JP2018178463A - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents

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啓 桐山
Hiroshi Kiriyama
啓 桐山
将之 河野
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将之 河野
将司 立石
Shoji Tateishi
将司 立石
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Abstract

【課題】組付性をより向上できる車両用ドアハンドル装置を提供する。
【解決手段】開口31dが形成され、該開口31dの前縁部31iに一対の係柱32,33が突設されたボビン31と、開口31dに対向する一対のランド54,55を有しボビン31に保持された基板51と、ボビン31に巻回されるとともに両端末部44,45の各々が各ランド54,55を横切る状態で各係柱32,33に巻き止められ各ランド54,55において各端末部44,45が結線されたワイヤ42を有するアンテナ40と、ボビン31、基板51及びアンテナ40を収容するハンドル本体とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用ドアハンドル装置に関するものである。
従来、車両用ドアハンドル装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用ドアハンドル装置は、基板(回路部)と、磁性体コア及び該磁性体コアに巻回されるワイヤを有するアンテナ(アンテナ部)と、磁性体コアの長手軸方向において互いに隣り合うように基板及びアンテナを連結する連結部とを備える。そして、アンテナの端末部(連結部及び内部接続部)は、基板に形成されたランド等の電送手段において、基板に電気的に接続されている。なお、基板、アンテナ及び連結部等はケース部材に収容されるとともに、該ケース部材はハンドル本体(ドアハンドル)に収容される。
特開2010−10916号公報
ところで、特許文献1では、アンテナの端末部を基板に電気的に接続するように構成されている。この場合、アンテナの端末部の経路が不安定なため、ランド等との相対位置がずれて基板との電気的な接続が煩雑になるなど、組付性が損なわれる可能性がある。
本発明の目的は、組付性をより向上できる車両用ドアハンドル装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用ドアハンドル装置は、開口が形成され、該開口の縁部に一対の係柱が突設されたボビンと、前記開口に対向する一対のランドを有し、前記ボビンに保持された基板と、前記ボビンに巻回されるとともに両端末部の各々が前記各ランドを横切る状態で前記各係柱に巻き止められ、前記各ランドにおいて前記各端末部が結線されたワイヤを有するアンテナと、前記ボビン、前記基板及び前記アンテナを収容するハンドル本体とを備える。
この構成によれば、前記ワイヤの前記各端末部を前記各ランドに結線する際、該ランドを横切らせて前記各係柱に巻き止めすることで、前記各端末部が前記各ランド(及び開口)に対向する状態で仮止めされる。この状態で、前記開口を通じて接合剤やこれを溶融させる熱源を供給することで、前記各端末部と前記各ランドとが接合・結線される。このように、前記各端末部を予め仮止めして経路を安定させた状態で前記各ランドと結線できるため、組付性をより向上できる。
上記車両用ドアハンドル装置について、前記ボビンは、前記各端末部が前記各ランドを横切る経路を案内するワイヤ案内部を有することが好ましい。
この構成によれば、前記ワイヤ案内部により、前記各端末部が前記各ランドを横切る経路が案内されることで、前記各端末部の位置ばらつきを抑制できる。
上記車両用ドアハンドル装置について、前記各係柱及び前記各ワイヤ案内部は、前記ボビンにおいて互いに相反する両側に配設されることが好ましい。
この構成によれば、前記各ワイヤ案内部に経路の案内された前記各端末部は、前記ボビンの両側間を横断して、即ち前記ボビンを板厚方向に横断して前記各係柱に巻き止められることで、前記各端末部をより堅固に固定できる。
