JP2018178555A - 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材 - Google Patents

鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018178555A
JP2018178555A JP2017080446A JP2017080446A JP2018178555A JP 2018178555 A JP2018178555 A JP 2018178555A JP 2017080446 A JP2017080446 A JP 2017080446A JP 2017080446 A JP2017080446 A JP 2017080446A JP 2018178555 A JP2018178555 A JP 2018178555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vertical
horizontal
reinforcing
plate
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017080446A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6386616B1 (ja
Inventor
敏郎 竹渕
Toshiro Takebuchi
敏郎 竹渕
健吾 穴見
Kengo Anami
健吾 穴見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawada Industries Inc
Reuter Stokes Inc
Original Assignee
Kawada Industries Inc
MK Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawada Industries Inc, MK Engineering Inc filed Critical Kawada Industries Inc
Priority to JP2017080446A priority Critical patent/JP6386616B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6386616B1 publication Critical patent/JP6386616B1/ja
Publication of JP2018178555A publication Critical patent/JP2018178555A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】高い応力低減効果を期待することができる垂直接合部の補修補強方法、及び、修復後の接合部の状況を容易に確認することができ、施工性、耐久性等に優れた垂直接合部用補強材を提供する。【解決手段】垂直補剛材56に貫通孔58,59を形成し、補強材1を垂直補剛材56の左右両側に配置し、補強材1のボルト孔5,6、及び、垂直補剛材56の貫通孔58,59に高力ボルト64を挿通して支圧接合する。尚、デッキプレート52から垂直補剛材56の貫通孔58の下縁部58aまでの寸法H1が、水平当板3の上面からボルト孔5の上縁部5aまでの寸法J1と、高力ボルト64の直径Rとの和よりも規定寸法分だけ小さくなる位置に、垂直補剛材56の貫通孔58を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、橋梁等の鋼構造物における垂直接合部(一つの構造部材に対して他の部材を略垂直に接合させた部分)を補修し、或いは、補強する方法、及び、この方法に使用する補強材に関する。
鋼構造物においては、特定の構造部材の剛性を増加させるために、当該構造部材に対して各種の部材を接合することが行われている。例えば図6に示すように、鋼製のデッキプレート52(鋼床版)と、その上に形成されたアスファルト舗装層53とによって構成される鋼床版橋梁51では、デッキプレート52の下面側に、縦リブ(トラフリブ)54、横リブ55、垂直補剛材56等が溶接され、補剛される構造となっていることが多い。
デッキプレート52と、これらの補剛材(縦リブ54、横リブ55、垂直補剛材56等)との接合部(溶接部)には、デッキプレート52に荷重(輪荷重等)が作用した場合に、補剛材がデッキプレート52の変形を拘束するため、溶接止端部等において応力集中が生じ、疲労亀裂等の損傷が生じることが知られている。そして、このような損傷が生じた場合の補修方法、或いは、損傷を防止するための補強方法として、各部材の特性や条件等に応じて、従来より様々な方法(補修補強方法)が実施されている。
例えば、図7(1)に示すデッキプレート52と垂直補剛材56との溶接部において疲労損傷が生じた場合、損傷の状況に応じて適宜修復を行った後、垂直補剛材56に貫通孔58を形成し、図7(2)に示すように、左右一対のL形鋼61,61(補強材)を、垂直補剛材56の上部両側にそれぞれ配置し(より具体的には、垂直部62,62を垂直補剛材56にそれぞれ当接させるとともに、水平部63,63をデッキプレート52の下面にそれぞれ当接させた状態とし)、垂直補剛材56の貫通孔58、及び、L形鋼61のボルト孔に高力ボルト64を挿通し、ナットを締め付けてL形鋼61,61を固定し、損傷箇所(溶接止端部等)における応力集中を緩和して、疲労亀裂の進展或いは発生を防止しようとする方法が知られている。
