JP2019148611A - 感光性導電フィルム、導電パターンの製造方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ - Google Patents

感光性導電フィルム、導電パターンの製造方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ Download PDF

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智紀 寺脇
奏美 中村
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奏美 中村
味岡 芳樹
Yoshiki Ajioka
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Abstract

【課題】太陽光、キセノンランプ等による長期間の光照射下においても、タッチパネルセンサの動作不良が発生し難い導電パターンを形成できる感光性導電フィルムを提供すること。【解決手段】一方の主面側に導電性繊維を用いてなる導電性ネットワーク2を設けた感光性樹脂層3を備える感光性導電フィルム7であって、感光性樹脂層3の厚みが27μm以上である、感光性導電フィルム7が開示される。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性導電フィルム、導電パターンの製造方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサに関する。
パソコン、テレビ等の大型電子機器からカーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器などには、液晶表示素子及びタッチパネルセンサが用いられている。
タッチパネルセンサは、すでに各種の方式が実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルセンサの利用が進んでいる。
一般に、静電容量方式のタッチパネルセンサでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、当該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成している。電極は透明導電膜用材料から形成される。
従来、透明導電膜用材料として、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジウム及び酸化スズ等が用いられている。
最近、ITO、酸化インジウム、酸化スズ等に替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。例えば、下記特許文献1には、導電性繊維を含有する導電膜を有する感光性導電フィルムによる導電パターンの形成方法が提案されている。この技術を用いれば、種々の基板上にフォトリソグラフィー工程で直接導電パターンを簡便に形成できる。
国際特許公開第2010/021224号
しかしながら、導電性繊維を含有する導電膜を有する感光性導電フィルムによって形成された導電パターンを、例えばタッチパネルセンサとして使用すると、導電パターンに太陽光、キセノンランプ等の光を長時間当てたときに、タッチパネルセンサが正常に動作しなくなる場合があるという問題があった。
本発明者らは、太陽光、キセノンランプ等の光を当てることによる導電パターンの抵抗値の上昇が、タッチパネルセンサの動作不良の原因であることを見出した。
そこで、本発明は、太陽光、キセノンランプ等による長期間の光照射下においても、タッチパネルセンサの動作不良が発生し難い導電パターンを形成できる感光性導電フィルムを提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、一方の主面側に導電性繊維を用いてなる導電性ネットワークを設けた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、感光性樹脂層の厚みが27μm以上である、感光性導電フィルムを提供する。
感光性導電フィルムにおいて、光照射による硬化後の酸素透過率は、8.00×10fm/s・Pa以下であってもよい。
上記導電性繊維は、銀繊維を含有していてもよい。
上記感光性樹脂層は、バインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有していてもよい。
別の側面において、本発明は、基板上に配置された上記感光性導電フィルムの感光性樹脂層に、パターン状に活性光線を照射する工程と、感光性樹脂層及び導電性ネットワークの一部を除去することにより導電パターンを形成させる工程と、をこの順に備える導電パターンの製造方法を提供する。
別の側面において、本発明は、基板と、基板上に設けられた導電パターンと、を備える導電パターン基板を提供する。導電パターンが、パターンを有する樹脂硬化物層と、樹脂硬化物層の基板とは反対の面側に設けられ、導電性繊維を用いてなる導電性ネットワークと、を有する。樹脂硬化物層が感光性樹脂の硬化物である。導電パターンの厚みが27μm以上である。
別の側面において、本発明は、上記導電パターン基板を備えるタッチパネルセンサを提供する。
本発明に係る感光性導電フィルムによれば、太陽光、キセノンランプ等による長期間の光照射下においても、タッチパネルセンサの動作不良が発生し難い導電パターンを形成することができる。
感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 感光性導電フィルムの一実施形態である支持フィルム付き感光性導電フィルム10を示す一部切欠き斜視図である。 感光性導電フィルムを用いた導電パターン形成方法の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の導電パターンの形成方法の別の実施形態を示す模式断面図である。 静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。 図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す模式図である。 図6のVII−VII線に沿った模式断面図である。 図5に示されるタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す図6に続く模式図である。 図8のIX−IX線に沿った模式断面図である。 図5に示されるa−a’線に沿った部分断面図である。 図5に示されるb−b’線に沿った部分断面図である。 実施例で作製した耐光性試験用のアウトセル型試料の模式平面図である。 図12のXIII−XIII線に沿った模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」又は「メタクリロイル基」を意味する。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む。
