JP2018180200A - カラーホログラム記録装置およびカラーホログラム製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この波面プリンタは、コンピュータ内で生成した3次元デジタルデータ(ホログラムデータ)を空間光変調器(Spatial Light Modulator:SLM)を用いて再生し、得られた複素振幅分布(物体光)と、別の経路でホログラム面まで導かれた物体光と可干渉な光(参照光)との干渉縞をホログラム記録媒体に記録する。
この波面プリンタは、要素ホログラム(セル)を、上下左右に移動させながらセル単位でホログラムを記録し、最終的に1枚の大きなホログラムを生成している。
これは、ホログラム記録媒体において、カラー記録を行う場合、各色に応じた細かさの干渉縞のモノクロパターンを同一の感光層に重ね書きする必要があり、1色あたりの濃淡の強さ(光強度)が分配されてしまうからである。この多重記録の問題は、「P.Hariharan,“Basics of Holography”, p.35, Cambridge University Press, 2002/03/14」にも記載されている。
このとき、制御手段は、G色用の干渉縞記録時に、すべてのセルを書き込み対象とする。また、制御手段は、R色用の干渉縞記録時に、1セルずつ間隔を開けたセルを書き込み対象とする。また、制御手段は、B色用の干渉縞記録時に、R色用の干渉縞記録時の書き込み対象とはならないセルを書き込み対象とする。
そして、G色用のセルについては、すべてのセルを書き込み対象とするため、カラーホログラム記録装置は、全体として2回の露光によって、RGBのカラーホログラムを生成することができる。
また、RB光記録工程として、ホログラム記録媒体のホログラム面に、R色用のセルとB色用のセルとを相補的に交互に割り当て、R色用のセルに対しては、対応するR色用のホログラムデータを空間変調手段に表示してR色のレーザ光を発光させ、B色用のセルに対しては、対応するB色用のホログラムデータを空間変調手段に表示してB色のレーザ光を発光させる。
これによって、ホログラム製造方法は、ホログラム面に対して2回の露光によって、RGBのカラーホログラムを記録することができる。
本発明によれば、3原色のカラーホログラムを生成する際に、2回の書き込み(露光)でホログラムを生成することができる。これによって、本発明は、従来の3原色ごとの3回の書き込みに比べ、1回の書き込みにおける各色のダイナミックレンジ(振幅)を広くすることができ、ホログラム再生時における回折効率の低下を抑えることができる。
図1を参照して、本発明の実施形態に係るカラーホログラム記録装置1の構成について説明する。
光源10Rは、赤色レーザ光を発光するものである。この光源10Rは、赤色光の波長620〜750nmのうち、例えば、635nmの波長のレーザ光を発光する。
光源10Gは、緑色レーザ光を発光するものである。この光源10Gは、緑色光の波長495〜570nmのうち、例えば、532nmの波長のレーザ光を発光する。
光源10Bは、青色レーザ光を発光するものである。この光源10Bは、青色光の波長450〜495nmのうち、例えば、460nmの波長のレーザ光を発光する。
この光源10(10R,10G,10B)は、後記する光源切り替え手段11からの出力上で光軸が一致するように予め配置される。
光源10(10R,10G,10B)は、それぞれのレーザ光を、光源切り替え手段11に出射する。
ここでは、光源切り替え手段11は、シャッタ110と、径拡大手段111と、ミラー112,113と、光路変更手段114と、を備える。
なお、シャッタ110R,110G,110Bは、後記するホログラム記録制御装置50からの指示でレーザ光の通過、遮断が制御される。
ミラー113は、光源10Bが出射する青色レーザ光を光路変更手段114に反射するものである。
なお、光源切り替え手段11は、レーザ光の光軸を一致させる構成であれば、この構成に限定されるものではない。
このように、光源切り替え手段11は、赤色レーザ光、青色レーザ光、緑色レーザ光のいずれかを切り替えて出射する。
この空間光変調手段17は、ホログラム記録制御装置50から入力した色ごとのホログラムデータをページデータとして表示し、光路変更手段16から照射される光によって変調された光(複素振幅分布)を物体光として出射する。
レンズ180は、光路変更手段16から入射した光を遮蔽板181に集光する凸レンズである。
遮蔽板181は、不要光を除去するもので、ハーフゾーンプレート処理を行うための、物体光の半分を遮蔽するマスクである。
レンズ182は、遮蔽板181を通過した光を平行光に変換する凸レンズである。