特開2012−202194号公報
上述したように、垂直補剛材56の上部両側にL形鋼61,61を配置することにより、溶接止端部等における応力集中を緩和させようとする場合、L形鋼61の水平部63とデッキプレート52との密着性が重要になるところ、垂直補剛材56とデッキプレート52との接合部の両側にはビード57,57が存在しているため、図7(2)に示すようにL形鋼61,61を垂直補剛材56の上部両側に単純に取り付けようとしても、ビード57がL形鋼61,61の角部に対して干渉し、良好な密着性を得ることができない。
そこで、図7(3)に示すように、ビード57を含む垂直補剛材56の上端部56a(図7(1)参照)をガス溶断等によって切除したうえで、L形鋼61,61を垂直補剛材56の上部両側に取り付けたり、図7(4)に示すように、L形鋼61の垂直部62と垂直補剛材56との間(或いは、L形鋼61の水平部63とデッキプレート52との間)にフィラー(鋼板、アルミ板、ステンレス板等)を介在させることにより、L形鋼61の角部とビード57との干渉を回避するといった工夫が講じられている。
また、L形鋼61の取り付けに際しては、油圧ジャッキを用いてL形鋼61をリフトアップし、その押し上げ量を定量的に管理したり、或いは、外周面が円錐状のテーパーカラー(先端側の小径部の直径がL形鋼61のボルト孔の直径よりも小さく、後端側の大径部の直径がL形鋼61のボルト孔の直径よりも大きい)を、L形鋼61のボルト孔内に先端側から差し込み、これらの内側に挿通したボルト64を締め込んでテーパーカラーをボルト孔に押し付けることにより、垂直補剛材56の反力を利用してL形鋼61をリフトアップし、より確実にデッキプレート52とL形鋼61との密着性を確保しようとする方法(リフトアップ工法)なども試みられている。
しかしながら、上記のような従来方法による場合、効果(応力集中の低減効果)の確認が難しいという問題があるほか、L形鋼61の取付後においては、修復箇所を視認することができないため、亀裂が再発した場合にこれを確認することができないという問題がある。また、施工性、耐久性、及び、亀裂が残置した場合の適用性についても、更なる検証と検討が望まれている。
本発明は、このような従来技術における問題を解決しようとするものであって、従来技術と比較して高い応力低減効果を期待することができる垂直接合部の補修補強方法、及び、修復後の接合部の状況を容易に確認することができ、施工性、耐久性等に優れた垂直接合部用補強材を提供することを目的とする。
本発明に係る垂直接合部の補修補強方法は、垂直部材に貫通孔を形成し、ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されている左右一対の補強材を、垂直部材の左右両側に配置し、補強材のボルト孔、及び、垂直部材の貫通孔に高力ボルトを挿通して支圧接合することを特徴とし、更に、水平部材から垂直部材の貫通孔の下縁部までの寸法が、補強材の水平当板の上面から対応するボルト孔の上縁部までの寸法と、高力ボルトの直径との和よりも規定寸法分だけ小さくなる位置に、垂直部材の貫通孔を形成することを特徴としている。
尚、ここに言う「垂直接合部」は、水平部材に対して垂直部材が垂直に接合されているものだけではなく、90°±20°の範囲内の角度で接合されているものをも含む。また、この方法においては、補強材の取り付けに際し、補強材の水平当板の上面に、合成樹脂製の接触性向上剤を塗布することが好ましい。
更に、垂直部材における貫通孔の形成位置(即ち、垂直部材の貫通孔における上下方向についての有効開口寸法と、高力ボルトの直径とのギャップの寸法)を設定する際に、適用対象となる垂直接合部の構造を考慮に入れて事前に検証試験を実施し、実効性を確認した後で決定することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の垂直接合部の補修補強方法。
また、本発明に係る垂直接合部用補強材は、ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されていることを特徴としている。
本発明に係る垂直接合部の補修補強方法によれば、補強材と垂直部材とを、高力ボルトによって支圧接合することにより、補強材を上方へ押し上げて、水平当板を水平部材に対して強く押し付けることができ、良好な密着性を得ることができ、その結果、従来技術と比較して、垂直接合部において高い応力低減効果を期待することができる。更に、油圧ジャッキ等を用いることなく、容易に施工することができる。
