれらに限定されない有益性を有する、うつ病の治療における、スコポラミンまたは活性代謝産物/鏡像異性体/それらの異性体/誘導体/類似体およびケタミンまたは活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体を投与するための組成物および方法を本明細書において提供する。
有意な治療成果、各化合物のより少ない与薬、ならびに大うつ病性障害および他の気分障害を有する患者での忍容性の改善を含むがそれらに限定されない有益性を有する、うつ病の治療における、スコポラミンまたは活性代謝産物/鏡像異性体/それらの異性体/誘導体/類似体およびケタミンまたは活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体を投与するための組成物および方法を本明細書において提供する。
一局面において、ヒト対象におけるうつ病を治療するまたは軽減する方法であって、該方法は、有効量のスコポラミンまたはその類似体、鏡像異性体、異性体、もしくは誘導体(例えば、約3mcg/kg体重/日またはそれ未満)と組み合わせて、有効量のケタミンまたはその類似体、鏡像異性体、異性体、もしくは誘導体(例えば、約300mcg/kg体重/日またはそれ未満)をヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象におけるうつ病を治療するまたは軽減する方法を本明細書において提供する。
別の局面において、ヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するまたは軽減する方法であって、該方法は、スコポラミンと組み合わせて有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するまたは軽減する方法を本明細書において提供する。一態様において、有効量は、約300mcg/kg体重/日またはそれ未満のケタミン、および約3mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンである。別の態様において、有効量は、250mcg/kg体重/日のケタミン、および2mcg/kg体重/日のスコポラミンである。
別の態様において、うつ病は、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む。
別の態様において、ケタミンおよびスコポラミンを逐次的に投与する。
別の態様において、ケタミンをスコポラミンの前もしくは後に投与する、またはスコポラミンの前および後に投与する。
別の態様において、スコポラミンをケタミンの前もしくは後に投与する、またはケタミンの前および後に投与する。
別の態様において、ケタミンおよびスコポラミンをヒト対象に同時に投与する。
別の態様において、ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物をヒト対象に投与する。
別の態様において、250mcg/kg体重/日のケタミンまたはそれ未満のケタミン、および2mcg/kg体重/日のスコポラミンまたはそれ未満のスコポラミンをヒト対象に投与する。
別の態様において、ケタミンおよび/またはスコポラミンをヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射する。
本明細書において提供される別の局面は、治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物に関する。
うつ病またはうつ病性障害の治療における、治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物の使用も本明細書において提供する。
[本発明1001]
ヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンと組み合わせて、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満の有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
[本発明1002]
うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1004]
ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、本発明1003の方法。
[本発明1005]
スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、本発明1003の方法。
[本発明1006]
ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1007]
ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、本発明1006の方法。
[本発明1008]
250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンがヒト対象に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1009]
ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、本発明1001の方法。
[本発明1010]
ヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、スコポラミンと組み合わせて有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
[本発明1011]
うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、本発明1010の方法。
[本発明1013]
ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、本発明1012の方法。
[本発明1015]
ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、本発明1010の方法。
[本発明1016]
ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、本発明1015の方法。
[本発明1017]
有効量が、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満のケタミンおよび約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンである、本発明1010の方法。
[本発明1018]
有効量が、250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンである、本発明1017の方法。
[本発明1019]
ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、本発明1010の方法。
[本発明1020]
治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物。
[本発明1021]
うつ病またはうつ病性障害の治療における、治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物の使用。
本明細書において記載される方法および組成物の他の特長および利点は、詳細な説明からおよび特許請求の範囲から明らかになるであろう。
ヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンと組み合わせて、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満の有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
[本発明1002]
うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1004]
ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、本発明1003の方法。
[本発明1005]
スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、本発明1003の方法。
[本発明1006]
ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1007]
ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、本発明1006の方法。
[本発明1008]
250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンがヒト対象に投与される、本発明1001の方法。
[本発明1009]
ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、本発明1001の方法。
[本発明1010]
ヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、スコポラミンと組み合わせて有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
[本発明1011]
うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、本発明1010の方法。
[本発明1012]
ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、本発明1010の方法。
[本発明1013]
ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、本発明1012の方法。
[本発明1015]
ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、本発明1010の方法。
[本発明1016]
ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、本発明1015の方法。
[本発明1017]
有効量が、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満のケタミンおよび約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンである、本発明1010の方法。
[本発明1018]
有効量が、250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンである、本発明1017の方法。
[本発明1019]
ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、本発明1010の方法。
[本発明1020]
治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物。
[本発明1021]
うつ病またはうつ病性障害の治療における、治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物の使用。
本明細書において記載される方法および組成物の他の特長および利点は、詳細な説明からおよび特許請求の範囲から明らかになるであろう。
詳細な説明
本明細書において提供される方法および組成物は、うつ病またはうつ病性障害の治療のために、ケタミンおよびスコポラミンを組み合わせて用いることができるという発見に部分的に基づく。ケタミンおよびスコポラミンを用いた併用療法は、うつ病の症状を非常に急速に軽減し得、かつ例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)などのほとんどの抗うつ薬に関して臨床効果が観察される前に、緊急療法に用いられ得る。ゆえに、ケタミンおよび/またはスコポラミンを含む組成物および薬学的製剤、ならびにうつ病の治療にそのような組成物を用いるための方法を本明細書において記載する。
本明細書において提供される方法および組成物は、うつ病またはうつ病性障害の治療のために、ケタミンおよびスコポラミンを組み合わせて用いることができるという発見に部分的に基づく。ケタミンおよびスコポラミンを用いた併用療法は、うつ病の症状を非常に急速に軽減し得、かつ例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)などのほとんどの抗うつ薬に関して臨床効果が観察される前に、緊急療法に用いられ得る。ゆえに、ケタミンおよび/またはスコポラミンを含む組成物および薬学的製剤、ならびにうつ病の治療にそのような組成物を用いるための方法を本明細書において記載する。
定義
別様に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含めた本出願が制御する。
別様に定義されていない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含めた本出願が制御する。
「うつ病」とは、圧倒的に悲しいまたは落ち込んだ気分を含み、かつしばしば大うつ病性障害として現れる心理的および身体的な症状を伴う臨床的実体を意味する。例示的なうつ病性障害には、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害が含まれるがそれらに限定されるわけではなく、そのそれぞれは、本明細書において記載される方法および組成物を用いて治療されることを企図される。
「大うつ病性障害」または「MDD」とは、情動および気分の異常、自律神経系機能の異常(食欲および睡眠の乱れなど)、および認知の異常(不適切な罪悪感および無価値感など)を含む、数週間から数ヶ月間、数年間にわたって続く医学的状態を意味する。
「治療抵抗性うつ病」または「TRD」とは、抗うつ療法を用いた少なくとも1回の適正な試行に応答していない、任意の形態のうつ病またはMDDを意味する。
「有効量」とは、治療を受けていない患者と比べて、うつ病の少なくとも1つの症状を軽減する、必要とされる作用物質または該作用物質を含む組成物の量を意味する。疾患の治療的処置のための組成物の有効量は、投与の様式、対象の年齢、体重、および全般的な健康に応じて変動する。最終的には、主治医が適切な量および投薬レジメンを決定する。
本明細書において用いられる「軽減した」または「軽減する」または「減少させる」という用語は、概して、統計的に有意な量の減少を意味する。しかしながら、疑念を避けるために、「軽減した」とは、参照レベルと比較して少なくとも10%の減少、例えば、その用語が本明細書において定義される参照レベルと比較して、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%、少なくとも99%の減少、または最大100%および100%を含めた(すなわち、実質的に非存在である、または検出のレベルを下回る)減少、あるいは10〜100%の間の任意の減少を意味する。本明細書において使用するとき、「標準」または「参照」という用語は、単に、うつ病に罹患していない健常な個体など、比較のためのベースラインを規定する参照であってよい。「対象」とは、ヒト、家畜および畜類、ならびに動物園用、スポーツ用、またはペット用動物、例えばマウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、およびより高等な霊長類を含めた哺乳綱の任意のメンバーを含めた脊椎動物である。一態様において、対象はヒトである。
本明細書において使用するとき、疾患または障害(例えば、うつ病)に関して用いられる「治療する」、「治療」、または「治療すること」という用語は、疾患または障害に伴う状態または症状の発症を遅らせる、その進行または重症度を好転させる、緩和する、向上させる、減少させる、阻害する、または減速させる手段を指す。一態様において、「治療すること」という用語には、情動および気分の異常、自律神経系機能の異常(食欲および睡眠の乱れなど)、および認知の異常(不適切な罪悪感および無価値感など)を含むがそれらに限定されないものなど、うつ病に伴う状態、疾患、または障害の少なくとも1つの副作用または症状を軽減することまたは緩和することが含まれる。1つまたは複数の症状または臨床マーカーが、その用語が本明細書において定義されるように軽減した場合、治療は概して「有効」である。あるいは、疾患の進行が軽減したまたは停止した場合、治療は「有効」である。つまり、「治療」には、症状またはマーカーの改善だけでなく、治療の非存在下で予想されるであろう症状の進行または悪化の休止または少なくとも停滞も含まれる。本明細書において記載される局面のいくつかの態様において、うつ病の症状または測定されるパラメーターは、対照または治療を受けていない対象と比較して、作用物質を投与されると、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%緩和される。ゆえに、当業者であれば、「治療」は、疾患状態を改善し得るが、疾患の完全な治癒である必要はないことを悟る。
