JP2018183878A - 積層体及びその製造方法、フィルムセット、並びに、感光性導電フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性繊維を含有する導電層を用いつつ、黄色味の上昇を抑制することが可能な積層体を提供する。【解決手段】透明基材20、及び、透明基材20上に設けられた導電パターン2aを有する導電パターン付透明基材30と、導電パターン2aの透明基材20とは反対側に設けられた光透過層7aと、を備え、導電パターン2aが導電材料を含有し、光透過層7aが、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する、積層体50。【選択図】図1
Description
本発明は、積層体及びその製造方法、フィルムセット、並びに、感光性導電フィルムに関し、特に、液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチパネル(タッチスクリーン)、太陽電池などに用いられる積層体及びその製造方法、フィルムセット、並びに、感光性導電フィルムに関する。
パソコンやテレビ等の大型電子機器からカーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器やOA・FA機器等の表示機器には液晶表示素子やタッチパネルが用いられている。
タッチパネルとしては、すでに各種の方式が実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。静電容量方式タッチパネルでは、指先(導電体)がタッチ入力面に接触すると、指先と導電膜との間が静電容量結合し、コンデンサを形成する。このため、静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによってその座標を検出している。
特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備え、その操作性の良さから、携帯電話や携帯型音楽プレーヤ等の小型の表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として利用が進んでいる。
一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸及びY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、当該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成している。電極には透明導電膜用材料が用いられる。
従来、透明導電膜用材料には、可視光に対して高い透過率を示すことから、酸化インジウムスズ(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化インジウム、酸化スズ等が用いられているが、これらに替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。例えば、下記特許文献1及び2には、導電性繊維を含有する導電層を有する感光性導電フィルムによる導電パターンの形成方法が提案されている。本技術を用いれば、種々の基板上にフォトリソグラフィー工程で直接導電パターンを簡便に形成できる。
ところで、導電性繊維を含有する導電層では、導電性繊維が黄色味を有する傾向があり、外観上の問題がおき易い。
そこで、本発明は、導電性繊維を含有する導電層を用いつつ、黄色味が上昇することを抑制することが可能な積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような積層体を得るためのフィルムセット及び感光性導電フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を詳細に調べた結果、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を用いることにより、導電性繊維を含有する導電層を有する積層体において黄色味が上昇することを抑制することが可能であるという知見を得た。また、本発明者らは、黒色染料や灰色染料を用いた際には、タッチパネル作製工程で引き廻し回路に用いる銀ペースト(例えば、銀繊維を含有するペースト)の乾燥工程(乾燥条件:145℃/70min)後において黄色味が上昇するという知見を得た。
本発明は、透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材と、前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に設けられた光透過層と、を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する、積層体を提供する。
本発明に係る積層体によれば、導電性繊維を含有する導電層を用いつつ、黄色味が上昇することを抑制可能であり、特に、加熱後(例えば、銀ペーストの乾燥工程等の工程後)において黄色味が上昇する(b*が上昇する)ことを抑制することができる。また、本発明に係る積層体によれば、黄色味の上昇を抑制しつつ、高い透過率を達成することができる。
ところで、導電性繊維を含有する導電層を有する積層体に対し、信頼性試験に用いられる耐光性試験を施した場合に、色材が退色しb*が上昇することが問題となることがある。一方、本発明に係る積層体によれば、当該積層体に対し耐光性試験を施した場合であっても、b*が上昇することを抑制することができる。
前記色材の含有量は、光透過層の全量を基準として0質量%を超え0.2質量%以下であることが好ましい。
前記導電材料は、無機導電体及び有機導電体からなる群より選択される少なくとも一種の導電体を含むことが好ましい。
前記導電材料は、導電性繊維を含むことが好ましい。
前記導電性繊維は、銀繊維であることが好ましい。
また、本発明は、透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材の前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に光透過層を形成する光透過層形成工程を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する、積層体の製造方法を提供する。本発明に係る積層体の製造方法によれば、本発明に係る積層体と同様の上記効果を得ることができる。
前記光透過層形成工程は、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する光透過層形成用組成物層を前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に形成する工程と、前記光透過層形成用組成物層に活性光線を照射する工程と、を含んでいてもよい。
本発明に係る積層体の製造方法は、支持フィルムと、当該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルムを、前記感光性樹脂組成物層が前記導電パターン付基材に接するようにラミネートすることによって前記光透過層形成用組成物層が形成され、前記感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する態様であってもよい。
本発明に係る積層体の製造方法において前記色材の含有量は、前記光透過層の全量を基準として0質量%を超え0.2質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る積層体の製造方法は、前記導電パターン付基材が、前記透明基材上に設けられた感光性樹脂組成物層と、当該感光性樹脂組成物層の前記透明基材とは反対側に設けられた導電層と、を含む感光層に、パターン状に活性光線を照射する第1の露光工程と、酸素存在下で、前記感光層の少なくとも前記第1の露光工程における未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第2の露光工程と、前記第2の露光工程の後に前記感光層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を経て得られたものであり、前記感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、前記導電層が導電材料を含有する態様であってもよい。
本発明に係る積層体の製造方法は、支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、バインダーポリマー、光重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する感光性導電フィルムを、前記感光性樹脂組成物層が前記透明基材に接するようにラミネートすることによって前記感光層を設ける態様であってもよい。
さらに、本発明は、第1の支持フィルムと、当該第1の支持フィルム上に設けられた第1の感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルム、及び、第2の支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、第2の感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する感光性導電フィルムを含み、前記第1の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有し、前記第2の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、フィルムセットを提供する。本発明に係るフィルムセットによれば、本発明に係る積層体と同様の上記効果を得ることができる。
本発明に係るフィルムセットは、前記積層体の製造方法に用いられてもよい。
本発明は、支持フィルム、導電材料を含有する導電層、及び、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する感光性樹脂組成物層、がこの順で積層されている構造を有する、感光性導電フィルムを提供する。本発明に係る感光性導電フィルムによれば、本発明に係る積層体と同様の上記効果を得ることができる。
