JP2018178393A - 金属屋根材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐風圧性能を向上できる金属屋根材を提供する。【解決手段】金属屋根材1は、金属板を素材とし箱状の本体部20を有する表基材2と、表基材2の裏側に配置された裏基材3と、本体部20と裏基材3との間に充填された芯材4とを備え、幅方向1Wが屋根の軒方向に延在するとともに、奥行方向1Dが屋根の軒棟方向に延在するように屋根下地の上に配置される金属屋根材であって、幅方向1Wに互いに離間するとともに長手方向5Lが奥行方向1Dに延在するように芯材4にそれぞれ埋め込まれた複数の長手状の板状補強部材5をさらに備え、板状補強部材5は、幅方向1W及び奥行方向1Dに延在する基板部50と、基板部50から本体部20の高さ方向2Hに延出されるとともに、奥行方向1Dに延在された補強リブ51とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、金属製の表基材を有する金属屋根材に関する。
本発明者らは、下記の特許文献1に示されているような金属屋根材、すなわち金属製の表基材と、表基材の裏側に配置された裏基材と、表基材と裏基材との間に充填された発泡樹脂からなる芯材とを備えた金属屋根材の実用化を試みている。
特許第5864015号公報
上記のような金属屋根材では、例えばアルミ箔又はアルミ蒸着紙等の薄い素材を裏基材に使用しているので、裏側の強度が低く、金属屋根材全体としても耐風圧性能が不十分になることがある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐風圧性能を向上できる金属屋根材を提供することである。
本発明に係る金属屋根材は、金属板を素材とし箱状の本体部を有する表基材と、本体部の開口を塞ぐように表基材の裏側に配置された裏基材と、本体部と裏基材との間に充填された芯材とを備え、幅方向が屋根の軒方向に延在するとともに、奥行方向が屋根の軒棟方向に延在するように屋根下地の上に配置される金属屋根材であって、幅方向に互いに離間するとともに長手方向が奥行方向に延在するように芯材にそれぞれ埋め込まれた複数の長手状の板状補強部材をさらに備え、板状補強部材は、幅方向及び奥行方向に延在する基板部と、基板部から本体部の高さ方向に延出されるとともに、奥行方向に延在された補強リブとを有している。
本発明の金属屋根材によれば、金属屋根材の奥行方向に延在する補強リブを有する複数の長手状の板状補強部材が、金属屋根材の幅方向に互いに離間するとともに、長手方向が金属屋根材の奥行方向に延在するように芯材にそれぞれ埋め込まれているので、屋根下地に緊結された金属屋根材の軒側端部を持ち上げるような曲げに対する金属屋根材の剛性を増大できる。これにより、金属屋根材の耐風圧性能を向上できる。
本発明の実施の形態による金属屋根材を示す平面図である。 図1の金属屋根材を示す底面図である。 図1の線III−IIIに沿う金属屋根材の断面図である。 図1の板状補強部材を示す斜視図である。 図1の線V−Vに沿う金属屋根材の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態による金属屋根材1を示す平面図であり、図2は図1の金属屋根材1を示す底面図であり、図3は図1の線III−IIIに沿う金属屋根材1の断面図であり、図4は図1の板状補強部材5を示す斜視図であり、図5は図1の線V−Vに沿う金属屋根材1の断面図である。
図1〜3に示す金属屋根材1は、奥行方向1Dと比較して幅方向1Wに長い平面視略矩形状の部材であり、例えば家屋等の屋根において他の金属屋根材とともに屋根下地の上に配置されるものである。本実施の形態の金属屋根材1は、幅方向1Wが屋根の棟方向に延在するとともに、奥行方向1Dが屋根の軒棟方向に延在するように屋根下地の上に配置される。
図1〜図3に示すように、金属屋根材1は、表基材2、裏基材3、芯材4及び複数の板状補強部材5を有している。
<表基材について>
表基材2は、金属板を素材とする金属製の部材であり、金属屋根材1が屋根下地の上に配置された際に屋根の外面に表れる部材である。図3に特に表れているように、表基材2には、天板20a及び周壁20bを有する箱状の本体部20が設けられている。
表基材2の素材である金属板としては、溶融Zn系めっき鋼板、溶融Alめっき鋼板、溶融Zn系めっきステンレス鋼板、溶融Alめっきステンレス鋼板、ステンレス鋼板、Al板、Ti板、塗装溶融Zn系めっき鋼板、塗装溶融Alめっき鋼板、塗装溶融Zn系めっきステンレス鋼板、塗装溶融Alめっきステンレス鋼板、塗装ステンレス鋼板、塗装Al板又は塗装Ti板を用いることができる。箱状の本体部20を形成するとき、鋼板を絞り加工することが好ましい。これは、鋼板を絞り加工することで周壁20bに加工硬化が生じ、金属屋根材1の耐風圧性能を向上できるためである。また、周壁20bを表基材2の周方向に連続する壁面とすることができるためである。