<感光性導電フィルム>
感光性導電フィルム7は、一方の主面側に導電性繊維を用いてなる導電性ネットワーク2を設けた感光性樹脂層3を備える。図1は、感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す支持フィルム付き感光性導電フィルム10は、支持フィルム1、支持フィルム1上に設けられた感光性樹脂層3、及び感光性樹脂層3の一方の主面側に設けられた導電性ネットワーク2を備える。感光性樹脂層3の厚みtは、27μm以上である。感光性樹脂層3は、支持フィルム1とは反対側に導電性ネットワーク2を有する構成であってもよい。
本明細書において、導電性ネットワーク2と感光性樹脂層3との境界は必ずしも明確になっている必要はない。導電性ネットワーク2は、感光性樹脂層3の面方向に導電性が得られるものであればよい。導電性ネットワーク2は、例えば、(1)感光性樹脂層3に含浸している状態、(2)感光性樹脂層3に含浸し、その一部分が感光性樹脂層3の主面から突出している状態、(3)感光性樹脂層3の主面上に層を形成している状態で存在してもよい。本明細書において、感光性樹脂層3の厚みtは、感光性樹脂層に含浸している導電性ネットワークの一部分を含めた厚みである。
図2は、感光性導電フィルムの一実施形態である支持フィルム付き感光性導電フィルム10を示す一部切欠き斜視図である。導電性ネットワーク2は、図2に示すように、導電性繊維を用いて形成されている。
[導電性ネットワーク]
導電性ネットワーク2は、複数の導電性繊維を含む。導電性ネットワークは、例えば、(1)導電性繊維同士が導電性を有する範囲で離れた状態、(2)導電性繊維同士が接触している状態、又は(3)導電性繊維同士が接点で融着されている状態にある繊維集合体であることができる。
(導電性繊維)
本明細書において繊維とは、繊維径が1〜100nm、繊維長が200nm以上の物質を指す。導電性ネットワーク2に含まれる導電性繊維としては、金、銀、銅、白金等の金属繊維又はカーボンナノチューブ等の炭素繊維などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。導電性ネットワークの導電性を容易に調整できることから、銀繊維を用いることが好ましい。
上記金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH等の還元剤で還元する方法、又はポリオール法により調製することができる。
導電性繊維の繊維径は、1〜50nmであることが好ましく、2〜20nmであることがより好ましく、3〜10nmであることがさらに好ましい。導電性繊維の繊維径が1nm以上であると、耐久性がより向上する傾向にある。導電性繊維の繊維径が50nm以下であると、光散乱によるヘーズの増加等の光学特性により優れる傾向にある。導電性繊維の繊維長は、1〜100μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、3〜10μmであることがさらに好ましい。導電性繊維の繊維長が1μm以上であると、十分な導電性を得ることができる傾向にある。導電性繊維の繊維長が100μm以下であると、導電性ネットワークの形成時に、凝集物の発生を抑制できる傾向にある。導電性繊維の繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
導電性ネットワーク2は、有機導電体を含んでいてもよい。有機導電体としては、特に制限されないが、例えばチオフェン誘導体、アニリン誘導体のポリマー等を用いることができる。より具体的には、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルピロリドン等を用いることができる。
導電性ネットワーク2は、例えば、支持フィルム1上に、上述した導電性繊維、有機導電体等を水及び/又は有機溶剤と、界面活性剤等の分散安定剤等を加えた導電性分散液を塗工した後、乾燥することにより形成することができる。
塗工は、例えばロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、30〜150℃で1〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。導電性ネットワーク2において、導電性繊維、有機導電体等は界面活性剤、分散安定剤等と共存していてもかまわない。
導電性分散液には、必要に応じて金属添加剤、アミン添加剤等を加えることができる。これによって、導電性分散液を塗工及び乾燥することにより形成した導電性ネットワークを含む導電パターンに、金属添加剤、アミン添加剤等を含有させることができる。
導電性ネットワーク2の厚みは、導電パターンの用途及び求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、0.001〜0.5μmであることがより好ましく、0.005〜0.1μmであることがさらに好ましい。導電性ネットワーク2の厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなり易い。導電性ネットワーク2の厚みは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
[感光性樹脂層]
感光性樹脂層3は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成することができる。感光性樹脂層3がこれら成分を含有することにより、基板と導電パターンとの接着性及びパターニング性を更に向上させることができる。
(バインダーポリマー)
(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましい。アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する重合性単量体を構成単位として有することがより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体に由来する重合体のことを意味する。
アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造される。このようなアクリル樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体としては、例えばジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体の他に、例えばスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸などの1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、例えば上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
(A)バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、バインダーポリマーを得るために使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、10〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、12〜30質量%であることがさらに好ましく、12〜25質量%であることが特に好ましい。アルカリ現像性に優れる点では10質量%以上であることが好ましく、アルカリ耐性に優れる点では、50質量%以下であることが好ましい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5000〜300000であることが好ましく、20000〜150000であることがより好ましく、30000〜100000であることがさらに好ましい。耐現像液性に優れる点では、重量平均分子量が、5000以上であることが好ましい。また、現像時間の観点からは、300000以下であることが好ましい。本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
(光重合性化合物)
(B)光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等のトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ウレタンモノマーなどが挙げられる。
(B)光重合性化合物の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、35〜70質量部であることがより好ましい。光硬化性及び形成された導電性ネットワーク上への塗工性に優れる点では、30質量部以上であることが好ましく、フィルムとして巻き取った場合の保管安定性に優れる点では、80質量部以下であることが好ましい。
(光重合開始剤)
(C)光重合開始剤は、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とが合うものを適宜選択することができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、オキサゾール系化合物などが挙げられる。
(C)光重合開始剤の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜15質量部であることがより好ましく、4〜12質量部であることがさらに好ましい。光感度に優れる点では、0.1質量部以上であることが好ましく、光硬化性に優れる点では、20質量部以下であることが好ましい。
(その他の成分)
感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤以外に、その他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、金属添加剤、アミン添加剤、レベリング材、密着性付与材、重合禁止材、顔料等が挙げられる。その他の成分を用いる場合、その含有量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部であってもよい。
感光性樹脂層3は、例えば、導電性ネットワーク2上に、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。ただし、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。また、感光性導電フィルム7又は支持フィルム付き感光性導電フィルム10は、感光性樹脂層3と導電性ネットワーク2の間に、他の層を介在させてもよい。
感光性樹脂層3の塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
感光性樹脂層3又は感光性樹脂層3を用いて形成される導電パターンのシート抵抗値は、透明電極として有効に活用できる観点から、2000Ω/□以下であることが好ましく、1000Ω/□以下であることがより好ましく、500Ω/□以下であることがさらに好ましい。なお、シート抵抗値は、例えば導電性ネットワーク2に含まれる導電性繊維及び有機導電体の種類、又は、導電性分散液の濃度若しくは塗工量によって上記範囲に調整することができる。また、導電性繊維の表面状態又は導電性繊維同士の接点状態を調整することでも、シート抵抗値を変動させることが可能である。
感光性樹脂層3の450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。感光性樹脂層3がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
感光性樹脂層3の厚みt(乾燥後の厚み)は、27μm以上である。感光性樹脂層3の厚みtは、用途により異なるが、27〜50μmであることが好ましく、27〜40μmであることがより好ましく、27〜35μmであることがさらに好ましい。厚みtが27μm以上であることが、太陽光、キセノンランプ等による長期間の光照射下においても、抵抗値上昇が発生し難い導電パターンの形成に寄与する。同様の観点から、厚みtが30μm以上であってもよい。厚みtが50μm以下であると、光透過の感度が充分となり、感光性樹脂層が光硬化し易い傾向にある。
光照射による硬化後の感光性樹脂層3の酸素透過率は、抵抗値上昇抑制の観点から、1.7×10fm/s・Pa(1.5×10cc/m・24h・atm)以下であることが好ましく、1.1×10fm/s・Pa(1.0×10cc/m・24h・atm)以下であることがより好ましく、8.0×10fm/s・Pa(7.0×10cc/m・24h・atm)以下であることがさらに好ましい。