本発明によれば、導電性繊維を含有する導電層を用いつつ、黄色味が上昇することを抑制可能であり、特に、加熱後(例えば、銀ペーストの乾燥工程等の工程後)において黄色味が上昇する(b*が上昇する)ことを抑制することができる。また、本発明によれば、黄色味の上昇を抑制しつつ、高い透過率を達成することができる。このような本発明によれば、良好な視認性を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はそれに対応するメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。また、「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。さらに、以下に例示する材料等は、特に断らない限り、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、「導電パターン」とは、所定の形状を有すると共に導体を含んで構成されるものである。例えば、導電パターンを有する基材は、導体を含む部分と、導体を含まない部分とを有し、導体を含む部分によって導電パターンが構成される。
本明細書において、導電パターン又は導電層と、感光性樹脂組成物層との境界は必ずしも明確になっている必要はない。導電パターン又は導電層と、感光性樹脂組成物層とが混じり合った態様であってもよい。例えば、感光性樹脂組成物層を構成する組成物が導電パターン又は導電層中に含浸されていたり、感光性樹脂組成物層を構成する組成物が導電パターン又は導電層の表面に存在していたりしてもよい。
<積層体>
本実施形態に係る積層体は、透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材と、前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に設けられた光透過層と、を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する。
本実施形態に係る積層体は、透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材と、前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に設けられた光透過層と、を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する。
本実施形態に係る積層体は、銀ペーストの乾燥工程(145℃/70min)等の加熱工程後という過酷な条件後においても全光線透過率が86.0%以上であり、且つ、透過b*が0.4以下である。さらに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を光透過層が含有することで、耐光性試験後においても全光線透過率及び透過b*の変化を抑えることができる。
図1は、本実施形態に係る積層体を示す模式断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る積層体50は、導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)30と、光透過層7aとを備えている。導電パターン付透明基材30は、透明基材20と、透明基材20上に設けられた透明な導電パターン2a及び樹脂層(樹脂硬化層)3aと、を有している。導電パターン2aは、樹脂層3a上に設けられている。導電パターン2aは、導電材料を含有している。光透過層7aは、樹脂硬化物8aと、樹脂硬化物8a中に分散している色材9と、を有している。色材9は、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材である。
なお、図1に示される光透過層7aは、樹脂硬化物8a中に色材9が含まれていることが分かるように、便宜的に色材が図示されている。例えば、色材が染料である場合には、光透過層7aを構成する媒体中に青色染料又は紫色染料が溶解した状態であってもよく、色材が顔料である場合には、光透過層7aを構成する媒体中に青色顔料又は紫色顔料が分散した状態であってもよい。
図2は、他の実施形態に係る積層体を示す模式断面図である。図2(a)に示される積層体は、透明基材20上に導電パターン2aが直接設けられた導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)31と、色材9を含有する光透過層7aとを備える。図2(b)に示される積層体は、透明基材20上に樹脂層(樹脂硬化パターン)3b及び導電パターン2aが透明基材20側からこの順に配置されてなる導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)32と、色材9を含有する光透過層7aとを備える。図2(c)に示される積層体は、透明基材20上に導電パターン2a及び樹脂層(樹脂硬化パターン)3cが透明基材20側からこの順に配置されてなる導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)33と、色材9を含有する光透過層7aとを備える。図2(d)に示される積層体は、透明基材20上に導電パターン2a及び樹脂層(光透過層、樹脂硬化パターン)3dが透明基材20側からこの順に配置されてなる導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)34と、樹脂硬化物8aからなる樹脂層7bとを備える。光透過層は、図2(d)に示すように、導電パターン付透明基材の全体を覆うことなく局所的に導電パターン2aのみを覆っていてもよい。
本実施形態に係る積層体は、光透過層(光透過層7a、樹脂層3d等)を備えることにより、導電パターンが形成されている部分と、それ以外の部分(例えば、図1において、導電パターン2aが形成されていない樹脂層3a)とのヘーズ差を小さくすることができる。ヘーズ差は、1.0以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。このようなヘーズ差が得られるように、光透過層における色材の種類及びその含有量、並びに、層の厚み等を調整することが好ましい。
本実施形態に係る積層体は、積層体を備える電子部品(例えば、タッチセンサーのセンシング領域部分)の視認性にさらに優れる観点から、導電パターンが形成されている部分のヘーズが1.5以下であることが好ましい。また、積層体を備える電子部品(例えば、タッチセンサーのセンシング領域部分)の視認性にさらに優れる観点から、導電パターンが形成されていない部分のヘーズが2.0以下であることが好ましい。
本実施形態に係る積層体の製造方法の詳細については後述するが、図1に示される導電パターン付透明基材30は、例えば、国際公開第2013/051516号に記載の方法によって作製することができる。
図2(a)に示される導電パターン付透明基材31は、例えば、特開2007−257963号公報に記載の方法、又は、透明基材上にスパッタ法によりITO膜又は酸化スズ膜を形成し、エッチングによりパターニングする方法等によって作製することができる。
図2(b)に示される導電パターン付透明基材32は、例えば、上記特許文献1(国際公開第2010/021224号)に記載の方法によって作製することができる。
図2(c)及び(d)に示される導電パターン付透明基材33,34は、例えば、米国特許出願公開第2007/0074316号明細書に記載の方法により作製することができる。
図2(a)に示される導電パターン付透明基材31は、例えば、特開2007−257963号公報に記載の方法、又は、透明基材上にスパッタ法によりITO膜又は酸化スズ膜を形成し、エッチングによりパターニングする方法等によって作製することができる。
図2(b)に示される導電パターン付透明基材32は、例えば、上記特許文献1(国際公開第2010/021224号)に記載の方法によって作製することができる。
図2(c)及び(d)に示される導電パターン付透明基材33,34は、例えば、米国特許出願公開第2007/0074316号明細書に記載の方法により作製することができる。
透明基材20としては、例えば、ガラス基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース等のプラスチック基材が挙げられる。透明基材は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であるものが好ましい。作製する電子部品の軽量化の観点からは、プラスチック基材が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー又はトリアセチルセルロースがより好ましい。
導電パターン2aが含有する導電材料としては、導電パターン2aの導電性を確保することができるものであればよく、高い導電性を確保する観点から、無機導電体及び有機導電体からなる群より選択される少なくとも一種の導電体が好ましい。
無機導電体としては、酸化インジウムスズ(Indium−Tin−Oxide:ITO)、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物粒子、金、銀、銅、白金等の金属繊維、金属粒子、金属メッシュなどが挙げられる。有機導電体としては、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、カーボンブラック等の炭素粉末などが挙げられる。
導電材料の形態は、特に制限されるものではないが、繊維状が好ましく、導電性繊維がより好ましい。導電パターン2aが導電性繊維を含有することで、導電性と透明性とを高水準で両立することができる。また、図1や図2(b)に示される導電パターンを、後述する転写形感光性導電フィルムを用いて形成する場合には、導電材料として導電性繊維を用いることで、現像性がさらに向上して、解像度に優れた導電パターンを形成することができる。
導電パターン2aが含有する導電性繊維としては、金、銀、銅、白金等の金属繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維などが挙げられる。導電性に優れる観点からは、金繊維又は銀繊維を用いることが好ましい。形成される導電パターンの導電性を容易に調整できる観点からは、銀繊維がより好ましい。導電性繊維を含有する導電層において導電性繊維の表面で光が反射して導電パターン部が白く見えてしまう現象をさらに抑制する観点から、導電パターン2aが銀繊維を含む場合には、後述する灰色染料を光透過層において用いることが好ましい。