この記録媒体移動手段20は、後記するホログラム記録制御装置50によって、書き込み単位のセルEHが、物体光と参照光とが重なる照射位置となるように制御される。
なお、セルEHの大きさは、人間の目の分解能である1画素を視覚に換算して1分(1/60度)に相当する大きさ以下が望ましい。例えば、視距離が2m前後であると想定し、セルEHの大きさは、0.5〜1.0mm程度とする。
図2に示すように、ホログラム記録制御装置50は、光源制御手段51と、セル位置制御手段52と、記憶手段53と、セルデータ表示手段54と、同期手段55と、を備える。
これによって、ホログラム記録制御装置50は、ホログラム記録媒体Hの書き込み対象のセルEHに干渉縞を記録するときだけ、3原色のいずれかのレーザ光のみを照射させることができる。
このセル位置制御手段52は、同期手段55から指定されたセルEHを、基準位置に移動するように、記録媒体移動手段20を駆動制御し、駆動を完了した後、駆動完了を同期手段55に通知する。
また、図3(b)に示すように、赤色(R)に対応するホログラムデータ(R光データ)については、水平および垂直に1セルずつ開けて書き込み対象のセルEH(R色用のセルEHR)を割り当てる。また、セルEHRの位置は、セルEHGに対して、それぞれ水平および垂直に1/2セル分ずらした位置とする。なお、図3(b)では、セルEHGの境界を破線で示している。
ここでは、セルEHRおよびセルEHGを、セルEHGに対して、1/2セルだけずらしているが、必ずしも厳密に1/2セルだけずらす必要はなく、少なくともセルEHRおよびセルEHGのセル境界が、セルEHGと重ならなければよい。
セル位置制御手段52は、図3で説明したように、同期手段55の制御によって、色ごとに異なるセルを、参照光と物体光とにより照射される基準位置に移動させる。
この記憶手段53は、ハードディスク、半導体メモリ等の一般的な記憶装置で構成することができる。なお、ここでは、記憶手段53に、G光データと、R光データと、B光データと、を予め分離して記憶することとしたが、カラーホログラムデータを記憶し、後記するセルデータ表示手段54は、必要とする色のホログラムデータを抽出することとしてもよい。
これによって、ホログラム記録制御装置50は、書き込み対象のセルEHに対応するRGBの各色用のホログラムデータを用いて物体光とすることができる。
これによって、カラーホログラム記録装置1は、従来のように3回の書き込みを行う場合に比べ、1色あたりのダイナミックレンジを広くとることができ、回折効率(照明光のうちで、ホログラム再生時に寄与する光の割合)の低下を抑えることができる。
すなわち、カラーホログラム記録装置1は、通常、N=3の書き込みを行う従来の手法に比べ、RおよびBを空間的に構造化しているため、N=2の書き込みでカラーホログラムを生成することができる。その結果、カラーホログラム記録装置1は、従来に比べ、2倍以上の回折効率の改善を図ることができる。
これによって、カラーホログラム記録装置1は、生成したホログラムの再生時における視認性を高めることができる。
次に、図4を参照(構成については、適宜図1,図2参照)して、本発明の実施形態に係るカラーホログラム記録装置1の動作(カラーホログラム製造方法)について説明する。なお、以下の動作で、カラーホログラム記録装置1は、G光のホログラムを記録するG光記録工程と、R光およびB光のホログラムを記録するRB光記録工程とを行うが、この順番は任意であり、どの色光のホログラムから記録しても構わない。
まず、ステップS1において、カラーホログラム記録装置1は、G光データの書き込み対象のセルEHを基準位置(照射位置)に移動させる。すなわち、ホログラム記録制御装置50は、同期手段55からセル位置制御手段52に、G光データに対応するセルEHを基準位置に移動させる指示を行う。そして、セル位置制御手段52は、記録媒体移動手段20を駆動制御し、ホログラム記録媒体Hを面方向に移動させて、書き込み対象のセルEHを基準位置に移動させる。
なお、カラーホログラム記録装置1は、ステップS1を動作するたびに、図3(a)で説明したように、すべてのホログラム面を覆うように、順次、セルEHGの位置を移動させる。
これによって、光路分離手段13で分離された緑色のレーザ光が、それぞれ、物体光および参照光として、書き込み対象のセルEHに照射され、干渉縞が記録される。なお、干渉縞を記録するための予め定めた時間の照射が完了した後、光源制御手段51は、シャッタ110Gを閉じて、レーザ光の照射を停止する。
ここで、すべてのセルEHへの記録が完了していない場合(No)、カラーホログラム記録装置1は、ステップS1に戻って、動作を継続する。一方、すべてのセルEHへの記録が完了した場合(Yes)、カラーホログラム記録装置1は、ステップS5に動作を進める。