上記車両用ドアハンドル装置について、前記各端末部に対して前記ワイヤ案内部を複数備えることが好ましい。
この構成によれば、前記各端末部及び前記各ランドの接合方法に応じてより最適な経路に前記各端末部が案内されるように、前記複数のワイヤ案内部から一の前記ワイヤ案内部を選択できる。
本発明は、組付性をより向上できる効果がある。
車両用ドアハンドル装置の一実施形態についてその構造を示す縦断面図。 同実施形態の車両用ドアハンドル装置についてその構造を示す分解斜視図。 同実施形態の車両用ドアハンドル装置についてその構造を示す斜視図。 同実施形態の車両用ドアハンドル装置についてその構造を示す斜視図。 同実施形態の車両用ドアハンドル装置についてその構造を示す斜視図。 同実施形態の車両用ドアハンドル装置についてその構造を示す斜視図。 車両用ドアハンドル装置の変形形態についてその構造を示す斜視図。 同変形形態の車両用ドアハンドル装置についてその作用を模式的に示す平面図。
以下、車両用ドアハンドル装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」という。また、車両の幅方向において、車室内方に向かう内側を「内側」といい、車室外方に向かう外側を「外側」という。
図1に示すように、例えばスマートエントリー(登録商標)システムに適用される車両用ドアハンドル装置10は、その内側の外形をなす第1のハンドルケース11を備える。この第1のハンドルケース11は、例えば樹脂材料にて前後方向に延びる長皿状に成形されている。
第1のハンドルケース11の前端部には、車両のドアのアウタパネル1を貫通して該アウタパネル1の内部に設けられる支持部材(図示略)に回動可能に支持される第1のアーム部11aが突設されている。また、第1のハンドルケース11の後端部には、同じくアウタパネル1を貫通して該アウタパネル1の内側に設けられたドア開閉機構(図示略)を操作する第2のアーム部11bが突設されている。そして、第1のアーム部11a及び第2のアーム部11bの間に挟まれる第1のハンドルケース11の前後方向中間部には、アウタパネル1の外側面との間に空隙GPをおいて把持部11cが形成されるとともに、外向きに開口する収容部11dが形成されている。従って、車両のユーザが把持部11cを把持して車両用ドアハンドル装置10を引張り操作すると、第1のアーム部11a側を回動基端として第2のアーム部11b側が引き出される方向に車両用ドアハンドル装置10が回動し、そのときドアが施錠状態になければ、第2のアーム部11bによってドア開閉機構が操作されてドアが開放される。
また、車両用ドアハンドル装置10は、その外側の外形をなす第2のハンドルケース12を備える。この第2のハンドルケース12は、例えば樹脂材料にて前後方向に延びる長皿状に成形されている。第2のハンドルケース12は、第1のハンドルケース11に取着されることで収容部11dの開口を閉塞する。第1のハンドルケース11及び第2のハンドルケース12はハンドル本体HDを構成する。
図2に併せ示すように、収容部11dには、モジュール30が収容されている。このモジュール30は、ボビン31と、該ボビン31に保持されたアンテナ磁心41、ワイヤ42及び基板51と、それらボビン31等を埋設する例えばホットメルト樹脂からなる略長尺状の樹脂モールド60とを備えて構成される。
図3及び図4に示すように、ボビン31は、前後方向に延在しており、当該方向中間部に、外向きに開口して前後方向に連通する略U字溝状の磁心ホルダ31aを有する。また、ボビン31は、磁心ホルダ31aの前端に接続された磁心掛止部31bを有する。この磁心掛止部31bは、磁心ホルダ31aよりも上下方向に拡幅されて内外方向に連通する略四角筒状に成形されており、後端において磁心ホルダ31aに連通する。さらに、ボビン31は、磁心掛止部31bの前端に接続されたワイヤ配索部31cを有する。このワイヤ配索部31cは、内外方向に連通する開口31dが形成されて略四角筒状に成形されている。
また、ボビン31は、ワイヤ配索部31cの外側面に面一に繋がるようにその前端に接続された絞り部31eを有するとともに、該絞り部31eの前端に接続された基板掛止部31fを有する。絞り部31eは、ワイヤ配索部31cよりも上下方向に縮幅された略平板状に成形されている。基板掛止部31fは、ワイヤ配索部31cと同等の幅寸法になるように絞り部31eよりも上下方向に拡幅されており、内向きに開口して前後方向に連通する略U字溝状に成形されている。