(支持フィルム)
支持フィルム1としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性及び耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂層3からの剥離が容易となるように、離型処理されたものであってもよい。
支持フィルム1の厚みは、機械的強度の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。支持フィルム1の厚みを上記数値範囲とすることによって、例えば、導電性ネットワーク2を形成するために導電性分散液を塗工する工程若しくは感光性樹脂層3を形成するために感光性樹脂組成物の溶液を塗工する工程、又は露光した感光性樹脂層3を現像する前に支持フィルムを剥離する工程において、支持フィルムが破れることを防止することができる。また、支持フィルムを介して活性光線を感光性樹脂層に照射後のパターンの解像度を充分に確保する観点から、支持フィルム1の厚みは、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。以上の観点から、支持フィルム1の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることがさらに好ましく、0.01〜1.0%であることが特に好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7375(2008年制定)に準拠して測定することができる。また、NDH−1001DP(日本電色工業株式会社製、商品名)等の市販の濁度計等でも測定可能である。
(保護フィルム)
一実施形態の感光性導電フィルムは、感光性樹脂層3の導電性ネットワーク2を備える主面側と反対側の面に密着するように設けられた保護フィルムを備えていてもよい。
保護フィルムとしては、上述の支持フィルムとして例示した重合体フィルムを同様に用いることができる。
保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離し易くするために、感光性樹脂層3と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
保護フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚みが1μm以上ではラミネートの際、保護フィルムが破れにくくなる傾向があり、100μm以下であると価格を抑えることができる傾向がある。
<導電パターンの製造方法>
一実施形態に係る導電パターンの製造方法は、上記支持フィルム付き感光性導電フィルムを、感光性樹脂層が基板に密着するように基板にラミネートする工程と、上記支持フィルムを付けたまま基板上の感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する工程と、その後上記支持フィルムを剥離する工程と、露光した感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成させる工程と、を備える。これらの工程を経ることにより、基板上にパターニングされた導電パターンを備える導電パターン基板が得られる。以下、導電パターンの製造方法の例を、図面を参照して説明する。
図3に示すように、支持フィルム1、導電性ネットワーク2及び感光性樹脂層3を有する支持フィルム付き感光性導電フィルム10を、感光性樹脂層3が基板20に密着するように、基板20上にラミネートする(図3の(a))。次に、感光性樹脂層3にマスクパターン5を介して活性光線Lをパターン状に照射し(図3の(b))、現像により感光性樹脂層3及び導電性ネットワーク2の一部(未硬化部分、未照射部)を除去することにより、感光性樹脂層の硬化物であって、パターンを有する樹脂硬化物層3bと、樹脂硬化物層3b上に配置された導電性ネットワーク2aとを有する導電パターン30を形成する(図3の(c))。なお、本明細書において、パターンとはストライプ状の形状、ダイヤ形状が直列につながった形状等を含む。
図3の導電パターン基板40において、導電性ネットワーク2aと樹脂硬化物層3bの厚みは、基板20と導電パターン30との段差Hbとなる。段差Hbが大きいとディスプレイ等に要求される平滑性が得られにくくなる。また、段差Hbが大きいと導電パターン30が視認され易くなる。そのため、用途によって図3に示す方法と後述の図4に示す方法とを使い分ければよい。
図4に示すように、導電パターンの製造方法は、感光性樹脂層3の所定部分に活性光線を照射する第一の露光工程(図4の(b))と、その後、支持フィルム1を剥離してから、酸素存在下で、第一の露光工程での露光部及び未露光部の一部又は全部に活性光線を照射する第二の露光工程(図4の(c))と、を備えていてもよい。第二の露光工程は、例えば、空気中で行うことが好ましい。酸素濃度を増やした条件でもよい。
図4の導電パターンの製造方法の現像工程では、第二の露光工程で露光した感光性樹脂層3の充分硬化していない表層部分が除去される。具体的には、ウェット現象により感光性樹脂層3の充分硬化していない表層部分、つまり導電性ネットワーク2を含む表面層が除去される。これにより、表層部分が除去されたパターンを有する樹脂硬化物層3aと、樹脂硬化物層3aの主面の一部を覆うパターンを有する導電性ネットワーク2aと、から構成される導電パターン32が形成される。この導電パターン32を有する導電パターン基板42においては、樹脂硬化物層3aが導電性ネットワーク2aと同様のパターンを有している場合の段差(例えば、図3の段差Hb)に比べて、導電パターンによる段差Haをより小さくすることができる。
基板としては、ガラス基板、ポリカーボネート等のプラスチック基板などが挙げられる。基板は、450〜650nmの波長域での最小光透過率が80%以上であるものが好ましい。
例えば、保護フィルムがある場合はそれを除去した後、加熱しながら感光性樹脂層側を基板に圧着することにより、支持フィルム付き感光性導電フィルムを基板にラミネートすることができる。この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で行うことが好ましい。支持フィルム付き感光性導電フィルムのラミネートの際、感光性樹脂層及び/又は基板を70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。感光性樹脂層を上述のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基板の予熱処理を行うこともできる。