図1に表れているように、表基材2の天板20aには、幅方向1Wに互いに離間して配置された複数の打込位置表示部21と、各打込表示部21の周囲に配置された周囲リブ22とが設けられている。
打込位置表示部21は、金属屋根材1への緊結部材の打込み位置を示すものである。緊結部材は、例えばビス又は釘等により構成されるものであり、金属屋根材1を屋根下地に緊結するためのものである。本実施の形態の打込位置表示部21は数mm以下の開口により構成されている。しかしながら、打込位置表示部21は、例えば凸部、凹部又は刻設若しくは印刷された記号等、緊結部材の打込み位置を作業者が視覚的又は触覚的に認識できる他の態様を採ることもできる。
周囲リブ22は、各打込位置表示部21を囲うように配置された凸部によって構成されたものである。周囲リブ22は、上記のように配置された凹部によって構成されていてもよい。各周囲リブ22は、対応する打込位置表示部21に緊結部材が打込まれた際の天板20aの変形が周囲リブ22の外部に広がることを抑制する。
<裏基材について>
裏基材3は、本体部20の開口を塞ぐように表基材2の裏側に配置された部材である。裏基材3としては、アルミ箔、アルミ蒸着紙、水酸化アルミ紙、炭酸カルシウム紙、樹脂フィルム又はガラス繊維紙等の軽量な素材を用いることができる。これらの軽量な素材を裏基材3に用いることで、金属屋根材1の重量が増大することを回避することができる。
<芯材について>
芯材4は、例えば発泡樹脂等により構成されるものであり、本体部20と裏基材3との間に充填されている。芯材4の素材としては、特に制限が無く、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、イソシアヌレートフォーム等を用いることができる。ただし、屋根材においては不燃認定材料を使用することが必須となる。不燃材料認定試験は、ISO5660−1コーンカロリーメーター試験法に準拠した発熱性試験が実施される。芯材4となる発泡樹脂が発熱量の多いウレタンフォームなどの場合は、芯材4の厚みを薄くしたり、発泡樹脂に無機発泡粒子を含有させたりすることができる。本体部20と裏基材3との間に発泡樹脂が充填されることで、樹脂シート等の裏打ち材を表基材2の裏側に張り付ける態様よりも、表基材2の裏面に芯材4を強固に密着させることができ、雨音性、断熱性及び耐踏み潰れ性等の屋根材に求められる性能を向上させることができる。
<板状補強部材について>
各板状補強部材5は、図1及び図2に示すように平面視矩形の長手状の板状部材であり、金属屋根材1の幅方向1Wに互いに離間するとともに、長手方向5Lが金属屋根材1の奥行方向1Dに延在するように芯材4にそれぞれ埋め込まれている。各板状補強部材5は、裏基材3及び芯材4よりも高強度の板材である。金属屋根材1の裏側、すなわち本体部20の開口部分及び裏基材3部分は、本体部20の天板20a部分と比較して強度が低い。各板状補強部材5が芯材4に埋め込まれることで、金属屋根材1の裏側が補強されている。
本実施の形態の板状補強部材5は、金属屋根材1の裏側をより確実に補強するため、図4に示すように基板部50と補強リブ51とを有する非平板体によって構成されている。
基板部50は、図1及び図2に示すように板状補強部材5が芯材4に埋め込まれているときに金属屋根材1の幅方向1W及び奥行方向1Dに延在する平面視矩形の平板部である。基板部50が本体部20の天板20aよりも裏基材3に近い位置に配置されることで、より確実に金属屋根材1の裏側が補強される。
補強リブ51は、図1及び図2に示すように板状補強部材5が芯材4に埋め込まれているときに、基板部50から表基材2の本体部20の高さ方向2H(図3参照)に延出されるとともに、金属屋根材1の奥行方向1Dに延在されるものである。板状補強部材5がこのような補強リブ51を有することで、板状補強部材5の長手方向5Lの両端5aを互いに近づけるような曲げに対する板状補強部材5の剛性を増大することができる。そして、このような板状補強部材5が図1及び図2に示すように芯材4に埋め込まれていることで、屋根下地に緊結された金属屋根材1の軒側端部1e(図1及び図2参照)を持ち上げるような曲げに対する金属屋根材1の剛性を増大でき、金属屋根材の耐風圧性能を向上できる。
板状補強部材5は、表基材2の打込位置表示部21の下方に位置している。打込位置表示部21が表示する位置に正しく打ち込まれた緊結部材は、表基材2及び板状補強部材5の上下2枚の板材を貫通して屋根下地に到達する。すなわち、表基材2及び板状補強部材5は緊結部材によって一体化される。これら表基材2及び板状補強部材5が緊結部材によって一体化されることで、金属屋根材1の耐風圧性能がより確実に向上される。