次に、ステップS5において、カラーホログラム記録装置1は、R光データの書き込み対象のセルEHを基準位置(照射位置)に移動させる。すなわち、ホログラム記録制御装置50は、同期手段55からセル位置制御手段52に、R光データに対応するセルEHを基準位置に移動させる指示を行う。そして、セル位置制御手段52は、記録媒体移動手段20を駆動制御し、ホログラム記録媒体Hを面方向に移動させて、書き込み対象のセルEHを基準位置に移動させる。
なお、カラーホログラム記録装置1は、ステップS5を動作するたびに、図3(b)で説明したように、G光に対応するセルに対して、水平方向および垂直方向にそれぞれ1/2ずらし、かつ、1セルずつ開けて、順次、セルEHRの位置を移動させる。
これによって、光路分離手段13で分離された赤色のレーザ光が、それぞれ、物体光および参照光として、書き込み対象のセルEHに照射され、干渉縞が記録される。なお、干渉縞を記録するための予め定めた時間の照射が完了した後、光源制御手段51は、シャッタ110Rを閉じて、レーザ光の照射を停止する。
ここで、赤色を対象としたセルEHへの記録が完了していない場合(No)、カラーホログラム記録装置1は、ステップS5に戻って、動作を継続する。一方、赤色を対象としたセルEHへの記録が完了した場合(Yes)、カラーホログラム記録装置1は、ステップS9に動作を進める。
次に、ステップS9において、カラーホログラム記録装置1は、B光データの書き込み対象のセルEHを基準位置(照射位置)に移動させる。すなわち、ホログラム記録制御装置50は、同期手段55からセル位置制御手段52に、B光データに対応するセルEHを基準位置に移動させる指示を行う。そして、セル位置制御手段52は、記録媒体移動手段20を駆動制御し、ホログラム記録媒体Hを面方向に移動させて、書き込み対象のセルEHを基準位置に移動させる。
なお、カラーホログラム記録装置1は、ステップS9を動作するたびに、図3(c)で説明したように、G光に対応するセルに対して、水平方向および垂直方向にそれぞれ1/2ずらし、かつ、R光の対応するセルを補完するように1セルずつ開けて、順次、セルEHBの位置を移動させる。
これによって、光路分離手段13で分離された青色のレーザ光が、それぞれ、物体光および参照光として、書き込み対象のセルEHに照射され、干渉縞が記録される。なお、干渉縞を記録するための予め定めた時間の照射が完了した後、光源制御手段51は、シャッタ110Bを閉じて、レーザ光の照射を停止する。
ここで、青色を対象としたセルEHへの記録が完了していない場合(No)、カラーホログラム記録装置1は、ステップS9に戻って、動作を継続する。一方、青色を対象としたセルEHへの記録が完了した場合(Yes)、カラーホログラム記録装置1は、動作を終了する。
ここでは、記憶手段53にR光データとB光データとを個別に予め記憶した。しかし、R色用のセルおよびB色用のセルは相補的関係にあるため、予めR光データとB光データとを、ホログラム記録媒体Hに対する1つのホログラムデータ(RB光データ)として記憶しておくこととしてもよい。
また、ここでは、図3(b),(c)に示したように、R色用のセルEHRおよびB色用のセルEHBを、それぞれ、水平および垂直に1セルずつ開けて書き込み対象のセルとした。しかし、このセルの配置は、これに限定されるものではない。例えば、図5にその一例を示す。
図5(b)に示すように、赤色(R)に対応するホログラムデータ(R光データ)については、垂直に1セルずつ開けて書き込み対象のセルEH(R色用のセルEHR)を割り当てる。また、セルEHRの位置は、セルEHGに対して、それぞれ水平および垂直に1/2セル分ずらした位置とする。なお、図5(b)では、セルEHGの境界を破線で示している。
ここでは、セルEHRおよびセルEHBを、それぞれ、垂直方向に1セルずつ開けて、相補的に書き込み対象としたが、もちろん、それぞれ、水平方向に1セルずつ開けて、相補的に書き込み対象としても構わない。
また、ここでは、G光データに対応するセルに対して、R光データおよびB光データに対応するセルを1/2セルずらして干渉縞を記録した。しかし、R光データおよびB光データに対応するセルをずらさないこととしてもよい。この場合であっても、ホログラム記録媒体には、同一領域に2回の重ね書きしか行わないため、ホログラム再生時における回折効率の低下を抑えることができる。
ここでは、カラーホログラム記録装置1は、空間光変調手段17を用いて、計算機合成ホログラム等によって生成されたホログラムデータから物体光を生成した。
しかし、本発明は、実物体の物体光を用いてホログラムを生成する装置に応用することもできる。
図6に示すように、カラーホログラム記録装置1Bは、光源10と、光源切り替え手段11と、光路分離手段13と、ミラー15(151,152)と、拡大レンズ30と、拡大光学系31と、を備える。拡大レンズ30および拡大光学系31以外は、図1で説明したカラーホログラム記録装置1と同じである。