さらに、ボビン31は、磁心ホルダ31aの後端に接続された掛止部31gを有する。この掛止部31gは、磁心ホルダ31aよりも上下方向に拡幅されて内向きに開口する有底略四角筒状に成形されており、前端部に磁心ホルダ31aと連通する磁心掛止部31hを形成する。
また、ボビン31は、開口31dの縁部としての前縁部31i(ワイヤ配索部31cの前端部)に外向きに突設された上下一対の略T字状の係柱32,33を有する。さらに、ボビン31は、磁心ホルダ31aの前端部に互いに相反する上下方向に突設された一対の略T字状の中間係柱34,35を有するとともに、磁心ホルダ31aの後端部に上下方向片側に向かって突設された略T字状の戻用係柱36を有する。
また、ボビン31は、磁心掛止部31b及びワイヤ配索部31cの前後方向の範囲に亘って内向きに突設された上下一対の保持壁31jを有する。両保持壁31jの前端には、互いに対向する上下方向に一対のガイド突部31kが突設されるとともに、両保持壁31jの後端には、互いに対向する上下方向に一対の掛止爪31lが突設されている。同様に、ボビン31は、掛止部31gの前後方向の範囲で内向きに突設された上下一対の保持壁31mを有する。両保持壁31mの前端には、互いに対向する上下方向に一対のガイド突部31nが突設されるとともに、両保持壁31mの前後方向中間部には、互いに対向する上下方向に一対の掛止爪31oが突設されている。また、基板掛止部31fの先端には、互いに対向する上下方向に一対の掛止爪31pが突設されている。上下方向における片側のガイド突部31k,31n及び掛止爪31l,31o,31pは、前後方向に延びる略同一直線上に位置している。
なお、図6に示すように、上下方向に延在して磁心掛止部31b及びワイヤ配索部31cを前後方向に区画する仕切部31qには、内向きに突出する上下一対の略柱状の案内柱37が突設されている。各案内柱37の先端には、内向きに開口して前後方向に連通する略U字溝状のワイヤ案内部としての第1のワイヤ案内部37aが形成されている。また、仕切部31qには、案内柱37の後方で内向き斜め後方に突出する上下一対の略短冊状の案内片38が突設されている。各案内片38の先端には、内向きに開口して前後方向に連通する略V字溝状の第2のワイヤ案内部38aが形成されている。さらに、ワイヤ配索部31c及び絞り部31eの間の上下方向の段差は、上下一対の転回ガイド39を形成する。
図3に示すように、アンテナ磁心41は、磁性材料(フェライトなど)にて前後方向に延在する略四角柱状に成形されており、前端部及び後端部がそれぞれ両磁心掛止部31b,31hに掛止された状態で磁心ホルダ31aに装着・保持されている。ワイヤ42は、中間係柱34,35及び戻用係柱36の間に挟まれる前後方向の範囲でアンテナ磁心41の装着された磁心ホルダ31aに巻回される巻回部43を有するとともに、該巻回部43の両端に繋がる一対の端末部44,45を有する。ワイヤ42は、アンテナ磁心41と共に共振用コイルを構成する。この共振用コイルは、基板51に実装された共振用コンデンサ(図示略)と協働してアンテナ40を構成する。このアンテナ40は、車両のユーザが携帯する携帯機(図示略)との間でユーザ認証等を含めた必要情報の授受を行うためのものである。
巻回部43の後端に繋がる一方の端末部44は、図示時計回りに後方から戻用係柱36に引っ掛けられて前方に戻る転回部44aを有するとともに、中間係柱34に図示時計回りに1回巻きされる中間巻き部44bを有する。また、端末部44は、片側の第2のワイヤ案内部38a及び第1のワイヤ案内部37aに順次掛けられることでこれらに案内されつつ中間係柱34及び転回ガイド39の間を前後方向に延びる掛架部44cを有するとともに、図示時計回りに前方から転回ガイド39に掛けられて後方に戻る転回部44dを有する。さらに、端末部44は、図示時計回りに係柱32に複数回巻きされた状態で該係柱32に巻き止めされる巻き止め44eを有する。
図5に示すように、巻回部43の前端に繋がる他方の端末部45は、中間係柱35に図示反時計回りに1回巻きされる中間巻き部45aを有する。また、端末部45は、片側の第2のワイヤ案内部38a及び第1のワイヤ案内部37aに順次掛けられることでこれらに案内されつつ中間係柱35及び転回ガイド39の間を前後方向に延びる掛架部45bを有するとともに、図示反時計回りに前方から転回ガイド39に掛けられて後方に戻る転回部45cを有する。さらに、端末部45は、図示反時計回りに係柱33に複数回巻きされた状態で該係柱33に巻き止めされる巻き止め45dを有する。