金属繊維は、金属イオンをNaBH4等の還元剤で還元する方法、ポリオール法などにより作製することができる。また、カーボンナノチューブは、Unidym社のHipco単層カーボンナノチューブ等の市販品などを用いることができる。
導電性繊維の繊維径は、1〜50nmであることが好ましく、2〜45nmであることがより好ましく、3〜40nmであることがさらに好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1〜100μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電パターン2aの厚みは、導電パターンに求められる導電性及び透明性等によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることがさらに好ましい。導電パターン2aの厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域における光透過率が高く、特に透明電極に好適なものとなる。なお、導電パターン2aの厚みは、走査型電子顕微鏡によって測定される値を指す。
導電パターン2aは、導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電性繊維は、導電パターンを形成した際に露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、導電パターン2aと接する層における表層部(例えば、導電パターン2aと接する樹脂層3a,3b,3c,3dにおける導電パターン2a側の表層部)に含まれる形態で存在していてもよい。
樹脂層3a,3bは、透明基材20と導電パターン2aとを接着し、透明基材20上に導電パターン2aを保持できるものであればよく、樹脂層3c,3dは、導電パターン2a上に保持できるものであればよい。また、樹脂層3a,3b,3c,3dは、例えば、感光性樹脂組成物からなる層(以下、感光性樹脂組成物層ともいう)の硬化物である樹脂硬化層であり、この場合、後述する転写形感光性導電フィルムを用いて樹脂層と導電パターンを一括で形成することができる。
感光性樹脂組成物としては、例えば、(A)バインダーポリマー(以下、場合により「(A)成分」という)、(B)光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」という)、及び、(C)光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という)を含有する組成物が挙げられる。このような組成物を用いることで、導電パターン2aの解像度、及び、透明基材20との接着性を両立することができる。
(A)バインダーポリマーとしては、従来公知のものが特に制限無く使用できるが、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルをラジカル重合させることにより製造することができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。また、上記アクリル樹脂は、スチレンに基づく構造単位を含んでもよい。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。このようなバインダーポリマーを得るための、カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(A)バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、バインダーポリマーを得るために使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、10〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。アルカリ現像性に優れる点では、10質量%以上であることが好ましく、アルカリ耐性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
(A)成分であるバインダーポリマーの重量平均分子量は、10000〜200000であることが好ましいが、解像度の見地から、15000〜150000であることがより好ましく、30000〜150000であることがさらに好ましく、30000〜100000であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量は、後述する実施例の測定方法を参考に測定することができる。10000未満では、現像時に硬化膜のアルカリ耐性が低いため密着性が低下する場合があり、200000を超えると、現像時に未露光部の現像性が低くなり良好なパターンが得られづらくなる場合がある。
(B)成分である光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることができる。これにより、導電パターン2aの解像度、及び、透明基材20との接着性をさらに高度に両立することができる。
エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、一官能ビニルモノマー、二官能ビニルモノマー、及び、少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。
一官能ビニルモノマーとしては、上記した(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、それらと共重合可能なモノマー等が挙げられる。
二官能ビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート等の、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物などが挙げられる。
(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましい。この含有量が40質量部以上であれば、塗膜性に優れ、後述する転写形感光性導電フィルムを形成し、ロール状に巻き取った際に、エッジフュージョン(樹脂がフィルム端部から染み出すこと)を防ぐことができる。80質量部以下であれば、高感度となり、硬化膜の機械強度を向上させることができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、30〜50質量部であることがより好ましい。この含有量が20質量部以上であれば、高感度となり、機械強度を強くすることができる。60質量部以下であれば、塗膜性に優れ、後述する転写形感光性導電フィルムを形成し、ロール状に巻き取った際に、エッジフュージョンが起こることを防ぐことができる。
(C)成分である光重合開始剤としては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。具体的には、芳香族ケトン、オキシムエステル化合物、ホスフィンオキサイド化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、薄膜(例えば、10μm以下の厚み)としたときのパターン形成能に優れ、透明性に優れた導電パターンを形成し易い点で、オキシムエステル化合物又はホスフィンオキサイド化合物が好ましい。
オキシムエステル化合物としては、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、2〜12質量部であることがより好ましく、6〜10質量部であることがさらに好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば、感度を充分に高めることができる。10質量部以下であれば、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となることを防ぐことができる。
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、(D)青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材(以下、場合により「(D)成分」という)をさらに含有していてもよい。例えば、図2(d)に示すように、導電パターン2aの透明基材20とは反対側の面に樹脂層3dが配置され、樹脂層3dが(D)成分を含有する態様とする場合には、感光性樹脂組成物に(D)成分を配合させてもよい。これにより、透明性の大幅な低下や色相が大きく変わることを容易に抑制することができる。
青色染料とは、可視光領域の400〜500nmの全範囲において同程度の吸収を持つ染料を指す。青色染料としては、450nmの吸収強度を1としたときに、400〜500nmの全範囲における吸収強度が0.7〜1.3の範囲内である染料が好ましく、0.8〜1.2の範囲内である染料がより好ましい。青色染料としては、市販品では、VALIFAST BLUE2606(オリエント化学工業株式会社製)を用いることができる。
紫色染料とは、可視光領域の380〜430nmの全範囲において同程度の吸収を持つ染料を指す。紫色染料としては、400nmの吸収強度を1としたときに、380〜430nmの全範囲における吸収強度が0.7〜1.3の範囲内である染料が好ましく、0.8〜1.2の範囲内である染料がより好ましい。紫色染料としては、市販品では、OPLAS VIOLET730(オリエント化学工業株式会社製)を用いることができる。
なお、上記吸収強度(吸光度)は、UV分光光度計(株式会社日立製作所製、商品名「U−3310」)を用いて測定できる。
染料としては、高温高湿下で表面抵抗率が上昇し易いチオール基含有化合物や、高温高湿下で退色や析出が生じ易い有色化合物は選択しないことが好ましい。さらに、光透過層が感光性樹脂層の場合は、感光特性の低下を抑制するために、染料が紫外領域に強い吸収を持たないことが好ましい。
青色顔料とは、可視光領域の400〜500nmの全範囲において同程度の吸収を持つ顔料を指す。青色顔料としては、450nmの吸収強度を1としたときに、400〜500nmの全範囲における吸収強度が0.7〜1.3の範囲内である顔料が好ましく、0.8〜1.2の範囲内である顔料がより好ましい。青色顔料としては、市販品では、NX−051、NX−053(大日精化工業株式会社製)を用いることができる。