また、本発明に係る垂直接合部用補強材は、垂直接合部への取付後において、接合部を外側から視認することができるほか、各種センサーの取り付けも可能で、補修補強後の状況を好適にモニタリングすることができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る補強材1の斜視図である。 図2は、図1に示す補強材1の側面図である。 図3は、本発明の第二実施形態に係る垂直接合部の補修補強方法の説明図であって、鋼床版橋梁51のデッキプレート52、垂直補剛材56、及び、補強材1の断面図である。 図4は、本発明の第二実施形態に係る垂直接合部の補修補強方法の説明図であって、鋼床版橋梁51のデッキプレート52、垂直補剛材56、及び、補強材1の断面図である。 図5は、本発明の第二実施形態に係る垂直接合部の補修補強方法の説明図であって、鋼床版橋梁51のデッキプレート52、垂直補剛材56、及び、補強材1の断面図である。 図6は、一般的な鋼床版橋梁51のデッキプレート52の下面側の構造を示す部分断面斜視図である。 図7は、デッキプレート52と垂直補剛材56との接合部における従来の補修補強方法の説明図。
以下、添付図面に沿って、本発明に係る「垂直接合部の補修補強方法」及び、この方法に使用する「補強材」を実施するための形態について説明する。図1は、本発明に係る補強材1(本発明の第一実施形態)の斜視図、図2はその側面図である。図示されているように、この補強材1は、二枚の鋼製の当板(垂直当板2、水平当板3)、及び、これらを連結する二つの鋼製の連結部4(連結部4a,4b)とによって構成されている。
垂直当板2と水平当板3は、90°の角度をもってL字状をなすように、かつ、最も近い端縁(垂直当板2の上端縁2aと、水平当板3の奥側端縁3a)同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔C1,C2がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されている。つまり、L形鋼における折曲部分(角部分)を省略したような形状となっている。尚、垂直当板2には、二つのボルト孔5,6が上下に並列するように形成されている。
連結部4a,4bは、補強材1の横幅方向へ間隔を置いた位置において、それぞれの両端部が垂直当板2及び水平当板3に対して溶接されている。尚、本実施形態においては、連結部4a,4bはいずれも鋼製の板材によって構成されているが、垂直当板2と水平当板3とを強固に連結できるものであれば、その形状は限定されない。
また、この補強材1は、その製造方法についても何ら限定されるものではなく、垂直当板2と水平当板3とを個別に成形し、その後、連結部4を介してこれらを接合して製造することもできるし、L形鋼の折曲部分(図1(2)に示す垂直当板2の上端縁2aと水平当板3の奥側端縁3aの間の部分)を機械切削により部分的に除去し、その後、連結部4を配置して製造することもできる。更に、L形鋼に連結部4を溶接した後で、折曲部分を除去するようにしても良い。
この補強材1は、図1、図2に示すものと対称的な形状のもう一つの補強材、及び、高力ボルト等とともに使用することにより、下記のような「鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法」を実施することができる。
図3〜図5は、本発明に係る垂直接合部の補修補強方法(本発明の第二実施形態)の説明図である。ここでは、鋼床版橋梁51のデッキプレート52と垂直補剛材56との垂直接合部に対して、本発明に係る方法を適用する場合の具体例について説明する。
まず、図3に示すように、垂直補剛材56(垂直部材)において、貫通孔58,59を上下に並列するように形成する。尚、貫通孔58,59の形成位置は、それぞれの下縁部58a,59aの位置を基準として、取り付けようとする補強材1等との関係において定める。
より詳細には、上側の貫通孔58については、デッキプレート52(水平部材)の下面から、貫通孔58の下縁部58aまでの寸法H1が、取り付けようとする補強材1の水平当板3の上面から、上側のボルト孔5の上縁部5aまでの寸法J1と、ボルト64の直径Rとの和よりも1.5mm小さくなる位置に形成する(H1=J1+R−1.5mm)。また、下側の貫通孔59については、デッキプレート52の下面から、貫通孔59の下縁部59aまでの寸法H2が、取り付けようとする補強材1の水平当板3の上面から、下側のボルト孔6の上縁部6aまでの寸法J2と、ボルト64の直径Rとの和よりも、1.5mm小さくなる位置に形成する(H2=J2+R−1.5mm)。
次に、図4に示すように、左右一対の補強材1,1を、垂直補剛材56の上部両側にそれぞれ配置する。より詳細には、垂直当板2,2を垂直補剛材56にそれぞれ当接させるとともに、水平当板3,3をデッキプレート52の下面にそれぞれ当接させた状態とする。
図7に示すL形鋼61を垂直補剛材56の上部両側に配置する場合、ビード57(図7(1)参照)がL形鋼61の角部に対して干渉し、良好な密着性を得ることができないため、従来方法においては、ビード57を含む垂直補剛材56の上端部56aを切除したり(図7(1)(3)参照)、L形鋼61の垂直部62と垂直補剛材56との間(或いは、L形鋼61の水平部63とデッキプレート52との間)にフィラーを介在させて(図7(4)参照)、L形鋼61の角部とビード57との干渉を回避していたが、本発明に係る補修補強方法において使用される補強材1は、図1及び図2に示すように、垂直当板2の上端縁2aと水平当板3の奥側端縁3aの間に、上下方向及び水平方向へそれぞれ十分な大きさの間隔が形成されているため、ビードとの干渉は問題とならず、従って、垂直補剛材56の上端部の切除や、フィラーの介在等の措置は基本的に不要である。