補強リブ51の数は任意であるが、本実施の形態の板状補強部材5は一対の補強リブ51を有している。本実施の形態の補強リブ51は板状補強部材5の長手方向5Lの全体に延在しているが、補強リブは板状補強部材の長手方向の一部に延在されていてもよい。
例えば平板状の基板部に別の板材を接合する等して補強リブ51を一枚の壁体によって構成してもよいが、本実施の形態の補強リブ51は、図5に特に示すように先端510aが互いに接続された一対の壁体510によって構成されている。一対の壁体510の先端510aが互いに接続されていることで、これら一対の壁体510が一体として、板状補強部材5の長手方向5Lの両端5aを互いに近づけるような曲げに対する耐力壁となり、より確実に金属屋根材1の剛性を増大できる。本実施の形態では各壁体510の先端510aが互いに直接接続されている。しかしながら、他の板部を介して一対の壁体510の先端510aを互いに接続してもよい。
一対の壁体510の先端510aが互いに接続されているとき、それら一対の壁体510の基端510bを隣接させてもよいが、それら一対の壁体510の基端510bを互いに離間させることが好ましい。すなわち、補強リブ51を断面V字状又は断面コ字状の突状体とすることが好ましい。金属屋根材1は、例えば屋根妻に配置するとき等に切断されることがある。一対の壁体510の基端510bが互いに離間されていることで、金属屋根材1を切断する際の切断負荷を小さく抑えることができる。
図5に示すように、基板部50が裏基材3に接し、補強リブ51の先端が表基材2の裏面23に接していることが好ましい。基板部50及び補強リブ51がこのように構成されることで、金属屋根材1の上に太陽光発電モジュールや固定架台等の重量物が積載されるときに、板状補強部材5を介して積載荷重を屋根下地に逃がすことができ、表基材2が変形する可能性を長期間低減できる。
このような金属屋根材1では、金属屋根材1の奥行方向1Dに延在する補強リブ51を有する複数の長手状の板状補強部材5が、金属屋根材1の幅方向1W(軒方向)に互いに離間するとともに、長手方向5Lが金属屋根材1の奥行方向1D(軒棟方向)に延在するように芯材4にそれぞれ埋め込まれているので、屋根下地に緊結された金属屋根材1の軒側端部1eを持ち上げるような曲げに対する金属屋根材1の剛性を増大できる。これにより、金属屋根材1の耐風圧性能を向上できる。
また、補強リブ51には先端510aが互いに接続された一対の壁体510が設けられているので、より確実に金属屋根材1の剛性を増大できる。
さらに、一対の壁体510の基端510bが互いに離間されているので、基端510bを隣接させる場合と比較して金属屋根材1を切断する際の切断負荷を小さく抑えることができる。
さらにまた、基板部50が裏基材3に接し、補強リブ51の先端が表基材2の裏面23に接しているので、金属屋根材1が屋根下地の上に配置されているときに表基材2が作業者に踏まれたとしても、表基材2が変形する可能性を低減できる。
1 金属屋根材
2 表基材
3 裏基材
4 芯材
5 板状補強部材
50 基板部
51 補強リブ
510 壁体

Claims (4)

  1. 金属板を素材とし箱状の本体部を有する表基材と、前記本体部の開口を塞ぐように前記表基材の裏側に配置された裏基材と、前記本体部と前記裏基材との間に充填された芯材とを備え、幅方向が屋根の軒方向に延在するとともに、奥行方向が屋根の軒棟方向に延在するように屋根下地の上に配置される金属屋根材であって、
    前記幅方向に互いに離間するとともに長手方向が前記奥行方向に延在するように前記芯材にそれぞれ埋め込まれた複数の長手状の板状補強部材
    をさらに備え、
    前記板状補強部材は、
    前記幅方向及び奥行方向に延在する基板部と、
    前記基板部から前記本体部の高さ方向に延出されるとともに、前記奥行方向に延在された補強リブと
    を有している、
    金属屋根材。
  2. 前記補強リブには、先端が互いに接続された一対の壁体が設けられている、
    請求項1記載の金属屋根材。
  3. 前記一対の壁体の基端は互いに離間されている、
    請求項2記載の金属屋根材。
  4. 前記基板部が前記裏基材に接し、
    前記補強リブの先端が前記表基材の裏面に接している、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の金属屋根材。
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