紫色顔料とは、可視光領域の380〜430nmの全範囲において同程度の吸収を持つ顔料を指す。紫色顔料としては、400nmの吸収強度を1としたときに、380〜430nmの全範囲における吸収強度が0.7〜1.3の範囲内である顔料が好ましく、0.8〜1.2の範囲内である顔料がより好ましい。紫色顔料としては、市販品では、NX−043(大日精化工業株式会社製)を用いることができる。
顔料としては、高温高湿下で表面抵抗率が上昇し易いチオール基含有化合物や、高温高湿下で退色や析出が生じ易い有色化合物は選択しないことが好ましい。さらに、光透過層が感光性樹脂層の場合は、感光特性の低下を抑制するために、顔料が紫外領域に強い吸収を持たないことが好ましい。
(D)成分の中でも、青色顔料又は紫色顔料が好ましい。これにより、銀繊維固有の黄色味をさらに抑制することができる。
感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、高い透明性が得られ易い観点から、(A)成分及び(B)成分の総量を基準として、0.2質量%以下であることが好ましく、0.18質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下であることがさらに好ましい。一方、(D)成分の含有量は、0質量%を超え、導電性繊維による導電パターンの反射で白く見える現象をさらに抑制し且つパターン見えをさらに抑制する観点からは、0.05質量%以上が好ましい。
図1に示される導電パターン2a及び樹脂層3aは、例えば、図4に基づき後述するように、透明基材20上に設けられた感光性樹脂組成物層(樹脂層3aを得るための層)と、感光性樹脂組成物層の透明基材20とは反対側の面に設けられた導電層とを含む感光層に、パターン状に活性光線を照射する第1の露光工程と、酸素存在下で、感光層の少なくとも第1の露光工程での未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第2の露光工程と、第2の露光工程の後に感光層を現像することにより、導電パターン2aを形成する現像工程とを経て得ることができる。このような導電パターン形成方法によれば、導電パターンを有する領域と、導電層の一部が除去され樹脂硬化層が露出した領域と、を一括して形成することができる。
また、図2(b)に示される導電パターン2a及び樹脂層3bは、例えば、透明基材20上に設けられた感光性樹脂組成物層(樹脂層3bを得るための層)と、感光性樹脂組成物層の透明基材20とは反対側の面に設けられた導電層とを含む感光層に、パターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光した感光層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを経て得ることができる。
また、図2(c)及び図2(d)に示される導電パターン2a及び樹脂層3c,3dは、例えば、透明基材20上に設けられた導電層と、導電層の透明基材20とは反対側の面に設けられた感光性樹脂組成物層(樹脂層3c,3dを得るための層)とを含む感光層に、パターン状に活性光線を照射する露光工程と、露光した感光層を現像することにより導電パターン2aを形成する現像工程とを経て得ることができる(後述する図5参照)。
上記の感光層(感光性樹脂組成物層及び導電層)は、透明基材20上に塗布等の方法により直接設けてもよく、別途、支持体と、当該支持体上に設けられた感光層とを有する転写形感光性導電フィルムを作製し、透明基材20に対して感光性樹脂組成物層又は導電層が接するようにラミネートすることで設けてもよい。このような転写形感光性導電フィルムを用いることにより、基材上に、導電パターンを充分な解像度で簡便に形成することができる。また、基板表面に設けられる接続端子等と導電パターンとを簡便に接続することが可能となる。
図3は、本実施形態に係る感光性導電フィルムを説明するための模式断面図である。図3に示すように感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられた感光層4とを有する。感光層4は、導電材料を含有する導電層2と、導電層2の支持フィルム1とは反対側の面に設けられた感光性樹脂組成物層3とを含む。すなわち、感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、導電層2と、感光性樹脂組成物層3とがこの順で積層されている構造を有する。
支持フィルム1としては、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性に優れる観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリプロピレンフィルムが好ましい。
支持フィルム1として、ガス(特に酸素)透過性を有する重合体フィルムを用いてもよい。この場合、例えば、上記した第1の露光工程及び第2の露光工程を有する導電パターン形成方法において、第2の露光工程における雰囲気の酸素濃度を調整することにより、支持フィルム1を剥離しなくても酸素存在下で第2の露光工程を行うことができる。
導電層2に含まれる成分等については、上記導電パターン2aについて記載したものを用いることができる。導電層2は、例えば、上述した導電材料を水又は有機溶剤、界面活性剤等の分散安定剤などを加えた導電材料分散液を調製し、これを支持フィルム1上に塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電層2は、必要に応じてラミネートされてもよい。
感光性樹脂組成物層3に含まれる成分等については、上記感光性樹脂組成物について記載したものを用いることができる。感光性樹脂組成物層3は、例えば、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)及び光重合開始剤を含有し、必要に応じて、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材をさらに含有する。これらの成分としては、感光性樹脂組成物における(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、及び、(C)光重合開始剤として上述した成分、並びに、光透過層7aにおける(D)成分として上述した成分を用いることができる。
感光性樹脂組成物層3は、感光性樹脂組成物の溶液を調製し、支持フィルム1上に形成された導電層2上に塗工した後、乾燥することにより形成することができる。感光性樹脂組成物の溶液は、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解したものであってもよい。感光性樹脂組成物溶液の濃度は、固形分10〜60質量%程度とすることができる。
感光性樹脂組成物層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで0.05〜20μmであることが好ましく、0.05〜15μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましく、0.1〜8μmであることが特に好ましく、0.1〜5μmであることが極めて好ましい。この厚みが0.05μm以上であれば、塗工がし易くなる傾向があり、20μm以下であれば、感度の低下を防ぐことができる。なお、感光性樹脂組成物層3を硬化した層(樹脂層3a,3b,3c,3d等)の厚みについてもこれらの範囲であることが好ましい。
上記塗工は、ロールコート法等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、30〜150℃で1〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。導電層2において、導電材料は界面活性剤や分散安定剤と共存していてもかまわない。
感光性導電フィルム10は、必要に応じて、保護フィルム5を有していてもよい(後述する図5参照)。保護フィルムとしては、支持フィルム1で例示されたフィルムを用いることができる。この場合、保護フィルムの剥離強度が支持フィルム1の剥離強度よりも小さくなるように、支持フィルム1及び保護フィルムの厚み又は表面処理を調節することが好ましい。
保護フィルムの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
感光層4(導電層2及び感光性樹脂組成物層3)は、両層の合計厚みを1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。導電層2及び感光性樹脂組成物層3がこのような条件を満たすと、積層体をタッチパネル等の電子部品に適用した場合に、視認性がより向上する。
光透過層7a及び樹脂層(光透過層)3dは、色材9として、(D)成分(青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材)を含有している。光透過層7a及び樹脂層(光透過層)3dは、導電パターン2aの導電材料からの反射光を吸収し、導電性繊維の表面で光が反射して導電パターンが白く見える現象の抑制が可能な層である。光透過層7a及び樹脂層(光透過層)3dは、形成の簡便さから、感光性樹脂組成物層又はその硬化物であることが好ましい。
光透過層に含まれる(D)成分としては、上記感光性樹脂組成物における(D)成分と同様のものを用いることができる。
(D)成分を含有する媒体は、樹脂硬化物であってもよく、硬化前の樹脂組成物層、有機ガラス等であってもよい。
樹脂硬化物としては、例えば、感光性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。感光性樹脂組成物としては、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤及び(D)成分、並びに、必要に応じてその他の成分を含有する組成物を用いることができる。バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤及びその他の成分としては、上述した樹脂層3a,3b,3cを構成する材料と同様のものが挙げられる。
光透過層7aは、上記の感光性樹脂組成物を導電パターン付透明基材30,31,32,33上に塗布、乾燥することにより形成してもよく、支持フィルム上に上記の感光性樹脂組成物の層を形成した感光性フィルムを用意し、転写することで設けてもよい。樹脂層3dは、上記の感光性樹脂組成物を導電パターン2a上に塗布、乾燥することにより形成してもよく、支持フィルム上に上記の感光性樹脂組成物の層を形成した感光性フィルムを用意し、転写した後に露光、現像することで設けてもよい。