但し、デッキプレート52の勾配(横断勾配又は縦断勾配)等により、垂直補剛材56とデッキプレート52との接合部が直角でない場合には、直角との角度差を埋めるために、テーパ状(楔状)のフィラーをデッキプレート52と補強材1(水平当板3)との間に配置することができる。
垂直補剛材56の上部両側に補強材1,1をそれぞれ配置すると、垂直補剛材56の上側の貫通孔58の直径と、補強材1の上側のボルト孔5の直径が同一である場合には、垂直補剛材56の貫通孔58は、図4に示すように、補強材1のボルト孔5よりも1.5mmだけ上方へずれた状態となる。そして、補強材1のボルト孔5の上縁部5aから垂直補剛材56の貫通孔58の下縁部58aまでの、上下方向についての有効開口寸法Kは、ボルト64の直径Rよりも1.5mm小さい状態となる。また、垂直補剛材56の下側の貫通孔59、及び、補強材1の下側のボルト孔6についても同様である。
従って、ボルト64を、手前側(図4において左側)の補強材1のボルト孔5,6内へ差し込み、そこから更に奥へ押し込もうとしても、上記1.5mmのギャップにより、簡単にはボルト64の先端部を垂直補剛材56の貫通孔58,59内へ進入させることはできないが、ハンマー等を用いてボルトヘッドを叩いて、ボルト64の先端部を垂直補剛材56の貫通孔58,59内へ進入させ、更に、反対側(図4において右側)の補強材1のボルト孔5,6内を通過させ、図5に示すような状態にすると(支圧接合)、上記1.5mmのギャップによって、補強材1が上方へ押し上げられ、水平当板3がデッキプレート52の下面に対して強く押し付けられることになり、良好な密着性を得ることができ、その結果、従来技術と比較して、高い応力低減効果を期待することができる。
実際に、上述したような本発明に係る垂直接合部の補修補強方法における応力低減効果について、FEM解析によって検証してみたところ、従来技術(図7に示すようなL形鋼61を用いて補修補強方法を実施した場合)と比較して、高い応力低減効果を期待できることが確認された。
尚、デッキプレート52の下面は、完全な平滑面ではなく、微細な凹凸や変形部分(不陸)が少なからず存在しているため、補強材1を取り付けて、デッキプレート52の下面に水平当板3を当接させた場合、厳密な意味で面接触させることは難しく、両者間には必然的に空隙が生じることになる。このため、補強材1の取り付けに際しては、水平当板3の上面に、予め接触性向上剤(合成樹脂?)を塗布しておくことが望ましく、この場合、デッキプレート52と水平当板3との間の空隙を埋めることができ、その結果、デッキプレート52からの作用力を補強材1へ確実に伝達することができ、長期にわたって安定状態(ガタつかず、安定的に密着した状態)を維持することができる。
また、図7のL形鋼61を用いた場合、取付後において修復箇所(溶接部)を視認することができないため、亀裂が再発した場合にこれを確認することができなかったが、本発明に係る補修補強方法において使用される補強材1は、図1、図2に示すように、垂直当板2の上端縁2aと、水平当板3の奥側端縁3aの間に、上下方向及び水平方向へそれぞれ十分な大きさの間隔が形成されているため、修復箇所を視認することができるほか、各種センサーの取り付けも可能で、補修補強後の状況を好適にモニタリングすることができる。
更に、本発明に係る補修補強方法は、補強材1の取り付けに際して油圧ジャッキ等を用いる必要がなく、容易に施工することができ、また、十分な耐久性を期待することができる。
尚、上記第二実施形態においては、補強材1を垂直補剛材56の上部に配置した際に形成されるギャップの寸法(図4に示す有効開口寸法Kとボルト64の直径Rとの差)を1.5mmに設定しているが、必ずしもこの値には限定されず、適用対象となる垂直接合部や補強材の構造、その他の条件に応じ、実効性のある範囲内で適宜設定することができ、また、このギャップの寸法の設定に際しては、適用対象となる垂直接合部や補強材の構造、その他の条件を考慮に入れて事前に検証試験を実施し、実効性を確認した後で決定することが望ましい。
また、上記第二実施形態においては、鋼床版橋梁51のデッキプレート52と垂直補剛材56との垂直接合部に対して、本発明に係る補修補強方法を適用する場合の具体例について説明したが、本方法の適用対象は、当該垂直接合部には限定されず、鋼構造物における他の垂直接合部(水平部材に対して垂直部材を略垂直に接合させた部分)に対しても広く適用が可能である。
1:補強材、
2:垂直当板、
2a:上端縁、
3:水平当板、
3a:奥側端縁、
4,4a,4b:連結部、
5,6:ボルト孔、
5a:上縁部、
6a:上縁部、
51:鋼床版橋梁、
52:デッキプレート、
53:アスファルト舗装層、
54:縦リブ、
55:横リブ、
56:垂直補剛材、
56a:上端部、
57:ビード、
58,59:貫通孔、
58a:下縁部、
59a:下縁部、
61:L形鋼、
62:垂直部、
63:水平部、
64:ボルト