「併用療法」(または「共同療法」)という語句は、ケタミン(または類似体、誘導体、鏡像異性体、活性代謝産物、もしくはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体、誘導体、鏡像異性体、活性代謝産物、もしくはそれらの塩)の投与を、これらの治療剤の共作用からの有益な効果を提供することを意図される指定の治療レジメンの一部として含む。組み合わせの有益な効果には、治療剤の組み合わせにより生じる薬物動態学的または薬力学的な共作用が含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらの治療剤の組み合わせでの投与は、典型的に、規定された期間(通常、選択された組み合わせに応じて、数分間、数時間、数日間、または数週間)にわたって実施される。「併用療法」は、一般的に、本発明の組み合わせを偶発的かつ恣意的にもたらす、別々の単独療法レジメンの一部として、これらの治療剤のうちの2種またはそれを上回る種類の投与を包含することを意図されない。「併用療法」は、これらの治療剤の逐次的様式、つまり各治療剤が異なる時間に投与される様式での投与、ならびにこれらの治療剤、または治療剤のうちの少なくとも2種の実質的に同時様式での投与を含むことを意図される。実質的に同時の投与は、例えば、固定比率の各治療剤を有する単一カプセル剤を、または治療剤のそれぞれに対する単一カプセル剤を複数で、対象に投与することによって遂行され得る。各治療剤の逐次的な投与または実質的に同時の投与は、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、および粘膜組織を通した直接吸収を含むがそれらに限定されない任意の適切な経路によって達成され得る。治療剤は、同じ経路によってまたは異なる経路によって投与されてよい。例えば、選択された組み合わせの第一の治療剤を静脈内注射によって投与してよく、一方で組み合わせの他方の治療剤を経口で投与してよい。あるいは、例えば、すべての治療剤を経口で投与してよく、またはすべての治療剤を静脈内注射によって投与してよい。治療剤を投与する順序は、狭義において決定的ではない。「併用療法」は、他の生物学的活性成分(低ケタミンレベルの治療のための、および/または前立腺癌等の治療のための、第二のかつ異なる作用物質などであるが、それらに限定されるわけではない)、および非薬物療法(外科手術または放射線治療などであるが、それらに限定されるわけではない)とさらに組み合わせた、上記に記載される治療剤の投与も含んでよい。
「薬学的に許容される」という語句は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症もなく、妥当な有益性/危険性の割合に見合う、人間および動物の組織と接触させた使用に適している、その化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書において採用される。
本明細書において用いられる「薬学的に許容されるキャリア」という語句は、一方の器官または身体の一部から、もう一方の器官または身体の一部に、対象作用物質を運ぶまたは輸送することに関与する、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤、または封入材料など、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各キャリアは、製剤の他の成分に適合するという意味で「許容され」なければならず、例えばキャリアは、治療に対する作用物質の影響を減少させない。言い換えれば、キャリアは薬学的に不活性である。
本明細書において使用するとき、「含んでいる(comprising)」または「含む(comprise)」という用語は、本発明に必須であるが、指定されていない要素の包含を必須であろうとなかろうと受け入れる、組成物、方法、およびそれらのそれぞれの構成要素に関して用いられる。
本明細書において使用するとき、「から本質的になる」という用語は、所定の態様に必要とされるその要素を指す。該用語は、本発明のその態様の基本的なかつ新規なまたは機能的な特徴に著しく影響を及ぼさないさらなる要素の存在を容認する。
「からなる」という用語は、態様についてのその記載に記述されていないいかなる要素も除いた、本明細書において記載される組成物、方法、およびそれらのそれぞれの構成要素を指す。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用するとき、「a」、「an」、および「the」という単数形の形態は、文脈においてはっきりと別様に記されていない限り、複数形の参照物を含む。ゆえに、例えば、「方法(the method)」に対する参照物には、本明細書において記載されるおよび/または本開示、その他を読むと当業者に明らかになるであろう、1つまたは複数の方法、および/または型の工程が含まれる。
作業実施例以外、または別様に示されている場合以外では、本明細書において用いられる成分または反応条件の分量を表現しているすべての数字は、すべての場合において、「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。パーセンテージと関連付けて用いられる場合の「約」という用語は、±1%を意味し得る。
本出願および特許請求の範囲において、単数形の使用は、別様に具体的に明記されていない限り、複数形を含む。加えて、「または」の使用は、別様に明記されていない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含んでいる(including)」という用語、ならびに「含む(include)」および「含まれた(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。また、「要素」または「構成要素」などの用語は、別様に具体的に明記されていない限り、1単位を含む要素および構成要素、ならびに1つを上回る単位を含む要素および構成要素の両方を包含する。
本明細書において別様に定義されていない限り、本出願と関連付けて用いられる科学的および技術的用語は、本開示が属する技術分野における当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。本発明は、本明細書において記載される特定の方法論、プロトコール、および試薬等に限定されず、それ自体は変動し得る。本明細書において用いられる専門用語は、特定の態様のみを記載することを目的とするものであり、特許請求の範囲によってだけ規定される本発明の範囲を限定することを意図されない。免疫学および分子生物学における共通用語の定義を、Merck Research Laboratoriesによって刊行されたThe Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 18th Edition, 2006 (ISBN 0-911910-18-2);Blackwell Science Ltd.によって刊行されたRobert S. Porter et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, 1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびVCH Publishers, Inc.によって刊行されたRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, 1995 (ISBN 1-56081-569-8);Elsevierによって刊行されたWerner LuttmannによるImmunology, 2006において見出すことができる。分子生物学における共通用語の定義を、Jones & Bartlett Publishingによって刊行されたBenjamin Lewin, Genes IX, 2007 (ISBN-13: 9780763740634);Blackwell Science Ltd.によって刊行されたKendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, 1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers (ed.), Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (1982);Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2 ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (1989);Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (1986);またはMethods in Enzymology: Guide to Molecular Cloning Techniques Vol.152, S. L. Berger and A. R. Kimmerl Eds., Academic Press Inc., San Diego, USA (1987);Current Protocols in Molecular Biology (CPMB) (Fred M. Ausubel, et al. ed., John Wiley and Sons, Inc.)、Current Protocols in Protein Science (CPPS) (John E. Coligan, et. al., ed., John Wiley and Sons, Inc.)、およびCurrent Protocols in Immunology (CPI) (John E. Coligan, et. al., ed. John Wiley and Sons, Inc.)において見出すことができ、それらはすべて参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる。
うつ病および関連障害
うつ病は、悲しみ、活動への興味の喪失、および活力の減少によって特徴付けされ得る。他の症状には、自信および自尊心の喪失、不適切な罪悪感、死および自殺の思考、集中力の減退、ならびに睡眠および食欲の乱れが含まれる。様々な身体的症状も存在し得る。とりわけ人生における挫折を経験した後のうつ病性感情は共通であるが、うつ病性障害は、症状が閾値に達しかつ少なくとも2週間続いた場合にのみ診断される。うつ病は、軽度から非常に重度まで重症度が変動し得、かつ単極性および双極性のうつ病、ならびに季節性情動障害(SAD)を含む。うつ病は、典型的に、子どもおよび若者のうつ病のプロファイルを規定する8つの基本的様相、すなわち悲観主義、集中力不足、睡眠の問題、無快感症、疲労感、孤独感、低い自尊心、および身体的不調の訴えにも特徴付けされる。うつ病は、(それに関連した身体的疾患を有しない)特発性疾患として生じ得、またはそれは、身体的障害、とりわけいくつかの神経変性障害の精神医学的症状であり得る。
うつ病は、悲しみ、活動への興味の喪失、および活力の減少によって特徴付けされ得る。他の症状には、自信および自尊心の喪失、不適切な罪悪感、死および自殺の思考、集中力の減退、ならびに睡眠および食欲の乱れが含まれる。様々な身体的症状も存在し得る。とりわけ人生における挫折を経験した後のうつ病性感情は共通であるが、うつ病性障害は、症状が閾値に達しかつ少なくとも2週間続いた場合にのみ診断される。うつ病は、軽度から非常に重度まで重症度が変動し得、かつ単極性および双極性のうつ病、ならびに季節性情動障害(SAD)を含む。うつ病は、典型的に、子どもおよび若者のうつ病のプロファイルを規定する8つの基本的様相、すなわち悲観主義、集中力不足、睡眠の問題、無快感症、疲労感、孤独感、低い自尊心、および身体的不調の訴えにも特徴付けされる。うつ病は、(それに関連した身体的疾患を有しない)特発性疾患として生じ得、またはそれは、身体的障害、とりわけいくつかの神経変性障害の精神医学的症状であり得る。
うつ病のレベルを査定する際に施される、当技術分野において公知の尺度には、
(1)Hamiltonうつ病評価尺度28項目:主要成果測定法(Hamilton M. J., Neurol Neurosurg Psychiatry 1960. 23:56-62;Hamilton M., Br J Social Clin Psychology 1967. 6:278-296)
(2)コロンビア自殺重症度評価尺度(Posner K. et al., Am J Psychiatry. 2011 Dec;168(12):1266-77)
(3)臨床的全般改善尺度−重症度および改善度(Guy W. Clinical Global Impression (CGI) ECDEU Assessment manual for Psychopharmacology. Rockville, MD: U.S. Dept Health Education and Welfare 1976)
(4)うつ病性症状の簡易調査票、自己報告版(Trivedi M. H. et al., Psychol Med. 2004 Jan;34(1):73-82)
(5)簡潔な健康リスク追跡(Trivedi M. H. et al., J Clin Psychiatry. 2011 Jun;72(6):757-64)
(6)MGH認知機能および身体機能についての質問票(Fava M. et al., Psychother Psychosom. 2009;78(2):91-7)
(7)生活の質に関する楽しみと満足度についての質問票(Endicott J. et al., Psychopharmacol Bull. 1993;29(2):321-6)
(8)簡易精神医学的評価尺度(Andersen J. et al. Psychopathology. 1989;22(2-3): 168-76;Hafkenscheid A., Acta Psychiatr Scand. 1991 Sep;84(3):294-300)
(9)ベースライン時および第3段階の終了時のみ−神経認知試験バッテリ:即時性および遅延性の言語想起、理解の速度、前後への数唱(digit span)、Nバック課題(N-back test)、ならびにトレイルメイキング課題(Trandafir A. et al., Schizophr Res. 2006 Jan 31;81(2-3):217-26)
が含まれる。
(1)Hamiltonうつ病評価尺度28項目:主要成果測定法(Hamilton M. J., Neurol Neurosurg Psychiatry 1960. 23:56-62;Hamilton M., Br J Social Clin Psychology 1967. 6:278-296)
(2)コロンビア自殺重症度評価尺度(Posner K. et al., Am J Psychiatry. 2011 Dec;168(12):1266-77)
(3)臨床的全般改善尺度−重症度および改善度(Guy W. Clinical Global Impression (CGI) ECDEU Assessment manual for Psychopharmacology. Rockville, MD: U.S. Dept Health Education and Welfare 1976)
(4)うつ病性症状の簡易調査票、自己報告版(Trivedi M. H. et al., Psychol Med. 2004 Jan;34(1):73-82)
(5)簡潔な健康リスク追跡(Trivedi M. H. et al., J Clin Psychiatry. 2011 Jun;72(6):757-64)
(6)MGH認知機能および身体機能についての質問票(Fava M. et al., Psychother Psychosom. 2009;78(2):91-7)
(7)生活の質に関する楽しみと満足度についての質問票(Endicott J. et al., Psychopharmacol Bull. 1993;29(2):321-6)
(8)簡易精神医学的評価尺度(Andersen J. et al. Psychopathology. 1989;22(2-3): 168-76;Hafkenscheid A., Acta Psychiatr Scand. 1991 Sep;84(3):294-300)
(9)ベースライン時および第3段階の終了時のみ−神経認知試験バッテリ:即時性および遅延性の言語想起、理解の速度、前後への数唱(digit span)、Nバック課題(N-back test)、ならびにトレイルメイキング課題(Trandafir A. et al., Schizophr Res. 2006 Jan 31;81(2-3):217-26)
が含まれる。
組成物および治療の方法
うつ病の治療のための、スコポラミン(または活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体)および/またはケタミン(またはその活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体)を含む組成物(例えば、薬学的組成物)および製剤を本明細書において提供する。本明細書にわたって「ケタミン」および「スコポラミン」という用語が用いられるが、そのような用語には、ケタミンの活性代謝産物、鏡像異性体、異性体、誘導体、類似体、もしくはそれらの塩、および/またはスコポラミンの活性代謝産物、鏡像異性体、異性体、誘導体、類似体、もしくはそれらの塩が含まれることが本明細書において企図される。
うつ病の治療のための、スコポラミン(または活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体)および/またはケタミン(またはその活性代謝産物/鏡像異性体/異性体/誘導体/それらの類似体)を含む組成物(例えば、薬学的組成物)および製剤を本明細書において提供する。本明細書にわたって「ケタミン」および「スコポラミン」という用語が用いられるが、そのような用語には、ケタミンの活性代謝産物、鏡像異性体、異性体、誘導体、類似体、もしくはそれらの塩、および/またはスコポラミンの活性代謝産物、鏡像異性体、異性体、誘導体、類似体、もしくはそれらの塩が含まれることが本明細書において企図される。
