JP2018178491A - 伸縮機能付き可撓継手 - Google Patents
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Abstract
Description
連結された管渠間の継手部に配置される伸縮機能付き可撓継手であって、
外管と外管内に挿入された内管とが互いに管軸方向に相対的に移動可能に設けられた二重管と、内管に連結部を介して連結された後続管とを有し、連結された一方の管渠内に外管が固定され、他方の管渠内に後続管が固定されていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の伸縮機能付き可撓継手では、管渠(函渠)の継手部の目開きに合わせて、管渠(函渠)の内側にて連結された二重管を構成する内管と後続管との連結部が水平方向及び鉛直方向の変位に追従して屈曲することができる。
また二重管を構成する内管と後続管とは緊結プレートを介して連結されているため、地震等の地盤変位の際には内管が後続管に追従して外管内を移動してその外部に抜け出ることができる。加えて、地震等によって後続管が内管から脱落することを効果的に防止することができ、結果として土砂流入による管渠(函渠)の閉塞を防止し、例えば上下水道の流下機能、あるいは地下通路や共同溝などの空間利用としての機能を維持することができる。
図1は本発明を構成する二重管の一方である外管を示し、Aは縦断面図、BはAのa−a線における断面図、図2は本発明を構成する二重管の他方である内管を示し、Aは縦断面図、BはAのb−b線における断面図、図3は本発明を構成する後続管を示し、Aは半断面図、BはAのc−c線における断面図、図4は本発明の伸縮機能付き可撓継手を構成として、二重管に後続管を連結させた状態を示す断面図である。
後続管20は、例えば図3に示すようなプレキャスト製の推進工法用の鉄筋コンクリート管などで構成され、図3Aに示すように、後続管20の左端には細口段差状に形成された差込み口21の周囲にゴム輪22が周設される構成である。
また外管11は鋼管に限定されるものではなく、内管12及び後続管20もプレキャスト製鉄筋コンクリート管に限定されるものではない。外管11、内管12及び後続管20は、その他例えば塩ビ管、レジン管、FRPM管、鋼管など様々な材質からなる管を使用できる場合がある。
より詳しくは、内管12は、内管12の外周面に周設された複数のゴム輪14を介して外管11の内周面に接しており、このゴム輪14が外管11の内周面上を管軸方向に滑動することで移動することが可能となっている。また内管12と後続管20とは、内管12の端部に設けられたカラー部13と後続管20の差込み口21とで構成される連結部Pにおいて嵌合的に連結されている。すなわち、連結部Pは、内管12側のカラー部13の内側に後続管20側の差込み口21の外周面に周設されたゴム輪22が嵌合的に挿入される構成である。このような連結部Pは、内管12と後続管20とを連結する機能と共に、管軸Oに対して直交する方向(水平方向及び垂直方向、以下同様)に対する屈曲性(可撓性ともいう。)を備えたヒンジ機能を有する。
図5は発明の伸縮機能付き可撓継手を構成として、二重管及び後続管を管渠(函渠)内に施工した状態を示す概略断面図、図6は図5のd−d線における断面図、図7は地震等による地盤変位後の管渠(函渠)内の二重管及び後続管の状態を示す断面図である。尚、図7では地盤変位後の二重管10の管軸をO10で示し、後続管20の管軸をO20で示している。
図5及び図6に示す管渠1(1A及び1B)は、例えば中央に矩形状の空間部を備えたコンクリート製のボックスカルバート(函渠)であり、このような管渠1は、例えばコンクリート打設時に止水板を埋め込んで施工される公知の継手部2を介して縦方向(管軸方向)に複数連設されることにより上下水道、共同溝等の管路施設が構築されている。
尚、このような管渠1は工事現場で型枠を作った後に、その型枠の中にコンクリートを流し込んで作ったものでも良いし、予め工場にて生産したプレキャストコンクリート製の管渠1を工事現場に運び込んでつなぎ合わせるものであってもよい。
そこで、本発明では、連結部Pを跨いで前後する内管12の内周壁と後続管20の内周壁とを、管軸対称となる左右2箇所の位置において、ステンレス等の腐食に強い金属製のプレート板からなる緊結プレート30を介して連結することにより、ヒンジ機能を付与すると共に連結部Pにおける脱落を効果的に防止している。