図4に示すように、ワイヤ42等の設置されたボビン31には、基板51が保持されている。この基板51は、ボビン31の前後方向の寸法よりも若干大きい前後方向の寸法及び両保持壁31jの間の上下方向の離間距離と同等の上下方向の寸法(幅寸法)を有する略長尺状に成形されている。そして、基板51には、両ガイド突部31kに対応して互いに対向する上下方向に凹む一対のガイド溝51aが形成されるとともに、両ガイド突部31nに対応して互いに対向する上下方向に凹む一対のガイド溝51bが形成されている。基板51は、両ガイド溝51a,51bに両ガイド突部31k,31nが嵌入された状態で内側からボビン31に装着されることで、該ボビン31に対して前後方向に位置決めされている。このとき、両掛止爪31l,31o,31pが基板51を乗り越えてこれを掛止する。
基板51には、各種電子部品等が実装されている。また、基板51の内側面には、両ガイド突部31k及び両掛止爪31oの間に挟まれる前後方向の範囲で、例えば銅箔パターンからなるアンロックセンサ電極52が形成されている。このアンロックセンサ電極52は、基板51に電気的に接続されており、静電容量の変化に基づいてドアのドアアンロック指令を検知する静電容量センサを構成する。さらに、基板51の内側面には、その後端部において、例えば金属板からなるロックセンサ電極53が接合されている。このロックセンサ電極53は、上下一対の略四角形の電極部53aを有する。ロックセンサ電極53は、基板51に電気的に接続されており、静電容量の変化に基づいてドアのドアロック指令を検知する静電容量センサを構成する。
図5に示すように、基板51の外側面には、開口31dに内外方向で対向して、例えば銅箔パターンからなる上下一対の略四角形のランド54,55が形成されている。両ランド54,55は、これらを両掛架部44c,45b(端末部44,45)がそれぞれ横切るように配置されている。つまり、両掛架部44c,45bは、第1のワイヤ案内部37aにより両ランド54,55をそれぞれ横切る経路が案内されている。そして、両ランド54,55は、例えばはんだなど接合剤(図示略)により両掛架部44c,45bにそれぞれ接合・結線されている。これにより、ワイヤ42(共振用コイル)が基板51に電気的に接続される。
図2に示すように、基板51の基板掛止部31fよりも前方に突出する前端部の内側面には、略ブロック状のボードインコネクタ56が接合されている。基板51は、外側からのはんだ付けにてボードインコネクタ56に電気的に接続されている。そして、ボードインコネクタ56には、複数のケーブル57を介してコネクタ58が接続されている。このコネクタ58は、基板51に実装されている各種電子部品等に給電したり、各種電子部品等の情報をドア制御部(図示略)に出力したりするためのものである。ドア制御部は、それらの情報に基づいてドアの作動を制御する。例えばドア制御部は、アンロックセンサ電極52等によりドアアンロック指令が検知されていると判断すると、適宜の施錠機構を通じてドアをアンロック(解錠)させる。あるいは、ドア制御部は、ロックセンサ電極53等によりドアロック指令が検知されていると判断すると、同じく施錠機構を通じてドアをロック(施錠)させる。
図1に示すように、ワイヤ42に結線された基板51を保持するボビン31は、ロックセンサ電極53の両電極部53a及び複数のケーブル57を露出する状態で樹脂モールド60に埋設されることで、基板51等の一体化されたモジュール30を構成する。このモジュール30は、基板51(アンロックセンサ電極52)が把持部11cに対向する姿勢で収容部11dに収容されている。このとき、ロックセンサ電極53の両電極部53aは、第2のハンドルケース12の後端部に配置される。
次に、本実施形態の作用とともに、その効果について説明する。
