JP2018179718A - 残留応力測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】音弾性法によって被検査体の残留応力の絶対値を算出するのに必要な被検査体の事前測定をすることなく、比較的短時間で被検査体の残留応力の絶対値を測定することが可能な残留応力測定方法を提供すること。【解決手段】残留応力測定方法であって、X線回折法によって、被検査体(1)又は被試験体の特定の部位の残留応力の値である残留応力値を測定する残留応力値測定工程と、音弾性法によって、前記特定の部位の応力の値であって残留応力値と相関を有する換算応力値を測定する換算応力値測定工程と、残留応力値測定工程で測定された残留応力値と換算応力値測定工程で測定された換算応力値とに基づいて換算応力値を残留応力値に変換する校正係数を算出する校正係数算出工程と、被検査体(1)の複数の部位を音弾性法で測定することにより得られた各換算応力値を校正係数に基づいてそれぞれ残留応力値に校正する校正工程と、を含むこと。【選択図】図1

Description

本発明は、被検査体の残留応力を測定する方法に関するものである。
従来、非破壊で被検査体の残留応力を測定する方法として、特許文献1等に見られるように、X線回折法や音弾性法が知られている。X線回折法は、被検査体に照射されたX線の回折の結果に基づいて当該被検査体の残留応力の状態を評価する方法である。音弾性法は、被検査体に入射した超音波(表面SH波等)が受信されるまでの時間に基づいて当該被検査体の残留応力の状態を評価する方法である。
特開2007−178157号公報
X線回折法では、被検査体の残留応力の値(絶対値)の測定が可能であるが、被検査体の極表層(表面から数μmの範囲)しか評価できず、また、X線回折法に用いる装置のセッティングや残留応力の計測に比較的多くの時間を要する。一方、音弾性法は、X線回折法に比べて計測時間が短く、また、被検査体の表面から深い範囲の評価が可能であるものの、計測結果から残留応力の絶対値を得るためには、被検査体の材料に起因する各パラメータ(音速や音弾性定数)の事前測定が必要となる。なお、各パラメータ(音速や音弾性定数)は、一般的に、被検査体と同じ条件で応力が印加される前のサンプルにより初期音速が測定され、さらに応力の付与に応じた音速の変化を測定することにより求められる。
本発明の目的は、音弾性法によって被検査体の残留応力の絶対値を算出するのに必要な被検査体の各パラメータ(音速や音弾性定数)の事前測定をすることなく、比較的短時間で被検査体の残留応力の絶対値を測定することが可能な残留応力測定方法を提供することである。
前記課題を解決する手段として、本発明は、被検査体の残留応力を測定する方法であって、X線回折法によって、前記被検査体又は前記被検査体と同材料からなる被試験体の特定の部位の残留応力の値である残留応力値を測定する残留応力値測定工程と、音弾性法によって、前記特定の部位の応力の値であって前記残留応力値と相関を有する換算応力値を測定する換算応力値測定工程と、前記残留応力値測定工程で測定された前記残留応力値と前記換算応力値測定工程で測定された前記換算応力値とに基づいて前記換算応力値を前記残留応力値に変換する校正係数を算出する校正係数算出工程と、前記被検査体の複数の部位を前記音弾性法で測定することにより得られた各換算応力値を前記校正係数に基づいてそれぞれ残留応力値に校正する校正工程と、を含む、残留応力測定方法を提供する。
本残留応力測定方法では、被検査体又は被試験体の特定の部位をX線回折法及び音弾性法の2つの方法で測定することにより、その部位の残留応力値及びそれと相関のある換算応力値が求まるので、これら残留応力値と換算応力値とに基づいて換算応力値を残留応力値に変換する校正係数が算出される。よって、X線回折法よりも短時間で計測可能な音弾性法によって被検査体の複数の部位を測定することにより、その測定で得られた各換算応力値を前記校正係数を用いることによって残留応力値に近似することが可能となる。したがって、本残留応力測定方法では、音弾性法によって被検査体の残留応力の絶対値を算出するのに必要な被検査体の各パラメータ(音速や音弾性定数)の事前測定をすることなく、X線回折法のみで被検査体の複数の部位を測定する場合よりも短時間で、かつ、X線回折法による測定と同程度の精度で被検査体の複数の部位の残留応力値を求めることができる。
この場合において、前記残留応力値測定工程及び前記換算応力値測定工程では、前記被検査体の前記特定の部位が測定されることが好ましい。