図8は管渠内に架台を設置した状態を示す概略の正面図、図9は図8のe−e線における概略の平断面図である。
管渠1の上流側または下流側の開放箇所に後続管20(二重管10も同様)を吊り降ろし、計画される所定の位置まで夫々けん引機50、ワイヤー51、立込み反力52及び反力部材53等を駆使して引き込むことで施工する。後続管20の引き込みに際しては、これらの管を滑動させる架台(ガイドレール)60が使用される。
架台60は、H鋼61や平鋼(FL)62等により構成され、管の吊り降ろしを行う位置から所定の設置位置まで段差が生じないようにした状態で管渠1の中まで連続して配置される。尚、管渠1には、円形、矩形、馬蹄形など各種の内空断面を有するものが存在するが、それぞれの内空断面形状に合わせた架台60が施工されている。
次に、二重管10を構成する内管12と後続管20の内壁同士を緊結プレート30で連結する。
次に、二重管10を構成する外管11を一方の管渠1Aの内壁にアンカー41で固定し、後続管20を他方の管渠1Bの内壁にアンカー41で固定する。
次に、二重管10を構成する外管11及び後続管20と管渠1の内壁との隙間69にコンクリートなどの充填材70を充填する。これにより、外管11及び後続管20を管渠1内に固定することができると共に、既設の管渠1を補強することができる。
尚、充填材70の充填は、管渠1の区間中に挿入した管(二重管10と後続管20)の周りを含め区間全域に渡るように行ってもよいし、二重管10と後続管20が挿入された部分の周りだけに行ってもよい。また充填材70としては、コンクリートの他にモルタルやエポキシ系樹脂などを使用することができる。
例えば、上記実施例では、内管12と後続管20との間に架設される緊結プレート30を、管軸対称となる左右2箇所の位置に設けた例を示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の位置に設けた構成であっても良い。
2 : 継手部
10 : 二重管
11 : 外管
12 : 内管
13 : カラー部
14 : ゴム輪
20 : 後続管
21 : 差込み口
22 : ゴム輪
30 : 緊結プレート
31 : 長穴
41 : アンカー
42 : ボルト
43 : ナット
50 : けん引機
51 : ワイヤー
52 : 立込み反力
53 : 反力部材
60 : 架台
61 : H鋼
62 : 平鋼(FL)
69 : 隙間
70 : 充填材
O : 管軸
O10 : 変位後の二重管の管軸
O20 : 変位後の後続管の管軸
P : 連結部
Claims (6)
- 連結された管渠(1)間の継手部(2)に配置される伸縮機能付き可撓継手であって、
外管(11)と該外管(11)内に挿入された内管(12)とが互いに管軸方向に相対的に移動可能に設けられた二重管(10)と、前記内管(12)に連結部(P)を介して連結された後続管(20)とを有し、連結された一方の管渠(1A)内に前記外管(11)が固定され、他方の管渠(1B)内に前記後続管(20)が固定されていることを特徴とする伸縮機能付き可撓継手。 - 連結部(P)は、内管(12)側に設けられたカラー部(13)の内側に、後続管(20)の差込み口(21)が挿入される構成である請求項1記載の伸縮機能付き可撓継手。
- 内管(12)と後続管(20)とが、両者の間に架設された緊結プレート(30)を介して連結されている請求項1又は2記載の伸縮機能付き可撓継手。
- 一方の管渠(1A)の内壁と外管(11)との間及び他方の管渠(1B)の内壁と後続管(20)との間に、充填材(70)が充填されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管渠の伸縮機能付き可撓継手。
- 管渠(1)が、円筒形状、箱型形状又は馬蹄形状である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の伸縮機能付き可撓継手。
- 二重管及(10)及び後続管(20)が、円筒形状、箱型形状又は馬蹄形状である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の伸縮機能付き可撓継手。
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