光透過層7a及び樹脂層(光透過層)3dにおける(D)成分の含有量は、高い透明性が得られ易い観点から、光透過層の全量を基準として、0.2質量%以下であることが好ましく、0.18質量%以下であることがより好ましく、0.15質量%以下であることがさらに好ましい。一方、(D)成分の含有量は、0質量%を超え、導電性繊維の表面で光が反射して導電パターンが白く見える現象をさらに抑制する観点、及び、パターン見えを抑制する観点から、0.05質量%以上が好ましい。
光透過層7a及び樹脂層(光透過層)3dの厚みは、さらに優れた光透過率及びヘーズ値を得る観点から、0.5〜25μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、2〜8μmであることがさらに好ましく、2.5〜8μmであることが特に好ましく、2.5〜5μmであることが極めて好ましい。
導電パターン付透明基材は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
導電パターン付透明基材は、上述した導電パターンの形成方法により得られる。導電パターン2aの表面抵抗率は、配線、電極(透明電極等)などとして有効に利用できる観点から、400Ω/□以下であることが好ましく、300Ω/□以下であることがより好ましく、150Ω/□以下であることがさらに好ましい。また、導電パターンの表面抵抗率をこのような範囲とすることで、基材表面に設けられる接続端子等と良好な電気的接続を確保することができる。表面抵抗率は、例えば、導電性繊維分散液の濃度、塗工量等によって調整することができる。なお、導電層をパターニングして得られる導電パターンの表面抵抗率は、前記導電層の表面抵抗率として測定することができる。
導電パターン付透明基材の全光線透過率は、86.0%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。導電パターン付透明基材がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での視認性がさらに向上する。
本実施形態に係る積層体の全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることがさらに好ましい。上記積層体がこのような条件を満たす場合、充分な透明性を確保し易く、ディスプレイパネル等での視認性がさらに向上する。
<積層体の製造方法>
本実施形態に係る積層体の製造方法について説明する。本実施形態に係る積層体の製造方法は、透明基材、及び、透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付透明基材の前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に光透過層を形成する光透過層形成工程を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する。換言すれば、光透過層形成工程では、透明基材、及び、透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付透明基材の前記導電パターンが設けられている側に光透過層を形成する。
本実施形態に係る積層体の製造方法について説明する。本実施形態に係る積層体の製造方法は、透明基材、及び、透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付透明基材の前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に光透過層を形成する光透過層形成工程を備え、前記導電パターンが導電材料を含有し、前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する。換言すれば、光透過層形成工程では、透明基材、及び、透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付透明基材の前記導電パターンが設けられている側に光透過層を形成する。
光透過層形成工程は、例えば、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する光透過層形成用組成物層を導電パターンの前記透明基材とは反対側に形成する工程と、光透過層形成用組成物層に活性光線を照射して光透過層を得る工程と、を含む。光透過層形成用組成物層は、支持フィルムと、当該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層が導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)に接するようにラミネートすることによって形成されてもよい。光透過層形成用組成物層は、光透過層を形成するための組成物層であり、例えば、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する。感光性樹脂組成物層は、光透過層形成用組成物層と同様の構成成分を含有しており、例えば、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有している。
図4は、本実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための模式断面図である。図4に示される方法では、まず、透明基材20上に導電パターン2aを形成して導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)30を作製する(図4(a)〜(d)参照)。
導電パターン付透明基材30は、透明基材20上に感光層4を設ける感光層形成工程(図4(a))と、感光層4にパターン状に活性光線Lを照射する第1の露光工程(図4(b))と、酸素存在下で、感光層4の少なくとも第1の露光工程における未露光部の一部又は全部に活性光線Lを照射する第2の露光工程(図4(c))と、第2の露光工程の後に感光層4を現像することにより導電パターン2aを形成する現像工程(図4(d))と、を経て得られる。感光層4は、透明基材20上の感光性樹脂組成物層3と、感光性樹脂組成物層3の透明基材20とは反対側の面に設けられた導電層2と、を含む。
上記感光層形成工程では、感光性導電フィルム10をラミネートすることによって感光層4を設けるラミネート工程を有していてもよい。ラミネート工程では、上述した感光性導電フィルム10を、感光性樹脂組成物層3が透明基材20に接するようにラミネートすることによって感光層4を設けてもよい。この場合、第1の露光工程では、感光層4上に支持フィルム1が配置されていてもよく、第2の露光工程の前に支持フィルム1を剥離してもよい。第1の露光工程は、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
ラミネート工程は、例えば、感光性導電フィルム10を加熱しながら感光性樹脂組成物層3を透明基材20に圧着して積層する方法により行われる。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で行われることが好ましい。感光性導電フィルム10の積層は、導電層2と、感光性樹脂組成物層3又は透明基材20とを70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、導電層2や感光性樹脂組成物層3を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め透明基材20を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために透明基材20の予熱処理を行うこともできる。
第1及び第2の露光工程では、活性光線を照射することによって感光性樹脂組成物層3が硬化される。導電パターンの形成方法においては、この硬化物によって導電層2が固定されることで、透明基材20上に導電パターン2a及び樹脂層(樹脂硬化層)3aが形成される。
露光工程における露光方法としては、例えば、アートワークと呼ばれるマスクパターン6(図4(b))を通して活性光線Lを画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光等を有効に放射するものが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の、紫外線、可視光等を有効に放射するものも用いられる。さらに、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の、可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法等を用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
第2の露光工程の前に支持フィルム1を剥離してもよいが、支持フィルムとしてガス透過性のフィルムを用い、第1の露光工程を真空下、不活性ガス雰囲気下又は酸素減圧下で行い、第2の露光工程を空気中等の酸素存在下、好ましくは高圧酸素下で行う等、露光時の雰囲気を調整することにより、支持フィルム1を剥離することなく、目的の導電パターンを形成することができる。
現像工程では、感光層4の露光部以外の部分が除去される。具体的には、感光層4上に透明な支持フィルム1が存在している場合には、まず、支持フィルム1を除去し、その後、ウェット現像により感光層4の露光部以外の部分を除去する。これにより、所定のパターンを有する樹脂層(樹脂硬化層)3a上に、導電材料を含有する部分が残り、導電パターン2aが形成される。
ウェット現像は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂に対応した現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。
現像液としては、安全且つ安定であり、操作性が良好なアルカリ性水溶液等を用いることが好ましい。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリなどが用いられる。
現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いてもよい。
本実施形態においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことにより樹脂層をさらに硬化してもよい。