このようにすれば、校正工程における測定対象である被検査体と同一の被検査体の測定結果に基づいて校正係数が求められるので、校正係数の精度が高まる。よって校正工程における校正の精度が高まる。
また、記残留応力値測定工程では、前記残留応力値として、前記特定の部位について当該部位の表面から前記音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さの範囲の複数の部位について前記X線回折法で測定された各残留応力値の平均値を測定することが好ましい。
このようにすれば、校正係数算出工程において用いられる残留応力値が換算応力値測定工程で用いられる超音波の伝播深さに対応する値となるので、校正係数算出工程において前記特定の部位の表層(音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さよりも浅い部位)の残留応力値に基づいて校正係数が算出される場合に比べ、校正係数の精度が高まる。よって、校正工程における校正の精度が高まる。この方法は、被検査体の表面から音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さの範囲において残留応力値に勾配がある場合に特に有効である。
また、前記換算応力値測定工程では、前記換算応力値として、互いに異なる周波数を有する複数の超音波を用いることにより前記特定の部位の異なる深さについて前記音弾性法で複数の値を測定することと、各測定値に基づいて前記特定の部位の深さと前記換算応力値との関係を示す応力値関数を求めることと、を行い、前記校正係数算出工程では、前記残留応力値と前記応力値関数において深さがゼロのときの換算応力値とに基づいて前記校正係数を算出することが好ましい。
この態様では、校正係数算出工程において前記応力値関数において深さがゼロのときの換算応力値と残留応力値とに基づいて校正係数が算出されることにより、前記特定の部位について音弾性法によって単一の周波数で測定された換算応力値と前記残留応力値とに基づいて校正係数が算出される場合、つまり、互いに異なる深さにおける各応力値に基づいて校正係数が算出される場合に比べ、校正係数の精度が高まる。したがって、校正工程における校正の精度が高まる。
以上のように、本発明によれば、音弾性法によって被検査体の残留応力の絶対値を算出するのに必要な被検査体の各パラメータ(音速や音弾性定数)の事前測定をすることなく、比較的短時間で被検査体の残留応力の絶対値を測定することが可能な残留応力測定方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の残留応力測定方法の残留応力値測定工程及び換算応力値測定工程を示す概略図である。 上記残留応力測定方法の校正工程で測定する対象である被検査体とその測定点との関係を示す概略図である。 本発明の第2実施形態の残留応力測定方法の残留応力値測定工程の概略を示す図である。 本発明の第3実施形態の残留応力測定方法の換算応力値測定工程の概略を示す図である。 測定深さと応力値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の残留応力測定方法について、図1及び図2を参照しながら説明する。本残留応力測定方法は、残留応力値測定工程と、換算応力値測定工程と、校正係数算出工程と、校正工程と、を含んでいる。
残留応力値測定工程では、図1に示されるように、X線回折法によって、被検査体1の特定の部位の残留応力の値(絶対値)である残留応力値σが測定される。
換算応力値測定工程では、図1に示されるように、音弾性法によって、前記被検査体1の特定の部位(残留応力値測定工程で測定した部位と同じ部位)の換算応力値σ′が測定される。換算応力値σ′は、残留応力値σと相関を有する応力の値である。具体的に、残留応力値σは、換算応力値σ′と後述する校正係数kとの積によって表される。なお、本実施形態の測定方法を適用せず、通常の音弾性法のみで測定する場合には、換算応力値σ′は、被検査体1に応力が印加される前の状態(無応力状態)における初期音速や、被検査体1の材料に起因する音弾性定数(印加する応力に応じた音速の変化の割合)に基づいて残留応力値σに変換されることが可能である。本実施形態の換算応力値測定工程では、被検査体1の表面ないしその近傍の領域(以下、「表面領域」と称する。)を伝播する表面波(表面SH波やレーリー波)によって換算応力値σ′が測定される。具体的に、この換算応力値σ′は、送信部10から送信された超音波が表面波として受信部20に伝播するまでの時間に基づいて算出される。なお、表面領域は、被検査体1の表面から表面波の約1〜2波長の深さに相当する領域を意味する。