ただし、光源切り替え手段11における光源10の切り替えは、人手により別途スイッチ等を介して切り替えるものとする。
拡大光学系31は、ミラー151で反射されたレーザ光を、ホログラム記録媒体Hの大きさの平行光に変換するものである。
これによって、拡大光学系31から出射した参照光と、物体Oで反射した物体光とにより、ホログラム記録媒体Hに干渉縞を記録することができる。
ここで、G光のレーザ光により干渉縞を記録する場合、操作者は、ホログラム記録媒体Hの両面にはマスクを貼付せずに、光源10Gのシャッタ110Gを開ける。これによって、ホログラム記録媒体Hに、G光の参照光と物体光とにより、G光の干渉縞が記録される。
また、B光のレーザ光により干渉縞を記録する場合、操作者は、図3(c)で説明したようなG光の半分の領域で、R光を補完する領域を通過し、他の領域を遮断するチェスパターンのマスクMをホログラム記録媒体Hの両面に対向するように貼付して、光源10Bのシャッタ110Bを開ける。
このとき、マスクMの光を通過する領域の大きさは、カラーホログラム記録装置1のセルと同程度とすればよい。
10 光源
11 光源切り替え手段
12 1/2波長板
13 光路分離手段
14 空間フィルタ
15 ミラー
16 光路変更手段(PBS)
17 空間光変調手段(SLM)
18 不要光除去手段
19 縮小光学系
20 記録媒体移動手段
50 ホログラム記録制御装置(制御手段)
51 光源制御手段
52 セル位置制御手段
53 記憶手段
54 セルデータ表示手段
55 同期手段
Claims (4)
- 3原色であるRGBのカラーの干渉縞をセル単位でホログラム記録媒体に記録するカラーホログラム記録装置であって、
前記RGBの各色のレーザ光源のいずれかを切り替えて発光する光源切り替え手段と、
前記光源切り替え手段で切り替えて発光する光を2つの光路に分離する光路分離手段と、
分離された一方の光をホログラムデータにより物体光として変調する空間変調手段と、
前記ホログラム記録媒体の書き込み対象となるセルを前記物体光と前記光路分離手段で分離された他方の光である参照光とが重なる照射位置に移動させる記録媒体移動手段と、
前記RGBの色ごとに前記セル単位で前記記録媒体移動手段を駆動し、前記書き込み対象となるセルに対応するホログラムデータを前記空間変調手段に表示して、対応する色のレーザ光を前記光源切り替え手段で発光させる制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
G色用の干渉縞記録時に、すべてのセルを書き込み対象とし、
R色用の干渉縞記録時に、1セルずつ間隔を開けたセルを書き込み対象とし、
B色用の干渉縞記録時に、前記R色用の干渉縞記録時の書き込み対象とはならないセルを書き込み対象とすることを特徴とするカラーホログラム記録装置。 - 前記制御手段は、前記R色用のセルおよび前記B色用のセルの境界が前記G色用のセルの境界とは重ならない領域を、前記R色用のセルおよび前記B色用のセルの書き込み対象とすることを特徴とする請求項1に記載のカラーホログラム記録装置。
- 前記セルは前記ホログラム記録媒体を水平方向および垂直方向に区分する領域であって、
前記制御手段は、前記R色用およびB色用の干渉縞記録時に、前記G色用の干渉縞記録時のセルに対して、水平方向および垂直方向にそれぞれ1/2セルずらした領域を書き込み対象とすることを特徴とする請求項1に記載のカラーホログラム記録装置。 - レーザ光を2つの光路に分離した一方の光を物体光として変調する空間変調手段と、分離した他方の光である参照光と前記物体光とが重なる照射位置に、ホログラム記録媒体の書き込み対象となるセルを移動させる記録媒体移動手段と、を備えたカラーホログラム記録装置で、3原色であるRGBのカラーの干渉縞をホログラム記録媒体に記録するカラーホログラム製造方法であって、
前記ホログラム記録媒体のホログラム面に、G色用のセルを間隔を開けずに割り当て、前記G色用のセルに対応するG色用のホログラムデータを前記空間変調手段に表示してG色のレーザ光を発光させるG光記録工程と、
前記ホログラム記録媒体のホログラム面に、R色用のセルとB色用のセルとを相補的に交互に割り当て、前記R色用のセルに対しては、対応するR色用のホログラムデータを前記空間変調手段に表示してR色のレーザ光を発光させ、前記B色用のセルに対しては、対応するB色用のホログラムデータを前記空間変調手段に表示してB色のレーザ光を発光させるRB光記録工程と、
を含むことを特徴とするカラーホログラム製造方法。
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