(1)本実施形態では、ワイヤ42(共振用コイル)の各端末部44,45を各ランド54,55に結線する際、該ランド54,55を横切らせて各係柱32,33に巻き止めすることで、各端末部44,45が各ランド54,55(及び開口31d)に対向する状態で仮止めされる。この状態で、開口31dを通じて外側から接合剤(例えばはんだなど)やこれを溶融させる熱源(例えばはんだコテ、レーザー光など)を供給することで、各端末部44,45と各ランド54,55とが接合・結線される。このように、各端末部44,45を予め仮止めして経路を安定させた状態で各ランド54,55と結線できるため、組付性をより向上できる。すなわち、各端末部44,45が各ランド54,55を横切る経路が安定していることで、例えばワイヤ42の配索や各掛架部44c,45bにおけるはんだ付け工程が工作機により自動化できる可能性が高くなる。
(2)本実施形態では、ボビン31は、各端末部44,45が各ランド54,55を横切る経路を案内する第1のワイヤ案内部37aを有する。従って、第1のワイヤ案内部37aにより、各端末部44,45が各ランド54,55を横切る経路が案内されることで、各端末部44,45の位置ばらつきを抑制できる。そして、各端末部44,45をより円滑に各ランド54,55と結線できる。
(3)本実施形態では、各係柱32,33及び各第1のワイヤ案内部37aは、ボビン31において互いに相反する両側(外側及び内側)に配設されている。従って、第1のワイヤ案内部37aに経路の案内された各端末部44,45は、ボビン31の両側間を横断して、即ちボビン31を板厚方向に横断して各係柱32,33に巻き止められることで、各端末部44,45をより堅固に固定できる。
(4)本実施形態では、基板51に銅箔パターンからなるアンロックセンサ電極52(人の接近又は接触を検出する静電容量センサのセンサ電極)を形成したことで、例えば金属板からなる別体のアンロックセンサ電極を設ける場合に比べて部品点数及び製造工数を削減でき、ひいてはコストを削減できる。
(5)本実施形態では、アンテナ磁心41、ワイヤ42(共振用コイル)及び基板51(共振用コンデンサ)で構成されるアンテナ40がボビン31に一体化されていることで、組付性を向上でき、あるいは組付け後の製品ばらつきをより低減できる。例えば樹脂モールド60の成形型にボビン31等を設置する際の工数を削減できる。
(6)本実施形態では、基板51の先端(前端)にボードインコネクタ56を配置したことで、例えば樹脂モールド60の成形型にボビン31等を設置する際にケーブル57によって煩わされる可能性を低減でき、より簡易に当該成形型に設置できる。そして、例えば当該成形型にボビン31等を設置する工程を工作機により自動化できる可能性が高くなる。
(7)本実施形態では、ワイヤ42に結線された基板51を保持するボビン31等を樹脂モールド60に埋設して両電極部53aを除いた電気的な構成部位の全体を覆ったことで、防止性をより向上できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図7に示すように、各端末部44,45(掛架部44c,45b)を案内する第1のワイヤ案内部37aに準じた複数(2つ)のワイヤ案内部71,72を備えたボビン70であってもよい。この場合、各端末部44,45を案内させるワイヤ案内部71,72を変更することで、各端末部44,45が各ランド54,55を横切る経路が変更される。従って、各端末部44,45及び各ランド54,55の接合方法に応じてより最適な経路に各端末部44,45が案内されるように、複数のワイヤ案内部71,72から一のワイヤ案内部71,72を選択できる。
すなわち、上下方向で中心側に位置する一方のワイヤ案内部71は、図8に実線で描いたように、各ランド54,55の中央でこれを横切る経路に各端末部44,45を案内する。この場合、例えばこてはんだ付けによる接合方法を採用することが好ましい。これは、開口31dを通じたはんだやはんだコテの供給スペースを確保しやすいためである。
これに対し、上下方向で端部側に位置する他方のワイヤ案内部72は、図8に2点鎖線で描いたように、各ランド54,55の中央を避けてこれを横切る経路に各端末部44,45を案内する。この場合、例えばレーザーはんだ付けによる接合方法を採用することが好ましい。これは、各端末部44,45の断線を抑制すべくこれにレーザー光が直接照射されないようにする必要性があり、各ランド54,55の中央からずらしておいた方が開口31dを通じたレーザー光の照射スペースを確保しやすいためである。
・前記実施形態において、ボビン31にボードインコネクタ56を掛止する掛止部(掛止爪)を設けてもよい。