校正係数算出工程では、残留応力値測定工程で測定された残留応力値σと換算応力値測定工程で測定された換算応力値σ′とに基づいて校正係数kを算出する。校正係数kは、換算応力値σ′を残留応力値σに変換する係数である。例えば、図2の測定点AにおいてX線回折法によって測定された残留応力値σと同測定点Aにおいて音弾性法により測定された換算応力値σ′とに基づいて、σ=k×σ′の関係式が得られる。
校正工程では、図2に示されるように、被検査体1の複数の(図2では5つの)部位A〜Eを前記音弾性法で測定するとともに、その測定で得られた各換算応力値σ′を校正係数kに基づいてそれぞれ残留応力値σに校正する。これにより、被検査体1の複数の部位A〜Eにおける残留応力値σが得られる。
以上に説明したように、本実施形態の残留応力測定方法では、被検査体1の特定の部位をX線回折法及び音弾性法の2つの方法で測定することにより、その部位の残留応力値σ及びそれと相関のある換算応力値σ′が求まるので、これら残留応力値σと換算応力値σ′とに基づいて換算応力値σ′を残留応力値σに変換する校正係数kが算出される。よって、X線回折法よりも短時間で計測可能な音弾性法によって被検査体1の複数の部位A〜Eを測定することにより、その測定で得られた各換算応力値σ′を校正係数kを用いることによって残留応力値σに近似することが可能となる。したがって、本残留応力測定方法では、音弾性法によって被検査体1の残留応力の絶対値を算出するのに必要な被検査体1の事前測定をすることなく、X線回折法のみで被検査体1の複数の部位A〜Eを測定する場合よりも短時間で、かつ、X線回折法による測定と同程度の精度で被検査体1の複数の部位A〜Eの残留応力値σを求めることができる。
なお、残留応力値測定工程において、被検査体1の複数の部位(例えば、図2における測定点A及び測定点B)の残留応力値σの平均値が算出され、換算応力値測定工程において、被検査体1の前記複数の部位の換算応力値σ′の平均値が算出され、校正係数算出工程において、前記残留応力値σの平均値と前記換算応力値σ′の平均値とに基づいて校正係数kが算出されてもよい。
また、被検査体1と同じ材料からなりかつ同じ応力状態にある被試験体をX線回折法及び音弾性法で測定することによって校正係数kが算出され、校正工程においてその校正係数kが用いられてもよい。つまり、残留応力値測定工程において、前記被試験体の特定の残留応力値σが算出され、換算応力値測定工程において、被試験体の前記特定の部位(残留応力値測定工程で測定した部位と同じ部位)の換算応力値σ′が算出され、校正係数算出工程において、前記残留応力値σと前記換算応力値σ′とに基づいて校正係数kが算出され、校正工程において、被検査体1の複数の部位A〜Eが音弾性法で測定されるとともに、その測定で得られた各換算応力値σ′が校正係数kに基づいてそれぞれ残留応力値σに校正されてもよい。このことは、以下の第2実施形態及び第3実施形態においても同様である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の残留応力測定方法について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ工程、作用及び効果の説明は省略する。
図3に示されるように、本実施形態では、残留応力値測定工程において、残留応力値σとして、被検査体1の特定の部位について当該部位の表面から音弾性法で用いられる超音波(表面波)が伝播する深さ(本実施形態では表面波の1波長分の深さ)の範囲の複数の部位についてX線回折法で測定された各残留応力値σの平均値σaveを測定する。
具体的には、図3に示されるように、まずは、X線回折法によって被検査体1の表面の残留応力値σを測定する。その後、被検査体1の表面から第1深さd1分だけ電解研磨によって被検査体1を研磨する。そして、再びX線回折法によって新出面の残留応力値σを測定する。この操作を複数回繰り返すことにより、音弾性法で用いられる超音波(表面波)が伝播する深さの範囲の複数の部位についてX線回折法で測定された各残留応力値σの平均値σaveを算出する。
そして、校正係数算出工程では、その平均値σaveと換算応力値測定工程において音弾性法によって測定された換算応力値σ′とに基づいて校正係数kを算出する。