代替的な態様において、本明細書において記載される組成物は、薬学的に許容されるキャリアとともに製剤化される。代替的な態様において、本発明の薬学的組成物および製剤を、非経口的に、局所的に、経口で、またはエアロゾルによる、鼻腔内に、もしくは経皮的になどの局部的投与によって投与することができる。薬学的組成物を、状態または疾患(例えば、うつ病)、および病気の程度、各患者の全般的医学的状態、結果として生じる好ましい投与方法等に応じて、任意の手法で製剤化することができ、かつ様々な単位剤形で投与することができる。医薬品の製剤化および投与のための技術に関する詳細は、科学的文献および特許文献に十分に記載されており、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Maack Publishing Co, Easton PAの最新版(「Remington's」)を参照されたい。
本明細書において記載される組成物を、単独で、または薬学的製剤の構成要素として投与することができる。化合物を、人間医学または獣医学における使用にとって好都合な任意の手法で、投与のために製剤化してよい。湿潤剤、乳化剤、および潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、それだけでなく着色剤、放出剤(release agent)、コーティング剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤、保存剤、ならびに抗酸化剤も組成物中に存在してよい。
本明細書において記載される組成物には、皮内投与、吸入投与、経口/経鼻投与、局所投与、非経口投与、直腸投与、および/または膣内投与に適したものが含まれる。製剤を、単位剤形で提示することができ、かつ薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製することができる。単一剤形をもたらす、キャリア材料と組み合わせることができる活性成分(例えば、スコポラミンもしくはその活性代謝産物/鏡像異性体/異性体、および/またはケタミンもしくはその活性代謝産物/鏡像異性体/異性体)の量は、治療を受けている宿主、特定の投与の様式、例えば皮内または吸入に応じて変動する。単一剤形をもたらす、キャリア材料と組み合わせることができる活性成分の量は、一般的に、治療効果、例えば抗うつ効果をもたらす、化合物のその量である。
本明細書において記載される組成物の薬学的製剤を、医薬品の製造のための技術分野に公知の任意の方法に従って調製することができる。そのような薬物は、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤を含有してよい。製剤を、製造に適している非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混和することができる。製剤は、1種または複数種の希釈剤、乳化剤、保存剤、緩衝剤、賦形剤等を含んでよく、かつ液体、粉末、乳濁液、凍結乾燥粉末、スプレー、クリーム、ローション、放出制御性製剤、錠剤、丸薬、ゲル、パッチ上、埋め込み物内などの形態で提供されてよい。
経口投与のための薬学的製剤を、適切かつ適当な投薬量に、当技術分野において周知の薬学的に許容されるキャリアを用いて製剤化することができる。そのようなキャリアにより、錠剤、丸薬、粉末、糖衣錠、カプセル剤、液体、トローチ剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として単位剤形で製剤化される対象となる医薬品は、患者による摂取に適したものとなる。錠剤または糖衣錠のコアを得るために、所望の場合には、適当なさらなる化合物を添加した後に、任意で結果として生じる混合物をすりつぶし、かつ顆粒の混合物を加工して、経口使用のための薬学的調製物を固体賦形剤のように製剤化することができる。適当な固体賦形剤は炭水化物またはタンパク質であり、充填剤には、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、もしくはソルビトールを含めた糖類;トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、もしくは他の植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、もしくはナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;ならびにアラビアおよびトラガカントを含めたゴム;ならびにタンパク質、例えばゼラチンおよびコラーゲンが含まれる。架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を添加してよい。押し込み型(push-fit)カプセル剤は、ラクトースまたはデンプンなどの充填剤または結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および任意で安定剤と混合した活性作用物質を含有してよい。軟カプセル剤において、活性作用物質は、安定剤の有無にかかわらず、脂肪油、流動パラフィン(liquid paraffin)、または液体ポリエチレングリコールなどの適当な液体中に溶解または懸濁されていてよい。
水性懸濁液は、例えば水性皮内注射のための、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混和した活性作用物質(例えば、スコポラミンおよび/またはケタミン)を含有してよい。そのような賦形剤には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムなどの懸濁化剤、ならびに天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール(oxycetanol)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などの分散剤または湿潤剤が含まれる。水性懸濁液は、p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピルなどの1種または複数種の保存剤、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の香味剤、およびスクロース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの1種または複数種の甘味剤も含有してよい。製剤をオスモル濃度に調節してよい。
一態様において、油ベースの医薬品を投与に用いる。ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油などの植物油中に、または流動パラフィンなどの鉱油中に、またはこれらの混合物中に活性作用物質(例えば、スコポラミンおよび/またはケタミン)を懸濁することによって、油ベースの懸濁液を製剤化することができる。生体利用性を増大させるために、ならびに経口投与された疎水性薬学的化合物の個体間および個体内変動を低下させるために、精油または精油構成要素を用いることを記載している、例えば米国特許第5,716,928号を参照されたい(米国特許第5,858,401号も参照されたい)。油懸濁液は、蜜蝋、固形パラフィン(hard paraffin)、またはセチルアルコールなどの増粘剤を含有してよい。グリセロール、ソルビトール、またはスクロースなど、甘味剤を添加して、口に合う経口調製物を提供することができる。アスコルビン酸などの抗酸化剤の添加によって、これらの製剤を保存することができる。注射可能な油ビヒクルの例として、Minto (1997) J. Pharmacol. Exp. Ther. 281:93-102を参照されたい。
本発明の薬学的製剤は、水中油型乳濁液の形態であってもよい。油性相は、上記に記載される植物油もしくは鉱油、またはこれらの混合物であってよい。適当な乳化剤には、アカシアゴムおよびトラガカントゴムなどの天然に存在するゴム、大豆レシチンなどの天然に存在するホスファチド、ソルビタンモノオレエートなど、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、ならびにポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど、これらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物が含まれる。乳濁液は、シロップおよびエリキシル剤の製剤におけるような、甘味剤および香味剤も含有してよい。そのような製剤は、粘滑剤、保存剤、または着色剤も含有してよい。代替的な態様において、本発明のこれらの注射可能な水中油型乳濁液は、パラフィン油、ソルビタンモノオレエート、エトキシ化ソルビタンモノオレエート、および/またはエトキシ化ソルビタントリオレエートを含む。
坐剤、吹送、粉末、およびエアロゾル製剤を含めた、本明細書において記載される薬学的製剤を、鼻腔内、眼球内、および膣内経路によって投与することもできる(例えばステロイド吸入薬について、例えばRohatagi (1995) J. Clin. Pharmacol. 35:1187-1193;Tjwa (1995) Ann. Allergy Asthma Immunol. 75:107-111を参照されたい)。薬物と、常温では固体であるが体温では液体であり、したがって身体内で融解して薬物を放出すると考えられる、適当な非刺激性賦形剤とを混合することによって、坐剤製剤を調製することができる。そのような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールであってよい。
アプリケーター棒、溶液、懸濁液、乳濁液、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、塗剤、粉末、およびエアロゾルとして製剤化された、スコポラミンおよび/またはケタミンを含む薬学的化合物を、局所的経路によって、経皮的に送達することができる。
本明細書において記載される薬学的製剤を、身体内での緩徐な放出のために、ミクロスフェアとして送達することもできる。例えば、皮下に緩徐に放出する薬物の皮内注射によって、Rao (1995) J. Biomater Sci. Polym. Ed. 7:623-645を参照;生分解可能なかつ注射可能なゲル製剤として、例えばGao (1995) Pharm. Res. 12:857-863 (1995)を参照;または経口投与のためのミクロスフェアとして、例えばEyles (1997) J. Pharm. Pharmacol. 49:669-674を参照、ミクロスフェアを投与することができる。
静脈内(IV)投与、または体腔もしくは器官の内腔への投与などによって、薬学的製剤を非経口的に投与することができる。これらの製剤は、薬学的に許容されるキャリア中に溶解した活性作用物質の溶液を含んでよい。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶剤は、水およびリンガー溶液、等張塩化ナトリウムである。加えて、滅菌性固定油を溶剤または懸濁媒体として採用することができる。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた、任意の無菌性固定油を採用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を、注射物質の調製に同様に用いることができる。これらの溶液は滅菌性であり、非所望の物質を概して含んでいない。これらの製剤を、従来的な周知の滅菌技術によって滅菌することができる。製剤は、pH調節剤および緩衝剤、毒性調節剤、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等、おおよその生理的条件に必要とされる、薬学的に許容される補助的物質を含有してよい。これらの製剤中の活性作用物質の濃度は、選択された特定の投与の様式および患者のニーズに従って、大幅に変動し得、主に液量、粘度、体重等に基づいて選択される。IV投与のために、製剤は、滅菌性の注射可能な水性または油脂性の懸濁液など、滅菌性の注射可能な調製物であってよい。それらの適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、この懸濁液を製剤化することができる。滅菌性の注射可能な調製物は、1,3-ブタンジオールの溶液など、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤中の懸濁液であってもよい。投与は、ボーラスまたは持続的注入(例えば、指定された期間の血管内への実質的に中断なしの導入)によるものであってよい。
本明細書において記載される薬学的化合物および製剤を、凍結乾燥することができる。ゆえに、本発明の医薬品および増量剤、例えばマンニトール、トレハロース、ラフィノース、およびスクロース、またはそれらの混合物を含む溶液を凍結乾燥することによって作製され得る、本明細書において記載される組成物を含む安定な凍結乾燥製剤を本明細書において提供する。
ケタミンおよび/またはスコポラミンを含む組成物および製剤を、リポソームの使用によって送達することができる。リポソームを用いることによって、とくに、リポソーム表面が標的細胞に特異的なリガンドを保持している場合、またはそうでなければ特異的器官に優先的に向けられている場合、インビボで標的細胞内への活性作用物質の送達の焦点を合わせることができる。例えば、米国特許第6,063,400号;第6,007,839号;Al-Muhammed (1996) J. Microencapsul. 13:293-306;Chonn (1995) Curr. Opin. Biotechnol. 6:698-708;Ostro (1989) Am. J. Hosp. Pharm. 46:1576-1587を参照されたい。
本明細書において記載される方法を行うのに十分な薬学的組成物の量は、有効用量である。本用途、すなわち与薬レジメンに有効である投薬スケジュールおよび量は、疾患または状態のステージ、疾患または状態の重症度、患者の健康の全般的様態、患者の身体状況、年齢等を含めた様々な因子に依存する。患者に対する投薬レジメンを算出する際、投与の様式も考慮に入れる。
投薬レジメンは、当技術分野において周知の薬物動態学的パラメーター、すなわち活性作用物質の吸収率、生体利用性、代謝、クリアランス等も考慮に入れる(例えば、Hidalgo-Aragones (1996) J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 58:611-617;Groning (1996) Pharmazie 51:337-341;Fotherby (1996) Contraception 54:59-69;Johnson (1995) J. Pharm. Sci. 84:1144-1146;Rohatagi (1995) Pharmazie 50:610-613;Brophy (1983) Eur. J. Clin. Pharmacol. 24:103-108;上記の最新Remington'sを参照されたい)。最先端技術により、臨床医は、それぞれ個々の患者に対する投薬レジメン、活性作用物質、および治療される疾患または状態を判定することが可能となる。医薬品として用いられる類似組成物に対して提供される指針を手引きとして用いて、投薬レジメン、すなわち用量スケジュールおよび投薬量レベル、施された本発明の方法の実践が正しくかつ適切であることを判定することができる。
製剤の単一または複数回投与は、例えば:患者によって必要とされかつ忍容される投薬量および頻度、各投与の後に生じる抗うつ効能の程度および量等に応じて与えられてよい。製剤は、うつ病の少なくとも1つの症状を効果的に治療する、予防する、または向上させるのに十分な分量の活性作用物質(スコポラミンおよび/またはケタミン)を提供しなければならない。
代替的な態様において、静脈内投与のための薬学的製剤は1日量で、ケタミンに関して275、250、200、175、150、125、100、75、50、または25mcg/kg体重/日を含めた約300mcgまたはそれ未満、およびスコポラミンに関して2.75、2.5、2.0、1.75、1.5、1.25、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.20 mcg/kg体重/日を含めた約3mcgまたはそれ未満の間である。
いくつかの態様において、ケタミンの用量は、少なくとも25mcg/kg、少なくとも30mcg/kg、少なくとも40mcg/kg、少なくとも50mcg/kg、少なくとも60mcg/kg、少なくとも70mcg/kg、少なくとも75mcg/kg、少なくとも80mcg/kg、少なくとも90mcg/kg、少なくとも100mcg/kg、少なくとも125mcg/kg、少なくとも150mcg/kg、少なくとも175mcg/kg、少なくとも200mcg/kg、少なくとも225mcg/kg、少なくとも250mcg/kg、少なくとも275mcg/kg、もしくは少なくとも300mcg/kg、またはそれを上回る量である。
他の態様において、スコポラミンの用量は、少なくとも0.20mcg/kg、少なくとも0.25mcg/kg、少なくとも0.5mcg/kg、少なくとも0.75mcg/kg、少なくとも1.0mcg/kg、少なくとも1.25mcg/kg、少なくとも2.0mcg/kg、少なくとも2.5mcg/kg、少なくとも2.75mcg/kg、少なくとも3.0mcg/kg、またはそれを上回る量である。