本発明に係る垂直接合部の補修補強方法は、垂直部材に貫通孔を形成し、ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されている左右一対の補強材を、垂直部材の左右両側に配置し、補強材のボルト孔、及び、垂直部材の貫通孔に高力ボルトを挿通して支圧接合することを特徴とし、更に、水平部材から垂直部材の貫通孔の下縁部までの寸法が、補強材の水平当板の上面から対応するボルト孔の上縁部までの寸法と、高力ボルトの直径との和よりも規定寸法分だけ小さくなる位置に、垂直部材の貫通孔を形成することにより、垂直当板が垂直部材に当接するとともに水平当板が水平部材の下面に当接した状態となるように左右一対の補強材を垂直部材の上部両側にそれぞれ配置した際に、補強材のボルト孔の上縁部から垂直部材の貫通孔の下縁部までの上下方向についての有効開口寸法が、高力ボルトの直径よりも小さくなる状態とし、ここに高力ボルトを挿通することを特徴としている。
尚、デッキプレート52の下面は、完全な平滑面ではなく、微細な凹凸や変形部分(不陸)が少なからず存在しているため、補強材1を取り付けて、デッキプレート52の下面に水平当板3を当接させた場合、厳密な意味で面接触させることは難しく、両者間には必然的に空隙が生じることになる。このため、補強材1の取り付けに際しては、水平当板3の上面に、予め接触性向上剤(合成樹脂)を塗布しておくことが望ましく、この場合、デッキプレート52と水平当板3との間の空隙を埋めることができ、その結果、デッキプレート52からの作用力を補強材1へ確実に伝達することができ、長期にわたって安定状態(ガタつかず、安定的に密着した状態)を維持することができる。
本発明に係る垂直接合部の補修補強方法は、垂直部材に貫通孔を形成し、ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されている左右一対の補強材を、垂直部材の左右両側に配置し、補強材のボルト孔、及び、垂直部材の貫通孔に高力ボルトを挿通して支圧接合することを特徴とし、更に、水平部材から垂直部材の貫通孔の下縁部までの寸法が、補強材の水平当板の上面から対応するボルト孔の上縁部までの寸法と、高力ボルトの直径との和よりも規定寸法分だけ小さくなる位置に、垂直部材の貫通孔を形成することにより、垂直当板が垂直部材に当接するとともに水平当板が水平部材の下面に当接した状態となるように左右一対の補強材を垂直部材の上部両側にそれぞれ配置した際に、補強材のボルト孔の上縁部から垂直部材の貫通孔の下縁部までの上下方向についての有効開口寸法が、高力ボルトの直径よりも小さくなる状態とし、ここに高力ボルトを挿通することにより、補強材を上方へ押し上げて、水平当板を水平部材の下面に押し付けることを特徴としている。

Claims (4)

  1. 水平部材に対して垂直部材を略垂直に接合させた鋼構造物の垂直接合部を補修補強する方法であって、
    垂直部材に貫通孔を形成し、
    ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されている左右一対の補強材を、垂直部材の左右両側に配置し、
    補強材のボルト孔、及び、垂直部材の貫通孔に高力ボルトを挿通して支圧接合することを特徴とし、
    更に、水平部材から垂直部材の貫通孔の下縁部までの寸法が、補強材の水平当板の上面から対応するボルト孔の上縁部までの寸法と、高力ボルトの直径との和よりも規定寸法分だけ小さくなる位置に、垂直部材の貫通孔を形成することを特徴とする垂直接合部の補修補強方法。
  2. 補強材の取り付けに際し、補強材の水平当板の上面に、合成樹脂製の接触性向上剤を塗布することを特徴とする、請求項1に記載の垂直接合部の補修補強方法。
  3. 垂直部材における貫通孔の形成位置を設定する際に、適用対象となる垂直接合部の構造を考慮に入れて事前に検証試験を実施し、実効性を確認した後で決定することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の垂直接合部の補修補強方法。
  4. ボルト孔が形成された垂直当板と、水平当板と、これらを連結する連結部とによって構成され、
    垂直当板と水平当板とが、L字状に、かつ、最も近い端縁同士の間に、上下方向及び水平方向について間隔がそれぞれ形成される位置関係をもって連結されていることを特徴とする垂直接合部用補強材。
JP2017080446A 2017-04-14 2017-04-14 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材 Active JP6386616B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017080446A JP6386616B1 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017080446A JP6386616B1 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6386616B1 JP6386616B1 (ja) 2018-09-05
JP2018178555A true JP2018178555A (ja) 2018-11-15

Family