以上のように、本実施形態では、校正係数算出工程において前記平均値σaveが用いられる。すなわち、校正係数算出工程において用いられる残留応力値が換算応力値測定工程で用いられる超音波の伝播深さに対応する値となる。このため、校正係数算出工程において前記特定の部位の表層(音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さよりも浅い部位)の残留応力値σに基づいて校正係数kが算出される場合に比べ、校正係数kの精度が高まる。よって、校正工程における校正の精度が高まる。本実施形態の測定方法は、被検査体1の表面から音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さの範囲において残留応力値に勾配がある場合に特に有効である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の残留応力測定方法について説明する。なお、第3実施形態においても、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同じ工程、作用及び効果の説明は省略する。
図4に示されるように、本実施形態では、換算応力値測定工程において、換算応力値σ′として、互いに異なる周波数を有する複数の超音波(表面波)を用いることにより前記特定の部位の異なる深さについて音弾性法で複数の換算応力値σ′を測定することと、各測定値に基づいて前記特定の部位の深さと換算応力値σ′との関係を示す応力値関数F(図5を参照)を求めることと、を行う。なお、周波数が低い程、表面波は被検査体1の表面から深い範囲を伝播するので、互いに異なる複数の周波数の表面波によって前記特定の部位を測定することにより、被検査体1の表層近傍における応力勾配を把握すること(前記応力値関数Fを求めること)ができる。具体的には、前記特定の部位に対し、送信部10から第1周波数の表面波を送信し、これを受信部20で受信する。この伝播時間に基づいて換算応力値σ′1を測定する。次に、第1周波数よりも低い又は高い周波数を有する表面波を送信部10から送信し、これを受信部20で受信する。この伝播時間に基づいて換算応力値σ′2を測定する。そして、各換算応力値σ′に基づいて前記応力値関数Fを算出する。
続いて、校正係数算出工程では、前記応力値関数Fにおいて深さがゼロのときにおける換算応力値σ′と残留応力値測定工程においてX線回折法によって測定された残留応力値σとに基づいて校正係数kを算出する。
ここで、X線回折法では、被検査体1の極表層の部位(実質的に深さがゼロと評価可能な部位)の残留応力値が測定される。よって、前記応力値関数Fにおいて深さがゼロのときの換算応力値σ′と残留応力値σとに基づいて校正係数kが算出されることにより、前記特定の部位について音弾性法によって単一の周波数で測定された換算応力値σ′と前記残留応力値σとに基づいて校正係数kが算出される場合、つまり、互いに異なる深さにおける各応力値に基づいて校正係数kが算出される場合に比べ、校正係数kの精度が高まる。したがって、校正工程における校正の精度が高まる。
なお、換算応力値測定工程では、3以上の互いに異なる周波数の表面波によって測定された複数の換算応力値σ′に基づいて前記応力値関数Fが求められてもよい。このようにすれば、より校正係数kの精度が高まる。
次に、第2実施形態の残留応力値測定工程について、図3を参照しながら説明する。この実施例では、被検査体1として鋼材が用いられ、また、換算応力値測定工程では、5MHzの周波数を有する超音波が用いられた。音弾性法で用いられる超音波(表面波)の被検査体1の伝播深さは、被検査体1の表面から約1波長分の範囲である。この実施例では、被検査体1として鋼材が用いられるため、表面波の伝播範囲は、被検査体1の表面から約0.6mmの深さの範囲となる。
この実施例の残留応力値測定工程では、まず、X線回折法によって被検査体1の特定の部位の表面の残留応力値σが測定された。この測定結果は、−300MPaであった。なお、この部位には圧縮応力が印加されているため、残留応力値はマイナスの値となった。
次に、被検査体1の表面から第1深さd1(この実施例では150μm)だけ電解研磨によって被検査体1が研磨された。そして、その新出面の残留応力値σが測定された。この測定結果は、−250MPaであった。同様に、被検査体1の表面から第2深さd2(この実施例では300μm)の部位における残留応力値は、−200MPaであり、被検査体1の表面から第3深さd3(この実施例では450μm)の部位における残留応力値は、−150MPaであり、被検査体1の表面から第4深さd4(この実施例では600μm)の部位における残留応力値は、−100MPaであった。これより、被検査体1の前記特定の部位における残留応力値の平均値σaveは、−200MPaとなった。なお、測定点の位置や数は、上記の例に限られない。