いくつかの態様において、投与されるケタミンの1日範囲は、25〜50mcg/kg、25〜75mcg/kg、25〜100mcg/kg、25〜125mcg/kg、25〜150mcg/kg、25〜175mcg/kg、25〜200mcg/kg、25〜250mcg/kg、25〜275mcg/kg、25〜300mcg/kg、275〜300mcg/kg、250〜300mcg/kg、200〜300mcg/kg、175〜300mcg/kg、150〜300mcg/kg、125〜300mcg/kg、100〜300mcg/kg、75〜300mcg/kg、50〜300mcg/kg、50〜75mcg/kg、75〜100mcg/kg、100〜125mcg/kg、100〜150mcg/kg、150〜175mcg/kg、100〜200mcg/kg、または275〜300mcg/kgである。
いくつかの態様において、投与されるスコポラミンの1日範囲は、0.2〜3.0mcg/kg、0.2〜2.75mcg/kg、0.2〜2.5mcg/kg、0.2〜2.0mcg/kg、0.2〜1.5mcg/kg、0.2〜1.0mcg/kg、0.2〜0.75mcg/kg、0.2〜0.5mcg/kg、0.2〜0.25mcg/kg、2.75〜3.0mcg/kg、2.5〜3.0mcg/kg、2.0〜3.0mcg/kg、1.75〜3.0mcg/kg、1.5〜3.0mcg/kg、1.0〜3.0mcg/kg、0.75〜3.0mcg/kg、0.5〜3.0mcg/kg、0.25〜3.0mcg/kg、0.5〜3.0mcg/kg、0.5〜0.75mcg/kg、0.75〜1.0mcg/kg、1.0〜1.25mcg/kg、1.0〜1.5mcg/kg、1.50〜1.75mcg/kg、1.00〜2.00mcg/kg、または2.75〜3.00mcg/kgである。
好ましくは、ケタミンを250mcg/kgの初回用量で投与することができ、かつスコポラミンを2mcg/kgの用量で投与することができる。具体的な態様において、ケタミンを、(例えば、Medafusionポンプを備えたシリンジを用いた)制御注入によって250mcg/kgまたはそれ未満の用量で45分間の期間にわたって投与し、かつスコポラミンを、制御注入によって2mcg/kgまたはそれ未満の用量で15分間にわたって投与する。対象は、スコポラミンおよび生理食塩水、ケタミンおよび生理食塩水、または両方の活性薬物を一緒にした注入を受けることができる。血流内、体腔内、または器官の内腔内への投与とは対照的に、(上記に言及されるものよりも)より高い投薬量を経口投与に用いることができる。実質的により高い投薬量を、局所投与もしくは経口投与、または粉末、スプレー、もしくは吸入による投与に用いることができる。非経口的にまたは非経口以外により投与可能な製剤を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるまたは明らかである。
本明細書において記載される化合物および薬学的組成物を、併用療法において処方しかつ採用することができる、つまり、化合物および薬学的組成物を、1種もしくは複数種の他の所望の治療法もしくは医学的措置とともに処方し、またはそれらと同時に、それらの前に、もしくはそれらに続いて施すことができることも認識されるであろう。併用レジメンにおいて採用するための療法(治療法または措置)の特定の組み合わせは、所望の治療法および/または措置、ならびに達成されるべき所望の治療効果の適合性を考慮する。採用された療法は、同じ障害に対して所望の効果を達成し得(例えば、発明化合物を別の抗うつ薬または気分安定剤と同時に投与し得)、またはそれらは異なる効果(例えば、任意の副作用の制御)を達成し得ることも認識されるであろう。
本明細書において記載される方法は、ケタミンおよび/またはスコポラミンを含む組成物と、他の薬物または医薬品、例えばうつ病を治療するための組成物との共投与をさらに含んでよい。例えば、本発明の方法および/または組成物および製剤を、三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン、非定型抗精神病薬、抗痙攣薬、またはフルオキセチン、シタロプラム、パロキセチン、エスシタロプラム、セルトラリン、およびそれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない選択的セロトニン再取り込み阻害剤と共投与することができる。
有用な併用療法は、当業者によって理解されかつ認識されるであろう。そのような併用療法の潜在的利点には、個々の活性成分のそれぞれをより少なく用いて有毒な副作用を最小限に抑えることができること、効能の相乗的改善、投与もしくは使用の簡便性の改善、および/または化合物の調製もしくは製剤化の全体的費用の軽減が含まれる。
いくつかの態様において、本明細書において開示されるケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせを、他の作用物質と組み合わせて用いて、投与された組成物の効果を付加的または相乗的な様式で最大限に高めることができる。
本明細書において記載される有効量の組成物を、1日1回の用量として、あるいは1日あたり複数回の分割用量で、任意の適当な投与経路、例えば経口投与により、選択されたヒト対象に投与することができる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される方法における使用のための、本明細書において開示される組成物は、スコポラミンまたは類似体または鏡像異性体または活性代謝産物または誘導体またはそれらの塩と組み合わせた使用のための、ケタミンまたは類似体または誘導体またはそれらの塩を含む。いくつかの態様において、スコポラミンまたは類似体または誘導体または鏡像異性体または活性代謝産物またはそれらの塩と組み合わせた使用のための、ケタミンまたは類似体、鏡像異性体または活性代謝産物または誘導体またはそれらの塩を含む組成物は、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約92%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.8%、または99.8%を上回る割合の、1種または複数種のケタミンまたは類似体または誘導体または鏡像異性体または活性代謝産物またはそれらの塩、およびスコポラミンまたは類似体または誘導体または鏡像異性体または活性代謝産物またはそれらの塩を含む。
本明細書において使用するとき、「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含む生成物、ならびに指定された量の指定された成分の組み合わせにより直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図される。
本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミンまたは類似体または誘導体またはそれらの塩の組み合わせを含む組成物の投与は、経口、非経口、舌下、直腸、もしくは腸内への投与、または経肺吸収、または局所適用によるものであってよい。対象への、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミンまたは類似体または誘導体またはそれらの塩の組み合わせを含む組成物の直接投与は、経口投与、非経口投与、舌下投与、坐剤などの直腸投与、もしくは腸内投与による、または経肺吸収もしくは局所適用によるものであってよい。非経口投与は、対象への静脈内(IV)注射、皮下(s.c.)注射、筋肉内(i.m)注射、動脈内注射、髄腔内(i.t.)注射、腹腔内(i.p)注射、もしくは直接注射、または他の投与によるものであってよい。
本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミンまたは類似体または誘導体またはそれらの塩の組み合わせを含む組成物に加えて、そのような組成物は、投与を容易にしかつ/または取り込みを増進することが知られる薬学的に許容されるキャリアおよび他の成分(例えば、生理食塩水、ジメチルスルホキシド、脂質、ポリマー、親和性に基づく細胞特異的標的システム)を任意で含有してよい。いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、およびスコポラミンもしくは類似体もしくは誘導体もしくはそれらの塩の組み合わせを含む組成物、ならびに/またはそれらの塩を、ゲル、スポンジ、または他の透過性マトリックス(例えば、ペレットまたは円板(disk)として形成された)に組み入れることができ、かつ持続した局部放出のために内皮に近接して置くことができる。いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、およびスコポラミンもしくは類似体もしくは誘導体もしくはそれらの塩の組み合わせを含む組成物、ならびに/またはそれらの塩を、単一用量で、または異なる時間に投与される複数回用量で投与することができる。
いくつかの態様において、ケタミン作用物質およびスコポラミン作用物質の好ましい量が、単一投薬、例えばケタミン(またはケタミン誘導体または類似体またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)をほぼ同時に対象に投与することを可能にする単一カプセル剤によって供給されるように、本明細書において開示される、ケタミンまたはケタミン誘導体または類似体またはそれらの塩、およびスコポラミンまたは類似体または誘導体またはそれらの塩を治療用組成物中に提供することができる。
本発明のいくつかの態様において、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を実質的に同時に投与することができ、両方の作用物質を、単一投薬で、例えば作用物質を混合し、かつ混合物を単一カプセル剤に組み入れることによって、または互いの短い時間内に提供することができることを意味する。代替的な態様において、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を、短い期間内に、例えば1時間またはそれ未満、45分間またはそれ未満、30分間またはそれ未満、15分間またはそれ未満、10分間またはそれ未満、5分間またはそれ未満、および間にあるすべての時点以内に、別々の投薬での投与によって実質的に同時に投与することができる。あるいは、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を逐次的に投与することができ、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の別々の投薬およびおそらく別々の剤形でも、別々の時間に、例えばずらしたスケジュールで、しかしながらケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)のそれぞれについて同頻度の投与で投与することができることを意味する。当然ながら、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)を、1種または複数種のスコポラミン作用物質よりも高頻度または低頻度で投与することができる可能性もある。異なる作用物質は異なる半減期を有し、ゆえにスケジュールをずらし、かつ両方の作用物質を個体内で有効であるようになおも維持することができる。いかなる場合でも、十分な長さの継続的期間の中で、例えば1日の中で、投与されるスコポラミン作用物質の重量比に対する、投与されるケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)の重量比は、一定のままであることが好ましい。
いくつかの態様において、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を逐次的に投与することができ、例えば該2種の作用物質を、それらが両方とも同じ期間内に生物学的に活性を有する限り、互いの約1時間またはそれを上回る時間以内に投与することができる。例えば、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の投与間の時間は、該作用物質のそれぞれの半減期に応じて変動し得る。例えば、両方の作用物質が短い半減期を有する場合の各作用物質の投与間のより短い期間と比較して、両方の作用物質が長い半減期を有する場合、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の投与間に、より長い期間が生じ得る。あるいは、投与される第一の作用物質、例えばケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)を、投与後のある特定の時期に生物学的活性ケタミン作用物質を放出する時間放出性(time-release)カプセル剤で投与することができ、またはケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)を、代謝されて生物学的活性化合物になるのにある特定の期間がかかるプロドラッグとして投与することができ、両方の状況において、ケタミンは、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の投与および生物学的活性と重なる時期に、生物学的に活性を有するようになる。
代替的な態様において、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を逐次的に投与することができ、例えばケタミン、続いて少なくとも1種のスコポラミン作用物質、次いでケタミン作用物質、その他を対象に投与することができ、それにより対象は、交互レジメンにおいて、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)の用量、続いてスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の用量を投与され、または逆もまた同様である。
代替的な態様において、対象に、一方の作用物質を持続的に投与し、かつ他方の作用物質を反復用量で投与する。一例としてであり限定としてではなく、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)を、経皮パッチ、またはカテーテル法もしくはポンプ投与によるなどの他の持続的な投与方法などの任意の適当な手段によって持続的に投与することができ、かつスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を、作用物質を個体内で活性を有する状態に保つ、当業者によって公知でありかつ本明細書において開示される任意の適当な手段によって、一定の間隔で、例えば毎日、1日2回、週2回、月1回などであるがそれらに限定されない間隔で投与することができ、または逆もまた同様である。
代替的な態様において、対象に、ケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)をパルスチェイススケジュールによって投与する。例えば、対象にスコポラミン作用物質などの一方の作用物質を短期間投与し(パルス)、次いで対象にケタミン作用物質などの他方の作用物質をより長い期間投与し(チェイス)、または逆もまた同様である。そのような態様において、各パルスチェイス投与レジメンに対して、変動量の各作用物質を対象に投与することができる。パルスチェイスレジームを入れ替えることができ、それにより対象に、ケタミン作用物質を限定された期間投与し、その後により長い期間のスコポラミン作用物質の投与が続く。
いくつかの態様において、対象に、変動量の各作用物質、例えば変動量のケタミン(またはケタミン誘導体、類似体、またはそれらの塩)および変動量のスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)を投与する。
1日投薬量は、広範な限度内で変動し得、かつそれぞれの特定の場合における対象の要件に調節される。一般的に、成人への投与に関して、適切な1日投薬量は、好ましいと認定された限度を必要に応じて超過してよいが、上記に記載されている。1日投薬量を、単一投薬量としてまたは分割投薬量で投与することができる。種々の送達システムには、例えばカプセル剤、錠剤、およびゼラチンカプセル剤が含まれる。
本発明の併用療法の有効投薬量を対象に提供するために、投与の任意の適当な経路および経路の任意の組み合わせを採用することができる。例えば、経口、直腸、経皮、非経口(皮下、筋肉内、静脈内)、髄腔内、および同様の投与の形態を採用することができる。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散物、懸濁液、溶液、カプセル剤、パッチなどが含まれる。
個々の対象の臨床状態、投与の部位および方法、投与のスケジュール、対象の年齢、性別、体重、ならびに医師に公知の他の因子を考慮した優れた医療に従って、本明細書において記載される組成物を投与しかつ与薬する。