支持フィルムを付けたまま基板上の感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する工程(露光工程)において、露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源が用いられる。
露光工程での露光量は、使用する装置及び感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、5〜1000mJ/cmであることが好ましく、10〜200mJ/cmであることがより好ましい。光硬化性に優れる点では、10mJ/cm以上であることが好ましく、解像性の点では200mJ/cm以下であることが好ましい。
露光工程は2段階で行ってもよく、1段階目を上記の露光量で行った後、2段階目を100〜10000mJ/cmで行ってもよい。
ウェット現像は、用いる感光性樹脂に対応したアルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法により行われる。これらのうち、アルカリ性水溶液による高圧スプレー方式を用いることが、解像度向上の観点から好ましい。
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩、四ホウ酸ナトリウム等のアルカリ金属ホウ酸塩などが用いられる。
現像に用いるアルカリ性水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は0.1〜5質量%が通常用いられる。
アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
現像液としては、水又はアルカリ水溶液と、一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いることができる。ここで、アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、上述の塩基以外に、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−プロパノール、モルホリン等が挙げられる。
有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
水系現像液は、有機溶剤の濃度を2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。さらに、水系現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量添加することもできる。
有機溶剤系現像液としては、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
現像液は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
一実施形態に係る導電パターンの製造方法においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより導電パターンをさらに硬化してもよい。
一実施形態に係る導電パターンの製造方法によれば、ITO等の無機膜のようにエッチングレジストを形成することなく、ガラス、プラスチック等の基板上に容易に透明な導電パターンを形成することが可能である。
<導電パターン基板>
一実施形態に係る導電パターン基板は、基板と、基板上に設けられた導電パターンと、を備える。導電パターンが、パターンを有する樹脂硬化物層と、樹脂硬化物層の基板とは反対の面側に設けられ、導電性繊維を用いてなる導電性ネットワークと、を有し、樹脂硬化物層が感光性樹脂の硬化物であり、導電パターンの厚みが27μm以上である。導電パターンの厚みは、樹脂硬化物層及び導電性ネットワークの厚みの合計である。一実施形態に係る導電パターン基板は、例えば、上述した導電パターンの製造方法によって得られる。
透明電極として有効に活用できる観点から、導電性ネットワーク又は導電パターンのシート抵抗値が2000Ω/□以下であることが好ましく、1000Ω/□以下であることがより好ましく、500Ω/□以下であることがさらに好ましい。
一実施形態に係る導電パターン基板又は導電パターンは、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
<タッチパネルセンサ>
一実施形態に係るタッチパネルセンサは、上記導電パターン基板を備える。
図5は、静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。図5に示されるタッチパネルセンサ200は、透明基板101と、透明基板101の片面のタッチ位置を検出するためのタッチ画面102の領域内に設けられた、静電容量変化を検出してX位置座標とする透明電極103とY位置座標とする透明電極104とを備えている。これらの透明電極103及び104には、タッチパネルとしての電気信号を制御するドライバー素子回路と接続するための引出し配線105と、その引出し配線105と透明電極103及び104を接続する接続電極106とが配置されている。引出し配線105の接続電極106と反対側の端部には、ドライバー素子回路と接続する接続端子107が配置されている。
図6、図7、図8及び図9は、図5に示されるタッチパネルセンサ200の製造方法の一例を示す模式図である。図7は図6のVII−VII切断面の模式断面図であり、図9は、図8のIX−IX切断面の模式断面図である。この製造方法においては、一実施形態に係る導電パターンの形成方法によって透明電極103及び104が形成される。
まず、図6及び図7に示すように、透明基板101上に透明電極103(X位置座標)を形成する。具体的には、支持フィルム付き感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が透明基板101に設けられるようにラミネートする。ラミネートした感光性樹脂層3に対し、所望の形状に遮光マスクを介してパターン状に活性光線を照射する(第一の露光工程)。その後、遮光マスクを除き、さらに支持フィルムを剥離したうえで感光性樹脂層3に活性光線を照射する(第二の露光工程)。露光工程の後、現像を行うことで、硬化が不充分な感光性樹脂層3と共に、導電性ネットワーク2の一部が除去され、導電パターンが形成される。この導電パターンによりX位置座標を検知する透明電極103が形成される(図7)。一実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極103を形成することで、段差の小さな透明電極103(導電パターン)を設けることができる。