ID=63444202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017080446A Active JP6386616B1 (ja) 2017-04-14 2017-04-14 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6386616B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020053737A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 株式会社タムラ製作所 情報通信システム
CN111663459A (zh) * 2020-05-21 2020-09-15 大连理工大学 一种基于高分子金属复合材料板的桥梁加固装置及其制作方法
JP2021032282A (ja) * 2019-08-21 2021-03-01 前田建設工業株式会社 締結構造、および締結構造による締結方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111455853B (zh) * 2020-04-13 2021-10-15 武船重型工程股份有限公司 一种钢梁阻尼安装工艺方法

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998908A (ja) * 1982-11-30 1984-06-07 三井造船株式会社 橋梁用タワ−の製造方法
JPH0637448U (ja) * 1992-10-23 1994-05-20 大成建設株式会社 ボルト穴位置ずれ修正装置
JPH0776010A (ja) * 1993-06-18 1995-03-20 Sho Bond Constr Co Ltd 構造物の板体圧着工法
JPH1068105A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 B M C:Kk 間隔調整兼用添接部材、これを用いた板材の補強構造および板材の補強方法
JP2007332667A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Nippon Oil Corp 炭素繊維を使用した鉄筋コンクリート製柱状構造物のじん性補強方法
JP2008308872A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Metropolitan Expressway Co Ltd Uリブ鋼床版
US20090077758A1 (en) * 2007-09-21 2009-03-26 Groupe Canam Inc. Bridge deck panel
JP2011202368A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Railway Technical Research Institute 補強材の継手構造及びその継手構造の構築方法
JP2012026178A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Ihi Corp 鋼床版垂直補剛材溶接部の補強構造及び補強方法
JP2012202194A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Nippon Steel Corp 鋼構造物の補強構造及び補強方法
JP2014134061A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Komaihaltec Inc 既設鋼板切断と新設部材接合方法
JP2015025325A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 株式会社Ihi き裂進展防止装置と方法
JP2015031017A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 太平洋セメント株式会社 鋼桁の補修・補強構造及びその構築方法
JP2015194047A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 阪神高速道路株式会社 鋼床版及び鋼床版の補強工法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998908A (ja) * 1982-11-30 1984-06-07 三井造船株式会社 橋梁用タワ−の製造方法
JPH0637448U (ja) * 1992-10-23 1994-05-20 大成建設株式会社 ボルト穴位置ずれ修正装置
JPH0776010A (ja) * 1993-06-18 1995-03-20 Sho Bond Constr Co Ltd 構造物の板体圧着工法
JPH1068105A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 B M C:Kk 間隔調整兼用添接部材、これを用いた板材の補強構造および板材の補強方法