本明細書において開示される、ケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む薬学的組成物ならびに/またはそれらの塩を、任意の公知の経路によって投与することができる。例として、非経口投与のための調製物には、滅菌性の水性または非水性の溶液、懸濁液、および乳濁液が含まれる。非水性溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性キャリアには、生理食塩水および緩衝化媒体を含めた、水、アルコール性/水性溶液、乳濁液、または懸濁液が含まれる。非経口用ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または固定油が含まれる。静脈内用ビヒクルには、流体および栄養補給液、電解質補給液(リンガーデキストロースに基づくものなど)等が含まれる。例えば抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなど、保存剤および他の添加物も存在してよく、かつ/またはそれらの塩を、粘膜、経肺、局所的、または他の局部的もしくは全身的な経路(例えば、腸内および非経口)によって投与することができる。
本明細書において用いられる「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、腸内投与および局所投与以外の、通常では注射による投与の様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、脳室内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、脳脊髄内、および胸骨内(intrasternal)への注射、注入、および他の注射または注入の技術を含むが、それらに限定されるわけではない。本明細書において用いられる「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」、および「末梢に投与される」という語句は、それが動物の系に入り、ゆえに代謝および他の同様の過程に供されるような、本明細書において開示される作用物質の投与、例えば皮下投与を意味する。
ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の調製物を有効量で投与する。有効量とは、単独でまたはさらなる与薬と一緒に、所望の応答を刺激する、薬学的調製物の量のことである。典型的に、そのようなケタミン化合物の有効量およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の量は、通常の医師によって決定され得、または盲検研究で試験集団対対照集団についての有効用量を確立し、有効用量が、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)と組み合わせたケタミンの有益な抗うつ効果をもたらす臨床試験において決定され得る。
経口製剤
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の投与は、経口製剤の状態である。あるいは、いくつかの態様において、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物を、スプレーとして鼻孔に投与することもできる。スプレーは、肺系への即時アクセスも提供し、対象へ組成物を即時に投与するための好ましい方法である。消化管へのアクセスは、経口、かん腸、または注射可能な投与の形態を用いて得られる。例えば、対象への、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物、ならびに/またはそれらの塩の投与は、好ましくは経口である。結果として、対象は、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の投与を自宅で受けることができる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の投与は、経口製剤の状態である。あるいは、いくつかの態様において、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物を、スプレーとして鼻孔に投与することもできる。スプレーは、肺系への即時アクセスも提供し、対象へ組成物を即時に投与するための好ましい方法である。消化管へのアクセスは、経口、かん腸、または注射可能な投与の形態を用いて得られる。例えば、対象への、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物、ならびに/またはそれらの塩の投与は、好ましくは経口である。結果として、対象は、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の投与を自宅で受けることができる。
経口投与は、通常、最も安全な、最も簡便な、かつ経済的な薬物送達の様式であるため、上記に示されるように、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む経口活性組成物は、療法のサイクルの少なくとも一部に好ましい。結果的に、それについて本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む、本明細書において開示される組成物を改変して、それらの極性を軽減するまたは排除することによって、それらの経口生体利用性を増大させることができる。これは、組成物を、その極性を中和する補足的試薬とともに製剤化することによって、または化合物を中和化学基で修飾することによってしばしば遂行され得る。経口生体利用性は、薬物が胃内pHの極限および胃内酵素に曝露されるため、困難であり得る。したがって、イオン基を中和することによって、イオン相互作用を共有結合させることによって、またはジスルフィド結合もしくは他の比較的不安定な結合を安定化するもしくは除去することなどによって、非常に低いpH条件に耐え得、かつ胃粘膜の酵素に抵抗し得るように、分子構造を改変することによって、経口生体利用性に関連した困難を克服することができる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、安定性のためのトラプソル(trappsol)および/またはキャプティソル(captisol)、あるいはシクロデキストリンを含んでよい。いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、6〜7のpH範囲にあるシロップ製剤に対して例えば約0.25%の濃度で用いられ得る保存剤、例えばメチルパラベンを含む。本出願者らは、保存剤負荷試験を後期にかつ様々な異なる時点で行って、該保存剤負荷試験の結果に基づいてメチルパラベンの最適な濃度を決定することを推奨する。
いくつかの態様において、それについて本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、甘味料も含んでよく、例えばそれを、当業者によく知られる任意の甘味料を用いて、ならびに処方の異なる組み合わせおよびパーセンテージで、シロップとして製剤化することができる。例示的な甘味料には、スクロースシロップ、高フルクトースコーンシロップ、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファム、およびスクラロースが含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせの経口製剤は、少なくとも1種の甘味料、または任意の甘味料と安定剤、例えばトラプソルであるがそれに限定されるわけではない、との組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、高フルクトースコーンシロップ、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファム、またはスクラロースのうちの少なくとも1種、または任意の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、香味料、例えば当業者に公知の任意の香味料、例えばサクランボ、ブドウ、レモン、パイナップル、オレンジ、メントール、チョコレート、ミント、チョコレートミントであるがそれらに限定されるわけではない、も含んでよい。
腸溶コーティング製剤
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物を、当技術分野において周知の固体キャリアを採用する従来の手順に従って、経口投与および/または腸内投与のための錠剤として製剤化することができる。本明細書において記載される方法とともに用いられる対象となる経口製剤に採用されるカプセル剤を、ゼラチンまたはセルロース誘導体などの任意の薬学的に許容される材料から作製することができる。それらのすべてが参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる、1987年11月3日に発行された米国特許第4,704,295号、「Enteric Film-Coating Compositions」;1985年12月3日に発行された米国特許第4,556,552号、「Enteric Film-Coating Compositions」;1982年1月5日に発行された米国特許第4,309,404号、「Sustained Release Pharmaceutical Compositions」;および1982年1月5日に発行された米国特許第4,309,406号、「Sustained Release Pharmaceutical Compositions」に記載されているものなど、経口投与される剤形のための持続放出性経口送達システムおよび/または腸溶コーティングも企図される。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物を、当技術分野において周知の固体キャリアを採用する従来の手順に従って、経口投与および/または腸内投与のための錠剤として製剤化することができる。本明細書において記載される方法とともに用いられる対象となる経口製剤に採用されるカプセル剤を、ゼラチンまたはセルロース誘導体などの任意の薬学的に許容される材料から作製することができる。それらのすべてが参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる、1987年11月3日に発行された米国特許第4,704,295号、「Enteric Film-Coating Compositions」;1985年12月3日に発行された米国特許第4,556,552号、「Enteric Film-Coating Compositions」;1982年1月5日に発行された米国特許第4,309,404号、「Sustained Release Pharmaceutical Compositions」;および1982年1月5日に発行された米国特許第4,309,406号、「Sustained Release Pharmaceutical Compositions」に記載されているものなど、経口投与される剤形のための持続放出性経口送達システムおよび/または腸溶コーティングも企図される。
したがって、いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物の経口製剤は、錠剤製剤、例えば錠剤、腸溶ポリマーケーシングの形態であってよい。そのような調製物の例を、参照によりその全体として本明細書に組み入れられるWO2005/021002において見出すことができる。コア中の活性材料は、微粒子化されたまたは可溶化された形態で存在してよい。活性材料に加えて、コアは、圧縮錠剤の技術分野にとって従来的な添加物を含有してよい。そのような錠剤中の適切な添加物には、無水ラクトース、ラクトース一水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、またはそれらの混合物などの希釈剤;微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルファー化(pre-gelatinised)デンプン、もしくはアカシアゴム、またはそれらの混合物などの結合剤;微結晶性セルロース(結合剤および崩壊剤の両方の機能を果たす)、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、またはそれらの混合物などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸などの潤滑剤、コロイドシリカ、タルク、またはデンプンなどの滑剤または流動促進剤、および乾燥(desiccating)非晶質シリカなどの安定剤、着色剤、香味料などが含まれてよい。いくつかの態様において、錠剤は、希釈剤としてラクトースを含む。結合剤が存在する場合、それは好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。いくつかの態様において、錠剤は、潤滑剤としてステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの態様において、錠剤は、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムを含み、または微結晶性セルロースを含んでよい。
固体キャリアの例には、デンプン、糖類、ベントナイト、シリカ、および他の一般に用いられるキャリアが含まれる。本明細書において記載される製剤に用いられ得るキャリアおよび希釈剤のさらなる非限定的な例には、生理食塩水、シロップ、デキストロース、および水が含まれる。
いくつかの態様において、希釈剤は、コアの10〜80重量%の範囲で存在してよい。潤滑剤は、コアの0.25〜2重量%の範囲で存在してよい。崩壊剤は、コアの1〜10重量%の範囲で存在してよい。微結晶性セルロースは、存在する場合、コアの10〜80重量%の範囲で存在してよい。
いくつかの態様において、活性成分、例えばケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、および/またはスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせが、コアの重量の10〜50%、より好ましくはコアの重量の15〜35%(遊離塩基当量として算出された)を構成する。コアは、任意の治療上適当な投薬量レベルの活性成分、例えばケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、および/またはスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含有してよいが、好ましくは遊離塩基として最大150mgの活性成分を含有する。いくつかの態様において、コアは、遊離塩基として20、30、40、50、60、80、または100mgの活性成分を含有する。活性成分、例えばケタミン、類似体、もしくはそれらの塩、および/またはスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせは、遊離塩基として、または任意の薬学的に許容される塩として存在してよい。活性成分、例えばケタミン、類似体、またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせが塩として存在する場合、重量は、錠剤が、塩の遊離塩基として算出される所望の量の活性成分を含有するように調節される。
いくつかの態様において、コアを、その構成要素の凝縮混合物から作製することができる。構成要素を直接圧縮してよく、または圧縮前に顆粒にしてよい。そのような顆粒を、当技術分野において公知である従来的な造粒過程によって形成することができる。代替的な態様において、顆粒を腸溶ケーシングで個々にコーティングし、次いで標準的なカプセルケーシングの中に封入してよい。
いくつかの態様において、コアを、腸溶ポリマーを含むケーシングによって包囲してよい。腸溶ポリマーの例は、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネート、メチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルブチレートアセテート、ビニルアセテート−無水マレイン酸コポリマー、スチレン−マレイン酸モノエステルコポリマー、メチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、またはメタクリレート−メタクリル酸−アクリル酸オクチルコポリマーである。これらを、単独で、または組み合わせて、すなわち上記に言及されるもの以外の他のポリマーと一緒に用いることができる。ケーシングは、生体内で分解も可溶化もされない不溶性物質、例えばエチルセルロースなどのアルキルセルロース誘導体、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーなどの架橋ポリマー、デキストランなどの、ヒドロキシル基を有する多糖、エピクロロヒドリン、ジクロロヒドリン、または1,2-,3,4-ジエポキシブタンなどの、二官能性架橋剤で処理されたセルロース誘導体も含んでよい。ケーシングは、デンプンおよび/またはデキストリンも含んでよい。
いくつかの態様において、腸溶コーティング材料は、単独でまたは可塑剤とともに用いられる、EUDRAGIT(登録商標)L、EUDRAGIT(登録商標)S、およびEUDRAGIT(登録商標)NEなどの市販のEUDRAGIT(登録商標)腸溶ポリマーである。そのようなコーティングは、通常では液体媒体を用いて適用され、可塑剤の性質は、媒体が水性か非水性かどうかに依存する。水性媒体との使用のための可塑剤には、プロピレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、またはCITROFLEX(登録商標)もしくはCITROFLEX(登録商標)A2が含まれる。非水性可塑剤には、これら、ならびにジエチルフタレートおよびジブチルフタレートおよびジブチルセバケートも含まれる。好ましい可塑剤は、クエン酸トリエチルである。含まれる可塑剤の分量は、当業者に明らかであろう。