次に、透明基材20と、透明基材20上に設けられた樹脂層(樹脂硬化層)3aと、樹脂層3a上に設けられた導電パターン2aとを有する導電パターン付透明基材30の導電パターン2aが設けられた側に、感光性樹脂組成物層8と、感光性樹脂組成物層8中に分散している色材9と、を有する光透過層形成用組成物層7を形成した後に露光して光透過層7aを得る光透過層形成工程が行われる(図4(e)及び図4(f))。
光透過層形成工程は、例えば、導電パターン付透明基材30の導電パターン2aが設けられた側に、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する光透過層形成用組成物層7を形成する光透過層形成用組成物層形成工程(図4(e))と、光透過層形成用組成物層7に活性光線を照射して光透過層7aを得る露光工程と、を含んでもよい。
例えば、上記光透過層形成用組成物層形成工程は、支持フィルムと、支持フィルム上に設けられた、色材(青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材)9を含有する光透過層形成用組成物層7とを有する感光性フィルムをあらかじめ作製し、導電パターン付透明基材30の導電パターン2a、及び、導電パターン2aが形成されていない樹脂層(樹脂硬化層)3aに上記光透過層形成用組成物層7が接するように感光性フィルムをラミネートする工程とすることもできる。
露光工程及びラミネート工程については、上記と同様の条件で行うことができる。感光性フィルムについても同様の条件により、導電パターン付透明基材に対してラミネートを行うことができる。
以上により、積層体50を製造することができる(図4(f))。積層体50には、視認性向上フィルム、又は、ハードコート層等の層をさらに設けることができる。図4(e)の積層体にこれらの層を設けた後、光透過層の硬化を行ってもよい。
上述した感光性フィルム(導電層を有さないフィルム)は、感光性導電フィルム(導電層を有するフィルム)とあわせてフィルムセットとして提供することもできる。すなわち、第1の支持フィルムと、当該第1の支持フィルム上に設けられた第1の感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルム、及び、第2の支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、第2の感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する感光性導電フィルムを含み、前記第1の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有し、前記第2の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、及び、光重合開始剤を含有する、フィルムセットを提供してもよい。フィルムセットは、上述した積層体の製造方法に用いることができる。
上記のフィルムセットを用いて、透明基材及び導電パターンを有する積層体を製造することで、導電パターンの表面抵抗率の上昇及び光透過性の低下を抑制しつつ、導電性繊維の表面で光が反射して導電パターンが白く見える現象が充分に抑制された積層体を提供することが可能である。フィルムセットを用いた積層体の製造方法としては、例えば上述した方法が挙げられる。例えば、図1の積層体50は、感光性導電フィルムを用いて導電パターン付透明基材30を作製し、感光性フィルムを用いて光透過層7aを作製することにより得ることができる。
感光性導電フィルムは、支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、バインダーポリマー、光重合性化合物(例えば、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物)、光重合開始剤、並びに、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する、感光性導電フィルムであってもよい。このような感光性導電フィルムを用いると、図2(d)に示すように、導電パターン2aと、導電パターン2a上に設けられた樹脂層(光透過層)3dを一括して形成できる。この場合、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含む光透過層を導電パターン2a及び樹脂層3d上にさらに形成する必要はない。ただし、この導電パターン2aは、表面の段差が見え易いので、形式は問わないが光透過層をさらに形成して表面凹凸を無くすことが好ましい。
感光性導電フィルムの感光性樹脂組成物層は、色材を含有していない態様であってもよい。例えば、図2(c)に示す積層体の導電パターン付透明基材は、色材を含有していない感光性樹脂組成物層を有する感光性導電フィルムを用いて、図5に示す手順により得ることができる。まず、支持フィルム1、感光層4(導電層2及び感光性樹脂組成物層3)並びに保護フィルム5がこの順に積層された構造を有する感光性導電フィルムを準備し、ラミネートロール60を用いて、支持フィルム1を剥離しつつ感光層4及び保護フィルム5を透明基材20上に積層する(図5(a)及び図5(b))。次に、マスクパターン6を通して活性光線Lを画像状に照射(図5(c))した後に現像することにより、図2(c)に示す積層体の導電パターン付透明基材を得ることができる(図5(d))。
<電子部品>
本実施形態に係る電子部品は、本実施形態に係る積層体を備えている。本実施形態に係る積層体は、タッチパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池、照明等の電子部品に用いることができる。
本実施形態に係る電子部品は、本実施形態に係る積層体を備えている。本実施形態に係る積層体は、タッチパネル、液晶ディスプレイ、太陽電池、照明等の電子部品に用いることができる。
図6(a)は、本実施形態に係る電子部品としてのタッチパネルを示す模式平面図である。図6(b)は、図6(a)の一部切欠き斜視図である。
図6に示すタッチパネル(静電容量式タッチパネル)は、透明基材(透明基材、タッチパネル用基材)100上に、静電容量変化を検出する透明電極103及び透明電極104を有しており、透明電極103,104の透明基材100とは反対側の面に、色材を含有する光透過層102を有している。透明電極103は、X位置座標の信号を検出する。透明電極104は、Y位置座標の信号を検出する。透明電極103及び透明電極104は、樹脂層101上に存在している。これらの電極及び樹脂層は、上述した導電パターンの形成方法により設けることができる。透明電極103,104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバ素子回路(図示せず)の制御回路に接続するための引き出し配線105a及び引き出し配線105bが接続されている。透明電極103と透明電極104とが交差する部分において透明電極103と透明電極104との間には、絶縁膜124が配置されている(図6(b)参照)。これらの透明電極及び樹脂層上に光透過層102が積層されている。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<導電性繊維分散液(銀繊維分散液)の調製>
[ポリオール法による銀繊維の調製]
2000mLの3口フラスコに、エチレングリコール500mLを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで攪拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mLのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mLに溶解した溶液と、重量平均分子量が8万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mLに溶解した溶液とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、その後160℃で60分間攪拌した。
[ポリオール法による銀繊維の調製]
2000mLの3口フラスコに、エチレングリコール500mLを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで攪拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl22mgを50mLのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO35gをエチレングリコール300mLに溶解した溶液と、重量平均分子量が8万のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mLに溶解した溶液とを、それぞれの滴下漏斗から1分間で滴下し、その後160℃で60分間攪拌した。
上記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により2000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え攪拌後に上記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は約40nmで、繊維長は約4μmであった。
[銀繊維分散液の調製]
純水に、上記で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の含有量となるように分散し、導電性繊維分散液1を得た。
純水に、上記で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の含有量となるように分散し、導電性繊維分散液1を得た。