・前記実施形態において、樹脂モールド60に代えて、ボビン31等を収容する別体のケースを採用してもよい。あるいは、樹脂モールド60を省略してもよい。
・前記実施形態において、アンロックセンサ電極52に代えて、例えば金属板からなる別体のアンロックセンサ電極を採用してもよい。また、このようなアンロックセンサ電極は、基板に沿って配置されるようにハンドル本体HDに固定してもよいし、基板に接合してもよい。
・前記実施形態においては、各係柱32,33及び各第1のワイヤ案内部37aを外側及び内側に配設したが、それらの関係は互いに逆であってもよい。すなわち、各係柱32,33及び各第1のワイヤ案内部37aを内側及び外側に配設してもよい。
・前記実施形態においては、各係柱32,33及び各第1のワイヤ案内部37aをボビン31において互いに相反する両側(外側及び内側)に配設した。これに対し、各係柱32,33及び各第1のワイヤ案内部37aをボビン31における同一側(外側又は内側)に配設してもよい。
・前記実施形態においては、前後方向に延びる掛架部44c,45bにおいて端末部44,45をランド54,55にそれぞれ結線したが、例えば上下方向に延びる掛架部において端末部44,45をランド54,55にそれぞれ結線してもよい。この場合、掛架部の延在方向に合わせて開口31dの縁部に係柱を配置すればよい。
・前記実施形態においては、第1のワイヤ案内部37a及び第2のワイヤ案内部38aが前方及び後方にそれぞれ位置するようにハンドル本体HDを配置したが、操作方向の異なるドア(例えばスライドドア)ではそれらの関係を互いに逆にしてもよい。
・前記実施形態において、アウタパネル1(支持部材)に対して移動不能に固定されたハンドル本体HDであってもよい。この場合、アンロックセンサ電極52等の検知結果に応じた施解錠動作に連動して、ドアを電動で開閉作動させる機構を設ければよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)上記車両用ドアハンドル装置において、
前記基板には、人の接近又は接触を検出する静電容量センサのセンサ電極が形成された、車両用ドアハンドル装置。
この構成によれば、前記基板に前記センサ電極を形成したことで、例えば金属板からなる別体のアンロックセンサ電極を設ける場合に比べて、部品点数及び製造工数を削減できる。
(ロ)上記車両用ドアハンドル装置において、
前記ボビン、前記基板及び前記アンテナを埋設する樹脂モールドを備えた、車両用ドアハンドル装置。
この構成によれば、前記ボビン等を前記樹脂モールドに埋設したことで、防止性をより向上できる。
HD…ハンドル本体、10…車両用ドアハンドル装置、31,70…ボビン、31d…開口、31i…前縁部(縁部)、32,33…係柱、37a…第1のワイヤ案内部(ワイヤ案内部)、40…アンテナ、42…ワイヤ、44,45…端末部、44e,45d…巻き止め、51…基板、54,55…ランド、71,72…ワイヤ案内部。

Claims (4)

  1. 開口が形成され、該開口の縁部に一対の係柱が突設されたボビンと、
    前記開口に対向する一対のランドを有し、前記ボビンに保持された基板と、
    前記ボビンに巻回されるとともに両端末部の各々が前記各ランドを横切る状態で前記各係柱に巻き止められ、前記各ランドにおいて前記各端末部が結線されたワイヤを有するアンテナと、
    前記ボビン、前記基板及び前記アンテナを収容するハンドル本体とを備えた、車両用ドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記ボビンは、前記各端末部が前記各ランドを横切る経路を案内するワイヤ案内部を有した、車両用ドアハンドル装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記各係柱及び前記各ワイヤ案内部は、前記ボビンにおいて互いに相反する両側に配設された、車両用ドアハンドル装置。
  4. 請求項2又は3に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記各端末部に対して前記ワイヤ案内部を複数備えた、車両用ドアハンドル装置。
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