いくつかの態様において、ケーシングは、タルク、シリカ、またはモノステアリン酸グリセリルなどの抗粘着(anti-tack)剤も含んでよい。いくつかの態様において、抗粘着剤は、モノステアリン酸グリセリルである。典型的に、ケーシングは、5〜25重量%前後の可塑剤、および最大50重量%前後の抗粘着剤、好ましくは1〜10重量%の抗粘着剤を含んでよい。
所望の場合には、ポリマーの水性懸濁液を形成するのを手助けする界面活性剤が含まれてよい。考えられる界面活性剤の多くの例は、当業者に公知である。界面活性剤の好ましい例は、ポリソルベート80、ポリソルベート20、またはラウリル硫酸ナトリウムである。存在する場合、界面活性剤は、ケーシングの0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%、とくに好ましくは0.5〜2%を形成してよい。
一態様において、コアと腸溶コーティングとの間に含まれるシールコートが存在する。シールコートとは、コア中の任意のアルカリ性成分による考えられる化学的攻撃から腸溶ケーシングを防御するのに用いられ得るコーティング材料である。シールコートは、平滑表面も提供し得、それによって腸溶ケーシングのより容易な接着を可能にする。当業者であれば、適当なコーティングおよびその用途を承知しているであろう。好ましくは、シールコートはOPADRYコーティングで作製され、とくに好ましくはそれはOpadry White OY-S-28876である。
いくつかの態様において、WO2005/021002に記載されている腸溶コーティング製剤の例は、変動量の、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)のうちの1種または複数種を含んでよい。その例では、ラクトース一水和物、微結晶性セルロース、活性成分、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびクロスカルメロースナトリウムの半分を、10リットルのFielder高剪断ブレンダー(任意の適当な高剪断ブレンダーを用いることができる)内にふるいにかけ(screen)、かつチョッパーオフ(chopper off)を用いて300rpmで5分間ブレンドした。次いで、ブレンドし続けながら、約750mlの水の添加によって混合物を顆粒にした。顆粒をGlatt 3/5流動床乾燥機で乾燥させ、ComilによってPharmatec 5リットル容器ブレンダー内にふるいにかけ、次いで、製剤化に付された任意の無水ラクトース(lactose anhydrous)+クロスカルメロースナトリウムの残りと20rpmで5分間を超えてブレンドした。ステアリン酸マグネシウムをブレンダー内にふるいにかけ、混合過程を10rpmでさらに1分間続けた。9.5mm円形の通常の凸状穿孔器に合わせたRiva Piccolla回転錠剤プレス機(任意の適当な錠剤プレス機を用いることができる)を用いて、潤滑混合物を圧縮した。コーティングポリマーのメーカーによって推奨される、コーティング過程に対するパラメーターを用いたManesty 10塗布機(再度、任意の適当な塗布機を用いることができる)中でコーティング成分の水性懸濁液をスプレーすることによって、シールコート、その後に腸溶コーティングを適用する。
この種類の他の腸溶コーティング調製物は、これらの材料またはそれらの同等物を用いて当業者によって調製され得る。
他の製剤および投与の経路
いくつかの態様において、医薬としての使用のための、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む、本明細書において記載される組成物、該医薬を調製するための方法、ならびにインビボにおける該医薬の持続放出のための方法。送達システムには、時間放出性、遅延放出性、もしくは持続放出性の送達システム、またはプロドラッグ組成物としてのものが含まれてよい。そのようなシステムは、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む薬学的組成物の反復投与を回避して、対象および/または医師にとっての簡便性を増大させることができる。
いくつかの態様において、医薬としての使用のための、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む、本明細書において記載される組成物、該医薬を調製するための方法、ならびにインビボにおける該医薬の持続放出のための方法。送達システムには、時間放出性、遅延放出性、もしくは持続放出性の送達システム、またはプロドラッグ組成物としてのものが含まれてよい。そのようなシステムは、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む薬学的組成物の反復投与を回避して、対象および/または医師にとっての簡便性を増大させることができる。
多くのタイプの放出送達システムが利用可能であり、かつ当業者に公知である。それらには、ポリ乳酸およびポリグリコール酸、ポリ(ラクチド−グリコリド)、コポリオキサレート、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシ酪酸、ならびにポリカプロラクトンなどのポリマーベースのシステムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。薬物を含む前述のポリマーのマイクロカプセルは、例えば米国特許第5,075,109号に記載されている。コレステロール、コレステロールエステル、および脂肪酸などのステロール、またはモノ−、ジ−、およびトリ−グリセリドなどの中性脂肪を含めた脂質;リン脂質;ヒドロゲル放出システム;シラスティックシステム;ペプチドベースのシステム;ワックスコーティング、従来の結合剤および賦形剤を用いた圧縮錠剤、部分融合の埋め込み物等である、非ポリマーシステム。具体的な例には、(a)米国特許第4,452,775号、第4,675,189号、および第5,736,152号に見出される、多糖がマトリックス内の形態に含有されている浸食システム、および(b)米国特許第3,854,480号、第5,133,974号、第5,407,686号に記載されているものなど、活性構成要素が制御された速度でポリマーから浸透する拡散システムが含まれるが、それらに限定されるわけではない。加えて、ポンプベースのハードウェア送達システムを用いることができ、その一部は埋め込みに適応している。
一態様において、本明細書において記載される組成物の持続送達に、ポリマーマトリックスを用いることができる。本発明の化合物を含有するための、ポリマーマトリックスの用途のいくつかの例には、フィルム、コーティング、ゲル、埋め込み物、およびステントが含まれる。マトリックス装置が埋め込まれる組織において望ましい放出動態をもたらす、ポリマーマトリックス装置の大きさおよび組成を選択する。用いられる対象となる送達の方法に従って、ポリマーマトリックス装置の大きさをさらに選択する。両方の望ましい分解速度を有し、かつまた生体接着性である材料から形成され、装置が血管表面に投与された場合に移動の有効性をさらに増大させる、ポリマーマトリックス組成を選択することができる。分解せずむしろ長期間にわたる拡散によって放出する、マトリックス組成を選択することもできる。
非生分解性および生分解性の両方のポリマーマトリックスを用いて、本明細書において記載される作用物質および化合物を対象に送達することができる。生分解性マトリックスが好ましい。そのようなポリマーは、天然または合成ポリマーであってよい。合成ポリマーが好ましい。放出が望まれる期間に基づいて、一般的に数時間から1年またはそれよりも長い期間という桁で、ポリマーを選択する。典型的には、数時間から3〜12ヶ月の間に及ぶ期間にわたる放出が最も望ましい。ポリマーは、任意で、水中でその重量の最大約90%を吸収し得るヒドロゲルの形態であり、さらに任意で、多価イオンまたは他のポリマーと架橋されている。
生分解性送達システムを形成するのに用いられ得る例示的な合成ポリマーには、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハロゲン化物、ポリビニルピロリドン、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタン、およびそれらのコポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルのポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシエチルセルロース、セルローストリアセテート、セルロース硫酸ナトリウム塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ならびにポリビニルピロリドンが含まれる。
非生分解性ポリマーの例には、エチレンビニルアセテート、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド、それらのコポリマーおよび混合物が含まれる。生分解性ポリマーの例には、乳酸とグリコール酸のポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)(butic acid)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド−コカプロラクトン)などの合成ポリマー、ならびにアルギネート、およびデキストランとセルロースを含めた他の多糖、コラーゲン、それらの化学的誘導体(置換、化学基、例えばアルキル、アルキレンの付加、水酸化、酸化、および当業者によって日常的になされる他の修飾)、アルブミンと他の親水性タンパク質、ゼインと他のプロラミン、および疎水性タンパク質、それらのコポリマーおよび混合物などの天然ポリマーが含まれる。一般的に、これらの材料は、インビボでの酵素的加水分解または水への曝露によって、表面浸食またはバルク浸食によって分解する。
とくに関心対象の生体接着性ポリマーには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルテン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)を含んでよいが、それらに限定されない生体浸食性ヒドロゲルが含まれる。
本明細書において開示される、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤の組み合わせを含む組成物を含む長期持続放出性埋め込み物の使用は、うつ病性障害を有する対象、ならびにそのような疾患または障害を発症する危険性がある対象の治療にとくに適当であり得る。
本明細書において用いられる「長期」放出とは、治療レベルの、本明細書において開示される、ケタミンまたは類似体またはそれらの塩、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)の組み合わせを含む組成物を、少なくとも約7日間、およびいくつかの態様においては約30〜60日間、およびいくつかの態様においては4〜6ヶ月間、または6〜12ヶ月間、または12ヶ月よりも長い期間、例えば数年間送達するように、埋め込み物が構築されかつアレンジされていることを意味する。長期持続放出性埋め込み物は当業者に周知であり、かつ上記に記載される放出システムの一部を含む。
いくつかの態様において、皮下注入、動脈内注入、および硬膜外注入が時折用いられるが、一般的に静脈内的に用いられる(例えば、本明細書において開示される組成物を対象の循環系に注入するための)注入ポンプを用いて、本明細書において開示される組成物を対象に投与する。注射可能な投与の形態が、最大効果にとって時々好ましい。注射による長期投与が必要である場合、直接かつ即時のアクセスが心臓ならびに他の主要な器官および器官系におけるおよびその周辺の動脈に提供される、メディポート(medi-port)、留置カテーテル、または自動ポンプメカニズムも好ましい。
いくつかの態様において、ケタミンまたはその類似体、誘導体、およびスコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤の組み合わせを含む、本明細書において開示される組成物を指定の部位に投与することができ、これは経皮パッチなどを用いた経皮的移入によるか、アクセス可能な場合には細胞もしくは組織への直接接触によるか、または切開もしくは身体内への他の何らかの人工的開口を通じた内部部位への投与によるものであってよい。
現在の規制に従った、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを含む組成物の生成は、政府機関(例えば、米国食品医薬品局)による、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準(good laboratory practices)(GLP)、ならびに医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準(good manufacturing practices)(GMP)に対して規制されると考えられる。これは、正確かつ完全な記録保管、ならびにQA/QCのモニタリングを必要とする。機関および組織委員会による患者プロトコールについての監視は、インフォームドコンセントが得られていること;安全性、生物活性、適切な投薬量、および生成物の効能が段階的に研究されていること;結果が統計的に有意であること;ならびに倫理指針が守られていることを保証することも想定されている。動物モデルを用いたプロトコール、ならびに有毒化学物質の使用および規制の順守についての同様の監視が必要とされる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせの組成物は、有効投薬量で安全でもある。安全な組成物とは、必要とされる投薬量において実質的に有毒(例えば、細胞毒性を有するまたは骨髄毒性を有する)ではなくまたは変異原性ではなく、有害反応または副作用を引き起こさず、かつ十分に忍容される組成物である。副作用は起こり得るが、それらの使用により達成される有益性が、副作用に起因し得る不利益を上回る場合、組成物は実質的に安全である。望ましくない副作用には、高頻度かつ/または持続性の勃起、吐き気、嘔吐、攻撃性、筋肉の発達、脱毛症、過敏症、アレルギー反応、心血管問題、および他の問題が含まれ得るが、それらは起こらない可能性がある。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを、成人、若者、子どもに投与することができ、いくつかの態様において、滅多にないが、対象は新生児、幼児、または子宮内であってよい。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを、指定の与薬レジメンに従って、例えば単一もしくは複数回用量で、または持続的もしくは散発的に、または本明細書において開示される、対象における全ケタミンレベルおよび/もしくは遊離ケタミンレベルを測定することによって決定される投与レジームに基づいて必要と見なされるように、投与することができる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたは類似体との組み合わせを、療法のサイクルを通じて、持続的注入によって対象に投与することができる。あるいは、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたは類似体との組み合わせを、療法のサイクルの第一の時期を通じて、毎日1日あたり2、3時間〜数時間の単一の長さにわたって対象に投与することができる。
あるいは、いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたは類似体との組み合わせを、治療レジメンまたはサイクルを通じて、数日間毎日または週1回、単一の非経口的ボーラス投与でまたは経口で、対象に投与することができる。
本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせを含む、本明細書において開示される組成物は、治療上有効な濃度で生理的に安定であり得る。本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせの生理的に安定な化合物は、対象に投与した時点でまたは所望の効果を有する前に、崩壊しないまたは別様に効果がなくならない。本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体の阻害剤との組み合わせは、代謝に対して構造的に抵抗性であり得、ゆえに生理的に安定であり得、または静電結合もしくは共有結合によって特定の試薬にカップリングされて、生理的安定性を増大させることができる。そのような試薬には、アルギニン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、もしくはリジンなどのアミノ酸、ヌクレオシドもしくはヌクレオチドを含めた核酸、または炭水化物、単糖および多糖、脂質、脂肪酸、タンパク質、もしくはタンパク質断片などの置換基が含まれる。有用なカップリングパートナーには、例えばポリエチレングリコールなどのグリコール、グルコース、グリセロール、グリセリン、および他の関連物質が含まれる。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたは類似体との組み合わせは、実質的に非毒性である化学物質をさらに含んでよい。実質的に非毒性とは、組成物が、おそらくある程度の毒性を保有するが、対象の長期的健康にとって害を及ぼさないことを意味する。組成物の活性構成要素は、必要とされるレベルで有毒ではない可能性があるが、必要な容量または量の最終形態の組成物を患者に投与することに関連した問題も存在し得る。例えば、ケタミンまたはその類似体、誘導体、およびスコポラミンまたはその類似体の組み合わせが塩を含有する場合、活性成分は、安全かつ有効である濃度にあり得るが、ナトリウム、カリウム、または別のイオンの害を及ぼす蓄積が存在し得る。組成物またはその組成物の少なくとも活性構成要素に対する要件の軽減とともに、そのような問題の可能性は軽減され得るまたは排除さえされ得る。結果的に、対象は、軽微なまたは短期の有害な副作用で苦しむ可能性があるが、組成物を摂取する利点はマイナスの結果を上回る。