続いて、図8に示すように透明電極(Y位置座標)104を形成する。上記工程により形成された透明電極103を備える透明基板101に、さらに、新たな支持フィルム付き感光性導電フィルム10を感光性樹脂層3が密着するようにラミネートし、上記同様の操作により、Y位置座標を検知する透明電極104が形成される(図9)。一実施形態に係る導電パターンの形成方法により透明電極104を形成することで、透明電極103上に透明電極104を形成する場合であっても、段差を充分に小さくでき、気泡の捲き込みを充分に低減した、平滑性の高いタッチパネルセンサを作製することができる。
次に、透明基板101の表面に、外部回路と接続するための引出し配線105と、この引出し線と透明電極103、104を接続する接続電極106を形成する。図5では、引出し配線105及び接続電極106は、透明電極103及び104の形成後に形成しているが、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。引出し配線105は、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて、接続電極106を形成するのと同時に形成することができる。
図10及び図11はそれぞれ、図5に示されるa−a’及びb−b’に沿った部分断面図である。これらは、XY位置座標の透明電極の交差部を示す。図10及び図11に示されるように、透明電極が本発明に係る導電パターンの形成方法により形成されていることにより、段差が小さく平滑性の高いタッチパネルセンサを得ることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
銀繊維分散液(導電性ネットワーク形成用塗液)の調製
[ポリオール法による銀繊維の調製]
2000mLの3口フラスコに、エチレングリコール500mLを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで撹拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意した2mgのPtClを50mLのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、5gのAgNOをエチレングリコール300mLに溶解した溶液と、ポリビニルピロリドン(和光純薬株式会社製、重量平均分子量:5万8000)5gをエチレングリコール150mLに溶解した溶液とを、それぞれの滴下ロートから1分間で滴下した。その後反応溶液を160℃で60分間撹拌した。
上記反応溶液を、30℃以下になるまで放置した後、アセトンで10倍に希釈した。上記反応溶液の希釈液を、遠心分離機により2000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションにより取り除いた。沈殿物にアセトンを加え、撹拌後に、上記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションにより取り除いた。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は40nmで、繊維長は4μmであった。
[銀繊維分散液の調製]
銀繊維の濃度が0.2質量%、ドデシル−ペンタエチレングリコールの濃度が0.1質量%となるようにこれらを純水に分散し、銀繊維分散液を得た。
製造例2
バインダーポリマー溶液(A1)の調製
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す成分(1)を表1に示す配合量(質量部)で仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温した。反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す成分(2)を表1に示す配合量(質量部)で4時間かけて均一に滴下した。成分(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が45,000のバインダーポリマー溶液(固形分50質量%)(A1)を得た。バインダーポリマーの酸価は、78mgKOH/gであった。また、ガラス転移温度(Tg)は60℃であった。
Figure 2019148611
作製したバインダーポリマーの特性は、以下の方法で測定した。
(1)重量平均分子量
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、製品名)
(2)酸価
酸価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。 まず、バインダーポリマー溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×V×f×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、
は0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、
Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、
Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(3)ガラス転移温度(Tg)
バインダーポリマー溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、製品名「ピューレックスA53」)上に均一に塗布し、90℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して、乾燥後の厚みが40μmであるバインダーポリマーからなる膜を形成した。次いで高圧水銀ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、照射エネルギー量が400mJ/cm(i線(波長365nm)における測定値)となるように上記膜を露光した。露光された膜をホットプレート上にて65℃で2分間、次いで95℃で8分間加熱し、熱風対流式乾燥機にて180℃で60分間加熱処理をした。形成された硬化膜を、ポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離し、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS6000を用いて、昇温速度5℃/分で温度を上昇させたときの上記硬化膜の熱膨張率を測定し、その曲線から得られる変曲点をガラス転移温度Tgとして求めた。