<アクリル樹脂の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブとトルエンとの混合液(メチルセロソルブ/トルエン=3/2(質量比)、以下、「溶液s」という)400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意した。次に、80℃に加熱された溶液sに、溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、100gの溶液sにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。そして、滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加熱した。90℃で2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調整し、(A)成分としてのバインダーポリマー溶液を得た。得られたバインダーポリマーの重量平均分子量はGPCによる標準ポリスチレン換算で80000であった。これをアクリルポリマー(A1)とした。なお、重量平均分子量を測定したGPCの測定条件は下記のとおりである。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブとトルエンとの混合液(メチルセロソルブ/トルエン=3/2(質量比)、以下、「溶液s」という)400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意した。次に、80℃に加熱された溶液sに、溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、100gの溶液sにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。そして、滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加熱した。90℃で2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調整し、(A)成分としてのバインダーポリマー溶液を得た。得られたバインダーポリマーの重量平均分子量はGPCによる標準ポリスチレン換算で80000であった。これをアクリルポリマー(A1)とした。なお、重量平均分子量を測定したGPCの測定条件は下記のとおりである。
[GPC測定条件]
機種:日立L6000(株式会社日立製作所製)
検出:L3300RI(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL−R440 + GL−R450 + GL−R400M(日立化成株式会社製)
カラム仕様:直径10.7mm×300mm
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度:NV(不揮発分濃度)50質量%の樹脂溶液を120mg採取、5mLのTHFに溶解
注入量:200μL
圧力:4.9MPa
流量:2.05mL/min
機種:日立L6000(株式会社日立製作所製)
検出:L3300RI(株式会社日立製作所製)
カラム:Gelpack GL−R440 + GL−R450 + GL−R400M(日立化成株式会社製)
カラム仕様:直径10.7mm×300mm
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度:NV(不揮発分濃度)50質量%の樹脂溶液を120mg採取、5mLのTHFに溶解
注入量:200μL
圧力:4.9MPa
流量:2.05mL/min
<感光性樹脂組成物の溶液の調製>
表1及び表2に示す材料を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液X1〜X11を調製した。
表1及び表2に示す材料を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液X1〜X11を調製した。
表1及び表2に示す材料の詳細は下記のとおりである。
(A)成分
(A1):上記アクリルポリマー(A1)
(A1):上記アクリルポリマー(A1)
(B)成分
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMAPTA)
T−1420:ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD T−1420)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMAPTA)
T−1420:ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD T−1420)
(C)成分
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(BASF社製、LUCIRIN TPO)
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(BASF社製、LUCIRIN TPO)
(D)成分
VALIFAST BLUE 2606:alpha−Bis[4−(diethylamino)phenyl]−4−(ethylamino)naphthalene−1−methanol(青色染料、オリエント化学工業株式会社製、商品名)
OPLAS VIOLET 730:1−hydroxy−4−(p−tolylamino) anthracene−9,10−dione(紫色染料、オリエント化学工業株式会社製、商品名)
NX−051:Phthalocyanine Blue(青色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−051ブルー)
NX−053:Chromofne Blue(青色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−053ブルー)
NX−043:Dioxazine violet(紫色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−043バイオレット)
VALIFAST BLUE 2606:alpha−Bis[4−(diethylamino)phenyl]−4−(ethylamino)naphthalene−1−methanol(青色染料、オリエント化学工業株式会社製、商品名)
OPLAS VIOLET 730:1−hydroxy−4−(p−tolylamino) anthracene−9,10−dione(紫色染料、オリエント化学工業株式会社製、商品名)
NX−051:Phthalocyanine Blue(青色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−051ブルー)
NX−053:Chromofne Blue(青色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−053ブルー)
NX−043:Dioxazine violet(紫色顔料、大日精化工業株式会社製、NX−043バイオレット)
(その他)
OIL BLACK 860:Solvent Black 3(黒色染料、オリエント化学工業株式会社製、OIL BLACK 860)
SZ−6030:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ・シラン(SZ−6030、東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ−6030)
OIL BLACK 860:Solvent Black 3(黒色染料、オリエント化学工業株式会社製、OIL BLACK 860)
SZ−6030:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ・シラン(SZ−6030、東レ・ダウコーニング株式会社製、SZ−6030)
<感光性導電フィルムの作製>
上記導電性繊維分散液1を、支持フィルムである厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名:G2−50)上に26g/m2で均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温(25℃)において1MPaの線圧で加圧することにより、導電性繊維を含有する導電層を支持フィルム上に形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.1μmであった。
上記導電性繊維分散液1を、支持フィルムである厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人株式会社製、商品名:G2−50)上に26g/m2で均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温(25℃)において1MPaの線圧で加圧することにより、導電性繊維を含有する導電層を支持フィルム上に形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.1μmであった。
次に、支持フィルム上に形成された導電層上に上記感光性樹脂組成物の溶液X1〜X11を均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。なお、走査型電子顕微鏡写真により測定したところ、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。次に、感光性樹脂層をポリエチレン製の保護フィルム(カバーフィルム、タマポリ株式会社製、商品名「NF−13」)で覆い、感光性導電フィルムE1〜E11を得た。
<導電パターンの形成>
厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン−A300」)の表面上に前記で得られた感光性導電フィルムE1〜E11の保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.6m/min、0.4MPaの条件でラミネートした。
厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャイン−A300」)の表面上に前記で得られた感光性導電フィルムE1〜E11の保護フィルムを剥離しながら、感光性樹脂層をPETフィルムに対向させて、110℃、0.6m/min、0.4MPaの条件でラミネートした。
ラミネート後、PETフィルムを冷却し基板の温度が23℃になった時点で、感光特性調査用ステップタブレット(S/T;L/S=x/400、x=6〜47)マスクを被せ、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、20mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離し、50mJ/cm2の露光量で光照射した。