いくつかの態様において、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせの投与は断続的であってよく、例えば投与は、2日おき、3日おき、5日おきに1回、週1回、月1回または2回等であってよい。異なる形態の、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせの量、形態、および/または量は、異なる時間の投与で変動してよい。
投与および効能
投薬量、製剤、投薬容量、レジメン、および対象におけるケタミンの治療レベルを増大させる結果を解析するための方法は変動してよい。ゆえに、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせの最小および最大の有効投薬量は、投与の方法に応じて変動する。対象におけるケタミンまたはスコポラミンのレベルは、例えば投薬を受ける対象の人種、性別、性、年齢、および全体的な健康、投与の経路、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを含む組成物が、他の分子と併せて投与されるかどうか、ならびに特定の投与のレジメンに応じて変動する、特定の投薬量範囲内に存在してよい。例えば、一般的に、経鼻投与は、経口投与、腸内投与、直腸投与、または経膣投与(女性に投与される場合)よりも少ない投薬量を必要とする。
投薬量、製剤、投薬容量、レジメン、および対象におけるケタミンの治療レベルを増大させる結果を解析するための方法は変動してよい。ゆえに、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせの最小および最大の有効投薬量は、投与の方法に応じて変動する。対象におけるケタミンまたはスコポラミンのレベルは、例えば投薬を受ける対象の人種、性別、性、年齢、および全体的な健康、投与の経路、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを含む組成物が、他の分子と併せて投与されるかどうか、ならびに特定の投与のレジメンに応じて変動する、特定の投薬量範囲内に存在してよい。例えば、一般的に、経鼻投与は、経口投与、腸内投与、直腸投与、または経膣投与(女性に投与される場合)よりも少ない投薬量を必要とする。
本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせの量および与薬のタイミング、製剤化、ならびに投与の経路の適当な選定は、うつ病または関連障害の少なくとも1つの症状の軽減を達成するという目標とともになされ得る。
本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせの製剤のボーラスを、短い期間にわたって対象に投与することができ、例えば1日1回は簡便な与薬スケジュールである。あるいは、有効1日用量を、投与の目的で複数の用量に、例えば1日あたり2〜12回用量に分割することができる。本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との組み合わせを含む薬学的組成物中の活性成分の投薬量レベルを、個体において、とりわけ血液循環においておよびその周辺で、化合物またはその誘導体の一時的または持続的な濃度に達するように、かつ所望の治療応答または防御をもたらすように変動させてもよい。しかしながら、所望の治療効果を達成するために必要とされるよりも低いレベルの用量から開始すること、および所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増大させることも、当技術分野における技術の範囲内である。
いくつかの態様において、投与される対象となる、本明細書において開示される、スコポラミン(または類似体または誘導体またはそれらの塩)阻害剤との、ケタミンまたはその類似体、誘導体の量は、化合物の生物活性および生体利用性(例えば、身体内での半減期、安定性、および代謝);化合物の化学的特性(例えば、分子量、疎水性、および可溶性);投与の経路およびスケジュールなど、当業者に公知の因子に依存する。任意の特定の個体に対して達成されるべき特異的用量レベルは、年齢、性、健康状態、病歴、重量、1種または複数種の他の薬物との組み合わせ、および疾患の重症度を含めた様々な因子に依存し得ることも理解されるであろう。
キャリア材料と組み合わせて単一剤形をもたらし得る、本明細書において開示される、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせの量は、概して、治療効果をもたらす、化合物のその量である。概して、100%のうち、この量は、化合物の約0.01%〜99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは10%〜約30%に及ぶであろう。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータを、ヒトにおける使用のための投薬量の範囲を処方するのに用いることができる。そのような化合物の投薬量は、好ましくは、ほとんど毒性を有しないまたは毒性を有しない、ED50(集団の50%において治療上有効である用量)を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、採用される剤形および利用される投与の経路に応じてこの範囲内で変動してよい。
治療の持続期間および頻度に関して、熟練した臨床医が対象をモニタリングして、いつ治療が治療上の有益性を提供しているのかを判定し、かつ投薬量を増大させるもしくは減少させるかどうか、投与頻度を増大させるもしくは減少させるかどうか、治療を中断するかどうか、治療を再開するかどうか、または治療レジメンに他の変更を加えるかどうかを判定するのが典型的である。与薬スケジュールは、ケタミンまたはその類似体、誘導体と、スコポラミンまたはその類似体との組み合わせに対する対象の感度など、いくつかの臨床的因子に応じて週1回から毎日まで変動し得る。所望の用量を、毎日、または3日、4日、5日、もしくは6日ごとに投与することができる。所望の用量を、1回で、または副用量(sub-dose)に、例えば2〜4回の副用量に分割して投与することができ、かつある期間にわたって、例えば1日を通して適切な間隔でまたは他の適切なスケジュールで投与することができる。そのような副用量を、単位剤形として投与することができる。本明細書において記載される局面のいくつかの態様において、投与は慢性的であり、例えば数週間または数ヶ月の期間にわたって毎日1回または複数回の用量である。与薬スケジュールの例は、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、もしくは6ヶ月またはそれを上回る期間にわたって、毎日、毎日2回、毎日3回、または毎日4回もしくはそれを上回る回数の投与である。
疾患の治療に関して、本明細書において用いられる「治療」および「治療すること」という用語は、疾患の進行を予防すること、あるいは障害の進路を変更すること(例えば、障害の進行を停滞させることであるが、それらに限定されるわけではない)、あるいは障害の症状を部分的に好転させること、あるいは対象における1つもしくは複数の症状および/または1種もしくは複数種の生化学的マーカーを低下させること、1つまたは複数の症状が悪化するまたは進行するのを予防すること、回復を促進すること、あるいは予後を改善することを意味する。例えば、うつ病を治療する場合、治療的処置とは、うつ病に伴う少なくとも1つの症状の臨床的に関連する緩和を指す。測定可能な低減には、治療後に、後記に記載される血中のうつ病に対するマーカーを測定する、あるいは例えばDSM-IVに列挙されている基準または例で記載される効能測定、例えばHAMD-17、HAMD-28、もしくはHAMD-7などのHamiltonうつ病評価尺度(HAMD, Hedlund JL, Viewig BW (1979) The Hamilton rating scale for depression: a comprehensive review. Journal of Operational Psychiatry 10:149-165)、またはCGIもしくはMaierを用いて、うつ病の程度を査定するなど、測定可能なマーカーまたは症状の任意の臨床的に有意な減退が含まれる。Montgomery-Asbergうつ病評価尺度(MADRS)、Beckうつ病調査票(BDI)、Zungうつ病自己評価尺度、Wechslerうつ病評価尺度、Raskinうつ病評価尺度、うつ病性症状学の調査票(IDS)、およびうつ病性症状学の簡易調査票(QIDS)など、他の尺度を用いることもできる。臨床医であれば、うつ病を測定するための様々な尺度を十分に承知しており、かつうつ病の重症度を判定するためにおよびうつ病が治療抵抗性でありそうかどうかを判定するために、それらのうちのいずれか1つを用いることができる。例えば、HAMDでの0〜7のスコアは、典型的に、正常であると見なされる。20またはそれよりも高いスコアは、中程度、重度、または非常に重度のうつ病を示す。質問18〜21は、うつ病についてのさらなる情報(日周変動または妄想症状が存在するかどうかなど)を与えるために記録されてよいが、尺度の必要な部分ではない。ゆえに、例えばHAMDスコアが例えば20よりも下に減少した場合、症状の軽減が臨床的に関連していると見なされてよい。一態様において、うつ病の少なくとも1つの症状は、対照と比較して(例えば、治療を受けた対象と同じもしくは同様の程度のうつ病を有する対象に、ケタミンもしくはスコポラミンなしで施す、または本明細書において記載される条件のいずれも満たしていない対象に、ケタミンおよびスコポラミンを含む治療レジメンを施す)、医師または心理学者によって評定される「臨床的に関連する量」緩和される。例えば、いくつかの態様において、少なくとも1つの神経心理学的試験は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%改善される(例えば、HAMD-17評価が減少する)。別の態様において、少なくとも1つの神経心理学的試験は、50%を上回って、例えば少なくとも約60%、または少なくとも約70%改善される(例えば、HAMD-17評価が減少する)。一態様において、少なくとも1つの神経心理学的試験は、対照と比較して(例えば、治療を受けた対象と同じもしくは同様の程度のうつ病を有する対象に、本明細書において記載される治療なしで施す、または本明細書において記載される条件のいずれも満たしていない対象に、ケタミンもしくはスコポラミンを含む治療レジメンを施す)、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれよりも大きい割合で改善される(例えば、HAMD-17評価が減少する)。いくつかの態様において、うつ病の少なくとも1つの症状は、例えば少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約40日間、またはそれよりも長い期間を含めて、少なくとも約10日間の治療期間内に、医師または心理学者によって評定される臨床的に関連する量緩和され得る。いくつかの態様において、少なくとも1つの神経心理学的試験は、例えば少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約40日間、またはそれよりも長い期間を含めて、少なくとも約10日間の治療期間内に、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、またはそれよりも高い割合で改善される(例えば、HAMD-17評価が減少する)。本明細書において記載される本局面および他のすべての局面のいくつかの態様において、ケタミンおよびスコポラミンを、うつ病、例えば大うつ病性障害に伴う少なくとも1つの症状(例えば、気分の落ち込み、無快感症、低活力、不眠症、動揺、不安、および/または体重減少であるが、それらに限定されるわけではない)を軽減するのに有効な量で投与することができる。
本文章において引用されている出願および特許のそれぞれ、それだけでなく出願および特許のそれぞれにおいて引用されている各文献または参考文献(各発行済み特許の遂行(prosecution)中;「出願引用文献」を含めて)、ならびにこれらの出願および特許のいずれかに相当するかつ/またはそれらからの優先権を主張するPCTおよび外国出願または特許のそれぞれ、ならびに出願引用文献のそれぞれにおいて引用されたまたは参照された文献のそれぞれは、参照により本明細書に明示的に本明細書によって組み入れられ、かつ本発明の実践において採用され得る。より一般的には、文献または参考文献は、特許請求の範囲の前の参考文献リストでまたは文章自体の中で本文章において引用されており、かつこれらの文献または参考文献のそれぞれ(「本明細書引用参考文献」)、それだけでなく本明細書引用参考文献のそれぞれにおいて引用されている各文献または参考文献(任意のメーカーの仕様書、指示書等を含めて)は、参照により本明細書に明示的に本明細書によって組み入れられる。
本発明の非限定的な態様を例示することを意図される、以下の詳細な説明および例証的な実施例を参照することによって、本発明をより十分に理解することができる。
前述の詳細な説明および以下の実施例は単なる例証であり、本発明の範囲に対する限定として受け取られるべきではないと理解される。当業者に明らかであろう、開示された態様に対する種々の変化および修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。さらに、特定されたすべての特許、特許出願、および刊行物は、例えば、本発明と併せて用いられ得る、そのような刊行物に記載されている方法論を記載しかつ開示する目的で、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。これらの刊行物は、本出願の提出日より前のそれらの開示に対してのみ提供される。このことに関して、本発明者らが、先行発明が理由でまたは他のいかなる理由のために、そのような開示に先行する権利を与えられないという承認として何も解釈されるべきではない。これらの文献の日時に関するすべての明記または内容に関する表明は、本出願者らに入手可能な情報に基づくものであり、これらの文献の日時または内容の正確性に関するいかなる承認をなすものではない。
背景:ムスカリン性コリン作動性受容体アンタゴニストであるスコポラミン、およびNMDA受容体アンタゴニストであるケタミンは、記憶、条件付き瞬膜応答、および脳血管拡張を含めた神経プロセスに対して異なる効果を有する。スコポラミンは、課題処理能力の認識記憶局面および漸増的取得局面の両方の用量×困難さに関連した欠陥を引き起こし、一方でケタミン投与は、認識記憶の用量依存的欠陥をもたらすが、漸増的取得にはそうではない(Taffe MA, et al. Psychopharmacology (Berl). 2002 Mar;160(3):253-62)。Scavioらは、訓練後のスコポラミンおよびケタミンの送達が、取得および消滅の間、ウサギの条件付き瞬膜応答(NMR)の能力を変更するかどうかを調べた(Scavio MJ, et al. Behav Neurosci. 1992 Dec;106(6):900-8)。結果は、毎日の訓練セッションの終了直後に薬物を注射した場合、ケタミンは条件付けを早め、しかしながらスコポラミンは遅らせたことを示している。最後に、ケタミン注入(1mg/kg)は、スコポラミンによって遮断される重大な脳血管拡張を誘発する(Reicher D, et al. Stroke. 1987 Mar-Apr;18(2):445-9)。これらの研究は、スコポラミンなどのコリン作動性受容体アンタゴニスト、およびケタミンなどのNMDA受容体アンタゴニストが、明確に顕著なかつ異なる神経生物学的効果を有することを示唆している。