実施例1
支持フィルム付き感光性導電フィルムV1の作製
[導電性ネットワークW1の作製]
製造例1で得られた銀繊維分散液を、厚み50μmの支持フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、帝人株式会社製、商品名「G2−50」)上に25g/mで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥し、導電性ネットワークW1を形成した。導電性ネットワークの乾燥後の厚みは、0.1μmであった。
[感光性樹脂組成物の溶液X1の作製]
表2に示す成分を表2に示す配合量(質量部)で、撹拌機を用いて15分間混合し、感光性樹脂組成物の溶液X1を作製した。表2中、バインダーポリマー及びその他の成分の配合量は、固形分の質量部を表す。
[支持フィルム付き感光性導電フィルムV1の作製]
感光性樹脂組成物の溶液X1を、支持フィルム上に形成された導電性ネットワークW1上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、感光性樹脂層を、保護フィルム(ポリエチレンフィルム、タマポリ株式会社製、商品名「NF−13」)で覆い、支持フィルム付き感光性導電フィルムV1を得た。感光性樹脂層の乾燥後の厚み(導電性ネットワークに含浸した部分を含む感光性樹脂層の厚み)は30μmであった。
[感光性導電フィルムの光照射による硬化後の酸素透過率の測定]
得られた支持フィルム付き感光性導電フィルムV1の保護フィルムを剥がしながら、濾紙(ADVANTEC製、商品名定性濾紙、直径11cm、厚み0.2mm)上に、感光性樹脂層が濾紙に密着するように支持フィルム付き感光性導電フィルムをラミネートして、濾紙上に、支持フィルム付き感光性導電フィルムV1が積層された積層体を作製した。ラミネートは、ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件で行った。
次いで、濾紙上の支持フィルム付き感光性導電フィルムV1に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、EXM1201)を使用して、支持フィルム側(感光性導電フィルムの導電性ネットワークを有する主面側の上方)から露光量40mJ/cmで、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、さらに導電性ネットワークを有する主面側の上方から露光量100mJ/cmで紫外線を照射し、感光性導電フィルムの硬化物を濾紙の全面上に有する積層体を得た。
得られた積層体(感光性導電フィルムの硬化物)の酸素透過率を差圧式ガス・蒸気透過率測定装置(GTRテック株式会社・ヤナコテクニカルサイエンス株式会社製GTR−30XAD2、G2700T・F)を使用して、試験条件を、温度23℃、差圧1.01×10Pa、透過面積0.79×10−4の条件で酸素透過率の測定を行った。結果を表2に示す。
[硬化後の感光性導電フィルムの厚みの測定]
支持フィルム付き感光性導電フィルムV1の保護フィルムを剥がしながら、ガラス基板(株式会社倉元製作所製、商品名SiO成膜品、縦6cm×横6cm、厚み1mm)上に、感光性樹脂層がガラス基板に密着するように支持フィルム付き感光性導電フィルムをラミネートして、ガラス上に、支持フィルム付き感光性導電フィルムV1が積層された積層体を作製した。ラミネートは、ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件で行った。
次いで、ガラス上の支持フィルム付き感光性導電フィルムV1に、散乱光線露光機(オーク製作所株式会社製、HMW−201GX)を使用して、支持フィルム側(感光性導電フィルムの導電性ネットワークを有する主面側の上方)から1J/cmの露光量で光照射して、感光性樹脂層を硬化させた。その後、支持フィルムを剥離した。
次いで、硬化後の感光性導電フィルムの厚みを、サーフコーダー(KOSAKA LABORATORY社製、SE−30D)を使用して、試験条件を送り速度0.5mm/sで測定した。結果を表2に示す。
[感光性導電フィルムのアウトセル型構成における耐光性試験]
支持フィルム付き感光性導電フィルムV1の保護フィルムを剥がしながら、樹脂基板(ポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡株式会社製、商品名A4100、縦6cm×横6cm、厚み50μm)上に、感光性樹脂層が密着するように支持フィルム付き感光性導電フィルムをラミネートして、PETフィルム上に支持フィルム付き感光性導電フィルムV1が積層された積層体を得た。ラミネートは、ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度110℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件で行った。
次いで、樹脂基板上の支持フィルム付き感光性導電フィルムV1に、平行光線露光機(オーク製作所株式会社製、EXM1201)を使用して、支持フィルム側(感光性導電フィルムの導電性ネットワークを有する主面側の上方)から露光量40mJ/cmで、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、さらに導電性ネットワークを有する主面側の上方から露光量100mJ/cmで紫外線を照射し、感光性導電フィルムの硬化物を樹脂基板全面に有する積層体を得た。得られた積層体のシート抵抗値を、非接触抵抗測定器(ナプソン株式会社製、EC−80P)により測定したところ、50±5Ω/□であった。
次いで、光学粘着シート(OCA)(日立化成株式会社製、商品名TE−5000H、厚み100μm)を用意した。OCAの片面のセパレータを剥がした後、上記積層体を、感光性導電フィルムの硬化物がOCAの粘着層に密着するようにラミネートして、樹脂基板上に、感光性導電フィルムの硬化物及びOCAが積層された積層体を作製した。ラミネートは、ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度室温(20〜30℃)、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件で行った。