JP2007332667A (ja) * 2006-06-15 2007-12-27 Nippon Oil Corp 炭素繊維を使用した鉄筋コンクリート製柱状構造物のじん性補強方法
JP2008308872A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Metropolitan Expressway Co Ltd Uリブ鋼床版
US20090077758A1 (en) * 2007-09-21 2009-03-26 Groupe Canam Inc. Bridge deck panel
JP2011202368A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Railway Technical Research Institute 補強材の継手構造及びその継手構造の構築方法
JP2012026178A (ja) * 2010-07-23 2012-02-09 Ihi Corp 鋼床版垂直補剛材溶接部の補強構造及び補強方法
JP2012202194A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Nippon Steel Corp 鋼構造物の補強構造及び補強方法
JP2014134061A (ja) * 2013-01-11 2014-07-24 Komaihaltec Inc 既設鋼板切断と新設部材接合方法
JP2015025325A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 株式会社Ihi き裂進展防止装置と方法
JP2015031017A (ja) * 2013-07-31 2015-02-16 太平洋セメント株式会社 鋼桁の補修・補強構造及びその構築方法
JP2015194047A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 阪神高速道路株式会社 鋼床版及び鋼床版の補強工法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020053737A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 株式会社タムラ製作所 情報通信システム
JP2021032282A (ja) * 2019-08-21 2021-03-01 前田建設工業株式会社 締結構造、および締結構造による締結方法
JP7316878B2 (ja) 2019-08-21 2023-07-28 前田建設工業株式会社 締結構造、および締結構造による締結方法
CN111663459A (zh) * 2020-05-21 2020-09-15 大连理工大学 一种基于高分子金属复合材料板的桥梁加固装置及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6386616B1 (ja) 2018-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018178555A (ja) 鋼構造物における垂直接合部の補修補強方法、及び、垂直接合部用補強材
JP5754238B2 (ja) 柱梁接合構造
JP2009052302A (ja) 鉄骨小梁の剛接構造
JP6304074B2 (ja) 鋼製部材の溶接接合方法および溶接接合構造
JP5754262B2 (ja) 柱梁接合構造
JP4641235B2 (ja) 鋼床版および鋼床版の補修方法
JP5218919B2 (ja) 柱梁接合部構造
JP5817958B2 (ja) 溶接継手の変形抑制部材とこの変形抑制部材を用いた変形抑制方法
JP5577676B2 (ja) 柱と梁の溶接接合構造
JP5682960B2 (ja) 鋼構造物の補強構造及び補強方法
JP6444912B2 (ja) 鋼構造物の補強・補修構造および方法
JP2015068005A (ja) 溶接接合連続小梁構造
JP6908542B2 (ja) 鋼桁の支承部周辺の補強方法
JP2018168653A (ja) 異径柱梁接合構造及びその製造方法
JP4705607B2 (ja) 鋼床版および鋼床版の製造方法
KR20140096872A (ko) 말뚝의 직렬 연결장치
JP4823966B2 (ja) 鋼床版および鋼床版の製造方法
JP2008127906A (ja) 鋼床板補強方法
CN220246710U (zh) 一种正交异型钢桥面板焊缝疲劳加固装置
JP6908323B2 (ja) アンカーボルト及び橋梁用伸縮装置
JP2009030357A (ja) 柱と梁の溶接接合構造
JP2021059837A (ja) 梁根太接合構造及び根太
KR101870872B1 (ko) 결합홀 덮개, 이를 이용한 파형강판 결합구조물 및 그 시공방법
JP5115012B2 (ja) 柱と梁の溶接接合構造
JP2017223032A (ja) 落橋防止装置の定着金具及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6386616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250