次に、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を40秒間スプレーすることにより現像した。さらにUV露光機により、1J/cm2の露光量を光照射した。
以上の操作により、PETフィルム上に、図1に示す導電パターンを形成した。
<感光特性(抜け解像度)の評価>
抜け解像度の評価として、ライン/スペース(L/400μm)パターンのライン幅L(単位:μm)を測定した。ライン幅が細いほど抜け解像性が高いことを意味する。結果を表3及び表4に示す。
抜け解像度の評価として、ライン/スペース(L/400μm)パターンのライン幅L(単位:μm)を測定した。ライン幅が細いほど抜け解像性が高いことを意味する。結果を表3及び表4に示す。
<透過b*及び全光線透過率の測定>
任意の大きさに切り出した厚さ0.1mmtのSiO2スパッタガラス上に上記方法で感光性導電フィルムE1〜E11をラミネートした。ラミネート後、ガラス基板の温度が23℃になった時点で支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、1000mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離して評価用基板とした。この評価用基板を用いて透過b*及び全光線透過率を測定した。評価用基板の透過b*は、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名「CM−5」)を用いて、基板と反対面からSCE方式で測定した。評価用基板の全光線透過率は、ヘーズメータ(日本電飾工業株式会社製、商品名「NDH−5000」)を用いて測定した。結果を表3及び表4に示す。なお、全光線透過率の単位は「%」である。
任意の大きさに切り出した厚さ0.1mmtのSiO2スパッタガラス上に上記方法で感光性導電フィルムE1〜E11をラミネートした。ラミネート後、ガラス基板の温度が23℃になった時点で支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、1000mJ/cm2の露光量で光照射した。光照射後、支持フィルムを剥離して評価用基板とした。この評価用基板を用いて透過b*及び全光線透過率を測定した。評価用基板の透過b*は、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、商品名「CM−5」)を用いて、基板と反対面からSCE方式で測定した。評価用基板の全光線透過率は、ヘーズメータ(日本電飾工業株式会社製、商品名「NDH−5000」)を用いて測定した。結果を表3及び表4に示す。なお、全光線透過率の単位は「%」である。
銀ペースト塗布後の乾燥工程(例えば、乾燥条件:145℃/70分)を想定して、145℃の熱風対流式乾燥機で70分間温度をかけた後、上記と同様の方法により評価用基板の透過b*及び全光線透過率を測定した。
耐光性試験として、上記評価(145℃/70分の処理評価)後の評価基板(比較例4の評価基板を除く)をサンテストXLS+(株式会社東洋精機製)で照射強度60W/m2(300〜400nm)、ブラックパネル温度60℃の条件で試験した。試験後、上記と同様の方法により評価用基板の透過b*及び全光線透過率を測定した。
<評価結果の判定>
以下を判定基準とし、「○」「×」と評価した。判定結果を表3及び表4に示す。
1)初期判定(145℃70min)
○:初期値 b*:≦0.4、T.T.:≧88.0%、且つ、
初期値からの変動 b*:≦±0.4、T.T.:≦±0.4%
×:上記以外
2)信頼性判定(145℃70min、耐光性試験:500h)
○:初期値 b*:≦0.4、T.T.:≧88.0%、且つ、
初期値からの変動 b*:≦±0.4、T.T.:≦±0.4%
×:上記以外
以下を判定基準とし、「○」「×」と評価した。判定結果を表3及び表4に示す。
1)初期判定(145℃70min)
○:初期値 b*:≦0.4、T.T.:≧88.0%、且つ、
初期値からの変動 b*:≦±0.4、T.T.:≦±0.4%
×:上記以外
2)信頼性判定(145℃70min、耐光性試験:500h)
○:初期値 b*:≦0.4、T.T.:≧88.0%、且つ、
初期値からの変動 b*:≦±0.4、T.T.:≦±0.4%
×:上記以外
本発明によれば、導電性繊維を含有する導電層を用いつつ、黄色味の上昇を抑制することができる。また、本発明によれば、このような積層体を得るためのフィルムセット及び感光性導電フィルムを提供することができる。
1…支持フィルム、2…導電層、2a…導電パターン、3,8…感光性樹脂組成物層、3a,3b,3c,7b,101…樹脂層、3d…樹脂層(光透過層)、4…感光層、5…保護フィルム、6…マスクパターン、7…光透過層形成用組成物層、7a,102…光透過層、8a…樹脂硬化物、9…色材、10…感光性導電フィルム、20,100…透明基材、30,31,32,33,34…導電パターン付透明基材(導電パターン付基材)、50…積層体、60…ラミネートロール、103…透明電極(X位置座標)、104…透明電極(Y位置座標)、105a,105b…引き出し配線、124…絶縁膜、L…活性光線。
Claims (14)
- 透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材と、
前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に設けられた光透過層と、を備え、
前記導電パターンが導電材料を含有し、
前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する、積層体。 - 前記色材の含有量が、前記光透過層の全量を基準として0質量%を超え0.2質量%以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記導電材料が、無機導電体及び有機導電体からなる群より選択される少なくとも一種の導電体を含む、請求項1又は2に記載の積層体。
- 前記導電材料が導電性繊維を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記導電性繊維が銀繊維である、請求項4に記載の積層体。
- 透明基材、及び、当該透明基材上に設けられた導電パターンを有する導電パターン付基材の前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に光透過層を形成する光透過層形成工程を備え、
前記導電パターンが導電材料を含有し、
前記光透過層が、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材を含有する、積層体の製造方法。 - 前記光透過層形成工程が、
バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する光透過層形成用組成物層を前記導電パターンの前記透明基材とは反対側に形成する工程と、
前記光透過層形成用組成物層に活性光線を照射する工程と、を含む、請求項6に記載の積層体の製造方法。 - 支持フィルムと、当該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルムを、前記感光性樹脂組成物層が前記導電パターン付基材に接するようにラミネートすることによって前記光透過層形成用組成物層が形成され、
前記感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する、請求項7に記載の積層体の製造方法。 - 前記色材の含有量が、前記光透過層の全量を基準として0質量%を超え0.2質量%以下である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
- 前記導電パターン付基材が、
前記透明基材上に設けられた感光性樹脂組成物層と、当該感光性樹脂組成物層の前記透明基材とは反対側に設けられた導電層と、を含む感光層に、パターン状に活性光線を照射する第1の露光工程と、
酸素存在下で、前記感光層の少なくとも前記第1の露光工程における未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第2の露光工程と、
前記第2の露光工程の後に前記感光層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、を経て得られたものであり、
前記感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、
前記導電層が導電材料を含有する、請求項6〜9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。 - 支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、バインダーポリマー、光重合性化合物、及び、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する感光性導電フィルムを、前記感光性樹脂組成物層が前記透明基材に接するようにラミネートすることによって前記感光層を設ける、請求項10に記載の積層体の製造方法。
- 第1の支持フィルムと、当該第1の支持フィルム上に設けられた第1の感光性樹脂組成物層と、を有する感光性フィルム、及び、
第2の支持フィルムと、導電材料を含有する導電層と、第2の感光性樹脂組成物層と、がこの順で積層されている構造を有する感光性導電フィルムを含み、
前記第1の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有し、
前記第2の感光性樹脂組成物層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有する、フィルムセット。 - 請求項6〜11のいずれか一項に記載の積層体の製造方法に用いられる、請求項12に記載のフィルムセット。
- 支持フィルム、
導電材料を含有する導電層、及び、
バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、青色染料、青色顔料、紫色染料及び紫色顔料からなる群より選択される少なくとも一種の色材と、を含有する感光性樹脂組成物層、がこの順で積層されている構造を有する、感光性導電フィルム。
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