他の場合において、ケタミンおよびスコポラミンは、いくつかの神経生物学的効果を共有し得る(Figallo EM, et al. Psychopharmacology (Berl). 1979 Mar 14;61(1):59-62;Contreras CM, et al. Bol Estud Med Biol. 1990 Jan-Jun;38(1-2): 10-5;Zhai H, et al. Behav Pharmacol. 2008 May;19(3):211-6;およびMudo' et al. Epilepsia. 1996 Feb;37(2): 198-207)。最近の臨床研究により、ケタミンおよびスコポラミンの両方は、迅速な抗うつ応答をもたらし(数時間以内)、かつ治療抵抗性のうつ病患者において有効であるように見えることが実証されている(Machado-Vieira R, et al. Pharmacol Ther. 2009 Aug;123(2): 143-50;Mathew SJ, et al. CNS Drugs. 2012 Mar 1 ;26(3): 189-204;Furey ML and Drevets WC. Arch Gen Psychiatry. 2006 Oct;63(10):1121-9;Drevets WC and Furey ML. Biol Psychiatry. 2010 Mar 1;67(5):432-8)。しかしながら、ケタミンの抗うつ作用は、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)のその迅速な活性化、および前頭前皮質におけるシナプス形成のその増大に関連していると考えられるが(Duman RS, et al. Neuropharmacology. 2012 Jan;62(1):35-41. Epub 2011 Sep 2)、一方でスコポラミンはラットにおける成体の神経発生を抑制するように見え(Kotani S, et al. Neuroscience. 2006 Oct 13;142(2):505-14)、スコポラミンなどのコリン作動性受容体アンタゴニスト、およびケタミンなどのNMDA受容体アンタゴニストが、明確に顕著なかつ異なる神経生物学的メカニズムを有するという見解を再度裏付けている。
スコポラミンおよびケタミンの両方は、最も広く用いられるうつ病の動物モデルの1つである、強制水泳試験において有意な効果を有する(Ji CX and Zhang JJ. Yao Xue Xue Bao. 2011 Apr;46(4):400-5;Mancinelli A, et al. Eur J Pharmacol. 1988 Dec 13;158(3): 199-205;Yilmaz et al. Pharmacol Biochem Behav. 2002 Jan-Feb;71(1-2):341-4;およびGarcia et al. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2008 Jan 1;32(1):140-4)。現在、スコポラミンおよびケタミンは、亜臨床的用量に相当する投薬量で個々に投与された場合、強制水泳試験において有意な効果を有することが決定されている。
実施例1:ケタミン&スコポラミンの併用はマウス強制水泳試験において抗うつ効能を示す
概要 オスの10週齢のC57BL/6Nマウス(Taconic)を、試験の1週間前に飼育設備に順応させた。マウスを薬物の非存在下で10分間試験に曝露し、翌日薬物の存在下で6分間試験で試験する、2日間のFSTパラダイムを採用した。生理食塩水ビヒクル中のスコポラミンおよびケタミンを、FSTの30分前に腹腔内(i.p.)投与した。すべての動物は、薬物未投与でありかつ行動試験に以前に曝露されていなかった。図1に図示されているように、3mg/kg i.p.でのケタミンは、FSTにおいてわずかな有意ではない抗うつ効果をもたらす(N=6匹のマウス/群)。図2では、0.1mg/kgでのスコポラミンは、ビヒクルに対して不動時間に変化がなく、マウスFSTにおいて抗うつ効果をもたらさないことが示されている。0.5および1.0mg/kgでのスコポラミンは、不動時間を実質的に低下させ、抗うつ効果をもたらすように見えた。しかしながら、マウスは試験前のスコポラミン投与後にホームケージ内で著しく過活動であったため、不動の低下は、運動活性化による可能性が高かった(N=6匹のマウス/群)。図3では、無効用量(0.1mg/kg i.p.)で投与されたスコポラミンが、ケタミン(3mg/kg i.p.)のわずかな有意ではない抗うつ効果を改善し、ビヒクルに対して有意に不動の低下をもたらすことが示されている(t検定p=0.016、N=10〜11匹のマウス/群)。
概要 オスの10週齢のC57BL/6Nマウス(Taconic)を、試験の1週間前に飼育設備に順応させた。マウスを薬物の非存在下で10分間試験に曝露し、翌日薬物の存在下で6分間試験で試験する、2日間のFSTパラダイムを採用した。生理食塩水ビヒクル中のスコポラミンおよびケタミンを、FSTの30分前に腹腔内(i.p.)投与した。すべての動物は、薬物未投与でありかつ行動試験に以前に曝露されていなかった。図1に図示されているように、3mg/kg i.p.でのケタミンは、FSTにおいてわずかな有意ではない抗うつ効果をもたらす(N=6匹のマウス/群)。図2では、0.1mg/kgでのスコポラミンは、ビヒクルに対して不動時間に変化がなく、マウスFSTにおいて抗うつ効果をもたらさないことが示されている。0.5および1.0mg/kgでのスコポラミンは、不動時間を実質的に低下させ、抗うつ効果をもたらすように見えた。しかしながら、マウスは試験前のスコポラミン投与後にホームケージ内で著しく過活動であったため、不動の低下は、運動活性化による可能性が高かった(N=6匹のマウス/群)。図3では、無効用量(0.1mg/kg i.p.)で投与されたスコポラミンが、ケタミン(3mg/kg i.p.)のわずかな有意ではない抗うつ効果を改善し、ビヒクルに対して有意に不動の低下をもたらすことが示されている(t検定p=0.016、N=10〜11匹のマウス/群)。
材料および方法
動物:オスのC57BL6N/Tacマウスを10週の年齢でTaconic Farms(Germantown, NY)から購入した。到着次第、1ケージあたり4匹のマウスで12:12時間の明/暗サイクル下にてマウスを飼い、行動手順の前におよそ1週間順応させた。食料および水は、自由裁量で提供された。すべての手順は、米国国立研究所の実験動物のケアおよび使用に関する手引書(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に従い、かつマサチューセッツ工科大学の動物実験委員会(Animal Care and Use Committee)によって認可された。
動物:オスのC57BL6N/Tacマウスを10週の年齢でTaconic Farms(Germantown, NY)から購入した。到着次第、1ケージあたり4匹のマウスで12:12時間の明/暗サイクル下にてマウスを飼い、行動手順の前におよそ1週間順応させた。食料および水は、自由裁量で提供された。すべての手順は、米国国立研究所の実験動物のケアおよび使用に関する手引書(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に従い、かつマサチューセッツ工科大学の動物実験委員会(Animal Care and Use Committee)によって認可された。
薬物処理:ケタミン塩酸塩およびスコポラミン塩酸塩をSigma-Aldrich(St. Louis, MO)から購入し、生理食塩水ビヒクル(0.9%塩化ナトリウム)中に溶解した。スコポラミン用量応答実験に関して、マウスは、行動試験の30分前にビヒクルまたは0.1、0.5、もしくは1mg/kg i.p.のスコポラミンを受けた。ケタミン/スコポラミン相互作用実験に関して、マウスは、行動試験の30分前に2つのi.p.注射を受け、または生化学的研究:ビヒクル/ビヒクル、ビヒクル/スコポラミン(0.1mg/kg)、ビヒクル/ケタミン(3mg/kg)、もしくはスコポラミン(0.1mg/kg)/ケタミン(3mg/kg)のために屠殺された。
行動手順:マウスを2日間の強制水泳試験(FST)手順で試験した。1日目、すべてのマウスは、注射手順に順応するために偽物の腹腔内用ビヒクル(i.p.)注射を受け、かつ30分後に、およそ半分まで温水(26±2°)で満たされた5つの同一のシリンダー型チャンバー(24cm×15cm)の1つの中に10分間置かれ、データは採取されなかった。2日目、マウスは、6分間セッションのためにシリンダーに置かれる30分前にi.p.注射を受け、最後の4分間の間、不動時間が自動的に採点された(EthoVisionXT;Noldus Information Technology;Wageningen, Netherlands)。
統計解析:すべてのFST行動実験に関して、不動に費やされた時間は従属変数であり、データを、SPSS v.18(IBM)を用いた一元配置分散分析(ANOVA)およびTukey事後比較(post-hoc comparisons)によって解析した。
結果
マウスFSTにおけるケタミンおよびスコポラミンの無効用量(subeffective dose)
本発明者らは、最初に、マウスにおけるFSTで有意な抗うつ効果をもたらすには単独では無効である、ケタミンおよびスコポラミンの用量を同定した。マウスおよびラットにおけるケタミンの事前研究は、3〜10mg/kg i.p.の用量が、FSTにおいて抗うつ効果をもたらし得ることを示していた(Autry et al., 2011;Li et al., 2010)。この範囲の下端の用量(3mg/kg i.p.)が選択され、FSTの30分前に成体オスのC57BL/6Nマウスに投与された。不動のわずかなかつ有意ではない18%の低下が観察された(平均+/-SE;ビヒクル113.9秒間+/-12.7、ケタミン93.1秒間+/-15.9;図1)。齧歯類うつ病モデルにおけるスコポラミンについて発表されている研究はほとんどないため、用量応答を実施して、C57BL/6Nマウスにおけるスコポラミンの無効用量を同定した(図2)。FSTの30分前に投与されたスコポラミン(0.1mg/kg i.p.)は、ビヒクルに対して不動時間を有意に低下させなかった(ビヒクル112.1秒間+/-11.9、スコポラミン114.0秒間+/-17.0;p>0.05)。より高いスコポラミン用量(0.5mg/kgおよび1.0mg/kg i.p.)は、不動時間を実質的に低下させた(p<0.05;図2);しかしながら、マウスはFST前のスコポラミン投与の直後にホームケージ内で明白に過活動であったため、以前の報告を踏まえて(Ji and Zhang, 2011)、これは運動活性化による可能性が高かった。
マウスFSTにおけるケタミンおよびスコポラミンの無効用量(subeffective dose)
本発明者らは、最初に、マウスにおけるFSTで有意な抗うつ効果をもたらすには単独では無効である、ケタミンおよびスコポラミンの用量を同定した。マウスおよびラットにおけるケタミンの事前研究は、3〜10mg/kg i.p.の用量が、FSTにおいて抗うつ効果をもたらし得ることを示していた(Autry et al., 2011;Li et al., 2010)。この範囲の下端の用量(3mg/kg i.p.)が選択され、FSTの30分前に成体オスのC57BL/6Nマウスに投与された。不動のわずかなかつ有意ではない18%の低下が観察された(平均+/-SE;ビヒクル113.9秒間+/-12.7、ケタミン93.1秒間+/-15.9;図1)。齧歯類うつ病モデルにおけるスコポラミンについて発表されている研究はほとんどないため、用量応答を実施して、C57BL/6Nマウスにおけるスコポラミンの無効用量を同定した(図2)。FSTの30分前に投与されたスコポラミン(0.1mg/kg i.p.)は、ビヒクルに対して不動時間を有意に低下させなかった(ビヒクル112.1秒間+/-11.9、スコポラミン114.0秒間+/-17.0;p>0.05)。より高いスコポラミン用量(0.5mg/kgおよび1.0mg/kg i.p.)は、不動時間を実質的に低下させた(p<0.05;図2);しかしながら、マウスはFST前のスコポラミン投与の直後にホームケージ内で明白に過活動であったため、以前の報告を踏まえて(Ji and Zhang, 2011)、これは運動活性化による可能性が高かった。
マウスFSTにおけるケタミンおよびスコポラミンの相互作用
単独ではFSTにおいて無効である、ケタミン(3mg/kg i.p.)およびスコポラミン(0.1mg/kg i.p.)の用量を選択し、本発明者らは、共処理がFSTにおいて有意な抗うつ効果をもたらすかどうかを評定した。上記の実験におけるように、ケタミン(3mg/kg i.p.;102.4秒間+/-16.0)またはスコポラミン(0.1mg/kg i.p.;103.9秒間+/-16.3)の投与は、ビヒクルと比較して、FST不動時間を有意に低下させなかった(141.6秒間+/-21.7)(両方ともTukeyの事後比較p>0.05;図3)。対照的に、これらの同じ用量での両方の薬物による共処理は、ビヒクルと比較して、不動時間を有意に低下させた(77.1秒間+/-12.0)(Tukeyの事後比較p=0.016;図3)。
単独ではFSTにおいて無効である、ケタミン(3mg/kg i.p.)およびスコポラミン(0.1mg/kg i.p.)の用量を選択し、本発明者らは、共処理がFSTにおいて有意な抗うつ効果をもたらすかどうかを評定した。上記の実験におけるように、ケタミン(3mg/kg i.p.;102.4秒間+/-16.0)またはスコポラミン(0.1mg/kg i.p.;103.9秒間+/-16.3)の投与は、ビヒクルと比較して、FST不動時間を有意に低下させなかった(141.6秒間+/-21.7)(両方ともTukeyの事後比較p>0.05;図3)。対照的に、これらの同じ用量での両方の薬物による共処理は、ビヒクルと比較して、不動時間を有意に低下させた(77.1秒間+/-12.0)(Tukeyの事後比較p=0.016;図3)。
前述の記載から、本明細書において記載される本発明に変動および修正を加えて、種々の用法および条件にそれを取り入れ得ることは明らかであろう。そのような態様も、以下の特許請求の範囲内にある。本明細書における変数についての任意の定義における要素の列挙の記述は、任意の単一要素としての、または列挙された要素の組み合わせ(または部分的組み合わせ)としての、その変数の定義を含む。本明細書における態様の記述は、任意の単一態様としての、または他の任意の態様もしくはその一部と組み合わせての、その態様を含む。
Claims (21)
- ヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンと組み合わせて、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満の有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象におけるうつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
- うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、請求項1記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、請求項1記載の方法。
- ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、請求項3記載の方法。
- スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、請求項3記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、請求項1記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、請求項6記載の方法。
- 250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンがヒト対象に投与される、請求項1記載の方法。
- ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、請求項1記載の方法。
- ヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する方法であって、スコポラミンと組み合わせて有効量のケタミンをヒト対象に投与する工程を含み、それによってヒト対象における治療抵抗性うつ病を治療するかまたは軽減する、方法。
- うつ病が、大うつ病性障害、気分障害、不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、気分変調性障害、強迫性障害、および季節性情動障害からなる群より選択される障害を含む、請求項10記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンが逐次的に投与される、請求項10記載の方法。
- ケタミンがスコポラミンの前もしくは後に投与されるか、またはスコポラミンの前および後に投与される、請求項12記載の方法。
- スコポラミンがケタミンの前もしくは後に投与されるか、またはケタミンの前および後に投与される、請求項12記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンがヒト対象に同時に投与される、請求項10記載の方法。
- ケタミンおよびスコポラミンを含む組成物がヒト対象に投与される、請求項15記載の方法。
- 有効量が、約500mcg/kg体重/日またはそれ未満のケタミンおよび約4mcg/kg体重/日またはそれ未満のスコポラミンである、請求項10記載の方法。
- 有効量が、250mcg/kg体重/日のケタミンおよび2mcg/kg体重/日のスコポラミンである、請求項17記載の方法。
- ケタミンおよび/またはスコポラミンがヒト対象の血流、体腔、または皮下組織内に注射される、請求項10記載の方法。
- 治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物。
- うつ病またはうつ病性障害の治療における、治療有効量のケタミン、治療有効量のスコポラミン、および任意で薬学的に許容されるキャリアを含む薬学的組成物の使用。
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