以上より、被検査体1の特定の部位の残留応力値σとして表面波が伝播する深さの範囲の平均値σaveが求められることにより、前記特定の部位の表面の残留応力値σに基づいて校正係数kが算出される場合に比べ、校正係数kの精度が高まることが確認された。
続いて、第3実施形態の換算応力値測定工程について、図4及び図5を参照しながら説明する。この実施例においても、被検査体1として鋼材が用いられた。
この実施例の換算応力値測定工程では、5MHzの周波数を有する超音波(表面波)と2MHzの周波数を有する超音波(表面波)とによって前記特定の部位の換算応力値σ′が測定された。5MHzの周波数を有する超音波(表面波)による換算応力値σ′の測定値は、被試験体1の表面からの深さが約0.6mmの位置の値であり、−500MPaであった。2MHzの周波数を有する超音波(表面波)による換算応力値σ′の測定値は、被試験体1の表面からの深さが約1.5mmの位置の値であり、−400MPaであった。これより、前記応力値関数Fが求められた。
次に、校正係数算出工程では、前記応力値関数Fにおいて深さがゼロのときの換算応力値σ′(この実施例では約−567MPa)と、残留応力値測定工程で測定された残留応力値σ(この実施例では−700MPa)と、に基づいて校正係数kが算出された。
以上より、応力値関数Fにおいて深さがゼロのときの換算応力値σ′と残留応力値σとに基づいて校正係数kが算出されることにより、前記特定の部位について音弾性法によって単一の周波数で測定された換算応力値σ′(−400MPaや−500MPa等)と前記残留応力値σ(−700MPa)とに基づいて校正係数kが算出される場合に比べ、校正係数kの精度が高まることが確認された。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、換算応力値測定工程では、換算応力値σ′として、X線回折法で測定された残留応力値σと相関を有する伝播時間比が測定されてもよい。伝播時間比は、表面SH波が送信部10から受信部20まで伝播する時間のレーリー波が送信部10から受信部20まで伝播する時間に対する割合を意味する。
1 被検査体
10 送信部
20 受信部

Claims (4)

  1. 被検査体の残留応力を測定する方法であって、
    X線回折法によって、前記被検査体又は前記被検査体と同材料からなる被試験体の特定の部位の残留応力の値である残留応力値を測定する残留応力値測定工程と、
    音弾性法によって、前記特定の部位の応力の値であって前記残留応力値と相関を有する換算応力値を測定する換算応力値測定工程と、
    前記残留応力値測定工程で測定された前記残留応力値と前記換算応力値測定工程で測定された前記換算応力値とに基づいて前記換算応力値を前記残留応力値に変換する校正係数を算出する校正係数算出工程と、
    前記被検査体の複数の部位を前記音弾性法で測定することにより得られた各換算応力値を前記校正係数に基づいてそれぞれ残留応力値に校正する校正工程と、を含む、残留応力測定方法。
  2. 請求項1に記載の残留応力測定方法において、
    前記残留応力値測定工程及び前記換算応力値測定工程では、前記被検査体の前記特定の部位が測定される、残留応力測定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の残留応力測定方法において、
    前記残留応力値測定工程では、前記残留応力値として、前記特定の部位について当該部位の表面から前記音弾性法で用いられる超音波が伝播する深さの範囲の複数の部位について前記X線回折法で測定された各残留応力値の平均値を測定する、残留応力測定方法。
  4. 請求項1又は2に記載の残留応力測定方法において、
    前記換算応力値測定工程では、前記換算応力値として、互いに異なる周波数を有する複数の超音波を用いることにより前記特定の部位の異なる深さについて前記音弾性法で複数の値を測定することと、各測定値に基づいて前記特定の部位の深さと前記換算応力値との関係を示す応力値関数を求めることと、を行い、
    前記校正係数算出工程では、前記残留応力値と前記応力値関数において深さがゼロのときの換算応力値とに基づいて前記校正係数を算出する、残留応力測定方法。
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