得られた積層体(樹脂基板/感光性導電フィルムの硬化物/OCA)からOCAのセパレータを剥がした後、積層体を、OCAの粘着層とガラス基板(縦6cm×横6cm、厚み1mm)とが密着するようにガラス基板にラミネートして、樹脂基板上に、感光性導電フィルムの硬化物、OCA及びガラスがこの順に積層された積層体を作製した。この積層体の構成(樹脂基板/感光性導電フィルムの硬化物/OCA/ガラス)をアウトセル型の積層体と呼ぶ。ラミネートは、ラミネータ(日立化成株式会社製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度室温(20〜30℃)、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件で行った。
得られたアウトセル型の積層体(樹脂基板/感光性導電フィルムの硬化物/OCA/ガラス)のガラス基板に、縦6cm×横6cmの全面の3分の1の部分を覆うように、黒テープ(ニチバン株式会社製、ビニールテープVT−50黒)を貼り付けて、耐光性(耐候性)試験用試料を得た。
耐光性試験用のアウトセル型試料の模式平面図及び断面図をそれぞれ図12及び図13に示す。アウトセル型試料は、樹脂基板310、感光性導電フィルムの硬化物4a、OCA210、及びガラス基板300から構成され、これらがこの順に積層されている。ガラス基板300は、黒テープ(光遮蔽部)301によって全面の3分の1を覆われている。
耐光性試験用試料のシート抵抗値を、非接触抵抗計(ナプソン株式会社製、EC−80P)を用いて、耐光性試験用試料の樹脂基板面から測定した。シート抵抗値は、光照射部401(黒テープが貼り付けていない領域)と光遮蔽部端部402(黒テープを貼り付けた領域と貼り付けていない領域との境界部)の2箇所について測定した(図9参照)。シート抵抗値は光照射部及び光遮蔽部端部ともに55±5Ωであり、このシート抵抗値を耐光性試験前の初期値(R0)とした。
次いで、耐光性試験用試料に、耐光性試験機(アトラス マテリアルテクノロジー社製、SUNTEST XLS+)を用いてキセノンランプによって光照射した。試験条件は、ブラックパネル温度60℃、照射強度60W/m(波長300nm〜400nmの分光放射照度の積算値)、試験槽内の温度は45℃、湿度は15%RH、試験時間300時間で試験した。上記試験条件でのキセノンランプの波長365nmの照度は、0.8W/mであった。耐光性試験用試料の黒テープ貼り付け面側から光照射した。耐光性試験後、室温で1時間静置してから、改めて光照射部と光遮蔽部端部のシート抵抗値を測定した。この抵抗値を耐光性試験後のシート抵抗値(R1)とした。
耐光性試験前後のシート抵抗値R0及びR1から、R0に対するR1の比Rr(R1/R0)を算出し、Rrが1.2以下(抵抗上昇率が20%以下)のときをA(良好)とし、Rrが1.2を超えるときをB(不良)として、耐光性を評価した。
A:Rr≦1.2
B:Rr>1.2
比較例1
感光性樹脂層の乾燥後の厚み(導電性ネットワークに含浸した部分を含む感光性樹脂層の厚み)を5μmとした以外は、実施例1と同様にして感光性導電フィルムを作製し、硬化後の感光性導電フィルムの酸素透過率、厚み及び耐光性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2019148611
表2に示すように、実施例1の感光性導電フィルムを用いた耐光性試験用試料についての耐光性は、光照射部及び光遮蔽部端部において、いずれも良好であることが確認された。一方、比較例1の場合、光照射部及び光遮蔽部端部において、耐光性がいずれも不良であった。
本発明に係る感光性導電フィルムによれば、太陽光、キセノンランプ等による長期間の光照射下においても、抵抗値上昇又はタッチパネルセンサの動作不良が発生し難いセンサー電極(導電パターン)を形成することができる。本発明に係る感光性導電フィルムは、特に液晶表示素子等のフラットパネルディスプレイ、タッチパネルセンサ、太陽電池、照明等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成に用いることができる。
1…支持フィルム、2、2a…導電性ネットワーク、3…感光性樹脂層、3a、3b…樹脂硬化物層、4a…感光性導電フィルムの硬化物、5…マスクパターン、7…感光性導電フィルム、10…支持フィルム付き感光性導電フィルム、20…基板、30、32…導電パターン、40、42…導電パターン基板、101…透明基板、102…タッチ画面、103…透明電極(X位置座標)、104…透明電極(Y位置座標)、105…引出し配線、106…接続電極、107…接続端子、200…タッチパネルセンサ、210…OCA、300…ガラス基板、301…黒テープ(光遮蔽部)、310…樹脂基板、401…光照射部、402…光遮蔽部端部。

Claims (7)

  1. 一方の主面側に導電性繊維を用いてなる導電性ネットワークを設けた感光性樹脂層を備える感光性導電フィルムであって、
    前記感光性樹脂層の厚みが27μm以上である、
    感光性導電フィルム。
  2. 光照射による硬化後の酸素透過率が8.0×10fm/s・Pa以下である、請求項1に記載の感光性導電フィルム。
  3. 前記導電性繊維が銀繊維を含有する、請求項1又は2に記載の感光性導電フィルム。
  4. 前記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
  5. 基板上に配置された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムの感光性樹脂層に、パターン状に活性光線を照射する工程と、
    前記感光性樹脂層及び前記導電性ネットワークの一部を除去することにより導電パターンを形成させる工程と、
    を備える導電パターンの製造方法。
  6. 基板と、前記基板上に設けられた導電パターンと、を備え、
    前記導電パターンが、パターンを有する樹脂硬化物層と、前記樹脂硬化物層の前記基板とは反対の面側に設けられ、導電性繊維を用いてなる導電性ネットワークと、を有し、
    前記樹脂硬化物層が感光性樹脂の硬化物であり、
    前記導電パターンの厚みが27μm以上である、導電パターン基板。
  7. 請求項6に記載の導電パターン基板を備えるタッチパネルセンサ。
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